JP2012120958A - 被洗浄物の蒸気洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高価なHFE溶剤液を用いて蒸気洗浄を行いながら、廉価な蒸気洗浄作業を可能にする。即ち、高価なHFE溶剤液を用いて蒸気洗浄を行いながら、HFE溶剤液の消耗を小さなものとし、HFE溶剤液を繰り返し使用し、結果的にはHFE溶剤液を用いた廉価な蒸気洗浄作業を可能とするものである。本発明は環境性能とともに洗浄性能に優れた高価なHFE溶剤液を用いながら廉価な蒸気洗浄を可能にする事が出来るものである。
【解決手段】HFE溶剤液2の上面を、HFE溶剤液2よりも比重が小さいとともに沸点が高い液体にて形成した表面被覆液4により被覆し、この表面被覆液4の上面にHFE溶剤液2を加熱して発生した洗浄蒸気を供給し、この洗浄蒸気を被洗浄物5に凝縮液化して被洗浄物5の蒸気洗浄を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、被洗浄物の蒸気洗浄方法及びその装置に係るもので、被洗浄物の蒸気洗浄に於いて、溶剤ガスの外部への流出を減少し環境に与える影響が少ない安全な蒸気洗浄を可能とするとともに溶剤の消費を減少し廉価な蒸気洗浄を可能にしようとするものである。
特開平6−73580号公報
従来、被洗浄物の蒸気洗浄を行う場合は、特許文献1に示す如く、蒸気洗浄を行う被洗浄物を洗浄槽内に挿入し、この洗浄槽内に洗浄蒸気を導入して蒸気洗浄を行うものである。そして、上記の洗浄蒸気を発生させる溶剤としては、トリクロロエチレン、メチレンクロライド、パークロロエチレン等の塩素系溶剤、HCFC−141b、HCFC−225、HFC、等のフッ素系溶剤が広く用いられてきた。しかしながら、これらの溶剤はオゾン破壊物質として全廃予定であったり、温暖化率が高く今後の使用が制限されているものも多い。また、発癌性物質であったり毒性が強いものも存在する。そこで近年これらの欠点をカバーした代替溶剤として、石油系溶剤、シリコーン系溶剤、テルペン系溶剤、アルコール系溶剤等が用いられている。
そして、上記の代替溶剤は引火点が低いため使用に引火の危険がある。その引火の危険を避けるために高沸点のものを用いたり、安全に使用するためには減圧下で使用せざるを得ないものとなり、設備費が高価で代替溶剤の普及を困難なものとしている。そのため、一部では環境負荷の高い前述の塩素系溶剤、フッ素系溶剤が未だに使用されている事実がある。また、従来の蒸気洗浄方法では使用する溶剤に上述のごとき不都合な課題があるばかりでなく、洗浄作業を行わない待機中の溶剤の蒸発消耗が多いという課題を有している。
そして、フッ素系溶剤ではあるが、前記のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、代替溶剤とは異なる性状の溶剤としてハイドロフルオロエーテル(以下HFEと言う)が知られている。このHFE溶剤は、オゾン破壊係数は0であり、地球温暖化係数も前記のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、代替溶剤に比較し低いとともに不燃性であり、他にも蒸気洗浄に用いる場合に優れた性状を有している。しかしながら、このHFE溶剤は高価なものであって、前記のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、代替溶剤に比較し、約10〜30倍の高価格となっており、従来はコストの面から容易に使用できないものであった。
そこで、本願発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、高価なHFE溶剤を用いて蒸気洗浄を行いながら、廉価な蒸気洗浄作業を可能にするものである。即ち、高価なHFE溶剤を用いて蒸気洗浄を行っても、HFE溶剤の消耗を小さなものとする事が出来れば、HFE溶剤を繰り返し使用する事が可能となり、結果的にはHFE溶剤を用いた廉価な蒸気洗浄作業を可能とするものである。本発明は環境性能とともに洗浄性能に優れた高価なHFE溶剤を用いながら廉価な蒸気洗浄を可能にする事が出来るものである。
本発明は上述の如き課題を解決するため、HFE溶剤液の上面を、HFE溶剤液よりも比重が小さいとともに沸点が高い液体にて形成した表面被覆液により被覆する。この表面被覆液による被覆によって、表面被覆液の蒸発消耗は発生するもののHFE溶剤液の蒸発消耗は発生する事がないか著しく減少させる事ができる。また、この表面被覆液による被覆は、蓋体で被覆する場合に比較して、製作誤差、経年変化による歪み変形等の影響を受ける事が全くなく確実に行う事が可能となる。また、この表面被覆液の上面にHFE溶剤を加熱して発生した洗浄蒸気を供給し、この洗浄蒸気を被洗浄物に凝縮液化して被洗浄物の蒸気洗浄を行うものである。この蒸気洗浄で被洗浄物に凝縮液化したHFE溶剤液は、被洗浄物から表面被覆液の上面に落下するが、表面被覆液との比重差により表面被覆液側からHFE溶剤液側に移動し表面被覆液により被覆される。
また、上記方法発明を実施する装置としては蒸気洗浄槽を形成する。この蒸気洗浄槽は、底部にHFE溶剤液を充填し、このHFE溶剤液の表面を、HFE溶剤液よりも比重が小さいとともに沸点が高い液体にて形成した表面被覆液により被覆する。この表面被覆液の上面を被洗浄物の蒸気洗浄ゾーンとし、この蒸気洗浄ゾーンで被洗浄物と接触し凝縮液化したHFE溶剤液を、表面被覆液の上面に落下させるものである。また、この蒸気洗浄槽に、開閉バルブを介して蒸気発生槽を接続し、この蒸気発生槽の内部に充填したHFE溶剤液を加熱して洗浄蒸気を発生し、この洗浄蒸気を蒸気洗浄槽の蒸気洗浄ゾーンに供給するものである。
また、表面被覆液は、炭化水素系溶剤、テルペン系溶剤、シリコーン系溶剤、親水性溶剤、水、動物性油脂、植物性油脂であって、HFE溶剤液よりも比重が小さく、沸点が高いものを、一種または複数種選択的に用いるものであっても良い。
本発明は上述の如く構成したものであり、HFE溶剤液の上面を、HFE溶剤液よりも比重が小さいとともに沸点が高い液体にて形成した表面被覆液により被覆することにより、表面被覆液の蒸発消耗は発生するもののHFE溶剤液の蒸発消耗は発生する事がないか著しく減少させる事ができる。そのため、蒸気洗浄作業中に於いても、蒸気化したHFE溶剤の蒸発は生じるものの、蒸気洗浄槽の下底に貯留しているHFE溶剤液の蒸発を発生する事がないか著しく減少させる事ができる。また、蒸気洗浄作業を行っていない待機中のHFE溶剤液の蒸発を著しく減少することが可能となる。また、蒸気洗浄で被洗浄物に凝縮液化したHFE溶剤液は、被洗浄物から表面被覆液の上面に落下するが、表面被覆液との比重差により表面被覆液側からHFE溶剤液側に移動し表面被覆液により被覆されるから、凝縮液化液の蒸発も生じる事が殆どない。
また、表面被覆液による被覆は、蓋体で被覆する場合に比較して、製作誤差、経年変化による歪み変形等の影響を受ける事が全くなく確実に行う事が可能となる。そのため、高価なHFE溶剤を用いて蒸気洗浄を行っても、HFE溶剤の消耗を極めて小さなものとする事ができるから、HFE溶剤を繰り返し使用する事が可能となり、結果的にはHFE溶剤を用いた廉価な蒸気洗浄作業を可能とするものである。本発明は環境性能とともに洗浄性能に優れた高価なHFE溶剤を用いながら廉価な蒸気洗浄を可能にする事が出来るものである。
本発明の実施例1を示す断面図。 本発明の実施例2を示す断面図。
本発明の実施例を図1に於いて説明すると、(1)は蒸気洗浄槽で、底部にHFE溶剤液(2)を充填している。このHFE溶剤液(2)はオゾン破壊係数は0であり、地球温暖化係数も前記のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、代替溶剤に比較し低いとともに不燃性であり、他にも蒸気洗浄に用いる場合に優れた性状を有している。そのため、減圧のための耐圧槽を用いなくとも蒸気洗浄等の洗浄作業が可能となる。しかしながら、このHFE溶剤液(2)は高価なものであって、前記のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、代替溶剤に比較し、約10〜30倍の高価格と成っており、従来はコストの面から容易に使用できないものであった。また、このHFE溶剤液(2)は蒸気洗浄槽(1)の底部に配置した冷却コイル(3)により冷却されている。
また、HFE溶剤液(2)の表面を、HFE溶剤液(2)よりも比重が小さいとともに沸点が高い液体にて形成した表面被覆液(4)により被覆する。この被覆は蓋体等の固形物による被覆ではなく、液体による被覆であるため、蓋体による被覆の如く製作誤差、経年変化による歪み等は全く生じる事がなく、HFE溶剤液(2)の表面を確実に被覆する事が可能になるとともにこの被覆によって表面被覆液(4)の蒸発は生じるものの、HFE溶剤液(2)の蒸発は生じる事がないか極めて少量となる。また、この表面被覆液(4)は、炭化水素系溶剤、テルペン系溶剤、シリコーン系溶剤、親水性溶剤、水、動物性油脂、植物性油脂等であって、HFE溶剤液(2)よりも比重が小さく、沸点が高いものを、一種または複数種選択的に用いるものである。そして、炭化水素系溶剤としては、パラフィン系溶剤、エステル系溶剤、ナフテン系溶剤、芳香族系溶剤等を用いる事ができる。また、テルペン系溶剤としてはリモネン油、シリコーン系溶剤としてはシリコーン油、親水性溶剤としては、グリコールエーテル系溶剤、アルコール系溶剤等を用いる事ができる。
そして、その選択は洗浄目的に応じて任意に選択する事が出来るが、例えば表面被覆液(4)に水を選択すれば引火の危険を防止する事が出来るとともに表面被覆液(4)を廉価なものとすることが出来る。しかし、水の蒸発によって被洗浄物(5)の表面に水蒸気が付着するのが好ましくない場合は、表面被覆液(4)として水と動物性油脂または植物性油脂を併用する。水の表面に油脂層を形成する事により水分の蒸発を防止し、被洗浄物(5)への水分の付着を防止する事が出来る。また、表面被覆液(4)の液面にはオーバーフロー管(6)を配置しオーバーフロー槽(7)と接続し、被洗浄物(5)の蒸気洗浄によって被洗浄物(5)から分離した油分等によって液面が上昇した場合は、オーバーフロー槽(7)に流動させ液面を一定に保つものである。
また、蒸気洗浄槽(1)の表面被覆液(4)の上面を被洗浄物(5)の蒸気洗浄ゾーン(8)としている。蒸気洗浄ゾーン(8)への蒸気の供給は、蒸気洗浄槽(1)に隣接して形成した、蒸気発生槽(10)の内部にHFE溶剤液(2)を充填し、このHFE溶剤液(2)を加熱して洗浄蒸気を発生し、この洗浄蒸気を開閉バルブ(11)を介して供給するものである。この蒸気発生槽(10)はHFE溶剤液(2)の内部にヒータ(12)を配置し、HFE溶剤液(2)の上面を発生した蒸気の滞留部(13)とし、この滞留部(13)の上面に仕切枠(14)を配置し、この仕切枠(14)とHFE溶剤液(2)との間に、開閉バルブ(11)を介して蒸気洗浄槽(1)の蒸気洗浄ゾーン(8)に接続している。また、蒸気発生槽(10)の仕切枠(14)の上面には冷却パイプ(15)を巻き回して、蒸気の凝縮ゾーン(16)としている。
また、蒸気洗浄槽(1)のHFE溶剤液(2)は、 制御バルブ(17)、液送ポンプ(18)、濾過器(20)、電磁弁(21)を介して、蒸気洗浄ゾーン(8)の上部に配置したシャワーノズル(22)に接続し、被洗浄物(5)のシャワー洗浄を可能としている。また、蒸気洗浄ゾーン(8)の上部には冷却パイプ(23)を巻き回して蒸気凝縮ゾーン(24)としている。
上述の如く形成したものに於いて被洗浄物(5)の蒸気洗浄を行うには、適宜の上下動機構により被洗浄物(5)を蒸気洗浄槽(1)の蒸気洗浄ゾーン(8)に導入するとともに、液送ポンプ(18)を作動してシャワーノズル(22)から冷却したHFE溶剤液(2)を噴射し、被洗浄物(5)のシャワー洗浄を行う。このシャワー洗浄によってシャワーノズル(22)から噴射され被洗浄物(5)と接触したHFE溶剤液(2)は、表面被覆液(4)の表面に落下するが、表面被覆液(4)はHFE溶剤液(2)よりも比重が小さく、沸点が高いものであるから、比重差により表面被覆液(4)を通過して蒸気洗浄槽(1)の下底のHFE溶剤液(2)側に移動する。従って、シャワーノズル(22)から噴射されたHFE溶剤液(2)は、表面被覆液(4)よりも上方に位置する間だけ、外気と接触し蒸発する可能性があるが、表面被覆液(4)を通過した後は蒸発を生じる事がない。
また、シャワー洗浄を完了し冷却された被洗浄物(5)は蒸気洗浄を行う。この蒸気洗浄は、開閉バルブ(11)を開放する事により蒸気発生槽(10)から洗浄蒸気を蒸気洗浄ゾーン(8)に導入して行う。この洗浄蒸気の導入により、被洗浄物(5)は洗浄蒸気を凝縮液化して蒸気洗浄を行い、凝縮液化液を表面被覆液(4)の表面に落下させる。この落下したHFE溶剤蒸気の凝縮液化液は、前記のシャワー洗浄の場合と同様に、比重差によって表面被覆液(4)を通過して蒸気洗浄槽(1)の下底のHFE溶剤液(2)側に移動する。従って、凝縮液化した凝縮液化液は、表面被覆液(4)よりも上方に位置する間だけ、外気と接触し蒸発する可能性があるが、表面被覆液(4)を通過した後は蒸発を生じる事がない。また、蒸気洗浄を完了した被洗浄物(5)は引き上げられ、蒸気凝縮ゾーン(24)で乾燥された後に蒸気洗浄槽(1)から外部に移送される。また、蒸気凝縮ゾーン(24)で凝縮液化したものも、表面被覆液(4)の表面に落下し比重差により表面被覆液(4)を通過して蒸気洗浄槽(1)の下底のHFE溶剤液(2)側に移動する。尚、上記のシャワー洗浄は本発明の必須の条件ではなく、被洗浄物(5)の洗浄目的に応じて任意に選択されるものであり、被洗浄物(5)の洗浄目的から必要でない場合は、シャワー洗浄を行わず被洗浄物(5)の蒸気洗浄を直接行うものであっても良い。
上記実施例1では、被洗浄物(5)のシャワー洗浄を行うために液送ポンプ(18)、濾過器(20)、シャワーノズル(22)等を備えるものとしたが、他の異なる実施例では図2に示す如く、液送ポンプ(18)、濾過器(20)、シャワーノズル(22)等を備える事なく浸漬洗浄槽(25)を形成し、この浸漬洗浄槽(25)で被洗浄物(5)の一次洗浄を行った後に蒸気洗浄を行うものである。この浸漬洗浄槽(25)で使用する洗浄液(26)は、炭化水素系溶剤、テルペン系溶剤、シリコーン系溶剤、親水性溶剤等の洗浄目的に応じた任意の洗浄液を用いる事ができる。他の構成については実施例1と同一である。
実験例1
HFE溶剤液を容器に収納し、このHFE溶剤液を表面被覆液で被覆した場合と、表面被覆液での被覆を行わず自然蒸発させた場合の、HFE溶剤液の蒸発量とを比較した。
(1) HFE溶剤液
株式会社住友スリーエム 製造の
ノベックHFE7200
分子構造 C47OC25
沸点 76℃
密度 1.430g/cm3
(2) 表面被覆液

分子構造 H2
沸点 100℃
密度 1.0g/cm3
(3) 測定方法
試料 1
250mlのメスシリンダーにHFE7200を100ml収納し、表面被覆液を用 いずに常温(16℃〜20℃)の部屋に放置した。
試料 2
250m1のメスシリンダーにHFE7200を100ml収納し、その表面を表面 被覆液(水50ml)で被覆し常温(16℃〜20℃)の部屋に放置した。
(4) 減少率
HFE溶剤液と表面被覆液(水)との相互溶解度は極めて低く、ほとんど溶け合わず、また水の方がHFE溶剤液よりも密度が小さく、HFE溶剤液の表面を確実に被覆する。この様にHFE溶剤液を表面被覆液(水)でシールした場合、HFE溶剤液の蒸発はおさえられ、被覆をしなかった場合と比較し蒸発量は極めて微少となる。
実験例2
(1) HFE溶剤液
株式会社住友スリーエム 製造の
ノベックHFE7200
分子構造 C47OC25
沸点 76℃
密度 1.430g/cm3
(2) 表面被覆液
炭化水素系溶剤
炭素数11を主成分とするノルマルパラフィン
沸点 207℃
密度 0.745g/cm3
(3) 測定方法
試料 3
ビーカーにHFE7200を81.18g収納し、表面被覆液を用いずに常温
(16℃〜20℃)の部屋に放置した。
試料 4
ビーカーにHFE7200を81.18g収納し、その表面を表面被覆液(炭化水素 系溶剤29.59g)で被覆し常温(16℃〜20℃)の部屋に放置した。
試料4の減少率は、HFE7200と炭化水素系溶剤の合量を分母とした。

HFE溶剤液と表面被覆液(炭化水素系溶剤)との相互溶解は多少生じるものの、炭化水素系溶剤の方がHFE溶剤液よりも密度が小さく、HFE溶剤液の表面を確実に被覆する。この様にHFE溶剤液を表面被覆液(炭化水素系溶剤)でシールした場合、HFE溶剤液の蒸発はおさえられ、被覆をしなかった場合と比較し蒸発量は極めて少量となる。
以上の通り本発明は、HFE溶剤液(2)の上面を、HFE溶剤液(2)よりも比重が小さいとともに沸点が高い液体にて形成した表面被覆液(4)により被覆することにより、HFE溶剤液(2)の蒸発消耗を発生させないか著しく減少させる事ができる。そのため、蒸気洗浄作業中でも蒸気洗浄槽(1)に貯留しているHFE溶剤液(2)の蒸発を発生する事がないか著しく減少させる事ができる。また、蒸気洗浄作業を行っていない待機中のHFE溶剤液(2)の蒸発を極めて微少とすることが可能となる。そのため、高価なHFE溶剤液(2)を用いて蒸気洗浄を行っても、HFE溶剤液(2)の消耗を極めて小さなものとする事ができるから、HFE溶剤液(2)を繰り返し使用する事が可能となり、結果的にはHFE溶剤(2)を用いた廉価な蒸気洗浄作業を可能とするものである。本発明は環境性能とともに洗浄性能に優れた高価なHFE溶剤を用いながら廉価な蒸気洗浄を可能にする事が出来るものである。
1 蒸気洗浄槽
2 HFE溶剤液
4 表面被覆液
5 被洗浄物
8 蒸気洗浄ゾーン
10 蒸気発生槽
11 開閉バルブ
本発明は、被洗浄物の蒸気洗浄装置に係るもので、被洗浄物の蒸気洗浄に於いて、溶剤ガスの外部への流出を減少し環境に与える影響が少ない安全な蒸気洗浄を可能とするとともに溶剤の消費を減少し廉価な蒸気洗浄を可能にしようとするものである。
特開平6−73580号公報
従来、被洗浄物の蒸気洗浄を行う場合は、特許文献1に示す如く、蒸気洗浄を行う被洗
浄物を洗浄槽内に挿入し、この洗浄槽内に洗浄蒸気を導入して蒸気洗浄を行うものである
。そして、上記の洗浄蒸気を発生させる溶剤としては、トリクロロエチレン、メチレンク
ロライド、パークロロエチレン等の塩素系溶剤、HCFC−141b、HCFC−225
、HFC、等のフッ素系溶剤が広く用いられてきた。しかしながら、これらの溶剤はオゾ
ン破壊物質として全廃予定であったり、温暖化率が高く今後の使用が制限されているもの
も多い。また、発癌性物質であったり毒性が強いものも存在する。そこで近年これらの欠
点をカバーした代替溶剤として、石油系溶剤、シリコーン系溶剤、テルペン系溶剤、アル
コール系溶剤等が用いられている。
そして、上記の代替溶剤は引火点が低いため使用に引火の危険がある。その引火の危険
を避けるために高沸点のものを用いたり、安全に使用するためには減圧下で使用せざるを
得ないものとなり、設備費が高価で代替溶剤の普及を困難なものとしている。そのため、
一部では環境負荷の高い前述の塩素系溶剤、フッ素系溶剤が未だに使用されている事実が
ある。また、従来の蒸気洗浄方法では使用する溶剤に上述のごとき不都合な課題があるば
かりでなく、洗浄作業を行わない待機中の溶剤の蒸発消耗が多いという課題を有している
そして、フッ素系溶剤ではあるが、前記のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、代替溶剤とは異
なる性状の溶剤としてハイドロフルオロエーテル(以下HFEと言う)が知られている。こ
のHFE溶剤は、オゾン破壊係数は0であり、地球温暖化係数も前記のフッ素系溶剤、塩
素系溶剤、代替溶剤に比較し低いとともに不燃性であり、他にも蒸気洗浄に用いる場合に
優れた性状を有している。しかしながら、このHFE溶剤は高価なものであって、前記の
フッ素系溶剤、塩素系溶剤、代替溶剤に比較し、約10〜30倍の高価格となっており、
従来はコストの面から容易に使用できないものであった。
そこで、本願発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、高価なHFE溶
剤を用いて蒸気洗浄を行いながら、廉価な蒸気洗浄作業を可能にするものである。即ち、
高価なHFE溶剤を用いて蒸気洗浄を行っても、HFE溶剤の消耗を小さなものとする事
が出来れば、HFE溶剤を繰り返し使用する事が可能となり、結果的にはHFE溶剤を用
いた廉価な蒸気洗浄作業を可能とするものである。本発明は環境性能とともに洗浄性能に
優れた高価なHFE溶剤を用いながら廉価な蒸気洗浄を可能にする事が出来るものである
本発明は上述の如き課題を解決するため、蒸気洗浄槽を形成する。この蒸気洗浄槽は
、底部にHFE溶剤液を充填し、このHFE溶剤液の上面を、HFE溶剤液よりも比重が
小さいとともに沸点が高い液体にて形成した表面被覆液により被覆する。この表面被覆液による被覆によって、表面被覆液の蒸発消耗は発生するもののHFE溶剤液の蒸発消耗は発生する事がないか著しく減少させる事ができる。また、この表面被覆液による被覆は、蓋体で被覆する場合に比較して、製作誤差、経年変化による歪み変形等の影響を受ける事が全くなく確実に行う事が可能となる。この表面被覆液の上面を被洗浄物の蒸気洗浄ゾーンとし、この蒸気洗浄ゾーンで被洗浄物と接触し凝縮液化したHFE溶剤液を、表面被覆液の上面に落下させるが、表面被覆液との比重差により表面被覆液側からHFE溶剤液側に移動し表面被覆液により被覆されるものである。また、この蒸気洗浄槽に、開閉バルブを介して蒸気発生槽を接続し、この蒸気発生槽の内部に充填したHFE溶剤液を加熱して洗浄蒸気を発生し、この洗浄蒸気を蒸気洗浄槽の蒸気洗浄ゾーンに供給するものである。
また、表面被覆液は、炭化水素系溶剤、テルペン系溶剤、シリコーン系溶剤、親水性溶
剤、水、動物性油脂、植物性油脂であって、HFE溶剤液よりも比重が小さく、沸点が高
いものを、一種または複数種選択的に用いるものである。
本発明は上述の如く構成したものであり、HFE溶剤液の上面を、HFE溶剤液よりも
比重が小さいとともに沸点が高い液体にて形成した表面被覆液により被覆することにより
、表面被覆液の蒸発消耗は発生するもののHFE溶剤液の蒸発消耗は発生する事がないか
著しく減少させる事ができる。そのため、蒸気洗浄作業中に於いても、蒸気化したHFE
溶剤の蒸発は生じるものの、蒸気洗浄槽の下底に貯留しているHFE溶剤液の蒸発を発生
する事がないか著しく減少させる事ができる。また、蒸気洗浄作業を行っていない待機中
のHFE溶剤液の蒸発を著しく減少することが可能となる。また、蒸気洗浄で被洗浄物に
凝縮液化したHFE溶剤液は、被洗浄物から表面被覆液の上面に落下するが、表面被覆液
との比重差により表面被覆液側からHFE溶剤液側に移動し表面被覆液により被覆される
から、凝縮液化液の蒸発も生じる事が殆どない。
また、表面被覆液による被覆は、蓋体で被覆する場合に比較して、製作誤差、経年変化
による歪み変形等の影響を受ける事が全くなく確実に行う事が可能となる。そのため、高
価なHFE溶剤を用いて蒸気洗浄を行っても、HFE溶剤の消耗を極めて小さなものとす
る事ができるから、HFE溶剤を繰り返し使用する事が可能となり、結果的にはHFE溶
剤を用いた廉価な蒸気洗浄作業を可能とするものである。本発明は環境性能とともに洗浄
性能に優れた高価なHFE溶剤を用いながら廉価な蒸気洗浄を可能にする事が出来るもの
である。
本発明の実施例1を示す断面図。 本発明の実施例2を示す断面図。
本発明の実施例を図1に於いて説明すると、(1)は蒸気洗浄槽で、底部にHFE溶剤
液(2)を充填している。このHFE溶剤液(2)はオゾン破壊係数は0であり、地球温暖化
係数も前記のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、代替溶剤に比較し低いとともに不燃性であり、
他にも蒸気洗浄に用いる場合に優れた性状を有している。そのため、減圧のための耐圧槽
を用いなくとも蒸気洗浄等の洗浄作業が可能となる。しかしながら、このHFE溶剤液(
2)は高価なものであって、前記のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、代替溶剤に比較し、約1
0〜30倍の高価格と成っており、従来はコストの面から容易に使用できないものであっ
た。また、このHFE溶剤液(2)は蒸気洗浄槽(1)の底部に配置した冷却コイル(3)によ
り冷却されている。
また、HFE溶剤液(2)の表面を、HFE溶剤液(2)よりも比重が小さいとともに沸点
が高い液体にて形成した表面被覆液(4)により被覆する。この被覆は蓋体等の固形物によ
る被覆ではなく、液体による被覆であるため、蓋体による被覆の如く製作誤差、経年変化
による歪み等は全く生じる事がなく、HFE溶剤液(2)の表面を確実に被覆する事が可能
になるとともにこの被覆によって表面被覆液(4)の蒸発は生じるものの、HFE溶剤液(
2)の蒸発は生じる事がないか極めて少量となる。また、この表面被覆液(4)は、炭化水
素系溶剤、テルペン系溶剤、シリコーン系溶剤、親水性溶剤、水、動物性油脂、植物性油
脂等であって、HFE溶剤液(2)よりも比重が小さく、沸点が高いものを、一種または複
数種選択的に用いるものである。そして、炭化水素系溶剤としては、パラフィン系溶剤、
エステル系溶剤、ナフテン系溶剤、芳香族系溶剤等を用いる事ができる。また、テルペン
系溶剤としてはリモネン油、シリコーン系溶剤としてはシリコーン油、親水性溶剤として
は、グリコールエーテル系溶剤、アルコール系溶剤等を用いる事ができる。
そして、その選択は洗浄目的に応じて任意に選択する事が出来るが、例えば表面被覆液
(4)に水を選択すれば引火の危険を防止する事が出来るとともに表面被覆液(4)を廉価な
ものとすることが出来る。しかし、水の蒸発によって被洗浄物(5)の表面に水蒸気が付着
するのが好ましくない場合は、表面被覆液(4)として水と動物性油脂または植物性油脂を
併用する。水の表面に油脂層を形成する事により水分の蒸発を防止し、被洗浄物(5)への
水分の付着を防止する事が出来る。また、表面被覆液(4)の液面にはオーバーフロー管(
6)を配置しオーバーフロー槽(7)と接続し、被洗浄物(5)の蒸気洗浄によって被洗浄物(
5)から分離した油分等によって液面が上昇した場合は、オーバーフロー槽(7)に流動さ
せ液面を一定に保つものである。
また、蒸気洗浄槽(1)の表面被覆液(4)の上面を被洗浄物(5)の蒸気洗浄ゾーン(8)と
している。蒸気洗浄ゾーン(8)への蒸気の供給は、蒸気洗浄槽(1)に隣接して図1、図2に示す如く別個に形成した蒸気発生槽(10)の内部にHFE溶剤液(2)を充填し、このHFE溶剤液(2)を加熱して
洗浄蒸気を発生し、この洗浄蒸気を開閉バルブ(11)を介して供給するものである。この
蒸気発生槽(10)はHFE溶剤液(2)の内部にヒータ(12)を配置し、HFE溶剤液(2)
の上面を発生した蒸気の滞留部(13)とし、この滞留部(13)の上面に仕切枠(14)を配
置し、この仕切枠(14)とHFE溶剤液(2)との間に、開閉バルブ(11)を介して蒸気洗
浄槽(1)の蒸気洗浄ゾーン(8)に接続している。また、蒸気発生槽(10)の仕切枠(14)
の上面には冷却パイプ(15)を巻き回して、蒸気の凝縮ゾーン(16)としている。
また、蒸気洗浄槽(1)のHFE溶剤液(2)は、 制御バルブ(17)、液送ポンプ(18)
、濾過器(20)、電磁弁(21)を介して、蒸気洗浄ゾーン(8)の上部に配置したシャワー
ノズル(22)に接続し、被洗浄物(5)のシャワー洗浄を可能としている。また、蒸気洗浄
ゾーン(8)の上部には冷却パイプ(23)を巻き回して蒸気凝縮ゾーン(24)としている。
上述の如く形成したものに於いて被洗浄物(5)の蒸気洗浄を行うには、適宜の上下動機
構により被洗浄物(5)を蒸気洗浄槽(1)の蒸気洗浄ゾーン(8)に導入するとともに、液送
ポンプ(18)を作動してシャワーノズル(22)から冷却したHFE溶剤液(2)を噴射し、
被洗浄物(5)のシャワー洗浄を行う。このシャワー洗浄によってシャワーノズル(22)か
ら噴射され被洗浄物(5)と接触したHFE溶剤液(2)は、表面被覆液(4)の表面に落下す
るが、表面被覆液(4)はHFE溶剤液(2)よりも比重が小さく、沸点が高いものであるか
ら、比重差により表面被覆液(4)を通過して蒸気洗浄槽(1)の下底のHFE溶剤液(2)側
に移動する。従って、シャワーノズル(22)から噴射されたHFE溶剤液(2)は、表面被
覆液(4)よりも上方に位置する間だけ、外気と接触し蒸発する可能性があるが、表面被覆
液(4)を通過した後は蒸発を生じる事がない。
また、シャワー洗浄を完了し冷却された被洗浄物(5)は蒸気洗浄を行う。この蒸気洗浄
は、開閉バルブ(11)を開放する事により蒸気発生槽(10)から洗浄蒸気を蒸気洗浄ゾー
ン(8)に導入して行う。この洗浄蒸気の導入により、被洗浄物(5)は洗浄蒸気を凝縮液化
して蒸気洗浄を行い、凝縮液化液を表面被覆液(4)の表面に落下させる。この落下したH
FE溶剤蒸気の凝縮液化液は、前記のシャワー洗浄の場合と同様に、比重差によって表面
被覆液(4)を通過して蒸気洗浄槽(1)の下底のHFE溶剤液(2)側に移動する。従って、
凝縮液化した凝縮液化液は、表面被覆液(4)よりも上方に位置する間だけ、外気と接触し
蒸発する可能性があるが、表面被覆液(4)を通過した後は蒸発を生じる事がない。また、
蒸気洗浄を完了した被洗浄物(5)は引き上げられ、蒸気凝縮ゾーン(24)で乾燥された後
に蒸気洗浄槽(1)から外部に移送される。また、蒸気凝縮ゾーン(24)で凝縮液化したも
のも、表面被覆液(4)の表面に落下し比重差により表面被覆液(4)を通過して蒸気洗浄槽
(1)の下底のHFE溶剤液(2)側に移動する。尚、上記のシャワー洗浄は本発明の必須の
条件ではなく、被洗浄物(5)の洗浄目的に応じて任意に選択されるものであり、被洗浄物
(5)の洗浄目的から必要でない場合は、シャワー洗浄を行わず被洗浄物(5)の蒸気洗浄を
直接行うものであっても良い。
上記実施例1では、被洗浄物(5)のシャワー洗浄を行うために液送ポンプ(18)、濾過
器(20)、シャワーノズル(22)等を備えるものとしたが、他の異なる実施例では図2に
示す如く、液送ポンプ(18)、濾過器(20)、シャワーノズル(22)等を備える事なく浸
漬洗浄槽(25)を形成し、この浸漬洗浄槽(25)で被洗浄物(5)の一次洗浄を行った後に
蒸気洗浄を行うものである。この浸漬洗浄槽(25)で使用する洗浄液(26)は、炭化水素
系溶剤、テルペン系溶剤、シリコーン系溶剤、親水性溶剤等の洗浄目的に応じた任意の洗
浄液を用いる事ができる。他の構成については実施例1と同一である。
実験例1
HFE溶剤液を容器に収納し、このHFE溶剤液を表面被覆液で被覆した場合と、表面
被覆液での被覆を行わず自然蒸発させた場合の、HFE溶剤液の蒸発量とを比較した。
(1) HFE溶剤液
株式会社住友スリーエム 製造の
ノベックHFE7200
分子構造 C47OC25
沸点 76℃
密度 1.430g/cm3
(2) 表面被覆液

分子構造 H2
沸点 100℃
密度 1.0g/cm3
(3) 測定方法
試料 1
250mlのメスシリンダーにHFE7200を100ml収納し、表面被覆液を用
いずに常温(16℃〜20℃)の部屋に放置した。
試料 2
250m1のメスシリンダーにHFE7200を100ml収納し、その表面を表面
被覆液(水50ml)で被覆し常温(16℃〜20℃)の部屋に放置した。
(4) 減少率
HFE溶剤液と表面被覆液(水)との相互溶解度は極めて低く、ほとんど溶け合わず、また
水の方がHFE溶剤液よりも密度が小さく、HFE溶剤液の表面を確実に被覆する。この
様にHFE溶剤液を表面被覆液(水)でシールした場合、HFE溶剤液の蒸発はおさえられ
、被覆をしなかった場合と比較し蒸発量は極めて微少となる。
実験例2
(1) HFE溶剤液
株式会社住友スリーエム 製造の
ノベックHFE7200
分子構造 C47OC25
沸点 76℃
密度 1.430g/cm3
(2) 表面被覆液
炭化水素系溶剤
炭素数11を主成分とするノルマルパラフィン
沸点 207℃
密度 0.745g/cm3
(3) 測定方法
試料 3
ビーカーにHFE7200を81.18g収納し、表面被覆液を用いずに常温
(16℃〜20℃)の部屋に放置した。
試料 4
ビーカーにHFE7200を81.18g収納し、その表面を表面被覆液(炭化水素
系溶剤29.59g)で被覆し常温(16℃〜20℃)の部屋に放置した。
試料4の減少率は、HFE7200と炭化水素系溶剤の合量を分母とした。

HFE溶剤液と表面被覆液(炭化水素系溶剤)との相互溶解は多少生じるものの、炭化水素
系溶剤の方がHFE溶剤液よりも密度が小さく、HFE溶剤液の表面を確実に被覆する。
この様にHFE溶剤液を表面被覆液(炭化水素系溶剤)でシールした場合、HFE溶剤液の
蒸発はおさえられ、被覆をしなかった場合と比較し蒸発量は極めて少量となる。
以上の通り本発明は、HFE溶剤液(2)の上面を、HFE溶剤液(2)よりも比重が小さ
いとともに沸点が高い液体にて形成した表面被覆液(4)により被覆することにより、HF
E溶剤液(2)の蒸発消耗を発生させないか著しく減少させる事ができる。そのため、蒸気
洗浄作業中でも蒸気洗浄槽(1)に貯留しているHFE溶剤液(2)の蒸発を発生する事がな
いか著しく減少させる事ができる。また、蒸気洗浄作業を行っていない待機中のHFE溶
剤液(2)の蒸発を極めて微少とすることが可能となる。そのため、高価なHFE溶剤液(
2)を用いて蒸気洗浄を行っても、HFE溶剤液(2)の消耗を極めて小さなものとする事
ができるから、HFE溶剤液(2)を繰り返し使用する事が可能となり、結果的にはHFE
溶剤(2)を用いた廉価な蒸気洗浄作業を可能とするものである。本発明は環境性能ととも
に洗浄性能に優れた高価なHFE溶剤を用いながら廉価な蒸気洗浄を可能にする事が出来
るものである。
1 蒸気洗浄槽
2 HFE溶剤液
4 表面被覆液
5 被洗浄物
8 蒸気洗浄ゾーン
10 蒸気発生槽
11 開閉バルブ


Claims (4)

  1. HFE溶剤液の上面を、HFE溶剤液よりも比重が小さいとともに沸点が高い液体にて形成した表面被覆液により被覆し、この表面被覆液の上面にHFE溶剤を加熱して発生した洗浄蒸気を供給し、この洗浄蒸気を被洗浄物に凝縮液化して被洗浄物の蒸気洗浄を行う事を特徴とする被洗浄物の蒸気洗浄方法。
  2. 底部にHFE溶剤液を充填し、このHFE溶剤液の表面を、HFE溶剤液よりも比重が小さいとともに沸点が高い液体にて形成した表面被覆液により被覆し、この表面被覆液の上面を被洗浄物の蒸気洗浄ゾーンとし、この蒸気洗浄ゾーンで被洗浄物と接触し凝縮液化したHFE溶剤液を、表面被覆液の上面に落下させる蒸気洗浄槽と、内部に充填したHFE溶剤液を加熱して洗浄蒸気を発生し、この洗浄蒸気を開閉バルブを介して蒸気洗浄槽の蒸気洗浄ゾーンに供給する蒸気発生槽とから成ることを特徴とする被洗浄物の蒸気洗浄装置。
  3. 表面被覆液は、炭化水素系溶剤、テルペン系溶剤、シリコーン系溶剤、親水性溶剤、水、動物性油脂、植物性油脂であって、HFE溶剤液よりも比重が小さく、沸点が高いものを、一種または複数種選択的に用いるものである事を特徴とする請求項1の被洗浄物の蒸気洗浄方法。
  4. 表面被覆液は、炭化水素系溶剤、テルペン系溶剤、シリコーン系溶剤、親水性溶剤、水、動物性油脂、植物性油脂であって、HFE溶剤液よりも比重が小さく、沸点が高いものを、一種または複数種選択的に用いるものである事を特徴とする請求項2の被洗浄物の蒸気洗浄装置。
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