JP2012123589A - 配管施工管理システム、携帯端末及び施工情報管理サーバ - Google Patents

配管施工管理システム、携帯端末及び施工情報管理サーバ Download PDF

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Abstract

【課題】配管敷設工事の施工現場で、継手部の評価に必要な検査項目が欠落することなく、適正な検査情報が得られたことを人手を介さずに検証できる配管施工管理システムを提供する。
【解決手段】現場で施工管理情報を収集して外部に送信する携帯端末と、施工管理情報を受信して施工状況を管理する施工情報管理サーバとを備え、携帯端末に、継手形式を含む管情報を取得可能なコード情報を読み取るコード情報読取部と、配管の接合形態を特定する接合形態特定部と、コード情報から得られる管情報と特定された接合形態とから継手部の評価に必要な検査項目を生成して報知する検査項目報知部と、報知された検査項目に対応した検査情報を施工管理情報の一部として入力する検査情報入力部と、入力された検査情報に基づいて継手部の接合が適正に行なわれたか否かを評価する評価部とを備え、適正と評価されたときにのみ施工管理情報を外部に送信する。
【選択図】図5

Description

本発明は、配管敷設工事の施工現場で配管の施工管理情報を収集して外部に送信する携帯端末と、前記携帯端末から送信された前記施工管理情報を受信して施工状況を管理する施工情報管理サーバとを備えた配管施工管理システム、当該配管施工管理システムに用いられる携帯端末及び施工情報管理サーバに関する。
上水道管路網等の配管敷設工事の施工に付帯して、施工業者は当日の作業終了時に配管の使用材料や工事内容を特定する図面を工事日報に書き込み、工事の終了後に管路の埋設位置を表す竣工図や、竣工図よりも管路の正確な埋設位置を表すオフセット図を工事管理者に提出する必要がある。
しかし、施工業者にとってこのような書類の作成作業は非常に煩雑であるため、正確な情報の記入が保証され難いという問題があった。例えば、工事に用いられる多品種の管材料や各管の埋設位置を手帳にメモしておき、後にそのメモを参照して上述の書類をまとめて作成する場合が多いのであるが、その際に転記ミスも多く、また、配管の埋設後に位置を計測するような場合も多いため、正確さに欠けるという問題があったのである。
一方、工事管理者は施工管理のために施工現場に赴く必要があるが、施工現場が管理事務所から遠方に位置する場合や、一人の管理者が同時に複数の施工現場を管理する場合に、移動に時間を要して効率が悪いという問題があった。
さらに、施工後のメンテナンス等のために、コンピュータ上で管理されている地図情報システムに施工終了後の敷設データ等を更新入力して管路網が管理されているのであるが、上述した竣工図やオフセット図に基づいて管路網を更新処理する場合に誤ったデータが入力されていると、その後のメンテナンスに支障を生じる虞もあった。
そこで、特許文献1には、配管網を敷設する施工工事の現場で、配管材料の識別情報と施工条件を含む工事情報とに対応づけ可能な関連情報を読取り、読取った施工条件に従って該配管材料を使用する際に、該識別情報および該施工条件と、全地球測位システムを利用して自動的に検知される現場位置についての位置情報とを収集して、データベースを構築するデータベース構築手段と、データベース構築手段に構築されているデータベースに基づいて、配管網管理用のマップシステムを更新するマップ更新手段を含む現場情報収集処理装置が提案されている。
当該現場情報収集処理装置によれば、施工に伴う書類作成が不要になり、コンピュータ上で管理されている管路網の更新作業も省力化することができるようになる。
特開2002−297707号公報
ところで、配管の継手部が適正に接続されたか否かを評価するために、管種類と接合形態によって予め設定された検査項目に従った検査を行なう必要があり、施工現場では、そのための専用の治具や計測器を用いて検査情報を得ている。そのような検査情報も上述の現場情報収集処理装置で送信できれば、さらなる省力化が図れて好ましい。
しかし、作業者の不注意等によって検査項目の誤りや欠落が発生し、或は、携帯端末に入力される検査情報が誤った値や不適正な値である場合に、それが見過ごされると、適正な配管工事が終了したとの保証が得られなくなる。そのため、工事管理者が施工現場で検証作業に立ち会ったり、作業者が現場でチェックリストを用いて検証作業を行ない、検証報告用の書類等を作成するといった従前の業務を廃止することが困難な状況であり、十分な省力化が図れていないという問題があった。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、配管敷設工事の施工現場で、継手部の評価に必要な検査項目が欠落することなく、適正な検査情報が得られたことを人手を介さずに検証できる配管施工管理システム、携帯端末及び施工情報管理サーバを提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による配管施工管理システムの第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、配管敷設工事の施工現場で配管の施工管理情報を収集して外部に送信する携帯端末と、前記携帯端末から送信された前記施工管理情報を受信して施工状況を管理する施工情報管理サーバとを備えた配管施工管理システムであって、前記携帯端末に、配管の継手形式を含む管情報を取得可能なコード情報を読み取るコード情報読取部と、配管の接合形態を特定するための入力画面を表示する接合形態特定部と、前記コード情報読取部で読み取られたコード情報から得られる管情報と前記接合形態特定部で特定された接合形態とから継手部の評価に必要な固有の検査項目を生成して報知画面に表示する検査項目報知部と、前記検査項目報知部で報知された検査項目に対応した検査情報を前記施工管理情報の一部として入力する検査情報入力部とを備え、前記携帯端末または前記施工情報管理サーバの何れかに、検査情報入力部に入力された前記検査情報に基づいて前記継手部の接合が適正に行なわれたか否かを評価する評価部を備えている点にある。
上述の構成によれば、評価部によって継手部の接合が適正に行なわれたか否かが評価されるので、検査情報入力部に入力された検査情報が不適切である場合に、その状態を放置することなく適切な対応を取ることができるようになる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記評価部が前記携帯端末に備えられ、前記評価部は、前記継手部の接合が適正に行なわれたと評価したときに前記施工管理情報の外部への送信を許容する点にある。
評価部を携帯端末に備える場合には、継手部の接合が適正に行なわれるまで、施工管理情報が外部に送信されることがなくなるので、施工作業が不適切に終了されることが無く、管理者が現地に赴かなくてもリアルタイムで施工作業の進捗管理を行なうことができるようになる。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記評価部が前記施工情報管理サーバに備えられ、前記評価部は、前記携帯端末から送信された前記検査情報に基づいて前記継手部の接合が適正に行なわれたと評価したときに前記携帯端末に埋め戻し許可情報を返信する点にある。
上述の構成によれば、継手部の接合が適正に行なわれるまでは、埋め戻し作業を禁止するように遠隔管理できるので、管理者が現地に赴かなくてもリアルタイムで施工作業の確実な進捗管理を行なうことができるようになる。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第三の特徴構成に加えて、前記評価部は、評価情報を含む施工管理情報を蓄積し、評価履歴を出力可能とする点にある。
上述の構成によれば、評価情報を含む施工管理情報が蓄積され、評価履歴に基づいて施工業者の施工品質を評価することができるようになる。
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、検査情報入力部は、前記継手部を撮影可能な撮像部を含み、前記評価部は、前記撮像部で撮影された前記継手部の画像データに基づいて前記継手部の接合が適正に行なわれたか否かを評価する画像処理部を備えている点にある。
上述の構成によれば、撮像部により撮影された継手部の撮影画像に基づいて、画像処理部により継手部の接合状態の可否が自動判別できるので、人手による検証のための作業を省略できるようになる。
本発明による携帯端末の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、配管敷設工事の施工現場で配管の施工管理情報を収集して外部に送信する携帯端末と、前記携帯端末から送信された前記施工管理情報を受信して施工状況を管理する施工情報管理サーバとを備えた配管施工管理システムに用いられる携帯端末であって、配管の継手形式を含む管情報を取得可能なコード情報を読み取るコード情報読取部と、配管の接合形態を特定するための入力画面を表示する接合形態特定部と、前記コード情報読取部で読み取られたコード情報から得られる管情報と前記接合形態特定部で特定された接合形態とから継手部の評価に必要な固有の検査項目を生成して報知画面に表示する検査項目報知部と、前記検査項目報知部で報知された検査項目に対応した検査情報を前記施工管理情報の一部として入力する検査情報入力部と、前記検査情報入力部に入力された前記検査情報に基づいて前記継手部の接合が適正に行なわれたか否かを評価し、前記継手部の接合が適正に行なわれたと評価したときに前記施工管理情報の外部への送信を許容する評価部とを備えている点にある。
本発明による施工情報管理サーバの特徴構成は、同請求項7に記載した通り、配管の継手形式を含む管情報を取得可能なコード情報を読み取るコード情報読取部と、配管の接合形態を特定するための入力画面を表示する接合形態特定部と、前記コード情報読取部で読み取られたコード情報から得られる管情報と前記接合形態特定部で特定された接合形態とから継手部の評価に必要な固有の検査項目を生成して報知画面に表示する検査項目報知部と、前記検査項目報知部で報知された検査項目に対応した検査情報を前記施工管理情報の一部として入力する検査情報入力部とを備えた携帯端末と、前記携帯端末から送信された施工管理情報を受信して施工状況を管理する施工情報管理サーバとを備えた配管施工管理システムに用いられる施工情報管理サーバであって、前記検査情報に基づいて前記継手部の接合が適正に行なわれたか否かを評価し、前記継手部の接合が適正に行なわれたと評価したときに前記携帯端末に埋め戻し許可情報を返信する評価部を備えている点にある。
以上説明した通り、本発明によれば、配管敷設工事の施工現場で、継手部の評価に必要な検査項目が欠落することなく、適正な検査情報が得られたことを人手を介さずに検証できる配管施工管理システム、携帯端末及び施工情報管理サーバを提供することができるようになった。
本発明による配管施工管理システムの構成図 本発明による携帯端末及び施工情報管理サーバの説明図 本発明による携帯端末の入力画面の説明図 本発明による施工情報管理サーバに接続された端末の表示画面の説明図 本発明による携帯端末を用いた施工管理情報の処理手順の説明図 施工情報管理サーバの処理手順の説明図 検査情報を取得するための手順の説明図で、(a)は薄板ゲージを用いてゴム輪位置情報を取得する説明図、(b)はゴム輪位置の確認装置を用いてゴム輪位置情報を取得する説明図、(c)は接合部の曲げ角度を取得する説明図
以下に、ダクタイル鋳鉄管を用いた上水道管路網に対する配管施工を例に、本発明による配管施工管理システム、携帯端末及び施工情報管理サーバを説明する。尚、本発明は、上水道管路網に対する配管施工以外に、下水管に対する配管施工、ガス管に対する配管施工等、継手部の接合の検証が必要な配管施工工事全般に適用可能であり、ダクタイル鋳鉄管以外の管を用いた配管施工にも適用可能である。
図1には、配管敷設工事の施工現場で配管の施工管理情報を収集して外部に送信する携帯端末10と、携帯端末10から送信された施工管理情報を受信して施工状況を管理する施工情報管理サーバ20とを備えた配管施工管理システムが示されている。
携帯端末10で収集された施工管理情報は電子メールとしてメールサーバ40に送信されてメールサーバ40に備えたハードディスク等の記憶部45に蓄積され、施工情報管理サーバ20は定期的にメールサーバ40をアクセスして、記憶部45に蓄積された電子メールをダウンロードして、各電子メールに含まれる施工管理情報を解析し、その情報をハードディスク等でなる施工管理情報データベース25に格納する。
携帯端末10とメールサーバ40間の通信媒体は携帯電話ネットワーク等任意の通信インフラを用いればよく、特に制限されるものではない。
さらに、施工情報管理サーバ20は電子地図サーバ50に接続され、施工管理情報に含まれる施工位置を含む電子地図を電子地図サーバ50から取得して、当該電子地図と施工管理情報とを関連付けて管理するように構成されている。
施工情報管理サーバ20にはウェブサーバとしての機能も備えられ、管理事務所に設置されたブラウザソフトが搭載された端末30から施工情報管理サーバ20にアクセスすることにより、施工管理担当者等が施工管理情報データベース25に格納された施工管理情報を閲覧することができるように構成されている。
携帯端末10には、CPU、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラム等が格納されるフラッシュROM、ワークエリアに使用されるRAM、メモリカード、タッチパネル式の液晶表示部、データ等の入力キー、通信インタフェース、コードリーダ、撮像装置、GPS(Global Positioning System)受信機等のハードウェアが組み込まれている。通信インタフェースには、高速データ通信(HSDPA)と音声通話を実現するW-CDMAモジュール、Bluetoothモジュール等複数種類の通信インタフェースを備えている。
そして、オペレーティングシステムの制御下で実行される基本入出力プログラムがCPUにより実行されることにより、タッチパネル式の液晶表示部を介したマンマシンインタフェース処理、コードリーダを介したコード情報読取処理、通信インタフェースを介した外部との通信処理、GPS(Global Positioning System)受信機を介した位置検知処理、撮像装置を介したカメラ撮影処理等、携帯端末10上で各基本機能が実現されている。
そして、配管の施工管理用のアプリケーションプログラムがオペレーティングシステムの管理下で実行されることによって、各基本機能を有機的に連動させて所期の目的を達成するための特定用途、つまり配管の施工管理用の携帯端末10が実現されている。
携帯端末10で収集される施工管理情報には、工事情報、施工位置情報、管情報、接合形態、施工条件、検査情報等が含まれる。
工事情報には、工事名、施工業者、施工日時が含まれる。施工位置情報とは、管接続工事の開始位置、分岐位置、終了位置の各位置情報で、従前のオフセット図の作成に必要とされる位置情報である。
管情報には、直管または異形管の区別と、直管であれば継手形式、呼び径、管種、内面仕様、有効長の各情報、異形管であれば継手形式、呼び径、異形管の種類、寸法の各情報が含まれる。接合形態とは直管受口か異形管受口の何れかである。施工条件には土被りコメント、接合部曲げ角度等が含まれる。
上述の携帯端末10のハードウェア及びソフトウェアが協働して実現される配管の施工管理のための機能ブロックには、工事情報入力処理部、施工位置情報入力処理部、管情報入力処理部、接合形態入力処理部、検査情報入力処理部、施工管理情報送信処理部、評価部が含まれる。
工事情報入力処理部は、液晶表示部に工事名、施工業者、施工日時を含む工事情報の入力を促すメッセージを表示し、施工業者が入力キーを用いて入力した工事情報をRAMに記憶するとともに液晶表示部に表示する。
施工位置情報入力処理部は、施工業者が各配管の施工位置に携帯端末10を位置決めして、液晶表示部に表示されるGPS受信機を作動させるソフトスイッチをタッチすることにより起動され、GPS受信機を介し施工位置を示す緯度経度情報を獲得してRAMに記憶する。
管情報入力処理部は、配管の継手形式を含む管情報を取得可能なコード情報を読み取るコード情報読取部として実現されている。コード情報読取部は、施工対象となる管毎に予め準備された二次元コード情報の一例であるQRコード(QRコードは登録商標である。)を、コードリーダを介して読み取り、読み取ったコード情報に基づいて上述の管情報を取得する。
コード情報そのものが上述の管情報を示すものであってもよいし、携帯端末10にQRコードと管情報の対応データが記憶されたメモリカードを装着し、読み取ったコード情報に基づいてメモリカードから管情報を取得するように構成されていてもよい。
QRコードが印刷されたラベルが施工対象となる管に貼り付けられていてもよいし、QRコードが印刷された複数のラベルが施工対象となる管の型式に応じて準備されていてもよい。
コード情報を入力するためにQRコードのような二次元コード情報を用いる以外に、バーコード情報やIDタグ情報等を用いることも可能である。バーコード情報を用いる場合には、携帯端末10にバーコードスキャナを搭載すればよく、IDタグ情報を用いる場合には、携帯端末10にIDタグ情報を読み取るためのインタフェース回路を搭載すればよい。
接合形態入力処理部は、配管の接合形態を特定するための入力画面を液晶表示部に表示する接合形態特定部として実現されている。接合形態特定部は、入力画面に複数の接合形態を表示し、施工業者によって選択入力された接合形態をRAMに記憶する。
検査情報入力処理部は、コード情報読取部で読み取られたコード情報から得られる管情報と接合形態特定部で特定された接合形態とから継手部の評価に必要な固有の検査項目を生成して液晶表示部に報知画面として表示する検査項目報知部と、検査項目報知部で報知された検査項目に対応した検査情報を施工管理情報の一部として入力してRAMに記憶するとともに、入力された検査情報から接合部曲げ角度等を算出してRAMに記憶する検査情報入力部とを備えている。
接合形態に対応した検査項目を予めコード情報に含ませていてもよいし、管情報と接合形態とから固有の検査項目を予めメモリカードに記憶しておき、検査項目報知部がメモリカードから対応する検査項目を読み出すように構成してもよい。
評価部は、検査情報入力部で入力処理された検査情報に基づいて継手部の接合が適正に行なわれたか否かを評価するブロックで、継手部の接合が適正に行なわれたと評価すると施工管理情報送信処理部による送信処理を許可し、継手部の接合が適正に行なわれていないと評価すると施工管理情報送信処理部による送信処理を禁止し、不足データ或は不適正なデータの再入力を促すメッセージを表示する。
施工管理情報送信処理部は、評価部による送信許可の下で、RAMに記憶された施工管理情報を予め設定されたデータフォーマットに当てはめた施工管理情報ファイルを生成し、電子メールの添付ファイルとして予め設定された施工情報管理サーバ20のメールアドレス宛に送信する。
図7(a)に示すように、ダクタイル鋳鉄管では、一方の管の端部に形成された受口2の内部に他方の管の端部に形成された挿口3を挿入し、受口2の内周面と挿口3の外周面との間でシール用のゴム輪4が圧縮されるように介装され、ロックリング5aと挿口3に形成された突部3aが係合して抜止めされる耐震継手構造が採用される。図中、5bはロックリング心出し用部材である。
上述の検査情報とは継手部の接合が適正に行なわれたか否かを評価するための情報で、継手部の周囲の所定箇所のゴム輪の入り込み量ΔLを確認するための計測データや写真画像データが含まれる。
図7(a)に示すように、ゴム輪4の入り込み量ΔLを確認するため、通常は、受口2の管端からゴム輪4との接触位置までの距離を計測する薄板ゲージ60が用いられ、当該薄板ゲージ60の目盛りが計測データとして読み取られる。また、当該計測操作を容易にするため、ゴム輪位置を確認する接合チェッカ70が使用される場合もある。何れの場合にも、継手の種類に応じて定められる周方向に沿う複数個所でゴム輪位置が計測される。
図7(b)に示すように、接合チェッカ70は、本体部70aと、受口2の外側から受口2と挿口3との隙間に挿入される挿入片70bと、挿入片70bが隙間に挿入されるときに受口2の端面に当たることで挿入片70bの挿入量に応じた量だけ本体部70aに入り込み可能な突出ロッド70cと、突出ロッド70cの入り込み量に応じた信号を発生する信号発生部70dを備えている。信号発生部70dは、突出ロッド70cの入り込み量ΔLが適正な範囲である場合に青色のLEDを点灯させ、不適正な範囲であるときに赤色のLEDを点灯させるように突出ロッド70cの入り込み量に応じて作動するスイッチ回路を本体部70aに備えている。
図7(c)に示すように、挿口3の外周には挿口3の端面から所定の距離の位置の周方向に白線3aがマーキングされ、受口2の端面と白線3aとの距離Rを周方向の二箇所(最大位置と最小位置)で計測し、計測データに基づいて曲げ角度が算出される。
また、図示しないが、フランジ部にガスケットを介してボルトナットで固定する形式の継手部であれば、互いのフランジ部が接触しているか否かを周方向に沿って複数の位置で検知するメタルタッチ確認のための写真画像が要求される。
検査項目報知部で生成される検査項目について例示する。耐震用の継手部の形態1(具体的には「GENEX」タイプ)では、呼び径φ75の異形管受口に対して周方向2箇所のメタルタッチ確認検査が、呼び径φ250の異形管受口に対して周方向4箇所のメタルタッチ確認検査が要求される。また、呼び径φ75〜250の直管受口に対して周方向に均等に分割した8箇所の薄板ゲージ60による計測データまたは接合チェッカ70の写真画像が要求される。
耐震用の継手部の形態2(具体的には「NS」タイプで図7に示すタイプ)では、呼び径φ75〜250の異形管受口、直管受口共に、周方向に均等に分割した8箇所で、薄板ゲージ60等で計測されるゴム輪の入り込み量ΔLが計測データとして要求され、薄板ゲージ60で計測される受口の端面と白線との距離Rが曲げ角度を算出するための計測データとして要求される。
評価部では、検査項目毎に検査情報が適正か否かが評価される。メタルタッチ確認のための写真画像に対する評価では、要求された箇所に対応した写真画像が入力されたか否かがチェックされ、入力された写真画像のコントラストまたは階調が適正か否かが公知の画像処理手法を採用した画像処理部によりチェックされる。例えば、濃度ヒストグラムを生成するとともに平均濃度を算出し、平均濃度が階調範囲のほぼ中央部分に位置し、濃度ヒストグラムの分布に大きな偏りが無い状態であると適正な写真画像であると評価することができる。
また、接合チェッカ70を撮影した写真画像に対する評価では、要求された箇所に対応した写真画像が入力されたか否かがチェックされ、入力された写真画像から接合チェッカ70の青色のLEDが点灯しているか否かが公知の画像処理手法を採用した画像処理部によりチェックされる。例えば、画像データから青領域を示す画素の塊が予め設定された画素数以上検知されると、青色のLEDが点灯していると評価することができる。薄板ゲージ60で計測されたゴム輪の入り込み量ΔLに対する評価では、要求された箇所に対応した計測データが入力されているか否かがチェックされ、計測データが基準値に収まっているか否かがチェックされる。
さらに、受口の端面と白線との距離Rに対する評価では、距離Rの最大値と最小値から曲げ角度が算出され、算出された曲げ角度が所定の値に収まっているか否かが評価される。尚、曲げ角度は、挿口の径と受口の端面と白線との距離Rの最大最小値から幾何学的に算出される。
図3には、携帯端末10の液晶表示部に表示される画面の推移が示され、図5には携帯端末10の処理手順を示すフローチャートが示されている。起動画面で開始スイッチをタッチすると、施工位置入力処理部が起動してGPS情報取得画面が表示される。施工対象位置に携帯端末10を配置して、取得スイッチをタッチするとGPS受信機によって緯度経度情報が取得され、それらの値がRAMに格納される(S1)。
次に、工事情報入力処理部が起動されて工事情報入力画面が表示され、工事名、施工日、施工業者が入力される(S2)。さらに、管情報入力処理部(コード情報読取部)が起動されて、QRコードが読み取られ、QRコードに対応する管情報が表示される(S3)。図3の上から三段目の左端には、直管に対応する管情報が表示され、その右隣には、異形管に対応する管情報が表示されている。
直管の場合、管情報の表示画面にブランク表示される、管種枠、管長枠に管種及び管長が入力され(S4,S5)、異形管の場合、管情報の表示画面にブランク表示される、異形管の種類枠に異形管の種類が入力される(S4,S6)。
次に、接合形態入力処理部が起動され、直管受口か異形管受口(図3では、画面サイズの関係で、それぞれ「直管受」、「異形管受」と略記。以下、同様。)かの継手部の接合形態が入力され、直管受及び異形管受のそれぞれに対応して必要な検査項目入力画面が表示される(S7,S8,S9)。図3では、直管受に対応して接合チェッカの8枚の写真画像が要求された例が示され、異形管受に対応してメタルタッチの確認のための写真画像が要求された例が示されている。
直管受の場合、各画面に表示された1から8の数値で示されるスイッチをタッチすると、撮影待ち画面が表示され、施工業者によって携帯端末10に組み込まれた撮像装置が操作され、接合チェッカを操作した状態の写真画像が撮影されて入力される。例えば数値1のスイッチに対応する写真画像が撮影されると、数値2の撮影待ち画面が表示され、必要な枚数の写真画像に対する入力要求がなされるように構成されている(S8)。異形管受の場合も同様である(S9)。
続いて施工条件として土被り、継手曲げ角度の検査情報が入力される(S10)。その後に、評価部が起動されて、それまでに入力された検査情報の適否が評価される(S11)。評価部は、適正な検査情報が入力されていると評価すると(S12)、施工管理情報送信処理部による施工管理情報の送信を許可し(S13)、適正な検査情報が入力されていないと評価すると(S12)、施工管理情報の送信を禁止して、不適正な検査情報を再度入力するための入力画面を表示する(S8,S9)。
評価部により施工管理情報の送信が許可されると、メール送信画面が表示され、送信スイッチをタッチすると施工管理情報送信処理部が起動してRAMに記憶されている施工管理情報を所定フォーマットの添付ファイルとして施工情報管理サーバ20に送信する。
携帯端末10から送信された電子メールは、メールサーバに受信されて蓄積され、予め設定された所定インタバルで施工情報管理サーバ20に読み出される。
図6に示すように、施工情報管理サーバ20は、電子メールを受信して(S21)、添付された施工管理情報にデータの欠落等が発生していないか否か等の確認処理を実行して施工管理情報データベース25に登録する(S22)。
次に、電子地図サーバ50にアクセスして施工管理情報に含まれる緯度経度が含まれる電子地図データを入力し(S23)、電子地図データの対応する地点に工事終了フラグとなる施工情報マークをセットし、当該地点に対応する施工管理情報をリンクさせる(S24,S25)。尚、電子地図データに替えて対応する領域の衛星写真が利用されてもよい。端末からアクセスされると、工事領域検索表示領域、フィルタ設定表示領域、地図表示領域、施工管理情報表示領域を含む表示情報が端末に送信される(S26,S27)。
さらに、施工情報管理サーバ20は、図外の管網地図データベース管理装置に工事情報、施工位置情報、管情報、接合形態、施工条件等を含む施工管理情報を送信し、これら施工管理情報に基づいて施工箇所における管網地図データを生成或は変更する更新処理を実行させる(S28)。
図4には、管理事務所に設置された端末30から施工情報管理サーバ20にアクセスして表示されるブラウザの画面が示されている。工事領域検索表示領域に工事名または住所を入力して検索することにより、それが含まれる地図または航空写真が表示され、フィルタ設定表示領域に工事名、工事期間、施工業者等のフルタリング情報を入力すると、地図または航空写真上に対応する施工情報マークが表示される。
各施工情報マークに対応する施工管理情報が施工管理情報表示領域にリスト表示され、施工情報マークをマウスポインタで指示すると工事名、施工管理情報がポップアップ表示される。当該リストをダブルクリックすると、詳細な施工管理情報表示画面に切り替わり、図2の右側に示すような検査情報が表示され、継手部の施工状態が目視確認可能な写真画像データや、計測データが表示されるように構成されている。
以下に本発明の別実施形態を説明する。
上述した実施形態では、携帯端末10に評価部を備えた例を説明したが、施工情報管理サーバ20に評価部を備えてもよい。この場合、携帯端末10は、適正な検査情報が入力されているか否かに関わらず、検査情報の入力が終了すると、施工管理情報送信処理部によって施工管理情報が送信される。そこで、評価部は、受信した施工管理情報に基づいて、継手部の接合が適正に行なわれたと評価したときに、配管施工現場の埋め戻し許可情報を応答メールとして携帯端末10に送信するように構成することが好ましい。これにより、不適正な継手の施工状態のままで埋め戻し作業が行なわれるのを未然に防止することができるようになる。この場合も、評価部は、携帯端末10に備えた場合と同様に構成することができる。勿論、継手部の接合が不適正であると評価したときには、必要な検査情報を特定した再送要求を応答メールとして携帯端末10に送信する。
また、この場合、施工情報管理サーバ20に備えた評価部が、継手部の接合の評価結果を含む評価情報を施工管理情報データベース25に蓄積するように構成し、当該蓄積した過去の評価情報に基づいて、施工業者毎に施工品質の評価データを出力するように構成してもよい。具体的には、工事毎に施工期間が予定を超過したか否か、検査情報の再送の有無や回数等の施工業者の施工品質を評価するためのデータを所定期間毎に統計処理して出力するように構成することができる。
また、携帯端末10に評価部を備える場合であっても、評価部により施工管理情報の送信が許可されるまでに、再度検査情報を入力した項目や回数を施工管理情報に含めて送信するように構成し、これらのデータに基づいて、上述と同様に、施工業者毎に施工品質の評価データを出力する評価部を施工情報管理サーバ20に備えるように構成してもよい。
1:配管施工管理システム
10:携帯端末
20:施工情報管理サーバ
30:管理事務所に設置された端末
40:メールサーバ
50:電子地図サーバ

Claims (7)

  1. 配管敷設工事の施工現場で配管の施工管理情報を収集して外部に送信する携帯端末と、前記携帯端末から送信された前記施工管理情報を受信して施工状況を管理する施工情報管理サーバとを備えた配管施工管理システムであって、
    前記携帯端末に、
    配管の継手形式を含む管情報を取得可能なコード情報を読み取るコード情報読取部と、配管の接合形態を特定するための入力画面を表示する接合形態特定部と、前記コード情報読取部で読み取られたコード情報から得られる管情報と前記接合形態特定部で特定された接合形態とから継手部の評価に必要な固有の検査項目を生成して報知画面に表示する検査項目報知部と、前記検査項目報知部で報知された検査項目に対応した検査情報を前記施工管理情報の一部として入力する検査情報入力部とを備え、
    前記携帯端末または前記施工情報管理サーバの何れかに、
    検査情報入力部に入力された前記検査情報に基づいて前記継手部の接合が適正に行なわれたか否かを評価する評価部を備えている配管施工管理システム。
  2. 前記評価部が前記携帯端末に備えられ、
    前記評価部は、前記継手部の接合が適正に行なわれたと評価したときに前記施工管理情報の外部への送信を許容する請求項1記載の配管施工管理システム。
  3. 前記評価部が前記施工情報管理サーバに備えられ、
    前記評価部は、前記携帯端末から送信された前記検査情報に基づいて前記継手部の接合が適正に行なわれたと評価したときに前記携帯端末に埋め戻し許可情報を返信する請求項1記載の配管施工管理システム。
  4. 前記評価部は、評価情報を含む施工管理情報を蓄積し、評価履歴を出力可能とする請求項3記載の配管施工管理システム。
  5. 検査情報入力部は、前記継手部を撮影可能な撮像部を含み、前記評価部は、前記撮像部で撮影された前記継手部の画像データに基づいて前記継手部の接合が適正に行なわれたか否かを評価する画像処理部を備えている請求項1から4の何れかに記載の配管施工管理システム。
  6. 配管敷設工事の施工現場で配管の施工管理情報を収集して外部に送信する携帯端末と、前記携帯端末から送信された前記施工管理情報を受信して施工状況を管理する施工情報管理サーバとを備えた配管施工管理システムに用いられる携帯端末であって、
    配管の継手形式を含む管情報を取得可能なコード情報を読み取るコード情報読取部と、配管の接合形態を特定するための入力画面を表示する接合形態特定部と、前記コード情報読取部で読み取られたコード情報から得られる管情報と前記接合形態特定部で特定された接合形態とから継手部の評価に必要な固有の検査項目を生成して報知画面に表示する検査項目報知部と、前記検査項目報知部で報知された検査項目に対応した検査情報を前記施工管理情報の一部として入力する検査情報入力部と、前記検査情報入力部に入力された前記検査情報に基づいて前記継手部の接合が適正に行なわれたか否かを評価し、前記継手部の接合が適正に行なわれたと評価したときに前記施工管理情報の外部への送信を許容する評価部とを備えている携帯端末。
  7. 配管の継手形式を含む管情報を取得可能なコード情報を読み取るコード情報読取部と、配管の接合形態を特定するための入力画面を表示する接合形態特定部と、前記コード情報読取部で読み取られたコード情報から得られる管情報と前記接合形態特定部で特定された接合形態とから継手部の評価に必要な固有の検査項目を生成して報知画面に表示する検査項目報知部と、前記検査項目報知部で報知された検査項目に対応した検査情報を前記施工管理情報の一部として入力する検査情報入力部とを備えた携帯端末と、前記携帯端末から送信された施工管理情報を受信して施工状況を管理する施工情報管理サーバとを備えた配管施工管理システムに用いられる施工情報管理サーバであって、
    前記検査情報に基づいて前記継手部の接合が適正に行なわれたか否かを評価し、前記継手部の接合が適正に行なわれたと評価したときに前記携帯端末に埋め戻し許可情報を返信する評価部を備えている施工情報管理サーバ。
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