JP2011165964A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】面内均一性の高い膜を形成する。
【解決手段】石英材で構成された複数のリング状プレートを、少なくとも表面が炭化珪素材で構成された複数本の支柱にて支持したボートにて、各リング状プレートの内周側に基板周縁が配置されるように複数の基板を保持しつつ処理室に搬入する工程と、前記処理室にシリコン含有ガスと酸素含有ガスを供給し、前記ボートに保持された前記複数の基板上及び前記複数のリング状プレートに酸化シリコン膜を形成する工程とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は半導体装置の製造方法に係り、特にリング状プレートを有するボートを用いて基板上に薄膜を形成する半導体装置の製造方法に関する。
一般に、複数枚の基板を一括して成膜処理する場合、基板上の膜の膜厚の面内均一性を向上するために、リング状プレートを有するボートを用いて処理することがある。ボートは、支柱とリング状プレートとから主に構成されている。従来、支柱とリング状プレートとは同じ材質、例えば石英材で構成されている。
石英材で構成されたボートを用いて基板上に膜を形成する際、反応生成物が反応室を構成する反応管の内壁や基板を保持するボートの表面に形成される。したがって、必要に応じて壁や表面を洗浄して反応生成物を除去する。
しかし、ボートの洗浄によってリング状プレートの表面が粗くなると、基板への成膜時、リング状プレートの表面にヘイズ状の膜、例えば直径が50mm以下の小さな粒子が多く存在することにより、くもり度の大きい膜が異常成長してしまうという現象を本発明者は知得した。リング状プレートの表面積が増加する。これにより、リング状プレートに近接する基板周縁の膜厚が低下し、膜厚の面内均一性が悪化するという問題があった。この問題は、酸化シリコン膜を基板上に形成する場合に顕著であった。
また、窒化シリコン膜を基板上に形成する場合には、窒化シリコン膜と石英製のリング状プレートとの熱膨張率が大きく異なるため、リング状プレートに形成された窒化シリコン堆積膜が剥がれ易くなる。このため、リング状プレートに近接する基板にパーティクルが付着しやすく、また、上述したようにリング状プレートに近接する基板周縁の膜厚が低下し、膜厚の面内均一性が悪化するという問題があった。
特開2007−48771号公報
上述したように、基板上に形成する膜とリング状プレートと熱特性等が同じ材質で形成されている従来のボートを用いて薄膜を形成すると、所望の膜を形成することが困難であった。
本発明の目的は、面内均一性の高い膜を形成することが可能な半導体装置の製造方法を提供することにある。
本発明の一態様によれば、石英材で構成された複数のリング状プレートを、少なくとも表面が炭化珪素材で構成された複数本の支柱にて支持したボートにて、前記複数のリング状プレートの内周側に基板の周縁が配置されるように基板を保持しつつ処理室に搬入する工程と、前記処理室にシリコン含有ガスと酸素含有ガスを供給し、前記ボートに保持された前記複数の基板上及び前記複数のリング状プレートに酸化シリコン膜を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、面内均一性の高い膜を形成することができる。
本発明の一実施の形態のボートの全体構成図である。 本発明の一実施の形態のボートの要部縦断面図である。 本発明の一実施の形態のボートの平断面図である。 本発明の一実施の形態の支柱に対するリング状プレートの取り付け手段を示す説明図である。 本発明の一実施の形態の支柱に対するリング状プレートの取り付け手段を示す説明図である。 本発明の一実施の形態の支柱に対するリング状プレートの取り付け手段を示す説明図である。 本発明の一実施の形態の支柱に対するリング状プレートの取り付け手段を示す説明図である。 本発明の他の実施の形態のボートの平断面図である。 本発明の他の一実施の形態のボートの要部縦断面図である。 本発明の一実施の形態における基板処理装置としての半導体製造装置の全体構成を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態における縦型炉の縦断面図である。 本発明を説明するための種々の材料に対する熱膨張係数の温度特性図である。 従来例のボートの問題点を示す説明図である。
[本発明の一態様]
以下に本発明の基板処理装置及び基板保持具としてのボートを、縦型炉を有する半導体製造装置に適用した一実施の形態を説明する。なお、半導体製造装置では、シリコンなどの基板より半導体装置としてのIC等の半導体素子を製造する。
既に述べた通り、ボートを構成する支柱とリング状プレートとが同じ材料から構成されていると、成膜用のガス種によっては、基板に近接するリング状プレートに膜が堆積しやすくなったり、リング状プレートに堆積した膜の膜剥がれが起こりやすくなったりする結果、基板上の膜の膜厚の面内均一性が保てない。本発明の一態様によれば、酸化シリコン膜を成膜する場合は、リング状プレートに石英材を用いることでリング状プレートの表面の粗さを小さくすることができ、これによりリング状プレートに堆積する膜の表面積が増加するのを低減して基板周辺部の膜厚低下を抑制する。窒化珪素膜を成膜する場合は、リング状プレートに炭化珪素(SiC)材を用い、これにより、リング状プレートに堆積する膜の膜剥がれを起こり難くしてパーティクルの発生を抑制する。このようにリング状プレートを基板上に成膜する膜種に合わせた材料で構成することにより、膜厚の面内均一性を確保することが可能となる。
図10は半導体装置の製造方法を実施するための縦型炉を有する半導体製造装置の概略透視斜視図であり、図11は縦型炉としての減圧CVD処理炉の縦断面図である。図10に示すように、筐体10内部の前側にカセットローダ6が位置し、カセットローダ6の後側にカセット棚1が設けられる。カセット棚1の上方にバッファカセット棚7が設けられ、カセット棚1の後側にウェハ移載機2が設けられる。ウェハ移載機2の後側に基板保持具としてのボート217を昇降させるボートエレベータ8が設けられ、ボートエレベータ8の上方に縦型炉5が設けられる。これら半導体製造装置を構成する各ユニットは、コン
トローラ300に電気的に接続され、コントローラ300により制御される。
縦型炉5は、図11に示すように、外管(以下、アウタチューブ205)と内管(以下、インナチューブ204)とを有する。アウタチューブ205は例えば石英(SiO)等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞され、下端に開口を有する円筒状の形態である。インナチューブ204は、上端及び下端の両端に開口を有する円筒状の形態を有し、アウタチューブ205内に同軸的に配置されている。アウタチューブ205とインナチューブ204との間の空間は筒状空間250を成す。インナチューブ204の上部開口から上昇したガスは、筒状空間250を通過して排気管231から排気されるようになっている。排気管231の下流側には、圧力検出器としての圧力センサ503が接続されている。また、圧力センサ503の下流側には、圧力調整器504が接続されている。さらに、圧力調整器504の下流側には真空排気装置505が接続されている。真空排気装置505は、処理室201内の圧力が1Pa程度の減圧状態で維持可能なように構成されている。圧力センサ503および圧力調整器504には、圧力制御部509が電気的に接続されており、圧力制御部509は圧力センサ503により検出された圧力に基づいて圧力調整器504により、処理室201内の圧力が所望の圧力となるよう所望のタイミングにて制御するよう構成されている。
アウタチューブ205およびインナチューブ204の下端には、例えばステンレス等よりなるマニホールド209が係合され、このマニホールド209にアウタチューブ205およびインナチューブ204が保持されている。このマニホールド209は保持手段(以下ヒータベース251)に固定される。アウタチューブ205の下端部およびマニホールド209の上部開口端部には、それぞれ環状のフランジが設けられ、両者の間が気密にシールされている。
マニホールド209には、その外側からインナチューブ204内の下方にガス供給部としての第1のガス供給管232が挿入されて、ガスをインナチューブ204内に供給できるようになっている。
マニホールド209の下端開口部には、例えばステンレス等よりなる円盤状の蓋体(以下シールキャップ219)が気密シール可能に着脱自在に取り付けられている。シールキャップ219には、その外側からインナチューブ204内の上方にガス供給部としての第2のガス供給管232aおよび第3のガス供給管232bが挿入され、インナチューブ204内に処理ガスを導入できるようになっている。この第2のガス供給管232a、第3のガス供給管232bには、複数のウェハ200に向けられた複数のガス孔(図示せず)が設けられ、インナチューブ204内に導入された処理ガスを各ウェハに供給できるようになっている。第1のガス供給管232、第2のガス供給管232a、第3のガス供給管232bの上流側には、ガス流量制御器としてのMFC501が接続されている。また、MFC501の上流側には、ガス供給源502が接続されている。MFC501には、ガス流量制御部508が電気的に接続されており、供給するガスの流量が所望の量となるよう所望のタイミングにて制御するよう構成されている。
シールキャップ219の上にボートキャップ211を介して基板保持具(以下ボート217)が載置されている。また、シールキャップ219には、回転部(以下回転軸254)が連結されており、回転軸254により、ボート217及びボート217上に多段に保持されている複数のウェハ200を回転させる。又、シールキャップ219に昇降部(図示略)が連結されていて、ボート217を昇降させる。回転軸254及び昇降部には、駆動制御部507が電気的に接続されており、所望の動作をするよう所望のタイミングにて制御するよう構成されている。
アウタチューブ205の外周には加熱部(以下ヒータ207)が同軸的に配置されている。ヒータ207は、アウタチューブ205内の温度を所定の処理温度にするよう温度検出部(以下温度センサ263)により温度を検出する。前述したインナチューブ204、アウタチューブ205と、マニホールド209とで、ボート217に支持されたウェハ200を収納して処理するための処理室201を構成する。ヒータ207と熱電対263には、電気的に温度制御部506が接続されており、温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ207への通電具合を調整するように構成されている。ガス流量制御部508、圧力制御部509、駆動制御部507、温度制御部506は、操作部、入出力部をも構成し、基板処理装置全体を制御する主制御部に電気的に接続されている。ガス流量制御部508、圧力制御部509、駆動制御部507、温度制御部506、主制御部はコントローラ300として構成されている。
ところで、上述した減圧CVD処理において、ウェハ200上に形成される薄膜の膜厚の面内均一性を向上させるためには、図1〜図3の様な、支柱15にリング状プート13を設ける構造のボート217を用いる。
以下、本発明の一実施の形態のボートを図1〜図3を用いて説明する。図1はボートの全体構成図であり、図2はボートの要部縦断面図、図3はボートの平断面図である。
[ボート]
ボート217は複数枚のウェハ200を保持する。図1〜図3に示すように、ボート217は、円板11,17、支柱15、ウェハ支持ピン16、及びリング状プレート13を備えて構成される。リング状プレート13は、支柱15によって支持される。ボート217の外観は略円筒形をしている。
[円板]
円板11,17は、上下に離間して配置された二枚の平行な底円板17及び天円板11から構成される。
[支柱]
支柱15は、略円筒形をしたボート217の骨格を形成する。支柱15は、底円板17及び天板11を連結するために上下方向に複数本設けられている。各支柱15は略円柱状をしており、その下端部が底円板17に、その上端部が天円板11に略半円状にそれぞれ配列固定されている(図3参照)。複数本の支柱15の数は、ウェハ200及びリング状プレート13を安定かつシンプルに支持するためには、3本であることが好ましいが、3本以上であっても良い。
[ウェハ支持ピン]
図2に示すように、ウェハ支持ピン16はウェハ200を支持する。ウェハ支持ピン16は、リング状プレート13、13間に設けられる。ウェハ支持ピン16は各支柱15に取り付けられ、3本で1枚のウェハ200を支持するようになっている(図3参照)。3本のウェハ支持ピン16上に、ウェハ200の周縁を支持するようになっている。ウェハ支持ピン16は、各支柱15に多段に設けられる。各ウェハ支持ピン16は略円柱状をしており、ボート217の中心、すなわちリング状プレート13の中心に向けて突設されている。これにより、複数のウェハ200を垂直方向に所定の間隔で略水平に載置することができるようになっている。
ウェハ支持ピン16は水平度が保たれているのが好ましい。水平度が保たれることにより、ウェハ搬送時にウェハ200がウェハ支持ピン16に接触する等の干渉を回避し、またボート217にウェハ200が載置された状態でのウェハ上に均一なガスの流れを確保
する。
ウェハ支持ピン16は、支柱15とは別体に設けられて、支柱15の周面に設けたウェハ支持ピン挿入孔23に挿入され(図2)、支柱15に溶着されている。これにより、支柱15とウェハ支持ピン16との固着部の強度は高く且つ長寿命化が可能となる。なお、ウェハ支持ピン16は、当初から支柱15に一体に取り付けても良い。
[リング状プレート]
リング状プレート13は、ウェハ200上に成膜される膜の周縁の膜厚が厚くなるのを改善する。リング状プレート13は、底円板17と天円板11との間に複数枚設けられる。各リング状プレート13は、中央に内径穴14を有するリング状の円板で形成される(図3参照)。各リング状プレート13は、3本の支柱15に略水平になるように取り付けられる。各リング状プレート13は、それらの上に同一高さに配置される直近の3本のウェハ支持ピン16と対をなす(図2、図3参照)。3本のウェハ支持ピン16で支持されるウェハ200の周縁が、3本のウェハ支持ピン16の直下にあるリング状プレート13の内周側に配置されるようになる。これにより、ウェハ200の周縁の膜厚が厚くなるのが改善される。
リング状プレート13は、各支柱15に一体的に取り付けるようにしてもよいが、各支柱15に対して取付け取外しが容易にできる構造となっているのがより好ましい。各支柱15には、それぞれリング状プレート13を保持するための複数の溝15aが形成されている。これらの溝15aは、リング状プレート13を水平に保持するために水平に形成されている。溝15aの深さは、支柱15による膜厚への悪影響を低減するために、支柱15がリング状プレート13の内径穴14へ入り込まない深さとするのがよい。リング状プレート13の外周縁が支柱15に形成された溝15aに挿入される。その結果、ウェハ200が支柱15に保持される。
[ボートの材料]
リング状プレート13は石英製であることもSiC製であることもある。リング状プレート13が石英製である場合、支柱15はSiC製とする。また、リング状プレート13がSiC製である場合、支柱15は石英製とする。これらの組合せは、膜種に応じて決定する。
具体的には、図11に示す第2のガス供給管232aから処理室201に処理ガスとしてシリコン含有ガスを供給し、第3のガス供給管232bから処理室201に処理ガスとして酸素含有ガスを供給し、ボート217に保持された複数のウェハ200及び複数のリング状プレート13に酸化シリコン膜を形成する場合は、複数のリング状プレート13には、石英材で構成されたものを用い、支柱15には炭化珪素材(SiC材)で構成されたものを用いる。なお、支柱15は、少なくとも表面がSiC材で構成されていればよい。
ここで、シリコン含有ガスは、例えばSiH(モノシラン)ガス、SiCl(テトラクロロシラン)ガス、SiHCl(トリクロロシラン)ガス及びSiHCl(ジクロロシラン)ガスから選ばれる1種以上のガスであり、酸素含有ガスは、例えばNO(二窒化酸素)ガスである。ボート217されたウェハ200及びリング状プレート13に形成される酸化シリコン膜は、例えばHTO(High Temparature Oxide:高温酸化膜SiO)膜である。酸化シリコン膜は、ALD、CVD、またはサイクリックCVD法で成膜する。
また、第2のガス供給管232aから処理室201に処理ガスとしてシリコン含有ガスを供給し、第3のガス供給管232bから処理室201に処理ガスとして窒素含有ガスを
供給し、ボート217に保持された複数のウェハ200及び複数のリング状プレート13に窒化シリコン膜を形成する場合は、複数のリング状プレート13には、SiC材で構成されたものを用い、支柱15には石英材で構成されたものを用いる。なお、リング状プレート13は、少なくとも表面がSiC材で構成されていればよい。
シリコン含有ガスは、例えばSiH(モノシラン)ガス、SiCl(テトラクロロシラン)ガス、SiHCl(トリクロロシラン)ガス及びSiHCl(ジクロロシラン)ガスから選ばれる1種以上のガスであり、窒素含有ガスは、例えばNO(二窒化酸素)ガス、NHから選ばれる1種以上のガスである。ボート217に保持されたウェハ200上及びリング状プレート13に形成される窒化シリコン膜は、例えばSiN膜、Si膜、Si膜が挙げられ、一般的には、高温でのCVD膜や高温で熱窒化したSi窒化膜の組成は、Si膜となる。窒化シリコン膜は、ALD、CVD、またはサイクリックCVD法で成膜する。
[処理方法]
図11に示した処理炉による減圧CVD処理方法(成膜RUNともいう)の一例を説明する。尚、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はコントローラ300により制御される。まず、昇降手段によりボート217を下降させる。ボート217に複数枚のウェハ200を保持する。次いで、ヒータ207により加熱しながら、処理室201内の温度を所定の処理温度にする。第1のガス供給管232により予め処理室201内を不活性ガスで充填しておき、昇降手段により、ボート217を上昇させて処理室201内に移し、処理室201の内部温度を所定の処理温度に維持する。処理室201内を所定の真空状態まで排気した後、回転軸254により、ボート217及びボート217上に保持されているウェハ200を回転させる。同時に第2のガス供給管232aから処理用のガスを供給する。供給された処理ガスは、各ウェハ200に対して均等に供給される。
減圧CVD処理中の処理室201内は、排気管231を介して排気され、所定時間減圧CVD処理を行って、ウェハ200上に薄膜を形成する。
このようにして減圧CVD処理が終了すると、次のウェハ200の減圧CVD処理に移るべく、処理室201内のガスを不活性ガスで置換するとともに、圧力を常圧にし、その後、昇降手段によりボート217を下降させて、ボート217及び処理済のウェハ200を処理室201から取り出す。処理室201から取り出されたボート217上の処理済のウェハ200は、未処理のウェハ200と交換され、再度前述同様にして処理室201内に上昇され、減圧CVD処理が成される。
[HTO膜の形成]
本実施の形態の処理炉にて、例えば、HTO膜を成膜する場合、ボート217を構成する材料は、上述したように、支柱15がSiC材、リング状プレート13は石英材である。ウェハの成膜条件としては、例えば、処理温度20℃〜(780℃)〜850℃、処理圧力10Pa〜(25Pa)〜500Pa、ガス種は、SiH(モノシラン)やSiHCl(ジクロルシラン)、NO(二窒化酸素)ガスである。ガス供給流量は、それぞれ10sccm〜1000sscm、10sccm〜10000sccmの範囲内のある値で一定に維持することでウェハに成膜処理がなされる。
[Si膜の形成]
本実施の形態の処理炉にて、例えば、Si膜を成膜する場合、ボート217を構成する材料は、上述したように、支柱15が石英材、リング状プレート13はSiC材である。ウェハの成膜条件としては、例えば、処理温度20℃〜(780℃)〜850℃、処理圧力10Pa〜(25Pa)〜500Pa、ガス種は、SiH(モノシラン)やSiHCl(ジクロルシラン)、NHガスである。ガス供給流量は、それぞれ10s
ccm〜1000sscm、10sccm〜10000scccmの範囲内のある値で一定に維持することでウェハに成膜処理がなされる。
[本発明の一態様の効果]
上述した一態様によれば、以下に挙げる一つ又はそれ以上の効果を奏する。
(1)従来、全部が同じ材料で製作されていたボートを、リング状プレートと支柱とで材料を異ならせて製作し、支柱にSiC材を用いた場合にはリング状プレートには石英材を用い、支柱に石英材を用いた場合にはリング状プレートにはSiC材を用い、これらの支柱及びリング状プレートを組み合わせるようにしてボートを構成するので、ボートを複数の異なる成膜プロセス条件に対応させることが可能となる。
(2)HTO膜の場合
リング状プレートを石英材ではなくSiC材で構成すると、リング状プレート表面の表面粗さはRa1.0程度となり、この結果、面内均一性が10%程度となる。これに対し、リング状プレートに石英材を用いると、表面粗さはRa0.1程度とSiC製の10分の1程度とすることができ、HTO膜の膜厚の面内均一性を6%と向上することができる。
また、リング状プレート以外の部分、すなわち支柱をSiC製とすることで、石英に比べ強度が強く(曲げ強さ約3倍)、耐熱温度が高いことから経時的な変形量が少ない。支柱の表面をCVDコートによってSiC製とする場合、洗浄でのエッチング量が少ないため、CVDコートが剥がれないかぎり支柱を継続使用することができ、石英に比べ、長寿命化が可能となる。
(2)Si膜の場合
図12に示すように、石英(SiO)に比べてSiCの熱膨張係数はかなり大きいが、SiとSiCの熱膨張係数が近似し、それらの差は小さい。熱膨張係数の差が小さいと、膜剥がれが発生し難いと考えられる。例えば、Si膜を形成する炉(Si炉)に全体がSiC製であるボートを使用すると、全体がSiO製であるボートを使用するより膜剥がれが発生し難いため、メンテナンス周期が延びることが知られている。
リング状プレートがSiC材の場合、リング状プレートに付着、堆積するSi膜との熱膨張率が近似するため、石英製と比較して、SiC製リング状プレート表面に堆積するSi堆積膜が剥がれ難く、リング状プレートに近接するウェハに堆積膜が付着することによるパーティクルの問題が起こり難くなる。その結果、パーティクルが形成する段差による窒化シリコン膜の面内均一性の低下を回避できる。なお、膜種がSi膜の場合、リング状プレート表面の堆積膜が剥がれ難くなるので、HTO膜の場合と比べて、リング状プレートの表面粗さはあまり問題とならない。なお、HTO膜とSi膜の連続成膜処理においても、パーティクル発生要因はSi膜が支配的なため、SiC製リング状プレートを用いることでパーティクル対策としては同様の効果がある。
リング状プレート以外の部分、すなわち支柱の材質を石英製すると、製作費を抑えることができるとともに、熱伝導率がSiCの約1/100のため、支柱を通しての処理室下方への熱逃げを少なくすることができる。
[本発明の他の態様]
上述した実施の形態では、HTO膜やSi膜を成膜する場合、ボート217を構成する支柱及びリング状プレートの材料を、それらの膜種に合わせて変えるようにして、基板上に形成される膜の膜厚面内均一性を図ることができた。さらなる好適なものとして、ボートの支柱またはリング状プレートの材料を変えることに加えるか、もしくは材料を
変えずに以下のように構成すると良い。
本発明の他の態様では、支柱に対してリング状プレートを容易に取付け取外しできる構成としている。
以下、支柱に対して容易にリング状プレートを取付け取外しできる構造を、具体的に説明する。
支柱にリング状プレートを取付け、取外しが容易にできる構造とする場合、リング状プレートを支柱に精度良くセットする必要がある。そのためには次のような種々の構造がある。
(1)矩形キー溝タイプ(図4)
図4(a)はボート217の平断面図、図4(b)は要部の縦断面図、図4(c)は要部の斜視図である。支柱15側に矩形のキー30を設け、リング状プレート13側にキー溝31を設けて、はめ込み構造としたものである。各支柱15に設けた溝15aの底面に矩形状のキー30を設ける。キー30は溝15aの底面中央に凸状で、径方向内方に伸びるように設けられる。キー溝31はリング状プレート13に180度、90度、90度の角度をなして3個設ける。3個のキー溝31は、リング状プレート13の外周部を矩形状に切り欠いて形成されている。支柱15に対するリング状プレート13の取り付け、取り外しは、支柱15に対しリング状プレート13を相対的に動かして、支柱15に設けたキー30に対し、リング状プレート13に設けたキー溝31を挿入、又はキー溝31を引き出すことにより、容易に行える。
(2)凹凸タイプ(図5)
図5(a)はボート217の底面側から見た平断面図、図5(b)は要部の縦断面図である。この凹凸タイプが、図4の矩形キー溝タイプと異なる点は、キー溝31及びキー30を凸部32及び凹部33に置き換えた点である。凸部32はピン状をしており、リング状プレート13の幅方向の中間部に設けられる。各支柱15に設けた溝15aの底面にピン孔状の凹部33は設けられる。凹部33は溝15a底面の中央に設けられる。支柱15に対するリング状プレート13の取り付け、取り外しは、支柱15に対し、リング状プレート13を相対的に動かして、支柱15に設けた凹部33に対し、リング状プレート13に設けた凸部32を落とし込むか、又は凹部33から凸部32を引き上げることにより、容易に行える。
(3)三角キー溝タイプ(図6)
図6(a)はボート217の平断面図、図6(b)は要部の縦断面図、図6(c)は要部の斜視図である。図4の矩形キー溝タイプと異なる点は、キー34及びキー溝35の形状を三角形とした点である。各支柱15に設けた溝15aの底面に二等辺三角形状のキー34を設ける。キー34は溝15a底面の中央に隆起し、三角形のキー底辺が溝壁15bと接し、キー頂点がボート217の径方向内方を向くように設けられる。3個のキー溝35は、リング状プレート13の外周部を三角形状に切り欠いて形成されている。キー34及びキー溝35の三角形の斜辺が取り付ける際のガイドになるので、支柱15に対するリング状プレート13の取り付け、取り外しは、矩形キー溝タイプよりも容易に行える。
(4)エッジフランジタイプ(図7)
図7(a)はボート217の底面側からみた平断面図、図7(b)は要部の縦断面図である。このエッジフランジタイプは、図5と同じ凹凸タイプであるが、異なる点は凸部36がリング状プレートの外周縁に設けられた長楕円形状のエッジフランジであり、凹部37が溝壁15bに接するように設けられて長孔形状をしている点である。このエッジフラ
ンジタイプは凹凸部36、37がエッジに形成されているので、図5の凹凸部タイプよりも、落とし込みや引き上げが容易になる。
以上の構成によれば以下の少なくとも一つ以上の効果を奏する。
(1)ボート洗浄によって発生するボートの表面荒れ、マイクロクラックなどは、ウェハの成膜プロセスに与える影響が大きいが、リング状プレートの交換、位置決めが容易にできるため、新品に交換すれば、ボートの表面荒れ、マイクロクラック等が低減することができ、これらに起因したボート全体の寿命を延ばすことができる。
(2)リング状プレートにおけるリングの内径穴14の寸法がウェハ面内均一性に影響を及ぼす際にも、リング状プレートをボートに対して容易に取り付け取り外し、ボートに対して位置決めできるので、リングの内径穴の異なるリング状プレートに交換しやすく、すみやかにウェハ面内均一性を向上させることができる。
(3)縦型反応管に形成される処理室201内は、頂部(TOP)、中央部(CTR)、及び底部(BTM)の3つのゾーンで評価することが多いが、リング状プレートをボートに対して容易に取り付け取り外すことができ、かつボートに対して位置決めができるので、TOPゾーンにあるウェハとBTMゾーンにあるウェハ間で膜の盛り上がり具合を均一にする場合等において、ボートの調整(チューニング)が容易となる。
(4)リング状ホルダを有するボートは、構造が複雑であっても安価となり、また、ボートを製作し評価し結果を判断するのに要する時間が低減できるため、ランニングコスト低減、ダウンタイム低減に寄与することができる。
(5)ボートの長寿命化のためには、全体を石英材ではなくSiC材とするのが好ましく、特にリング状ホルダを有するボートは構造的に複雑なため、全体をSiC化することが困難であるが、部分的にSiC化すればよいため、長寿命化が容易となる。
[本発明の他の態様の効果]
本発明の他の実施の形態によれば、以下に挙げる一つ又はそれ以上の効果を有する。
(1)リング状プレートを容易に取り外し取り付け可能な構造とすることで、表面荒れ、マイクロクラックなどのウェハの成膜プロセスヘの影響度が大きくなる前に、表面荒れ、マイクロクラックなどが発生した部品のみの交換が可能となり、ボート全体を交換する必要がなくなるので、結果的にボート寿命を延ばすことができる。
(2)リング状プレートを容易に取り外し取り付け可能な構造とすることで、成膜調整が容易になる。すなわち、内径穴の内径の異なる種々のリング状プレートを製作し、支柱に対するリング状プレートの取付部を同じ形態とすることで、成膜評価する際にも、リング状プレートを容易に交換することができる。
(3)ボート全体を石英製としても、リング状プレートの表面粗さをRa0.1程度とすることができるが、成膜RUNを繰り返し、堆積膜の累積が増えるとリング状プレート表面の粗面化により、面内均一性が悪化する。この面内均一性が、悪化するメカニズムを図13に示す。
図13に、リング状プレート13表面(図13(a))に、成膜RUNにより異常成長したヘイズ状の膜38により表面積が増加し(図13((b))、この膜38上への成膜が促進されてしまう影響から、ウェハ200周縁の膜(酸化シリコン膜)39の膜厚が低下する様子(図13((c))。これを回避するために、ボート洗浄を行うが、洗浄を繰
り返すことでエッチングによる表面荒れによるボート表面、特にリング状プレートの粗面化が生じる。リング状プレート13の表面が粗くなると、表面積が多くなるため、成膜用ガスがリング状プレート13の表面で成膜しやすくなり、ウェハへの成膜膜厚均一性が悪化してしまう。この問題を是正するためには、ボートを新たなボートに交換する必要がある。しかし、ボート全体の交換ではコストがかかる。これに対し、リング状プレートを容易に取外し取付け可能な構造とすることで、リング状プレートの表面が粗くなったり、劣化、破損したりした場合には、全体を交換することなく、リング状プレートのみを容易に交換することが可能となる。したがって、石英材で構成されたリング状プレートの表面粗さを規定して、表面粗さが規定値を超えた場合に、ボート全体ではなく、リング状プレートのみを交換することにより、ウェハ上の窒化シリコン膜の膜厚の面内均一性を確保することができる。
(4)リング状プレートを容易に取外し取付可能な構造とすることで、リング状プレートの内径穴の異なるリング状プレートを、ボートに積載された複数のウェハの頂部(TOP)、中央部(CTR)、及び底部(BTM)からなる3つのゾーン毎に変更することが可能となる。したがって、ボート全体を変更することなく、リング状プレートを交換するだけで成膜調整が容易になり、TOPゾーンとBTMゾーンでの膜の盛り上がりなどを均質化できる。
(5)リング状プレートの支柱に対する取り付けは、リング状プレートと支柱とをキー溝タイプ、凹凸タイプのようなはめ込み構造として、容易に位置決めできるようにしたので、リング状プレートを支柱に精度良くセットすることができる。
(6)リング状プレートと支柱との種々のセット形状を用意しておけば、種々の組合せのボートを実現することができる。
[本発明の別な他の態様]
上述した一態様では、支柱15がリング状プレート13の外周縁よりはみ出している部分の断面積の割合は特に規定していない。図3の態様ではその割合は1/3、図4〜図7の他の態様でも1/2程度であるが、このはみ出し部の割合は、反応炉の外径が許容できる範囲で、かつ支柱15にリング状プレート13を係止できる範囲で、大きいほど良い。図8に示すように、ウェハ200の周縁から支柱15が離れている程、支柱15の影響によるウェハ面内均一性が悪化するのを改善できる。はみ出し部は、好ましくは4/5以上とするのが良い。支柱15をウェハ200の周縁から距離を離すことで、支柱15の影響による面内均一性の悪化を改善することができる。
図8及び図9に示すようにウェハ支持ピン16は段付ピンで構成するのがよい。ウェハ支持ピン16は円柱又は角柱で構成される。ウェハ支持ピン16は外径を2段にした段付ピンとする。段付ピンは、支柱15のピン挿入孔23に一部が挿入固定される基部16aと、基部16aよりも外径が小さい又は対角線が小さく、基部16aからピン軸上に延設されてウェハ200を裏面側から支持する先端部16bとから構成される。ウェハ支持ピン16を段付ピンとしたことにより、ウェハ200の芯出し(位置出し)、ウェハ200のズレ、落下を確実に防止することができる。
[本発明の別な態様の効果」
本発明の別な態様によれば、支柱をウェハの周縁から離すようにしたので、支柱の影響による膜厚面内均一性の悪化を改善することができる。また、ウェハ支持ピンを段付にしたのでウェハの位置出し、ズレ、落下を確実に防止することができる。
なお、上述した実施の形態では半導体本発明の半導体装置の製造方法は、半導体装置だけでなくLCD装置のようなガラス基板を処理する製造方法にも適用できる。
[付記]
以下に本発明の好ましい態様を付記する。
本発明の一実施の態様によれば、石英材で構成された複数のリング状プレートを少なくとも表面が炭化珪素材で構成された複数本の支柱にて支持したボートにて、前記複数のリング状プレートの内周側に基板の周縁が配置されるように基板を保持しつつ処理室に搬入する工程と、前記処理室にシリコン含有ガスと酸素含有ガスを供給し、前記ボートに保持された前記複数の基板上及び前記複数のリング状プレートに酸化シリコン膜を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。本発明の一態様によれば、リング状プレートが石英材で構成され、支柱が炭化珪素材で構成されたボートを用いるので、リング状プレートの表面粗さが炭化珪素材で構成される場合と比べて小さくなる。
本発明の他の実施の態様によれば、少なくとも表面が炭化珪素材で構成された複数のリング状プレートを石英材で構成された複数本の支柱にて支持したボートにて、前記複数のリング状プレートの内周側に基板の周縁が配置されるように基板を保持しつつ処理室に搬入する工程と、前記処理室にシリコン含有ガスと窒素含有ガスを供給し、前記ボートに保持された前記複数の基板上及び前記複数のリング状プレートに窒化シリコン膜を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
これらの場合において、前記支柱に対して前記リング状プレートは交換可能に設けられることが好ましい。
前記支柱の断面積のうち、前記リング状プレートの外周縁から径方向外方にはみ出す部分の断面積が4/5以上あることが好ましい。
前記支柱に設けた基板支持用のピンを使って基板を裏面から支持することが好ましい。
前記ピンを、前記支柱に固定される基部と、該基部よりも小径で前記基板を支持する先端部とを備えた段付ピンとすることが好ましい。
13 リング状プレート
15 支柱
217 ボート
200a ウェハ周縁(基板周縁)
201 処理室
232a 第2処理用のガス供給管(シリコン含有ガスと酸素含有ガスを供給するガス供給管)
39 酸化シリコン膜

Claims (2)

  1. 石英材で構成された複数のリング状プレートを、少なくとも表面が炭化珪素材で構成された複数の支柱にて支持したボートにて、各リング状プレートの内周側に基板周縁が配置されるように複数の基板を保持しつつ処理室に搬入する工程と、
    前記処理室にシリコン含有ガスと酸素含有ガスを供給し、前記ボートに保持された前記複数の基板上及び前記複数のリング状プレートに酸化シリコン膜を形成する工程と
    を有する半導体装置の製造方法。
  2. 少なくとも表面が炭化珪素材構成された複数のリング状プレートを、石英材で構成された複数本の支柱にて支持したボートにて、各リング状プレートの内周側に基板周縁が配置されるように複数の基板を保持しつつ処理室に搬入する工程と、
    前記処理室にシリコン含有ガスと窒素含有ガスを供給し、前記ボートに保持された前記複数の基板上及び前記複数のリング状プレートに窒化シリコン膜を形成する工程と
    を有する半導体装置の製造方法。
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