JP2012122436A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

内燃機関の可変動弁装置 Download PDF

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Abstract

【課題】この発明は、内燃機関の可変動弁装置に関し、クランク軸の回転力を利用して駆動カム軸を回転駆動する構成を用いる場合において、バルブの開き時期または閉じ時期を一定(もしくは実質的に一定)としつつ、駆動カム軸が一回転する間の従動カムロブの回転速度を変更可能とすることを目的とする。
【解決手段】可変カム速度機構として、軌道面36a1を有するガイド部材36、駆動カム軸12および従動カムロブ18aのそれぞれに連結され軌道面36a1と接触する制御ローラ32を有するリンク機構35、および、ガイド部材36を駆動するアクチュエータ42等を備える。ガイド部材36の上下位置調整時に駆動カム軸12に対する前記従動カムロブ18aの相対的な回転角度が等速時の値と等しくなる等回転角度タイミングと、吸気弁の開き時期または排気弁の閉じ時期とが一致するように設定する。
【選択図】図6

Description

この発明は、内燃機関の可変動弁装置に係り、特に、駆動カム軸が一回転する間の従動カムロブの回転速度を変更可能とする内燃機関の可変動弁装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、バルブを駆動する従動カムロブが固定された駆動カム軸を電動モータによって回転駆動する構成を備える内燃機関の可変動弁装置が開示されている。この従来の可変動弁装置は、電動モータの回転速度を制御するモータ制御装置を備えている。このような構成によれば、モータ制御装置によって電動モータの回転速度を変化させることにより、駆動カム軸が一回転する間の従動カムロブの回転速度を増減することができる。
特開2005−180238号公報 特開2008−274962号公報
上述した特許文献1に記載の構成にように、電動モータを利用して駆動カム軸が一回転する間の従動カムロブの回転速度を増減させる可変動弁装置では、バルブのリフト区間において従動カムロブの回転速度の制御を行うために、高応答なモータ制御が必要となる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、クランク軸の回転力を利用して駆動カム軸を回転駆動する構成を用いる場合において、バルブの開き時期または閉じ時期を一定(もしくは実質的に一定)としつつ、駆動カム軸が一回転する間の従動カムロブの回転速度を変更可能とする内燃機関の可変動弁装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、内燃機関の可変動弁装置であって、
クランク軸の回転力を利用して回転駆動される駆動カム軸と、
前記駆動カム軸と同心の従動カムロブと、
前記駆動カム軸に対する前記従動カムロブの相対的な回転角度を変更することによって、前記駆動カム軸が一回転する間に、前記駆動カム軸に対する前記従動カムロブの相対的な回転速度を増減させる可変カム速度機構と、
前記可変カム速度機構によって前記回転速度を増減させた際の前記駆動カム軸に対する前記従動カムロブの相対的な回転角度が、前記駆動カム軸が一回転する間じゅう当該回転角度が一定となる場合の値と等しくなる等回転角度タイミングと、前記従動カムロブにより駆動されるバルブの開き時期または閉じ時期とが一致するように設定されていることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記バルブは、吸気弁であり、
前記等回転角度タイミングと、前記吸気弁の開き時期とが一致するように設定されていることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記バルブは、排気弁であり、
前記等回転角度タイミングと、前記排気弁の閉じ時期とが一致するように設定されていることを特徴とする。
また、第4の発明は、第2の発明において、
内燃機関の運転領域が低回転高負荷領域である場合に、前記吸気弁のリフト開始区間において前記駆動カム軸に対する前記従動カムロブの相対的な回転速度が増加するように前記可変カム速度機構を制御する低回転高負荷時制御手段を更に備えることを特徴とする。
また、第5の発明は、第2または第4の発明において、
内燃機関の運転領域が低回転低負荷領域である場合に、前記吸気弁のリフト開始区間において前記駆動カム軸に対する前記従動カムロブの相対的な回転速度が減少するように前記可変カム速度機構を制御する低回転低負荷時制御手段を更に備えることを特徴とする。
また、第6の発明は、第2、第4または第5の発明において、
内燃機関の運転領域が高回転領域である場合に、前記吸気弁がリフト区間にある時に前記駆動カム軸に対する前記従動カムロブの相対的な回転速度が等しい状態が継続するように前記可変カム速度機構を制御する高回転時制御手段を更に備えることを特徴とする。
また、第7の発明は、第1乃至第6の発明の何れかにおいて、
前記従動カムロブのプロファイルは、当該従動カムロブの全周にわたって負の曲率が生じないように設定されていることを特徴とする。
また、第8の発明は、第1乃至第7の発明の何れかにおいて、
前記従動カムロブは、前記駆動カム軸に回転自在に支持されており、
前記可変カム速度機構は、
前記駆動カム軸を覆うように形成された軌道面を有するガイド部材と、
前記駆動カム軸および前記従動カムロブのそれぞれに連結され、前記軌道面と接触する接触部材を有し、前記接触部材の位置変化に伴って前記駆動カム軸に対する前記従動カムロブの回転角度を変化させるリンク機構と、
前記駆動カム軸が一回転する間じゅう前記軌道面と前記接触部材との接触が維持されるようにする接触維持手段と、
前記ガイド部材を、前記駆動カム軸の軸線と直交する平面方向に移動させるアクチュエータと、
を含むことを特徴とする。
第1の発明によれば、上記等回転角度タイミングと、バルブの開き時期または閉じ時期とが一致するように設定することにより、上記可変カム速度機構によって上記回転速度の調整状態にかかわらす、バルブの開き時期または閉じ時期における上記回転角度を(ほぼ)一定に揃えることができる。このため、本発明によれば、クランク軸の回転力を利用して駆動カム軸を回転駆動する構成を用いる場合において、バルブの開き時期または閉じ時期を一定(もしくは実質的に一定)としつつ、駆動カム軸が一回転する間の従動カムロブの回転速度を変更することが可能となる。
第2の発明によれば、クランク軸の回転に対する駆動カム軸の回転位相を変更可能とする可変バルブタイミング機構を用いる必要なしに、吸気弁の開き時期を一定(もしくは実質的に)としつつ作用角を変更すること(すなわち、位相連成)が可能となる。これにより、可変バルブタイミング機構の故障に伴うバルブとピストンとの干渉(いわゆる、バルブスタンプ)が発生しないようにすることができる。
第3の発明によれば、上記可変バルブタイミング機構を用いる必要なしに、排気弁の閉じ時期を一定(もしくは実質的に)としつつ作用角を変更すること(すなわち、位相連成)が可能となる。これにより、可変バルブタイミング機構の故障に伴うバルブスタンプが発生しないようにすることができる。
第4の発明によれば、開き側において吸気弁の速度が高くなるので、吸気弁の閉じ時期が早くなり、吸気下死点に近づくので十分な空気量を素早く燃焼室内に供給できるようになる。これにより、低中速トルクを向上させることができる。
第5の発明によれば、吸気弁がゆっくりと開くようになるので、吸気弁の閉じ時期が遅くなり、一度吸った空気を戻すことで少ない空気量で運転する、いわゆるアトキンソンサイクルとなる。また、吸気が絞られることによって吸気流速が上昇し、燃焼を改善することができる。
第6の発明によれば、高回転時において高出力要求を満足するように従動カムロブの基本となるプロファイルを設定しつつ、低回転時には従動カムロブの回転速度の増減を利用することにより、吸気弁の運動性等の問題なしに、低回転側における内燃機関の各要求を満足する吸気弁の開弁特性を得られるようにすることができる。
上記第1乃至第6の発明に係る内燃機関の可変動弁装置によれば、従動カムロブのプロファイルとして全周にわたって負の曲率が生じない凸形状を用いながら、内燃機関の各運転条件における要求に応じて従動カムロブの回転速度を調整することによって、バルブのリフト開始区間やリフト終了区間における加速度を調整することが可能となる。そして、第7の発明のように、全周にわたって負の曲率が生じないように設定された従動カムロブのプロファイルを用いるようにすることで、従動カムロブの研削用の砥石のサイズを凹形状に合わせて小さくする必要がないので、従動カムロブの加工性を向上させることができる。
第8の発明によれば、アクチュエータによってガイド部材を駆動カム軸の軸線と直交する平面方向に移動させることにより、軌道面の位置が変化し、リンク機構の接触部材の位置変化が生ずる。それに伴い、駆動カム軸に対する従動カムロブの相対的な回転角度が変化する。その結果、ガイド部材の軌道面の制御位置に応じて、駆動カム軸が一回転する間の従動カムロブの回転速度が変化することになる。本発明によれば、このような構成を使用する可変動弁装置において、バルブの開き時期または閉じ時期を一定(もしくは実質的に一定)としつつ、駆動カム軸が一回転する間の従動カムロブの回転速度を変更することが可能となる。
本発明の実施の形態1における可変動弁装置の全体構成を概略的に示す斜視図である。 図1に示す可変動弁装置が備える駆動カム軸周りの構成を説明するための図である。 可変動弁装置を、図1に示すA−A線で切断した断面図である。 図1における矢視B方向から可変動弁装置を見た斜視図である。 図1に示すアクチュエータの具体的な構成を説明するための図である。 ガイド部材の変位に伴う可変動弁装置の動作を説明するための模式図である。 ガイド部材の変位に伴う、吸気弁の作用角の変化、および基準状態時の値に対する駆動カム軸と従動カムロブとの回転角度θの差(変化)を表した図である。 ガイド部材の変位に伴う、排気弁の作用角の変化、および基準状態時の値に対する駆動カム軸と従動カムロブとの回転角度θの差(変化)を表した図である。 本発明の可変動弁装置が適用された内燃機関のシステム構成を説明するための図である。 内燃機関の運転領域と吸気可変動弁装置による吸気弁の開弁特性の設定との関係を表した図である。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3における可変動弁装置の構成を示す斜視図である。 図12に示す#4気筒用カムピース側から#4気筒用ドライブディスクを見た図である。
実施の形態1.
[可変動弁装置の構成]
図1は、本発明の実施の形態1における可変動弁装置10の全体構成を概略的に示す斜視図である。図2は、図1に示す可変動弁装置10が備える駆動カム軸12周りの構成を説明するための図である。
本実施形態の可変動弁装置10は、内燃機関に搭載され、吸気弁または排気弁を駆動する装置として機能するものである。ここでは、可変動弁装置10は、一例として、4つの気筒(#1〜#4)を有する直列4気筒型の内燃機関に適用されているものとする。
図1、2に示すように、可変動弁装置10は、駆動カム軸12を備えている。駆動カム軸12は、タイミングプーリー14およびタイミングチェーン等(図示省略)を介してクランク軸(図示省略)と連結され、クランクシャフトの1/2の速度で回転するように構成されている。図2に示すように、駆動カム軸12とタイミングプーリー14との間には、クランク軸の回転に対する駆動カム軸12の回転位相を変更可能とする可変バルブタイミング(VVT)機構16が介在している。
図2に示すように、駆動カム軸12には、気筒毎にカムピース18が取り付けられている。カムピース18は、駆動カム軸12と同心であって当該駆動カム軸12によって回転自在に支持されている。カムピース18には、図示省略する吸気弁または排気弁(以下、単に「バルブ」と称することがある)を駆動するための従動カムロブ18aが2つ形成されている。従動カムロブ18aは、駆動カム軸12と同軸の円弧状のベース円部18a1と、当該ベース円の一部を半径方向外側に向かって膨らませるように形成されたノーズ部18a2とを備えている。より具体的には、従動カムロブ18aのプロファイル(図3、4等参照)は、全周にわたって負の曲率が生じないように、つまり径方向外側に向かって凸曲面を描くように設定されている
また、駆動カム軸12には、気筒毎に、駆動カム軸12の径方向外側に突出した駆動アーム部20aを有する駆動アーム20が取り付けられている。駆動アーム20は、所定の固定部材(図示省略)を用いて駆動カム軸12に一体的に固定されている。更に、カムピース18には、同一気筒のための駆動アーム20に近い方の従動カムロブ18aの近傍に、駆動カム軸12の径方向外側に突出した従動アーム部18bが一体的に形成されている。
図3および図4を新たに加えて説明を継続する。
図3は、可変動弁装置10を、図1に示すA−A線で切断した断面図である。図4は、図1における矢視B方向から可変動弁装置10を見た斜視図である。尚、図3においては、リンクプレート34の一部の図示を省略しており、図4においては、ガイド部材36の図示を省略している。
図3、4に示すように、駆動アーム部20aには、カム軸側回転軸22を介して、駆動リンク24の一端が回転自在に連結されている。また、従動アーム部18bには、カムロブ側回転軸26を介して、従動リンク28の一端が回転自在に連結されている。以下、カム軸側回転軸22の中心点を、「カム軸側回転支点」と称し、カムロブ側回転軸26の中心点を、「カムロブ側回転支点」と称する場合がある。
駆動リンク24の他端と従動リンク28の他端とは、制御ローラ側回転軸30を介して、連結されている。制御ローラ側回転軸30上における駆動リンク24と従動リンク28との間の部位には、制御ローラ32とリンクプレート34とが介在している。以下、駆動リンク24と従動リンク28との連結部である制御ローラ側回転軸30の中心点を、「制御回転支点」と称することがある。
このように、本実施形態の可変動弁装置10は、駆動カム軸12の軸中心を共通の回転中心とする駆動アーム部20aおよび従動アーム部18bと、駆動リンク24と従動リンク28とによって、図3に示すようにパンタグラフ状(菱形状)に連結された四節リンクであるリンク機構35を備えている。また、図3に示すように、本実施形態では、従動リンク28は、駆動リンク24との間に制御ローラ32を介在させた状態で当該駆動リンク24よりも駆動カム軸12の回転方向前方側に配置されている。
リンクプレート34は、図4に示すように、環状に形成された2つのプレート部が同心となるように折り曲げられることにより成形されている。そして、リンクプレート34は、その内部に駆動カム軸12が貫通され、かつ、制御ローラ32を外側から挟み込むようにした状態で、制御ローラ側回転軸30上に配置されている。
リンクプレート34の外周側には、図3に示すように、駆動カム軸12が内部を貫通するリンクプレート34を更に覆うように、ガイド部材36の軌道面36a1が配置されている。本実施形態の軌道面36a1は、より具体的には円周面によって構成されている。また、上記制御ローラ32は、駆動カム軸12の回転と連動して軌道面36a1上を転動できるように、軌道面36a1と接する位置で制御ローラ側回転軸30によって回転自在に支持されている。
更に、図3に示すように、リンクプレート34には、制御ローラ32以外にも、軌道面36a1と接する位置に、2つの保持ローラ38が保持用回転軸40を介して回転自在に取り付けられている。より具体的には、制御ローラ32に加えて2つの保持ローラ38を含めた3つのローラ32、38間の配置が駆動カム軸12を中心として等角度間隔となるように、これらの3つのローラ32、38がリンクプレート34に取り付けられている。このような構成によれば、駆動カム軸12の回転に伴い、制御ローラ32および2つの保持ローラ38が軌道面36a1上を転動しながら、リンクプレート34が軌道面36a1の内側で回転することになる。つまり、リンクプレート34は、制御ローラ32および保持ローラ38を介して、軌道面36a1によって駆動カム軸12の径方向の位置が規定されることになり、また、リンクプレート34に取り付けられた制御ローラ32の軌道面36a1に対する位置が規定されることになる。このため、制御ローラ32は、駆動カム軸12の回転に伴い、軌道面36a1に常に接した状態で当該軌道面36a1上を転動するようになる。そして、制御ローラ32の位置が規定された結果、駆動リンク24および従動リンク28を介して、駆動カム軸12の回転角度に対する従動カムロブ18aの相対的な回転角度θ(ここでは、図3中において、駆動カム軸12の中心点とカム軸側回転支点とを結ぶ線と、駆動カム軸12の中心点とカムロブ側回転支点とを結ぶ線とのなす角度として規定)も特定されることになる。
ガイド部材36は、図1に示すように、気筒毎に、上記軌道面36a1を有する環状部36aを備えている。各気筒の環状部36aは、架橋部36bを介して橋渡しされることによって一体的に連結されている。尚、ガイド部材36は、図3における上下方向(すなわち、気筒の上下方向)への移動自在な態様であって、図3における左右方向および駆動カム軸12の軸方向への移動が拘束される態様で、所定の支持部材(図示省略)を介してシリンダヘッドもしくはカムキャリアによって支持されている。
図5は、図1に示すアクチュエータ42の具体的な構成を説明するための図である。より具体的には、図5(A)は、アクチュエータ42を、図1における矢視Cの方向から見た図であり、図5(B)および(C)は、アクチュエータ42を、図5(A)における矢視Dの方向から見た図である。尚、図1、図5(B)および(C)では、モータ44およびウォームギヤ46の図示を省略している。
本実施形態の可変動弁装置10は、上記ガイド部材36を、図3中に示す移動方向(本実施形態では、内燃機関の気筒の軸線方向と一致しているものとする)に所定の移動範囲内で駆動するためのアクチュエータ42を備えている。より具体的には、アクチュエータ42は、駆動カム軸12の軸方向から見て、円周面である軌道面36a1の中心点と駆動カム軸12の中心点とが一致した状態を基準状態として、軌道面36a1の中心点が駆動カム軸12の軸線の法線方向かつ気筒の軸線方向に沿って移動するように(すなわち、図3における上下方向に)ガイド部材36を移動させるものである。
アクチュエータ42は、図5(A)に示すように、モータ44と、当該モータ44の出力軸に固定されたウォームギヤ46と、当該ウォームギヤ46と噛み合わされたウォームホイール48とを備えている。そして、図5(B)および(C)に示すように、ウォームホイール48には、当該ウォームホイール48と同心の駆動軸50が固定されている。駆動軸50には、ガイド部材36の並行する2つの架橋部36bに対応して、2つのカム52が固定されている。尚、モータ44は、図示省略するECU(Electronic Control Unit)の指令に基づいて駆動される。
図5(B)は、駆動軸50に対してガイド部材36の架橋部36bが最も離れるようにカム52がモータ44により回転駆動された状態を示している。この状態では、ガイド部材36が上記移動範囲内において、図3における上方向(すなわち、内燃機関の気筒の上方向)に最も変位することになる。一方、図5(C)は、駆動軸50に対してガイド部材36の架橋部36bが最も近づくようにカム52がモータ44により回転駆動された状態を示している。この状態では、ガイド部材36が上記移動範囲内において、図3における下方向(すなわち、内燃機関の気筒の下方向)に最も変位することになる。
上記の構成を有するアクチュエータ42によれば、モータ44によってカム52の回転角度を制御することにより、ガイド部材36の位置を上記移動範囲内において任意の位置に調整することができる。
また、図3に示す状態は、アクチュエータ42によって軌道面36a1が図3の上方向に移動させられたことによって、軌道面36a1の中心点が駆動カム軸12の中心点よりも図3の上方向に変位した状態を示している。この状態では、制御ローラ32が軌道面36a1の下半分側に位置している時に、駆動カム軸12の回転中心と制御ローラ32の回転中心(上記制御回転支点)との距離が上記基準状態の時よりも狭められることになる。以下、上記基準状態時よりも上記距離が狭められている軌道面36a1の区間(図3の場合には下半分側の区間)のことを、単に「狭小区間」と称することがある。
図3に示すように上記距離が狭められると、上記基準状態時に比べて、駆動カム軸12に対する従動カムロブ18aの相対的な回転角度θが拡大することになる。駆動カム軸12の回転方向は、図3における反時計回りである。従って、上記狭小区間において上記回転角度θが拡大すると、上記基準状態時と比べ、従動カムロブ18aの回転位置が駆動カム軸12に対して駆動カム軸12の回転方向の前方側に進められることになる。以下、上記基準状態時よりも上記回転角度θが拡大することにより、このような作用の生ずる上記狭小区間のことを、適宜「増速区間」と称する場合もある。
一方、図3に示すガイド部材36の制御位置において駆動カム軸12の回転に伴って制御ローラ32が軌道面36a1の上半分側に位置した場合には、上記とは逆に、上記距離が上記基準状態時と比べて広げられることになる。以下、上記距離が広げられている軌道面36a1の区間(図3の場合には上半分側の区間)のことを、単に「広大区間」と称することがある。この広大区間においては、上記回転角度θが上記基準状態時と比べて減少することになる。その結果、上記広大区間において上記回転角度θが縮小すると、上記基準状態時と比べ、従動カムロブ18aの回転位置が駆動カム軸12に対して駆動カム軸12の回転方向の後方側に遅らされることになる。以下、上記基準状態時よりも上記回転角度θが減少することにより、このような作用の生ずる上記広大区間のことを、適宜「減速区間」と称する場合もある。
また、図3に示すガイド部材36の制御状態において、図3中における駆動カム軸12の中心点を通る水平線と軌道面36a1とが交わる点付近を制御ローラ32が通過する際に、駆動カム軸12の中心点と制御ローラ32の中心点との距離が上記基準状態時の値と等しくなり、これにより、上記回転角度θが上記基準状態時の値と等しくなるタイミングが存在する。以下、このようなタイミングのことを、「等回転角度タイミング」と称するものとする。
本実施形態では、アクチュエータ42によってガイド部材36を図3における上方向に移動させた時に、上記狭小区間(増速区間)が従動カムロブ18aのリフト区間(従動カムロブ18aにより駆動されるバルブがリフトする区間)と重なるように、駆動カム軸12の回転方向、および、軌道面36a1に対する制御ローラ32の位置が設定されている。
更に、本実施形態では、吸気弁に対して適用されている可変動弁装置10については、次のような設定を有している。すなわち、アクチュエータ42によってガイド部材36を上記移動範囲内において図3における上方向に移動させた場合に上記広大区間(減速区間)から上記狭小区間(増速区間)に切り換わる方の等回転角度タイミングと、吸気弁の開き時期IVOとが(ほぼ)一致するように、軌道面36a1に対する制御ローラ32の位置が設定されている。
また、本実施形態では、排気弁に対して適用されている可変動弁装置10については、次のような設定を有している。すなわち、アクチュエータ42によってガイド部材36を上記移動範囲内において図3における上方向に移動させた場合に上記狭小区間(増速区間)から上記広大区間(減速区間)に切り換わる方の等回転角度タイミングと、排気弁の閉じ時期EVCとが(ほぼ)一致するように、軌道面36a1に対する制御ローラ32の位置が設定されている。
尚、厳密には、後述する図6に示すように、上記等回転角度タイミングが到来する時の軌道面36a1上の制御ローラ32の位置は、ガイド部材36の制御位置に応じて変化する。従って、上記等回転角度タイミングと吸気弁の開き時期IVOまたは排気弁の閉じ時期EVCとの上記設定には、より具体的には、上記移動範囲内におけるガイド部材36の任意の制御位置における等回転角度タイミングを用いるようにすればよい。
[可変動弁装置の動作]
次に、図6乃至図8を参照して、本実施形態の可変動弁装置10の動作について説明する。
図6は、ガイド部材36の変位に伴う可変動弁装置10の動作を説明するための模式図である。尚、図6の各図は、上記図3とは逆方向から見て、可変動弁装置10の主たる構成を模式的に表した図である。また、図7は、ガイド部材36の変位に伴う、吸気弁の作用角の変化、および上記基準状態時の値に対する駆動カム軸12と従動カムロブ18aとの回転角度θの差(変化)を表した図である。同様に、図8は、ガイド部材36の変位に伴う、排気弁の作用角の変化、および上記基準状態時の値に対する駆動カム軸12と従動カムロブ18aとの回転角度θの差(変化)を表した図である。
図6中に示す駆動カム軸12の回転方向に駆動カム軸12が回転すると、駆動カム軸12の回転力が、駆動カム軸12に一体的に固定された駆動アーム部20aを介して、駆動リンク24に伝達される。駆動リンク24に伝達された駆動カム軸12の回転力は、制御ローラ側回転軸30および従動リンク28を介して、従動アーム部18bと一体的に形成された従動カムロブ18aに伝達される。このように、駆動カム軸12の回転力は、リンク機構35を介して従動カムロブ18aに伝達されることになる。
その結果、駆動カム軸12の回転と同期して、リンク機構35の各要素および従動カムロブ18aが駆動カム軸12と同一方向に回転することになる。この際、既述したように、制御ローラ32は、軌道面36a1に常に接した状態で当該軌道面36a1上を転動することになる。
図6(B)に示す状態は、駆動カム軸12の中心点と軌道面36a1の中心点とが一致している状態(上記基準状態)であり、また、本実施形態の軌道面36a1は、円周面である。このため、駆動カム軸12の回転に伴って制御ローラ32が軌道面36a1上を一回転する間に、駆動カム軸12の回転中心と制御ローラ32の回転中心との距離に変化はなく、駆動カム軸12に対する従動カムロブ18aの相対的な回転角度θに変化はない。従って、図6(B)に示す基準状態時には、従動カムロブ18aは、駆動カム軸12と等速で一回転することになる。
次に、図6(A)に示す状態は、図6(B)に示す基準状態時と比べて、軌道面36a1が図6における上方向(気筒の上方向)に上記移動範囲内で最も移動した状態を示している。この状態では、軌道面36a1の下半分側の区間が、駆動カム軸12の回転中心と制御ローラ32の回転中心(上記制御回転支点)との距離が上記基準状態の時よりも狭められた狭小区間となる。この狭小区間を通過する際の制御ローラ32は、図6(A)における右側の等回転角度タイミングから軌道面36a1の真下位置に向かうにつれ、図7(B)に示すように、上記基準状態時の値に対する回転角度θの差がプラス側で大きくなっていく。このため、駆動カム軸12に対する従動カムロブ18aの相対的な回転速度が増加していく。そして、制御ローラ32が軌道面36a1の真下位置から図6(A)における左側の等回転角度タイミングに向かうにつれ、図7(B)に示すように、上記基準状態時の値に対する回転角度θの差がゼロに向けて徐々に減少していく。つまり、駆動カム軸12に対する従動カムロブ18aの相対的な回転速度が減少していく。そして、制御ローラ32が左側の等回転角度タイミングに到達した時点で、上記基準状態時との上記回転角度θの差がなくなり、従動カムロブ18aの回転速度も上記基準状態時の値と等しくなる。尚、制御ローラ32が図6(A)における左側の等回転角度タイミングを通過して軌道面36a1の上半分側の区間に移動した後には、上記回転角度θが基準状態時の値よりも小さくなるので、上記基準状態時に対する回転角度θの差がマイナスに転じることになる。
一方、図6(C)に示す状態は、図6(B)に示す基準状態時と比べて、軌道面36a1が図6における下方向(気筒の下方向)に上記移動範囲内で最も移動した状態を示している。この状態では、軌道面36a1の下半分側の区間が、駆動カム軸12の回転中心と制御ローラ32の回転中心(上記制御回転支点)との距離が上記基準状態の時よりも広げられた広大区間となる。この広大区間を通過する際の制御ローラ32は、図6(C)における右側の等回転角度タイミングから軌道面36a1の真下位置に向かうにつれ、図7(B)に示すように、上記基準状態時の値に対する回転角度θの差がマイナス側で大きくなっていく。このため、駆動カム軸12に対する従動カムロブ18aの相対的な回転速度が減少していく。そして、制御ローラ32が軌道面36a1の真下位置から図6(C)における左側の等回転角度タイミングに向かうにつれ、図7(B)に示すように、上記基準状態時の値に対する回転角度θの差がゼロに向けて徐々に減少していく。つまり、駆動カム軸12に対する従動カムロブ18aの相対的な回転速度が増加していく。そして、制御ローラ32が左側の等回転角度タイミングに到達した時点で、上記基準状態時との上記回転角度θの差がなくなり、従動カムロブ18aの回転速度も上記基準状態時の値と等しくなる。尚、制御ローラ32が図6(C)における左側の等回転角度タイミングを通過して軌道面36a1の上半分側の区間に移動した後には、上記回転角度θが上記基準状態時の値よりも大きくなるので、上記基準状態時に対する回転角度θの差がプラスに転じることになる。このように、上記基準状態に対する軌道面36a1の駆動方向が逆になると、狭小区間(増速区間)と広大区間(減速区間)との関係が上下逆となる。
(吸気弁のリフトについて)
図7(A)は、可変動弁装置10が適用されるバルブが吸気弁である場合のものである。既述したように、本実施形態では、図6(A)に示すように軌道面36a1が上方向に移動した時の狭小区間(増速区間)が、従動カムロブ18aのリフト区間と重なるように設定されている。そして、図6に示すように、アクチュエータ42によってガイド部材36を上記移動範囲内において上方向に移動させた場合に上記広大区間(減速区間)から上記狭小区間(増速区間)に切り換わる方(右側)の等回転角度タイミングと、吸気弁の開き時期IVOとが(ほぼ)一致するように、軌道面36a1に対する制御ローラ32の位置が設定されている。
このため、本実施形態における吸気弁用の可変動弁装置10によれば、軌道面36a1が図6(A)に示すように上方向に移動した場合には、吸気弁の開き側のリフト区間では、駆動カム軸12に対して前方に進みながら従動カムロブ18aが回転することになる。このため、駆動カム軸12に対する相対的な従動カムロブ18aの回転速度が図6(B)に示す基準状態時(等速時)と比べて増加することになる。このため、この場合には、図7(A)中に「増速時リフト」と付して示すように、上記基準状態時の「等速時リフト」と比べて、吸気弁のリフト量が最大リフト量に早く到達するようになる。また、この場合には、制御ローラ32が軌道面36a1の真下位置を通過した後(吸気弁の開弁後にカム角度で90°、クランク角度で180°CAを経過した後)は、駆動カム軸12に対する従動カムロブ18aの相対的な回転速度が減少し始める。従って、作用角が180°CAを越える一般的な設定の吸気弁の場合には、吸気弁の閉じ時期付近では、「等速時リフト」と比べて、吸気弁の加速度(負の値)が小さくなる。しかしながら、吸気弁の開弁後に制御ローラ32が軌道面36a1の真下位置に到達するまでの区間において、従動カムロブ18aの回転速度が高められているため、吸気弁の閉じ時期についても「等速時リフト」時と比べて早くなる。これにより、吸気弁の作用角を等速時リフトと比べて小さくすることができる。
また、本実施形態における吸気弁用の可変動弁装置10によれば、軌道面36a1が図6(C)に示すように下方向に移動した場合には、吸気弁の開き側のリフト区間では、駆動カム軸12に対して後方に遅れながら従動カムロブ18aが回転することになる。このため、駆動カム軸12に対する相対的な従動カムロブ18aの回転速度が図6(B)に示す基準状態時(等速時)と比べて減少することになる。このため、この場合には、図7(A)中に「減速時リフト」と付して示すように、上記基準状態時の「等速時リフト」と比べて、吸気弁のリフト量が最大リフト量に到達するタイミングが遅くなる。また、上記「増速時リフト」に対して上述したものとは逆の理由により、吸気弁の閉じ時期についても「等速時リフト」時と比べて遅くなる。これにより、吸気弁の作用角を等速時リフトと比べて大きくすることができる。
また、本実施形態における吸気弁用の可変動弁装置10では、上記のように、図6における右側の等回転角度タイミングと、吸気弁の開き時期IVOとが一致するように、軌道面36a1に対する制御ローラ32の位置が設定されている。このような設定によれば、アクチュエータ42により制御される軌道面36a1の位置にかかわらず、吸気弁の開き時期における従動カムロブ18aの上記回転角度θを(ほぼ)一定に揃えることができる。これにより、図7(A)に示すように、吸気弁の開き時期を一定(もしくは実質的に一定)としつつ作用角を変更すること(すなわち、位相連成)が可能となる。
(排気弁のリフトについて)
図8(A)は、可変動弁装置10が適用されるバルブが排気弁である場合のものである。既述したように、本実施形態では、図6(A)に示すように軌道面36a1が上方向に移動した時の狭小区間(増速区間)が、従動カムロブ18aのリフト区間と重なるように設定されている。そして、図6に示すように、アクチュエータ42によってガイド部材36を上記移動範囲内において上方向に移動させた場合に上記狭小区間(増速区間)から上記広大区間(減速区間)に切り換わる方(左側)の等回転角度タイミングと、排気弁の閉じ時期EVCとが(ほぼ)一致するように、軌道面36a1に対する制御ローラ32の位置が設定されている。このような設定によれば、作用角が180°CAを越える一般的な設定の排気弁の場合には、図6における右側の等回転角度タイミングと軌道面36a1の真下位置との間に制御ローラ32が位置しているタイミングで排気弁が開かれるようになる。
上記設定を有する本実施形態における排気弁用の可変動弁装置10によれば、軌道面36a1が図6(A)に示すように上方向に移動した場合には、排気弁の開弁時の上記回転角度θが図6(B)に示す基準状態時(等速時)と比べて大きくなる。このため、図8(A)に示すように、「等速時リフト」と比べて排気弁の開き時期が早くなる。また、排気弁の開弁当初において制御ローラ32が軌道面36a1の真下位置に達するまでの間は、駆動カム軸12に対して前方に進みながら従動カムロブ18aが回転することになる。このため、駆動カム軸12に対する相対的な従動カムロブ18aの回転速度が図6(B)に示す基準状態時(等速時)と比べて増加することになる。このため、この場合には、図8(A)中に「増速時リフト」と付して示すように、上記基準状態時の「等速時リフト」と比べて、排気弁のリフト量が最大リフト量に早く到達するようになる。また、この場合には、制御ローラ32が軌道面36a1の真下位置を通過した後は、駆動カム軸12に対する従動カムロブ18aの相対的な回転速度が減少し始める。従って、この場合には、最大リフト量に達した後には、「等速時リフト」と比べてより長いクランク角期間を利用して、「等速時リフト」時とほぼ同じ閉じ時期EVCに到達することになる。このように、この場合には、開き時期が「等速時リフト」と比べて早いため、排気弁の作用角を等速時リフトと比べて大きくすることができる。
また、本実施形態における吸気弁用の可変動弁装置10によれば、軌道面36a1が図6(C)に示すように下方向に移動した場合には、排気弁の開弁時の上記回転角度θが図6(B)に示す基準状態時(等速時)と比べて小さくなる。このため、図8(A)に示すように、「等速時リフト」と比べて排気弁の開き時期が遅くなる。また、排気弁の開弁当初において制御ローラ32が軌道面36a1の真下位置に達するまでの間は、駆動カム軸12に対して後方に遅れながら従動カムロブ18aが回転することになる。このため、駆動カム軸12に対する相対的な従動カムロブ18aの回転速度が上記基準状態時(等速時)と比べて減少することになる。このため、この場合には、図8(A)中に「減速時リフト」と付して示すように、上記基準状態時の「等速時リフト」と比べて、排気弁のリフト量が最大リフト量に到達するのが遅くなる。また、この場合には、制御ローラ32が軌道面36a1の真下位置を通過した後は、駆動カム軸12に対する従動カムロブ18aの相対的な回転速度が増加し始める。従って、この場合には、最大リフト量に達した後には、「等速時リフト」と比べてより短いクランク角期間を利用して、「等速時リフト」時とほぼ同じ閉じ時期EVCに到達することになる。このように、この場合には、開き時期が「等速時リフト」と比べて遅いため、排気弁の作用角を等速時リフトと比べて小さくすることができる。
また、本実施形態における排気弁用の可変動弁装置10では、上記のように、図6における左側の等回転角度タイミングと、排気弁の閉じ時期EVCとが一致するように、軌道面36a1に対する制御ローラ32の位置が設定されている。このような設定によれば、アクチュエータ42により制御される軌道面36a1の位置にかかわらず、排気弁の閉じ時期における従動カムロブ18aの上記回転角度θを(ほぼ)一定に揃えることができる。これにより、図8(A)に示すように、排気弁の閉じ時期を一定(もしくは実質的に一定)としつつ作用角を変更すること(すなわち、位相連成)が可能となる。
(まとめ)
以上のように、本実施形態の可変動弁装置10によれば、上記基準状態時を基準として軌道面36a1を気筒の軸線方向に沿って上下に移動させることにより、駆動カム軸12の回転中心と制御ローラ32の回転中心との距離が変化し、駆動カム軸12と従動カムロブ18aとの回転角度θが変化する。言い換えれば、このように調整される軌道面36a1の上下位置に応じて、軌道面36a1に沿って転動することによって駆動カム軸12の周りを公転することになる制御ローラ32の公転中心が変更される。また、軌道面36a1の移動量が大きいほど、上記回転角度θの変化量が大きくなる。その結果、軌道面36a1の制御位置(調整量)に応じて、駆動カム軸12が一回転する間の従動カムロブ18aの回転速度を、上記基準状態時を基準として連続的に増減することができる。これにより、軌道面36a1の制御位置に応じて、バルブ(吸気弁または排気弁)の作用角を連続的に可変することができるようになる。そのうえで、本実施形態の可変動弁装置10によれば、クランク軸の回転力を利用して駆動カム軸12を回転駆動する構成を用いる場合において、バルブの開き時期または閉じ時期を一定としつつ、駆動カム軸12が一回転する間の従動カムロブ18aの回転速度を変更可能とすることができる。
また、本実施形態の可変動弁装置10によれば、可変バルブタイミング機構16によって吸気弁の開き時期または排気弁の閉じ時期の調整を行う必要なしに、上述した位相連成を行うことが可能となる。これにより、可変バルブタイミング機構16の故障に伴うバルブとピストンとの干渉(いわゆる、バルブスタンプ)が発生しないようにすることができる。
また、本実施形態では、従動カムロブ18aのプロファイルは、全周にわたって負の曲率が生じないように、つまり径方向外側に向かって凸曲面を描くように設定されている。従来、低中速時の内燃機関の性能を満足させつつ、高回転時にバルブのリフト開始区間やリフト終了区間での加速度が過大とならないようにするために、バルブのリフト開始区間やリフト終了区間に対応する部位のカムロブのプロファイルを、負の曲率(凹形状)で形成することが行われていた。これに対し、本実施形態の可変動弁装置10によれば、従動カムロブ18aのプロファイルとして全周にわたって負の曲率が生じない凸形状を用いながら、内燃機関の各運転条件における要求に応じて従動カムロブ18aの回転速度を調整することによって、バルブのリフト開始区間やリフト終了区間における加速度を調整することが可能となる。このため、従動カムロブ18aの研削用の砥石のサイズを凹形状に合わせて小さくする必要がないので、従動カムロブ18aの加工性を向上させることができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、従動リンク28が駆動リンク24との間に制御ローラ32を介在させた状態で当該駆動リンク24よりも駆動カム軸12の回転方向前方側に配置されており、かつ、図6(A)に示すように軌道面36a1が上方向に移動した時の狭小区間(増速区間)が、従動カムロブ18aのリフト区間と重なるように設定されている。これにより、軌道面36a1が上方向に移動した場合に、バルブの作用角を等速時と比べて小さくすることができ、逆に、軌道面36a1が下方向に移動した場合に、バルブの作用角を等速時と比べて大きくすることができる。しかしながら、本発明は、このような構成に限定されるものではない。すなわち、例えば、図6(A)に示すように軌道面36a1が上方向に移動した時の狭小区間(増速区間)が、従動カムロブ18aのリフト区間と重なるように設定されているものにおいて、従動リンク28が、駆動リンク24との間に制御ローラ32を介在させた状態で当該駆動リンク24よりも駆動カム軸12の回転方向後方側に配置されているものであってもよい。このような構成によれば、軌道面36a1が図6(A)に示すように上方向に移動した場合に、駆動カム軸12に対して遅れながら従動カムロブ18aが回転することになるので、バルブの作用角を等速時と比べて大きくすることができ、逆に、軌道面36a1が下方向に移動した場合に、バルブの作用角を等速時に比べて小さくすることができるようになる。
また、上述した実施の形態1においては、2つの従動カムロブ18aを一体的に有するカムピース18を気筒毎に駆動カム軸12に回転自在な態様で備えるようにしている。しかしながら、本発明は、このような構成に限定されるものではなく、例えば、各気筒の個々の従動カムロブが個別に駆動カム軸に回転自在に支持されているものであってもよい。そして、個々の従動カムロブ毎に、例えば、リンク機構35のようなリンク機構、軌道面36a1のような軌道面を有するガイド部材、およびアクチュエータ42のようなアクチュエータを備えるものであってもよい。
また、上述した実施の形態1においては、軌道面36a1をそれぞれ有する各気筒用の環状部36aを架橋部36bによって橋渡して一体的に形成されたガイド部材36を備えるようにしている。しかしながら、本発明は、このような構成に限定されるものではなく、例えば、気筒毎に、軌道面36a1のような軌道面を有するガイド部材、およびアクチュエータ42のようなアクチュエータを備えるものであってもよい。
また、上述した実施の形態1においては、駆動カム軸12の軸中心を共通の回転中心とする駆動アーム部20aおよび従動アーム部18bと、駆動リンク24と従動リンク28とによって、パンタグラフ状(菱形状)に連結された(言い換えれば、上記回転角度θが90°未満の鋭角側で使用される)四節リンクであるリンク機構35を備えている。しかしながら、本発明におけるリンク機構は、このような構成のものに限定されるものではなく、例えば、上記回転角度θが90°よりも大きな鈍角側で使用される四節リンクとなるものであってもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、リンク機構35(駆動アーム部20a、従動アーム部18b、駆動リンク24、従動リンク28および制御ローラ32を含む)、リンクプレート34、軌道面36a1を有するガイド部材36、保持ローラ38およびアクチュエータ42が前記第1の発明における「可変カム速度機構」に相当している。
また、上述した実施の形態1においては、制御ローラ32が前記第8の発明における「接触部材」に、リンクプレート34および保持ローラ38が前記第8の発明における「接触維持手段」に、それぞれ相当している。
実施の形態2.
次に、図9乃至図11を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
図9は、本発明の可変動弁装置が適用された内燃機関60のシステム構成を説明するための図である。内燃機関60の筒内には、ピストン62が設けられている。内燃機関60の筒内には、ピストン62の頂部側に燃焼室64が形成されている。燃焼室64には、吸気通路66および排気通路68が連通している。
吸気通路66の入口近傍には、吸気通路66に吸入される空気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ70が設けられている。エアフローメータ70の下流には、スロットルバルブ72が設けられている。また、スロットルバルブ72の下流には、内燃機関60の吸気ポートに燃料を噴射するための燃料噴射弁74が配置されている。また、内燃機関60が備えるシリンダヘッドには、燃焼室の頂部から燃焼室内に突出するように点火プラグ76が取り付けられている。
吸気ポートおよび排気ポートには、それぞれ、燃焼室64と吸気通路66、或いは燃焼室64と排気通路68を導通状態または遮断状態とするための吸気弁78および排気弁80が設けられている。吸気弁78および排気弁80は、それぞれ吸気可変動弁装置82および排気可変動弁装置84により駆動される。これらの可変動弁装置82、84は、図1乃至図8を参照して説明した可変動弁装置10と同様に構成されているものとする。
更に、図9に示すシステムは、ECU(Electronic Control Unit)86を備えている。ECU86の入力部には、上述したエアフローメータ70に加え、エンジン回転数を検出するためのクランク角センサ88等の内燃機関60の運転状態を検知するための各種センサが接続されている。また、ECU86の出力部には、上述したスロットルバルブ72、燃料噴射弁74、点火プラグ76、および可変動弁装置82、84等の内燃機関60の運転状態を制御するための各種アクチュエータが接続されている。ECU86は、それらのセンサ出力に基づいて、内燃機関60の運転状態を制御するものである。
図10は、内燃機関60の運転領域と吸気可変動弁装置82による吸気弁78の開弁特性の設定との関係を表した図である。
図10に示すように、高回転数領域では、中作用角(図7(A)に示す等速時リフト)が吸気弁78の開弁特性として設定されている。この等速時リフトは、吸気弁78の加速度が高くなる高回転数領域において、当該加速度を吸気弁78の運動性等を考慮した規定の範囲内に収めつつ、高回転数時に求められる高出力要求を満足するように設定されたものである。より具体的には、等速時リフトは、凸形状の従動カムロブ18aを用いて、吸気弁78の遅閉じによるアトキンソンサイクルを採用する場合の最大出力相当の作用角として設定されたものである。
そのうえで、図10に示すように、低回転高負荷領域では、小作用角(図7(A)に示す増速時リフト)が吸気弁78の開弁特性として設定されている。また、低回転低負荷領域では、大作用角(図7(A)に示す減速時リフト)が吸気弁78の開弁特性として設定されている。
図11は、上記図10に示す設定に基づいて吸気可変動弁装置82を制御するために、本実施の形態2においてECU86が実行する制御ルーチンを示すフローチャートである。
図11に示すルーチンでは、クランク角センサ88の出力に基づいて、内燃機関60の現在の運転領域が所定回転数よりも高い高回転領域であるか否かが判定される(ステップ100)。その結果、高回転数領域であると判定された場合には、等速時リフトが選択される(ステップ102)。具体的には、駆動カム軸12の回転中心と軌道面36a1の中心点とが一致するように、ガイド部材36の位置が制御される。
一方、上記ステップ100において高回転数領域ではないと判定された場合には、エアフローメータ70およびクランク角センサ88の出力に基づいて、内燃機関60の現在の運転領域が上記所定回転数以下であり、かつ所定負荷率よりも高い低回転高負荷領域であるか否かが判定される(ステップ104)。その結果、低回転高負荷領域であると判定された場合には、増速時リフトが選択される(ステップ106)。具体的には、図6(B)に示す基準状態時(等速時)に対して、図6における上方向にガイド部材36の位置が制御される。
一方、上記ステップ104において低回転高負荷領域ではないと判定された場合には、エアフローメータ70およびクランク角センサ88の出力に基づいて、内燃機関60の現在の運転領域が上記所定回転数以下であり、かつ上記所定負荷率以下である低回転低負荷領域であるか否かが判定される(ステップ108)。その結果、低回転低負荷領域であると判定された場合には、減速時リフトが選択される(ステップ110)。具体的には、上記基準状態時(等速時)に対して、図6における下方向にガイド部材36の位置が制御される。
以上説明した本実施形態における運転領域に応じた吸気弁78の開弁特性の設定によれば、高回転時には、加工性の良い凸形状の従動カムロブ18aを利用して広めの作用角に設定された等速時リフトを用いて、高回転時における高出力要求を満足させることができる。
そのうえで、吸気弁78の加速度の制限が高回転時と比べて相対的に緩くなる低回転時には、吸気弁78のリフト区間における従動カムロブ18aの回転速度の調整を行うようにすることで、以下に示すような性能要求を満足することが可能となる。すなわち、低回転高負荷時には、増速時リフトを用いることにより、開き側において吸気弁78の速度が等速時リフト時と比べて高くなる。これにより、吸気弁の閉じ時期が早くなり、吸気下死点に近づくので十分な空気量を素早く燃焼室64内に供給できるようになるので、低中速トルクを向上させることができる。また、低回転低負荷時には、減速時リフトを用いることにより、等速時リフト時に比べて、吸気弁78がゆっくりと開くようになる。このため、吸気弁の閉じ時期が遅くなり、一度吸った空気を戻すことで少ない空気量で運転する、いわゆるアトキンソンサイクルとなる。また、吸気が絞られることによって吸気流速が上昇し、燃焼を改善することができる。尚、上記増速時リフトの場合には、開き側において吸気弁78の加速度が等速時リフト時よりも大きくなり、上記減速時リフトの場合には、閉じ側において吸気弁78の加速度(負の値)が等速時リフト時よりも大きくなるが、低回転数領域であるので問題とならないといえる。
尚、上述した実施の形態2においては、ECU86が、上記ステップ104の判定が成立した場合に上記ステップ106の処理を実行することにより前記第4の発明における「低回転高負荷時制御手段」が、上記ステップ108の判定が成立した場合に上記ステップ110の処理を実行することにより前記第5の発明における「低回転低負荷時制御手段」が、上記ステップ100の判定が成立した場合に上記ステップ102の処理を実行することにより前記第6の発明における「高回転時制御手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態3.
次に、図12および図13を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
図12は、本発明の実施の形態3における可変動弁装置90の構成を示す斜視図である。本可変動弁装置90は、ここでは、一例として、#1〜#4の4つの気筒を有する直列4気筒型の内燃機関に適用されているものとする。より具体的には、図12は、可変動弁装置90が備える構成のうちの#3および#4気筒用の構成を図示している。#1および#2気筒用の構成は、図12に示す構成を、#2気筒と#3気筒との間の部位において駆動カム軸92の軸線を法線とする平面で面対称にして得られるものである。
図12に示すように、可変動弁装置90は、#3および#4気筒用の駆動カム軸92を備えている。この駆動カム軸92は、全気筒の排気弁(図示省略)を駆動するための排気カムシャフト(図示省略)を介して伝達されるクランク軸(図示省略)の回転力によって一定速度で回転駆動される。尚、#1および#2気筒用の駆動カム軸(図示省略)は、タイミングチェーン等を介して伝達される上記クランク軸の回転力によって一定速度で回転駆動される。
また、図12に示すように、可変動弁装置90は、#3気筒用の2つの従動カムロブ94aが形成された#3気筒用カムピース94と、#4気筒用の2つの従動カムロブ96aが形成された#4気筒用カムピース96とを備えている。#3気筒用カムピース94は、その内部を貫通する独立シャフト98と一体的に結合されている。独立シャフト98の軸線は、駆動カム軸92の軸線と一致するように設定されている。また、独立シャフト98は、#4気筒用カムピース96の内部をも貫通している。
また、#4気筒用カムピース96側の独立シャフト98の端部には、独立シャフト98の径方向外側に突出した位置にピン挿入穴100aが形成された#3気筒用従動アーム部100が一体的に結合されている。また、#3気筒用従動アーム部100側の#4気筒用カムピース96の端部には、独立シャフト98の径方向外側に突出した位置にピン挿入穴(図示省略)が形成された円筒状の#4気筒用従動アーム部96bが一体的に形成されている。
以下、図13を新たに追加して、可変動弁装置90の構成についての説明を継続する。
図13は、図12に示す#4気筒用カムピース96側から#4気筒用ドライブディスク104を見た図である。
図12に示すように、駆動カム軸92と#4気筒用カムピース96との間には、#3気筒用のドライブディスク102と、#4気筒用のドライブディスク104とが配置されている。これらのドライブディスク102、104は、同様の形状で形成されており、図12に示すように、逆向きで配置されている。
#3気筒用のドライブディスク102には、断面四角状の一対のガイドブロック106を案内するラジアルスロット102aが形成されている。ラジアルスロット102aは、一対のガイドブロック106が#3気筒用のドライブディスク102内をその径方向に往復移動できるように案内する溝として形成されている。#4気筒用のドライブディスク104にも、断面四角状の一対のガイドブロック108を案内する同様のラジアルスロット104aが形成されている。
また、駆動カム軸92には、駆動カム軸92の径方向外側に突出した位置に、#3気筒用のドライブピン110を挿入するためのピン挿入穴92aが設けられている。このピン挿入穴92aに挿入されるドライブピン110は、#3気筒用の一方のガイドブロック106に設けられたピン挿入穴106aにも挿入されている。また、#3気筒用の他方のガイドブロック106に設けられたピン挿入穴106aに挿入される、もう1つの#3気筒用のドライブピン110は、#3気筒用従動アーム部100に設けられたピン挿入穴100aにも挿入されている。このような構成によって、2つのガイドブロック106が係合するドライブディスク102、2つのドライブピン110、#3気筒用従動アーム部100、および独立シャフト98を介して、駆動カム軸92と#3気筒用の従動カムロブ94aとが連結されている。尚、#4気筒用のドライブディスク104には、#3気筒用のドライブピン110を逃がすためのピンクリアランスホール104bが形成されている。
同様に、駆動カム軸92には、駆動カム軸92の径方向外側に突出した位置に、#4気筒用のドライブピン112を挿入するためのピン挿入穴92bが設けられている。このピン挿入穴92bに挿入されるドライブピン112は、#4気筒用の一方のガイドブロック108に設けられたピン挿入穴108aにも挿入されている。また、#4気筒用の他方のガイドブロック108に設けられたピン挿入穴108aに挿入される、もう1つの#4気筒用のドライブピン112は、#4気筒用従動アーム部96bに設けられた上記ピン挿入穴(図示省略)にも挿入されている。このような構成によって、2つのガイドブロック108が係合するドライブディスク104、2つのドライブピン112、および#4気筒用従動アーム部96bを介して、駆動カム軸92と#4気筒用の従動カムロブ96aとが連結されている。尚、#3気筒用のドライブディスク102には、#4気筒用のドライブピン112を逃がすためのピンクリアランスホール102bが形成されている。
また、図12に示すように、2つのドライブディスク102、104の外周は、円筒状のコントロールスリーブ114によって回転自在に支持されている。また、図13に示すように、ドライブディスク102、104は、その回転中心がコントロールスリーブ114の外周の中心に対して偏心した状態で、コントロールスリーブ114内に挿入されている。
また、図12に示すように、コントロールスリーブ114の外周には、コントロールシャフト116の一方の先端に形成されたギヤ116aと噛み合わされるギヤ114aが形成されている。コントロールシャフト116は、図示省略するアクチュエータによって回転駆動されるようになっている。尚、コントロールシャフト116の他方の先端に形成されたギヤ(図示省略)には、#1および#2気筒用のコントロールスリーブ(図示省略)の外周に形成されたギヤ(図示省略)が噛み合わされている。
以上説明した構成を有する可変動弁装置90によれば、駆動カム軸92が回転すると、ピン挿入穴92aに挿入されたドライブピン110および対応するガイドブロック106を介して、#3気筒用のドライブディスク102が回転する。ドライブディスク102に伝達された駆動カム軸92の回転力は、もう一方のガイドブロック106およびドライブピン110、並びに#3気筒用従動アーム部100および独立シャフト98を介して、#3気筒用の従動カムロブ94aに伝達される。#4気筒、並びに図示を省略した#1および#2気筒についても同様である。そして、上記可変動弁装置90によれば、上記アクチュエータによってコントロールスリーブ114を回転させることにより、ドライブディスク102、104の回転中心を変化させることができる。
また、本実施形態の可変動弁装置90では、上記アクチュエータによるドライブディスク102、104の回転中心の位置調整時に、当該ドライブディスク102、104の回転中心と駆動カム軸92の回転中心とが一致する状態(基準状態)が生ずるように設定されている。このような設定により、上記基準状態時では、ラジアルスロット102a、104a上における一対のガイドブロック106、108の位置が変化しない状態で、駆動カム軸92の回転に連動して、従動カムロブ94a、96aが回転することになる。つまり、この基準状態では、駆動カム軸92が一回転する間に、駆動カム軸92に対する従動カムロブ94a、96aの相対的な回転角度(上記回転角度θに相当)が変化しない状態となる。これにより、この基準状態では、上述した実施の形態1において上述した可変動弁装置10と同様に、「等速時リフト」を実現することができる。
そして、本実施形態の可変動弁装置90によれば、上記アクチュエータによって駆動カム軸92の回転中心に対してドライブディスク102、104の回転中心を偏心させた状態では、駆動カム軸92が一回転する間に、ラジアルスロット102a、104a内を一対のガイドブロック106、108が往復移動するようになる。その結果、駆動カム軸92が一回転する間に、駆動カム軸92に対する従動カムロブ94a、96aの相対的な回転角度を変更されるようになる。このため、上述した実施の形態1の可変動弁装置90と同様に、駆動カム軸92が一回転する間に、駆動カム軸92に対する従動カムロブ94a、96aの相対的な回転速度を増減することが可能となる。
また、本実施形態の可変動弁装置90の構成においても、上記アクチュエータによって駆動カム軸92の回転中心に対してドライブディスク102、104の回転中心を偏心させた状態において、上記可変動弁装置10と同様に、駆動カム軸92に対する従動カムロブ94a、96aの相対的な回転角度が、駆動カム軸92が一回転する間に従動カムロブ94a、96aの相対的な回転角度が一定となる場合(上記基準状態時)の値と等しくなる等回転角度タイミングが存在することになる。
そこで、本実施形態では、上述した実施の形態1と同様に、上記等回転角度タイミングと、従動カムロブ94a、96aにより駆動されるバルブの開き時期または閉じ時期とが一致するように、駆動カム軸92に対する従動カムロブ94a、96aの回転角度、および、バルブの開き時期または閉じ時期と駆動カム軸92の回転位相との関係等を設定している。これにより、本実施形態の可変動弁装置90においても、吸気弁の開き時期に対して本設定を適用することにより、上記図7(A)に示すように、吸気弁の開き時期を一定(もしくは実質的に)としつつ作用角を変更すること(すなわち、位相連成)が可能となる。また、排気弁の閉じ時期に対して本設定を適用することにより、上記図8(A)に示すように、排気弁の閉じ時期を一定(もしくは実質的に)としつつ作用角を変更すること(すなわち、位相連成)が可能となる。
尚、上述した実施の形態3においては、従動アーム部96b、100、独立シャフト98、ラジアルスロット102a、104aを有するドライブディスク102、104、ガイドブロック106、108、ドライブピン110、112、コントロールスリーブ114、コントロールシャフト116、および図示省略するアクチュエータが前記第1の発明における「可変カム速度機構」に相当している。
10、90 可変動弁装置
12、92 駆動カム軸
14 タイミングプーリー
18、94、96 カムピース
18a、94a、96a 従動カムロブ
18a1 ベース円部
18a2 ノーズ部
18b、96b、100 従動アーム部
20 駆動アーム
20a 駆動アーム部
22 カム軸側回転軸
24 駆動リンク
26 カムロブ側回転軸
28 従動リンク
30 制御ローラ側回転軸
32 制御ローラ
34 リンクプレート
35 リンク機構
36 ガイド部材
36a 環状部
36a1 軌道面
36b 架橋部
38 保持ローラ
40 保持用回転軸
42 アクチュエータ
60 内燃機関
64 燃焼室
66 吸気通路
68 排気通路
70 エアフローメータ
72 スロットルバルブ
74 燃料噴射弁
76 点火プラグ
78 吸気弁
80 排気弁
82 吸気可変動弁装置
84 排気可変動弁装置
86 ECU(Electronic Control Unit)
88 クランク角センサ
92a、92b、100a、106a、108a ピン挿入穴
98 独立シャフト
102、104 ドライブディスク
102a、104a ラジアルスロット
102b、104b ピンクリアランスホール
106、108 ガイドブロック
110、112 ドライブピン
114 コントロールスリーブ
116 コントロールシャフト

Claims (8)

  1. クランク軸の回転力を利用して回転駆動される駆動カム軸と、
    前記駆動カム軸と同心の従動カムロブと、
    前記駆動カム軸に対する前記従動カムロブの相対的な回転角度を変更することによって、前記駆動カム軸が一回転する間に、前記駆動カム軸に対する前記従動カムロブの相対的な回転速度を増減させる可変カム速度機構と、
    前記可変カム速度機構によって前記回転速度を増減させた際の前記駆動カム軸に対する前記従動カムロブの相対的な回転角度が、前記駆動カム軸が一回転する間じゅう当該回転角度が一定となる場合の値と等しくなる等回転角度タイミングと、前記従動カムロブにより駆動されるバルブの開き時期または閉じ時期とが一致するように設定されていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記バルブは、吸気弁であり、
    前記等回転角度タイミングと、前記吸気弁の開き時期とが一致するように設定されていることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記バルブは、排気弁であり、
    前記等回転角度タイミングと、前記排気弁の閉じ時期とが一致するように設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 内燃機関の運転領域が低回転高負荷領域である場合に、前記吸気弁のリフト開始区間において前記駆動カム軸に対する前記従動カムロブの相対的な回転速度が増加するように前記可変カム速度機構を制御する低回転高負荷時制御手段を更に備えることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の可変動弁装置。
  5. 内燃機関の運転領域が低回転低負荷領域である場合に、前記吸気弁のリフト開始区間において前記駆動カム軸に対する前記従動カムロブの相対的な回転速度が減少するように前記可変カム速度機構を制御する低回転低負荷時制御手段を更に備えることを特徴とする請求項2または4記載の内燃機関の可変動弁装置。
  6. 内燃機関の運転領域が高回転領域である場合に、前記吸気弁がリフト区間にある時に前記駆動カム軸に対する前記従動カムロブの相対的な回転速度が等しい状態が継続するように前記可変カム速度機構を制御する高回転時制御手段を更に備えることを特徴とする請求項2、4または5記載の内燃機関の可変動弁装置。
  7. 前記従動カムロブのプロファイルは、当該従動カムロブの全周にわたって負の曲率が生じないように設定されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の内燃機関の可変動弁装置。
  8. 前記従動カムロブは、前記駆動カム軸に回転自在に支持されており、
    前記可変カム速度機構は、
    前記駆動カム軸を覆うように形成された軌道面を有するガイド部材と、
    前記駆動カム軸および前記従動カムロブのそれぞれに連結され、前記軌道面と接触する接触部材を有し、前記接触部材の位置変化に伴って前記駆動カム軸に対する前記従動カムロブの回転角度を変化させるリンク機構と、
    前記駆動カム軸が一回転する間じゅう前記軌道面と前記接触部材との接触が維持されるようにする接触維持手段と、
    前記ガイド部材を、前記駆動カム軸の軸線と直交する平面方向に移動させるアクチュエータと、
    を含むことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項記載の可変動弁装置。
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