JP2015085222A - 物品の洗浄方法および洗浄システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】物品の洗浄方法は、被洗浄物を洗浄剤により洗浄する洗浄工程S1と、洗浄剤で洗浄された被洗浄物を、水と極性溶媒との混合液体に浸漬して、被洗浄物から洗浄剤成分を除去する混合液体リンス工程S3と、洗浄剤成分が除去された被洗浄物を、極性溶媒と非極性溶媒とを混合して形成した濯ぎ液に浸漬して、被洗浄物の濯ぎを行う濯ぎ工程S4と、濯ぎ液から被洗浄物を取り出し、被洗浄物に付着した濯ぎ液を揮発乾燥させる乾燥工程S5と、を備える方法とする。
【選択図】図4
Description
このような水切り性能に優れた液剤として、非極性溶媒であるハイドロフルオロエーテル(HFE)と極性溶媒であるアルコール類との混合液が知られている。このような混合液は、被洗浄物に密着して非極性溶媒では水切りできない少量の水分がアルコール類に溶解して分離されるため、優れた水切り性能を有する。
しかし、HFEに混合できるアルコール類の量は少ないため、大量の水を水切りする場合には、濯ぎ工程に長時間を要してしまう。また混合液は頻繁に再生または交換する必要があるためランニングコストが高く付いてしまう。
特許文献1には、このような水切り用の混合液の劣化を抑制するため、混合液で水切りを行う前に、HFE単体で水の粗取りを行って、被洗浄物に付着する水分を減らしてから、HFEとアルコール類の混合液による本水切りを行う水切り乾燥システムが提案されている。
特許文献1に記載の技術によれば、水切り用の混合液の寿命を延ばすことはできるものの、HFE単体の貯留槽やHFE単体からの水分離槽などを、混合液の貯留槽、水分離槽とは別に設ける必要があるため、装置構成が大がかりになるという問題がある。
また、HFEの使用量の増大に伴う揮発ロスも増大して、ランニングコストが増えてしまうという問題がある。
また、水切り用の混合液の寿命が延びるとはいえ、安定した水切り性能を維持するには、混合液のアルコール類の濃度管理をきめ細かく行う必要があるため、装置の運転に手間がかかるという問題もある。
本発明の第1の実施形態の物品の洗浄方法および洗浄システムについて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の洗浄システムの一部の構成を示す模式的な構成図である。図2は、本発明の第1の実施形態の洗浄システムの混合液体リンス装置の構成を示す模式的な構成図である。図3は、本発明の第1の実施形態の洗浄システムの濯ぎ乾燥装置の構成を示す模式的な構成図である。
洗浄システム1で洗浄する被洗浄物8(図1参照、物品)の種類は特に限定されない。例えば、表面の水分が蒸発する際に乾燥シミが現れやすい素材、例えばガラスなどからなる物品や、表面張力によって表面に水分が残存しやすい材質や形状を有する物品も、被洗浄物8として好適である。
洗浄システム1の概略構成は、図1に示す搬送装置6、洗浄装置2、およびリンス装置4と、図2に示す混合液体リンス装置10と、図3に示す濯ぎ乾燥装置15とを備える。
搬送カゴ7としては、被洗浄物8を収容して、被洗浄物8の近傍に液体を流通させる空孔などを有する適宜の容器、枠体、籠体、網状体などを採用することができる。
ワーク保持部6aは、図示略の駆動制御部によって移動動作が制御されることにより、洗浄装置2、リンス装置4、混合液体リンス装置10、および濯ぎ乾燥装置15の順に間欠的に移動することができる。それぞれの移動位置では、ワーク保持部6aが昇降移動して、被洗浄物8および搬送カゴ7が各装置に搬入されて、後述する本洗浄方法の各工程が行われ、各工程が終了すると各装置から搬出される。
例えば、「被洗浄物8が搬入可能(浸漬可能)な大きさ」という記載は、特に断らない限り、被洗浄物8単品ではなく、「被洗浄物8と、搬送カゴ7と、搬送カゴ7を保持するワーク保持部6aの部分とが搬入可能(浸漬可能)大きさ」を意味するものとする。
また、洗浄システム1では、被洗浄物8は、常に搬送カゴ7を介して、ワーク保持部6aに保持されているが、簡単のために「ワーク保持部6aに保持された被洗浄物8」と言う場合がある。
第1洗浄槽2Aには、貯留された洗浄液Cに超音波振動を印加する超音波振動子21が設けられている。
超音波振動子21の取り付け位置は、被洗浄物8が搬入される位置に超音波振動を伝達できれば、特に限定されない。超音波振動子21は、例えば、第1洗浄槽2Aの底部や側部に取り付けることが可能である。
なお、以下に説明する他の槽に取り付ける超音波振動子21の取り付け位置もこれと同様である。
第1予備槽3Aは、ヒーター22を内蔵しており、内部に貯留された洗浄液Cの液温を調整することが可能である。
第1洗浄槽2Aの上端部には、開口部からオーバーフローした洗浄液Cを回収して第1予備槽3Aに導入する回収管路2bが設けられている。
ただし、第1予備槽3A内の洗浄液Cは、定期的にあるいは汚れ具合に応じて、清浄な洗浄液Cと交換する。このため、第1洗浄槽2Aにおける洗浄液Cの清浄度は一定の範囲内に保たれる。
本実施形態では、準水系の洗浄剤であるサンウォッシュ(登録商標)LPW−1(商品名;ライオン株式会社製)の原液を採用している。
洗浄液Cの液温は、第1洗浄槽2Aにおいて50℃となるように温度調整されている。
このため、第2洗浄槽2Bは、第1洗浄槽2Aと同様の構成を有し、第1予備槽3Aと同様な構成を有する第2予備槽3Bに対して、供給管路2aおよび回収管路2bを介して連結されている。
このような構成により、第2洗浄槽2Bの洗浄液Cは、第2洗浄槽2Bに設けられた供給管路2aおよび回収管路2bによって形成された流路を通って、第2予備槽3Bとの間で循環使用されている。
ただし、第2予備槽3B内の洗浄液Cは、定期的にあるいは汚れ具合に応じて、清浄な洗浄液Cと交換する。このため、第2洗浄槽2Bにおける洗浄液Cの清浄度は一定の範囲内に保たれる。
ただし、第1洗浄槽2Aおよび第1予備槽3Aと、第2洗浄槽2Bおよび第2予備槽3Bとは、互いに独立した装置構成を有するため、それぞれの系における洗浄液Cの条件は変更することが可能である。
リンス装置4に用いる水Wとしては、純水、市水、井水などを使用することが可能である。本実施形態では25℃の純水を採用している。
各槽の上側に設けられた開口部は、いずれも被洗浄物8を上方から搬入可能な大きさを有し、被洗浄物8を浸漬可能な深さまで水Wを貯留できるようになっている。
仕切り板4d、4e、4fの高さは、この順に高くなっている。このため、第4リンス槽4Dに供給された水Wが仕切り板4fをオーバーフローして第3リンス槽4Cに流入し、第3リンス槽4Cに流入した水Wが仕切り板4eをオーバーフローして第2リンス槽4Bに流入し、第2リンス槽4Bに流入した水Wが仕切り板4dをオーバーフローして第1リンス槽4Aに流入するようになっている。
各循環管路4aは、ポンプPおよびフィルタFを備えている。
回収管路4cには、回収した水Wを蒸留して水W内の不純物を除去する蒸留機5が接続されている。
蒸留機5と第4リンス槽4Dとの間は、蒸留機5によって蒸留された水Wを、第4リンス槽4Dに供給する供給管路4bが設けられている。
第1リンス槽4Aからオーバーフローした水Wは、回収管路4cによって蒸留機5に回収され、蒸留機5で蒸留される。蒸留された水Wは、供給管路4bを通して、第4リンス槽4Dに戻される。このようにして、水Wは、リンス装置4内を循環する。
また、第1リンス槽4A、第2リンス槽4B、第3リンス槽4C、第4リンス槽4Dのそれぞれの内部では、循環管路4aを通して、各区画内で循環する流れが形成される。
混合液体リンス装置10の概略構成は、混合液体リンス槽11、予備槽12、および蒸留槽13を備える。
混合液体リンス剤M1において、極性溶媒は、被洗浄物8に残存する洗浄液Cの成分を溶解して被洗浄物8から除去するとともに、リンス装置4において被洗浄物8に付着した水を溶解して除去するために配合される。
混合液体リンス剤M1に好適な極性溶媒の例としては、消防法上のアルコール類に分類されるエタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、1−プロパノール、同じく第1石油類に分類され水溶性を有するブタノール(1−ブタノール、2−ブタノール)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコールなどを挙げることができる。
例えば、消防法上のアルコール類は、含水率40wt%以上で、「非危険物」となるため、これらの極性溶媒を用いる場合には、含水率40wt%以上となるように、水を配合することが好ましい。この場合、リンス装置4に防爆構造を設ける必要がなくなるため、防爆構造を設ける場合に比べて、リンス装置4の装置構成を簡素化、低コスト化することができる。
混合液体リンス剤M1として、消防法上のアルコール類以外の極性溶媒を用いる場合、引火点測定などを行うことにより、防爆構造を設けなくてもよい程度に水を配合する。
このような設定の具体例としては、混合液体リンス剤M1としては、エタノールと水との混合液体を採用し、エタノールの濃度を45wt%(含水率は55wt%)とする構成を挙げることができる。
混合液体リンス槽11には、貯留された洗浄液Cに超音波振動を印加する超音波振動子21が設けられている。
混合液体リンス槽11に貯留される混合液体リンス剤M1は、混合液体リンス槽11に一端が接続された循環管路11aを介して供給される。
循環管路11aの他端は、後述する予備槽12に接続された排出管路12aと、後述する蒸留槽13に接続された移送管路12bとに分岐されている。
排出管路12a上には、予備槽12から混合液体リンス槽11への混合液体リンス剤M1の供給するためのポンプPおよび流量計Fが設けられている。
移送管路12b上には、移送管路12bを開閉する自動弁12cが設けられている。
予備槽12には、補給管路14aを介して予備槽12内に純水を供給する純水供給部14(蒸留再生部)が接続されている。補給管路14a上には、純水供給部14からの純水の供給量を制御するための自動弁14bが設けられている。
予備槽12の内部には、貯留された混合液体リンス剤M1内の極性溶媒の重量濃度を測定するための比重計14c(蒸留再生部)が設置されている。
蒸留槽13は、移送管路12bから移送された混合液体リンス剤M1を加熱するヒーター22と、蒸発した混合液体リンス剤M1を蒸留槽13の上部で凝縮させる冷却管23と、冷却管23で凝縮した混合液体リンス剤M1を回収する回収部13bと、を備える。
回収部13bには、回収された混合液体リンス剤M1を予備槽12に移送する移送管路13cが接続されている。
温度センサで検出された液温は、ヒーター22にフィードバックされ、混合液体リンス剤M1の液温が所定の蒸留温度に保たれる。
液面センサの検出出力は、自動弁11b、12c、13eの開閉制御に使用される。開閉制御の詳細については後述する。
濯ぎ液D1において、極性溶媒は、後述する非極性溶媒と混合可能な適宜の極性溶媒を採用することができる。混合液体リンス剤M1における極性溶媒と異なる材質も可能であるが、本実施形態では、混合液体リンス剤M1における極性溶媒と同材質の極性溶媒を採用している。
濯ぎ液D1における極性溶媒としては、親水基であるヒドロキシ基と疎水基であるアルキル基を備えるアルコールが特に好適である。
本実施形態では、一具体例として、エタノールを採用している。
濯ぎ液D1において、非極性溶媒としては、水切り性能に優れる適宜の非極性溶媒、例えば、ハイドロフルオロエーテル(HEE)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)などを採用することができる。
本実施形態における濯ぎ液D1は、一例として、HFEとエタノールとを、エタノール濃度が5wt%となるように混合した混合液を採用している。
本実施形態では、濯ぎ槽16は、後述する第1水分離槽19、蒸留槽20を一体に形成するため、より大きな筐体15aの一端側を、その底面から濯ぎ液D1を貯留する液面の高さまで延ばされた仕切り板16aで区画して形成されている。
濯ぎ槽16は、後述するように、循環管路19eを介して第1水分離槽19と、移送管路24aを介して第2水分離槽24と、それぞれ連結されており、循環管路19eおよび移送管路24aから濯ぎ液D1の供給を受けることができる。
濯ぎ槽16の内部には、貯留された濯ぎ液D1の液温を一定に保つヒーター22が設けられている。本実施形態では、ヒーター22は、濯ぎ槽16内に設けられた図示略の温度センサの検出温度に基づいて、濯ぎ液D1の液温を50℃に温度調整する。
乾燥筒部17の内部空間は、下方の濯ぎ液D1が熱源となることで、濯ぎ液D1の沸点まで昇温されている。
回収部18aには、回収した液体を第2水分離槽24に移送する移送管路18bが連結されている。
第1水分離槽19は、濯ぎ槽16から仕切り板16aを越えてオーバーフローした濯ぎ液D1を貯留して、濯ぎ槽16内の被洗浄物8によって濯ぎ液D1に持ち込まれた水と、濯ぎ液D1との比重差を利用して分離する装置部分である。
なお、水分26は、動作説明で後述するように、実際には、水の他にも混合液体リンス剤M1と濯ぎ液D1とに含まれる極性溶媒が含まれている。
循環管路19e上には、ポンプP、フィルタF、および濯ぎ液D1中の極性溶媒の濃度を測定する濃度計29が設けられている。
本実施形態では、濯ぎ液D1中の極性溶媒は、揮発ロスに相当する量が持ち込まれるため、極性溶媒を一定の消耗量に合わせて定期的に追加する。このため、濯ぎ液D1中の極性溶媒の濃度は、一定の運転条件では一定に保たれるため、濃度計29は異常を検出するために設けられている。
蒸留槽20は、第1水分離槽19からオーバーフローした濯ぎ液D1を加熱するヒーター22と、蒸発した濯ぎ液D1を蒸留槽13の上部で凝縮させる冷却管28と、冷却管28で凝縮した濯ぎ液D1を回収する回収部20bと、を備える。
回収部20bには、回収された濯ぎ液D1を第2水分離槽24に移送する移送管路20cが接続されている。
第2水分離槽24は、底部から上方に延ばされた仕切り板24bによって、回収された濯ぎ液D1から水分26を分離する分離槽部24Aと、分離槽部24Aによって水分26が分離された濯ぎ液D1を外部に排出する排出槽部24Bとに区画されている。
水分離部24dには、浮上した水分26を第1水分離槽19の水分離部19cに移送するため一端が水分離部19cに接続された移送管路24eが接続されている。
分離槽部24Aにおいて水分離部24dの下方には、貯留された濯ぎ液D1を冷却する冷却管30が設けられている。
図4は、本発明の第1の実施形態の物品の洗浄方法の工程フローを示すフローチャートである。図5は、濯ぎ液中のエタノール濃度の変化を示すグラフである。横軸は洗浄カゴ数(カゴ)、縦軸はエタノール濃度(wt%)を示す。図6は、混合液体リンス剤の含水率と濯ぎ時間との関係を示すグラフである。横軸は混合液体リンス剤中の含水率(wt%)、縦軸は濯ぎ時間(s)を示す。
本工程では、搬送カゴ7に収容した被洗浄物8をワーク保持部6aに保持させ、第1洗浄槽2Aの上方に移動してから下降し、被洗浄物8を第1洗浄槽2A内の洗浄液Cに浸漬する。そして、第1洗浄槽2Aの超音波振動子21によって超音波振動を印加する。
第1洗浄槽2Aの洗浄液Cは、例えば50℃に加熱された状態で貯留されている。
これにより、洗浄液Cおよび超音波振動の作用により、被洗浄物8の表面に付着した汚れ成分が剥離して、除去され、洗浄液C中に移動する。
このとき、被洗浄物8とともに、搬送カゴ7、ワーク保持部6aの一部も洗浄液Cに浸漬されているため、これらの表面も同様に洗浄される。
次に、ワーク保持部6aを第2洗浄槽2Bの上方に移動し、第1洗浄槽2Aにおけると同様にして、被洗浄物8の2回目の洗浄を行う。ただし、洗浄時間は、第1洗浄槽2Aによる洗浄時間とは異なっていてもよい。
以上で、洗浄工程S1が終了する。
リンス装置4では、上流側から下流側に向かって、第1リンス槽4A、第2リンス槽4B、第3リンス槽4C、および第4リンス槽4Dが配置され、第4リンス槽4Dから第1リンス槽4Aの方に向かって、水Wが掛け流されている。本実施形態では、水Wの水温は特に温度制御はされておらず、常温の25℃である。
水Wは、第1リンス槽4Aからオーバーフローすると蒸留機5に移動し、蒸留機5によって蒸留され、不純物が除去された状態で第4リンス槽4Dに戻される。
リンス装置4内では、搬送方向と反対側に水Wが循環しているため、搬送の上流側から下流側に移動するにつれて、槽内の水Wの清浄度は順次上がっていく。除去された洗浄液Cの成分は、各槽の水Wに溶けて順次蒸留機5に移動し、蒸留機5によって、水Wから分離される。
以上で、水リンス工程S2が終了する。
これにより、被洗浄物8、搬送カゴ7、およびワーク保持部6aの一部に付着した水Wは、混合液体リンス剤M1に溶解していくため、被洗浄物8を引き上げたとき、被洗浄物8に付着するのは、ぬれ姓の高い混合液体リンス剤M1である。
このため、被洗浄物8の表面に付着する水Wは、混合液体リンス剤M1に置換されて水の量が減少するとともに、ぬれ姓の低下により付着量そのものが低下する。これにより、被洗浄物8の表面における水Wの量は、浸漬前と比べて格段に減少する。
混合液体リンス槽11からオーバーフローした混合液体リンス剤M1は、排出管路11cを介して予備槽12に貯留される。
予備槽12では、比重計14cによって、比重測定が行われるとともに、図示略の液面センサにより、液面の高さが測定される。図示略の制御部は、比重計14cの出力および液面センサの出力に応じて、自動弁11b、12c、14bの開閉制御を行う。
一方、予備槽12には、移送管路13cを介して、蒸留槽13から蒸留されて極性溶媒の濃度が増大した混合液体リンス剤M1’が供給されている。
このため、予備槽12内の混合液体リンス剤M1の極性溶媒の濃度は、移送管路13cからの混合液体リンス剤M1’の流入と、排出管路11cからの水Wが移行した混合液体リンス剤M1の流入とによって変化する。ただし、移送管路13cからは、高濃度の混合液体リンス剤M1’が流入するため、予備槽12内の混合液体リンス剤M1は全体としては、極性溶媒の濃度の量が増大する傾向にある。
また、混合液体リンス剤M1’は、冷却管23によって冷却されているため、予備槽12中の混合液体リンス剤M1は常温よりも低温になっている。本実施形態では一例として、20℃になっている。
このように、予備槽12には、排出管路11cから排出量と同量の混合液体リンス剤M1が流入し、さらに移送管路13c、補給管路14aから混合液体リンス剤M1’と純水とが流入するため、貯留量が増大する傾向にある。
予備槽12の液面が、予め決められた上限値を越えると、図示略の制御部によって自動弁11bが閉じられるとともに、自動弁12cが開かれる。これにより、混合液体リンス槽11への循環が一時的に中断され、予備槽12内の混合液体リンス剤M1が、移送管路12bを介して、蒸留槽13に移送される。
予備槽12内の液面が予め決められた下限値未満になると、自動弁11bが開かれるとともに、自動弁12cが閉じられる。
このようにして、蒸留が進行すると、水のみが残って液面が低下しなくなる。図示略の液面センサによって、液面が低下しない状態が検出されたら、図示略の制御部は、自動弁13eを開いて、蒸留槽13から外部に水を排出する。
このため、蒸留槽13、比重計14c、および純水供給部14は、混合液体における極性溶媒の濃度を一定に保つように、混合液体の蒸留再生を行う蒸留再生部を構成している。
以上で、混合液体リンス工程S3が終了する。
本実施形態では、濯ぎ液D1の液温は、濯ぎ槽16のヒーター22によって50℃に制御されている。このため、濯ぎ液D1は沸点には達していないが、濯ぎ槽16の開口部からは、濯ぎ液D1が蒸発していく。このように、濯ぎ槽16の上方にある乾燥筒部17は、濯ぎ槽16の濯ぎ液D1を熱源として、常温よりも暖められており、濯ぎ液D1の一定量の蒸気V1が満たされている。
この蒸気V1は、対流によって上昇し、冷却筒部18に達すると、冷却管27によって冷却されて凝縮して、回収部18aから回収される。
回収部18aで回収された蒸気V1の凝縮液体は、移送管路18bによって、第2水分離槽24に移送される。
このように、混合液体リンス剤M1が濯ぎ液D1内に取り込まれると、濯ぎ液D1内に溶解可能な極性溶媒の濃度を上回るため、次第に水分が分離集合して白濁が生じる。このような混合液は、そのまま放置すると、非極性溶媒に比べて比重が小さい水分が浮上して、水分が分離する。この水分には、極性溶媒の一部が溶解しているため、このような極性溶媒は、濯ぎ液D1から失われることになる。
一方、混合液体リンス剤M1に含まれる極性溶媒のうち、水との結合が失われたものは、濯ぎ液D1の非極性溶媒に溶解していく。
濯ぎ槽16では、循環管路19e、移送管路24aから混合液体リンス剤M1が供給されるため、被洗浄物8の水分を含む濯ぎ液D1は、オーバーフローして第1水分離槽19に移動する。
第1水分離槽19の底部に沈んで貯留される濯ぎ液D1は、仕切り板19bの下端部を回り込んで、仕切り板20a、19bの間を通り、仕切り板20aからオーバーフローして蒸留槽20に移動される。
この混合液体は、蒸留により不純物が除去されて、移送管路20cを通して、第2水分離槽24に移送される。ただし、この混合液体には、第1水分離槽19で分離しきれなかった水や蒸留槽20中の水蒸気に起因する若干の水を含んでいる。
第2水分離槽24では、移送された混合液体を分離槽部24Aに貯留し、比重差および溶解の温度特性を利用して、水分26を分離する。具体的には、冷却管30によって、分離槽部24Aにおける液温を沸点よりも15℃だけ低温に制御して、水の分離を促進している。
すなわち、分離槽部24Aに貯留された濯ぎ液D1は、次第に水分が浮上して、水分離部24dに移動し、水分離部24dに水分26の層状部が形成される。水分26は、移送管路24eから第1水分離槽19の水分離部19cに移送される。
分離槽部24Aの底部に沈んで貯留される濯ぎ液D1は、仕切り板24cの下端部を回り込んで、仕切り板24b、24cの間を通り、仕切り板24bからオーバーフローして排出槽部24Bに移動され、移送管路24aを通して、濯ぎ槽16に移送される。
その際、濯ぎ液D1の一部の非極性溶媒と極性溶媒とが、冷却筒部18から漏れて失われ、濯ぎ液D1の一部の極性溶媒が水分26とともに外部に排出されて失われる。
これらの損失量は、洗浄システム1の運転条件が一定であれば、一定であるため、非極性溶媒補給部25から、損失量に対応する一定量の非極性溶媒ASが、連続的または間欠的に供給される。
被洗浄物8によって濯ぎ槽16に持ち込まれる極性溶媒の量は、混合液体リンス剤M1の濃度と、被洗浄物8、搬送カゴ7、およびワーク保持部6aの一部に付着する混合液体リンス剤M1中の極性溶媒の量とによって決まる。
また、濯ぎ液D1における極性溶媒の消費量は、被洗浄物8、搬送カゴ7、およびワーク保持部6aの一部に付着する混合液体リンス剤M1中の水の量によって決まる。
また、冷却筒部18から漏れる極性溶媒の漏れによる消費量によって決まる。
したがって、このため、具体的な濃度は、濯ぎ槽16に持ち込まれる濯ぎ槽16の量を予め実験を行うなどして求めることにより、決定することができる。
具体的な運転条件の一例では、水Wが純水の場合、水Wの持ち込み量は20ml/カゴであった。このとき、濯ぎ液D1の極性溶媒の濃度変化がないようにするには、エタノールを20ml/カゴ補充する必要があった。
エタノールを20ml/カゴ補充した場合の濯ぎ液D1のエタノール濃度(wt%)の測定結果を図5の折れ線100として示す。濯ぎ液D1のエタノール濃度は、400カゴ洗浄するまでの間、略5wt%になっている。
この場合には、混合液体リンス剤M1のエタノール濃度を50vol%として、混合液体リンス装置10を用いる混合液体リンス工程を行えば、濯ぎ液D1のエタノール濃度を同様にして一定に保つことができる。
混合液体リンス剤M1におけるエタノール濃度50vol/%は、45wt%になっている。
図5の折れ線101に示すのは、本実施形態の洗浄方法によって、混合液体リンス剤M1のエタノール濃度を45wt%にし、濯ぎ乾燥装置15ではエタノールを補給することなく洗浄した場合の濯ぎ液D1のエタノール濃度の変化の測定結果である。
折れ線101から分かるように、濯ぎ液D1のエタノール濃度は、400カゴ洗浄するまでの間、略5wt%になっている。
このような測定結果に基づき、本実施形態では、混合液体リンス剤M1のエタノール濃度を45wt%としている。
以上で、濯ぎ工程S4が終了する。
混合液体リンス剤M1における含水率は、濯ぎ槽16に持ち込まれる水の量に対応するため、混合液体リンス剤M1の含水率が多いと、濯ぎ工程S4における濯ぎ時間が長くなる。
図6に混合液体リンス剤M1の含水率と、濯ぎ時間との関係の実験結果を示す。
測定値の変化は、含水率0wt%(エタノール濃度100wt%)のとき30sであり、含水率100wt%(エタノール濃度0wt%)のとき240sであった。含水率100wt%の場合は、本実施形態において混合液体リンス工程S3を省略した場合に相当する。
含水率0wt%から100wt%の間では、濯ぎ時間は略直線的に増大しており、直線102によって近似することができる。
このため、本実施形態のように、含水率55wt%(エタノール濃度45wt%)の場合には、濯ぎ時間が約150sとなり、混合液体リンス工程S3を行わない場合に比べて、濯ぎ時間を格段に低減できていることが分かる。
本工程は、濯ぎ槽16中から被洗浄物8を引き上げ、乾燥筒部17で一定時間保持時することにより行われる。
乾燥筒部17は、蒸気V1による緩やかな上昇気流が形成され、常温よりも降温の環境になっているため、被洗浄物8の表面に付着した濯ぎ液D1は、徐々に揮発乾燥していく。
被洗浄物8の表面が乾燥したら、ワーク保持部6aをさらに上昇させて、冷却筒部18を通して、外部に引き上げる。冷却筒部18は、低温低湿であるため、濯ぎ槽16および乾燥筒部17で加熱されている状態の被洗浄物8は乾燥した状態で、取り出される。
以上で、乾燥工程S5が終了する。
以上、ワーク保持部6aによって搬送される1カゴの被洗浄物8に注目して説明したが、複数のワーク保持部6aに被洗浄物8を保持させ、適宜の搬送タクトで、間欠的にワーク保持部6aを移動して、上記の各工程を並行して行うことにより、複数カゴの被洗浄物8を順次洗浄することができる。
また、混合液体リンス工程S3に用いる混合液体リンス装置10は、使用する混合液体リンス剤M1が異なるのみで、水Wを用いてリンスを行うリンス装置4と略同様の装置構成を用いて行うことができる。このため、非極性溶媒単体による粗水切りを行う従来技術の場合のように、非極性溶媒単体の蒸留装置や、非極性溶媒単体から水を分離する水分離槽などの装置を別に設ける必要がないため、装置構成を簡素化することができる。また、非極性溶媒の使用量の増大に伴う揮発ロスに起因するランニングコストのも発生しないため、低ランニングコストで稼働することができる。
さらに、本実施形態によれば、混合液体リンス剤M1の極性溶媒の濃度を適宜調整しておくことで濯ぎ乾燥装置15における極性溶媒の消費量と被洗浄物8を介して濯ぎ槽16に持ち込まれる極性溶媒の量とを平衡させる。これにより、濯ぎ槽16における極性溶媒の補給を省略することができ、極性溶媒の補給装置などを省略して装置を簡素化することができる。
本発明の第2の実施形態の物品の洗浄方法および洗浄システムについて説明する。
図7は、本発明の第2の実施形態の洗浄システムの一部の構成を示す模式的な構成図である。図8は、本発明の第2の実施形態の洗浄システムの濯ぎ乾燥装置の構成を示す模式的な構成図である。
本方法は、図7、8に分けて示す本実施形態の洗浄システム50を用いて行うことができる。
洗浄システム50の概略構成は、上記第1の実施形態の混合液体リンス装置10を削除し、上記第1の実施形態のリンス装置4、濯ぎ乾燥装置15に代えて、それぞれ図7に示す混合液体リンス装置54、図8に示す濯ぎ乾燥装置65を備える。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
混合液体リンス装置54に用いる混合液体リンス剤M2としては、上記第1の実施形態と混合液体リンス剤M1と同様に、水と、極性溶媒との混合液体を採用することができる。ただし、本実施形態では、後述するように濯ぎ乾燥装置65において、濯ぎ液D2に極性溶媒を補給できるようにしているため、混合液体リンス剤M1に比べて極性溶媒の濃度は低濃度にすることができる。含水率は混合液体リンス剤M1に比べてより増大させることができる。
以下では、極性溶媒は、IPAを採用しており、第2リンス槽54Bに供給される混合液体リンス剤M2の濃度は、50wt%(含水率50wt%)である。
各槽の上側に設けられた開口部は、いずれも被洗浄物8を上方から搬入可能な大きさを有し、被洗浄物8を浸漬可能な深さまで混合液体リンス剤M2を貯留できるようになっている。
第1リンス槽54A、第2リンス槽54B、第3リンス槽54Cには、それぞれ、超音波振動子21と、循環管路4aとが設けられている。
第1リンス槽54Aの上端部には、第1リンス槽4Aの開口部からオーバーフローした水Wを蒸留するために回収する回収管路4cが接続されている。
回収管路4cには、回収した混合液体リンス剤M2を蒸留して混合液体リンス剤M2の不純物を除去する蒸留機55が接続され、供給管路4bを通して、蒸留機55によって蒸留されてIPA濃度が50wt%に調整された混合液体リンス剤M2が第3リンス槽54Cに供給される。
蒸留機55の詳細構成は、例えば、上記第1の実施形態の蒸留槽13および予備槽12の構成が可能である。
濯ぎ液D2としては、上記第1の実施形態に例示されたのと同様な極性溶媒と非極性溶媒との混合液を使用することが可能である。
本実施形態では、極性溶媒としてIPA、非極性溶媒としてHFEを採用している。IPAの濃度は3wt%である。
極性溶媒補給部66には、濯ぎ液D2の極性溶媒PSであるIPAが貯留され、補給管路66を介して濯ぎ槽16と接続されている。
濯ぎ槽16における濯ぎ液D2の液温は、濯ぎ槽16のヒーター22によって50℃に温度制御されている。このため、濯ぎ槽16の上方の雰囲気も50℃程度に加熱され、濯ぎ液D2が蒸発して、50℃程度の蒸気圧に応じて蒸気V2が満たされている。
図示略の制御部は、濃度計29によって検出さえた濯ぎ液D2の濃度変化に応じて、非極性溶媒補給部25から非極性溶媒を補給するか、または極性溶媒補給部66から極性溶媒PSを補給することにより、濯ぎ槽16内の濯ぎ液D2の極性溶媒PSの濃度を一定値に維持する。
図9は、本発明の第2の実施形態の物品の洗浄方法の工程フローを示すフローチャートである。
混合液体リンス剤M2は、第1リンス槽54Aからオーバーフローすると蒸留機55に移動し、蒸留機55によって蒸留されることにより、不純物が除去され、IPAの濃度が50wt%の状態で、第3リンス槽54Cに戻される。
リンス装置4内では、搬送方向と反対側に混合液体リンス剤M2が循環しているため、搬送の上流側から下流側に移動するにつれて、槽内の混合液体リンス剤M2の清浄度は順次上がっていく。除去された洗浄液Cの成分は、各槽の混合液体リンス剤M2に溶けて順次蒸留機55に移動し、蒸留機55によって、混合液体リンス剤M2から分離される。
以上で、混合液体リンス工程S12が終了する。
以上で、濯ぎ工程S13が終了する。
このようにして、被洗浄物8の洗浄が終了する。
このため、第1の実施形態と同様に濯ぎ工程S13を行う場合に、濯ぎ液D2によって除去する水の量が少なくて済むため、迅速に水分の低減を行うことができ、濯ぎ時間を低減することができる。
また、非極性溶媒単体による粗水切りを行う従来技術の場合のように、非極性溶媒単体の蒸留装置や、非極性溶媒単体から水を分離する水分離槽などの装置を別に設ける必要がないため、装置構成を簡素化することができる。また、非極性溶媒の使用量の増大に伴う揮発ロスに起因するランニングコストのも発生しないため、低ランニングコストで稼働することができる。
したがって、濯ぎ工程S13の直前に水リンス工程を行う場合に比べると、濯ぎ液D2内の極性溶媒の変化を格段に緩慢にすることができる。このため、濯ぎ液D2の濃度管理が容易となり、補給量や、補給頻度も少なくて済む。
本発明の第3の実施形態の物品の洗浄方法および洗浄システムについて説明する。
図10は、本発明の第3の実施形態の洗浄システムの一部の構成を示す模式的な構成図である。図11は、本発明の第3の実施形態の洗浄システムの濯ぎ乾燥装置の構成を示す模式的な構成図である。
本方法は、図10、11に分けて示す本実施形態の洗浄システム70を用いて行うことができる。
洗浄システム70の概略構成は、図10に示すように、上記第1の実施形態のリンス装置4に代えて、リンス装置4の槽数を1槽に変えたリンス装置73を備え、上記第2の実施形態の混合液体リンス装置54の槽数を2槽に変えた混合液体リンス装置74を追加している。また、洗浄システム70は、図11に示すように、上記第1の実施形態の濯ぎ乾燥装置15に代えて、濯ぎ乾燥装置85を備える。
以下、上記第1および第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
このため、リンス装置73は、一槽構成である点を除いて、上記第1の実施形態と同様に水リンス工程を行うことができる。
このため、槽数が異なるのみで、各槽に貯留された混合液体リンス剤M2によって、上記第2の実施形態と同様に混合液体リンス工程を行うことができる。
蒸気発生槽86は、第2水分離槽24の移送管路24aから供給される濯ぎ液D2を貯留し、ヒーター22によって、濯ぎ液D2の沸点より高温に加熱することにより、濯ぎ液D2の蒸気V3を発生する装置部分である。
蒸気発生槽86の開口部は、蒸気洗浄筒部87に接続され、発生した蒸気V3が濯ぎ槽16と冷却筒部18との間の蒸気洗浄筒部87に充満するようになっている。
図12は、本発明の第3の実施形態の物品の洗浄方法の工程フローを示すフローチャートである。
本工程は、濯ぎ槽16から引き上げた被洗浄物8を、蒸気発生槽86で発生した濯ぎ液D2の蒸気V3が充満された蒸気洗浄筒部87に被洗浄物8を移動し、所定時間だけ、蒸気V3にさらすことにより行われる。
蒸気V3は、より低温の被洗浄物8が引き上げられると、表面に一時的に結露するが、周囲の蒸気V3と熱交換することにより、すぐに揮発する。これにより、被洗浄物8の表面が蒸気洗浄されるとともに、被洗浄物8が昇温されていく。
所定時間経過したら、被洗浄物8を上方に引き上げる。
以上で、蒸気洗浄工程S25が終了する。
このようにして、被洗浄物8の洗浄が終了する。
このため、水リンス工程S22で、被洗浄物8に水Wが付着しても、混合液体リンス工程S23によって、被洗浄物8に付着する水の量が低減される。このため、第2の実施形態と同様に濯ぎ工程S24を行う場合に、濯ぎ液D2によって除去する水の量が少なくて済むため、迅速に水分の低減を行うことができ、濯ぎ時間を低減することができる。
また、非極性溶媒単体による粗水切りを行う従来技術の場合のように、非極性溶媒単体の蒸留装置や、非極性溶媒単体から水を分離する水分離槽などの装置を別に設ける必要がないため、装置構成を簡素化することができる。また、非極性溶媒の使用量の増大に伴う揮発ロスに起因するランニングコストのも発生しないため、低ランニングコストで稼働することができる。
例えば、上記第2および第3の実施形態で、濯ぎ液D2における極性溶媒の濃度を、上記第1の実施形態と同様の考え方で調整することで、上記第1の実施形態と同様に極性溶媒補給部66を省略した構成とすることが可能である。
すなわち、極性溶媒補給部66を省略した構成が可能となるのは、極性溶媒がエタノールである場合には限定されない。例えば、IPAやその他の極性溶媒であっても同様にして極性溶媒補給部66を省略することが可能である。
2 洗浄装置
2A 第1洗浄槽(洗浄槽)
2B 第2洗浄槽(洗浄槽)
4、73 リンス装置
4A 第1リンス槽(水リンス槽)
4B 第2リンス槽(水リンス槽)
4C 第3リンス槽(水リンス槽)
4D 第4リンス槽(水リンス槽)
5 蒸留機
6 搬送装置
6a ワーク保持部
6b 搬送ガイド
7 搬送カゴ
8 被洗浄物(物品)
10、54、74 混合液体リンス装置
11 混合液体リンス槽
11b、12c、13e、14b 自動弁
13 蒸留槽(蒸留再生部)
14 純水供給部(蒸留再生部)
14c 比重計(蒸留再生部)
15、65、85 濯ぎ乾燥装置
16 濯ぎ槽
17 乾燥筒部(乾燥部)
18 冷却筒部
19 第1水分離槽
19c、24d 水分離部
21 超音波振動子
22 ヒーター
23、27、30 冷却管
24 第2水分離槽
25 非極性溶媒補給部
26 水分
29 濃度計
54A 第1リンス槽(混合液体リンス槽)
54B 第2リンス槽(混合液体リンス槽)
54C 第3リンス槽(混合液体リンス槽)
55 蒸留機(蒸留再生部)
66 極性溶媒補給部
86 蒸気発生槽(蒸気洗浄部)
87 蒸気洗浄筒部(蒸気洗浄部)
AS 非極性溶媒
C 洗浄液
D1、D2 濯ぎ液
M1、M1’、M2 混合液体リンス剤
PS 極性溶媒
S1、S11、S21 洗浄工程
S2、S22 水リンス工程
S3、S12、S23 混合液体リンス工程
S4、S13、S24 濯ぎ工程
S5、S14、S26 乾燥工程
S25 蒸気洗浄工程
V1、V2、V3 蒸気
W 水
Claims (9)
- 被洗浄物を洗浄剤により洗浄する洗浄工程と、
前記洗浄剤で洗浄された前記被洗浄物を、水と極性溶媒との混合液体に浸漬して、前記被洗浄物から洗浄剤成分を除去する混合液体リンス工程と、
前記洗浄剤成分が除去された前記被洗浄物を、極性溶媒と非極性溶媒とを混合して形成した濯ぎ液に浸漬して、前記被洗浄物の濯ぎを行う濯ぎ工程と、
前記濯ぎ液から前記被洗浄物を取り出し、該被洗浄物に付着した前記濯ぎ液を揮発乾燥させる乾燥工程と、
を備える、物品の洗浄方法。 - 前記混合液体に用いる極性溶媒と、前記濯ぎ液に用いる極性溶媒とは、同材質の極性溶媒である
ことを特徴とする、請求項1に記載の物品の洗浄方法。 - 前記混合液体リンス工程では、
前記濯ぎ工程を行う直前の前記混合液体における前記極性溶媒の濃度を一定に保つように、前記混合液体の蒸留再生を行い、
前記濃度は、
前記濯ぎ工程を行う直前の前記混合液体から前記被洗浄物を介して前記濯ぎ液中に持ち込まれる前記極性溶媒の量と、前記濯ぎ工程における前記極性溶媒の消費量とが均衡する濃度とする
ことを特徴とする、請求項2に記載の物品の洗浄方法。 - 前記洗浄工程と前記混合液体リンス工程との間に、
水を用いることにより、前記被洗浄物から前記洗浄剤成分を除去する水リンス工程を備える
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品の洗浄方法。 - 前記濯ぎ工程と前記乾燥工程との間に、
前記濯ぎ液を蒸発させた蒸気による蒸気洗浄を行う蒸気洗浄工程を備える
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の物品の洗浄方法。 - 被洗浄物を洗浄する洗浄剤が満たされ、該洗浄剤に前記被洗浄物が浸漬可能とされた洗浄槽と、
前記洗浄剤で洗浄された前記被洗浄物から洗浄剤成分を除去するため、水と極性溶媒との混合液体が満たされ、該混合液体に前記被洗浄物が浸漬可能とされた混合液体リンス槽と、
前記洗浄剤成分が除去された前記被洗浄物の濯ぎを行うため、極性溶媒と非極性溶媒とが混合された濯ぎ液が満たされ、該濯ぎ液に前記被洗浄物が浸漬可能とされた濯ぎ槽と、
前記濯ぎ液から取り出した前記被洗浄物に付着した前記濯ぎ液を揮発乾燥させる乾燥部と、
を備える、洗浄システム。 - 前記混合液体リンス槽内の前記混合液体の極性溶媒と、前記濯ぎ槽内の前記濯ぎ液の極性溶媒とは、同材質の極性溶媒からなり、
前記混合液体リンス槽において、前記濯ぎ槽に移行する直前の前記被洗浄物を浸漬する前記混合液体における前記極性溶媒の濃度を一定に保つように、前記混合液体の蒸留再生を行う蒸留再生部を備え、
前記濃度は、
前記濯ぎ槽に移行する直前の前記被洗浄物を浸漬する前記混合液体から前記被洗浄物を介して前記濯ぎ液中に持ち込まれる前記極性溶媒の量と、前記濯ぎ槽における前記極性溶媒の消費量とが均衡する濃度とする
ことを特徴とする、請求項6に記載の洗浄システム。 - 水を用いることにより、前記被洗浄物から前記洗浄剤成分を除去する水リンス槽を備える
ことを特徴とする、請求項6または7に記載の洗浄システム。 - 前記濯ぎ槽は、
前記濯ぎ液を蒸発させた蒸気による蒸気洗浄を行う蒸気洗浄部を備える
ことを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項に記載の洗浄システム。
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