JP2008002269A - 可変バルブ駆動装置、エンジン及び自動二輪車 - Google Patents

可変バルブ駆動装置、エンジン及び自動二輪車 Download PDF

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Abstract

【課題】 慣性力に伴い大きな振動が生じやすく、ジャンピング現象及びバウンス現象などの弁挙動の問題が発生しやすいエンジン高回転時において、振動を低減し、安定して弁挙動を行うこと。
【解決手段】 カムスプロケット211は、クランク軸130から伝達される駆動力により回転駆動する。偏心プレート250は、カムスプロケット211の回転によりカムスプロケット211の回転軸と同方向の軸を中心に回転すると共に、制御部150により偏心ボス260を介して軸が回転軸の軸心位置から偏心位置に移動する。可変カム軸230は、偏心プレート250が偏心位置で回転する際に、吸気弁を駆動する吸気カム駒240と共にカムスプロケット211に対する回転位相差が周期的に変動する。制御部150は、クランク軸130の最大回転数または最大回転数付近の回転数において偏心プレート250の軸の位置を前記回転軸の軸心位置に一致させる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、エンジンに設けられる可変バルブ駆動装置、エンジン及び自動二輪車に関する。
従来、4サイクルエンジンでは、吸気バルブ及び排気バルブが同時に開放されている期間(バルブオーバーラップ)を、エンジンの高回転、低中回転のそれぞれにおいて変更することによって、エンジンの高出力及び低燃費、さらには排ガスの低減が図られている。
バルブオーバラップを変更するものとして、可変バルブタイミング(Variable Valve Timing)機構(可変バルブ駆動装置)が知られている。この可変バルブタイミング機構は、クランク駆動に連動するカム駆動軸部分と、回転することによりカムを駆動するカム軸部分との間に設けられ、角速度変動を起こさせるカップリング(偏心部材)とを備える。
このような可変バルブタイミング機構では、カップリングを介して、クランク角に対するカム角の減速比を周期的に変動させ、その変動を制御することによって、カムの作用角(Duration:「作動角」ともいう。)が可変となる。可変バルブタイミング機構は、カムの作用角を可変にすることによって、バルブオーバラップを変更する。
例えば、特許文献1では、クランクの回転駆動に所定の回転速度で同期するカム駆動軸が、カム及び円板状の偏心プレート(偏心部材)に挿通され、カム駆動軸に設けたピンが偏心プレートにおいて半径方向に延びる溝部に遊嵌されている。そして、カム駆動軸の回転により、偏心プレートは、ピン及び溝を介してカム駆動軸に対して偏心した状態で回転し、カムを回転する。
また、特許文献2では、偏心部材である偏心プレートが、ギアトレインを介して伝達されるクランク軸の駆動力により回転するスプロケットと、カムに一体的に設けたカム軸との間に配置されている。この偏心プレートには、カム軸の回転中心を挟んで、半径方向に延びる溝部が形成されている。これら溝部のそれぞれに、カム軸に設けたピンと、スプロケットに設けたピンとが摺動自在に遊嵌されており、このように構成された偏心プレートを介してカム駆動軸の駆動力は、カム軸に伝達されている。
これら特許文献1及び2の構成では、いずれも偏心部材である偏心プレートの移動によって、偏心中心は、カム駆動軸またはカム軸を中心に移動する。つまり、特許文献1及び2では、偏心中心をカム駆動軸またはカム軸の中心と同心にすることなく、カムの作用角を可変とし、カムの角速度を周期的に変動させて、バルブオーバラップ量を変更している。
さらに、特許文献3は、ディスクハウジング内に偏心部材である環状ディスクを配置し、ディスクハウジングを介して環状ディスクの中心をカム駆動軸の中心から偏心させて、カムシャフトの角速度を変化させることにより、吸気弁の作動角を可変制御している。なお、ディスクハウジングにより偏心される環状ディスクの中心の回転中心は、環状ディスクの外側で、環状ディスクの中心と略平行に位置している。そして、特許文献3では、特に、機関が高速高負荷域に移行した場合に、カムの作用角を広げるため、偏心量を大きくしている。
特公昭47−020654号公報 特開平3−43611号公報 特開平6−2515号公報
ところで、カムの角加速度変動に伴って、カムが駆動するバルブにおける開閉の際の加速度は必然的に変動する。
特許文献1から3の構成では、偏心中心をカム駆動軸またはカム軸の中心から偏心させることによってカムの角速度を周期的に変動させているため、その偏心量に対応してバルブの加速度(加速度カーブ)が変動する。この加速度変動が大きい場合、次のような問題が生じる。
例えば、所定のバルブ(例えば、吸気バルブ)の開きタイミングを略固定して閉じタイミングを大きく変更することにより所定のバルブを可変にし、バルブオーバラップを変更する場合、開きタイミング側の最大加速度及び最小加速度は漸次増加する加速度カーブとなる。つまり、加速度カーブの角速度変動による変化が大きくなり、開き側と閉じ側とで、加速度カーブに歪みが生じる。一方、閉じ側タイミングを略固定して開きタイミングを大きく変更する場合も同様に、最大加速度と最小加速度はそれぞれ漸次増加し、可変となるバルブタイミングの開き側と閉じ側で加速度カーブに歪みが生じることが多い。
このような加速度カーブの歪みは慣性力の大きな変動幅となり、振動を生じさせ、エンジン駆動の安定性を低下させてしまう。
また、開閉するバルブでは、加速度カーブの歪みの原因となる負の加速度の増大により、バルブの運動がカムの規制から外れるジャンピング現象や、バルブがバルブシートリングに着座する際に跳ねるバウンス現象等の弁挙動が発生しやすくなる。このようなバルブの挙動(弁挙動)は、エンジンの高回転時、つまり、慣性力が大きい状態において生じやすく、慣性力の増大に比例して大きくなる振動をさらに大きくしてしまいエンジン性能を低下させてしまう。
これに対して、特許文献1〜3は、いずれもエンジン高回転時では、カムの作用角を広げるために、偏心中心をカム駆動軸またはカム軸の中心から偏心させており、高回転時における偏心量に比例するバルブ加速度の角速度変動による変化については考慮されていない。
特に特許文献3では、エンジン高回転時に大きく偏心させているため、エンジン高回転時のバルブ開閉動作において、振動が発生し安定した動作を行うことができないという可能性が生じる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、運動力学的に、慣性力に伴い大きな振動が生じやすく、ジャンピング現象及びバウンス現象などの弁挙動の問題が発生しやすいエンジン高回転時において、振動を低減し、安定して弁挙動を行うことができる可変バルブ駆動装置、エンジン及び自動二輪車を提供することを目的とする。
本発明の可変バルブ駆動装置は、クランク軸から伝達される駆動力により回転駆動するカム駆動部材と、前記カム駆動部材の駆動によって、前記カム駆動部材の回転軸と同方向の軸を中心に回転するとともに、前記軸が前記回転軸の軸心位置から偏心位置に移動可能に設けられる偏心部材と、前記回転軸と同軸上に配置され、前記偏心部材によって前記回転軸を中心に回転駆動されるとともに、前記偏心部材が前記偏心位置で回転駆動する際に、前記カム駆動部材に対する回転位相差が周期的に変動するカム軸と、前記カム軸によって前記カム軸と同じ回転位相で回転駆動し、排気弁または吸気弁を開閉駆動するカム駒とを備える可変バルブ駆動装置であって、前記クランク軸の回転数を検出する回転数検出部と、前記回転数検出部により検出される前記クランク軸の回転数に応じて、前記偏心部材を移動して、前記カム駆動部材の回転軸に対する前記偏心部材の軸の位置を制御する制御部とを有し、前記制御部は、前記クランク軸の最大回転数または、前記最大回転数付近の回転数において前記偏心部材を移動して、前記偏心部材の軸の位置を前記回転軸の軸心位置に一致させる構成を採る。
この構成によれば、クランク軸の最大回転数または、最大回転数付近の回転数、つまり、搭載されるエンジンの最大回転数または、最大回転数付近の回転数では、偏心部材の軸の位置は前記回転軸の軸心位置に一致する。このため、エンジンの最大回転数または、最大回転数付近において、偏心部材を偏心させることなく、カム駒を回転駆動して、排気弁または吸気弁を開閉駆動することができる。つまり、エンジンの最大回転数または、最大回転数付近において、偏心部材が偏心位置で回転駆動しないため、カム軸を介して、カム駒が、カム駆動部材に対して回転位相差を持って周期的に変動することがない。これにより、開閉駆動する排気弁または吸気弁の加速度カーブの角速度変動による変化は極めて小さく(変化量が0に近く)なる。
したがって、運動力学的に慣性力に伴い大きな振動が生じやすく、ジャンピング現象及びバウンス現象などの弁挙動の問題が発生しやすいエンジンの最大回転数または、最大回転数付近、つまりエンジン高回転時において、低振動で安定した弁挙動を行うことができる。
本発明の可変バルブ駆動装置は、クランク軸から伝達される駆動力により回転駆動するカム駆動部材と、前記カム駆動部材の駆動によって、前記カム駆動部材の回転軸と同方向の軸を中心に回転するとともに、前記軸が前記回転軸の軸心位置から偏心位置に移動可能に設けられる偏心部材と、前記回転軸と同軸上に配置され、前記偏心部材によって前記回転軸を中心に回転駆動されるとともに、前記偏心部材が前記偏心位置で回転駆動する際に、前記カム駆動部材に対する回転位相差が周期的に変動するカム軸と、前記カム軸によって前記カム軸と同じ回転位相で回転駆動し、排気弁または吸気弁の作用角を可変にするカム駒とを備える可変バルブ駆動装置であって、前記クランク軸の回転数を検出する回転数検出部と、前記回転数検出部により検出される前記クランク軸の回転数に応じて、前記偏心部材を移動して、前記カム駆動部材の回転軸に対する前記偏心部材の軸の位置を制御する制御部とを有し、前記制御部が、前記偏心部材の軸の位置を前記回転軸の軸心位置と一致させた際に、前記排気弁または吸気弁の作用角は最大となる構成を採る。
この構成によれば、偏心部材の軸の位置が回転軸の軸心位置と一致している状態のときに、排気弁または吸気弁の作用角が最大となる。このため、排気弁または吸気弁が周期的角速度変動のない状態で、且つ、排気弁または吸気弁の最大作用角側でのリフトカーブに基づいてカム駒のカムプロファイルを作成することができる。
つまり、カム駒のカムプロファイルを決定する際に、排気弁または吸気弁が周期的角速度変動のない状態で、且つ、排気弁または吸気弁の低作用角側でのリフトカーブに基づいて決定する場合と比べて、負の曲率半径(凹アール)を発生させることなく、最大弁リフトを大きくとれる。
よって、凸アールを有するように加工する従来のカム加工法を用いて、搭載されるエンジンの最大出力を大きくできるカム駒を設定することができる。これにより、エンジンの回転数に応じて、低振動で安定した弁挙動を行うカム駒のカムプロファイルを設定することができる。
このようにカム駒のカムプロファイルを設定できるため、運動力学的に、慣性力に伴う大きな振動が生じやすく、ジャンピング現象及びバウンス現象などの問題となる弁挙動が発生しやすいエンジンの最大回転数または、最大回転数付近、つまり、エンジン高回転時においても、低振動で安定した弁挙動を行うことができる。
以上説明したように、本発明によれば、高回転時においても安定して弁挙動を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る可変バルブ駆動装置を備えたエンジンの要部分解斜視図である。
図1に示すエンジン100は、ピストン102を進退自在に収納するシリンダ部106及びシリンダヘッド104を有するエンジン本体部110と、クランクケース112(図6及び図11参照)に収納されるクランク軸130と、可変バルブ駆動装置200とを有する。
なお、エンジン100は、クランク軸130と略平行に配置された可変バルブ駆動装置200によって、排気カム駒220と吸気カム駒240との回転に周期的な位相差を設け、それぞれの回転に対応して開閉するバルブタイミングは可変となる。これにより、エンジン回転数に対応してバルブオーバラップ時間は可変となる。
本実施の形態では、エンジン100は、スクータ型自動二輪車500(図11参照)に搭載される単気筒SOHC(Single Over Head Camshaft)型のものとして説明する。なお、エンジン100は、単気筒SOHC型のものとして説明するが、これに限らず、可変バルブ駆動装置200を有するものであれば、どのようなエンジンとしてもよい。一般的に自動二輪車に搭載されるエンジンの最大回転数は8000rpm以上である。
図1に示すように、シリンダ部106内のピストン102は、シリンダ部106内でシリンダ軸方向に進退動(上下動)自在に配置され、ピストン102の基端部側で、コンロッド108を介してクランク軸130に接続される。なお、コンロッド108は、クランク軸130に設けられたクランクウェブ132間のクランクピン(図示省略)に回動自在に取り付けられる。これにより、ピストン102は、クランク軸130の回転駆動に伴いシリンダ部106内を進退動する。
また、クランク軸130上には、クランクウェブ132(詳細には、クランクジャーナル)に隣接してタイミングギア134が設けられている。このタイミングギア134には、駆動力伝達部材としてのカム駆動チェーン133が巻回されている。
このカム駆動チェーン133は、タイミングギア134とともに、エンジン本体部110におけるシリンダヘッド104内に配置されるカムスプロケット211に巻回され、可変バルブ駆動装置200のカム駒220、240に回転駆動力を伝達する。なお、駆動力伝達部材としてカム駆動チェーン133としたが、これに限らず、クランク軸130からカムスプロケット211に駆動力を伝達するものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、カム駆動チェーン133に変えて、コグベルトを用いてもよい。この場合、タイミングギア134、カムスプロケット211の変わりにコグホイールを用いた構成となる。
このカム駆動チェーン133の伝達ライン(この実施の形態では、チェーンライン)は、クランク軸130に対して略直交し、且つ、内部でピストン102が進退動するシリンダ部106のシリンダ軸に接近させた位置に配置されている。これは、エンジンの構造上、ピストン102を駆動するクランク部からカム駆動チェーン133が離間する程、カム駆動チェーン133に引っ張り力が加わり、クランク自体に加わる曲げ応力が大きくなるのを防ぐためである。
カム駆動チェーン133は、エンジン本体部110においてシリンダ部106に隣接して一体的に設けられたチェーンケース部116内に配置されている。なお、チェーンケース部116の上部(以下、「ケース上部」という)116aは、シリンダヘッド104に一体的に設けられている。このケース上部116aは、シリンダヘッド104において、クランク軸130と平行な方向に開口している。
これら開口のうち一方の開口部116bは、シリンダ部106上方の空間に連通し、他方の開口部116cには、環状のシリンダヘッドカバー(以下、「ヘッドカバー」という)105が取り付けられている。この環状のヘッドカバー105内には、可変バルブ駆動装置200の一端部側が配置され、可変バルブ駆動装置200は、その一端部側でヘッドカバー105に支持されている。
可変バルブ駆動装置200は、カムスプロケット211、排気カム駒220、可変カム軸230、吸気カム駒240、偏心プレート(偏心部材)250、偏心ボス(部材移動部)260、偏心用モータ270を有する。この可変バルブ駆動装置200は、シリンダヘッド104に、クランク軸130と平行に取り付けられる。
なお、この可変バルブ駆動装置200では、吸気バルブ及び排気バルブのバルブタイミングのうち、一方のバルブタイミングを他方のバルブタイミングに対して変更し、バルブオーバラップ量を可変にする。なお、この可変バルブ駆動装置200は、吸気カム駒240による吸気バルブの閉じ側のタイミング(閉じタイミング)を変更し、これにより排気バルブに対する吸気バルブを可変として、バルブオーバラップ量を可変させている。
図2は、シリンダヘッド104に取り付けられた可変バルブ駆動装置200を示す要部断面図、図3は、同可変バルブ駆動装置200の分解斜視図である。
この可変バルブ駆動装置200では、カムスプロケット211、排気カム駒220、可変カム軸230、吸気カム駒240、偏心プレート250、偏心ボス260のそれぞれの回転軸は互いに平行となっている。
この可変バルブ駆動装置200では、図1から図3に示すように、吸気カム駒240及び排気カム駒220は、可変カム軸230が挿通された状態で、シリンダヘッド104内におけるシリンダ部106の上部に配置されている。
また、可変カム軸230は、カムスプロケット211に挿通され、このカムスプロケット211及び偏心プレート250はケース上部116a内に配置されている。
そして、偏心ボス260は、環状のヘッドカバー105内に回動自在に取り付けられる。偏心ボス260が取り付けられるヘッドカバー105がシリンダヘッド104に固定されることによって、可変バルブ駆動装置200はシリンダヘッド104に固定される。なお、偏心ボス260が配置されるヘッドカバー105取り付けられるシリンダヘッド104の開口部は、カムスプロケット211が挿入可能な直径を有する。
図1から図3に示すように、カムスプロケット211は、同一軸心を有し、回転することによりバルブ(ここでは、排気バルブ)を開閉する排気カム駒220と筒状部224を介して一体的に形成されている。つまり、これらカムスプロケット211、筒状部224及び排気カム駒220とで、クランク軸130の駆動力を直接受けて回転するカム駆動体210を形成している。
カムスプロケット211は、タイミングギア134(図1参照)及びカム駆動チェーン133(図1参照)を介してクランク軸130の駆動に従動し、クランク軸130の回転数に対して一定の減速比で回転する。ここでは、カムスプロケット211は、クランク軸130の回転の1/2の速度で回転している。
カムスプロケット211及び排気カム駒220の軸心は、カムシャフト軸心であり、カムシャフト軸心は、シリンダ部106の上部でクランク軸130(図1参照)と平行に配置されている。
また、カムスプロケット211には、図1から図3に示すように、カムスプロケット211の回転軸方向と平行に、且つ、排気カム駒220に対して逆側に向かって突出する駆動ピン212が設けられている。この駆動ピン212は、偏心プレート250の中心側から半径方向に切り欠かれた駆動スロット252に遊嵌されている。
駆動ピン212の軸心は、カムスプロケット211の軸心に対して偏心している。カムスプロケット211が回転すると、駆動ピン212は、カムスプロケット211の軸心の回りを周回し、遊嵌するスロット252を介して、偏心プレート250を回転駆動する。なお、このカムスプロケット211には、半径方向に突出する突起片114が取り付けられている。
この突起片114の回転位置(カムスプロケット211の回転位置)は、シリンダヘッド104に取り付けられたセンサ114aにより検出される。
また、カムスプロケット211、排気カム駒220及び筒状部224のそれぞれにおける同一の軸心部分、つまり、カム駆動体210の軸心部分には、軸方向に貫通する挿通孔215が設けられている。なお、この挿通孔215は、排気カム駒220のベースサークル面220aに開口する孔部223と連通している(図2参照)。
挿通孔215には、可変カム軸230の軸部230aが軸方向に回転自在に挿通されている。
可変カム軸230の軸部230aは、挿通されるカム駆動体210から軸方向に両側で突出し、排気カム駒220側で突出する部分には、排気カム駒220と隣り合う吸気カム駒240が一体的に取り付けられている。
また、可変カム軸230は、軸部230aにおいて、カム駆動体210のカムスプロケット211側で突出する部分には従動ピン232が設けられている。
可変カム軸230は、カム駆動体210に挿通された状態で、シリンダ部106の上方を横切るように配置されている。そして、可変カム軸230は、ベアリング104a及びベアリング113により回動自在に支持されている。
また、可変カム軸230は、軸部230a内に軸方向に貫通する貫通孔238を有し、この貫通孔238は、可変バルブ駆動装置200を構成する部材同士の摺動部分に供給される潤滑油の本体油路となっている。以下では、貫通孔238を本体油路238として説明する。
この本体油路238は、カム駆動体210(特に、カムスプロケット211)の回転軸を貫通して設けられ、カム駆動体210の他端部側における吸気カム駒240の摺動部分と、カム駆動体210の一端部側における偏心プレート250の摺動部分とに潤滑油を供給する。
また、本体油路238は、分岐油路239a、239b、239cにより軸部230aの外周面と連通するとともに、軸部230a内のチェーンライン側に設けられた絞り235を介して一端面側(偏心プレート250側)に開口されている。
分岐油路239a、239b、239cは、軸部230aに、それぞれ本体油路238から直交するように形成され、それぞれ軸部230aの外面部分に開口している。
これら分岐油路239a、239bが開口する軸部230aの外面部分には、軸部230aの円周方向に窪み状に形成された油だまり溝236、237が設けられている。これら油だまり溝236、237に分岐油路239a、239bは接続されている。
これら油だまり溝236、237は、筒状部224及び排気カム駒220の内周面部分を構成する挿通孔215の内周面に接触して摺動する部分に形成され、これら摺動する部分は、分岐油路239a、239bに案内される潤滑油により潤滑される。
また、分岐油路239cは、軸部230aに、本体油路238から直交するように形成され、吸気カム駒240の孔部245に連通する外面部分に開口している。
これにより、分岐油路239cにより案内される潤滑油は、軸部230aと吸気カム駒240との摺動部分に供給され、この摺動部分を潤滑する。なお、吸気カム駒240において軸部230aの外周面上を摺動する部分には、吸気カム駒240の開口部の内周面に沿って油だまり溝246が形成されている。
また、可変カム軸230の一端部は、シリンダヘッド104において、シリンダヘッド104に取り付けられたベアリング113に挿入されている。ベアリング113から突出する部位には、オイルシール部117を介してオイルシールキャップ115が被せられ、オイルシール部117によりシリンダヘッド104外部に潤滑油が漏れないようにしている。
なお、シリンダヘッド104の一端部111側には、オイルポンプの吐出口118が設けられている。この吐出口118を介して潤滑油は、軸部230aの一端部の開口230cと連通するオイル溜まり119に圧入され、このオイル溜まり119を介して、本体油路238内に案内される。なお、オイルポンプは、潤滑油を、エンジン100が搭載される車両が備える潤滑油貯留部(例えば、図11に示す自動二輪車500が備えるオイルパン620)から汲み上げるものである。
吸気カム駒240は、軸部230aの一端部側に外嵌されるとともに、ピン241を吸気カム駒240に形成された切欠部243(図3参照)に嵌合することにより固定されている。なお、吸気カム駒240は、排気カム駒220とともに、シリンダ部106の上方に配置されている。
この吸気カム駒240は、可変カム軸230の軸心を中心に回転した際に、同軸心を中心に回転駆動する。また、吸気カム駒240には、図2に示すように、ベースサークル面240aと軸部230aの一端部に外嵌する開口部内面とを貫通する孔部245が形成されている。なお、この孔部245は、軸部230a内の本体油路238と連通している。
この構成により、吐出口118から潤滑油が吐出されると、シリンダヘッド104内において、潤滑油は、分岐油路239c、239b、239aを介して、吸気カム駒240、排気カム駒220のそれぞれの摺動部分及びそれぞれのカムプロファイル部分に供給される。
この軸部230aの他端部側には、軸部230aの軸心と直交して張り出したプレート234が取り付けられている。このプレート234は、軸部230aの回転に伴い、カムスプロケット211に隣接する位置で回転する。
このプレート234の先端部には、軸部230aが延びる方向とは逆方向に突出し、軸部230aの軸心を挟んで駆動ピン212と対向する従動ピン232が設けられている(図1から図3参照)。この従動ピン232は、プレート234に、軸部230aの軸心と平行で、且つ、軸部230aの軸心に対して偏心した位置に配置されている。
そして、この従動ピン232は、偏心プレート250において、偏心プレート250の中心から半径方向に切り欠かれた従動スロット254に遊嵌し、偏心プレート250の回転によって、軸部230aの軸心の回りを周回する。つまり、カムスプロケット211の回転とともに回転する駆動ピン212が偏心プレート250を回転駆動させると、従動スロット254及び従動ピン232を介して、可変カム軸230が従動し、吸気カム駒240は回転する。
偏心プレート250は、可変カム軸230のプレート234に対向配置される板状(ここでは円盤状)のプレート本体部256と、プレート本体部256の中央部からプレート234とは逆側で垂直に突出するプレート軸部258とを有する。
プレート本体部256には、駆動スロット252及び従動スロット254が、プレート軸部258を挟んで半径方向に延びるように、且つ、同一直線上に形成されている。
これら駆動スロット252及び従動スロット254には、それぞれ駆動ピン212及び従動ピン232がそれぞれ遊嵌しており、これら駆動ピン212及び従動ピン232は、カムスプロケット211の回転によって、偏心プレート250の軸心を通る同一直線上をそれぞれ移動する。つまり、これら駆動ピン212及び従動ピン232を介して、カムスプロケット211及び排気カム駒220の回転と、吸気カム駒240の回転とに位相角度差が生じている。
プレート軸部258は、偏心プレート250自体の回転軸であり、図2に示すように、偏心ボス260に形成された偏心孔262に、回動自在に挿入されている。
偏心ボス260は、ヘッドカバー105内部においてカム軸方向と平行な回転軸を中心(図3に示す回転中心R)に回転するボス本体部264を有する。
この偏心ボス本体部264の外径は、カムスプロケット211の外径より小さく、偏心ボス260は、カムスプロケット211に対し、回転軸方向で重なる位置に配置されている。この偏心ボス260における偏心孔262は、ボス本体部264に、その回転中心に対して偏心した位置に形成されている。
別言すれば、偏心ボス260は、カムスプロケット211に対し、カム駆動体210の回転軸方向で偏心プレート250を挟んで対向配置され、偏心ボス260の回転軸(回転中心)は、カム駆動体210において偏心ボス260に対向するカムスプロケット211の外周縁より内側に位置する。この構成によれば、偏心ボス260の回転中心は、カムスプロケット211の外周縁より内側に位置する。このため、偏心プレート250を偏心させる機構が、カム駆動体210において半径方向に位置する外周縁から外方に位置することがなく、可変バルブ駆動装置200全体をコンパクトにしている。
そして、このボス本体部264の外周の一部にラック266が設けられ、このラック266はヘッドカバー105に取り付けられる偏心用モータ270のウォームギア272に歯合される。この構成により、偏心ボス260は、ヘッドカバー105内部において、偏心用モータ270の駆動によって回転中心R(図3参照)を中心に回転する。
図4は偏心ボス260の分解斜視図である。
図4に示すように、偏心ボス260の偏心ボス本体部264は、有底円筒状をなし、内部に偏心孔262が形成された本体ケース264aに、蓋部264bを取り付けることにより構成される。
本体ケース264aには、偏心孔262の周囲に隔壁265a、265b、265cにより仕切られた隔室267a、267b、267cが設けられている。
隔室267aの底面部分には、隔室267と、偏心ボス260の裏面側、つまり、偏心プレート250側とを連通する空気穴268が設けられている。また、この隔室267aの周壁部には、偏心ボス本体部264の外部と連通するオイル戻り穴268aが形成されている。
また、隔壁265a、265bには、切欠部269が設けられ、隔室267aと隔室267b、隔室267bと隔室267cとを連通させている。
蓋部264bは、隔室267a、267b、267cを覆う。この蓋部264bには隔室267cの天井部分に開口部264cが形成されている。
このように、偏心ボス260は、空気穴268、隔室267a、267b、267c、切欠部269及び開口部264cを介して、軸方向、つまり、表裏面側に連通した構成となっている。言い換えれば、偏心ボス260内には、カムスプロケット211の回転軸方向に連通する中空部としての隔室267a、267b、267cが設けられている。
この構成により、偏心ボス260は、ヘッドカバー105を介してシリンダヘッド104に取り付けられた状態において、シリンダヘッド104内外を連通させている。
ヘッドカバー105内部には、偏心ボス260の回転軸心と平行に、オイル戻り穴105aが形成されている。これにより、オイル戻り穴105aは、偏心ボス260内に偏心プレート250側からの潤滑油が流入した場合、隔室267a内部と連通するオイル戻り穴268aとともに、エンジン100内部に潤滑油を戻す。つまり、隔室267a、267b、267cは、エンジン100内で生じたブローバイガス中の潤滑油をエンジン100外に排出することを防止するブリーザ室として機能している。
このように構成された偏心ボス260の回転によって、偏心孔262の位置は、ボス本体部264の回転中心Rに対して偏心した位置に移動可能となっている。つまり、偏心ボス260は、偏心プレート250に、カムスプロケット211とは逆側で隣接して配置され、偏心プレート250のプレート軸部258を、カムスプロケット211の回転軸に対して同軸位置から偏心位置に移動させることができる。
図5は、偏心ボス260の回転中心Rと、カムスプロケット211の軸心Cと、偏心プレート250の軸心Eとの位置関係を示す図である。詳細には、図5(a)は、偏心ボス260、カムスプロケット211及び偏心プレート250の概略正面図、図5(b)は、図5(a)に示す回転中心R及び軸心C、E部分の拡大図である。
図5に示すように、偏心ボス260は、ヘッドカバー105に回動自在に内嵌され、偏心用モータ270(図1〜図3参照)により、回転中心(ボス中心)Rを中心に回転する。なお、回転中心Rは、エンジン側に固定されており、可変カム軸230や排気カム駒220及び吸気カム駒240の回転軸心(カムシャフト軸心)Cに対する軸心(偏心中心)Eの回転する回転中心となっている。
偏心ボス260の偏心孔262には、プレート軸部258(偏心プレート250の軸心E)が回動自在に挿入されているため、偏心ボス260の回転により、偏心プレート250の軸心(偏心中心)Eは、回転中心(ボス中心)Rを中心に円弧状に移動する。
また、この軸心Eの移動線上に、可変カム軸230の軸心C、つまり、排気カム駒220及び吸気カム駒240の軸心Cが配置されている。
この偏心ボス260のボス中心Rを中心とする回動により、偏心プレート250の軸心Eを、可変カム軸230の軸心Cと偏心させて、カムスプロケット211と一体の排気カム駒220の回転に対して、可変カム軸230と一体の吸気カム駒240の回転に位相差を設けることができる。
また、この偏心ボス260の回動によって、軸心Eと、軸心Cとを一致させることができる。これら軸心Eと軸心Cとが一致した位置、つまり、偏心ボス260における偏心孔262の軸心Eの位置と可変カム軸230における軸心Cの位置とが重なる位置で偏心ボス260を固定できる。これにより、偏心プレート250と可変カム軸230とを、同一軸心を中心に回転させることができる。また、偏心プレート250の軸心Eは、偏心ボス260内、つまりヘッドカバー105の開口部内において、円弧状に移動するため、偏心プレート250の軸心Eを偏心させる機構がヘッドカバー105内に納められた状態となっている。
偏心ボス260のヘッドカバー105内における回転角度位置は、図2に示すように、偏心ボス260に設けられた角度センサ部26、27により検出する。
これら角度センサ部26、27は、回転角度位置を検出することにより、偏心孔262の位置、つまり、偏心プレート250の偏心位置を検出できる。このように検出された情報と、エンジン回転及びエンジン負荷等のエンジン側から得られる情報と、図示しない操作部を介してユーザから入力される情報などを用いて、偏心孔262の偏心位置は、制御部150(図6参照)により、予め設定された位置に制御される。
図6は、本発明の一実施の形態に係る可変バルブ駆動装置200を備えるエンジンの制御部を説明する模式図である。
図6に示すようにエンジン100は、エンジン自体を駆動制御するとともに、可変バルブ駆動装置200の偏心用モータ270(図1及び3参照)を駆動制御する制御部150を備える。
制御部150は、偏心ボス260の回転角度位置を検出する角度センサ部27が接続され、この角度センサ27から入力される情報に基づいて、偏心プレート250の偏心位置を判別する。
また、制御部150は、センサ114aに接続され、このセンサ114aにより検出されるカムスプロケット211の回転位置情報が入力される。
カムスプロケット211には、カム駆動チェーン133(図1参照)を介してクランク軸130の駆動力が直接伝達されるため、カムスプロケット211の回転位置(突起片114の回転位置に相当)は、クランクの行程に連動する。
つまり、カムスプロケット211の回転位置には、クランクの行程(4サイクルの場合、吸入行程、圧縮行程、爆発行程及び排気行程)の情報が含まれる。このため、センサ114aがカムスプロケット211の突起片114の位置を検出することによって、制御部150は、クランク行程を判別できる。
また、制御部150には、クランク軸130のクランク角を検出するクランク角検出センサ160が接続され、制御部150は、このクランク角検出センサ160により検出されるクランク角情報によりエンジン回転数を判別する。
制御部150は、各センサ27、114a、160から入力される情報に基づいてエンジン回転数に対応したカム作用角(Duration:「作動角」ともいう。)を形成するようにモータ作動電流を設定し、偏心用モータ270に出力して偏心用モータ270を駆動制御する。
この制御部150は、エンジンの回転数に基づいて、バルブタイミングを変更し、実エンジン回転数に対応した好適なバルブオーバラップ量にする。
また、制御部150は、エンジンの回転数が最大若しくは、最大付近である場合に、偏心用モータ270を駆動し、偏心プレート250の軸心Eを、可変カム軸230の軸心Cに一致させることによって軸心Cと同一直線上に位置させる。また、このときのバルブの作用角は最大作用角となっている。
なお、制御部150は、図示しないインジェクタに接続され、インジェクタに燃料噴射制御信号を出力することによって、インジェクタを駆動制御する。また、図示しないプラグに接続され、プラグに点火時期制御信号を出力して、プラグの点火時期を制御する。
次に、本実施の形態における可変バルブ駆動装置200の動作について説明する。
図1〜図3に示す可変バルブ駆動装置200では、クランク軸130の回転より、カム駆動チェーン133を介してカムスプロケット211がクランク軸130回転の1/2の回転で駆動する。カムスプロケット211の回転に伴い、カムスプロケット211とともにカム駆動体210を構成する排気カム駒220はクランク軸130の回転に同期して回転する。
また、カムスプロケット211の回転により、偏心プレート250の入力側スロット252に遊嵌された駆動ピン212が、駆動スロット252を介して、偏心プレート250を、プレート軸部258を中心に押圧し、偏心プレート250を回転させる。
この偏心プレート250の回転中心、つまり、プレート軸部258の位置は、偏心用モータ270の駆動により偏心させているため、カムスプロケット211が等速回転している場合でも、偏心プレート250は不等速回転する。
図7は、本可変バルブ駆動装置において、カム軸に対して偏心プレートの中心を偏心させた状態の駆動ピンと従動ピンの位置関係の一例を示す図である。
図7(a)〜(i)は、クランク軸を所定の回転で回転させた場合の駆動ピン212及び従動ピン232の相対的な位置関係を段階的に示す。なお、駆動ピン212及び従動ピン232が遊嵌するスロット252、254(図1及び図3参照)は同一直線上に形成されているため、概略的に直線SLとして示す。
駆動ピン212がカムスプロケット211の軸心Cに対して偏心プレート250の中心(回転軸心)E側にある場合、偏心プレート250中心と駆動ピン212中心間の距離が、カムスプロケット211中心と駆動ピン中心間の距離より小さくなる。よって、カムスプロケット211の回転角より、偏心プレート250の回転角の方が大きくなる。
一方、駆動ピン212がその反対側、つまり、カムスプロケット211の軸心Cに対して偏心プレート250の中心から離間する側にある場合、偏心プレート250中心と駆動ピン212中心間の距離が、カムスプロケット211中心と駆動ピン中心間の距離より大きくなる。よって、カムスプロケット211の回転角より、偏心プレート250の回転角の方が小さくなる。
また、偏心プレート250のプレート本体部256に形成されたスロット254は、偏心プレート250同様に、不等速回転する。このスロット254に遊嵌された従動ピン232は、カムスプロケット211及び吸気カム駒240と同心であるため、スロット254を介して不等速運動が従動ピン232に伝達される。不等速運動が伝達される従動ピン232を介して、軸部230aは不等速な回転を行い、これに伴い吸気カム駒240は不等速な回転を行う。
例えば、吸気カム駒240が開いているクランク角付近で、吸気カム駒240がクランク軸130の回転速度の1/2より速い角速度で駆動しているとする。このとき、クランクが作用角分(例えば、268度)回転する場合に、カムは作用角より多く回転するため、吸気弁はそれよりも短い時間で開閉される。別言すれば、作用角は狭くなる。一方、吸気カムが遅く回転する場合には作用角を広くとることができる。
このように可変バルブ駆動装置200では、カムスプロケット211と一体的に設けられた排気カム駒220に対して、偏心プレート250を介して駆動する可変カム軸230により回転する吸気カム駒240の回転位相差を周期的に変動させることができる。
つまり、偏心プレート250がカムシャフト軸心に対して偏心して、吸気カム駒240の作用角は周期的に可変、言い換えれば、吸気カム駒240は不等速に回転し、この回転により開閉する吸気バルブ(可変バルブ)の作用角及び開閉タイミングは可変となる。
具体的に可変バルブ駆動装置200では、カムの作用角を大きくした場合には、バルブが開いている間ではカムの回転速度は減少し、バルブが閉じられるときにカムの回転速度はあがる。また、カムの作用角を小さくした場合には、バルブが開いている間はカムの回転速度は上がり、バルブが閉じられるとカムの回転速度は落ちることとなる。
このように、吸気カム駒240を、排気カム駒220に対して回転位相差を設けた状態で回転させることができるとともに、この回転位相差を周期的な回転位相差として適宜変更できるため、バルブオーバーラップ量を、エンジン行程に伴い可変させることができる。
なお、吸気カム駒240を排気カム駒220に対し、どのタイミングで速く回転させ、どのタイミングで遅く回転させるかは、カムスプロケット211中心に対する、偏心プレート250の中心と、カムノーズ及び各スロット252、254との位置関係で決定する。
図8は、本発明の一実施の形態に係る可変バルブ駆動装置200を備えるエンジンにおいてエンジン回転数及び平均有効圧力(Mean Effective Pressure)に対応して設定されるバルブの作用角を示す図である。
図8に示す作用角は、エンジン回転数(運転領域に相当)に応じて最適な作用角である。例えば、3000rpmにおいて、平均有効圧力を4とした場合、最適なバルブ作用角は、約210度となる。
なお、エンジン100の最大回転数を、ここでは9000rpmとしている。最大回転数は、可変バルブ駆動装置200が搭載される所定排気量のエンジン100において、そのエンジン110に要求される最大出力に基づいて設定されるものである。別言すれば、エンジンの最大回転数は、エンジン100において、トルクを考慮に入れて実現され得る最大ピストンスピードに基づいて設定できる。
図8に示すように、エンジン100では、制御部150は、エンジン回転数9000rpmにおいて、カムスプロケット211の軸心C(図3及び図5参照)と、偏心プレート250の中心E(偏心中心、図3及び図5参照)とを一致させる。そして、0〜9000rpm未満の間の回転数においては、制御部150は、偏心ボス260を各回転数に好適なカム作用角が設定されるように回転移動して、カムスプロケット211の軸心Cから偏心プレート250の中心Eを所定距離偏心させる。
図9は、本発明の一実施の形態に係る可変バルブ駆動装置によるバルブの可変状態を説明する図である。なお、図9では、可変バルブ駆動装置200において、吸気カム駒240を可変にするに際し、吸気カム駒240により駆動する吸気バルブの開きタイミングを略固定にして、閉じタイミングを可変にしている。図9(a)は閉じタイミングを可変とした場合の吸気バルブのリフトカーブを示し、図9(b)は、図9(a)に示すバルブの加速度カーブを示している。
図9(a)に示すように、本可変バルブ駆動装置200では、吸気カム駒240の可変により、吸気カム駒240の開閉タイミング及びリフトカーブがL1〜L3に変化する。
吸気駒240の可変は、可変バルブ駆動装置200において偏心ボス260を回転させ、カムシャフト軸心から偏心プレート250の軸心を偏心させることにより行われる。
図9(a)におけるリフトカーブL1は、最大の作用角D1を有しており、このとき、可変バルブ駆動装置200では、カムスプロケット211の軸心(図5に示す軸心E)と、偏心プレートの中心、つまり、偏心中心(図5に示す軸心C)とが略一致している。
このときのバルブの加速度は、図9(b)に示す加速度カーブA1となる。この加速度カーブA1から判るように、カムスプロケット211の軸心と偏心プレート250の中心とが一致する場合、バルブ開閉の際における加速度の変動幅は0に近くなり、加速度カーブは、開き側と閉じ側、つまり、左右で略対称な形状となる。言い換えれば、カムスプロケット211の軸心と偏心プレートの中心とが一致している場合、バルブの加速度カーブでは、開き側及び閉じ側でのひずみがない。
よって、吸気カム駒240の作用角が最大であるリフトカーブL1を有するバルブの開閉タイミングであっても、クランク軸130の回転に伴う慣性力の大きな変動幅になることがなく、バルブ開閉により生じる振動は発生しにくい。これにより、エンジンは安定して駆動する。
また、開閉するバルブの加速度カーブA1は、加速度の歪みの原因となる負の加速度変動による変化が0に近似することから、バルブの加速度がカムの加速度を上回るジャンピング現象や、バルブがバルブシートリングに着座する際に跳ねるバウンス現象が発生しにくい。
このような図9(a)に示す最大作用角時リフトカーブL1に対して、リフトカーブL2及びL3では、その低作用角時において、リフトカーブL1の低作用角時と比較して、加速度カーブ(図9(b)参照)が変形し、最大加速度が大きくなるとともに、最小加速度がより小さく(負の加速度が大きく)なる。
このように最大加速度が大きくなることによって、例えば、プッシュロッドやロッカーアームを備えたSOHC型の動弁系のカムプロファイルでは、バルブの開き始めのタイミングまたは閉じタイミングに近い領域で構造上、凹アールが発生しやすくなる。
このため、凹アールを加工するためにはカム加工機や検査設備の改善が必要であるといったカムを加工する際の制限から凹アールを生じさせないようにするためにはカム駆動における最大加速度を制限せざるを得ない。その結果、カムプロファイルにおいてとりうる最大リフト量が制限されてしまい、最大出力または平均有効圧力が低くなってしまうという問題が生じる。
また、最小加速度が小さくなることによって、バルブ系の質量(バルブ及びバルブに付属する部品の質量)による負の慣性力の絶対値が大きくなる。その結果、弁に異常な挙動を起こさないように弁バネの反力を大きくするために弁バネ荷重を大きく採らざるを得なくなる。このため、摩擦損失が増大し、燃費を悪化させるという問題がある。
さらに、直動リフタ式の動弁系とした場合、最小加速度が小さくなることによって、カスプ(尖点)が生じ、カムプロファイルが成立しなくなる。このため、カスプを生じさせないようなカムプロファイル作成上の制限によって、最大リフトが制限され、最大出力が低くなってしまうという問題が生じる。
このように一般的にカムプロファイルは、凸アールでなければならず、回転方向を正とするとバルブ開閉における正負の加速度の増加により発生する凹アールを極力減少するように加工が制限されている。
これに対し、可変バルブ駆動装置200では、作用角が最大のときに、制御部105は、偏心ボス260を回転して、偏心孔262の軸心Eの位置と可変カム軸230における軸心Cの位置とを重ね、同一軸心上に位置する制御を行っている。
つまり、カムプロファイルは高作用角側のバルブリフトカーブをベースに設定することができ、カム加工上の制限を受けやすい低作用角のバルブリフトカーブを、周期的な角速度により実現する。これにより、エンジン出力の観点から或いは、燃費の観点から有利である。
なお、高作用角側のバルブリフトカーブからカムプロファイルを設定することによって、低作用角のバルブリフトカーブは周期的な角速度変動の影響を受けて、最大加速度は大きく、最小加速度の絶対値も大きくなる。しかし、低作用角のバルブリフトカーブは、バルブオーバーラップ量を極力無くすために慣性力がエンジン高回転時よりも小さいエンジン低回転時に、要求されることが多い。
このため、低作用角のバルブリフトカーブを周期的なカムの角速度により実現する可変バルブ駆動装置200では、カム可変時に、動弁系の駆動とともに慣性力によって生じる振動や挙動の影響を受けにくい。
よって、可変バルブ駆動装置200は、どのエンジン回転数においても低振動で且つ、安定したバルブ挙動となる。つまり、可変バルブ駆動装置200を搭載するエンジン100において、どのエンジン回転領域であっても、安定してエンジン駆動を行うことができる。
したがって、オーバラップ量をコントロールして、アイドリング時には、吸気カム駒240によるバルブの開閉を早めに行うことでオーバラップを小さくするまたは無くすことによって、残留ガス(燃焼ガス)の混入を抑え、ガスの燃焼を安定させることができる。
また、排気脈動の効果による残留ガスの掃気及び吹き返しの低減化を図ることができ、さらに、混合気の吸入効果を向上させて、十分な混合気を吸入して、アイドリングの安定化、始動性の向上を図ることができる。
さらに、吹き抜けを防止し、排ガス中の炭化水素を減少させることができるとともに、エンジン低回転時でのエンジン出力を上げて、燃費の向上を図ることができる。
特にエンジン低回転時には、ピストン102が下死点に位置した時に吸気バルブが全閉するように吸気カム駒240を回転させる。
また、エンジン中速回転時(中負荷域)では、吸気バルブを早くから大きく開いてオーバラップを大きくとることによりポンピングロスを少なくして、燃焼効率を上げることができるとともに、燃費向上を図ることができる。
特に、可変バルブタイミング機構を有するエンジンがモータサイクルに搭載される場合、従来、モータサイクルでは、作用角を出力重視で決定することが一般的となっているため、可変バルブタイミング機構を採用する動機は、低速域での燃費や排気の改善であることが多い。よって、可変バルブタイミング機構の構造におけるバルブリフトカーブの設定は、従来のエンジンに対して低作用角側で可変にしたいという要求が大きい。
本可変バルブ駆動装置200によれば、従来のエンジンと同じレイアウトで、可変バルブ駆動機構を有しない仕様のカム形状と、可変バルブ駆動機構を有する仕様のカム形状とを同じ形状にすることができ、生産設備や部品の共通化を促進することができる。
さらに、このように構成される可変バルブ駆動装置200は、可変バルブ駆動機構、所謂、可変バブルタイミング機構が無いカムシャフトと比べ、カム軸線上において、排気カム駒220及び吸気カム駒240と、カムスプロケット211との位置関係は変わらない。よって、可変バルブ駆動機構がない従来の自動二輪車、例えば、スクータのエンジン構造において、カムシャフト部分を可変バルブ駆動装置200に変更するのみで、可変バルブ機能を備えたエンジンとして利用できる。
詳細には、可変バルブ駆動装置200を搭載するために、クランク軸、エンジン本体のシリンダ部及びシリンダヘッド、タイミングギア等のカム軸を駆動するために各部材の寸法、配置位置などを変更することがない。
本実施の形態では、エンジン100は、単気筒SOHC(Single Over Head Camshaft)型のものとしているが、これに限らず、多気筒のSOHC型、DOHC(Double Over Head Camshaft)としてもよい。
本可変バルブ駆動装置200では、図9に示すように、吸気カム駒240により開閉する吸気バルブの閉じ側のタイミングを可変にして、排気カム駒220に対する吸気カム駒240の回転位相差を周期的に変動させるものとしたが、これに限らない。
例えば、可変バルブ駆動装置200において、吸気カム駒240を可変にするに際し、吸気カム駒240により駆動する吸気バルブの閉じタイミングを略固定にして、開きタイミングを可変にしてもよい。この一例を変形例として図10を用いて説明する。
図10は、本発明の一実施の形態に係る可変バルブ駆動装置によるバルブの可変状態の変形例を説明する図である。詳細には、図10(a)は開きタイミングを可変とした場合の吸気バルブのリフトカーブを示し、図10(b)は、図10(a)に示すバルブの加速度カーブを示している。
図10(a)に示すように、開きタイミングを可変として吸気カム駒240によるバルブタイミングを変更することにより、吸気カム駒240の開閉タイミング及びリフトカーブがL4〜L6に変化する。
図10(a)におけるリフトカーブL4は、最大の作用角D4を有しており、このとき、可変バルブ駆動装置200では、カムスプロケット211の軸心(図5に示す軸心E)と、偏心プレートの中心、つまり、偏心中心(図5に示す軸心C)とが略一致している。
このときのバルブの加速度は、図10(b)に示す加速度カーブA4となる。
この加速度カーブA4から判るように、カムスプロケット211の軸心と偏心プレート250の中心とが一致する場合、バルブ開閉の際における加速度の変動幅は0に近くなり、加速度カーブは、開き側と閉じ側、つまり、左右で略対称な形状となる。
また、カムスプロケット211の軸心に対し、偏心プレート250の中心を偏心させると、リフトカーブL5、L6のように変化し、これらリフトカーブL5、L6における加速度カーブもA5、A6と変化する。つまり、図10に示すように、カムスプロケット211に対し、偏心プレート250を偏心させることによって、閉じ側の最大加速度は大きくなり、最小加速度は小さくなり、加速度カーブはひずむ。
このように、カムスプロケット211の軸心と偏心プレートの中心とが一致している場合、バルブの作用角は、最大作用角D4となり、その際のバルブの加速度カーブでは、開き側及び閉じ側でのひずみがない。
よって、吸気カム駒240の作用角が最大であるリフトカーブL4を有するバルブの開閉タイミングであっても、クランク軸130の回転に伴う慣性力の大きな変動幅になることがなく、バルブ開閉により生じる振動は発生しにくい。これにより、エンジンは安定して駆動する。
また、開閉するバルブの加速度カーブA4は、速度の歪みの原因となる負の加速度が0であることから、バルブの運動がカムの規制から外れるジャンピング現象や、バルブがバルブシートリングに着座する際に跳ねるバウンス現象が発生しにくい。
このようなエンジン100に設けられる可変バルブ駆動装置200によれば、クランク軸の最大回転数または、最大回転数付近であるエンジンの高回転時では、偏心プレート250の偏心中心Eの位置はカムシャフト軸心Cに一致する。このため、エンジン高回転時において、偏心プレート250を偏心させることなく、吸気カム駒240を回転駆動して、吸気バルブを開閉駆動できる。
つまり、エンジン100の高回転時において、偏心プレート250が偏心位置で回転駆動しないため、可動カム軸230を介して、吸気カム駒240が、カムスプロケット211に対して回転位相差を持って周期的に変動することがない。これにより、開閉駆動する排気弁または吸気弁の加速度カーブの角速度変動による変化は極めて小さく(変化量が0に近く)なる。
したがって、運動力学的に最も慣性力が大きくなるとともに、ジャンピング現象及びバウンス現象などの問題となる弁挙動が発生しやすいエンジンの高回転時において、低振動で安定した弁挙動を行うことができる。
また、エンジン低中速回転時においては、制御部150は偏心プレート250を適宜移動することによって、カムスプロケット211の軸心C(カムシャフト軸心)から偏心させるため、燃費の向上及び排ガスの低減化が図られた駆動が行われる。このようなエンジン低中速回転時においては、慣性力も小さいため、偏心プレート250の偏心による吸気バルブの加速度変動は問題にならない。
よって、可変バルブ駆動装置200を用いることによって、全エンジン運転領域(すべてのエンジン回転数)において低振動で、安定したバルブ挙動となり、有効出力を最大限発揮できるとともに、燃費及び排ガスの観点からも優れたエンジンとなっている。
また、本可変バルブ駆動装置200では、吸気バルブの作用角を可変させるべく、排気カム駒220に対して、吸気カム駒240の回転位相差を周期的に変動するものとしたが、これに限らない。つまり、吸気カム駒240に対して、排気カム駒220の回転位相差を周期的に変動するものとしてもよい。
この場合、上記可変バルブ駆動装置200は、カムスプロケット211と一体に回転することにより吸気バルブを駆動する吸気カム駒を備えるとともに、可変カム軸230に、排気バルブを駆動する排気カム駒を備えた構成とする。
この構成により、排気バルブの作用角を可変させることで、オーバラップ量を変更することができ、上記と同様の作用効果を有することができる。詳細には、排気バルブの作用角形成の要因となる排気バルブの開きタイミング及び閉じタイミングを、上述した吸気バルブでの開きタイミング及び閉じタイミングの設定と同様に、それぞれ別途に設定することができる。
次に、この可変バルブ駆動装置200を備えるエンジン100が搭載された車両の一例を具体的に説明する。
ここでは、エンジン100を搭載する車両を、スクータ型の自動二輪車として説明するが、これに限らず、エンジン100が搭載される車両であればどのような車両でもよい。
図11は、本発明の一実施の形態に係るエンジンの可変バルブ駆動装置を備える自動二輪車の要部構成を示す概略側面図である。なお、本実施の形態において前、後、左、右とは、上記自動二輪車のシートに着座した状態で見た場合の前、後、左、右を意味する。また、本実施の形態における自動二輪車は、スクータ型二輪車として説明するが、これに限らず、可変バルブ駆動装置200付きの車両であれば、どのような車両でも良い。
図11に示す自動二輪車500は、タンデム型スクータタイプであり、前側でハンドル502を回動自在に支持する車両本体503の後側にタンデムシート504を備える。このタンデムシート504は、下部に配置されたトランクスペース505に対し開閉自在に取り付けられている。このトランクスペース505の下方には、駆動ユニット600が配置されている。
この駆動ユニット600の前端部は、ハンドル502の下方から後方に向けてタンデムシート504の下方まで延びる前側本体503aの後端部に、車幅方向に水平配置されたピボット軸(図示せず)を介して上下に揺動自在に取り付けられている。
また、駆動ユニット600の後端部には、後輪508が車軸510を介して取り付けられ、その後端部と、トランクスペース505の後端部を支持するフレームピボットとの間にはリアサスペンション512が懸架されている。なお、駆動ユニット600の前端部の上部前方には、トランクスペース505の前端部が配置されている。
図12は、図11の駆動ユニットの要部を示す概略平面図である。
図12に示すように、駆動ユニット600では、車両の前側にエンジン100が搭載され、エンジン100の駆動力を、駆動ユニット600の後端部に配置された車軸510に、CVT機構部610を介して回転駆動することによって後輪508を回転させる。
また、エンジン100は、そのシリンダ部106の軸線を略水平にし、且つ、クランク軸130を車幅方向と略平行にして、トランクスペース505の下方で車両前後方向の略中央部分に位置されている。
クランク軸130の他端部側、ここでは、車両の左側の端部には、車両後方に延びるCVT機構部610が配置されている。CVT機構部610は、シリンダ軸と略平行に配置され、クランク軸130に取り付けられるプーリ611と、車軸510に取り付けられるプーリ612と、これらプーリ611、612とに掛け渡されたベルト613と、遠心クラッチ614とを有する。
遠心クラッチ614は、車軸510に取り付けられている。また、この車軸510には、減速ギア615が取り付けられ、プーリ611及びベルト613を介して伝達されるクランク軸130の駆動力を減速する。
モータサイクルでは、排ガス規制問題等により、可変バルブタイミング機構を搭載することが考えられ、特に、スクータ型の車両(以下、「スクータ」という)等においては、車両寸法の制限上、エンジン構造は、より簡略化されることが望ましい。
本実施の形態のエンジン100は、従来エンジン構成におけるカム駆動軸に相当するカム駆動体210と、シリンダ部106の上部に配置される排気及び吸気カム駒220、240との間には、偏心部材に相当する偏心プレート250を配置していない。
エンジン100では、カム駆動体210を挟んで、カム軸線上に、偏心プレート250と、排気及び吸気カム駒220、240とを配置している。
すなわち、カム駆動チェーン133のチェーンライン上に配置されるカムスプロケット211を挟んで、カム軸線上に、偏心プレート250と、排気及び吸気カム駒220、240とが配置されている。
排気及び吸気カム駒220、240は、エンジン構造上、シリンダ部106の上部に、シリンダ軸線CLに沿って配置されるため、従来構成と異なり、シリンダ軸線と、カムチェーンラインは隣り合う位置に配設された構造となっている。
このため、図12に示すように、エンジン100のチェーンラインLは、カムスプロケット211と排気及び吸気カム駒220、240との間に偏心部材が配置された従来構成の場合のチェーンラインLAと比べて、シリンダ軸線CLに接近した位置に配置される。
これにより、チェーンラインLの外側で、チェーンラインLと略平行に配置されるCVT機構610のベルト613ラインは、従来構造の場合より、シリンダ軸線CLに近くなる。
よって、駆動ユニット600自体の横幅が小さくなる。詳細には、駆動ユニット600において、左側端面600aが、チェーンラインLがシリンダ軸線CLに接近する分、従来構成の可変バルブ駆動装置装備のエンジンを搭載した場合の左側側面600bよりも、右側側面に接近する。
つまり、スクータ型の自動二輪車500は、構造上、CVT(Continuously Variable Transmission:無段階変速装置)用のシーブなどクランク軸上においてカム駆動チェーン133より外側に設けられる部品を備える。
このような自動二輪車500に搭載されるエンジン100では、カム軸上において、カム駆動チェーン133のチェーンラインLと、シリンダ軸線CLとの間に可変バルブ駆動のための部材を設けることがない。これにより、クランク軸130上でも、その部材と対応する分のスペースを設ける必要がなく、従来の可変バルブタイミング機構を備えたエンジンと比べて、カムスプロケット211と各カム駒220、240(図1〜図3参照)とが離間しない。
言い換えれば、クランク軸130に対して略直交配置されるカム駆動チェーン133のチェーンラインLが、シリンダ軸線CLから離間することがない。
これにより、自動二輪車500は、可変バルブタイミング機構を搭載しない構造と同様のクランクケース112幅を有するものとなる。
よって、自動二輪車500における十分なバンク角を取ることが出来、車両の運動特性を確保することができる。
さらに、可変バルブ駆動装置200では、偏心プレート250等の偏心機構部分は、排気及び吸気カム駒220、240とカムスプロケット211との間に配置されていない。
このため、エンジン100において、可変バルブ駆動装置200以外の構造は、可変バルブ駆動装置200を備えないエンジンと略同様の構成部材を用いることができる。つまり、エンジン本体部110のシリンダヘッド104から可変バルブ駆動装置200を抜いて、偏心プレート250、可変カム軸230、偏心ボス260及び、ヘッドカバー105を変更するだけで、可変バルブ駆動装置200を備えないエンジンとして用いることができる。
よって、自動二輪車に搭載する場合でも、従来のエンジンに対して大幅に構造を変更する必要は生じることがなく、従来のエンジンと非可変仕様のエンジンでシリンダヘッドなどの主なエンジン構成部品を共通にすることができる。
また、エンジンに、カムスプロケットと、カム軸との間に偏心プレート等の偏心機構が配置されていないため、カムスプロケットがシリンダ軸から離間するために生じるクランクの曲げ強度の低下が低下することがない。
また、カム駆動軸そのものを軸方向に移動させる構造と異なり、簡易な構成でオーバラップ期間を可変することができる。
また、本実施の形態の自動二輪車500においては、エンジン構成を大幅に変更することなく、簡易な構成でカムの作用角を可変して、エンジンにおける高レスポンス、低燃費を実現することができる。また、自動二輪車500は、動力学的に最も慣性力が大きくなるとともに、ジャンピング現象及びバウンス現象などの問題となる弁挙動が発生しやすいエンジン100の高回転時においても、低振動で安定して走行できるものとなっている。
本実施の形態では、エンジン100は、単気筒SOHC(Single Over Head Camshaft)型のものとしているが、これに限らず、多気筒のSOHC型、DOHC(Double Over Head Camshaft)でも適用可能である。
なお、本可変バルブ駆動装置200では、吸気弁の作用角を可変させるべく、排気カム駒220に対して、吸気カム駒240の回転位相差を周期的に変動するものとしたが、これに限らない。つまり、吸気カム駒240に対して、排気カム駒220の回転位相差を周期的に変動するものとしてもよい。この場合、上記可変バルブ駆動装置200において、カムスプロケット211と一体に、回転することにより、吸気弁を駆動する吸気カム駒を設け、可変カム軸230に、排気弁を駆動する排気カム駒を設けた構成とする。この構成により、排気弁の作用角を可変させることで、オーバラップを変更することができ、上記と同様の作用効果を有することができる。
本発明の第1の態様に係る可変バルブ駆動装置は、クランク軸から伝達される駆動力により回転駆動するカム駆動部材と、前記カム駆動部材の駆動によって、前記カム駆動部材の回転軸と同方向の軸を中心に回転するとともに、前記軸が前記回転軸の軸心位置から偏心位置に移動可能に設けられる偏心部材と、前記回転軸と同軸上に配置され、前記偏心部材によって前記回転軸を中心に回転駆動されるとともに、前記偏心部材が前記偏心位置で回転駆動する際に、前記カム駆動部材に対する回転位相差が周期的に変動するカム軸と、前記カム軸によって前記カム軸と同じ回転位相で回転駆動し、排気弁または吸気弁を開閉駆動するカム駒とを備える可変バルブ駆動装置であって、前記クランク軸の回転数を検出する回転数検出部と、前記回転数検出部により検出される前記クランク軸の回転数に応じて、前記偏心部材を移動して、前記カム駆動部材の回転軸に対する前記偏心部材の軸の位置を制御する制御部とを有し、前記制御部は、前記クランク軸の最大回転数または、前記最大回転数付近の回転数において前記偏心部材を移動して、前記偏心部材の軸の位置を前記回転軸の軸心位置に一致させる構成を採る。
この構成によれば、クランク軸の最大回転数または、最大回転数付近の回転数、つまり、搭載されるエンジンの最大回転数または、最大回転数付近の回転数であるエンジン高回転時では、偏心部材の軸の位置は前記回転軸の軸心位置に一致する。このため、エンジンの最大回転数または、最大回転数付近において、偏心部材を偏心させることなく、カム駒を回転駆動して、排気弁または吸気弁を開閉駆動することができる。
つまり、エンジンの最大回転数または、最大回転数付近において、偏心部材が偏心位置で回転駆動しないため、カム軸を介して、カム駒が、カム駆動部材に対して回転位相差を持って周期的に変動することがなく、開閉駆動する排気弁または吸気弁の角速度変動は極めて小さくなる。
したがって、運動力学的に、慣性力に伴い大きな振動が生じ易く、ジャンピング現象及びバウンス現象などの問題となる弁挙動が発生しやすいエンジン高回転時において、低振動で安定した弁挙動を行うことができる。
本発明の第2の態様に係る可変バルブ駆動装置は、クランク軸から伝達される駆動力により回転駆動するカム駆動部材と、前記カム駆動部材の駆動によって、前記カム駆動部材の回転軸と同方向の軸を中心に回転するとともに、前記軸が前記回転軸の軸心位置から偏心位置に移動可能に設けられる偏心部材と、前記回転軸と同軸上に配置され、前記偏心部材によって前記回転軸を中心に回転駆動されるとともに、前記偏心部材が前記偏心位置で回転駆動する際に、前記カム駆動部材に対する回転位相差が周期的に変動するカム軸と、前記カム軸によって前記カム軸と同じ回転位相で回転駆動し、排気弁または吸気弁の作用角を可変にするカム駒とを備える可変バルブ駆動装置であって、前記クランク軸の回転数を検出する回転数検出部と、前記回転数検出部により検出される前記クランク軸の回転数に応じて、前記偏心部材を移動して、前記カム駆動部材の回転軸に対する前記偏心部材の軸の位置を制御する制御部とを有し、前記制御部が、前記偏心部材の軸の位置を前記回転軸の軸心位置と一致させた際に、前記排気弁または吸気弁の作用角は最大となる構成を採る。
この構成によれば、偏心部材の軸の位置が回転軸の軸心位置と一致している状態のときに、排気弁または吸気弁の作用角が最大となる。このため、排気弁または吸気弁が周期的角速度変動のない状態で、且つ、排気弁または吸気弁の最大作用角側でのリフトカーブに基づいてカム駒のカムプロファイルを作成することができる。
つまり、カム駒のカムプロファイルを決定する際に、排気弁または吸気弁が周期的角速度変動のない状態で、且つ、排気弁または吸気弁の低作用角側でのリフトカーブに基づいて決定する場合と比べて、負の曲率半径(凹アール)を発生させることなく、最大弁リフトを大きくとれる。
よって、凸アールを有するように加工する従来のカム加工法を用いて、搭載されるエンジンの最大出力を大きくできるカム駒を設定することができる。これにより、エンジンの回転数に応じて、低振動で安定した弁挙動を行うカム駒のカムプロファイルを設定することができる。
このようにカム駒のカムプロファイルを設定できるため、運動力学的に最も慣性力が大きくなるとともに、ジャンピング現象及びバウンス現象などの問題となる弁挙動が発生しやすいエンジンの最大回転数または、最大回転数付近においても、低振動で安定した弁挙動を行うことができる。
本発明の第3の態様に係る可変バルブ駆動装置は、上記構成において、前記カム駆動部材の回転軸と略平行で、且つ、エンジン側に固定される回転軸を中心に回転することによって、前記偏心部材の軸を、前記カム駆動部材の回転軸に対して同軸位置から偏心位置に移動させる偏心移動部を備え、前記偏心移動部の回転は、前記制御部により制御される構成を採る。
この構成によれば、偏心移動部を、カム駆動部材の回転軸と略平行で、且つ、エンジン側に固定される回転軸を中心に回転させるだけで、偏心部材の軸を、カム駆動部材の回転軸に対して同軸位置から偏心位置に適宜移動させることができる。
本発明の第4の態様に係る可変バルブ駆動装置は、上記構成において、前記偏心移動部は、前記カム駆動部材に対し、前記カム駆動部材の回転軸方向で前記偏心部材を挟んで対向配置され、前記偏心移動部の回転軸は、前記カム駆動部材において前記偏心移動部に対向する部位の外周縁より内側に位置する構成を採る。
この構成によれば、偏心移動部の回転軸は、カム駆動部材において偏心移動部に対向する部位の外周縁より内側に位置する。このため、偏心部材を偏心させる機構が、カム駆動部材において半径方向に位置する外周縁から外方に位置することがなく、可変バルブ駆動装置全体をコンパクトにすることができる。
本発明の第5の態様に係る可変バルブ駆動装置は、上記構成において、前記偏心移動部は、前記カム駆動部材において前記偏心移動部に対向する部位の外周縁より内側に位置する構成を採る。
この構成によれば、偏心移動部が、カム駆動部材において偏心移動部に対向する部位の外周縁より内側に位置するため、偏心移動部が、その回転軸とともに、カム駆動部材において半径方向に位置する外周縁から外方に位置することがない。つまり、カム駆動部材の回転軸方向に、カム駆動部材に重なるように、偏心部材及び偏心移動部が配置されることとなり、可変バルブ駆動装置全体をコンパクトにすることができる。
本発明の第6の態様に係るエンジンは、上記構成の可変バルブ駆動装置を有する構成を採る。
この構成によれば、運動力学的に最も慣性力が大きくなるとともに、ジャンピング現象及びバウンス現象などの問題となる弁挙動が発生しやすいエンジンの最大回転数または、最大回転数付近においても、低振動で安定した駆動を行うことができる。
本発明の第7の態様に係る自動二輪車は、上記構成のエンジンが搭載される構成を採る。
この構成によれば、運動力学的に慣性力に伴い大きな振動が生じやすく、ジャンピング現象及びバウンス現象などの問題となる弁挙動が発生しやすいエンジン高回転時においても、低振動で安定して弁挙動を行うことができる。
本発明に係る可変バルブ駆動装置は、運動力学的に最も慣性力が大きくなるとともに、ジャンピング現象及びバウンス現象などの問題となる弁挙動が発生しやすいエンジン高回転時において、低振動で安定した弁挙動を行うことができ、エンジン及び自動二輪車に搭載するものとして有用である。
本発明の一実施の形態に係る可変バルブ駆動装置を備えたエンジンの要部分解斜視図 同可変バルブ駆動装置を示す要部断面図 同可変バルブ駆動装置の分解斜視図 偏心ボスの分解斜視図 偏心ボスの回転中心と、可変カム駆動軸の軸心と、偏心プレートの軸心との位置関係を示す図 同可変バルブ駆動装置を備えるエンジンの制御部を説明する模式図 本発明の一実施の形態に係る可変バルブ駆動装置においてカム軸に対して偏心プレートの中心を偏心させた状態の駆動ピンと従動ピンの位置関係の一例を示す図 本発明の一実施の形態に係る可変バルブ駆動装置を備えるエンジンにおいてエンジン回転数に対応したバルブの作用角を示す図 本発明の一実施の形態に係る可変バルブ駆動装置によるバルブの可変状態を説明する図 本発明の一実施の形態に係る可変バルブ駆動装置によるバルブの可変状態の変形例を説明する図 本発明の一実施の形態に係るエンジンのバルブ駆動装置を備える自動二輪車の要部構成を示す概略側断面図 図11の駆動ユニットの要部を示す概略平面図
符号の説明
100 エンジン
102 ピストン
104 シリンダヘッド
105 ヘッドカバー
106 シリンダ部
110 エンジン本体部
130 クランク軸
133 カム駆動チェーン
200 可変バルブ駆動装置
210 カム駆動体
211 カムスプロケット
220 排気カム駒
230 可変カム軸
230a 軸部
240 吸気カム駒
250 偏心プレート
258 プレート軸部
260 偏心ボス
262 偏心孔
264 偏心ボス本体部
267 隔室
270 偏心用モータ
500 自動二輪車

Claims (7)

  1. クランク軸から伝達される駆動力により回転駆動するカム駆動部材と、
    前記カム駆動部材の駆動によって、前記カム駆動部材の回転軸と同方向の軸を中心に回転するとともに、前記軸が前記回転軸の軸心位置から偏心位置に移動可能に設けられる偏心部材と、
    前記回転軸と同軸上に配置され、前記偏心部材によって前記回転軸を中心に回転駆動されるとともに、前記偏心部材が前記偏心位置で回転駆動する際に、前記カム駆動部材に対する回転位相差が周期的に変動するカム軸と、
    前記カム軸によって前記カム軸と同じ回転位相で回転駆動し、排気弁または吸気弁を開閉駆動するカム駒とを備える可変バルブ駆動装置であって、
    前記クランク軸の回転数を検出する回転数検出部と、
    前記回転数検出部により検出される前記クランク軸の回転数に応じて、前記偏心部材を移動して、前記カム駆動部材の回転軸に対する前記偏心部材の軸の位置を制御する制御部とを有し、
    前記制御部は、前記クランク軸の最大回転数または、前記最大回転数付近の回転数において前記偏心部材を移動して、前記偏心部材の軸の位置を前記回転軸の軸心位置に一致させることを特徴とする可変バルブ駆動装置。
  2. クランク軸から伝達される駆動力により回転駆動するカム駆動部材と、
    前記カム駆動部材の駆動によって、前記カム駆動部材の回転軸と同方向の軸を中心に回転するとともに、前記軸が前記回転軸の軸心位置から偏心位置に移動可能に設けられる偏心部材と、
    前記回転軸と同軸上に配置され、前記偏心部材によって前記回転軸を中心に回転駆動されるとともに、前記偏心部材が前記偏心位置で回転駆動する際に、前記カム駆動部材に対する回転位相差が周期的に変動するカム軸と、
    前記カム軸によって前記カム軸と同じ回転位相で回転駆動し、排気弁または吸気弁の作用角を可変にするカム駒とを備える可変バルブ駆動装置であって、
    前記クランク軸の回転数を検出する回転数検出部と、
    前記回転数検出部により検出される前記クランク軸の回転数に応じて、前記偏心部材を移動して、前記カム駆動部材の回転軸に対する前記偏心部材の軸の位置を制御する制御部とを有し、
    前記制御部が、前記偏心部材の軸の位置を前記回転軸の軸心位置と一致させた際に、前記排気弁または吸気弁の作用角は最大となることを特徴とする可変バルブ駆動装置。
  3. 前記カム駆動部材の回転軸と略平行で、且つ、エンジン側に固定される回転軸を中心に回転することによって、前記偏心部材の軸を、前記カム駆動部材の回転軸に対して同軸位置から偏心位置に移動させる偏心移動部を備え、
    前記偏心移動部の回転は、前記制御部により制御されることを特徴とする請求項1または2記載の可変バルブ駆動装置。
  4. 前記偏心移動部は、前記カム駆動部材に対し、前記カム駆動部材の回転軸方向で前記偏心部材を挟んで対向配置され、
    前記偏心移動部の回転軸は、前記カム駆動部材において前記偏心移動部に対向する部位の外周縁より内側に位置することを特徴とする請求項3記載の可変バルブ駆動装置。
  5. 前記偏心移動部は、前記カム駆動部材において前記偏心移動部に対向する部位の外周縁より内側に位置することを特徴とする請求項3記載の可変バルブ駆動装置。
  6. 請求項1または2記載の可変バルブ駆動装置を有することを特徴とするエンジン。
  7. 請求項6記載のエンジンが搭載されることを特徴とする自動二輪車。
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