以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1(斜視図)は、遊技機1の前面側の下部に配置された受皿ユニット45に上下方向に突出入自在なボタン押圧部58が設けられたパチンコ機である遊技機1の構成例を示す。
初めに遊技機1の全体構成を説明する。遊技機1は、図1に示すように、後側から前側に、固定枠(外枠)3と、遊技盤取付枠(内枠)5と、遊技盤10と、前扉セット40とから構成される。
固定枠3は、ホールにおいて遊技機1が配置される遊技島設備に固定されものであり、機枠として所定の外郭方形枠サイズに構成されている。固定枠3は、その下部に固定枠幅方向(左右方向)に延びる装飾部材50がねじによって取り付けられている。
遊技盤取付枠5は、枠状に形成され、正面視において左側の上下両端部に配設された開閉連結支持機構(図示せず)を介して固定枠3に開閉(片持ち横開き)可能に組付けられて、固定枠3に対して開閉可能に支持されている。
遊技盤取付枠5は、枠形状の内側に遊技盤10を着脱可能にセット保持している。遊技盤10は、詳細については後述するが、パチンコゲームを展開し得るものである。遊技盤取付枠5は、遊技機1の正面の右側下部に配設されたシリンダ錠52及びこれと連動する施錠装置を利用して固定枠3に対して閉鎖状態に保持される。
遊技盤取付枠5の正面側には、遊技盤取付枠5の前側面域に合わせた方形状の前扉セット40が横開き開閉及び着脱が可能に組付けられており、シリンダ錠52及びこれと連動する施錠装置を利用して遊技盤取付枠5の前面を覆う閉止状態で保持される。
前扉セット40は、前扉体41とこの下部に設けられた受皿ユニット45を有して構成されている。前扉体41は、遊技盤取付枠5の前面側に開閉可能な状態で支持されている。前扉体41には、遊技盤取付枠5に取り付けられた遊技盤10を視認可能にする透明性の遊技盤視認用透明窓42が設けられ、遊技盤視認用透明窓42の上方には透明性を有する透明上部収納部43が形成され、遊技盤視認用透明窓42の左右両側には上下方向に延び透明上部収納部43に繋がる透明性を有する透明側部収納部44が形成されている。
前扉体41の遊技盤視認用透明窓42は、板面が前方に向いた平面状に形成されている。
透明上部収納部43は、横長の箱状に形成され、透明上部収納部43には、遊技盤10側の左右両側に配置される装飾部材としての電飾部54が挿脱可能な状態で収納されている。電飾部54は透明上部収納部43を介して外部から視認可能である。
透明側部収納部44には、遊技盤10の左右両側に配置される装飾部材としての電飾70Cが収納されて、この電飾70Cは透明側部収納部44を介して外部から視認可能である。電飾70C(電飾部70)の詳細については後述する。前扉体41及び遊技盤視認用透明窓42は、ポリカーボネート等の透明な材料で一体成形される。
受皿ユニット45は、透明な合成樹脂材料製で箱状に形成されたケース本体46を基本構造とし、前扉体41の遊技盤視認用透明窓42よりも下方に設けられている。受皿ユニット45は、その上面が略水平に延びる上板部46aと、上板部46aの外周を囲むようにして下方へ延びる側板部46gを有し、上板部46aの前側には後述するボタン操作機構部56を設ける凹部46bが形成されている。また凹部46bよりも遊技盤側の受皿ユニット45には、上部が開放した凹状の遊技球供給皿46cが形成されている。この遊技球供給皿46cは、遊技球供給皿46cの内面に開口する球払出口46dから払い出された遊技球を貯留して整列させる。
受皿ユニット45の上板部46aの表側には、図3(a)(斜視図)、図4(斜視図)に示すように、上板部46aの表面及び側板部46gの表面に沿ってボタン押圧部58から放射状に延びる電飾70A,70Bおよび70Cが延設されている。なお、以下では、必要に応じて、各電飾70A,70Bおよび70Cを全て含んで電飾部70と総称する。これらの電飾70A,70B,70Cは、上板部46a及び側板部46gに設けられた凹部46hに装着される。凹部46hの幅方向外側の上板部46aには、電飾部70を上板部46aに固定するための孔部46iが複数設けられている。凹部46hはボタン押圧部58から放射状に延びる。このため、凹部46hに装着される電飾部70はボタン押圧部58から放射状に延びるように配置される。
電飾部70は、凹部46hに沿って延びて凹部46h内に収容可能な板状の発光支持板71と、発光支持板71の上面に発光支持板71の長手方向に所定の間隔を有して取り付けられた複数の発光体72(LED)と、複数の発光体72の上方に対向配置され発光支持板71に沿って延びて発光体72の光を透過可能な透過板73を有してなる。透過板73は透明な合成樹脂材料等で形成されている。
発光支持板71の長手方向両端部には、ねじ77を通すための貫通孔71aが設けられている。これらの貫通孔71aに通されたねじ77は、図5(b)、図5(c)に示すように、透過板73の後述するねじ孔突出部73bに螺合されて発光支持板71を透過板73に固定する。
透過板73は、図3(a)、図3(b)(断面図)に示すように、板状に形成されて長手方向に延びる板本体部73aと、板本体部73aの裏面側の長手方向両端部に設けられ透過板73の裏面側から突出するねじ孔突出部73bを有してなる。
板本体部73aは表面側が凸状に湾曲して形成され、透過板73の裏面側には透過板73の長手方向に延びて受皿ユニット45の凹部46hの幅方向両端部に係合可能な一対の段部73cが所定間隔を有して並設されている(図5(c)参照)。ねじ孔突出部73bの先端部にはねじ77を螺合するためのねじ孔が設けられている。板本体部73aの裏面に設けられた段部73cの外側の板本体部73aの裏面には、電飾部70を受皿ユニット45の上板部46aに取り付けるためのねじ孔73d(図5(c)参照)が複数設けられている。電飾部70は、凹部46hに装着された状態で、上板部46aの裏側から孔部46iに通されたねじ78をねじ孔73dに螺合させることで受皿ユニット45に取り付けられる。
電飾部70は、図1、図3(a)に示すように、稲妻をイメージして直線をジグザグに曲げたように連続的に配置されている。このため、発光体72が発光すると、あたかもボタン押圧部58から放電が発生し、またボタン押圧部58に稲妻が落ちたかのような印象を遊技者に与えることができる。
電飾70Bは、図4(斜視図)に示すように、ボタン押圧部58から離反する方向に延びるとともに、遊技球供給皿46cの底面部46c1及び側面部46c2の表側を延びて遊技盤10側に延出するように配設されている。このため、遊技球供給皿46cの底面部46c1及び側面部46c2に配設された電飾70Bの発光体72が発光すると、その光は遊技機1の前側に座る遊技者に視認可能である。従って、遊技球供給皿46cに遊技球が貯留していないときに、これらの発光体72の発光によってあたかもボタン押圧部58から放電が発生し、またボタン押圧部58に稲妻が落ちたような印象を遊技者に与えることができる。
また電飾70Cは、図1に示すように、遊技盤10の左右両外側端部を上下方向に延びるように配設されるとともに、受皿ユニット45に設けられたボタン押圧部58に延びるように配設されている。これらの電飾70Cの発光体72が発光すると、遊技盤10の左右両側の上部からボタン押圧部58にあたかも稲妻が落ちたかのような印象や、ボタン押圧部58から大きな放電が発生したかのような印象を強いインパクトで遊技者に与えることができる。
これらの電飾70A,70B,70Cは、例えば遊技中における特定のリーチ演出に際し、ボタン押圧部58の押圧操作を促すガイダンスが遊技盤10の中央部に設けられた後述する画像表示装置11に表示される前に、発光体72(図3(a)参照)が発光するようになっている。なお、発光体72の発光時期は、特定のリーチ演出時に限るものではなく、リーチ演出以外の演出(例えば、大当たり演出)時にも発光体72が発光するようにしてもよい。
また、これらの電飾70A,70B,70Cは、例えば、画像表示装置11に表示されるガイダンスに従ってボタン押圧部58が押圧操作されると、放射状に配設された複数の電飾70A,70B,70Cの発光体72がボタン押圧部58から放射状に発光するようになっている。
なお、ボタン押圧部58が大当たり演出時に突出状態にされる場合には、この大当たり演出がされている間にボタン押圧部58が押圧操作されると、放射状に配設された複数の電飾70A,70B,70Cの発光体72がボタン押圧部58から放射状に発光するようにしてもよい。また、ボタン押圧部58が押圧操作されたときの電飾70A,70B,70Cの発光は、リーチ演出の内容や大当たりの種類に応じて光の発光強度が変わるようにしてもよい。
ボタン操作機構部56は、図6(断面図)、図7(a)(斜視図)、図7(b)(斜視図)に示すように、凹部46b内に挿着される円筒状の支持本体部57と、支持本体部57に対して突出入可能に挿入されたボタン押圧部58と、支持本体部57に対してボタン押圧部58を突出入させる移動機構部59とを有してなる。
支持本体部57は、凹部46bの下方に配置されて受皿ユニット45内に支持される。ボタン押圧部58は、キャップ状に形成された押圧本体部58bと、押圧本体部58b内に挿入された筒状体58cと、押圧本体部58b及び筒状体58cの底部に取り付けられて押圧本体部58b及び筒状体58cを一体的に固定する円板状の基部58dを有してなる。基部58dの中央部には後述する軸部を挿通する孔部58d1が設けられている。
移動機構部59は、支持本体部の底部に取り付けられた支持基板57a(図7(a)参照)上に設けられている。支持基板57aの略中央部に軸部59aの下部が回転自在に支持されている。軸部59aはその外周にその上部から下部に渡って螺旋溝59a1が設けられている。この螺旋溝59a1は、ボタン押圧部58の基部に設けられた突起部(図示せず)と係合する。従って、ボタン押圧部58が支持本体部57に対して押圧されて下方へ移動すると、突起部が螺旋溝59a1に沿って下方へ移動し、この突起部の移動に伴って軸部59aが回転する。
軸部59aの底部には支持基板57aに回転自在に支持された複数の歯車59b,59eとこれを回転させる電動モータ59cを備えた移動機構部59が設けられている。この移動機構部59の歯車59eには、ボタン押圧部58を上方へ突出させる際に歯車59eを強制的に回転させるねじりコイルばね(図示せず)が設けられている。また移動機構部59には電動モータ59cの動力によってボタン押圧部58を下方へ突入させるときには、電動モータ59cと歯車59bとの間の動力伝達を接続し、それ以外の場合(ボタン押圧部58を突出させる場合、また突出状態のボタン押圧部58を遊技者によって押させる場合)には、電動モータ59cと歯車59bとの間の動力伝達を遮断するクラッチ機構部59dが設けられている。
従って、クラッチ機構部59dが遮断状態になると、ボタン押圧部58は突出した状態になって押圧操作が可能な状態になる。一方、クラッチ機構部59dが接続状態になると、電動モータ59cによってボタン押圧部58を自動的に突出状態から突入状態にすることができる。
ボタン操作機構部56のボタン押圧部58は、遊技中における特定のリーチ演出に際し、ボタン押圧部58の押圧操作を促すガイダンスが画像表示装置11に表示される前に支持本体部57から突出した状態にされる。また、ボタン押圧部58による押圧操作は、遊技中における特定のリーチ演出に際し、ボタン押圧部58の押圧操作を促すガイダンスが画像表示装置11に表示されている間、有効となるように構成される。
このように、遊技中における特定のリーチ演出に際し、ボタン押圧部58の押圧操作を促すガイダンスが画像表示装置11に表示される前に、電飾70A,70B,70Cによってボタン押圧部58に稲妻が落ちるような発光演出が行われるとともに、ボタン押圧部58が突出した状態にされる。このため、電飾70A,70B,70Cの発光演出によって、ボタン押圧部58が突出した状態にあることを遊技者に大きなインパクトで印象付けることができる。
なお、ボタン押圧部58による押圧操作は、特定のリーチ演出時に限るものではなく、リーチ演出以外の演出(例えば、大当たり演出)時に押圧操作可能にしてもよい。
また遊技中における特定のリーチ演出時や大当たり時に、突出状態のボタン押圧部58が押圧操作されると、電飾70A,70B,70Cがボタン押圧部58から放射状に発光することで、演出効果をより高めることができ、放射状に発光する発光演出を遊技者に効果的に印象付けることができる。
このように、遊技機1は、図8に示すように、ボタン押圧部58から離反する方向に直線に対してジグザグに曲がって配設された複数の電飾70A,70B,70Cが設けられ、演出制御基板81及びランプ制御基板84によって、ボタン押圧部58の突出時に複数の電飾70A,70B,70Cを発光させて、図8の斜線で示すような、ボタン押圧部58に対して稲妻が落ちたような発光演出や、ボタン押圧部58から放電するような発光演出が行われる。
このため、このような電飾部70の発光演出によって、この発光演出を遊技者に効果的に印象付けることができる。また、これらの発光演出は、ボタン押圧部58に向かう発光演出や、ボタン押圧部58から発光するような発光演出であるので、意識してもらいたいボタン押圧部58の突出動作をより強いインパクトで遊技者に伝えることができる。
また、リーチ演出の際に画像表示装置11に表示されるガイダンスに従ってボタン押圧部58が押圧操作され、また大当たり演出時にボタン押圧部58が押圧操作されると、ボタン押圧部58から放射状に電飾70A,70B,70Cが発光するので、ボタン押圧部58の押圧操作時に遊技者に効果的に印象付ける発光演出を行うことができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、ボタン押圧部58の押圧操作時や大当たり遊技時において、電飾部70の発光制御を行なって、ボタン押圧部58に対して稲妻が落ちたような発光演出を行うようにしてもよい。このようにすると、ボタン押圧部58から放射状に電飾70A,70B,70Cが発光する場合と同様の効果を得ることができる。
遊技盤10は、図1、図2(正面図)に示すように、その前面に設けられた遊技領域20を前扉体41の正面に臨ませている。遊技盤10は、合板の前面に樹脂シートを貼り付けたものに、センター役物13等の各種役物や遊技釘14を配設して構成されている。
遊技盤10の遊技領域20の中央部には、センター役物13が設けられている。センター役物13は、開口部17aが形成された枠部材17を主要構成とする前側ユニット16を有し、開口部17aの背面側に画像表示装置11が配置されている。画像表示装置11は、液晶表示器(LCD)を用いたものであり、開口部17aから露出する部分が画面11aとなっている。
センター役物13の枠部材17の上部左側には、上下方向に延びて湾曲する曲面部19が設けられている。遊技領域20は、この曲面部19から左右に分岐して左打ち用の遊技領域20と、勢いが付きすぎた遊技球を遊技領域20に戻し又は遊技盤10の下部に開口する回収口21に導く線路22に分けられている。
左打ち用の遊技領域20には、多数本の遊技釘14とともに、入賞ゲート23、普通入賞口24、風車25、第1始動口26、第2始動口27、大入賞口ユニット28等が配置されている。大入賞口ユニット28は、遊技盤10を貫通する取付孔に取り付け固定される。
一方、枠部材17の左側に設けられた左側壁17bには、左打ち用の遊技領域20を落下する遊技球が付近の遊技釘14の誘導により比較的低い確率で突入するワープ経路29が設けられている。
枠部材17の下壁の正面側の上面には、ワープ経路29を通過した遊技球が転がるステージ面30が形成されている。ステージ面30の中央には遊技球を第1始動口26に誘導する誘導孔31の入り口が設けられている。誘導孔31の出口32は、第1始動口26の上方に位置する。ステージ面30の手前には、ステージ面30から転落した遊技球が転がるステージ面33が形成されている。
遊技球は、通常の遊技状態で、曲面部19よりも左下側に落下して左打ち用の遊技領域20に導かれ、遊技釘14や風車25に衝突しながら、あるものは、ワープ経路29、ステージ面30及び誘導孔31を通過し第1始動口26に落下し、また、あるものは、ステージ面33を通過し第1始動口26に落下し、また、あるものは、ワープ経路29を介さず直接下方に落下し、普通入賞口24または第1始動口26に入賞し、また、あるものは、アウト球として回収口21に集合し、アウト球通路孔を通って遊技盤10の裏面(背面)側に排出される。
受皿ユニット45の右側端部の下方位置には、遊技盤取付枠5に設けられた発射部39を作動させる操作ハンドル34が配置されている。操作ハンドル34は前扉体41から遊技者側へ突出し、発射部39の駆動によって遊技球を発射させる際に遊技者によって操作されている。
操作ハンドル34は発射部39を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材35を備えている。発射指示部材35は、操作ハンドル34の外周部に、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。発射指示部材35にはこの回転に連動する発射ボリューム35a(図10参照)が設けられ、遊技者によって直接操作されているときに発射ボリューム35aの抵抗値によって発射部39に遊技球発射の指示を与える。また、操作ハンドル34には遊技者が発射指示部材35を直接操作していることを検出するタッチセンサ34s(図10参照)等が内蔵されている。操作ハンドル34に遊技者の手が接触すると、操作ハンドル34に設けられているタッチセンサ34sが、操作ハンドル34に遊技者が触れたことを検知し、発射制御基板36(図10参照)にタッチ信号を送信する。発射制御基板36は、タッチセンサ34sからタッチ信号を受信すると、発射部39の発射用ソレノイド34b(図10参照)の通電を許可する。
発射部39の駆動によって発射された遊技球は、遊技盤10に取り付けられた外側及び内側のレール37、38間を上昇して遊技盤10の上部位置に達した後、遊技領域20内を落下する。
画像表示装置11の下方には遊技球を受入れ可能な第1始動口26が配置され、第1始動口26の下方には一対の可動片27L、27Rを有する第2始動口27が配置されている。第2始動口27は一対の可動片27L、27Rが閉状態のときに遊技球の受入れを困難にし、開状態のときに第1始動口26よりも遊技球の受入れを容易にする。
画像表示装置11の左側に配設された入賞ゲート23は、遊技球の通過を検出し、第2始動口27を一定時間だけ開放させる普通図柄の抽選を行う。入賞ゲート23の下方位置等には、遊技球が入球したときに所定数(例えば10個)の賞球払い出しの権利を獲得する普通入賞口24が配置されている。遊技領域20の最下部にはどの入球口にも入球しなかった遊技球を回収する回収口21が配置されている。
遊技盤10の右側下部には、第1特別図柄表示装置61及び第2特別図柄表示装置62、第1特別図柄保留表示装置63及び第2特別図柄保留表示装置64、普通図柄表示装置65が配置されている。
第1特別図柄表示装置61は、第1始動口26に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するものであり、7セグメントのLEDで構成されている。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置61に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
より詳細には、第1始動口26に遊技球が入球すると、大当たりの抽選が行われることとなるが、この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、所定時間を経過したところで遊技者に報知される。そして、所定時間が経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。なお、第2特別図柄表示装置62は、第2始動口27に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、上記第1特別図柄表示装置61における特別図柄の表示態様と同一である。
また、普通図柄表示装置65は、入賞ゲート23を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。詳しくは後述するが、この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置65が点灯し、その後、上記第2始動口27が所定時間、第2の態様に制御される。なお、この普通図柄についても、入賞ゲート23を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、所定時間が経過するまで、普通図柄表示装置65を点滅させる等、普通図柄が変動表示するようにしている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口26または第2始動口27に遊技球が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで大当たりの抽選の権利が留保される。より詳細には、第1始動口26に遊技球が入球して留保される大当たりの抽選の権利は第1保留として留保され、第2始動口27に遊技球が入球して留保される大当たりの抽選の権利は第2保留として留保される。
これら両保留は、それぞれ上限留保個数を4個に設定し、その留保個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示装置63と第2特別図柄保留表示装置64とに表示される。なお、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示装置63の左側のLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示装置63の2つのLEDが点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示装置63の左側のLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示装置63の2つのLEDが点滅する。また、第2特別図柄保留表示装置64においても、上記と同様に第2保留の留保個数が表示される。
そして、普通図柄の上限留保個数も4個に設定されており、その留保個数が、上記第1特別図柄保留表示装置63および第2特別図柄保留表示装置64と同様の態様によって、普通図柄保留表示装置66において表示される。
画像表示装置11は、第1始動口26または第2始動口27に遊技球が入球したときに複数の図柄(この画像表示装置11にて表示される図柄のことを装飾図柄という)の変動表示を開始し、所定時間経過後に当該装飾図柄の変動を停止させる。停止時に特定の装飾図柄(例えば「777」)が揃えば、大当たり遊技(長当たり遊技)を実行する権利を獲得したこととなり、その後、大当たり遊技(長当たり遊技)が開始される。大当たり遊技(長当たり遊技)が開始されると、遊技領域20の下方に位置する大入賞口ユニット28における開閉扉28aが一定時間、開放する動作を所定回数(例えば15回)繰り返し、入球した遊技球に対応する賞球が払い出される。
大入賞口ユニット28は遊技盤10に設けられた大入賞口10aを開閉する開閉扉28aを開閉自在に支持し、開閉扉28aが大入賞口10aの前面(表面)側に位置した状態で、遊技盤10の背面に設置されている。開閉扉28aは通常時には閉鎖して大入賞口10aを閉塞しており、大入賞口10aに遊技球が入球することを阻止している。大当たり遊技が開始されたときには、大入賞口開閉ソレノイド28b(図9参照)への通電により開閉扉28aが開放して大入賞口10aを開放させる。大入賞口10aの開放時には、開閉扉28aが遊技球を大入賞口10a内に導くための受け皿として機能するため、大入賞口10aに遊技球が入球可能となる。
センター役物13における画像表示装置11の上方及び右側には、演出用の役物装置(以下、「演出用役物装置」という)67,68が配置されている。演出用役物装置67,68は例えばモータによって駆動されるようになっている。センター役物13における演出用役物装置67の上側には、電飾部69が設けられている。遊技盤10の遊技領域20の上方の左右両側に前述した電飾部54が取り付けられている。
受皿ユニット45の上板部46aの右側には、遊技機1の左側に設置された遊技球貸出装置7に関わる変換ボタンとしての球貸しボタン74と、返却ボタン75が設けられている。また、これらのボタンの近くには、複数のLEDの点灯によって情報の表示を行う表示部76が設けられている。
受皿ユニット45には、ムービングライト100が取り付けられている。ムービングライト100は動きのある照明を演出するために受皿ユニット45の下方(図12の正面視左側下方)に取り付けられる。ムービングライト100は、照明光の色彩、明るさ、照明方向などの所望の組み合わせよる多様な演出が可能となっている。
図9(a)から図9(c)において、ムービングライト100は、ライト本体101と、ライト本体101の両翼を支持するアーム体102と、アーム体102の下部を支持するベース体103とを備えている。このベース体103は受皿ユニット45に連結されている。
ライト本体101は、略円柱形状となっており、内部には、メタルハライドランプ、フォーカス機構、シャッタ機構、プリズム機構、ゴボ機構、カラーホイール機構、レンズなどの構成部品(いずれも図示省略)が配置されている。ライト本体101の前面は、投影光を出射する出射口101aとなっている。
フォーカス機構は、ランプを支持してランプを光軸方向に前後移動させ、照明や投影画像の焦点を合わせ、又は焦点をぼかす機構である。シャッタ機構は、シャッタが開閉作動して閃光を発生させる機構である。プリズム機構は投影光を複数に分割する機構である。ゴボ機構は、単一又は複数のゴボを選択して投影光(投射された光による像)に模様を付与する機構である。カラーホイール機構は、複数のカラーフィルタを有し、カラーフィルタを光軸上で重ねることや、光軸上から退避させることにより任意のカラー照明を行う機構である。これらの機構の作動は、演出制御基板81のサブCPU81a(後述する図10参照)によって制御される。
図9(a)から図9(d)において、アーム体102は、U字形となっており、両翼が立ち上がっている一対のアーム部102aがライト本体101を支持している。アーム部102aの先端部分には、垂直回動機構部104が設けられ、垂直回動機構部104がライト本体101を支持している。ライト本体101は、アーム体102に対し上下方向(いわゆる、チルト方向、図9(b)及び図9(c)における矢印Aで示す方向)に回動可能である。
各アーム部102aの基端部は、ベース体103の上面に当接してベース体103に支持されている。ベース体103の上面からは回転軸103aが突出しており、回転軸103aがアーム体102の中央部分に連結されている。回転軸103aはベース体103の内部に設けたモータ(図示省略)に連結されている。モータが駆動すると、アーム体102がベース体103上で正逆方向に旋回し、ライト本体101を左右方向(いわゆる、パン方向、図9(b)及び図9(d)における矢印Bで示す方向)に旋回できる。
なお、ムービングライト100は、本発明の表示手段を構成する。
遊技機1は、遊技球貸出装置7に送受信可能に接続されている。遊技球貸出装置7は、プリペイドカード等の記録媒体のカード挿排口7aを備えて記録媒体に記録された金額の残高に応じて遊技球の球貸しの制御を行う。表示部76は、記録媒体に記録された金額の残高の情報を表示するとともに、球貸しボタン74と返却ボタン75が有効中であるか否かを表示する。
遊技球供給皿46cの左右方向右側には、遊技盤幅方向に延びる整列路46eが設けられている。この整列路46eは、遊技盤幅方向右側に向けて下方にわずかに傾斜しており、遊技球供給皿46cからの遊技球を整列させて発射部39に送られる。
整列路46eの右側には、球抜きボタン(図示せず)が設けられている。遊技機1は、この球抜きボタンを手動で押し続けることにより、遊技球供給皿46cに貯留する遊技球を受皿ユニット45の下方の前扉体41に設けられた下側球排出口45aから排出するように構成されている。下側球排出口45aから排出される遊技球は、通常、ドル箱と呼ばれる遊技球収納箱に受け止められ収納される。
遊技盤取付枠5の上部及び下部の左右方向両側には、演出効果音、または不正を知らしめる音声を出力するスピーカ45bが組み込まれている。これらのスピーカ45bは高音・中音・低音の領域を出力できる機能を有し、通常演出時は高音・中音・低音をバランス良く出力するが、リーチ大当たり等の特別演出時、または不正等があった場合には周りに良く聞こえるように高音領域を高く出力するように制御されている。
(制御手段の内部構成)
次に、図10を用いて遊技の進行を制御する制御手段について説明する。遊技機1の制御手段は、図10に示すように、主制御基板80、演出制御基板81、払出制御基板86、ランプ制御基板84及び画像制御基板85から構成されている。
主制御基板80は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板80は、メインCPU80a、メインROM80b、メインRAM80cを備えている。メインCPU80aは、各検出センサやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM80bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示装置を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板に所定のコマンドを送信したりする。メインRAM80cは、メインCPU80aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
主制御基板80の入力側には、第1始動口検出センサ26s、第2始動口検出センサ27s、第1大入賞口検出センサ28s、入賞ゲート検出センサ23s及び一般入賞口検出センサ24sが接続されている。これら各センサ26s,27s,28s,23s,24sは、それぞれ対応する検出信号を主制御基板80に送信する。
主制御基板80の出力側には、図1を更に追加して説明すると、第2始動口27の一対の可動片27L,27Rを動かす第2始動口開閉ソレノイド27b、大入賞口ユニット28の開閉扉28aを動かす大入賞口開閉ソレノイド28bが接続されている。主制御基板80は、出力ポート(図示せず)を介して各ソレノイド27b,28bを制御する信号を各ソレノイド27b,28bに送信する。また、主制御基板80の出力側には、第1特別図柄表示装置61、第2特別図柄表示装置62及び普通図柄表示装置65が接続されるとともに、第1特別図柄保留表示装置63、第2特別図柄保留表示装置64及び普通図柄保留表示装置66が接続されている。主制御基板80は、出力ポート(図示せず)を介して各表示装置61,62,65,63,64,66を制御する信号を各表示装置61,62,65,63,64,66に送信する。また、主制御基板80は、第1始動口検出センサ26s、第2始動口検出センサ27s、一般入賞口検出センサ24s及び第1大入賞口検出センサ28sの検出結果に基づき、各入球口(第1始動口26、第2始動口27、普通入賞口24、大入賞口10a)に入球した遊技球に対応した賞球数を払い出させる賞球要求信号を払出制御基板86に送信する。
さらに、主制御基板80の出力側には遊技情報出力端子板87が接続されている。主制御基板80は、出力ポートを介して、所定の遊技に関する情報(以下、遊技情報という)が変換された外部信号を遊技情報出力端子板87に送信する。遊技情報出力端子板87には遊技機1の外側に設けられた遊技情報表示装置88及び遊技店のホールコンピュータが接続されており、遊技情報出力端子板87からは所定の遊技情報(外部信号)が遊技情報表示装置88及びホールコンピュータに送信される。遊技者には、所定の遊技情報が遊技情報表示装置88で出力(表示)されることで、遊技機(台)選びの判断材料が提供されることになる。一方、遊技店は、所定の遊技情報がホールコンピュータに接続された表示装置やプリンターで出力(表示・印刷)されることで、各遊技機の稼働状況を把握することができる。
なお、主制御基板80は、本発明の遊技制御手段を構成する。
演出制御基板81は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板81は、サブCPU81a、サブROM81b、サブRAM81cを備えており、主制御基板80に、この主制御基板80から演出制御基板81への一方向に通信可能に接続されている。また、演出制御基板81の入力側には、ボタン押圧部検出スイッチ58aが接続されている。演出制御基板81は、ボタン操作機構部56のボタン押圧部58が押圧操作されると、この押圧操作されたことを示す押圧検出信号がボタン押圧部検出スイッチ58sから送信される。
サブCPU81aは、主制御基板80から送信されたコマンド、または、ボタン押圧部検出スイッチ58sや図示しないタイマからの受信信号に基づいて、サブROM81bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、この処理に基づいて、コマンドをランプ制御基板84や画像制御基板85に送信する。サブRAM81cは、サブCPU81aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
払出制御基板86は、遊技球の発射制御と遊技球の払い出し制御とを行う。この払出制御基板86は、払出CPU86a、払出ROM86b、払出RAM86cを備えており、主制御基板80及び発射制御基板36に対して、双方向に通信可能に接続されている。
払出CPU86aの入力側には、遊技機1に設けられた貯留タンクから所定数の遊技球を遊技者に払い出すための払出装置から遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数スイッチ89が接続されている。また、払出CPU86aの入力側には、球貸しボタン74の操作を検出する球貸しボタン検出スイッチ74sと、返却ボタン75の操作を検出する返却ボタン検出スイッチ75sとが設けられている。
払出CPU86aは、払出球計数スイッチ89からの払出球検知信号と、球貸しボタン検出スイッチ74sからの球貸しボタン操作検出信号と、返却ボタン検出スイッチ75sからの返却ボタン操作検出信号と、タイマからの受信信号とに基づいて、払出ROM86bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、この処理に基づいて、対応するデータを主制御基板80に送信する。
払出制御基板86の出力側には、貯留タンクから所定数の遊技球を遊技者に払い出すための払出装置の払出駆動部90が接続されている。払出CPU86aは、主制御基板80から送信された賞球要求信号に基づいて、払出ROM86bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、払出装置を制御して所定の遊技球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAM86cは、払出CPU86aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、払出CPU86aは、遊技機1の外側に設けられた遊技球貸出装置(カードユニット)7が払出制御基板86に接続されているか否かを確認し、遊技球貸出装置7が接続されていれば、発射制御基板36に遊技球を発射させることを許可する発射制御データを送信する。
払出制御基板86の出力側には、表示部76(図1参照)に設けられた遊技情報表示基板76aが接続されている。払出CPU86aは、遊技球貸出装置7から受信したデータに基づいて、遊技球貸出装置7のカード挿排口7aに挿入されたカードの残高を表示部76に表示するとともに、球貸しボタン74が有効中である、即ち、遊技球貸出装置7を用いた玉貸し可能であるか否かを表示部76に表示する。
発射制御基板36は、払出制御基板86から発射制御データを受信すると発射部39(図2参照)による発射の許可を行う。そして、操作ハンドル34に設けられたタッチセンサ34aからのタッチ信号と発射指示部材35に連動する発射ボリューム35aからの入力信号とを読み出し、発射部の発射用ソレノイド34bを通電制御し、遊技球を発射させる。
本実施形態では、発射用ソレノイド34bの回転速度は、発射制御基板36に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射用ソレノイド34bが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。
ランプ制御基板84は、各基板と同様に、ランプCPU84a、ランプROM84b、ランプRAM84cを備えており、遊技盤2に設けられた電飾部70の発光体72(LED)を点灯制御し、また演出用役物装置67,68を作動させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。さらに、ランプ制御基板84は、ボタン操作機構部56の電動モータ59c等の作動を制御して、ボタン押圧部58を支持本体部に対して突入させる。このランプ制御基板84は、演出制御基板81に接続されており、演出制御基板81から送信されたコマンドに基づいて、前述した各制御を行う。
具体的には、ランプ制御基板84は、遊技中における特定のリーチ演出に際し、ボタン押圧部58の押圧操作を促すガイダンスが画像表示装置11に表示され前に、演出制御基板81から送信されたコマンドに基づいて、電飾部70の発光体72(LED)を点灯制御して、ボタン押圧部58に稲妻が落ちるような発光演出を行わせ、またボタン押圧部58から放電が発生するような発光演出を行わせる。
ボタン押圧部58に稲妻が落ちるような発光演出を行う場合には、ランプ制御基板84は、複数の電飾70A,70B,70Cを高い位置に配置されたものから低い位置に配置されたものを順に発光させる。本実施例では、電飾70C→電飾70B→電飾70Aの順に発光させる。
またボタン押圧部58から放電が発生するような発光演出を行う場合には、ランプ制御基板84は、複数の電飾70A,70B,70Cをボタン押圧部58に近いものから外側に順に発光させる。本実施例では、電飾70A→電飾70B→電飾70Cの順に発光させる。
またランプ制御基板84は、リーチ演出の際に画像表示装置11に表示されるガイダンスに従ってボタン押圧部58が押圧操作され、また大当たり演出がされている間にボタン押圧部58が押圧操作されると、演出制御基板81から送信されるコマンドに基づいて、電飾部70の発光体72(LED)を点灯制御して、発光体72がボタン押圧部58から放射状に発光するような発光演出を行わせる。
さらに、ランプ制御基板84は、大当たり抽選の結果として大当たりとなったときに払い出された大当たり遊技における賞球(以下、「大当たりの賞球」で統一する)がある場合、この賞球を遊技者に想起させる態様の像を遊技者の脚部に表示させる。なお、「大当たりの賞球」とは、大当たり遊技において、開閉扉28aが開放状態となり、このときに大入賞口10aに遊技球が入球したことにより払い出された賞球のことをいう。
例えば、図11に示すように、大当たりの賞球が有った場合には、遊技者Yの脚部(図中では左脚部)に向けて光Tを投射する。このとき投射された光Tにより、遊技者Yの脚部には、大当たりの賞球を想起させる像(いわゆる、「ドル箱」に遊技球が満タンに入った状態)が表示される。図11では、3つの「ドル箱(符号Dで示す)」が積み上げられた像が表示されている様子を示している。このように、大当たりの賞球を、実際の賞球だけでなく像により仮想的に表示することにより、遊技者に出玉感を与えることができる。この「出玉感」とは、多くの賞球を獲得しているように遊技者に印象付けることを意味する。
また、遊技者が多くの賞球を獲得している状況が、当該遊技者だけでなく、他の遊技者からも見て取ることが可能となるため、他の遊技者に対しても、多くの賞球を獲得したいという遊技意欲を喚起することができる。
さらに本実施形態によれば、特に、遊技球が遊技機外に払い出されることが無く遊技機内を循環するタイプの遊技機(いわゆる、封入式遊技機、循環式遊技機)においては、大当たりによる賞球があたかも実際に払い出されたかのような印象を遊技者に与えることができる。
画像制御基板85は、少なくとも画像表示装置11に表示される動画や静止画等の画像を制御する画像制御部85Bと、スピーカ45bから出力される音を制御する音制御部85Cと、画像制御部85B及び音制御部85Cを統括制御する統括部85Aとを有する。
画像制御基板85の統括部85Aは、演出制御基板81から送信される演出確定コマンドを受信し、統括部85Aの統括CPU85A1が画像表示装置11に表示される画像の制御及びスピーカ45bから出力される音の制御を行う。統括ROM85A2には、この統括CPU85A1の実行する制御プログラムが記憶されている。統括CPU85A1は、統括ROM85A2が接続されるとともに、統括RAM85A3が接続されており、統括CPU85A1の動作に必要な制御プログラムが読み出されるようになっている。
また、統括CPU85A1は、画像制御部85Bの画像CPU85B1、及び、音制御部85Cの音CPU85C1に接続される。画像CPU85B1は画像表示装置11に表示させる画像に対応する画像信号を生成し、生成した画像信号を画像表示装置11の駆動回路に送信する。一方、音CPU85C1は、スピーカ45bから出力させる音に対応する音信号を生成し、生成した音信号をスピーカ45bの駆動回路に送信する。
画像CPU85B1には、画像ROM85B2が接続されている。画像ROM85B2には、画像CPU85B1の実行する制御プログラムが記憶されている。画像ROM85B2からは、画像CPU85B1の動作に必要な制御プログラムが画像CPU85B1の制御により読み出されるようになっている。また、画像CPU85B1は、画像表示装置11に表示する、例えば背景、キャラクタ、装飾図柄等の画像に係る画像データも予め記憶されている。また、画像CPU85B1は、生成した画像信号を展開して記憶させる画像RAM85B3にも接続されている。
なお、画像CPU85B1は、画像表示装置11に対して、背景画像表示処理、装飾図柄表示処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理を実行するが、背景画像、装飾図柄画像、キャラクタ画像は、画像表示装置11の表示画面上において重畳表示される。すなわち、装飾図柄画像やキャラクタ画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。このとき、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先して画像RAM85B3に記憶させる。
一方、音CPU85C1にも、音ROM85C2が接続されている。音ROM85C2には、音CPU85C1の実行する制御プログラムが記憶されている。音ROM85C2からは音CPU85C1の動作に必要な制御プログラムが音CPU85C1の制御により読み出されるようになっている。音CPU85C1には、スピーカ45b、から出力される音の音データも予め記憶されている。また、音CPU85C1は、生成した音信号を展開して記憶する音RAM85C3にも接続されている。
一方、前述した遊技情報出力端子板87は、主制御基板80において生成された外部信号を遊技店のホールコンピュータ及び遊技情報表示装置88に伝達するための中継的な基板である。本実施形態においては、遊技情報出力端子板87は出力側で遊技情報表示装置88にのみ直接接続されており、遊技情報表示装置88を介してホールコンピュータに接続されている。遊技情報出力端子板87は、主制御基板80と配線接続され、遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
なお、実施形態では遊技情報出力端子板87は遊技情報表示装置88を介してホールコンピュータに接続されているが、遊技情報出力端子板87から遊技情報表示装置88及びホールコンピュータの双方に接続される構成でもよい。また、遊技情報出力端子板87はホールコンピュータを介して遊技情報表示装置88に接続される構成でもよい。
前述した払出情報出力端子板91は、払出制御基板86において生成された、賞球払出個数を示す賞球要求信号及び貸し球払出個数を示す球貸要求信号をホールコンピュータに出力するための中継的な基板である。本実施形態においては、払出情報出力端子板91も遊技情報表示装置88を介してホールコンピュータに接続されている。払出情報出力端子板91は、払出制御基板86と配線接続され、遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
なお、実施形態では払出情報出力端子板91は遊技情報表示装置88を介してホールコンピュータに接続されているが、払出情報出力端子板91から遊技情報表示装置88及びホールコンピュータの双方に接続される構成でもよい。また、払出情報出力端子板91はホールコンピュータを介して遊技情報表示装置88に接続される構成でもよい。
電源基板92は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており(図示せず)、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板80に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU80aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU80aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用してもよい。
次に、上記したようなムービングライト100の作動を制御するサブCPU81aの実行する処理について説明する。
サブCPU81aは、遊技球の払い出しに係る賞球コマンドを受信し、これを解析して、ムービングライト100の動作を制御する。なお、賞球コマンドを受信したときに、ボタン押圧部58に押圧操作(入力操作)が受け付けられたことを示すスイッチ押圧コマンドを受信した場合に上記ムービングライト100の動作を制御するものとしてもよい。
まず、図12を用いて、サブCPU81aが主制御基板80から送信されたコマンドを受信したときに実行する処理(コマンド解析処理)の流れについて説明する。
(ステップS100)
ステップS100において、サブCPU81aは、大当たり遊技に係る賞球等があったか否かを判定する処理(賞球判定処理)を実行する。詳細は図13にて後述する。
(ステップ200)
ステップS200において、サブCPU81aは、ムービングライト100を作動させたときに被投射体に映し出される表示(ドル箱表示)について設定する(ドル箱表示設定処理)。具体的には、上記ステップS100の賞球判定処理においてセットされた表示パターンデータに基づいてドル箱を何箱表示するかを設定する。
(ステップS300)
ステップS300において、サブCPU81aは、ムービングライト100の作動を制御する。具体的には、上記ステップS200における設定に従ってムービングライト100の光を被投射体(主に遊技者)に投射する。
なお、ドル箱表示については、遊技者のみならず、床面や天井、壁等も被投射体としてよい。さらには、図11に示すように、ムービングライト100を固定させて光を投射してもよいし、ムービングライト100を回胴や旋回させて光を動かしながら投射するようにしてもよい。
次に、図13を用いて、賞球判定処理について説明する。
(ステップS101)
ステップS101において、サブCPU81aは、大当たりの賞球が有ったか否かを判定する。この判定は、主制御基板80から演出制御基板81に送信される大当たり遊技終了コマンド(大当たり遊技が終了したことを示すコマンド)及び賞球コマンド(遊技球の払い出し数を示すコマンド)により判定される。このとき、大当たりの賞球がなかったと判定された場合には、ステップS105に処理を移し、大当たりの賞球が有ったと判定された場合には、ステップS102に処理を移す。
(ステップS102)
ステップS102において、サブCPU81aは、賞球数(大当たりの賞球による付与された遊技球の総数)が規定数(N)を超えたか否かを判定する。この規定数(N)としては、1回の大当たり遊技における賞球数(例えば、1600個)が予め決められている。すなわち、本実施形態の遊技機1は、1回の大当たり遊技において1600個の賞球を獲得することが可能となっている。このとき、賞球数が規定数(N)を超えていないと判定された場合には、ステップS104に処理を移し、賞球数が規定数(N)を超えたと判定された場合には、ステップS103に処理を移す。
(ステップS103)
ステップS103において、サブCPU81aは、投影光により映し出されるドル箱表示について、ドル箱をいつく表示するかを示す変数であるドル箱表示変数(D)に「1」を加算して、新たなドル箱表示変数(D)とする。なお、ドル箱表示変数(D)は、サブRAM81cの所定の記憶領域内に設けられるドル箱表示変数(D)記憶領域において記憶されるものである。例えば、大当たり遊技が連続して行われた場合には、既に遊技者に大当たりの賞球を獲得した状態において新たな大当たりの賞球が付与されることとなるため、上記ステップS102=YESとなり、本ステップS103の処理が行われる。
(ステップS104)
ステップS104において、サブCPU81aは、ドル箱表示変数(D)を「1」として、新たなドル箱表示変数(D)とする。例えば、いわゆる「初当たり」となった場合などにおいて、遊技者に大当たりの賞球を獲得していない状態において新たな大当たりの賞球が付与されたときに、本ステップS104の処理が行われる。
(ステップS105)
ステップS105において、サブCPU81aは、アウト球が規定数(N)を超えたか否かを判定する。ここでいう「アウト球」とは、大当たり遊技時以外(通常の遊技)において遊技機1に発射された遊技球の個数から、大当たりの賞球以外の賞球により遊技者に付与された遊技球の個数を減算した結果として算出される遊技球の総数のことをいう。言い換えれば、本ステップS105では、遊技者が大当たりの賞球を獲得した後に、この大当たりの賞球として獲得した遊技球をいわゆる「持ち球」として費消しながら遊技を進めていったときに、規定数(N)を超える遊技球を費消したか否かを判定する。また、大当たりの賞球以外の賞球とは、所定の入賞口(大入賞口10aを除く)に遊技球が入球したことにより払い出された遊技球のことをいう。このとき、アウト球が規定数(N)を超えていないと判定された場合には、当該賞球判定処理を終了し、規定数(N)を超えたと判定された場合には、ステップS106に処理を移す。
(ステップS106)
ステップS106において、サブCPU81aは、ドル箱表示変数(D)から「1」を減算して、新たなドル箱表示変数(D)とする。例えば、1回の大当たり遊技が行われた後に、この1回の大当たり遊技における賞球を持ち球として費消しながら遊技を進めていった結果、この持ち球が「0」になった場合などは、本ステップS106の処理が行われる。
(ステップS107)
ステップS107において、サブCPU81aは、ドル箱表示変数(D)が「0」より大きい値であるか否かを判定する。このとき、ドル箱表示変数(D)が「0」以下であると判定された場合には、当該賞球判定処理を終了し、ドル箱表示変数(D)が「0」より大きい値であると判定された場合には、ステップS108に処理を移す。
(ステップS108)
ステップS108において、サブCPU81aは、ドル箱表示変数(D)に基づいて、ドル箱表示のパターン(ドル箱表示パターン)を設定する。
(ステップS109)
ステップS109において、サブCPU81aは、上記ステップS108において設定されたドル箱表示パターンのデータをセットする。これにより、例えば、図11に示すドル箱表示が遊技者Yの脚部に映し出されることとなる。
なお、演出制御基板81及びサブCPU81aは、本発明の演出制御手段、表示像設定手段を構成する。
以上のように、本実施形態によれば、ムービングライト100により投射された光が被投射体に映し出されたときに、大当たり遊技において遊技者が獲得した賞球を想起させるドル箱として表示される。これにより、当該遊技機を遊技している遊技者や、他の遊技者にも出玉感を与えることができる。したがって、遊技機1の外部にある被投射体(例えば、遊技者)に対して像を表示するムービングライト100(表示手段)を設けたときに、このムービングライト100を有効に活用することができる。
なお、本実施形態では、図10に示すように、払出制御基板86を設けて遊技球を遊技価値(賞球)として付与する形態としたが、これに限られない。例えば、封入式遊技機や循環式遊技機のように、払出制御基板86を設けない構成としてもよい。この場合には、払出制御基板86に代えて遊技媒体を数量化された電子データにて管理する遊技価値管理基板を設ける形態とする。これにより、遊技媒体及び遊技価値(賞球)の出し入れの管理を電子データにより簡便に行うことが可能となる。