JP2012122861A - 露点計測装置および気体特性測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】露点計測装置に相変化物質6を設け、相変化物質6を加熱して、相変化物質6を相変化させ、その相変化を温度変化、相変化物質6の電気抵抗変化、固有振動数変化などにより検出する。そして、相変化物質6が相変化したときの温度測定部の温度を、既知の上記相転移温度とする温度較正を行う温度較正を行う。
【選択図】図1
Description
また、請求項2の発明は、請求項1の露点計測装置において、上記相変化物質は、国際温度目盛ITS−90に定義されている物質であることを特徴する露点計測装置。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の露点計測装置において、上記特性変化部材は、導電性、静電容量または固有振動数が変化するものであり、上記凝集検知手段は、上記特性変化部材の特性変化を電気信号として検出することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかの露点計測装置において、上記冷却手段は、ペルチェ効果を有する熱電変換材料と一対の電極とで構成されており、少なくとも、上記冷却手段、上記温度測定手段および上記相変化物質を同一の基板に集積させたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の露点計測装置において、上記基板は、ベース材上に積層された絶縁層が設けられており、上記絶縁層に上記ベース材と接していない非接触領域を設け、上記非接触領域に、上記特性変化部材と、上記冷却手段の上記特性変化部材を冷却する冷却電極と、上記温度測定手段と、上記相変化物質とを配置したことを特徴する露点計測装置。
また、請求項6の発明は、請求項4または5の露点計測装置において、上記温度測定手段を上記特性変化部材に隣接配置したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の露点計測装置において、上記温度測定手段は、リング状であって、上記温度測定手段、上記冷却手段の順に同心円状に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項4乃至7いずれかの露点計測装置において、上記冷却手段、上記温度測定手段の周囲を絶縁材で覆ったたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8いずれかの露点計測装置において、上記相変化物質を加熱する加熱手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9の露点計測装置において、上記相変化物質を上記加熱手段に隣接配置したことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の露点計測装置において、上記相変化物質と上記加熱手段とを積層させたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項10の露点計測装置において、上記相変化物質と上記加熱手段とを並列に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項10乃至12いずれかの露点計測装置において、上記加熱手段は、リング状であって、上記相変化物質を、上記リング状加熱手段と同心円となるように配置したことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13の露点計測装置において、上記相変化物質を、上記加熱手段の円周内に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項10乃至14いずれかの露点計測装置において、上記加熱手段に隣接する箇所に上記相変化物質を分散配置したことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項15の露点計測装置において、互いに異なる2種類以上の相変化物質を分散配置したことを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項9乃至16いずれかの露点計測装置において、上記温度測定手段は、温度依存性を有する抵抗体であって、上記温度測定手段を、上記加熱手段として用いたことを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項17の露点計測装置において、上記温度測定手段を発熱させるための一対の発熱用リード線と、温度を測定するための一対の測定用リード線とをそれぞれ上記温度測定手段に接続したことを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、請求項9乃至16いずれかの露点計測装置において、上記冷却手段は、ペルチェ効果を有する熱電変換材料と一対の電極とで構成された冷却手段を備え、上記電極のいずれか一方を、加熱手段として用いたことを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、請求項19の露点計測装置において、上記相変化物質を加熱するときは上記熱電変換材料に流す電流の向きを、上記特性変化部材を冷却するときの上記熱電変換材料に流す電流の向きと異ならせたことを特徴とするものである。
また、請求項21の発明は、請求項9乃至20いずれかの露点計測装置において、上記加熱手段の加熱温度を、上記相転移物質の相転移温度付近にしたことを特徴とするものである。
また、請求項22の発明は、請求項1乃至21いずれかの露点計測装置において、上記相転移検出手段は、上記温度測定手段が測定した温度変化に基づいて、相転移が起きたことを検出することを特徴とするものである。
また、請求項23の発明は、請求項1乃至22いずれかの露点計測装置において、上記相転移検出手段は、上記相変化物質に積層させた圧電体を有し、圧電効果に基づいて、相転移が起きたことを検出することを特徴とするものである。
また、請求項24の発明は、請求項23の露点計測装置において、上記相転移検出手段は、上記相変化物質の圧電体に対する応力変化に基づいて、相転移が起きたことを検出することを特徴とするものである。
また、請求項25の発明は、請求項23の露点計測装置において、上記圧電体を振動させて、上記相変化物質の固有振動数の変化を検知することで、相転移が起きたことを検出することを特徴とするものである。
また、請求項26の発明は、請求項1乃至25いずれかの露点計測装置において、上記相変化物質は、導電性であって、上記相転移検出手段は、上記相変化物質の電気特性の変化に基づいて、相転移が起きたことを検出することを特徴とするものである。
また、請求項27の発明は、請求項26の露点計測装置において、上記相変化物質に接続し、上記相変化物質の電気特性の変化を検出するための検出リード線を、相変化物質と同一の材料で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項28の発明は、請求項1乃至27いずれかの露点計測装置において、上記相変化物質は、導電性であって、上記相転移検出手段は、上記相変化物質の通電状態に基づいて、相転移が起きたことを検出することを特徴とするものである。
また、請求項29の発明は、請求項28の露点計測装置において、上記相転移検出手段は、上記相変化物質によって通電状態に構成しておき、相変化物質が相変化すると、非通電となるよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項30の発明は、請求項28の露点計測装置において、上記相転移検出手段は、上記相変化物質を分離させて、非通電に構成しており、相変化物質が相変化すると、上記相変化物質が結合して通電となるよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項31の発明は、請求項1乃至30いずれかの露点計測装置において、上記相変化物質は、光透過性または光反射性であり、上記相転移検出手段は、上記相変化物質の光学特性の変化に基づいて、相転移が起きたことを検出することを特徴とするものである。
また、請求項32の発明は、請求項22乃至27、31いずれかの露点計測装置において、上記相変化物質の周囲を絶縁材で覆ったことを特徴とするものである。
また、請求項33の発明は、請求項1乃至32いずれかの露点計測装置において、少なくとも上記冷却手段と、上記温度測定手段と、上記相変化物質とを備えた露点検出部を、複数設けたことを特徴とするものである。
また、請求項34の発明は、請求項33の露点計測装置において、各露点検出部の熱容量を同じに構成し、これら露点計測部の温度測定手段でブリッジ回路を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項35の発明は、請求項1乃至34いずれかの露点計測装置において、少なくとも、上記温度測定手段からの信号を受信して、温度を演算する演算回路、および、上記温度較正手段を備えた回路部を、上記冷却手段、上記温度測定手段および相変化物質を備えた基板に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項36の発明は、気体の温度と、露点とを測定して、気体の特性を測定する気体特性測定装置において、上記露点を測定する露点測定手段として、請求項1乃至34いずれかの露点計測装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項37の発明は、請求項36の気体特性測定装置において、上記特性変化部材の周囲の気体温度を上記温度測定手段で測定した後、露点を測定することを特徴とするものである。
また、請求項38の発明は、請求項37の気体特性測定装置において、周囲の気体の温度を測定する気体温度測定手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項39の発明は、請求項35乃至38いずれかの気体特性測定装置において、当該気体特性測定装置は、気体の特性として、気体中の特定成分の割合、気体の密度、気体成分の分圧のうちいずれか一つを測定することを特徴とするものである。
また、露点計測装置自身で温度較正を行うことができるので、従来のように、露点計測装置が取り付けられた機器から露点計測装置を取り外して、恒温環境槽内に露点計測装置を持ち込んで温度較正を行う場合に比べて、随時簡便に温度較正を実施することができる。これにより、温度較正が必要なときに、温度較正を行うことができるので、高い精度を維持することができる。
図1は、本実施形態の気体特性測定装置としての湿度センサ100の概略構成を示す平面図であり、図2は、湿度センサ100の縦断面図であり、図3は、湿度センサの横断面図である。
図1に示すように、本実施形態の湿度センサ100は、ベース材2と、ベース材2に形成された電気絶縁層3とからなる基板1上に、雰囲気温度や露点を検出ための検出部たる検出領域1aと、電力供給を行うための回路や、湿度を演算したり、凝集を検出したり、温度キャリブレーションを行ったりするための回路など有する回路部たる回路領域1bとを有している。
基板1の検出領域1aには、冷却手段としての冷却部4と、温度測定手段としての温度測定部5と、2種類の相変化物質6A,6Bと、特性変化部材たる凝集検出部材80とを設けている。温度測定部5は、温度依存性を持つ抵抗体であり、回路領域1でこの抵抗体の抵抗値を求めることにより、温度が検知される。また、この実施形態においては、この抵抗体からなる温度測定部5を発熱させて相変化物質6A,6Bを加熱する加熱手段としての機能を有している。温度測定部5は、リング状に形成されており、その両端にはリード線5a,5bが接続され、回路領域1bに接続されている。この温度測定部5の外周に温度測定部5と同心円状に冷却部4が形成されている。
凝集検出部材80は、CVD、スパッタリングやゾルゲル法および各種薄膜製造方法により成膜、フォトリソグラフによりパターン形成される。
図に示すように温度較正手段としての温度キャリブレーション機能部101と温度や湿度を計測するための計測部102とを有している。破線で囲んだキャリブレーション機能部101は、温度測定部5を加熱するための加熱電源103、相転移温度とそのときの温度測定部5の抵抗値などを記憶するため記憶手段たるメモリ106、相変化を検知するために用いる温度測定部5の電気抵抗値Rと時刻Tの関数などを演算する演算部107などで構成されている。一点鎖線で囲んだ計測部102は、温度計測を行うための温度検出電源104、温度測定部5の抵抗値を算出する抵抗値算出部112、比較部108、温度出力部109や湿度出力部111などを備えている。CPU113からキャリブレーション実行の信号が、加熱電源103に入力されると、加熱部としての温度測定部5が発熱する。同時に、温度測定部5の抵抗値が抵抗値算出部112で算出され、時刻と温度測定部5の抵抗値をメモリ106に収納する。そして、温度測定部5の抵抗値によって相変化物質の相転移を検出し、その時の温度測定部5の抵抗値を相変化物質の既知の相転移温度として、温度依存性を示す関係式を求め、メモリ106に記憶する。次に、CPU113から温度測定実行の信号が、温度検出電源104に入力されると、温度測定部5の抵抗値が抵抗値算出部112で算出され、比較部108で、算出された抵抗値と、先の温度依存性を示す関係式とを用いて、雰囲気の温度測定値として出力される。次に、凝集検出部材80が冷却され、凝集検出部材80により凝集が検出されると、上述と同様にして、露点測定値として出力される。そして、温度測定値と露点測定値とにより湿度が湿度演算部110で演算され湿度測定値として出力される。
図5は時間推移における相変化物質の温度変化と、温度測定部5の抵抗変化とを示す特性図である。図5に示すように、相変化物質を加熱していき、相変化物質が相転移温度(融点(凝固点):Mpa)になると吸熱反応が生じる。相変化物質が固体であれば温度が上がっていくと相転移温度にて液体となりはじめ、全てが液体となる期間は相転移温度MPaを維持し、全てが液体となった以降は再び温度が上昇する。そのため、温度測定部5の電気抵抗値が不連続な傾向となる部分が出現する。すなわち、図5に示すように、温度測定部5の電気抵抗値R2のとき、温度が相転移温度であると判定できる。よって、温度依存性を有する抵抗体である温度測定部5の抵抗値を測定しておき、測定抵抗値が抵抗値R2となったときの温度を既知の相転移温度とする温度較正を行う。このように、相転移温度と電気抵抗値との関係が1対1の関係となり、この関係を用いることによりキャリブレーションを行うことができる。
温度依存性を示す関係式:(抵抗値R、温度S、温度係数(TCR)α
R=R0*(1+α*S)・・・・(式1)
例えば、温度測定部が白金抵抗体の場合、温度係数(TCR)αは、α=3.9083E−03(0℃〜850℃)となる。
温度キャリブレーションにおいては、上述の抵抗値R2と温度MPaとの関係に基づいて、上記R0が補正される。
R=R0*(1+α*S+β*S2)・・・・(式4)
例えば、白金抵抗体の温度係数(TCR)は
α=3.9083E−03、β=−5.7750E−07(0℃〜850℃)
CPUからキャリブレーション実行の信号が、湿度センサ100に入力されると、温度測定部5に相変化を加熱するための加熱電流が印加され、各相変化物質6A,6Bが加熱される。そして、時刻T2で一方の相変化物質6Aが相転移する温度(相変化物質6A固有の既知の値である融点(凝固点):Mpa)になる。更に、加熱電流を供給し続けて温度を上昇させると、時刻T4で他方の相変化物質6Bが相転移する温度(相変化物質6B固有の既知の値である融点(凝固点):Mpb(>Mpa))になる。
E(t)=6.11×10{7.5t/(t+273.3)}・・・・(式2)
と、下記の相対湿度(%RH)を求める式により相対湿度を算出する。
H=E(露点D)/E(雰囲気温度T)×100・・・・(式3)
図11は、変形例1の湿度センサ100Aの概略平面図である。
図11に示すように、この変形例1の湿度センサ100Aは、検出領域を備えた検知基板1Aと、回路領域1bを備えた回路基板1Bとを別々に設けた構成である。これにより、回路基板1Bは、測定する雰囲気(気体)などに暴露されていないところに設けることができ、回路領域(回路基板)の化学的劣化などを抑えることができる。
図12は、変形例2の湿度センサ100Bの概略平面図である。
図12に示す変形例2の湿度センサ100Bは、温度測定部5と、加熱部11とを別々に設けた構成である。加熱部11は、温度測定部5などと同心円状に設けられ、温度測定部5と相変化物質6A,6Bの間に設けられている。
図13、図14に示すように、温度キャリブレーションが実行されると、加熱電源から加熱部11に加熱電流を供給して、相変化物質6A、6Bが加熱されるとともに、温度測定部5に温度検出用電流を供給して、温度が検知される。そして、上述と同様にΔR=0を検知して、相変化物質6Aの相変化および相変化物質6Bの相変化を検出し、そのときの温度測定部5の抵抗値と、既知の相転移温度Mpa、Mpbとから、温度依存性の関数を求め、メモリに記憶する。その後、湿度検知信号を受信したら、上述と同様にして、雰囲気温度測定後、露点を測定し、雰囲気温度と露点に基づいて、湿度を求める。
図15は、変形例3の湿度センサ100Cの概略平面図である。
図15に示すように、この変形例3の湿度センサ100Cは、相変化物質6を、ひとつにしたものである。
図16は、変形例3の湿度センサ100Cにおける温度キャリブレーション、温度、露点検出と湿度出力の入出力信号のタイミングチャートであり、図17は、フローチャートである。図16、図17に示すように、温度測定部5に加熱電流を供給して、相変化物質6を加熱する。そして、上述と同様にΔR=0を検知して、相変化物質6の相変化を検出し、そのときの温度測定部5の抵抗値を算出する。また、ここでは、抵抗値の時間微分値ΔRが0か否かで、相変化物質6の相変化を検知しているが、上述したように、一次関数(R=aT+b)を求め、算出した抵抗値が関数にフィットしているか否かで、相変化を検知してもよい。相変化を検知したら、抵抗値と、既知の相転移温度Mpaと、上記(式3)の温度依存性を示す関数R=R0*(1+α*S)を補正して、温度キャリブレーションを終了する。その後、湿度測定信号を受信したら、上述同様、雰囲気温度測定後、冷却部4で凝集検出部材80を冷却して、凝集検出部材80に水蒸気を結露させる。そして、結露を検知したら、温度測定部5の抵抗値を求め、求めた抵抗値と温度キャリブレーションで補正した温度依存性を示す関数とを用いて、露点を計測し、露点と雰囲気温度とから、湿度を算出する。
次に、変形例4の湿度センサ100Dについて、説明する。
上述では、温度測定部を加熱手段として用いているが、この変形例4の湿度センサ100Dでは、冷却部4の冷却電極4aを加熱手段として用いるものであり、構成は、先の図15に示した湿度センサと同様な構成である。
図18は、変形例4の湿度センサ100Dの温度キャリブレーション、温度、露点検出と湿度出力の入出力信号のタイミングチャートである。
まず、冷却部4に加熱電流を供給するとともに、温度測定部5に温度検出用電流を供給する。加熱電流は、正極性の電流、すなわち、冷却時とは逆向きに流れる電流であり、これにより、放熱電極4bが吸熱し、相変化物質6の近傍に配置された冷却電極4aが放熱する。これにより、冷却電極4aにより、相変化物質6が加熱される。そして、上述同様、温度測定部5のΔR=0を検知して、相変化物質6の相変化を検出し、そのときの温度測定部5の抵抗値を算出する。相変化を検知したら、抵抗値と、既知の相転移温度Mpaと、上記(式3)の温度依存性を示す関数R=R0*(1+α*S)を補正して、温度キャリブレーションを終了する。その後、露点を検出するときは、冷却部4に負極性の電流を印加し、冷却電極4aを吸熱、放熱電極4bを放熱にして、冷却電極4aで凝集検出部材80を冷却する。そして、凝集検出リード線間80a,80bの通電を検知して、結露を検知したら、温度測定部5の抵抗値を求め、求めた抵抗値と温度キャリブレーションで補正した温度依存性を示す関数とを用いて、露点を計測し、露点と雰囲気温度とから、湿度を算出する。
図19は、変形例5の湿度センサ100Eの概略平面図である。
図19に示す変形例5の湿度センサ100Eは、相変化物質6を一つにし、温度測定部5と加熱部11とを別々に設けたものである。
図20は、変形例5の湿度センサ100Eの温度キャリブレーション、温度、露点検出と湿度出力の入出力信号のタイミングチャートであり、図21は、フォローチャートである。
変形例2の湿度センサ100Bと同様に、温度キャリブレーションが実行されると、加熱電源から加熱部11に加熱電流が供給して、相変化物質6が加熱されるとともに、温度測定部5に温度検出用電流を印加し、上述と同様にΔR=0を検知して、相変化物質6の相変化を検出する。次に、変形例3と同様にして、相変化を検出したときの温度測定部5の抵抗値と、既知の相転移温度Mpaとを用いて、温度依存性を示す関数R=R0*(1+α*S)を補正して、温度キャリブレーションを終了する。その後、湿度測定信号を受信したら、上述同様、雰囲気温度測定後、冷却部4で凝集検出部材80を冷却して、凝集検出部材80に水蒸気を結露させる。そして、凝集検出リード線間80a,80bの通電を検知して、結露を検知したら、温度測定部5の抵抗値を求め、求めた抵抗値と温度キャリブレーションで補正した温度依存性を示す関数とを用いて、露点を計測し、露点と雰囲気温度とから、湿度を算出する。
図22は、変形例6の湿度センサ100Fの概略平面図であり、図23は、変形例6の湿度センサ100Fの要部を示す部分横断面図である。
この変形例6の湿度センサ100Fは、温度測定部5と加熱部11とを別々に設け、回路基板側(図中右側)から順に加熱部11、温度測定部5、相変化物質6A,6B、凝集検出部材80、冷却部4を平行に並列配置したものである。図に示すように、相変化物質6A,6Bは、温度測定部5を挟んで、加熱部11と平行に交互に分散配置されている。また、図24に示すように、ベース材2の電気絶縁層3上の冷却電極4aと、凝集検出部材80と、相変化物質6A,6Bと、温度測定部5と、加熱部11とが配置された箇所と対向する箇所は、エッチング処理により除去され、矩形状の空洞部20となっている。
図24は、変形例7の温度センサ100Gの概略平面図である。この変形例7の湿度センサ100Gは、相変化物質6を一つにした以外は、変形例6と同様な構成である。この変形例7の湿度センサ100Gにおける温度キャリブレーションや湿度検知は、先の変形例5と同様である。
図25は、変形例8の温度センサ100Hの概略平面図である。この変形例8は、相変化物質6が一つで、温度測定部5を加熱部、または、冷却電極4aを加熱部にし、回路基板側から、温度測定部5、相変化物質6、冷却部4の順で、平行に並列配置した以外は、変形例6と同様な構成である。この変形例8の湿度センサ100Hにおける温度キャリブレーションや湿度検知は、先の変形例3と同様である。また、相変化物質6を、冷却電極4aと温度測定部5とで加熱してもよい。こうすることで、より迅速に相変化物質6を相転移温度にまで加熱することができる。
図26は、変形例9の湿度センサ100Iの概略平面図である。この変形例9は、温度測定部5に2対のリード線が接続されているものである。具体的には、温度測定部5には、加熱電流を供給する加熱用の一対のリード線5a−1,5b−1と、温度検出用電流を温度測定部5に供給する検出用の一対のリード線5a−2,5b−2とを備えている。このように、検出用と加熱用とで配線リードを分けることで、加熱に関与する配線リードの電気抵抗値の影響を排除することができ、応答量を大きくすることができる。その結果、安定して高精度な温度測定値を得ることができる。
図27、図28は、変形例10の湿度センサ100Jの概略構成図である。この変形例10は、相変化物質6を導電性とし、相変化したときの相変化物質6の流動(粘性)の変化を電気的に検知することで、相変化物質6の相変化を検知するものである。図27は、回路基板1B側から、温度測定部5、相変化物質6、凝集検出部材80、冷却部4を並列に配置した例であり、図28は、温度測定部5、相変化物質6、凝集検出部材80、冷却部4を同心円状に配置した例である。
図27、図28に示すように、この変形例10の湿度センサ100Jにおいては、相変化物質6に一対の検出用リード線6a,6bが接続されている。
図(a)に示すように、相変化物質6が固体の状態のときは、相変化物質6は、検出用リード線6a,6bに接しており、導通している。加熱部11の発熱によって、固体の相変化物質6が既知の相転移温度になると、液化によって表面張力が発生し、同図の(b)に示すように中央へ凝集する。すると、相変化物質6が、各検出用リード6線6a,6bから離れ、その結果2つの検出用リード間の電気接続がOFFになる。このように、相変化物質6の導通状態を検出することで相変化物質6の相転移を検出できる。この場合、相変化物質6としては、表面張力が大きく、相変化物質6の下層との付着力が小さいものが好ましく、Snを用いるのが好適である。
図30(a)に示すように、相変化物質6が固体ときは、相変化物質6は2つの検出リード線間にまたがって連続して配置され、検出リード間の電気接続がONとなっている。そして、加熱部11の発熱によって、固体の相変化物質6が既知の相転移温度になり液化すると、同図の(b)に示すように液化によって流動し、各検出リード6a、6bに相変化物質6が凝集し、相変化物質6が分離して、検出リード線間の電気接続がOFFになる。よって、検出リード間の電気接続がOFFとなったときの温度が既知の相転移温度となる。相変化物質としては、表面張力が小さく、検出リード、相変化物質6の下層の電気絶縁層との濡れ性が大きい材質のものが好ましく、Inが適する。
図(a)に示すように、相変化物質が固体のときは、電気絶縁層3c上の相変化物質は、2つの分離しており、相変化物質6は2つの検出リード6a,6b間にまたがって断続している。その結果、検出用リード6aと6bとの間の電気接続がOFFとなっている。加熱部11の発熱によって、固体の相変化物質6が既知の相転移温度になると、図の(b)に示すように液化によって流動し、電気絶縁層上の相変化物質6が一つとなり、相変化物質6は2つの検出リード6a,6b間にまたがって連続する。これにより、検出用リード6aと6bとの間の電気接続がOFFからONに切り替わり、相変化物質の相転移を検出することができる。この場合も、図30の構成と同様、相変化物質としては、表面張力が小さく、検出リード、相変化物質6の下層の電気絶縁層との濡れ性が大きい材質のものが好ましく、Inが適する。相変化物質6が冷えて、固化するときは、相変化物質6が収縮することにより、電気絶縁層3c上の相変化物質6は、再び2つの分離する。また、図29、図30の構成においては、一度、固体から液体に相変化してしまった後、再び、液体から固体に相変化物質6が相変化しても、始めの状態に戻って、検出用リード6aと6b間の電気接続がONとなることはないが、図31に示す構成においては、液体から固体に相変化物質6が相変化すると、始めの状態に戻るので、何度も温度キャリブレーションを行うことができる。
温度キャリブレーションが実行されると、加熱電源から温度測定部5に加熱電流を供給して、相変化物質6が加熱されるとともに、相変化物質6に相変化検出用電流を供給し、相変化物質に印加された電圧(以下、相変化電圧という)を監視する。相変化物質6が固定から液体に相変化すると、先の図29(b)や図30(b)に示すように、検出用リード線間の電気接続が切れる。その結果、相変化電流が0(未検知)となり、相変化物質6が相変化したことを検知することができる。このようにして、相変化物質6の相変化が検知されたら、上述と同様にして、そのときの温度測定部の電気抵抗値と、相変化物質6の既知の相転移温度に基づいて、温度依存性の関数を補正する。その後の雰囲気温度の測定、露点の測定、湿度の算出は、上述と同じである。
図37は、変形例10の湿度センサ100Jにおいて、温度測定部5とは、別に、加熱部11を設けたものである。図37は、各部を平行に配置した構成の変形例10の湿度センサ100J−1の概略構成図である。加熱部11は、温度測定部5と相変化物質6との間に配置した。
図40は、変形例10の湿度センサ100J−2の相変化物質6を複数備えた構成を示す要部拡大図である。図40に示すように、各相変化物質6A,6Bそれぞれに検出用リード線が接続されている。
図に示すように、温度キャリブレーションが実行されると、加熱部11に加熱電流が供給され、温度測定部5に温度検出用電流が供給される。また、各相変化物質6A,6Bに相変化検出電流が供給される。回路基板1Bの不図示の制御回路は、各相変化物質6A,6Bよりも下流の相変化電流を監視する。そして、相変化物質6Aが相変化すると、相変化物質6Aに供給される相変化電流が検出されなくなり、相変化物質Aが相変化したことを検知することができ、そのときの温度測定部5の抵抗値を算出し、メモリに記憶しておく。さらに加熱部11で加熱していくと、相変化物質6Bが相変化して、相変化電流が検出されなくなる。その結果、相変化物質6Bが、相転移したことを検知することができる。そのときの温度測定部5の抵抗値を求める。そして、メモリに記憶した相変化物質6Aが相転移したときの温度測定部5の抵抗値と、相変化物質6Aの既知の相転移温度と、相変化物質6Bが相転移したときの温度測定部5の抵抗値と、相変化物質6Bの既知の相転移温度とから、温度依存性の関数を算出して、温度キャリブレーションが終了する。
次に、相変化物質の相転移を、電気伝導度の変化で検出する変形例11の湿度センサ100Kについて、説明する。
この変形例11の湿度センサ100Kの基本構成は、先の図27、図28、図37、図40と同様な構成である。電気伝導度の変化で検出する場合、相変化物質としては、上述したように、CTRサ−ミスタにも用いられているV2O5やチタン酸バリウムを主成分とするPTCサ−ミスタを、好適に用いることができる。
図に示すように、変形例11の湿度センサ100Kの回路領域1bには、相変化物質6に、相変化検出用電流を供給するための相変化電源116と、相変化物質への電流値と、電圧値とから相変化物質6の抵抗値を算出するための相変化抵抗値算出部117とを備えている。後の構成は、先の図4と同じ構成であるので、説明を省く。
次に、相変化物質6の相転移を、相変化物質の誘電率の変化で検出する変形例12の湿度センサ100Lについて、説明する。
この変形例12の湿度センサ100Lの基本構成も、先の図27、図28、図37、図40と同様な構成である。
次に、圧電体たる圧電材料を用いて、相変化物質の相変化を検知する変形例13の湿度センサ100Mについて、説明する。圧電材料を用いることによって、相変化物質6の固有振動数の変化、体積変化、剛性変化から、相変化物質6の相変化を検出することが可能となる。変形例13の湿度センサ100Mの基本構成は、先の図28、図29、図37、図38、図41と同様な構成である。
図に示すように圧電効果を有するPZT等の圧電材料層62の上に相変化物質6が設けられている。圧電材料層62には、検出用リード線6a,6bが、接続されている。
圧電材料を用いて、相変化物質6の相変化を検知する変形例13の湿度センサ100Mにおいては、圧電材料層62に交流電圧を印加するための発振電源121や、圧電材料層62からの電圧や交流電圧を検知する検波・電圧検知部122を備えている。
[変形例14−1]
図48は、変形例14の湿度センサ100Nの第1の構成例を示す概略構成図であり、(a)が、平面図であり、(b)が、断面図である。図49は、変形例14の湿度センサ100Nの制御ブロック図である。この変形例14の湿度センサ100Nは、相変化物質6の光学的変化で、相変化物質の相変化を検出するものである。
図48に示すように、相変化物質6の相変化を光学的検知する相変化検知手段としてのフォトカプラ7の発光部7aと、受光部7bは、基板の冷却部4、相変化物質6、温度測定部5、凝集検出部材80などを備えた面と同一の面に配置されている。図に示すように、フォトカプラ7の発光部7aと受光部7bは、相変化物質6を挟むようにして配置されている。発光部7aは、図48(b)の点線に示すように、光が、空洞部20の壁面201に向けて照射するよう配置し、受光部7bは、空洞部内を反射した光を受光するように配置する。
図50は、変形例14の湿度センサ100Nの第2の構成例を示す概略構成図である。この第2の構成例は、検知基板1Aに対向配置される中央部が窪んだ反射部材700を設けた構成である。この場合、発光部7aは、反射部材700に向けて光が出射するように配置し、受光部7bは、反射部材700から反射した光を受光するよう配置する。
図51は、変形例14の湿度センサ100Nの第3の構成例を示す概略構成図であり、(a)は、平面図、(b)は、裏面図、(c)は、(b)のA−A断面図である。
この第3の構成例は、温度測定部5、相変化物質6、冷却部4、凝集検出部材80が、同心円状に並列配置された湿度センサで、基板の温度測定部5、相変化物質6、冷却部4、凝集検出部材80が設けられた面と反対側面の面にフォトカプラ7を設けたものである。
図52は、変形例14の湿度センサ100Nの第4の構成例を示す概略構成図であり、(a)は、平面図、(b)は、裏面図、(c)は、縦断面図である。
この第4の構成例は、温度測定部5、相変化物質6、冷却部4、凝集検出部材80が、平行に並列配置された湿度センサで、基板の温度測定部5、相変化物質6、冷却部4、凝集検出部材80が設けられた面と反対側面の面にフォトカプラ7を設けたものである。図(c)に示すように、ベース材2の電気絶縁層3a上の冷却電極4aと、相変化物質6と、温度測定部5とが配置された箇所と対向する箇所は、エッチング処理により除去され、矩形状の貫通空洞部20となっている。また、図(b)、図(c)に示すように、検知基板1Aの裏面電気絶縁層3bには、フォトカプラ7が設けられている。フォトカプラ7の発光部7aは、空洞部20の冷却部側の壁面200aと対向するように裏面電気絶縁層3bに設けられている。また、受光部7bは、空洞部20の回路側の壁面200bと対向するように裏面電気絶縁層3bに、温度測定部5などと平行に複数(この例では、3個)並列に設けられている。空洞部20の壁面は鏡面状となっており、おもて面電気絶縁層に対して、所定の角度で傾斜している。この角度は、図(c)の点線で示すように、発光部7aか出射した光が、冷却部側壁面200aに反射して、反射した光が、相変化物質6に入射する角度(この例では、54.7度)である。また、同様に空洞部20の回路側壁面200bも、相変化物質6から反射した光が、この回路側壁面200bに反射して、反射した光が受光部7bに入射するようにおもて側電気絶縁層3aに対して所定の角度で傾斜している。
図53は、変形例14の湿度センサの第5の構成例を示す概略断面図である。この第5の構成例は、フォトカプラ7を別の基板に設けたものである。
図に示すように、発光部7aは、発光部7aからの光が、相変化物質に照射されるよう配置し、受光部7bは、冷却電極4aから反射した光を受光する位置に配置する。具体的には、図54に示すように、検知基板1Aを覆うケース75に、発光部7aと受光部7bを取り付ける。このケース75には、通気孔75aが設けられており、ケース内部に外気が流入するようになっている。また、外光が検知基板1Aに入射しないように、遮光壁75bが設けられている。また、ケース75には、検知基板用端子75dと、フォトカプラ用の端子75cとを備えており、検知基板用端子75dには、ワイヤ76aを介して検知基板1Aが接続されており、フォトカプラ用の端子75cには、ワイヤ76bを介してフォトカプラ7に接続されている。このように、フォトカプラ7及び検知基板1Aをケース75に組み込むことで、湿度センサを扱い易くすることができる。また、図56の構成に限らず、発光部7aと受光部7bとを備えた基板を、検知基板1Aに重ね合わせた構成でもよい。
図55は、変形例15の湿度センサ100Oの概略構成図である。
この変形例15は、相変化物質6と、相変化物質6を加熱する温度測定部5とを積層させたものである。このように、積層させることにより、相変化物質6をすばやく加熱することができる。また、図56に示すように、電気絶縁層3aを介して、温度測定部5と相変化物質6とを積層させてもよい。
図57は、変形例16の湿度センサ100Pの概略構成図である。
この変形例16は、温度測定部5と相変化物質6と冷却部4とを平行に並列配置し、空洞20を設けた検知部1aを、同一基板上に複数一体化したものである。このような構成によれば、一方のキャリブレーションによる精度保証期間が終了したら、他方のキャリブレーションを行い、精度保証期間を長期間に渡って実現できる。また、キャリブレーション中の温度変化の影響を無くすため、温度補償用の検出器として、一方のキャリブレーション中に他方とブリッジ回路を構成させることができる。
図59は周囲温度が変化しないときの第1の温度測定部の抵抗値変化と第2の温度測定部の抵抗値変化の特性を示す図であり、図82はブリッジ回路で出力される特性を示す図である。第1温度測定部5−1の固有抵抗値および温度依存性とは、第1検知部と第2検知部とを同じ構成にしているにも係らず、第2温度測定部5−2の固有抵抗値および温度依存性とわずかに異なる。従って、第1温度測定部5−1と第2温度測定部5−2とは、それぞれ異なる温度上昇勾配を持っている。このため、図60に示すように、ブリッジ回路で出力される特性は、異なる温度上昇勾配の差分ΔVbを持っている。第1検出部の相変化物質6−1の相転移温度と、第2検出部の相変化物質6−2の相違転移温度とは、異なるので、図59に示すように、第1相変化物質6−1が相転移したとき、第1温度測定部5−1は、上述したように、ΔR=0となるが、第2温度測定部5−2の抵抗値は上昇する。その結果、図60に示すように、相変化期間においては、傾きがΔb以外の値を取る。よって、ブリッジ回路の出力により相転移を検出することができる。
加熱部(温度測定部)や相変化物質は微小熱容量であるため、急速に相転移し、温度キャリブレーションは1[msec]から数10[msec]程度のごく短時間で完了する。このため、通常は、温度キャリブレーション中(相転移したときの温度測定部の抵抗値を測定するとき)は、周囲温度の変化は、ほとんどなく、ほとんど誤検出することはない。しかし、ブリッジ回路を組むことにより、外部の温度変化して、相転移温度に達する前に、雰囲気温度の影響で、第1温度測定部5−1の抵抗の時間微分値がΔR=0となったとしても、第2検出部も同様に、ΔR=0となっている。よって、傾きがΔbとなるので、相転移したと誤検知するのを抑制することができる。
図61は、変形例17の湿度センサ100Qの概略構成図である。
この変形例17の湿度センサ100Qは、温度測定部5と相変化物質6と冷却部4とを平行に並列配置した露点検出部と、温度測定部5と相変化物質とを備えた雰囲気温度測定部とを同一基板に備えたものである。これにより、測定頻度を多くして、精密な測定を行うことができる。また、露点測定と雰囲気温度測定の精度を一致させるために、熱応答時間を同一にさせる必要がある。空洞部上の電気絶縁層に配置した部材やそれらに伝熱する部材は、露点検出部と雰囲気温度測定部とで同一にしておく。具体的には、雰囲気温度検知部に、冷却電極と、熱交換材料とを配置するのである。
次に、変形例18の湿度センサ100Rについて説明する。
この変形例18の湿度センサは、加熱部11に印加する加熱電流を除々に上げ、冷却電極4aで冷却するときの冷却電流を除々に下げるよう制御するものである。
図62は、変形例18の湿度センサのタイミングチャートの一例であり、図63は、フローチャートである。
図63のフローチャートに示すように、加熱電流を印加して、温度測定部5の抵抗値の時間微分値を求める。時間微分値ΔRが0でないときは、加熱電流を所定量上げ、所定量上げたら、再び、抵抗値の時間微分値ΔRを算出して、ΔRが0で否かをチェックする。ΔRが0となるまで、上記フローを繰り返すことにより、加熱電流が、図62に示すように、除々に増加する。このように、制御することにより、加熱部11の加熱温度を、相変化物質の相転移温度付近に留めることができ、加熱しすぎを抑制することができ、電力消費を抑えることができる。
図64は、変形例19の湿度センサ100Sの部分拡大平面図であり、図65は、縦断面図である。この変形例19の湿度センサ100Sは、凝集検出部材80の特性変化として、凝集検出部材80の誘電率(静電容量)の変化で凝集を検知するものである。凝集検出部材80としては、セラミックなどの多孔質な絶縁体を用いる。そして、図に示すように、凝集検出用リード線80a,80bを延ばして、凝集検出部材80を挟んで対向する対向電極とした。
図66は、変形例20の湿度センサ100Tの縦断面図である。
この変形例20の湿度センサ100Tは、凝集検出部材80の特性変化として、凝集検出部材80の固有振動数の変化で凝集の検出を行うものである。凝集検出部材80としては、圧電材料を用いる。
1A:検知基板
1B:回路基板
1a:検知領域
1b:回路領域
2:ベース材
3a,3b,3c:電気絶縁層
4:冷却部
4a:冷却電極
4b:放熱電極
4c:熱電変換材料
5:温度測定部
6:相変化物質
6a,6b:検出用リード線
7:フォトカプラ
7a:発光部
7b:受光部
11:加熱部
20:空洞部
20a:内壁
20b:外壁
21:芯部
61:対向電極
62:圧電材料層
75:ケース
80:凝集検出部材
100:温度センサ
700:反射部材
Claims (39)
- 気体中の特定成分が付着することで、特性が変化する特性変化部材と、
上記特性変化部材を冷却する冷却手段と、
上記特性変化部材の温度を測定する温度測定手段と、
上記特性変化部材の特性変化に基づいて、上記特性変化部材に周囲の気体中の特定成分が凝集したことを検出する凝集検出手段とを備え、
上記凝集検出手段が、上記特性変化部材に周囲の気体中の特定成分が凝集したことを検出したとき、上記温度測定手段により上記特性変化部材の温度を測定することで、気体の露点を測定する露点計測装置において、
既知の相転移温度を持つ少なくとも1つの相変化物質と、
温度の変化に伴って上記相変化物質の相転移が起きたことを検出する相転移検出手段と、
相転移が起きたことを相転移検出手段が検出したときの上記温度測定手段の検知結果を、既知の上記相転移温度とする温度較正を行う温度較正手段とを備えたことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項1の露点計測装置において、
上記相変化物質は、国際温度目盛ITS−90に定義されている物質であることを特徴する露点計測装置。 - 請求項1または2の露点計測装置において、
上記特性変化部材は、導電性、静電容量または固有振動数が変化するものであり、
上記凝集検知手段は、上記特性変化部材の特性変化を電気信号として検出することを特徴とする露点計測装置。 - 請求項1乃至3いずれかの露点計測装置において、
上記冷却手段は、ペルチェ効果を有する熱電変換材料と一対の電極とで構成されており、
少なくとも、上記冷却手段、上記温度測定手段および上記相変化物質を同一の基板に集積させたことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項4の露点計測装置において、
上記基板は、ベース材上に積層された絶縁層が設けられており、
上記絶縁層に上記ベース材と接していない非接触領域を設け、上記非接触領域に、上記特性変化部材と、上記冷却手段の上記特性変化部材を冷却する冷却電極と、上記温度測定手段と、上記相変化物質とを配置したことを特徴する露点計測装置。 - 請求項4または5の露点計測装置において、
上記温度測定手段を上記特性変化部材に隣接配置したことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項6の露点計測装置において、
上記温度測定手段は、リング状であって、
上記温度測定手段、上記冷却手段の順に同心円状に配置したことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項4乃至7いずれかの露点計測装置において、
上記冷却手段、上記温度測定手段の周囲を絶縁材で覆ったたことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項1乃至8いずれかの露点計測装置において、
上記相変化物質を加熱する加熱手段を設けたことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項9の露点計測装置において、
上記相変化物質を上記加熱手段に隣接配置したことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項10の露点計測装置において、
上記相変化物質と上記加熱手段とを積層させたことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項10の露点計測装置において、
上記相変化物質と上記加熱手段とを並列に配置したことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項10乃至12いずれかの露点計測装置において、
上記加熱手段は、リング状であって、
上記相変化物質を、上記リング状加熱手段と同心円となるように配置したことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項13の露点計測装置において、
上記相変化物質を、上記加熱手段の円周内に配置したことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項10乃至14いずれかの露点計測装置において、
上記加熱手段に隣接する箇所に上記相変化物質を分散配置したことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項15の露点計測装置において、
互いに異なる2種類以上の相変化物質を分散配置したことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項9乃至16いずれかの露点計測装置において、
上記温度測定手段は、温度依存性を有する抵抗体であって、
上記温度測定手段を、上記加熱手段として用いたことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項17の露点計測装置において、
上記温度測定手段を発熱させるための一対の発熱用リード線と、温度を測定するための一対の測定用リード線とをそれぞれ上記温度測定手段に接続したことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項9乃至16いずれかの露点計測装置において、
上記冷却手段は、ペルチェ効果を有する熱電変換材料と一対の電極とで構成された冷却手段を備え、上記電極のいずれか一方を、加熱手段として用いたことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項19の露点計測装置において、
上記相変化物質を加熱するときは上記熱電変換材料に流す電流の向きを、上記特性変化部材を冷却するときの上記熱電変換材料に流す電流の向きと異ならせたことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項9乃至20いずれかの露点計測装置において、
上記加熱手段の加熱温度を、上記相転移物質の相転移温度付近にしたことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項1乃至21いずれかの露点計測装置において、
上記相転移検出手段は、上記温度測定手段が測定した温度変化に基づいて、相転移が起きたことを検出することを特徴とする露点計測装置。 - 請求項1乃至22いずれかの露点計測装置において、
上記相転移検出手段は、上記相変化物質に積層させた圧電体を有し、圧電効果に基づいて、相転移が起きたことを検出することを特徴とする露点計測装置。 - 請求項23の露点計測装置において、
上記相転移検出手段は、上記相変化物質の圧電体に対する応力変化に基づいて、相転移が起きたことを検出することを特徴とする露点計測装置。 - 請求項23の露点計測装置において、
上記圧電体を振動させて、上記相変化物質の固有振動数の変化を検知することで、相転移が起きたことを検出することを特徴とする露点計測装置。 - 請求項1乃至25いずれかの露点計測装置において、
上記相変化物質は、導電性であって、
上記相転移検出手段は、上記相変化物質の電気特性の変化に基づいて、相転移が起きたことを検出することを特徴とする露点計測装置。 - 請求項26の露点計測装置において、
上記相変化物質に接続し、上記相変化物質の電気特性の変化を検出するための検出リード線を、相変化物質と同一の材料で構成したことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項1乃至27いずれかの露点計測装置において、
上記相変化物質は、導電性であって、
上記相転移検出手段は、上記相変化物質の通電状態に基づいて、相転移が起きたことを検出することを特徴とする露点計測装置。 - 請求項28の露点計測装置において、
上記相転移検出手段は、上記相変化物質によって通電状態に構成しておき、相変化物質が相変化すると、非通電となるよう構成したことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項28の露点計測装置において、
上記相転移検出手段は、上記相変化物質を分離させて、非通電に構成しており、相変化物質が相変化すると、上記相変化物質が結合して通電となるよう構成したことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項1乃至30いずれかの露点計測装置において、
上記相変化物質は、光透過性または光反射性であり、
上記相転移検出手段は、上記相変化物質の光学特性の変化に基づいて、相転移が起きたことを検出することを特徴とする露点計測装置。 - 請求項22乃至27、31いずれかの露点計測装置において、
上記相変化物質の周囲を絶縁材で覆ったことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項1乃至32いずれかの露点計測装置において、
少なくとも上記冷却手段と、上記温度測定手段と、上記相変化物質とを備えた露点検出部を、複数設けたことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項33の露点計測装置において、
各露点検出部の熱容量を同じに構成し、これら露点計測部の温度測定手段でブリッジ回路を構成したことを特徴とする露点計測装置。 - 請求項1乃至34いずれかの露点計測装置において、
少なくとも、上記温度測定手段からの信号を受信して、温度を演算する演算回路、および、上記温度較正手段を備えた回路部を、上記冷却手段、上記温度測定手段および相変化物質を備えた基板に設けたことを特徴とする露点計測装置。 - 気体の温度と、露点とを測定して、気体の特性を測定する気体特性測定装置において、
上記露点を測定する露点測定手段として、請求項1乃至34いずれかの露点計測装置を用いたことを特徴とする気体特性測定装置。 - 請求項36の気体特性測定装置において、
上記特性変化部材の周囲の気体温度を上記温度測定手段で測定した後、露点を測定することを特徴とする気体測定装置。 - 請求項37の気体特性測定装置において、
周囲の気体の温度を測定する気体温度測定手段を設けたことを特徴とする気体測定装置。 - 請求項35乃至38いずれかの気体特性測定装置において、
当該気体特性測定装置は、気体の特性として、気体中の特定成分の割合、気体の密度、気体成分の分圧のうちいずれか一つを測定することを特徴とする気体特性測定装置。
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