JPH054077A - 被洗浄物の洗浄方法 - Google Patents

被洗浄物の洗浄方法

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JPH054077A
JPH054077A JP28204291A JP28204291A JPH054077A JP H054077 A JPH054077 A JP H054077A JP 28204291 A JP28204291 A JP 28204291A JP 28204291 A JP28204291 A JP 28204291A JP H054077 A JPH054077 A JP H054077A
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cleaned
liquid
tank
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JP28204291A
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Masahide Uchino
正英 内野
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Japan Field Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塩素系有機溶剤またはフッ素系有機溶剤によ
り、洗浄効果の高い洗浄を行う。そして、被洗浄物に付
着した有毒な有機溶剤を、大気中に拡散する事なく回収
し、安全で経済的な洗浄作業を可能とする。 【構成】 塩素系有機溶剤またはフッ素系有機溶剤から
なる第1溶剤3で被洗浄物4の第1洗浄を行う。次に、
第1溶剤3の付着した被洗浄物4を完全フッ素化液体1
0で洗浄して第2洗浄を行う。この第1、第2の洗浄を
外気と接触することのない同一雰囲気内で行い、被洗浄
物4から第1溶剤を除去した後、被洗浄物4を洗浄槽外
に取り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩素系有機溶剤、フッ
素系有機溶剤を用いて蒸気洗浄、液洗浄等の洗浄を完了
した被洗浄物から、付着している塩素系有機溶剤、フッ
素系有機溶剤を確実に除去する事を可能にする被洗浄物
の洗浄方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子部品、機械部品、プリント基
板等の被洗浄物の洗浄は、廉価で優れた洗浄効果を有す
ることから、塩素系有機溶剤、フッ素系有機溶剤を多用
してきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの塩素
系有機溶剤、フッ素系有機溶剤が大気中に拡散するとオ
ゾン層を破壊したり、洗浄作業者、環境等に悪影響を及
ぼす事が判明した。
【0004】そこで、これらの塩素系有機溶剤、フッ素
系有機溶剤に代えて、環境に与える影響が少ない、炭化
水素系溶剤、親水系溶剤、テルペン系溶剤、シリコン系
溶剤等を、洗浄液、洗浄蒸気として用いることが考慮さ
れている。
【0005】しかし、これらの炭化水素系溶剤、親水系
溶剤、テルペン系溶剤、シリコン系溶剤等は、塩素系有
機溶剤、フッ素系有機溶剤に比較すると、いずれも洗浄
能力が劣り、十分な洗浄効果を得られない欠点を有して
いる。
【0006】そこで、本発明者は、塩素系有機溶剤、フ
ッ素系有機溶剤を用いて優れた洗浄効果を得ながら、こ
れらの溶剤を大気中に拡散する事なく確実に回収し、従
来これらの有機溶剤が生じていた悪条件を、発生させな
い洗浄方法を発明したものである。
【0007】塩素系有機溶剤、フッ素系有機溶剤が大気
中に拡散する原因の殆どは、これらの溶剤が、被洗浄物
に残留したまま洗浄槽から外部に取りす事から生じてい
る。したがって、塩素系有機溶剤、フッ素系有機溶剤
を、被洗浄物から確実に除去した後に外部に取り出せ
ば、これらの溶剤の拡散は防止され、洗浄作業者、環境
等に悪影響を及ぼすことはないものである。
【0008】また、被洗浄物に付着した塩素系有機溶
剤、フッ素系有機溶剤を確実に除去するため、熱風、赤
外線等を被洗浄物に加えて、これらの溶剤を蒸発させる
方法が知られている。しかしながら、この方法は、溶剤
ガスを強く流動させるため、この溶剤ガスが大気中に拡
散する欠点を有しており、作業者、環境等に悪影響を及
ぼすものとなつている。
【0009】また、被洗浄物の素材によっては、塩素系
有機溶剤やフッ素系有機溶剤と接触すると膨潤を生じる
ものがある。例えば、シリコーンラバー、クロロプレー
ンラバー、ブタジエンラバー、ニトリルラバー等は多く
の有機溶剤を含浸し膨潤するものとなる。
【0010】この、膨潤に因って有機溶剤を多量に含浸
した被洗浄物を、洗浄槽からそのまま取り出せば、有機
溶剤が大気中へ多量に拡散する不都合を生じる。また、
有機溶剤を含浸した被洗浄物を、乾燥機に収納して蒸発
乾燥させ、被洗浄物の形状を元に戻すことが従来行われ
ている。この方法でも、乾燥機に被洗浄物を移動する過
程で大気中に溶剤が拡散される。また、乾燥機内での乾
燥時に溶剤ガスを強く流動させるため、溶剤ガスの大気
中への拡散が生じる。
【0011】また更に、被洗浄物に含浸した有機溶剤
を、乾燥機によって乾燥するには被洗浄物の形状、大き
さ等によっても異なるが、長い時間必要とし作業効率が
極めて悪いものであった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上述のごとき課
題を解決するため、塩素系有機溶剤またはフッ素系有機
溶剤からなる第1溶剤で被洗浄物の第1洗浄を行った
後、第1溶剤の付着した被洗浄物を完全フッ素化液体で
第2洗浄を行い、この第1、第2の洗浄を外気と接触す
ることのない同一雰囲気内で行い、被洗浄物から第1溶
剤を除去した後、被洗浄物を洗浄槽外に取り出すことを
特徴として成るものである。
【0013】また、第1溶剤は、塩素系有機溶剤とし
て、1,1,1トリクロルエタン、トリクロルエチレン、パ
ークロロエチレン、メチレンクロライド、フッ素系有機
溶剤として、フロン113、CH3・CCI2F、HCF
C123、HCFC141b、HCFC225ca、HCFC225cbで
あっても良い。
【0014】また、第1洗浄は、液洗浄であっても良
い。
【0015】また、第1洗浄は、蒸気洗浄であっても良
い。
【0016】また、第1洗浄は、液洗浄後に蒸気洗浄を
行うものであっても良い。
【0017】また、第2洗浄は、液洗浄であっても良
い。
【0018】また、第2洗浄は、蒸気洗浄であっても良
い。
【0019】また、第2洗浄は、液洗浄後に蒸気洗浄を
行うものであっても良い。
【0020】また、第1溶剤は、第2洗浄を行う完全フ
ッ素化液体よりも蒸発潜熱が大きいものであっても良
い。
【0021】また、完全フッ素化液体は、沸点に於ける
蒸発潜熱が15■20cal/gのものであっても良い。
【0022】
【作用】本発明は、塩素系有機溶剤またはフッ素系有機
溶剤からなる第1溶剤で被洗浄物の第1洗浄を行うこと
により、従来と同様の優れた洗浄効果を得ることができ
る。そして、この有毒な第1溶剤の付着した被洗浄物を
完全フッ素化液体で第2洗浄を行うことにより、被洗浄
物から第1溶剤を除去する。
【0023】完全フッ素化液体は不活性で安定した無毒
の液体であるから、完全フッ素化液体が被洗浄物に残留
したまま洗浄槽外に持ち出されても、作業者、環境等に
与える影響は全くないものである。
【0024】また、本発明は第1溶剤による第1の洗浄
と、完全フッ素化液体による第2の洗浄とを、外気と接
触することのない同一雰囲気内で行い、被洗浄物から第
1溶剤を除去した後、被洗浄物を洗浄槽外に取り出すも
のである。従って、有毒な第1溶剤が洗浄槽外に拡散す
る虞れはなく、安全な洗浄作業と溶剤の消失がない経済
的な洗浄を可能とする。
【0025】また、塩素系有機溶剤またはフッ素系有機
溶剤の洗浄によって、被洗浄物が膨潤を生じた場合も、
この被洗浄物を、完全フッ素化液体に浸漬洗浄または蒸
気洗浄することにより、数十秒の極めて短時間で被洗浄
物から有機溶剤を排除し、元の形状に戻すことができ
る。
【0026】そのため、膨潤した被洗浄物の復元を極め
て迅速に行うことができると共に、有機溶剤の大気中へ
の拡散を生じることがない。尚、完全フッ素化液体によ
る洗浄によって、このような技術効果の生じる理論的根
拠は不明であり、実験的に確認したものである。
【0027】
【実施例】本発明を実施するには、まず、被洗浄物の洗
浄目的に適合した、任意の塩素系有機溶剤またはフッ素
系有機溶剤からなる第1溶剤で、被洗浄物の第1洗浄を
行う。
【0028】第1溶剤の塩素系有機溶剤としては、1,1,
1トリクロルエタン、トリクロルエチレン、パークロロ
エチレン、メチレンクロライド等を用いることができ
る。
【0029】また、フッ素系有機溶剤としては、フロン
113、CH3・CCI2F、HCFC123、HCFC141
b、HCFC225ca、HCFC225cb等を用いることができ
る。
【0030】また、これらの溶剤は、いずれも蒸発潜熱
が大きなものである。例えば、塩素系有機溶剤である、
1,1,1トリクロルエタンは蒸発潜熱が、沸点付近で56.
7cal/g、トリクロルエチレンが、沸点付近で5
6.4cal/g、メチレンクロライドが、沸点付近で
78.7cal/gである。フッ素系有機溶剤である、
化学式CH3・CCI2Fで表される代替フロンは沸点付
近で52.8cal/gである。
【0031】そして、これらの第1溶剤を用いて行う被
洗浄物の洗浄装置は、洗浄目的に応じて任意のものを用
いる事ができるが、一実施例では図1に示すごとく、1
つの洗浄槽(1)内を複数に区画し、第1槽から第4槽を
形成している。そして第1槽(2)は、第1溶剤(3)を充
填して、被洗浄物(4)の浸漬洗浄を行う。また第2槽
(5)は第1溶剤(3)を用いて被洗浄物(4)の仕上げ洗浄
を行う。
【0032】また、第2槽(5)の第1溶剤(3)は、第1
槽(2)側にオーバーフローするよう液面を形成してい
る。また、第1槽(2)の第1溶剤(3)は、溶剤蒸留器
(6)にオーバーフローし、被洗浄物(4)から分離した油
分を溶剤蒸留器(6)で除去した後、凝縮して第2槽(5)
に還流する。また第1槽(2)、第2槽(5)中の第1溶剤
(3)は、揮発を抑えるために冷却し、極力低温に保持し
ている。
【0033】また、第1槽(2)、第2槽(5)で有毒な第
1溶剤(3)による第1洗浄を完了した被洗浄物(4)は、
第3槽(7)、第4槽(8)にて完全フッ素化液体(10)に
よる第2洗浄を行ない、被洗浄物(3)から第1溶剤(3)
を除去する。
【0034】この、完全フッ素化液体(10)による第2
洗浄は、まず第3槽(7)に於いて液洗浄を行う。この液
洗浄は、単なる浸漬洗浄であっても良いが、超音波洗浄
を併用したり、シャワー洗浄を行えば、更に確実な第1
溶剤(3)の除去が可能となる。
【0035】また、完全フッ素化液体(10)による液洗
浄で、第3槽(7)中で被洗浄物(4)から分離した第1溶
剤(3)は、溶剤蒸留器(6)にポンプ(11)で送り、完全
フッ素化液体(10)と分離した後、第2槽(5)に導入す
る。また、第1溶剤(3)と分離した完全フッ素化液体
(10)は第3槽(7)に還流する。
【0036】この完全フッ素化液体(10)と第1溶剤
(3)の分離は、第1溶剤(3)がフッ素系有機溶剤の場合
は、完全フッ素化液体(10)に溶解するため溶剤蒸留器
(6)を用いる必要があるが、第1溶剤(3)が塩素系有機
溶剤の場合は、完全フッ素化液体(10)に溶解せずに分
離するから、比重差による比重分離法や、遠心分離法等
によって分離を行っても良い。
【0037】また、第3槽(7)で第1溶剤(3)の除去を
行った被洗浄物(4)は、第4槽(8)に於いて第1溶剤
(3)の除去の仕上げを行う。この第4槽(8)は、完全フ
ッ素化液体(10)をヒーター(12)で加熱し、蒸気を発
生して蒸気洗浄を行うものである。また、第4槽(8)の
上端内面には、冷却コイル(13)を形成し、凝縮部(1
4)としている。
【0038】また、第1溶剤(3)の除去に使用する完全
フッ素化液体(10)は、蒸発潜熱が沸点付近で、15〜
19cal/g程度であり、第1溶剤(3)に比較し、極
めて蒸発潜熱は小さいものである。この、蒸発潜熱の小
さい完全フッ素化液体(10)の蒸気を、被洗浄物(4)に
接触させると、蒸発潜熱の大きな第1溶剤(3)の蒸発に
よって熱を奪われ、低温となっている被洗浄物(4)に、
蒸発潜熱の小さい完全フッ素化液体(10)の蒸気がカロ
リーを供給し、被洗浄物(4)とともに第1溶剤(3)を加
熱することができる。
【0039】このカロリー供給により、被洗浄物(4)に
付着している第1溶剤(3)は蒸発が容易となり、被洗浄
物(4)の乾燥を促進する。
【0040】この完全フッ素化液体(10)の蒸気の供給
により、蒸発した第1溶剤(3)は凝縮部(14)で凝縮液
化して回収することができる。そのため、被洗浄物(4)
に付着している未回収状態の第1溶剤(3)を、第4槽
(8)内で完全にガス化して凝縮回収することが可能とな
り、大気中への溶剤の拡散を防止することができる。
【0041】また、上記の第1槽(2)から第4槽(8)
は、密閉した洗浄槽(1)内を区分して形成したものであ
り、第1溶剤(3)を使用した第1の洗浄と、完全フッ素
化液体(10)を使用した第2の洗浄とは、外気と接触す
ることのない同一雰囲気内で行う必要がある。
【0042】また、上記実施例では被洗浄物(4)の洗浄
を、第1槽から第4槽に於いて行い、第1溶剤(3)によ
る第1の洗浄を2回行い、完全フッ素化液体(10)によ
る第2の洗浄を、液洗浄と蒸気洗浄で行っている。しか
し、異なる実施例では被洗浄物(4)の位置する洗浄槽
(1)は複数槽に区分する事なく、第2図に示すごとく、
1つの槽のみで行い、洗浄槽(1)の占有スペースを小さ
くすることも可能である。
【0043】この洗浄槽(1)は、外部に、エアーシリン
ダーやオイルシリンダー等を用いた上下動手段(15)を
位置している。そして、この上下動手段(15)に上下動
杆(16)を接続し、この上下動杆(16)の下端に固定し
た洗浄台(17)を上下動可能としている。また、洗浄槽
(1)の下底には、前記の第1溶剤(3)を収納し、この第
1溶剤(3)の上部に蒸気洗浄部(18)を形成している。
【0044】また蒸気洗浄部(18)の上部内周には、冷
却コイル(20)を巻き回して、蒸気の凝縮を行う凝縮部
(21)を形成している。また、この凝縮部(21)の上部
に被洗浄物(4)の出入部(22)を設け、この出入部(2
2)には、被洗浄物(4)を出入するための出入口(23)
を形成するとともにこの出入口(22)を、シャッター
(24)により閉止可能としている。また出入口(22)に
は、被洗浄物(4)を載置するための載置台(25)を設け
ている。
【0045】また、洗浄槽(1)に隣接して、蒸発潜熱の
小さな完全フッ素化液体(10)を収納した、蒸気発生槽
(26)を形成している。この蒸気発生槽(26)に収納す
る完全フッ素化液体(10)は、蒸発潜熱が沸点付近で、
15〜19cal/g程度であり、第1溶剤(3)に比較
し、極めて蒸発潜熱は小さいものである。
【0046】そして、蒸気発生槽(26)の完全フッ素化
液体(10)中には、蒸気発生用のヒーター(27)を設置
する。また、蒸気発生槽(26)の上部内面には、完全フ
ッ素化液体の蒸気(10)の冷却凝縮を行う冷却コイル
(28)を設け、この冷却コイル(28)と、充填した完全
フッ素化液体(10)との間に、適宜の重量を有する中蓋
(30)を、開閉可能に設置し、完全フッ素化液体(10)
の蒸気(31)の圧力制御を行っている。
【0047】そしてこの蒸気発生槽(26)は、開閉弁
(32)を備えた供給口(33)を介して洗浄槽(1)の蒸気
洗浄部(18)に接続し、完全フッ素化液体(10)の蒸気
(31)を洗浄槽(1)の蒸気洗浄部(18)に供給可能とし
ている。尚図中(35)は水分分離器である。
【0048】上述のごとく構成したものにおいて、第1
溶剤(3)を用いた洗浄槽(1)での第1の洗浄は、被洗浄
物(4)を、第1溶剤(3)に浸漬して行う。この浸漬は、
載置台(25)から出入口(23)を介して出入部(22)に
被洗浄物(4)を挿入し、上下動手段(15)を上昇作動し
て、洗浄台(17)を出入部(22)に位置し、この洗浄台
(17)に被洗浄物(4)をのせて第1溶剤(3)まで下降し
て行う。この第1溶剤(3)への浸漬による第1の洗浄
は、洗浄台(17)を小刻みに上下動して行っても良い
し、超音波振動子(36)を作動し超音波洗浄を行っても
良い。
【0049】この、第1溶剤(3)による洗浄を完了した
被洗浄物(4)は、上下動手段(15)を上昇作動して、洗
浄台(17)を蒸気洗浄部(18)に移動する。この蒸気洗
浄部(18)に、蒸気発生槽(26)で発生した完全フッ素
化液体(10)の蒸気(31)を、開閉弁(32)を開放して
供給し、第2の洗浄を行う。
【0050】この、蒸発潜熱の小さい完全フッ素化液体
(10)の蒸気(31)を、被洗浄物(4)に接触させると、
蒸発潜熱の大きな第1溶剤(3)の蒸発によって熱を奪わ
れ、低温となっている被洗浄物(4)に、蒸発潜熱の小さ
い完全フッ素化液体(10)の蒸気(31)がカロリーを供
給し、被洗浄物(4)とともに第1溶剤(3)を加熱するこ
とができる。
【0051】このカロリー供給により、被洗浄物(4)に
付着している第1溶剤(3)は蒸発が容易となり、被洗浄
物(4)の乾燥を促進する。
【0052】この完全フッ素化液体(10)の蒸気(31)
の供給により、蒸発した第1溶剤(3)は、凝縮部(21)
で凝縮液化して回収することができる。そのため、被洗
浄物(4)に付着している未回収状態の第1溶剤(3)を、
洗浄槽(1)内で完全にガス化して凝縮回収することが可
能となり、大気中への溶剤の拡散を防止することができ
る。
【0053】また、被洗浄物(4)へのカロリーの供給
は、熱風、赤外線等を被洗浄物(4)に加えるものではな
い。そのため、溶剤が可燃性の場合にも、引火の危険が
ないし、赤外線のごとく、溶剤又は被洗浄物(4)を変質
させたりすることがない。また熱風を用いる場合のごと
く、気体の強い流動を生じて溶剤を大気中に拡散する事
がないものである。
【0054】また、上記実施例では、被洗浄物(4)を順
次上下方向に移動しながら、洗浄及び乾燥作業を行った
が、他の異なる実施例では、第3図に示すごとく、洗浄
槽(1)を、第1溶剤(3)を収納した第1槽(37)と、仕
上げ洗浄用の第2槽(38)と、第1溶剤(3)を用いた蒸
気洗浄用の第3槽(40)と、完全フッ素化液体(10)に
よる蒸気洗浄用の第4槽(41)とに分離し、これらを横
方向に隣接して形成している。そして、第1槽(37)か
ら第3槽(40)で第1の洗浄を行い、第4槽(41)で第
2の洗浄を行っている。また第3槽(40)及び第3槽
(40)の上端内面には、冷却コイル(20)を設け、凝縮
部(21)を形成している。
【0055】このように形成することにより、第1溶剤
による洗浄液、洗浄蒸気を用いた、被洗浄物(4)の高純
度の第1の洗浄を可能とする。
【0056】また、被洗浄物()の膨潤に付いて、シリコ
ーンラバーをフロン113に含浸させて実験を行った。
この実験の1つは、シリコーンラバーのフロン113へ
の含浸時間と含浸量との関係である。また、他の1つは
フロン113を含浸したシリコーンラバーを完全フッ素
化液体に含浸した場合の、浸漬時間とフロン113の除
去量との関係を示すものである。
【0057】シリコーンラバーのフロン113への含浸
時間と含浸量との関係は、図4に示すごときものとな
る。ここで使用したシリコーンラバーは、1個約40m
gのものを用いたが、完全に同一重量のシリコーンラバ
ー片を形成するのが困難なため、個々には多少のばら付
きが生じている。 フロン113への含浸時間 シリコーンラバー片の重量 フロン113の含浸量 1分 0.0396g 0.0589g 2分 0.0398g 0.0865g 4分 0.0394g 0.1013g 5分 0.0393g 0.1213g 10分 0.0395g 0.1232g また、フロン113の含浸量の測定は、各々の時間フロ
ン113液にシリコーンラバー片を含浸させてものをフ
ロン113液から取り出し、直ちに密閉ガラス瓶に密閉
収納して測定を行った。
【0058】フロン113を含浸したシリコーンラバー
を完全フッ素化液体に含浸した場合の、浸漬時間とフロ
ン113の除去量との関係との関係は、図5の●の表示
で示すごときものとなる。ここで使用したシリコーンラ
バー片は、0.0398gのものを10分間フロン113に含
浸したもので、フロン113の含浸量は0.1290gである。 完全フッ素化液体への含浸時間 フロン113の残量 30秒 0.0571g 60秒 0.0249g 90秒 0.0247g 120秒 0.0237g また上記の実験は、フロン113の含浸量が0.1290gの
シリコーンラバー片を、30秒間完全フッ素化液体に浸
漬し、これを直ちに密閉ガラス容器に密閉してフロン1
13の残量を測定した。次に、このシリコーンラバー片
を再度フロン113液に10分浸漬し、フロン113液
の含浸量を0.1290gとした後、完全フッ素化液体に60
秒間浸漬することを繰り返したものである。
【0059】上述のごとく、膨潤したシリコーンラバー
片を完全フッ素化液体に浸漬することにより、極めて短
時間でのフロン113の除去が可能となる。またこの除
去は、完全フッ素化液体内に行われるから、フロン11
3の大気中への拡散は全く無いものである。
【0060】比較例 フロン113液を充填した密閉状態の容器内に、重量約
40mgの複数のシリコーンラバー片を10分間含浸し
た。この後で、容器を開放してフロン113液を抜き取
り、直ちに1個を測定し、他は30秒、1分、2分、3
分、5分、10分毎にシリコーンラバー片を取り出し
て、フロン113の残量を測定したものが、図5の○で
示す曲線である。 フロン113への含浸時間 シリコーンラバー片の重量 フロン113の残量 0分 0.0400g 0.1308g 30秒 0.0391g 0.1154g 1分 0.0392g 0.1222g 2分 0.0392g 0.1284g 3分 0.0392g 0.1250g 5分 0.0393g 0.1152g 10分 0.0397g 0.1135g 以上のごとく、膨潤したシリコーンラバー片は、10分
が経過しても、フロン113の減少は極めて僅かであ
る。そのため、膨潤したシリコーンラバー片の復元には
長時間を要すると共に、大気中へのフロン113の拡散
が著しいものとなる。
【0061】
【発明の効果】本発明は上述のごとく、塩素系有機溶剤
またはフッ素系有機溶剤からなる第1溶剤で第1の洗浄
を行った被洗浄物を、完全フッ素化液体で洗浄すること
により、第2の洗浄を行い、被洗浄物に付着した第1溶
剤を除去した後に、被洗浄物を洗浄槽取り出すことがで
きる。
【0062】この除去作業は、被洗浄物に、熱風、赤外
線等を加えるものではない。そのため、赤外線のごと
く、溶剤又は被洗浄物を変質させたりすることがない。
また熱風を用いる場合のごとく、気体の強い流動を生じ
て溶剤を大気中に拡散する事がないものである。
【0063】また、有毒で蒸発潜熱の大きな第1溶剤で
洗浄した被洗浄物を、蒸発潜熱の小さな完全フッ素化液
体の蒸気で蒸気洗浄することにより、被洗浄物を冷却す
る事なく一定の温度を保つことにより、被洗浄物の確実
な乾燥を可能にし、溶剤の大気中への拡散を防止する。
【0064】また、被洗浄物から除去し完全フッ素化液
体に混合または溶解した第1溶剤は、蒸留、比重差によ
る自然分離、遠心分離等によって容易に回収することが
でき、大気中への拡散を防止すると共に、溶剤消費の少
ない経済的な洗浄作業を可能とする。
【0065】また、塩素系有機溶剤またはフッ素系有機
溶剤の洗浄によって、被洗浄物が膨潤を生じた場合も、
この被洗浄物を、完全フッ素化液体に浸漬洗浄または蒸
気洗浄することにより、数十秒の極めて短時間で被洗浄
物から有機溶剤を除去し、元の形状に戻すことができ
る。そのため、膨潤した被洗浄物の復元を極めて迅速に
行うことができると共に、有機溶剤は完全フッ素化液体
中に流出するから、有機溶剤は確実に回収可能で、大気
中への拡散を生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の断面図。
【図2】異なる実施例の断面図。
【図3】更に異なる実施例の断面図。
【図4】シリコーンラバーのフロン113への含浸時間と
含浸量との関係を示すグラフ。
【図5】フロン113を含浸したシリコーンラバーを完
全フッ素化液体に浸漬した場合を●で、フロン113を
含浸したシリコーンラバーを大気中に放置した場合を○
で示した、浸漬時間とフロン113の除去量との関係と
の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 洗浄槽 3 第1溶剤 4 被洗浄物 10 完全フッ素化液体

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素系有機溶剤またはフッ素系有機溶剤
    からなる第1溶剤で被洗浄物の第1洗浄を行った後、第
    1溶剤の付着した被洗浄物を完全フッ素化液体で第2洗
    浄を行い、この第1、第2の洗浄を外気と接触すること
    のない同一雰囲気内で行い、被洗浄物から第1溶剤を除
    去した後、被洗浄物を洗浄槽外に取り出すことを特徴と
    する被洗浄物の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 第1溶剤は、塩素系有機溶剤として、1,
    1,1トリクロルエタン、トリクロルエチレン、パークロ
    ロエチレン、メチレンクロライド、フッ素系有機溶剤と
    して、フロン113、CH3・CCI2F、HCFC123、
    HCFC141b、HCFC225ca、HCFC225cbであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の被洗浄物の洗浄方法。
  3. 【請求項3】 第1洗浄は、液洗浄であることを特徴と
    する請求項1記載の被洗浄物の洗浄方法。
  4. 【請求項4】 第1洗浄は、蒸気洗浄であることを特徴
    とする請求項1記載の被洗浄物の洗浄方法。
  5. 【請求項5】 第1洗浄は、液洗浄後に蒸気洗浄を行う
    ものであることを特徴とする請求項1記載の被洗浄物の
    洗浄方法。
  6. 【請求項6】 第2洗浄方法は、液洗浄であることを特
    徴とする請求項1記載の被洗浄物の洗浄方法。
  7. 【請求項7】 第2洗浄は、蒸気洗浄であることを特徴
    とする請求項1記載の被洗浄物の洗浄方法。
  8. 【請求項8】 第2洗浄は、液洗浄後に蒸気洗浄を行う
    ものであることを特徴とする請求項1記載の被洗浄物の
    洗浄方法。
  9. 【請求項9】 第1溶剤は、第2洗浄を行う完全フッ素
    化液体よりも蒸発潜熱が大きいことを特徴とする請求項
    1記載の被洗浄物の洗浄方法。
  10. 【請求項10】 完全フッ素化液体は、沸点に於ける蒸
    発潜熱が15■20cal/gのものであることを特徴とする請
    求項1、9記載の被洗浄物の乾燥方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07155711A (ja) * 1993-12-08 1995-06-20 Morikawa Sangyo Kk 物体の洗浄方法及びそれに用いる洗浄装置
CN102411130A (zh) * 2011-12-09 2012-04-11 西南应用磁学研究所 永磁体磁偏角测量装置及方法

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JPH04161280A (ja) * 1990-10-23 1992-06-04 Sumitomo 3M Ltd 物品の洗浄乾燥方法

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