JP3118459B2 - 熱抵抗の変化を利用して被測定体の固有値を測定するセンシングシステム - Google Patents

熱抵抗の変化を利用して被測定体の固有値を測定するセンシングシステム

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JP3118459B2 JP04501762A JP50176292A JP3118459B2 JP 3118459 B2 JP3118459 B2 JP 3118459B2 JP 04501762 A JP04501762 A JP 04501762A JP 50176292 A JP50176292 A JP 50176292A JP 3118459 B2 JP3118459 B2 JP 3118459B2
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淳 平岡
節夫 古田土
悦伸 内藤
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    • G01B7/06Measuring arrangements characterised by the use of electric or magnetic techniques for measuring length, width or thickness for measuring thickness

Description

【発明の詳細な説明】 [技術分野] 本発明は被測定体の厚さや熱伝導率等の固有値を測定
するセンシングシステムに係り、特に、真空蒸着装置、
プラズマCVD装置およびスパッタ装置等における蒸着・
付着・堆積物の膜厚やAuメッキ時におけるメッキ厚の測
定を含む各種の被測定体の厚さや熱伝導率および液体の
濃度等の固有値の測定に適用可能なセンシングシステム
に関する。
[背景技術] 従来、真空蒸着装置、プラズマCVD装置及びスパッタ
装置等において蒸着される付着・堆積物の膜厚測定に
は、水晶式膜厚検出器が用いられてきた。この水晶式膜
厚検出器は水晶振動子の供給周波数が蒸着膜厚に応じて
変化する現象を利用したもので、検出精度が高く、また
応答速度が速いという特徴を有している。
また、最近ではこの種の膜厚測定には蒸発金属の電子
衝撃による励起光を応用した電子衝撃励起分光法が用い
られつつある。この電子衝撃励起分光法による膜厚測定
は蒸着物質の蒸気流に熱電子を衝突させると蒸発物が励
起され、物質固有の波長スペクトルを持った光が発せら
れ、この時の光の強度が蒸気流の密度すなわち蒸発速度
に比例する現象を利用したもので、特に検出部に光学フ
ィルタを設けることにより二元同時蒸着の膜厚を検出す
ることができるという特徴を有する。
また、他の従来技術として、温度センサや歪みセンサ
として利用可能な大きなゼーベック係数を有する非晶質
半導体薄膜が報告されている(米国特許第4,766,008号
公報、特開昭62−47177号公報)。
一方、従来の熱伝導率の検出法としては、熱伝導検出
素子を被測定体に接触させて、その物質の熱伝導率を測
定する方法がとられていた(特開昭49−70672号公
報)。すなわち、熱伝導検出素子を被測定体に密着さ
せ、熱伝導検出素子に周期的な電流を流すことにより、
熱伝導検出素子の被測定体密着側面を吸熱、発熱作用さ
せ、同時に被測定体密着側面の温度を測定して、被測定
体の熱的物性による測定温度波形の、熱伝導検出素子に
流した電流波形に対する位相の遅れや振幅比の差異を検
出し、あらかじめ何らかの方法で求めておいた被測定体
の密度と比熱の値を用いて、被測定体の熱伝導率を測定
するものである。この方法では、測定装置が比較的軽量
であるという長所がある。
また、その他の熱伝導率測定方法としては、熱伝導率
の低い基板と熱伝導率の高い基板の間に被測定体をはさ
み、被測定体の熱伝導率を測定するという方法もとられ
ていた(特開昭53−107382号公報)。すなわち熱伝導率
の低い基板上には、発熱手段と、その発熱手段の近傍に
ある温度測定手段とを設け、この低い熱伝導率の基板
と、高い熱伝導率の間に被測定体をはさみ、発熱手段か
らの熱が被測定体を通過することにより発熱手段の近傍
の温度の変化を、温度測定手段により検出することによ
り、被測定体の熱伝導率を測定するものである。この測
定方法では、被測定体をはさんだ場合とはさまない場合
の温度を測定するだけでよいから、比較的短時間に被測
定体の熱伝導率を測定できるという長所がある。
このように、熱伝導を利用して被測定体の熱伝導率を
測定する方法は、広く知られ、また、その応用範囲も広
く、上述した被測定体の厚さ測定にも利用することがで
きる。
しかしながら、これらの従来技術にはそれぞれ以下の
ような問題があった。
(1)水晶式共振周波数法による膜厚測定は、安定した
周波数発信器および周波数カウンタを必要とし、また、
水晶振動子の形状が小型化できないため、膜厚検出器の
小型化・集積化が困難であり、さらに高周波ノイズの影
響を受け易く、測定が複雑である。
(2)電子衝撃励起分光法による膜厚測定は高感度の受
光器や熱電子放射器を必要とし極めて高価であり、また
検出部は発光器から構成されるため小型化・集積化が困
難であり、更に測定方法が複雑である。
(3)大きなゼーベック係数を有する非晶質半導体薄膜
に関しては、本発明で課題とするような熱抵抗の変化を
利用した厚さセンサを具体的に開示するところは得られ
なかった。
(4)実際の問題として、物質の熱伝導率を測定するこ
とを物質の厚さ測定に利用する場合において、その対象
は大きく変化しており、例えば、その対象は建造物や、
ガスの配管、構造物等に広がり、その老朽化や、腐食化
の進行の程度の調査、また、アスファルトの厚さなどの
測定等の要求に答えるのが困難であった。
(5)すなわち、熱伝導検出素子を被測定体に密着さ
せ、被測定体の熱伝導率を測定する方法では、被測定体
の密度と比熱の値を、あらかじめ何らかの方法では測定
しておく必要があり、被測定体の密度と比熱の値が得ら
れない場合は被測定体の熱伝導率が測定できないという
問題がある。
(6)また、この方法では被測定体を高い熱伝導率の基
板と低い熱伝導率の基板ではさみ、被測定体の熱伝導率
を測定する方法では、測定装置を同一平面上に形成する
ことはできず、さらに被測定サンプルを作製する必要が
あり、そして、測定時に被測定体をはさむために測定は
容易ではなかった。
(7)また、使用する基板の厚さが薄かったり、あるい
は熱伝導率の低い被測定体を測定する場合には、熱伝導
検出素子の形状が大きいため、必然的に熱抵抗が大きく
なっていたので感度が悪く、測定精度の点で限界がある
と共に、熱伝導素子の応答速度が遅いので、測定時間が
長くなるという問題もあった。
(8)液体濃度、例えば水分中におけるアルコール濃度
を計るには、屈折率変化を利用した方法が用いられてい
たが、濃度が30%まで位しかはかれず、又、白金線をボ
ロメータとして用いる方法は装置が大きすぎるといった
問題があった。
[発明の開示] そこで、この発明の第1の目的とするところは、小型
化・集積化が容易であると共に、測定が簡便であり、し
かも高周波ノイズの影響を受け難く、安価であるという
特徴を有して被測定体の厚さや熱伝導率および液体の濃
度等の固有値を測定することができるセンサを提供する
ことにある。
また、この発明の第2の目的とするところは、小型化
・集積化が容易であると共に、測定が簡便であり、しか
も高周波ノイズの影響を受け難く、安価であるという特
徴を有して被測定体の厚さや熱伝導率および液体の濃度
等の固有値を測定することができるセンシング装置を提
供することにある。
また、この発明の第3の目的とするところは、小型化
・集積化が容易であると共に、測定が簡便であり、しか
も高周波ノイズの影響を受け難く、安価であるという特
徴を有して被測定体の厚さや熱伝導率および液体の濃度
等の固有値を測定することができるセンシング方法を提
供することにある。
さらに、この発明の別の目的とするところは、第1の
目的に加えて応答速度を速くすることができると共に、
測定精度を向上することができるようにしたセンサを提
供することにある。
本発明の第1の態様によると、ヒートシンクと、 被測定体に少なくとも一部が熱的に結合可能で且つ上
記ヒートシンクに一部が熱的に接続されている熱不良導
体からなる基板と、 上記基板に温度差を提供するために上記基板に形成さ
れる温度差設定用薄膜と、 上記温度差設定用薄膜によって提供される上記温度差
の変化を検出するために上記基板に形成される温度差検
出用薄膜と、 上記温度差設定用薄膜に所定の電力を供給するために
上記基板に形成された第1の電極手段と、 上記温度差検出用薄膜からの出力を導出するために上
記基板に形成された第2の電極手段とを具備し、 上記基板に上記被測定体が熱的に結合される前後にお
いて上記基板に提供される温度差の変化を上記基板の熱
抵抗の変化に変換して上記被測定体の所望の固有値を算
出するための温度差情報信号として出力することを特徴
とするセンサが提供される。
本発明の第2の態様によると、ヒートシンクと、 被測定体の少なくとも一部が熱的に結合可能で且つ上
記ヒートシンクに一部が熱的に接続されている熱不良導
体からなる基板と、 上記基板に温度差を提供する温度差設定手段と、 上記温度差設定手段によって提供される上記温度差の
変化を検出する温度差検出手段と、 上記基板に上記被測定体が熱的に結合される前後にお
いて、上記温度差検出手段によって検出された上記温度
差の変化を上記基板の熱抵抗の変化に変換する温度差/
熱抵抗変換手段と、 上記温度差/熱抵抗変換手段によって変換された熱抵
抗の変化と上記被測定体の既値情報に従って上記被測定
体の所望の固有値を算出する固有値算出手段とを具備す
るセンシング装置が提供されている。
本発明の第3の態様によると、被測定体に少なくとも
一部が熱的に結合可能な基板に温度差を設定する段階
と、 上記基板に上記被測定体が熱的に結合されていない状
態で上記基板における第1の温度差を検出する段階と、 上記基板を上記被測定体に熱的に結合する段階と、 上記基板に上記被測定体が熱的に結合されている状態
で上記基板における第2の温度差を検出する段階と、 上記第1および第2の温度差を上記基板の熱抵抗に変
換する段階と、 変換された熱抵抗および上記被測定体の既知情報に従
って上記被測定体の所望の固有値を算出する段階とを具
備し、 上記変換段階は、 上記基板に上記被測定体が熱的に結合される前後にお
いて検出される上記温度差の変化が等しくなるように上
記基板を与える熱量を可変制御する段階と、 上記熱量の変化から上記基板の熱抵抗の変化に変換す
る段階とを含むことを特徴とするセンシング方法および 上記変換段階は、 上記第1および第2の温度差を検出する段階で検出さ
れた温度差情報を基準温度信号と比較して帰還信号を生
成する段階と、 上記帰還信号に従って上記基板に上記被測定体が熱的
に結合される前後における上記温度差の変化が等しくな
るように上記基板に与える熱量を可変制御する段階と、 上記熱量の変化から上記基板の熱抵抗の変化に変換す
る段階とを含むことを特徴とするセンシング方法が提供
される。
本発明の第4の態様によると、第1の態様に加えて、
上記基板は上記被測定体と熱的に結合される部分を薄肉
にするための溝が形成されていることを特徴とするセン
サが提供される。
[図面の簡単な説明] 第1図、第2図はそれぞれ本発明に係るセンシングシ
ステムの基本構成を示すブロック図、 第3図A〜Cはそれぞれ第2図の異なる動作フローを
例示するフローチャート、 第4図A〜Cは本発明に係るセンサの第1の実施例の
構成を示す図、 第5図は第4図A〜Cに示すセンサの測定原理及び恒
温部の役割について示す図、 第6図は同じく付着層の厚さと検出熱起電圧の関係を
示した図、 第7図は同じく第2の実施例のセンサを示す図、 第8図は同じく第3の実施例のセンサを示す図、 第9図は同じく第3の実施例の付着層の厚さと出力さ
れた熱の関係を示す図、 第10図A、Bは第4の実施例のセンサを示す図、 第11図は第5の実施例のセンサを示す図、 第12図は第6の実施例のセンサを示す図、 第13図は第7の実施例のセンサを示す図、 第14図A、Bは第8の実施例のセンサを示す図、 第15図A、Bは第9の実施例のセンサを示す図、 第16図A、Bは第9の実施例でヒートシンクに接続さ
せた図、 第17図は第10の実施例のセンサを示す図、 第18図A、Bは第9の実施例の測定原理を示す図、 第19図は同じく第9、第10の実施例の実測例を示す
図、 第20図A、B、Cはペン型センサの実装例を示す図、 第21図、第22図はペン型センサを用いた実施例を示す
図、 第23図はセンサの測定感度を説明するための図、 第24図、第25図はそれぞれ感度を改善したセンサの異
なる実施例を示す図、 第26図A−F、第27図A−Dはそれぞれ第24図、第25
図に示すセンサの製造工程を示す図、 第28乃至第31図はそれぞれ第24図、第25図に示すセン
サに係る特性を持つ曲線図である。
[発明を実施するための最良の形態] 先ず、本発明によるセンシングシステムの基本構成を
示した第1図に基いて本発明の概要について説明する。
第1図において、熱不良導体でなる数mm角の基板101
には、該基板101に対して内部的あるいは外部的に温度
差を設定するための温度差設定部102が結合されている
と共に、基板101に生じる温度差を内部的あるいは外部
的に検出する温度差検出部103が結合されている。
上記温度差検出部103の出力端には温度差/熱抵抗変
換部104を介して被測定体の所望の固有値を算出する信
号処理部105が接続されている。
このような構成において、基板101と被測定体100とが
熱的に結合されると、その結合の前後で基板101に設定
されていた温度差がΔT1からΔT2に変化する。すなわ
ち、この変化は被測定体100の形状および熱伝導率や熱
抵抗に依存して被測定体100の結合によって基板101と被
測定体100との合成熱抵抗に変化が生じていることを示
している。
そこで、温度差検出部103からの出力を温度差/熱抵
抗変換部104に導いて熱抵抗の変換したのち、信号処理
部105で被測定体100の結合の前後における熱抵抗の変化
に基づいて被測定体100の既知情報と共に後述するよう
な所定の算出式に従って処理してやれば被測定体100の
未知の固有値を算出することができることになる。
例えば、被測定体100の幅および長さと共にそれの熱
伝導率を既知情報として与えてやれば、それらと合成熱
抵抗の変化値とから被測定体100の厚さを所定の算出式
に従って算出することができる。また、これとは逆に、
被測定体100の幅、長さと共にそれの厚さを既知情報と
して与えてやれば、それらと合成熱抵抗の変化値とから
被測定体100の熱伝導率を算出することができる。
第2図は第1図の構成をより具体化して示しており、
基板201には上述の温度差設定部102に対応するものとし
て例えば加熱用の薄膜ヒータ素子または冷却用の薄膜ペ
ルチェ素子等でなる温度差設定薄膜202および上述の温
度差検出部103に対応するものとして例えば薄膜熱電対
素子や薄膜サーミスタ等でなる温度差検出用薄膜203が
形成されている。
上記温度差設定用薄膜202にはそれに所定の電力を与
えて加熱または冷却を行なうことによって基板201に温
度差を与えるための電源204が接続される。
上記温度差検出用薄膜(但し、ここでは薄膜熱電対素
子とする)203はそれの一端が接地され、且つ他端が差
動増幅器205の入力一端に接続される。この差動増幅器2
05はそれの入力他端にメモリ206からA/D変換器207を介
して基準(温度)信号が与えられ、且つそれの出力端が
A/D変換器208を介して上記メモリ206に接続される。
上記メモリ206は全体の制御および上述したような温
度差/熱抵抗変換と被測定体の所望の固有値の算出とを
行なう演算回路(以下CPUと記す)209に接続されると共
に、上記電源204および上述したような被測定体の既知
情報を入力する機能等を備えた操作部210に接続され
る。上記操作部210には上記CPU209で算出された被測定
体の所望の固有値(例えば厚さや熱伝導率等)をメモリ
206を介して表示するための表示部211が接続される。
上述したような構成において、それの動作は基本的に
は上述した第1図の場合のそれと同様であるが、この例
では温度差検出用薄膜203から熱起電力として与えられ
る温度差情報がデジタル信号に変換して処理される。な
お、差動増幅器205にメモリ206から与えられる基準(温
度)信号は熱起電力を得るための冷接点電位に相当する
値である。
第3図Aは第2図の構成によるセンシングシステムの
一般(基本)的な動作フローを示す。
すなわち、ステップS1で基板201に温度差を設定する
ために、CPU209はメモリ206を介して電源204を駆動する
ことにより、基板201に設けられている温度差設定用薄
膜202に所定の電力、すなわち電流を流して基板201の所
定部分を加熱または冷却する。ステップS2で第1の温度
差ΔT1を検出すると共に、ステップS3で、それを記憶す
るために、CPU209はメモリ206に対して温度差検出用薄
膜203、差動増幅器205およびA/D変換器207を介してデジ
タル信号に変換された温度差情報を取り込むことを指令
する。ここまでのステップS1〜S3はイニシャル処理であ
る。
次に、ステップS4で基板201に対し被測定体200が熱的
に結合されると、CPU209はステップS5でその結合状態を
判断した後、ステップS6,S7で第2の温度差ΔT2を上述
の第1の温度差ΔT1と同様にして検出および記憶するこ
とを指令する。
続いて、CPU209はステップS8で第1および第2の温度
差ΔT1,ΔT2を熱抵抗に変換すると共に、ステップS9,S1
0で被測定体212の既知の固有値(情報)の入力状態を判
断した後、ステップS11で熱抵抗と既知情報とに基づい
て被測定体200の所望の固有値を算出し且つ算出された
固有値を表示部211に表示することを指令する。
第3図B、第3図Cはそれぞれ蒸着モニタ、熱センサ
として本発明のセンシングシステムを適用したときの動
作フローを示し、第3図Aに準じた動作を行なわせる。
なお、第2図において、基板201と、該基板201上に形
成された温度差設定用薄膜202および温度差検出用薄膜2
03とはこの発明でいうセンサを構成する。
ところで、以上の説明は基板に対する被測定体の熱的
な結合の前後における基板の温度差の変化ΔT1,ΔT2
直接的に基板の熱抵抗の変化に変換することにより、被
測定体の所望の固有値を算出するようにした。
しかるに、これに限らずΔT1,ΔT2の差がなくなるよ
うにつまりΔT1=ΔT2となるように温度差設定用薄膜20
2に与える電流(つまりは発熱量あるいは冷却量)を制
御し、それぞれの電流値I1,I2(発熱量Q1,Q2)から基板
の熱抵抗の変化に変換するようにしてもよい(詳細につ
いては後述する)。
次に、以上のような概要に基いて本発明のより具体的
な幾つかの実施例について説明する。
先ず、センサの具体的な構成を第4図A、B、Cを用
いて説明する。
このセンサは、ヒートシンク5に一部が熱的に接続さ
れている熱不良導体の基板1と、その基板1の所定の位
置を加熱または冷却する温度差設定用薄膜2と、その加
熱または冷却する温度差設定用薄膜2により加熱または
冷却された、基板上の所望の位置の温度を検出する温度
差検出用薄膜3とにより構成される。この実施例ではヒ
ートシンク5に熱的に接続されている熱不良導体の基板
1上に、加熱用の薄膜ヒータ21と温度検出用の薄膜熱電
対31a,31bとが構成されている。熱不良導体の基板1の
材料としては、被測定体としての付着層6aの僅かな膜厚
に対して熱抵抗が大きく変化することが好ましいので、
付着層6aの熱伝導率に対して小さいものが適当である。
そのため、熱不良導体の基板1の材料としては、ガラ
ス、セラミック、水晶、石英、アルミナ、またはエポキ
シ、ポリイミドなどの有機膜等が用いられる。
基板1の所定の位置を加熱するためには、電気による
抵抗加熱以外には光による光吸収膜への吸収加熱等があ
る。この実施例では薄膜ヒータ21を用いて加熱する。一
方、基板の所定の位置を冷却するためには、ビスマス、
テルルの化合物などを用いたペルチェ効果素子等による
冷却がある。要するに、本発明に係るセンサにおいて
は、基板1の所定位置を加熱または冷却できればよい。
基板1上の所望の位置の温度を検出するためには、熱
電対、放射温度計等がある。この実施例では、薄膜熱電
対31a,31bとその電位差を検出するオーミック電極11
(以下、端に電極11という)とを用いて温度を検出して
いる。
この実施例の場合、上述したように熱不良導体の基板
1の一部分がヒートシンク5に熱的に接続されている。
ヒートシンク5は熱容量の大きなブロック状の物体で
も、熱を外部へよく導く細い導線を接続させているもの
でもよい。ヒートシンク5に接続することにより、熱不
良導体の基板1の一部分が一定の温度に保たれるように
なる(以下、この部分を恒温部ともいう)。この恒温部
6は、薄膜ヒータ21と対極をなす位置、つまり第4図
A、B中、基板1の右側周辺部(第4図C中、Bで示す
部分)である。この場合、この恒温部6はCuブロック等
のヒートシンク5に設置されているために、薄膜ヒータ
21のON・OFFに関係なく常に一定の温度を保たれる。こ
の恒温部6は、薄膜熱電対31a,31bの冷接点のために必
要となるが、基板1上の所定位置を加熱または冷却する
ことにより、基板1内に実質的に温度勾配(差)が形成
されればよい。なお、第4図Aでは薄膜ヒータ21からヒ
ータ電極を通る熱の逃げを少なくするため、つまり加熱
効率を良くするため、薄膜ヒータ21用の電極11Aはそれ
の一部を細いパターンの配線としている。
ここで、第4図A、Bに示されるセンサの作製法につ
いて、簡単に説明する。
熱不良導体の基板1としては、前述の通りガラス、セ
ラミック、水晶、石英、アルミナ、またはエポキシ、ポ
リイミド等の有機膜等が用いられる。この基板1を有機
溶剤等で十分に洗浄した後、清浄な環境で乾燥させる。
次に、基板1上に薄膜熱電対31a,31bを形成する。薄
膜熱電対31a,31bは、ゼーベック係数が大きいものが望
ましく、アモルファスシリコン(a−Si)あるいはアモ
ルファスゲルマニウム(a−Ge)といった非晶質半導体
薄膜等が用いられる。これらの非晶質半導体は、SiH4
GeH4、H2等のガスを用い、プラズマCVD法により基板1
上に堆積する。この時、n型半導体にはPH3、AsH3、ま
た、p型半導体にはB2H6等のドーピングガスの供給量を
変化させたりする。この堆積された非晶質半導体を、フ
ォトエッチング技術を用いて不要部を除去し、所定の薄
膜熱電対31a,31bを形成する。なお薄膜熱電対31a,31b
は、ゼーベック係数の大きな非晶質薄膜等と小さな金属
薄膜等とで構成されていても、差し支えない。
続いて、基板1上に薄膜ヒータ21を形成する。この薄
膜抵抗体としては、ニクロム、タンタル等の金属薄膜等
を用いる。これらの金属薄膜は、スパッタ法あるいは真
空蒸着法により基板1上に堆積する。この金属薄膜もフ
ォトエッチング技術を用いて不要部を除去し、望ましい
形の薄膜ヒータ21を形成する。
更に、Au等の電極用金属薄膜を堆積し、フォトエッチ
ング技術を用いて不要部を除去し、薄膜熱電対31a,31b
および薄膜ヒータ21用の電極11,11Aを形成する。
なお、薄膜熱電対31a,31bおよび薄膜ヒータ21用の表
面保護膜として、SiO2薄膜、Si3N4薄膜等を設ける場合
もある。
次に、以上のようなセンサの測定原理及び恒温部6の
役割について、第5図を用いて説明する。
第5図は、第4図A〜Cで説明した実施例において基
板1の所定位置を加熱(この場合は薄膜ヒータなので加
熱のみ)した段階での温度勾配の図である。図中、恒温
部6(図中向かって右側の斜線で示される基板内周辺部
B)は、Cuブロック等のヒートシンク5に直接設置され
ているために、薄膜ヒータ21のオン・オフに関係なく常
に一定の温度を保っている。
これに対し、加熱された部分7は所望の位置(図中向
かって左側の斜線で示される基板内周辺部A:第4図C
中、Aで示す部分)は、薄膜ヒータ21がオフのとき、恒
温部6に等しい温度であるが、薄膜ヒータ21がONの時は
恒温部6よりも温度が上昇する。従って薄膜ヒータ21が
オンの時、加熱される部分7と恒温部6との間には温度
差ΔT1が発生する。
この温度差ΔT1は、薄膜ヒータ21の発熱量Qと熱抵抗
Rsの積で求められ、以下の式(1)で表される。
ΔT1=Q×Rs …(1) この場合、熱抵抗Rsは主として基板1の熱抵抗のみに
ほぼ依存する。従って、基板1の熱伝導率をλ、長さ
をLs、幅をWs、厚さをtsとすると、熱抵抗Rsは、以下の
式(2)で表される。
このように、付着層6aがない場合、つまり基板1の所
定の位置を加熱した段階では、温度差ΔT1は一定とな
る。
続いて、基板1の所望の位置を加熱した後の第1の温
度を検出する段階に入る。この温度差ΔT1の検出は薄膜
熱電対31a,31bを用いて行なわれる。この時、薄膜熱電
対31a,31bの熱起電力V1は以下の式(3)に示すよう
に、薄膜熱電対31a,31bのゼーベック係数をSと、温度
差ΔT1の積で求められる。
V1=S×ΔT1 (3) この時点においても付着層6aはないので、発生する熱
起電力V1は一定である。
この段階から、基板1の少なくとも一部分の表面に付
着層6aを形成させる段階に入る。
本発明により測定できる付着物6aは、Au、Pt、Ti、Cr
等の金属をはじめ、Si、GaAs、ZnTe等の半導体、あるい
はSiO2、Si3N4、Al2O3等の絶縁体など、いかなる物質で
も差し支えない。これは、本発明による付着層6aの厚さ
測定では、熱抵抗の変化を利用しているためである。
この実施例においては、薄膜ヒータ21及び薄膜熱電対
31a,31bが形成されている面に対する面へ、付着層6aを
形成させる。付着層6aが形成される以前では、熱は基板
1内のみを流れて加熱される部分7から恒温部6へ伝わ
っている。これに対し、付着層6aが形成されると、基板
1内のみを流れていた熱の一部が、付着層6aを流れて加
熱される部分7から恒温部6へ伝わる。このため、加熱
される部分7と恒温部6との間の熱抵抗は減少する。付
着層6aの熱伝導率をλ、長さをLf、幅をWf、厚さをtf
とすると、付着層6aのみの熱抵抗Rfは以下の式(4)で
表される。
また、基板1の熱抵抗Rsと付着層の熱抵抗Rfとの合成
熱抵抗Rは、以下の式(5)であらわされる。
式(4)と同様にして、付着層6aの形成後の加熱され
る部分13と恒温部6の温度差ΔT2は、以下の式(6)で
表される。
ΔT2=Q×R …(6) 式(6)からわかるように、温度差ΔT2は、付着層6a
の形成前の温度差ΔT1よりも、減少している。
続いて、付着層6aの形成後の所定位置の第2の温度を
検出する段階に入る。つまり、この実施例の場合は、温
度差ΔT2を測定する。第2の温度の検出方法は、第1の
温度の検出方法と同じで、第4図A、Bに示される実施
例の場合、薄膜熱電対31a,31bによる熱起電力で検出す
る。この時、熱起電力V2は、前述の式(3)と同様にし
て求められ、以下の式(7)で求められる。
V2=S×ΔT2 …(7) このように、第1の温度の検出信号である熱起電力V1
と第2の温度の検出信号である熱起電力V2が求められ
る。
続いて、第1の温度と第2の温度の差によって付着層
6aの厚さを求める段階に入る。
式(3)、(7)からΔT1とΔT2の差は、以下の式
(8)で表される。
また、式(1)、(6)からΔT1とΔT2の差は、以下
の式(9)で表される。
ΔT1−ΔT2=Q×(Rs−R) …(9) 式(8)、(9)から以下の式(10)が得られる。
式(10)に、式(2)、(3)、(4)、(5)を代
入し、整理すると、付着層6aの厚さtfを表す式(11)が
得られる。
式(11)において、λ、Ls、Ws、ts、及びλ
Lf、Wfは既知情報として与えられる。従って、付着層6a
の厚さtfは温度の検出信号である熱起電力V1、V2を検出
することにより求められる。
なお、メッキ時等の液体中における厚さを測定する場
合には液体との電気的絶縁を考慮すると共に、液体中へ
の放熱を補正することにより、メッキによる付着層の厚
さを測定することができる。
第6図はAu付着層6aの厚さtfと検出熱起電圧V0の関係
を示した図である。その測定条件は熱不良導体の基板1
にLs=10(mm)、Ws=2(mm)、ts=150(μm)のセ
ラミック基板を用い、薄膜熱電対31a,31bのゼーベック
係数が0.25(mV/K)で、薄膜ヒータ21の発熱量が400(m
W)の場合である。
縦軸に電圧V0、横軸に付着層6aの厚さtfをとってい
る。この場合Au付着層6aは薄膜ヒータ21及び薄膜熱電対
31a,31bが形成されている面の対向する面全体に付着す
る。Au付着層6aの厚さtfに対し、直線性によい検出熱起
電圧V0が得られる。
第7図は、他の実施例を示した図である。この実施例
においては、恒温部6には、周辺に円形に広がる電極11
を、温度差設定用薄膜2には図中、中央部の薄膜ヒータ
21を、温度差検出用薄膜3には、扇形に広がる2対の薄
膜熱電対31a,31bをもちいている。この場合の熱抵抗
は、中央部の薄膜ヒータ21から周辺に円形に広がる電極
11までである。また、2対の薄膜熱電対31a,31bは直列
に接続されているため、温度を検出する熱起電力は先の
実施例の2倍である。
第8図は、第7図に示した実施例をさらに拡張したも
ので、4対の薄膜熱電対31a,31bの熱起電力の出力の向
きが、互いに逆特性になっている。それぞれの中央部の
薄膜ヒータ21に等しい発熱量Qがあり、付着層が形成さ
れる前は、お互いの薄膜熱電対31a,31bからの熱起電圧
はバランスしあい、厚さセンサ全体としての熱起電力は
出力されない。これに対し、どちらか一方の円形の熱抵
抗部(例えば向って左側のI部、向かって右側をII部と
する)にのみ付着層が形成されると、向かって左側の円
形部分の熱抵抗のみが減少する。したがって、I部のみ
の熱起電力が減少し、両者の熱起電力のバランスは崩
れ、厚さセンサ全体として付着層に応じた熱起電圧が出
力される。
第9図は、第8図に示した実施例におけるAu付着層の
厚さと出力された熱起電圧の関係で、縦軸には電圧V0
横軸には付着層の厚さtfをとっている。また、Δが実験
値を、直線が計算値を示している。図に示されるよう
に、実験値と計算値はよい一致を示しており、また、Au
付着層の厚さと出力された熱起電力の間にはほぼ直線に
関係があることがわかる。
第10図A、Bは、温度の検出に薄膜サーミスタ素子32
と薄膜抵抗対33a,33b,33cを用いて、センサ上にブリッ
ジ回路を集積化したものである。なお加熱には、薄膜ヒ
ータ21を用い、恒温部6は薄膜ヒータ21の対極辺に位置
する。第10図A、Bにおいて、薄膜ヒータ21に最も近接
している位置に薄膜サーミスタ素子32があるので、この
ブリッジ回路にバイアス電圧Eがかかっている場合、ブ
リッジ回路からは温度に応じた電圧が検出部Dに出力さ
れる。
第11図は、加熱に光を用いたものである。光は厚さセ
ンサ外部から導入され、中央部の光吸収膜18により吸収
され熱に変換される。そして、温度の検出には複数対の
薄膜熱電対31a,31bを用い、恒温部6は円形周辺部の電
極11部分である。第11図に示される実施例では、加熱に
外部から導入する光を用いているため、真空装置内等で
の厚さ測定の際、配線数を減少させることができるとい
う長所がある。
第12図に示す実施例は、中央部に円形に形成された黒
体等の輻射膜34を用い、輻射膜34からの輻射熱を温度検
出に利用したものである。加熱には薄膜ヒータ21を用
い、恒温部6は円形周辺部の電極11部分である。第12図
に示される実施例においても、温度検出のための配線は
不用なので、真空装置内等での厚さの測定の際、配線数
を減少させることができるという長所がある。
第13図は、第12図に示される実施例同様、温度検出に
輻射熱を利用したものである。また、恒温部6の位置も
同様に、円形周辺部の電極11である。しかし、第13図に
示される実施例では、薄膜ヒータ21が中央部にある輻射
膜34の周辺を囲む用に形成されているため、第12図に示
される実施例よりも、輻射膜34の温度が均一になり、よ
り正確な温度測定が可能であるという長所がある。
これまで挙げた実施例では、いずれも基板の長所の位
置を加熱する礼を述べたが、加熱ではなく、冷却した場
合でも実施することができる。この冷却した場合の実施
例では、第14図A、Bに示すようにヒータに代わって、
基板1上に形成されたN型半導体薄膜41と金属薄膜42と
P型半導体薄膜43とで構成された薄膜ペルチェ効果素子
を用い、N型半導体薄膜41からP型半導体薄膜43に向っ
て電流を流す。その際、N型半導体薄膜41と金属薄膜4
2、金属薄膜42とP型半導体薄膜43の接合面でペルチェ
効果により冷却(電流が逆向きの場合は加熱)が起こ
る。なお、図中44,45はそれぞれ薄膜熱電対であり、41
a,43a,44a,45aはそれぞれオーミック電極である。
この他、ペルチェ効果以外の方法、例えば真空度に影
響のない範囲で冷却されたガス等を吹き付けることによ
り、所定位置を冷却しても全く差し支えない。
このような冷却を用いる厚さ測定では、冷却雰囲気等
における発熱を伴う測定が好ましくない場合や、高温限
界温度付近等で測定する場合などにおいて、その長所が
発揮される。
第15図A、B、第16図A、Bはそれぞれ本発明に係わ
るセンサの異なる実施例を示したものである。
第15図Aは基板1を下方から見た図、第15図Bは第15
図Bの矢視a−bの断面図である。第16図A、Bは第15
図A、Bにヒートシンク5を接続した図である。第16図
Aは上面図、第16図Bは矢視a−bの断面図である。熱
不良導体の基板1の中央部に、加熱用の薄膜ヒータ21を
設け、その近傍に薄膜熱電対31a,31bを二対設け、そし
て、基板1の両端部を熱不良導体からなるヒートシンク
5に熱的に接続した。なお、薄膜ヒータ21及び薄膜熱電
対31a,31bにはそれぞれオーミック電極11,11Aが形成さ
れている。
また、第17図は本発明に係わるセンサの別の実施例を
示したもので、ヒートシンク5に熱的に接続されている
熱不良導体の基体1上に、加熱用の薄膜ヒータ21a,21b
と温度検出用の薄膜熱電対31a,31bと、熱不良導体の基
板1を保持する熱不良導体からなる保持部材15とが形成
されている。
第15図A、B、第16図A、Bに示される実施例におい
ては、熱不良導体の基板1が保持されていないので、被
測定体の形状あるいは質量による熱不良導体の基板1の
曲がりが無機できる場合、もしくは熱不良導体の基板1
と被測定体との間に間隙が生じない場合に有効である。
第17図に示される実施例においては、熱不良導体の基
板1が熱不良導体による保持部材15により保持されてい
る。このため、熱不良導体による保持部材15を有してい
ない実施例において、被測定体の形状あるいは質量によ
る熱不良導体の基板1の曲がりが無視できない場合、も
しくは熱不良導体の基板1と被測定体の間に隙間が生じ
る場合に、この第17図に示される実施例が有効である。
次に、第15図A、B、第16図A、Bおよび第17図に示
した実施例の測定原理について第18図を用いて説明す
る。
第18図は、加熱用の薄膜ヒータ21により加熱された状
態における熱の流れと、基板内の温度勾配を示した図
で、それぞれ基板1に被測定体が接触していない(a:図
中実線)と、接触している場合(b:図中破線)について
示している。
第18図に示されるように、熱不良導体の基板1の所定
の位置(図中A:以下加熱部と呼ぶ)には、加熱用の薄膜
ヒータ21が形成され、その位置は昇温し、所望の位置
(図中B:以下温接点と呼ぶ)も加熱用の薄膜ヒータ21に
より一定発熱量Qで加熱され昇温する。これに対し、両
端部(図中C:以下冷接点と呼ぶ)はヒートシンク5に熱
的に接続されることにより、一定の温度に保たれる。こ
の場合、この冷接点はヒートシンク5に熱的に接続され
ているため、薄膜ヒータ21のオン、オフに関係なく常に
一定の温度を保っている。このような恒温部は、薄膜熱
電対31a,31bの冷接点を形成するために必要であるが、
基板上の所定位置を加熱した際に、基板内に実質的に温
度勾配(差)が形成されればよい。この加熱された部分
である温接点が昇温し、冷接点が一定の温度を維持して
いる状態で、基板1に被測定体を接触させる。この時、
基板内のみを通過して加熱部Aから冷接点へと流れてい
た熱の一部は、被測定体の内部を通過して流れる。この
ため、加熱された部分から冷接点へは熱が流れ易くな
り、温接点と冷接点の間の温度差が変化する。このと
き、薄膜熱電対31a,31bでこの温度差ΔTを検出する。
この温度差ΔTは上述した(2)、(4)、(5)式
より以下の式(12)で表される。
式(12)で表されるように、温度差ΔTは、この被測
定体の熱伝導率λ、又は形状Lf、Wf、tfに対してお
り、この温度差ΔTを検出することにより、形状が既知
の被測定体ではその熱伝導率を、また熱伝導率が既知の
被測定体ではその形状(特には長さまたは厚さ)を算出
することができる。つまり、この温度差は被測定体の熱
伝導率に対応しているため、この温度差が検出されるこ
とにより、形状が既知の被測定体ではその熱伝導率を、
又、熱伝導率が既知の被測定体ではその形状を上述した
ようにして算出することができる。なお、一般に、被測
定体の幅はセンサの幅に比較して十分に大きいため、幅
の影響を実際には無視してもよい。
また、被測定体の形状あるいは質量により熱不良導体
の基板に曲がりが生じる場合は、熱不良導体の基板を保
持するための熱不良導体からなる保持部材15を用いる。
この保持部材を用いることにより、この曲がりから生じ
る熱不良導体の基板と被測定体との間の隙間の発生を防
ぐ。その結果、この隙間から発生する非常に大きな接触
熱抵抗、更には接触熱抵抗により発生する熱伝導率の測
定誤差を防止することができる。なお、第17図に示され
る実施例においても、保持部材への熱の流れを考慮する
ことにより、第15図A,B、第16図A、Bに示される実施
例と同様に形状が既知の被測定体ではその熱伝導率を、
又熱伝導率が既知の被測定体ではその形状を算出するこ
とができる。
第19図は第15図A、B、第16図A、Bに示される実施
例において、熱不良導体の基板1に長さ10(mm)、幅10
(mm)、厚さ1(mm)のガラス基板を用い、加熱用薄膜
ヒータ21の発熱量Q=10(mW)、被測定体の厚さt=5
(mm)、幅W=10(mm)における被測定体の熱伝導率λ
と温接点と冷接点の温度差ΔTの関係を、被測定体の長
さがそれぞれL=1、2、5、10(mm)の場合について
示したものである。縦軸は温度差ΔT(K)、横軸は熱
伝導率λ(W/m・K)を示している。それぞれ、L=1
のときは線、L=2のときは線、L=5のときは線
、L=10のときは線で示す。この図に示されるよう
に、温度差ΔTは熱伝導率に対応しており、温度差ΔT
を検出することにより、熱伝導率を測定することができ
る。更に、長さLを変化させることにより熱伝導率に対
応する温度差ΔTを変えることができる。また同様にし
て、熱伝導率が既知の被測定体では、その形状を測定す
ることができる。この温度差による被測定体の熱伝導
率、又は形状は、先に述べた式(12)から導き出され
る。従ってセンサと演算回路とを備えれば、熱伝導率検
出装置として構成することも当然に可能である。
第19図において、熱伝導率が高い範囲では温接点と冷
接点の温度差の変化は小さくなっている。しかしなが
ら、この温度差は加熱用の薄膜ヒータ21の発熱量に比例
しているので発熱量を増大させることにより、温度差を
増大させることができ、熱伝導率、形状の測定が従来測
定が困難な場合であった薄膜状のものでも高精度で測定
できる。すなわち、検出感度を高めることができる。ま
た必要に応じて薄膜熱電対の数を増加させることにより
同様に検出感度を高めることができる。
次に、以上において、ΔT1=ΔT2となるように発熱量
Q1,Q2を制御し、その発熱量Q1,Q2の変化(実際は温度差
設定用薄膜に与える電源からの電流の変化でよい)から
熱抵抗の変化に変換する場合の原理について説明する。
なお、この場合のセンシングシステムの構成は第2図に
示したものでよい。
先ず、上記式(1)、(6)にΔT1=ΔT2を入れて を得る。次に、この式(13)のRに上記式(5)を入れ
得る。最後に、この式(14)のRs、Rfにそれぞれ上記式
(2)、(4)を入れて が得られる。この式(15)において、λ、Ls、Ws、ts
およびλ、Lf、Wsはそれぞれ既知情報として与えられ
る。従って被測定体の厚さtfは発熱量の変化Q1−Q2(実
際上は電流変化I1−I2)を検出することにより、それを
熱抵抗の変化に変換することにより算出することが可能
となる。
つまり、第2図において、温度差検出用薄膜202で検
出される上述の第1および第2の温度差ΔT1,ΔT2をメ
モリ206に記憶しており、CPU209はΔT1=ΔT2となるよ
うに温度差設定用薄膜202の熱量を可変制御するため
に、電源204に対しそれからの供給電流をI1からI2にす
ることを指定してやればよい。
なお、この場合、第2図の差動増幅器205は、温度差
検出用薄膜203からの温度差情報とメモリ206からの基準
(温度)信号とを比較してΔT1=ΔT2とするための帰還
信号を生成しているので、この帰還信号の変化をCPU209
で検出することによって電源204からの供給電流つまり
温度差設定用薄膜202の熱量を可変制御するようにして
もよい。
第20図Aは以上のような本発明に係るセンサをペン型
センサとして実装した例を示す。
すなわち、このペン型センサは、直径約10mm、厚さ約
150mm程度の円筒状本体200の一端に後述するセンサ201
をエポキシ樹脂により固着し、このセンサ201のヒータ
用端子および熱電対用端子からのリード202線(4本)
を本体200の他端から導出して第2図に示したようなセ
ンシングシステムを構成するように接続する。なお、本
体200のセンサ201固着部には保護用キャップ203が達着
自在に設けられている。
第20図B、Cは上記センサ201の詳細図を示す。
すなわち、上面が露出されて測定図Sとなされる基板
201aの下面中央部にはリング状に薄膜ヒータ201bが形成
されると共に、この薄膜ヒータ201bを取囲むように扇状
の金属薄膜201cが形成される。この扇状の金属薄膜201c
上の所定位置(図示6箇所)には熱電対を構成するため
の半導体薄膜201dが形成される。この半導体薄膜201dは
一端がパッケージ部材201e上に取着されたリング状のヒ
ートシンク201fの他端に接合される。上記金属薄膜201c
の両端部と上記ヒートシンク201fとの間から導出された
リード201gは、上記パッケージ部材201eの両端部に絶縁
シール201hを介して取着されている端子201iに接続され
る。
なお、上記リング状の薄膜ヒータ201bに接合された基
板201a上に形成される金属薄膜201jも図示はしないが上
記パッケージ部材201eに絶縁シールを介して取着されて
いる端子に接続される。
上記基板201aの周縁部の上記パッケージ部材201eの周
縁部とにかけて上記リード201gと上記端子201iとの接続
部を保護するために絶縁性樹脂等の保護部材201kが設け
られている。
以上のように構成されるペン型セサを用いたセンシン
グシステムはキャップ203を外した状態でセンサ201の測
定面Sを被測定体に対し熱的に結合することにより、上
述した各センサと略同様の動作原理に基いて被測定体に
おける所望の固有値を算出して測定することができる。
第21図は、上述のようなペン型センサを用いたセンシ
ングシステムの応用例としてシリコン膜の実測値と計算
値(V1−V2)との比較を示すもので、略リニアーな関係
にあって本発明に係るセンサを用いた厚さ測定を高精度
にできることを示している。
第22図は、同じくペン型センサ用いたセンシングシス
テムの応用例として、エタノール/水溶液のセンサ出力
特性の濃度依存性を示すもので、0%から100%までに
おいてほぼ比例した出力電圧が得られ、本発明によるセ
ンサが液体例えばアルコール飲料等のアルコール濃度の
測定にも応用可能であることを示している。
次に、以上のように各センサに用いられる基板の厚さ
に関連した測定精度(特に感度)の問題とその改善につ
いて述べる。
先ず、以上のようなセンサにおいて、基板の所望の位
置を加熱する場合に、加熱手段により加熱された熱が一
定であるとき、温接点と冷接点との温度差は熱抵抗と比
例関係にある。基板の熱抵抗が一定であるならば、基板
と並列する被測定体の熱抵抗に応じて、温接点と冷接点
の温度差が変化する。しかし、加熱手段と被測定体との
間には、基板の内部が有する基板の縦方向の熱抵抗Rv
存在する。この熱抵抗Rvが被測定体の熱抵抗Rfと直列に
なるので、被測定体の熱抵抗Rfが小さい場合は、被測定
体の熱抵抗Rfの変化分は、基板の縦方向の熱抵抗Rvより
もはるかに小さいものであるので、出力信号があまり変
わらず、結局、検出感度が低下する。以下、この問題点
について具体的に説明する。
センサとしては、第23図に示すようなセンサを例にと
る。図中、Rtは熱電対薄膜302方向の熱抵抗、Rvは基板3
01の縦方向の熱抵抗、R0は基板301の横方向の熱抵抗、R
fは被測定体300の熱抵抗である。なお、303は薄膜ヒー
タ、304はヒートシンクである。
このような構造のセンサにおける全体のトータル熱抵
抗RTHで与えられる。また、被測定体300が基板301に熱的に結
合されていないときの初期熱抵抗RTHOで与えられる。従って、被測定体300の熱抵抗に応じた
出力信号の感度を示すRTH/RTHOで与えられるから、基板301の縦方向の熱抵抗Rvに増大
するにつれて、RTH/RTHOが1に近づくので感度が低下す
ることになる。
換言すれば、このようなセンサにおいて感度を向上す
るためには、Rvを減少すればよいことになる。このRv
基板の熱伝導率λまたは厚さT0に比例しているので、
熱伝導率の大きな基板を用いるかまたは基板の厚さを薄
くしてやれば、Rvを減少することができる。
しかし、基板の厚さを薄くしすぎると強度的な問題が
あり、実現的な解決策が必要となる。
次に、以上のような点すなわち感度を向上し得るよう
に改善したセンサの幾つかの実施例について説明する。
第24図、第25図に示すセンサはいずれも基板301の厚
さを部分的に薄くするために、溝307を形成した例であ
る。このうち、第24図のセンサでは基板301に形成した
溝307中に充填された熱抵抗の低いポリシリコン等の充
填体308を介して被測定体300と熱的に結合せしめる構造
である。
また、第25図のセンサは基板301に形成した溝307の底
部に薄膜ヒータ303を形成して基板301の薄い部分で、被
測定体307と熱的に結合せしめる構造である。
先ず、第24図のセンサ製造手順を第26図A〜Fを参照
して説明する。
(1)厚さが150μmの石英ガラス基板301を用意する。
(第26図A) (2)基板301の上面にCVDにより、Si3N4(窒化シリコ
ン)膜を100nm堆積する。
(3)その上にCVDにより、SiO2(酸化シリコン)膜を1
0μm堆積する。(第26図B) (4)フォトリソグラフィにより、基板上面で薄膜ヒー
タを形成すべき位置に対応する基板下面の位置に溝パタ
ーンを形成する。
(5)HF系エッチング液により基板301を下面からエッ
チングして、ダイヤフレーム構造の溝307を形成する。
この場合、Si3N4膜に対するエッチングスピードは石英
ガラスの基板301に比べて極めて遅いので、石英ガラス
基板とSi3N4膜との界面までで、エッチングを容易に止
めることができる。(第26図C) (6)CVDにより溝307をポリシリコンで充填すると共
に、基板301の下面に対して、全面的にポリシコン膜を1
50μm以上、成長する。
(7)石英ガラス基板301のエッチングされていない面
に合わせて、ポリシリコン膜を研磨して、被測定体300
の接触がよくなるように均一で且つ平滑な面を形成す
る。(第26図D) (8)石英ガラス基板301の上面の所定の位置に加熱手
段である薄膜ヒータ303と、温度検出手段である薄膜熱
電対302とをCVD及びフォトリソグラフィにより形成す
る。(第26図E) 次に、第25図のセンサの製造手順を第27図A〜Dを用
いて説明する。
(1)厚さが例えば150μmの石英ガラス基板301を用意
する。(第27図A) (2)基板301の下面にCVDにより、Si3N4(窒化シリコ
ン)膜を約100nm〜200nm堆積する。(第27図B) (3)その上にCVDにより、SiO2(酸化シリコン)膜を
1μm〜10μm堆積する。(第27図B) (4)フォトリソグラフィにより、基板下面で薄膜ヒー
タを形成すべき位置に対向する基板上面の位置に溝パタ
ーンを形成する。
(5)HF系エッチング液により基板301を上面からエッ
チングして、ダイヤフレーム構造の溝307を形成する。
この場合、Si3N4膜に対するエッチングスピードは石英
ガラスの基板301に比べて極めて遅いので、石英ガラス
基板301との界面まででエッチングを容易に止めること
ができる。(第27図C) (6)この溝307の底面に加熱手段である薄膜ヒータ303
をCVD及びフォトリソグラフィにより形成する。また、
異方性エッチングによって、傾斜した溝307の側面およ
び基板301の下面に温度検出手段である薄膜熱電対302を
形成する。
ところで、第24図および第25図のセンサは石英ガラス
基板301中に厚さが溝307によって非常に薄くされた部分
を有している。具体的に述べると、基板本来の厚さは約
150μmであり、溝307によって、薄くなされた部分の厚
さは約10μmである。この場合基板全体の面積に対する
基板の厚さの薄い部分の割合が適切に設定されているの
で、十分な強度を維持することができる。第28図は、石
英ガラス材料破壊応力が510kg/cm2であることに基づい
て、本発明の素子の構造の強度の計算を行った結果であ
る。第28図では、横軸には基板において溝が設けられて
いる部分の厚さ(ダイヤフレームの底部の厚さ)T0と溝
の底部の半径aとの比を示し、縦軸にはセンサ基板を破
壊する圧力(単位はkg/cm2、以下、破壊応力という)の
値を示した。第28図からわかるように、T0が10μm、a
が300μmの場合、破壊応力は0.6kg/cm2であり、十分な
強度が維持されている。第28図からわかるようにT0/aは
0.01〜1の範囲で変化させると、破壊応力は0.07〜700k
g/cm2の範囲で変化するので、用途に応じてT0とaの値
を適切に設定すれば、それに必要な強度を維持すること
ができる。
また、それに加えて、第24図のセンサでは、ポリシリ
コンを溝307に充填したのでより強度を高めることがで
きる。
次に、第29図を用いて第24図および第25図のセンサの
応答速度について説明する。
第29図は溝の底部の厚さがそれぞれ1μm、10μmを
有するダイヤフレーム構造のセンサと溝をもたないフラ
ット基板によるセンサとにより、Au膜を測定する計算値
である。
この図からわかるように被測定体の膜厚が1μm以下
の場合、両者はあまり差がないが、被測定体の膜厚が増
大するにつれて、両者の差がだんだんと大きくなる。被
測定体の膜厚が100μmの場合、溝なしセンサの時定数
1.35に対して、溝底部が10μm厚と1μm厚のダイヤフ
レーム構造のセンサの時定数はそれぞれ0.17、0.03と大
幅に減少するので、応答速度を早めることができる。
次に、第30図を用いて第24図、第25図のセンサが溝な
しセンサに比べて、どの程度、感度と応答スピードが向
上したかを説明する。
第30図は、Au膜を測定する場合の被測定体の膜厚と温
度検出手段の相対出力(V1/V2)との関係を示した図で
ある。
横軸はAu膜の厚さ(単位はμm)を示し、縦軸は相対
出力、すなわち、被測定体が結合している場合の出力電
圧V2と被測定体が結合していない場合の出力電圧V1との
比を示している。
第30図では、被測定体の膜厚が0.1μmから100μmま
での範囲において、T0が150μmの溝なしセンサと、T0
がそれぞれ1μmと10μmであり、溝にポリシリコンを
充填したセンサの測定特性を示した。
第30図からわかるように測定の全範囲で溝なしセンサ
の曲線はほぼ平坦で、相対出力はわずかに1から0.5ま
で変化することに対して、T0が小さくなるにつれて、出
力変化範囲は大きくなって、曲線の傾きが増加してく
る。つまり、T0が1μmと10μmのセンサの場合、相対
出力はそれぞれ1から0.016と1から0.065の範囲で変化
して、測定範囲と感度が向上したことがわかる。
第31図はT0が150μmの溝なしセンサと、T0がそれぞ
れ1μmと10μmで、溝にポリシリコンを充填しない構
造のセンサの測定特性を示した。なお、縦軸と横軸は第
30図とそれぞれ同じである。第31図を第30図と対照とす
るとわかるようにポリシリコンを充填したものと充填し
ない素子ともそれぞれ同程度の特性改善を示した。
以上詳述したようにセンサは、基板を加熱または冷却
し、その基板に結合する被測定体の依存する温度の変化
を検出することにより、被測定体の所望の固有値の測定
を行っているので、蒸着膜厚の測定において水晶式膜厚
検出器が水晶の発生周波数と蒸着させるための周波数と
によりノイズが発生するという問題を当然に解決して、
正確な測定が可能になる。
また、本発明のセンサは基板上に設けた温度差設定用
薄膜と、温度検出用薄膜とからなるので、半導体薄膜技
術等を用いることにより容易に小型化が達成できる。そ
のため、センサを測定条件の最適な場所に設定でき、真
空蒸着時の多点測定が可能で、被蒸着物をより多く蒸着
することができる。
また、本発明のセンサは半導体薄膜技術等を用いるこ
とにより、その性能に比して非常に安価で作製できる。
さらにまた、本発明のセンサは測定原理が簡単なた
め、諸々のトラブルが生じにくい。
また、本発明によるセンサは、熱伝導率を直接温度差
の変化から算出しているので、被測定物の密度、比熱を
あらかじめ求めなければ被測定物の熱伝導率を測定でき
ない、という従来の問題は当然に解決されている。
また、本発明による熱伝導検出素子は、熱不良導体の
基板上に光リソグラフィに代表される半導体プロセス等
を用いて形成された加熱手段、温度検出手段を有し、そ
れが同一基板の同一平面上に設けられている。その結
果、以下の効果が導き出される。
まず、センサの集積化、小型化が達成できた。
本発明によるセンサ素子は、基板に被測定体を結合さ
せるだけで被測定体の熱伝導率、または形状を測定でき
るので、測定のために被測定体の測定サンプルを作製し
なければ被測定体の熱伝導率を測定できない、という従
来の問題も解決でき、非破壊での測定が可能となった。
更に、本発明によるセンサは、光熱伝導率基板と低熱
伝導率基板の間にはさまなければ被測定体の熱伝導率を
測定できないといった、被測定体に限定が加わるという
従来の問題も解決でき、簡易な熱伝導率測定が可能であ
る。
そして、そのため測定対象は建造物や、ガスの配管、
構造物等の広がり、その老朽化や、腐食化の進行の程度
を調べることも可能となり、また、アスファルトの厚さ
更に水分中のアルコール濃度などの測定等もでき、測定
対象を非常に広い分野に拡張することができる。
従って、この発明によれば、小型化・集積化が容易で
あると共に、測定が簡便であり、しかも高周波ノイズの
影響を受け難く、安価であるという特徴を有して被測定
体の厚さや熱伝導率および液体濃度等の固有値を測定す
ることができるセンサ装置を提供することが可能とな
る。
また、この発明によれば、小型化・集積化が容易であ
ると共に、測定が簡便であり、しかも高周波ノイズの影
響を受け難く、安価であるという特徴を有して被測定体
の厚さや熱伝導率および液体濃度等の固有値を測定する
ことができるセンシング装置を提供することが可能とな
る。
また、この発明によれば、小型化・集積化が容易であ
ると共に、測定が簡便であり、しかも高周波ノイズの影
響を受け難く、安価であるという特徴を有して被測定体
の厚さや熱伝導率および液体濃度等の固有値を測定する
ことができるセンシング方法を提供することが可能とな
る。
さらに、この発明によれば応答速度を早くすることが
できると共に、測定精度を向上することができるように
したセンサを提供することが可能となる。
[産業上の利用可能性] 本発明による熱抵抗の変化を用いて被測定体の固有値
を測定するセンシングシステムは、被測定体の厚さや熱
伝導率および液体濃度等の固有値を小型で簡便且つ高精
度に測定することができるので、液体、固体、構造物等
の広範囲の測定対象において熱依存性を有する所望の固
有値のみならず老朽化、腐食化の進行度合いの推定を含
む広範囲の用途に利用することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−169752(JP,A) 特開 昭63−290906(JP,A) 特開 昭64−13445(JP,A) 特開 昭57−39364(JP,A) 特表 平4−501759(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 25/18 G01B 7/06

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒートシンクと、 被測定体に少なくとも一部が熱的に結合可能で且つ上記
    ヒートシンクに一部が熱的に接続されている熱不良導体
    からなる基板と、 上記基板に温度差を提供するために、上記基板に形成さ
    れる温度差設定用薄膜と、 上記温度差設定用薄膜によって提供される上記温度差の
    変化を検出するために、上記基板に形成される温度差検
    出用薄膜と、 上記温度差設定用薄膜に所定の電力を供給するために、
    上記基板に形成された第1の電極手段と、 上記温度差検出用薄膜からの出力を導出するために、上
    記基板に形成された第2の電極手段とを具備し、 上記基板に上記被測定体が熱的に結合される前後におい
    て上記基板に提供される温度差の変化を上記基板の熱抵
    抗の変化に変換して上記被測定体の所望の固有値を算出
    するための温度差情報信号として出力することを特とす
    るセンサ。
  2. 【請求項2】上記温度差設定用薄膜が薄膜ヒータ素子を
    含むことを特徴とする請求の範囲1記載のセンサ。
  3. 【請求項3】上記温度差設定用薄膜が薄膜ペルチェ効果
    素子を含むことを特徴とする請求の範囲1に記載のセン
    サ。
  4. 【請求項4】上記基板は、 上記被測定体と熱的に結合される部分を薄肉にするため
    の溝が形成されると共に、 この溝に充填された上記基板よりも熱伝導性の高い材質
    でなる充填層を介して上記被測定体と熱的に結合可能に
    なされていることを特徴とする請求の範囲1に記載のセ
    ンサ。
  5. 【請求項5】上記基板は上記被測定体と熱的に結合され
    る部分を薄肉するための溝が形成されると共に、 上記温度差設定用薄膜が上記溝の底部に形成され且つ上
    記温度差検出用薄膜が上記溝の側面および該側面と連接
    する上記基板の一面にかけて形成されることにより、 上記基板の他面から上記薄肉部を介して上記被測定体と
    熱的に結合可能になされていることを特徴とする請求の
    範囲1に記載のセンサ。
  6. 【請求項6】上記温度差検出用薄膜が薄膜熱電対素子を
    含むことを特徴とする請求の範囲第1乃至5のいずれか
    一に記載のセンサ。
  7. 【請求項7】上記温度差検出用薄膜が薄膜サーミスタ素
    子を含むことを特徴とする請求の範囲1乃至5のいずれ
    か一に記載のセンサ。
  8. 【請求項8】ペン型センサとして実装されることを特徴
    とする請求の範囲第1乃至7のいずれか一に記載のセン
    サ。
  9. 【請求項9】ヒートシンクと、 被測定体に少なくとも一部が熱的に結合可能で且つ上記
    ヒートシンクに一部が熱的に接続されている熱不良導体
    からなる基板と、 上記基板に温度差を提供する温度差設定手段と、 上記温度差設定手段によって提供される上記温度差の変
    化を検出する温度差検出手段と、 上記基板に上記被測定体が熱的に結合される前後におい
    て上記温度差検出手段によって検出された上記温度差の
    変化を上記基板の熱抵抗の変化に変換する温度差/熱抵
    抗変換手段と、 上記温度差/熱抵抗変換手段によって変換された熱抵抗
    の変化と上記被測定体の既知情報に従って上記被測定体
    の所望の固有値を算出する固有値算出手段とを具備する
    センシング装置。
  10. 【請求項10】上記固有値算出手段は、 上記被測定体の既知情報を上記被測定体の熱伝導率を含
    む所定の情報群とするとき、上記被測定体の所望の固有
    値として上記被測定体の厚さを算出することを特徴とす
    る請求の範囲9に記載のセンシング装置。
  11. 【請求項11】上記固有値算出手段は、 上記被測定体の既知情報を上記被測定体の厚さを含む所
    定の情報群とするとき、上記被測定体の所望の固有値と
    して上記被測定体の熱伝導率を算出することを特徴とす
    る請求の範囲9に記載のセンシング装置。
  12. 【請求項12】上記温度差設定手段は、 上記基板の所定位置の温度を一定にする手段を含むこと
    を特徴とする請求の範囲9乃至11いずれか一に記載のセ
    ンシング装置。
  13. 【請求項13】上記温度差/熱抵抗変換手段は、 上記基板に上記被測定体が熱的に結合される前後におい
    て上記温度差検出手段によって検出される上記温度差の
    変化が等しくなるように上記温度差設定手段の熱量を可
    変制御する制御手段と、 上記制御手段による熱量の変化から上記基板の熱抵抗の
    変化に変換する手段とを含むことを特徴とする請求の範
    囲9乃至12のいずれか一に記載のセンシング装置。
  14. 【請求項14】上記温度差/熱抵抗変換手段は、 上記温度差検出手段によって検出される温度差情報を基
    準温度信号と比較して帰還信号を生成する手段と、 上記帰還信号に従って上記基板に上記被測定体が熱的に
    結合される前後において上記温度差検出手段によって検
    出される上記温度差の変化が等しくなるように上記温度
    差設定手段の熱量を可変制御する制御手段と、 上記制御手段による熱量の変化から上記基板の熱抵抗の
    変化に変換する手段とを含むことを特徴とする請求の範
    囲9乃至12のいずれか一に記載のセンシング装置。
  15. 【請求項15】被測定体に少なくとも一部が熱的に結合
    可能な基板に温度差を設定する段階と、 上記基板に上記被測定体が熱的に結合されていない状態
    で上記基板における第1の温度差を検出する段階と、 上記基板を上記被測定体に熱的に結合する段階と、 上記基板に上記被測定体が熱的に結合されている状態で
    上記基板における第2の温度差を検出する段階と、 上記第1および第2の温度差を上記基板の熱抵抗に変換
    する段階と、 変換された熱抵抗および上記被測定体の既知情報に従っ
    て上記被測定体の所望の固有値を算出する段階とを具備
    し、 上記変換段階は、 上記基板に上記被測定体が熱的に結合される前後におい
    て検出される上記温度差の変化が等しくなるように上記
    基板を与える熱量を可変制御する段階と、 上記熱量の変化から上記基板の熱抵抗の変化に変換する
    段階とを含むことを特徴とするセンシング方法。
  16. 【請求項16】被測定体に少なくとも一部が熱的に結合
    可能な基板に温度差を設定する段階と、 上記基板に上記被測定体が熱的に結合されていない状態
    で上記基板における第1の温度差を検出する段階と、 上記基板を上記被測定体に熱的に結合する段階と、 上記基板に上記被測定体が熱的に結合されている状態で
    上記基板における第2の温度差を検出する段階と、 上記第1および第2の温度差を上記基板の熱抵抗に変換
    する段階と、 変換された熱抵抗および上記被測定体の既知情報に従っ
    て上記被測定体の所望の固有値を算出する段階とを具備
    し、 上記変換段階は、 上記第1および第2の温度差を検出する段階で検出され
    た温度差情報を基準温度信号と比較して帰還信号を生成
    する段階と、 上記帰還信号に従って上記基板に上記被測定体が熱的に
    結合される前後における上記温度差の変化が等しくなる
    ように上記基板に与える熱量を可変制御する段階と、 上記熱量の変化から上記基板の熱抵抗の変化に変換する
    段階とを含むことを特徴とするセンシング方法。
  17. 【請求項17】上記所望の固有値算出段階は、 上記被測定体の既知情報を上記被測定体の熱伝導率を含
    む所定の情報群とするとき、上記被測定体の所望の固有
    値として上記被測定体の厚さを算出することを特徴とす
    る請求の範囲15または16に記載のセンシング方法。
  18. 【請求項18】上記所望の固有値算出段階は、 上記被測定体の既知情報を上記被測定体の厚さを含む所
    定の情報群とするとき、上記被測定体の所望の固有値と
    して上記被測定体の熱伝導率を算出することを特徴とす
    る請求の範囲15または16に記載のセンシング方法。
  19. 【請求項19】上記温度差設定段階は、 上記基板の所定位置の温度を一定にする段階を含むこと
    を特徴とする請求の範囲15乃至18のいずれか一に記載の
    センシング方法。
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