JP2020093211A - 密閉型洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
Description
被洗浄物の洗浄に用いられる密閉容器と、
前記密閉容器内に形成される浸漬洗浄領域、蒸気洗浄領域および乾燥領域の各領域と、
前記被洗浄物を前記各領域に移動させる移動機構部と、
前記移動機構部による前記被洗浄物の移動を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記被洗浄物が前記各領域の間を移動する際の移動速度を領域間毎に個別に設定可能に構成されている
密閉型洗浄装置が提供される。
まず、本発明の一実施形態に係る密閉型洗浄装置の構成例について説明する。
図1は、本実施形態に係る密閉型洗浄装置の概略構成例を模式的に示す説明図である。
本実施形態で例に挙げて説明する密閉型洗浄装置100は、洗浄液を用いた被洗浄物の洗浄を密閉空間内で行うように構成されたものである。洗浄液としては、例えば、臭素系洗浄液、塩素系洗浄液またはフッ素系洗浄液等の低沸点洗浄液が用いられる。また、被洗浄物としては、例えば、電子部品または機械部品等をはじめとした種々の部品が対象となり得る。被洗浄物については、洗浄液を用いた洗浄により、例えば、脱脂(油脂、フラックス、ワックス等の有機物の排除)と無機物(砂、石、金属粉等)の排除とが行われることになる。なお、被洗浄物は、専用のバスケット1に収容された状態で移送および洗浄が行われるものとする。
密閉容器10は、内部で被洗浄物の洗浄と乾燥が行われるものであり、上部が開口し底部が有底の略筒体状に形成されている。容器上部の開口は、被洗浄物を収容したバスケット1を出し入れ可能な大きさに形成されている。また、容器上部の開口は、詳細を後述する蓋体60によって封止され、これにより密閉容器10の内部に密閉空間が形成されるようになっている。つまり、密閉容器10は、開口を覆う蓋体60を有した密閉構造タイプのものである。なお、密閉容器10の開口は、容器上部ではなく、容器側部に配されていてもよい。
浸漬洗浄領域Z1は、被洗浄物を洗浄液2に浸漬して液体洗浄(一次洗浄)するための領域である。このような浸漬洗浄領域Z1を形成するために、密閉容器10は、内部下方に液体洗浄槽11を有しており、その液体洗浄槽11に洗浄液2が貯留されている。つまり、密閉容器10内では、洗浄液2を貯留する液体洗浄槽11によって、浸漬洗浄領域Z1が形成されている。
液体洗浄槽11の底部側には、超音波振動子12が設置されており、その超音波振動子12を振動させて洗浄液2を攪拌し得るようになっている。そのため、浸漬洗浄領域Z1では、超音波振動子12によって洗浄効率が飛躍的に向上するので、洗浄時間を大幅に短縮することができる。
なお、液体洗浄槽11には、詳細を後述する洗浄液濾過器20が接続されている。
蒸気洗浄領域Z2は、浸漬洗浄領域Z1の上方側に形成される領域であり、被洗浄物に洗浄用蒸気を吹き付けて当該被洗浄物を洗浄(二次洗浄)するための領域である。このような蒸気洗浄領域Z2を形成するために、密閉容器10は、液体洗浄槽11の上方に蒸気洗浄槽13を有しているとともに、液体洗浄槽11の側方に隔壁を介して形成された蒸気発生槽14を有している。
蒸気発生槽14には、洗浄液2が貯留されているとともに、その洗浄液2を加熱して洗浄用蒸気を生成するためのヒータ15が設けられている。本実施形態では、ヒータ15として加熱コイルが設けられるが、抵抗加熱式のヒータを設けてもよい。加熱コイルは、冷却器30の冷凍サイクル(図示せず)に凝縮器として接続されている。冷却器30には、後述するように、蒸発器としての冷却コイル17が接続されている。したがって、冷凍サイクルに加熱コイルと冷却コイル17とを接続すると、冷却器30の効率よい運用が可能となる。
また、蒸気発生槽14は、ヒータ15の加熱によって生成された洗浄用蒸気を蒸気洗浄槽13に導入させるための配管(以下、洗浄用蒸気供給管ともいう。)14aを介して、密閉容器10内と連通している。なお、この配管14aは、液体洗浄槽11から溢れた洗浄液2を回収するための溢流口14bとしても機能するようになっている。
このような構成により、蒸気発生槽14から発生した洗浄用蒸気は、蒸気洗浄槽13に導入されて滞留する。つまり、密閉容器10内では、蒸気発生槽14から発生した洗浄用蒸気の蒸気洗浄槽13での滞留によって、その蒸気洗浄槽13に蒸気洗浄領域Z2が形成されることになる。
乾燥領域Z3は、蒸気洗浄領域Z2の上方側に形成される領域であり、洗浄用蒸気を冷却して凝縮させ、密閉容器10内の雰囲気を乾燥させることにより、被洗浄物を乾燥させるための領域である。このような乾燥領域Z3を形成するために、密閉容器10は、内部上方に乾燥槽16を有するとともに、その乾燥槽16の内壁に沿って巻回された冷却コイル17を有している。冷却コイル17は、詳細を後述する冷却器30に接続されている。
このような構成により、蒸気洗浄領域Z2に滞留する洗浄用蒸気は、冷却コイル17の設置箇所まで上昇すると、その冷却コイル17によって冷却されて凝縮する。そのため、蒸気洗浄領域Z2の上端となる蒸気ラインLよりも上方側は、洗浄用蒸気が浸入することなく、乾燥雰囲気の領域となる。つまり、密閉容器10内では、冷却コイル17の冷却によって、蒸気洗浄領域Z2の上方側に乾燥領域Z3が形成されることになる。
なお、冷却コイル17の下方には、凝縮液受け16aが設置されている。凝縮液受け16aは、詳細を後述する水分離器40に接続されている。
洗浄液濾過器20は、液体洗浄槽11に貯留される洗浄液2を濾過して再生使用するためのものである。そのために、洗浄液濾過器20は、液体洗浄槽11の底部に図示せぬドレンバルブを介して接続された配管上にストレーナ21、ポンプ22、フィルタ23および図示せぬ逆止弁を備えている。そして、濾過後の洗浄液2を液体洗浄槽11内に戻すように構成されている。
冷却器30は、冷却コイル17を構成するパイプ材の管内に冷媒を流して乾燥領域Z3を冷却するためのものである。なお、冷却器30は、冷却のための冷凍サイクル(熱力学サイクル)を実現するものであればよく、公知技術を利用して構成されたものを用いることができる。
水分離器40は、凝縮液受け16aに溜まった凝縮液を洗浄液2と水3とを分離し、分離した洗浄液2を液体洗浄槽11に戻すものである。凝縮液受け16aに捕集された凝縮液の排出口部41は、排出管42、導入口部43を介して水分離器40に接続される。水分離器40は、本体である密閉槽44と、密閉槽44内に上下方向に蛇行する流路45を形成することにより、比重差によって洗浄液2と水3とに分離する複数のバッフル板46)と、から構成されている。水分離器40の洗浄液2の排出口部47は、排出管48を介して下流側の液体洗浄槽11に接続されている。
アキュムレータ50は、ガス給排管51により密閉容器10と連通されており、その密閉容器10に溜まるガスを密閉容器10の内外に出し入れすることにより、密閉容器10内の圧力変動を吸収するためのものである。ここでガスとは、大気や洗浄液2が気化したガスである。圧力変動を吸収するために、アキュムレータ50は、浮き屋根式貯蔵タンクで構成され、下容器52と、可動体53と、カウンタウェイト54と、を有して構成されている。
下容器52は、上部が開口しているとともに、ガスと反応しない水等の不活性液体4を下部に貯留している。下容器52の外壁部には、水位レベル計55が設けられており、下容器52内の不活性液体4の水位レベルを外側から感知できるようになっている。また、下容器52には、不活性液体4を排出するドレンパイプ56aおよび開閉バルブ56bが接続されている。
可動体53は、有蓋無底容器状に形成されており、下容器52の開口から嵌め込まれ、当該開口を覆うように配置されて、無底側が不活性液体4に潜入されている。これにより、可動体53は、当該可動体53内の空間に溜まったガス5により、不活性液体4上に浮上支持される。なお、可動体53内の空間は、ガス給排管51と連通しており、密閉容器10との間でガスが出し入れされるようになっている。
可動体53とカウンタウェイト54とを連結する連結体57は、下容器52の開口上端部に載置された板状体52aの上面に設けられた回転体58に引っ掛けられて、一端部は可動体53に取り付けられ、他端部はカウンタウェイト54に取り付けられている。このように、可動体53とカウンタウェイト54は、回転体58に案内される連結体57によって連結されている。回転体58は、例えば、滑車が好ましく、連結体57は、ワイヤやロープが好ましい。
なお、可動体53またはカウンタウェイト54の少なくとも一方には、これらの重量バランスを調整する調整用部材59が取り付けられていてもよい。調整用部材59は、例えば、円柱形状や直方体形状に形成されており、取り付ける調整用部材59の個数により、重量バランスを調整することができる。
蓋体60は、密閉容器10の開口(すなわち、後述の図2に示す被洗浄物を搬入出するための搬入出口10a)を封止して、密閉容器10の内部に密閉空間を形成するためのものである。そのために、蓋体60には、蓋体60と接する搬入出口10aの周囲に沿って気密部材60aが設けられている。気密部材60aとしては、例えば、ゴム等の弾性材料で形成されたOリングが好ましい。
図2は、本実施形態に係る密閉型洗浄装置100における蓋体60、第一の移動機構61および第二の移動機構62の構成例を模式的に示す説明図である。
また図1において、移動機構部70は、密閉容器10の内外に被洗浄物を移動させるとともに、密閉容器10内において被洗浄物を浸漬洗浄領域Z1、蒸気洗浄領域Z2および乾燥領域Z3の各領域に移動させるためのものである。そのために、移動機構部70は、被洗浄物を収容するバスケット1を支持するアーム71と、アーム71を上下方向に移動させる送りねじ等の送り機構72と、送り機構72を動作させる駆動源73と、を備えて構成されている。送り機構72の動作によるアーム71の昇降ストロークは、各領域Z1〜Z3にバスケット1を移動させて配置させることができるよう、各領域Z1〜Z3の位置に基づいて決定されている。また、送り機構72を動作させる駆動源73としては、例えば、電動モータを用いる。電動モータとしては、例えば、ステッピングモータ、ブレーキ付きインダクションモータ、ブレーキ付きリバーシブルモータ等が挙げられるが、特に、動作位置や速度等の制御性に優れたサーボモータを用いることが好ましい。
制御部80は、液体洗浄槽11の超音波振動子12、蒸気発生槽14のヒータ15、移動機構部70の駆動源73、冷却器30、エアシリンダ等について、これらの動作を制御するためのものである。このような制御部80は、所定の制御プログラムを実行するコンピュータ、または、これに準ずる機能を有したもの(例えば、プログラマブルロジックコントローラ)を用いて構成することができる。つまり、制御部80は、コンピュータとしてのハードウエア資源を備えており、所定の制御プログラムを実行することで、その制御プログラム(ソフトウエア)とハードウエア資源とが協働して、密閉型洗浄装置100における各部の動作制御を行うように構成されたものである。
図3は、本実施形態に係る密閉型洗浄装置100における制御部80の機能構成例を示すブロック図である。
制御部80は、少なくとも、動作指示部81、位置認識部82、メモリ部83および操作部84としての機能を有している。
動作指示部81は、移動機構部70の駆動源73に動作指示を与える機能である。動作指示部81からの指示に従って動作することで、駆動源73は、移動機構部70のアーム71に支持されるバスケット1を昇降させるようになっている。
位置認識部82は、駆動源73の動作に関する情報に基づいて、その駆動源73によるバスケット1の動作位置を認識する機能である。
メモリ部83は、動作指示部81が駆動源73に動作指示を与える上で必要となる情報を記憶保持する機能である。メモリ部83が記憶保持する情報には、例えば、駆動源73がバスケット1を昇降させる際の移動速度に関する情報が含まれている。
操作部84は、必要に応じて密閉型洗浄装置100の利用者が操作するための機能である。操作部84で行う操作には、例えば、メモリ部83が記憶保持する情報の設定操作が含まれている。
以上に説明したように、密閉型洗浄装置100は、大別すると、密閉容器10と、洗浄液濾過器20と、冷却器30と、水分離器40と、アキュムレータ50と、蓋体60と、移動機構部70と、制御部80と、を備えている。そして、これらのうち、少なくともアキュムレータ50を除く各部10〜40,60〜80は、密閉型洗浄装置100の筐体内に収納されている。ただし、必ずしもこのような構成に限定されることはなく、例えば、制御部80は、密閉型洗浄装置100と通信可能であれば、当該密閉型洗浄装置100とは離れて設置されていてもよい。
次に、上述した構成の密閉型洗浄装置100における処理動作例について説明する。
ここで、まず、密閉型洗浄装置100における基本的な処理動作例について説明する。
図4は、本実施形態に係る密閉型洗浄装置100における基本的な処理動作例の手順を示すフロー図である。
準備工程(S101)では、密閉容器10内における液体洗浄槽11および蒸気発生槽14に洗浄液2を貯留する。さらに、冷却器30を作動させ、冷却コイル17を冷却するとともに、ヒータ15を加熱する。
すると、液体洗浄槽11内には、浸漬洗浄領域Z1が形成される。
また、冷却コイル17によって密閉容器10内における乾燥槽16の部分の雰囲気が冷却されて、当該雰囲気の冷却および凝集により、乾燥槽16内に乾燥領域Z3が形成される。
また、ヒータ15の加熱によって蒸気発生槽14から洗浄用蒸気が発生し、洗浄用蒸気供給管14aを介して蒸気洗浄槽13内に導入される。ただし、乾燥領域Z3は冷却コイル17により冷却されている。そのため、洗浄用蒸気は蒸気洗浄槽13に滞留し、これにより浸漬洗浄領域Z1と乾燥領域Z3との間に蒸気洗浄領域Z2が形成される。さらには、乾燥領域Z3と蒸気洗浄領域Z2との間に、蒸気ラインLが形成される。蒸気ラインLが形成されると、乾燥領域Z3での冷却、凝縮が安定し、密閉容器10の密閉性が安定する。なお、洗浄用蒸気の温度は、蒸気発生槽14から洗浄用蒸気が連続的に供給されることで、洗浄液の沸点に保持される。
その後に行う一次洗浄工程(S102)では、移動機構部70がバスケット1を下降させ、液体洗浄槽11内の洗浄液2まで到達させる。これにより、バスケット1に収容された被洗浄物が液体洗浄槽内の洗浄液2に浸漬される。そして、被洗浄物が洗浄液2に浸漬している状態で、超音波振動子12を動作させて、その被洗浄物に対する液体洗浄を行う。つまり、浸漬洗浄領域Z1において、被洗浄物に対する一次洗浄を行う。このとき、液体洗浄槽11の洗浄液2は、超音波振動子12により攪拌されるので、短時間で一次洗浄を終了させることができる。なお、液体洗浄槽11内の洗浄液2については、洗浄液濾過器20を利用して濾過することで、清浄な状態を維持することができる。
一次洗浄の終了後、続いて行う二次洗浄工程(S103)では、移動機構部70によりバスケット1を蒸気洗浄領域Z2まで上昇させて、そのバスケット1に収容された被洗浄物に対する蒸気洗浄を行う。つまり、蒸気洗浄領域Z2において、被洗浄物に対する二次洗浄を行う。二次洗浄では、洗浄用蒸気を吹き付けて被洗浄物を洗浄する。洗浄用蒸気としては、蒸気発生槽14から発生した洗浄液2の蒸気が用いられる。
二次洗浄の終了後、続いて行う乾燥工程(S104)では、移動機構部70によりバスケット1を乾燥領域Z3まで上昇させて、そのバスケット1に収容された被洗浄物を乾燥させる。つまり、乾燥領域Z3において、被洗浄物の乾燥を行う。乾燥領域Z3では、被洗浄物の表面に付着している洗浄液等の液分が、バスケット1や被洗浄物等に蓄積されている蓄熱によって蒸発する。そして、蒸発した液分が拡散して、冷却コイル17の表面または乾燥槽16内の側壁内面で凝縮液となって凝縮液受け16aに捕集される。
ところで、上述した準備工程(S101)においては、洗浄液2が加温されたり、蓋体60が開閉されたりするため、密閉容器10の乾燥槽16内のガス圧が変動することになる。また、上述した一次洗浄工程(S102)においては、水分離器40から洗浄液2が供給され、その供給量が変動するため、密閉容器10の乾燥槽16内のガス圧が絶えず変動することになる。また、上述した二次洗浄工程(S103)においては、蒸気発生槽14から密閉容器10内への蒸気供給が継続するため、密閉容器10内の蒸気量が変動し、冷却コイル17により蒸気の上昇を抑えている密閉容器10の乾燥槽16では、その乾燥槽16内のガス圧が絶えず変動することになる。また、上述した乾燥工程(S104)においては、乾燥槽16内の冷却コイル17によりガスが凝縮されるので、密閉容器10内のガス圧が絶えず変動することになる。このように、上述した一次洗浄工程(S102)、二次洗浄工程(S103)および乾燥工程(S104)を行う過程において、密閉容器10では、内圧が絶えず変動している。
なお、調整用部材59が取り付けられている場合には、その調整用部材59によって可動体53とカウンタウェイト54との重量バランスを調整することができる。重量バランスを調整すれば、可動体53が上下動する際の反応性を必要に応じて可変させる、といったことが実現可能となる。
乾燥工程(S104)の終了後、続いて行う取出し工程(S105)では、蓋体押圧部65による蓋体60への押圧力を解除する。これにより、蓋体60は、第二の移動機構62によって付勢され、搬入出口10aに対して非密着状態となる。そして、非密着状態の蓋体60を第一の移動機構61によりスライド方向に干渉することなく移動させて、搬入出口10aが開放された状態とする。このように、蓋体60を開状態として搬入出口10aを開放すれば、その搬入出口10aを通じて、バスケット1に収容された洗浄済みの被洗浄物を外部へ搬出することが可能となる。
次に、密閉型洗浄装置100が上述した一連の処理動作を行う場合に、制御部80が被洗浄物の移動を制御する際の処理動作例について、さらに詳しく説明する。
図5は、本実施形態に係る密閉型洗浄装置100の制御部80が被洗浄物の移動を制御する際の処理動作例の手順を示すフロー図である。
ところで、上述した一連の制御処理動作例において、動作指示部81は、メモリ部83から読み出した情報によって特定される移動速度で動作するように、駆動源73への動作指示を与える。このとき、メモリ部83には、基準位置から浸漬洗浄領域Z1までの間、浸漬洗浄領域Z1から蒸気洗浄領域Z2までの間、蒸気洗浄領域Z2から乾燥領域Z3までの間、乾燥領域Z3から基準位置までの間のそれぞれにつき、個別に移動速度に関する情報を記憶保持しておくことが考えられる。また、メモリ部83が記憶保持する情報については、操作部84の操作を通じて適宜設定することが可能である。したがって、メモリ部83が個別の情報記憶に対応していれば、制御部80は、被洗浄物を収容するバスケット1が各領域Z1〜Z3の間(基準位置との間も含む。以下同様とする。)を移動する際の移動速度を、各領域Z1〜Z3の間毎に個別に設定可能に構成されることになる。なお、ここでいう移動速度とは、加減速期間を除く定常状態での速度のことをいう。
本実施形態によれば、以下に述べる一つまたは複数の効果を奏する。
次に、本発明の他の実施形態に係る密閉型洗浄装置を説明する。ただし、ここでは、主に上述した実施形態の場合との相違点について説明する。
図6は、他の実施形態に係る密閉型洗浄装置の要部構成例を模式的に示す説明図である。
このような構成の密閉型洗浄装置100では、以下に述べる処理動作を行うことが可能となる。
本実施形態によれば、以下に述べる一つまたは複数の効果を奏する。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
本発明の一態様によれば、
被洗浄物の洗浄に用いられる密閉容器と、
前記密閉容器内に形成される浸漬洗浄領域、蒸気洗浄領域および乾燥領域の各領域と、
前記被洗浄物を前記各領域に移動させる移動機構部と、
前記移動機構部による前記被洗浄物の移動を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記被洗浄物が前記各領域の間を移動する際の移動速度を領域間毎に個別に設定可能に構成されている
密閉型洗浄装置が提供される。
好ましくは、
前記制御部は、前記蒸気洗浄領域から前記乾燥領域への移動速度を、他の領域間の移動速度に比べて速く設定するように構成されている
付記1に記載の密閉型洗浄装置が提供される。
好ましくは、
前記移動機構部は、前記被洗浄物の移動のための駆動源としてのモータを有する
付記1または2に記載の密閉型洗浄装置が提供される。
好ましくは、
前記モータは、前記密閉容器内の空間とは隔絶された別空間に配置されている
付記3に記載の密閉型洗浄装置が提供される。
好ましくは、
前記密閉容器内の空間に洗浄液をシャワー状に噴出する洗浄液噴出部
を備える付記1から4のいずれか1つに記載の密閉型洗浄装置が提供される。
好ましくは、
前記洗浄液噴出部は、前記密閉容器内における前記被洗浄物に向けて前記洗浄液を噴出するように構成されている
付記5に記載の密閉型洗浄装置が提供される。
好ましくは、
前記洗浄液噴出部は、前記密閉容器の内壁面に向けて前記洗浄液を噴出するように構成されている
付記5に記載の密閉型洗浄装置が提供される。
好ましくは、
前記蒸気洗浄領域に前記被洗浄物を移動させて行う洗浄処理と、前記洗浄液噴出部が噴出する洗浄液による洗浄処理とを、選択的に行うように構成されている
付記5から7のいずれか1つに記載の密閉型洗浄装置が提供される。
好ましくは、
前記密閉容器と連通して当該密閉容器内の圧力変動を吸収するアキュムレータを備え、
前記アキュムレータは、前記密閉容器内の圧力変動に応じて可動する可動体と、前記可動体と連動するカウンタウェイトと、を有し、
前記カウンタウェイトは、前記可動体と平衡状態を保つ重さを有している、
付記1から8のいずれか1つに記載の密閉型洗浄装置が提供される。
好ましくは、
前記可動体と前記カウンタウェイトとの重量バランスを調整する調整用部材を有する、
付記9に記載の密閉型洗浄装置が提供される。
好ましくは、
前記可動体と前記カウンタウェイトとが、回転体に案内される連結体によって連結されており、
前記可動体と前記カウンタウェイトは、それぞれ互いに連動して反対方向に動くように構成されている、
付記9または10に記載の密閉型洗浄装置が提供される。
好ましくは、
前記可動体は、有蓋無底容器状に形成されており、無底側を不活性液体に潜入させた状態で容器内の空間により前記不活性液体上に浮上支持されるように構成されている、
付記9から11のいずれか1つに記載の密閉型洗浄装置が提供される。
好ましくは、
前記密閉容器は、開閉可能な蓋体を有し、
前記蓋体は、当該蓋体を第一の方向に移動させる第一の移動機構と、前記第一の方向に直交する第二の方向に移動させる第二の移動機構と、によって支持されている、
付記9から12のいずれか1つに記載の密閉型洗浄装置が提供される。
好ましくは、
前記第二の移動機構は、前記蓋体の取手と一体で構成されている、
付記13に記載の密閉型洗浄装置が提供される。
Claims (8)
- 被洗浄物の洗浄に用いられる密閉容器と、
前記密閉容器内に形成される浸漬洗浄領域、蒸気洗浄領域および乾燥領域の各領域と、
前記被洗浄物を前記各領域に移動させる移動機構部と、
前記移動機構部による前記被洗浄物の移動を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記被洗浄物が前記各領域の間を移動する際の移動速度を領域間毎に個別に設定可能に構成されている
密閉型洗浄装置。 - 前記制御部は、前記蒸気洗浄領域から前記乾燥領域への移動速度を、他の領域間の移動速度に比べて速く設定するように構成されている
請求項1に記載の密閉型洗浄装置。 - 前記移動機構部は、前記被洗浄物の移動のための駆動源としてのモータを有する
請求項1または2に記載の密閉型洗浄装置。 - 前記モータは、前記密閉容器内の空間とは隔絶された別空間に配置されている
請求項3に記載の密閉型洗浄装置。 - 前記密閉容器内の空間に洗浄液をシャワー状に噴出する洗浄液噴出部
を備える請求項1から4のいずれか1項に記載の密閉型洗浄装置。 - 前記洗浄液噴出部は、前記密閉容器内における前記被洗浄物に向けて前記洗浄液を噴出するように構成されている
請求項5に記載の密閉型洗浄装置。 - 前記洗浄液噴出部は、前記密閉容器の内壁面に向けて前記洗浄液を噴出するように構成されている
請求項5に記載の密閉型洗浄装置。 - 前記蒸気洗浄領域に前記被洗浄物を移動させて行う洗浄処理と、前記洗浄液噴出部が噴出する洗浄液による洗浄処理とを、選択的に行うように構成されている
請求項5から7のいずれか1項に記載の密閉型洗浄装置。
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