[パチスロ遊技機の構成]
以下に、本発明の遊技機について、図面を用いて具体的に説明する。なお、以下の実施の形態では、本発明の遊技機として、図柄を変動表示する3つの回転リールを備えた遊技機であって、コイン、メダルまたはトークン等の他に、遊技者に付与されたカード等の遊技価値を用いて遊技することが可能な遊技機、いわゆるパチスロ遊技機を用いて説明する。また、以下の実施の形態では、パチスロ遊技機を例に挙げて説明するが、本願発明の遊技機を限定するものではなく、パチンコ機やスロットマシンであってもよい。パチンコ遊技機の例は別途後述する。
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るパチスロ遊技機の概観について説明する。なお、図1は、本実施の形態に係る遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、図1に示すように、例えば、矩形箱状に形成された筐体2によって構成され、この筐体2は、前面側F1(図1におけるF1側)に矩形状の開口を有するキャビネット2aと、キャビネット2aの前面側F1に配置されるフロントドア(開閉扉)2bと、を主体に構成されている。キャビネット2aは、開口の内部に遊技に用いられる機器(例えば、後述するリール(又は、ドラムともいう)など)を収容する。フロントドア2bは、キャビネット2aの開口の大きさと対応するように形成されており、キャビネット2aの開口を閉塞可能にキャビネット2aに開閉自在に取り付けられている。これにより、フロントドア2bは、遊技機1の前面(正面)を構成する。
遊技機1は、フロントドア2bを閉じた状態でフロントドア2bをロック状態またはアンロック状態に切り替えるロック機構を備えている。このロック機構は、ドアキー穴2cにドアキー(図示無し)を挿入して、ドアキーを回転することにより操作されるようになっている。ドアキーがドアキー穴2cに挿入され、例えば、右回転されることによりフロントドア2bが開閉可能になるとともに、左回転されることにより主制御回路60(図11参照)等が電気的にリセットされるようになっている。すなわち、ドアキーは、ロック機構の操作の他に、遊技機1を電気的にリセットするリセット機能を有している。
フロントドア2bには、その略中央部に、矩形状の開口部として形成された図柄表示領域4が設けられている。図柄表示領域4には、フロントドア2bの裏面側に、遊技機1の内部側から取り付け固定されたメインリールユニット(図示していない)が装着される。
メインリールユニットは、複数種類の図柄が各々の外周面に描かれた3個のリール3L(左リール),3C(中リール),3R(右リール)を主体に構成されている。これらのリール3L,3C,3Rは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。
各リール3L、3C、3Rの図柄は、図柄表示領域4を透過して視認できるようになっている。また、各リール3L、3C、3Rは、定速で回転(例えば80回転/分)するように後述の主制御回路60(図11参照)により制御され、図柄表示領域4内に表示されるリール3L、3C、3R上に描かれた図柄が、リールの回転に伴って変動する。
図柄表示領域4の下方には、台座部2b-1が形成されている。台座部2b-1において、前面から視て左側には、押しボタン操作により、クレジットされているメダルを賭けるための最大BETボタン13が設けられる。台座部2b-1の中央には、液晶表示装置5の液晶表示領域23が配置されている。台座部2b-1において、前面から視て右側には、メダル投入口22が設けられている。
入賞が成立すると、入賞に対応する払出枚数分のメダルが正面下部のメダル払出口15から払い出され、このメダル払出口15から払い出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。
なお、入賞とは、小役に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止することをいう。また、小役とは、成立することによりメダルの払い出しが行われる役のことである。
また、最大BETボタン13に対する遊技者の操作によって、クレジットされているメダルのうち、その時点で投入可能な最大枚数のメダルが投入される。最大BETボタン13を操作することにより、後述の入賞ラインが有効化される。
台座部2b-1において、前面から視て右側には、メダル投入口22が設けられている。メダル投入口22に投入されたメダルに応じて、後述の入賞ラインが有効化される。
メダル受け部16の上方の左右には、スピーカ21L、21Rが設けられている。スピーカ21L、21Rは、遊技の状況に応じて演出音や報知音等の遊技音を出力する。
台座部2b-1の前面部の左寄りには、スタートレバー6が設けられている。スタートレバー6は、遊技者の開始操作により、リール3L、3C、3Rを回転させ、図柄表示領域4に表示された図柄の変動を開始させる。
台座部2b-1の前面部中央で、スタートレバー6の右側には、遊技者の押下操作(停止操作)により3個のリール3L、3C、3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個のストップボタン7L、7C、7Rが設けられている。
ここで、3つのリール3L、3C、3Rの回転が行われているときに最初に行われるリールの回転の停止を第1停止といい、第1停止の次に行われ、2つのリールの回転が行われているときに2番目に行われるリールの回転の停止を第2停止といい、第2停止の次に行われ、残り1つのリールの回転が行われているときに最後に行われるリールの回転の停止を第3停止という。
また、遊技者が第1停止させるための停止操作を第1停止操作という。同様に、遊技者が第2停止させるための停止操作を第2停止操作、第3停止させるための停止操作を第3停止操作という。
図柄表示領域4の上部側T(図1におけるT側)において、フロントドア2bの前面扉2b-2には、略矩形状に開口部が形成された表示画面領域19が設けられている。この表示画面領域19に対応する前面扉2b-2の裏面側には、キャビネット2a内に収容されるようにして、演出用ユニットとしての表示ユニット100が配設されている(表示ユニット100の詳細については、後述する)。
表示ユニット100は、前面扉2b-2に設けられた表示画面領域19を通じて、その内部、すなわち表示の内容(演出情報)が視認可能となる。
なお、前面扉2b-2には、少なくとも表示画面領域19に対応する部位に、アクリル板などからなる透明カバー(図示していない)が取り付け固定されるようになっており、表示画面領域19よりも奥側R(図1におけるR側)のキャビネット2a内に遊技者などが手を挿入したり、物が侵入したりするのを防止している。
また、前面扉2b-2の前面側F1には、可動役物81が収容された装飾枠110が設けられている。詳しくは後述するが、可動役物81は、主に、後述する一対の可動ユニットによる機械的な演出を行う。具体的には、一対の可動ユニットは、非演出時には、装飾枠110の内部に配置されており、遊技者からは、装飾枠110に隠れて見えないように配置されているが、演出時には、一対の可動ユニットが回動して、装飾枠110の下面に形成された開口部110aから露出される。
また、装飾枠110の中央には、遊技者や、図柄表示領域4や、ストップボタン7L、7C、7Rや、後述する可動役物81や、表示ユニット100の内部を撮影するCCDカメラ121cが設けられている。なお、本実施形態において、CCDカメラ121cは、装飾枠110の前面に突出した位置に設けられ、下方を撮影可能に設けられているが、これに限らず、遊技者や、図柄表示領域4や、ストップボタン7L、7C、7Rや、後述する可動役物81及び可動スクリーン1703を撮影できれば、フロントドア2bの側部や下部に設けてもよい。また、CCDカメラ121cは、フロントドア2bに限らず、遊技者に視認できないように、遊技機1の内部に設けてもよい。この場合、CCDカメラ121cは、例えば、後述する可動役物81の背後や、表示ユニット100の内部に設けてもよい。CCDカメラ121cを遊技機1の内部に設けることで、より正確に可動役物81及び可動スクリーン1703の動作を撮影できる。また、CCDカメラ121cは、固定されているものに限らず、撮影の対象に応じて、移動や回転させてもよい。
液晶表示領域23は、貯留(クレジット)されているメダルの枚数を表示したり、入賞成立時にメダルの払出枚数を表示したりする。また、液晶表示領域23は、演出内容に応じた所定の画像を表示する。
台座部2b-1の下方には、光透過性の腰部パネル130が設けられており、その内側に腰部パネル用のLED103(図11参照、なお、LEDの代わりに他の発光体を用いることとしてもよい)が設けられている。腰部パネル用のLED103は、演出内容に応じて発光する。
図柄表示領域4内における上段、中段及び下段の各領域には、3列のリール3L、3C、3Rの図柄が1つずつ表示される。すなわち、図柄表示領域4には、3列のリール3L、3C、3Rの周面に配された図柄のうち3つの図柄が表示される。つまり、図柄表示領域4は、いわゆる表示窓としての機能を有する。
次に、図2を用いて入賞ラインについて説明する。図柄表示領域4(リール3Lが表示される図柄表示領域4L、リール3Cが表示される図柄表示領域4C、リール3Rが表示される図柄表示領域4R)には、前述の各図柄表示領域4内における上段、中段及び下段のうち何れかを結ぶ5本の入賞ライン(図2中一点鎖線で示す、センターライン8c、ボトムライン8d、クロスアップライン8a、クロスダウンライン8e及びRB中特殊ライン8f)が設けられている。
遊技機1は、リール3L、3C、3R(図1参照)の回転が停止した際に、有効化された入賞ライン上に表示された図柄の組合せに基づいて、役の成立・不成立を判定する。なお、以下、有効化された入賞ラインを有効ラインといい、また、有効化されていない入賞ラインを非有効ラインという。
図2に示すように、センターライン8cは、左・中段領域II、中・中段領域V、右・中段領域VIIIを夫々結んでなるラインである。ボトムライン8dは、左・下段領域III、中・下段領域VI、右・下段領域IXを夫々結んでなるラインである。
クロスアップライン8aは、左・下段領域III、中・中段領域V、右・上段領域VIIを夫々結んでなるラインである。クロスダウンライン8eは、左・上段領域I、中・中段領域V、右・下段領域IXを夫々結んでなるラインである。RB中特殊ライン8fは、左・中段領域II、中・下段領域VI、右・上段領域VIIを夫々結んでなるラインである。
なお、本実施の形態においては、BB遊技状態(RB遊技状態)では、2枚のメダルの投入によりRB中特殊ライン8fのみが有効ラインとなる。一方、BB遊技状態(RB遊技状態)以外の遊技状態では、3枚のメダルの投入によりセンターライン8c、ボトムライン8d、クロスアップライン8a、クロスダウンライン8eの4本の入賞ラインが有効ラインとなる。
なお、BB1遊技状態〜BB4遊技状態を総称してBB遊技状態という場合がある。また、RB1遊技状態〜RB2遊技状態を総称してRB遊技状態という場合がある。
リール3L、3C、3Rの外周面上には、複数種類の図柄が21個配列された図柄列が描かれている。図柄列は、図柄配置テーブルに規定されている。
図柄配置テーブルは、リール3L、3C、3R上の外周面上に描かれた複数種類の図柄の配列が規定され、後述する主制御回路60のメインROM32(図11参照)に記憶されている。また、図柄配置テーブルには、リール3L、3C、3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、リール3L、3C、3Rの1/21回転毎に順次付与される「0」から「20」までの図柄位置が規定されている。
[表示ユニットの構成]
次に、図3〜図7を参照して、表示ユニット100の構成について説明する。図3は、本実施の形態における遊技機1に対して表示ユニット100を着脱する際の様子を示す斜視図である。表示ユニット100は、遊技機1に搭載される演出用ユニットであって、遊技機1のキャビネット2aに対して着脱自在なユニットとして一体化した構成とされた演出手段としての、いわゆるプロジェクションマッピング装置である。
ここで、プロジェクションマッピング装置は、建造物や自然物などの立体物の表面に映像を投影するためのものであって、例えば、役物に対して、その位置(投影距離や角度など)や形状に基づいて生成される、演出情報に応じた映像を投影することにより、高度で、かつ迫力のある演出を可能とする。
表示ユニット100は、例えば、キャビネット2aに対して前面扉2b-2が開放された状態で、図3中、太矢印で示す方向に引き出されることによって遊技機1から取り外されるようになっている。
図4は、本実施の形態に係る表示ユニット100の構成を示す図である。表示ユニット100は、遊技機1に搭載される演出用ユニットであって、例えば、図4に示すように、表示ユニット100は、そのユニット筐体が、天井を形成する天井板100aと、底を形成するステージ1708と、背板を形成する後側板1709と、ステージ1708及び後側板1709に固定された一対の側板1707(1707a、1707b)と、により構成され、前面側(図3におけるF1側)が開放されている。
表示ユニット100は、ユニット筐体の天井板100aに支持されたプロジェクタ101及びリフレクタ102と、一対の側板1707に設けられたスクリーン駆動機構1710と、スクリーン駆動機構1710に支持された可動スクリーン1703と、ステージ1708上に固定された三面スクリーン1720(可動スクリーン1703が図4に示す状態においては、可動スクリーン1703の背面側に配置されている。)と、を備え、これらの構成が上記ユニット筐体に収容されている。
プロジェクタ101は、表示ユニット100の天井板100aによって支持され、キャビネット2aの奥側R(図3におけるR側)からキャビネット2aの前面側F1に設けられたリフレクタ102に向けて、投影レンズから照射光101aを投影するように配置されている。
リフレクタ102は、表示ユニット100の天井板100aによって支持され、プロジェクタ101から投影された照射光101aをキャビネット2aの奥側Rに反射させる光学ミラーであって、キャビネット2aの前面側F1に所定の反射角度を有して配置されている。なお、本実施の形態において、表示ユニット100は、リフレクタ102を備え、このリフレクタ102に向けて、プロジェクタ101の投影レンズから照射光101aを投影するが、これに限らず、リフレクタ102を省略し、プロジェクタ101の投影レンズから照射光101aを直接、可動スクリーン1703又は三面スクリーン1720に投影してもよい。
なお、CCDカメラ121c(図1参照)は、装飾枠110の前面に突出した位置から可動スクリーン1703を撮影しているが、これに限らず、プロジェクタ101に設けてもよい。この場合、例えば、CCDカメラ121cは、照射光101aを投影する投影レンズと同じ向きに設け、リフレクタ102を介して、可動スクリーン1703を撮影してもよい。
図5は、本実施の形態に係る表示ユニット100におけるスクリーン駆動機構1710の概略構成図であり、(a)は可動スクリーン1703の下降時、(b)は可動スクリーン1703の上昇時を示している。
可動スクリーン1703は、スクリーン駆動機構1710によって移動するように構成されている。可動スクリーン1703は、図5(a)に示す位置(投影位置)にある場合(初期状態の場合)、プロジェクタ101(図4参照)からの照射光の方向に対してほぼ垂直な単一の投影面を備えたスクリーンとして機能する。また、可動スクリーン1703は、スクリーン駆動機構1710によって、図5(b)に示す、プロジェクタからの照射光が投影されない非投影位置に変位しうる。
なお、本実施形態では、CCDカメラ121c(図1参照)の撮影結果に基づいて、可動スクリーン1703が、投影位置か非投影位置かを判定する(後述の図13の可動物演出処理のフローチャート参照)。
可動スクリーン1703が、図5(b)に示すような非投影位置にある場合、プロジェクタ101からの照射光は、三面鏡型のスクリーンである三面スクリーン1720に投影される。可動スクリーン1703が投影位置(図5(a)に示すような位置)にある場合、可動スクリーン1703は、三面スクリーン1720の前に配置され、三面スクリーン1720には、プロジェクタ101からの照射光が投影されない。三面スクリーン1720はステージ1708の上に固定され、可動スクリーン1703が投影位置にある場合は、可動スクリーン1703と後側板1709との間に配置されることになる。
図5(b)に示すような状態で、プロジェクタからの照射光が三面スクリーン1720やステージ1708等に投影される場合、その照射光は、図5(a)に示す状態で可動スクリーン1703の投影面にほぼ垂直に投影される場合とは異なり、様々な(垂直以外の)角度で、投影面に投影される。なお、この例では、図5(b)に示すような状態で、プロジェクタ101からの照射光が三面スクリーン1720等に投影されるように構成されているが、三面スクリーン1720を設けずに、後側板1709をスクリーンとして照射光を投影するようにしてもよい。
図5(a)に示すように、可動スクリーン1703は、裏面側に突出する有端の回動片1704を有している。この回動片1704は、可動スクリーン1703の裏面側の両側にそれぞれ設けられている。また、回動片1704は、回動軸1705aを介して側板1707に回動自在に支持されている。
これにより、可動スクリーン1703は、例えばモータで構成されたスクリーン駆動部1706及びスクリーン駆動機構1710によって投影位置と非投影位置との間で、回動軸1705aを支点に回動可能となっている。また、回動片1704の先端側には、後述する係合突起1714aが係合する長穴1705bが形成されている。
詳細には、スクリーン駆動機構1710は、スクリーン駆動部1706に連結されたピニオンギヤ1711と、ピニオンギヤ1711に噛み合う減速ギヤ1712と、減速ギヤ1712に噛み合うドライブギヤ1713とを含んで構成されている。
本実施の形態に係るスクリーン駆動機構1710では、減速ギヤ1712を設けることでピニオンギヤ1711からドライブギヤ1713に伝達される回転を減速し、ドライブギヤ1713で発生するトルクを増幅することができる。これにより、例えば回動軸1705aと後述する係合突起1714aとの間の距離が短い場合であっても可動スクリーン1703を良好に回動させることができる。
ドライブギヤ1713には、回動片1704の長穴1705bに係合する係合突起1714aが設けられている。係合突起1714aは、ドライブギヤ1713の回転に伴い長穴1705b内を摺動するようになっている。
このように構成された表示ユニット100では、図5(a)に示すように、可動スクリーン1703が投影位置に位置している状態で、スクリーン駆動部1706を駆動してピニオンギヤ1711を図中、時計回り方向に回転させると、減速ギヤ1712が図中、反時計回り方向に回転する。
次いで、減速ギヤ1712が回転すると、ドライブギヤ1713が図中、矢印方向(時計回り方向)に回転する。このとき、ドライブギヤ1713の回転に応じて係合突起1714aが長穴1705b内を回動片1704の先端側に向かって摺動する。
これにより、可動スクリーン1703が回動軸1705aを支点に図中、時計回り方向に回動する。その後、ドライブギヤ1713がさらに回転すると、所定回転角度を境に係合突起1714aが長穴1705b内を回動軸1705a側に向けて戻るように摺動する。
最終的に、図5(b)に示すように、係合突起1714aが長穴1705bの回動軸1705a側の端に移動するまでドライブギヤ1713が回転すると、可動スクリーン1703が非投影位置に位置するようになる。これにより、可動スクリーン1703の投影位置から非投影位置への移動が完了する。
なお、非投影位置にある可動スクリーン1703を元の位置、つまり投影位置に戻すには、例えばスクリーン駆動部1706を逆駆動(ピニオンギヤ1711を反時計回り方向に回転させる)させてもよいし、スクリーン駆動部1706による駆動トルクを解除することで可動スクリーン1703の自重により回動させてもよい。
このような構成とした本実施の形態においては、可動スクリーン1703が投影位置と非投影位置との間で自在に移動するよう構成されているので、例えば遊技状態に応じて、可動スクリーン1703を用いた演出と可動スクリーン1703を用いない演出とを切り替えることができ、演出に多様性を持たせることができる。また、可動スクリーン1703が非投影位置にある場合に、三面スクリーン1720及びステージ1708等に照射光が投影されるため、演出に更なる多様性を持たせることができる。
図6は、本実施の形態に係る表示ユニット100の構成例をより具体的に示す正面図であり、図5(b)に示す状態(すなわち、可動スクリーン1703が非投影位置にある状態)の表示ユニット100を、前面側F1(図1参照)から奥側R(図1参照)の方向に見た図である。
可動スクリーン1703は、スクリーン駆動機構1710(図5参照)により上方向に移動され、可動スクリーン1703の裏側(投影面の裏側)が現れている(図6の斜線部)。遊技者の正面に位置する部分には、三面スクリーン1720が現れ、手前にステージ1708、奥に後側板1709が視認可能となっている。この状態において、プロジェクタから照射光が照射されると、照射光は、三面スクリーン1720、ステージ1708、及び後側板1709などに投影される。
また、側板1707(1707a、1707b)と三面スクリーン1720の間にはそれぞれ、内側板1721(1721a、1721b)が配置されている。図6には、可動スクリーン1703を両端で支持する回動片1704(1704a、1704b)、ピニオンギヤ1711、及びドライブギヤ1713が示されているが、これらの部分は、遊技機のフロントドア2bに覆われ、遊技中には遊技者から見えないようになっている。
この例では、後側板1709にプロジェクタからの照射光が投影されるように構成されるが、可動スクリーン1703の裏側や三面スクリーン1720を拡張して、後側板1709に照射光が投影されないようにしてもよい。また、別のスクリーン駆動機構によって移動可能な第2の可動スクリーンを設けて、これに照射光を投影させ、後側板1709に照射光が投影されないようにすることもできる。さらに、後側板1709に、黒色を投影させても良い(例えば、三面スクリーン1720の範囲外となる部分に投影する映像データを黒色に設定する)。また、上述のように、三面スクリーン1720を設けずに、照射光を後側板1709に投影するようにしてもよい。
また、本実施の形態で示した三面スクリーン1720は、例示に過ぎず、他の様々な形状やサイズの三面スクリーンを配置することができる。またさらに、三面スクリーン1720に代えて、単一面のスクリーン、二面スクリーン、四面以上のスクリーンを含む、様々なタイプの面を含むスクリーンを配置するようにもできる。また、本実施の形態において、表示ユニット100は、プロジェクタ101からの照射光101aが投影されるスクリーンとして、可動スクリーン1703及び三面スクリーン1720の2つのスクリーンを備えるが、これに限られない。表示ユニット100は、プロジェクタ101からの照射光101aが投影されるスクリーンとして、3つ以上のスクリーンを突没自在としてもよい。この場合、CCDカメラ121c(図1参照)により、各スクリーンを撮影し、それぞれの状態を監視してもよい。
図7は、本実施の形態に係る表示ユニット100の構成例をより具体的に示す底面図であり、図5(b)に示す状態(すなわち、可動スクリーン1703が非投影位置にある状態)の表示ユニット100を、表示ユニット100の下側から(図5(b)の矢印Gの方向に)見た図である。また、図7は、ステージ1708の一部を取り除いた状況を仮定し、表示ユニット100の下側から透過的に見た図となっている。
三面スクリーン1720は、遊技者側(すなわち、前面側R1)に向けられた3つの平面(1720a、1720b、1720c)を有している。図7に示す例では、三面スクリーン1720が、このような3つの平面を有するように構成されるが、複数の曲面を含むように構成することもできる。また、図7に示す例では、平面1720aと平面1720b、及び平面1720aと平面1720cは、それぞれ、面と面が所定の角度をなすように連結されるが、この連結角度は、三面スクリーンを形成できる限りどのような角度でもよい。また、面の連結部の全長に亘って突出部を設け、連結部の断面が階段形状となるように構成するなど、当該連結部の形状を様々な形状で形成することができる。なお、この例では、三面スクリーン1720の底部には、3つの平面(1720a、1720b、1720c)に連結された平面が配され、これがステージ1708(図6参照)の一部を構成している。
側板1707(1707a、1707b)と三面スクリーン1720の間にはそれぞれ、内側板1721(1721a、1721b)が配置されている。また、可動スクリーン1703を支持する回動片1704、ピニオンギヤ1711、減速ギヤ1712、及びドライブギヤ1713が示されている。
可動スクリーン1703の投影面及び三面スクリーン1720の投影面は、プロジェクタからの照射光を投影するのに適した色とすることができる。なお、投影対象となる上記スクリーンの素材は、この例では、黒色又は白色のABS樹脂や透明のポリカーボネート樹脂であるが、これに限られるものではない。
本実施の形態では、三面スクリーン1720の投影面の色が、可動スクリーン1703の投影面の色より暗い色となるように構成される。すなわち、照射光が垂直以外の角度で投影面に投影される三面スクリーン1720について、照射光の投影方向と投影面がほぼ垂直に配置される可動スクリーン1703(投影位置にある可動スクリーン1703)より、投影面の色をより暗く設定する。
このように構成することにより、三面スクリーン1720への投影において、表示ユニット100の内部で生じる反射(例えば、乱反射)に起因して投影画像が白くなる状況(いわゆる、白ぼけ)を、効果的に防止することができ、結果的に鮮明な投影画像の表示を実現することができる。さらに、上述した反射を低減させても白ぼけを完全に無くすことはできないが、三面スクリーン1720の投影面を上記のように黒く(暗く)することで、投影面で白が(黒により)中和され、より鮮明な投影画像の表示が実現される。
また、反射の防止に関しては、三面スクリーン1720が、表示ユニット100の奥(すなわち、後側板1709に近い位置)にあればあるほど、表示ユニット100の内部での乱反射が大きくなって白ぼけの程度が高まるため、上記の構成が一層効果的なものとなる。
ここで、より「暗い色」とは、2つの色を比べたときに、受けた光を反射する際の反射光の量が、より小さいことを意味する。
このようなスクリーンの色は、通常、塗装によって調整される。例えば、塗料に黒色の顔料を混入させ、色味を黒くすれば、光の反射率が小さくなり、表示上白を中和させる暗い色となる。例えば、可動スクリーン1703の投影面を白とする一方、三面スクリーン1720の投影面を灰色とすることができる。また、シリカ等の艶消し剤を塗料に含めることによっても光の反射率を低減させることができ、この場合も、元の色に比べて、より暗い色であるということができる。
なお、本実施の形態では、三面スクリーン1720の投影面の色と可動スクリーン1703の投影面の色の調整を行うものであるが、反射の防止という点に着目すると、スクリーン以外にも、白ぼけの原因となりうる他の部材(例えば、役物、表示ユニット100の側板1707(1707a、1707b)、内側板1721(1721a、1721b)、後側板1709、ステージ1708、可動スクリーン1703の裏側)が存在し、これらについても、塗料の色を調整することができる。
また、三面スクリーン1720や可動スクリーン1703について、シボ加工や2層塗装を、異なる態様のものとすることによって、三面スクリーン1720における白ぼけの発生を効果的に抑止することができる。
また、ここでは、相対的に、可動スクリーン1703の投影面の色と、三面スクリーン1720の投影面の色を調整するようにしたが、三面スクリーン1720は例示に過ぎず、プロジェクタの照射方向に対して垂直に配置されていない投影面を含む様々なスクリーン等について、本発明を適用することができる。
また、白ぼけの原因となりうる他の部材のうち、スクリーン以外の部材については、投影するために白色にする必要がないため、三面スクリーンよりもさらに、暗い色にすることが好ましい。
なお、本実施の形態では、塗料の調整を行うことによって、三面スクリーン1720の投影面を、可動スクリーン1703の投影面より暗い色に設定するが、スクリーンの部材そのものの色を調整して、可動スクリーン1703の投影面が暗い色になるようにすることができる。また、スクリーンの部材の色と塗料の色の両方によって、三面スクリーン1720の投影面を、可動スクリーン1703の投影面より暗い色に調整することもできる。
[可動役物]
次に、可動役物81の構成及びその演出動作を、図面を参照しながら、具体的に説明する。
まず、本実施形態における可動役物81の一構成例を、図8及び図9を参照して説明する。図8は、非演出時に、可動役物81が装飾枠110の裏側に収納されているときの可動役物81の概略構成平面図であり、図9は、演出時に、可動役物81が表示画面領域19(図1参照)の前面に露出されたときの可動役物81の概略構成平面図である。なお、図8及び図9は、ともに、可動役物81を前面側(図1におけるF1側)から見たときの可動役物81の概略構成平面図である。また、図8及び図9では、可動役物81の構成をより明確にするため、可動役物81の背面カバー(不図示)を取り外して、内部の駆動機構が露出した状態の図を示す。
可動役物81は、ベース部90と、ベース部90に取り付けられた第1可動ユニット91及び第2可動ユニット92(可動装飾部材)と、ベース部90に収納された駆動機構93とを備える。
駆動機構93は、第1可動ユニット91及び第2可動ユニット92を駆動するための各種駆動部品で構成される。例えば、駆動機構93には、第1可動ユニット91及び第2可動ユニット92がそれぞれ取り付けられる第1歯車片93a及び第2歯車片93b、モータ93c、第1歯車片93aとモータ93cとを機械的に繋ぐスライダ部材93dなどが含まれる。
本実施形態では、図8及び図9に示すように、第1歯車片93a及び第2歯車片93bは互いに噛合する構造を有するので、モータ93cを駆動することにより、スライダ部材93dを介して、第1歯車片93a及び第2歯車片93bが一緒に回転する。すなわち、本実施形態では、モータ93cを駆動することにより、第1可動ユニット91及び第2可動ユニット92が一緒に回動する。
第1可動ユニット91及び第2可動ユニット92は、一対の可動ユニットであり、互いに同じ構成を有する。各可動ユニットは、一方向に延在した略板状の部材であり、一方の端部付近は多角形状に延在した形状を有する(以下、この部分を多角形状部分という)。なお、各可動ユニットの他方の端部は対応する歯車片の回転軸に固定される。また、本実施形態では、演出時に第1可動ユニット91及び第2可動ユニット92を駆動して両者の多角形状部分側の端部同士を接触させた際(図9の状態)に、第1可動ユニット91の多角形状部分の内周辺が第2可動ユニット92の多角形状部分の内周辺と対向するように、第1可動ユニット91及び第2可動ユニット92が駆動機構93に取り付けられる。
上記構成の可動役物81は、演出時において、対応する歯車片の回転軸を中心にして、各可動ユニットが表示画面領域19(図1参照)の前面に露出するように回動する(図8中の矢印R1及びR2参照)。一方、可動役物81は、演出終了時(収納時)において、各可動ユニットが演出時とは反対方向に回動され(図9中の矢印R3及びR4参照)、装飾枠110の裏側に収納される。
本実施形態では、CCDカメラ121c(図1参照)の撮影結果に基づいて、可動役物81による特定の演出が開始されたか否か、又は、可動役物81による特定の演出が終了して可動役物81が装飾枠110の裏側に収納されたか否かを判定する(後述の図13の可動物演出処理のフローチャート参照)。なお、本実施形態において、初期状態として、全体が移動する可動ユニットが、全体として初期位置に存在している例を説明している。しかしながら、初期状態は、これに限らず、役物全体は移動せず、その役物に付帯する部分のみが動作する役物(例えば人型役物全体は動かず、手の部分だけが動作するもの等)において、動作する付帯する部分が初期位置に存在する場合(即ち、役物全体としての初期状態)も含まれる。なお、本実施形態では、可動役物81の各可動ユニットは、モータ93cを1.25度(1ステップ)間隔の回転角度での駆動(励磁)により回動する。
なお、CCDカメラ121cは、装飾枠110の前面に突出した位置から可動役物81の第1可動ユニット91及び第2可動ユニット92を撮影しているが、これに限らず、第1可動ユニット91及び第2可動ユニット92の背後に設け、第1可動ユニット91及び第2可動ユニット92を撮影してもよい。また、CCDカメラ121cを、駆動機構93の内部において、第1歯車片93a、第2歯車片93b、モータ93c及びスライダ部材93dを撮影可能に設けてもよい。
図10は、本実施の形態における遊技機の可動役物による演出時の外観図である。例えば、可動役物81の一対の可動ユニット(第1可動ユニット91及び第2可動ユニット92)は、装飾枠110の裏側に収納されている状態(図1に示す初期状態)から演出が開始される。演出が開始されると、第1可動ユニット91及び第2可動ユニット92は、表示画面領域19(図1参照)の前面に露出する方向(図8中の矢印R1及びR2の方向:以下では露出方向という)に所定数のステップ毎に回動し、多角形状部分側の端部同士が接触し、図10に示す状態となる。
一方、可動役物81の一対の可動ユニット(第1可動ユニット91及び第2可動ユニット92)を初期状態に戻す場合には、第1可動ユニット91及び第2可動ユニット92は、装飾枠110の裏側に収納される方向(図9中の矢印R3及びR4の方向:以下では収納方向という)に所定数のステップ毎に回動し、図1に示す状態となる。なお、本実施の形態において、可動役物81の一対の可動ユニット(第1可動ユニット91及び第2可動ユニット92)は、表示画面領域19(図1参照)に対応する部位に取り付けられた透明カバーの前面(外部)に露出するが、これに限らず、表示画面領域19に対応する部位に取り付けられた透明カバー内部に搭載してもよい。
[遊技機の回路構成]
次に、図11を参照して、主制御回路60、制御部としての副制御回路70、主制御回路60または副制御回路70に電気的に接続する周辺装置等を含む遊技機1の回路構成について説明する。なお、図11は、遊技機1の回路構成を示す図である。
主制御回路60は、内部当籤役の決定やリールの回転制御等一連の遊技の進行を制御する。主制御回路60は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、メインCPU31、メインROM32及びメインRAM33により構成されている。
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。
メインCPU31は、乱数値と内部抽籤テーブルとに基づいて内部当籤役を決定し、当該内部当籤役と停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。
また、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転を停止させた際に、図柄表示領域4(図1参照)に表示された図柄の組合せに基づいて、役が成立したか否かを判定して成立している場合に、当該成立した役に応じてメダルを払い出す等の利益を遊技者に付与する。
また、メインCPU31は、内部当籤役として、通常のリプレイ(リール3L、3C、3Rの停止順序を備えないリプレイ)と特殊リプレイ(リール3L、3C、3Rの停止順序を備えるリプレイ)を重複して当籤させる。このとき、メインCPU31は、遊技者が予め決められた停止順序(例えば、右−中−左)でリール3L、3C、3Rを停止させたとき(ストップボタン7L、7C、7Rが停止操作されたとき)のみ特殊リプレイの図柄を図柄表示領域4(図1参照)に表示させ、例えば、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、RT)に移行する。一方、メインCPU31は、遊技者がその他の停止順序でリール3L、3C、3Rを停止させた場合には、通常のリプレイの図柄を図柄表示領域4に表示させ、遊技者にとって有利な遊技状態には移行しない。なお、特殊リプレイを複数備え、これらの停止順序のパターンを、例えば、6パターン備えれば、6択の停止順序を設定することができる。
クロックパルス発生回路34及び分周器35は、基準クロックパルスを発生する。乱数発生器36は、「0」〜「65535」の範囲の乱数を発生する。サンプリング回路37は、乱数発生器36により発生された乱数から1つの乱数値を抽出(サンプリング)する。
また、遊技機1では、抽出した乱数値を後述のメインRAM33の乱数値記憶領域に記憶する。そして、遊技毎にメインRAM33の乱数値記憶領域に記憶された乱数値に基づいて、後述の内部抽籤処理において内部当籤役の決定を行う。
なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、即ちメインCPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行する構成にしてもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ30のメインROM32には、メインCPU31の処理に係るプログラム、各種テーブル等が記憶されている。
メインRAM33には、メインCPU31の処理により得られる種々の情報がセットされる。例えば、抽出した乱数値、遊技状態、内部当籤役、払出枚数、ボーナス持越状況、設定値等を特定する情報、各種カウンタ及びフラグがセットされている。これらの情報の一部は、前述のコマンドにより副制御回路70に送信される。
マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要な周辺装置等としては、ホッパー40、ステッピングモータ49L、49C、49R等がある。これらのアクチュエータとメインCPU31との間の信号の授受は、I/Oポート38を介して行われる。
また、マイクロコンピュータ30の出力部には、メインCPU31から出力される制御信号を受けて、前述の各周辺装置等の動作を制御するための各回路が接続されている。各回路としては、モータ駆動回路39、ランプ駆動回路45、表示部駆動回路48及びホッパー駆動回路41がある。
モータ駆動回路39は、ステッピングモータ49L、49C、49Rを駆動制御する。これにより、リール3L、3C、3Rの回転や停止が行われる。
ホッパー駆動回路41は、ホッパー40を駆動制御する。これにより、ホッパー40に収容されたメダルの払い出しが行われる。
表示部駆動回路48は、表示部18(例えば、払出表示部、クレジット表示部等)を駆動制御する。
また、マイクロコンピュータ30の入力部には、前述の各回路及び各周辺装置等に制御信号を出力する契機となる入力信号を発生する各スイッチ及び各回路が接続されている。各スイッチ及び各回路としては、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7LS、7CS、7RS、最大BETスイッチ13S、C/Pスイッチ14S、設定キーSW20S、メダルセンサ22S、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。なお、ストップスイッチ7LS、7CS、7RSを総称してストップスイッチ7Sという。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6(図1参照)に対する遊技者の開始操作を検出し、遊技の開始を指令する開始信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
ストップスイッチ7LS、7CS、7RSは、それぞれストップボタン7L、7C、7R(図1参照)に対する遊技者の停止操作を検出し、検出したストップボタン7L、7C、7Rに対応するリール3L、3C、3Rの回転の停止を指令する停止信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
最大BETスイッチ13Sは、最大BETボタン13(図1参照)に対する遊技者の投入操作(押下操作)を検出し、クレジットされたメダルからメダルの投入を指令する信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
C/Pスイッチ14Sは、C/Pボタンに対する遊技者の切り替え操作を検出し、クレジットモードまたは払出モードを切り替えるための信号をマイクロコンピュータ30に出力する。また、クレジットモードから払出モードに切り替えられた場合、遊技機1にクレジットされているメダルの払い出しを指令する信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
メダルセンサ22Sは、遊技者の投入操作によりメダル投入口22(図1参照)に投入されたメダルを検出し、メダルが投入されたことを示す信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を検出し、各リール3L、3C、3R(図1参照)上の図柄の位置を検出するための信号を発生する。
払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sにより検出されたメダルの枚数(即ちホッパー40から払い出されたメダルの枚数)が指定された枚数に達した際に、メダルの払い出しが完了したことを示すための信号を発生する。
副制御回路70は、スタートコマンド、リール停止コマンド等の主制御回路60から出力された各種コマンドに基づいて演出データの決定や実行等の各種の処理を行う。副制御回路70が主制御回路60へコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路60から副制御回路70への一方向で通信が行われる。スタートコマンドは、スタートスイッチ6Sの検出を契機に出力され、遊技状態情報、内部当籤役情報(小役・リプレイ用データポインタ、ボーナス用データポインタ及び内部当籤役格納領域)、ボーナス持越状態であるか否かを示す持越状態情報等の情報が含まれている。リール停止コマンドは、ストップスイッチ7LS、7CS、7RSの検出を契機に出力され、何れのリールが停止したかを示す停止リール種別情報、停止開始位置を示す停止開始位置情報、滑りコマ数を示す滑りコマ数情報等の情報が含まれる。
副制御回路70からの制御信号により動作が制御される主要な周辺装置等としては、液晶表示領域23に画像を表示させる表示部としての液晶表示装置5、スピーカ21L、21R、LED103等がある。
副制御回路70は、決定した演出データに基づいて、液晶表示装置5に表示される画像の決定とその表示、LED103等、スピーカ21L、21Rから出力する演出音や効果音の決定と出力等の制御を行う。
なお、本実施の形態における副制御回路70の構成の詳細については、後述する。
遊技機1では、メダルの投入を条件に、遊技者のスタートレバー6に対する操作によって、スタートスイッチ6Sから遊技を開始する信号が出力されると、モータ駆動回路39に制御信号が出力され、ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動制御(例えば、各相への励磁等)によりリール3L、3C、3Rの回転が開始される。
この際、ステッピングモータ49L、49C、49Rに出力されるパルスの数が計数され、その計数値はパルスカウンタとしてメインRAM33の所定の領域にセットされる。
遊技機1では、「16」のパルスが出力されると、リール3L、3C、3Rが図柄1つ分移動する。移動した図柄の数は計数され、その計数値は図柄カウンタとしてメインRAM33の所定の領域にセットされる。つまり、パルスカウンタにより「16」のパルスが計数される毎に、図柄カウンタが「1」ずつ更新される。
なお、図柄カウンタの値が示す図柄位置の図柄がセンターライン8c上に位置している図柄に対応する。例えば、左リール3Lの図柄カウンタが「0」である際には、図柄配置テーブルの図柄位置「0」に対応付けられた図柄がセンターライン8c上に位置している。
また、リール3L、3C、3Rからは一回転毎にリールインデックスが得られ、リール位置検出回路50を介してメインCPU31に出力される。リールインデックスの出力により、メインRAM33にセットされているパルスカウンタや図柄カウンタが「0」にクリアされる。
このようにして、各リール3L、3C、3Rについて1回転の範囲内における図柄位置を特定することとしている。なお、リールの回転により各図柄が一図柄分移動する距離を1コマという。すなわち、図柄が1コマ移動することは、図柄カウンタが「1」更新されることに対応する。
リール3L、3C、3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄配置テーブルがメインROM32に記憶されている。この図柄配置テーブルは、前述のリールインデックスが出力される位置を基準として、各リール3L、3C、3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与される、「00」から「20」までのコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄の種類を識別する図柄コードとを対応付けている。
また、スタートスイッチ6Sから開始信号が出力されると、乱数発生器36やサンプリング回路37により乱数値が抽出される。遊技機1では、乱数値が抽出されると、メインRAM33の乱数値記憶領域に記憶される。そして、乱数値記憶領域に記憶された乱数値に基づいて内部当籤役が決定される。
リール3L、3C、3Rが定速回転に達した後、停止操作によりストップスイッチ7LS、7CS、7RSから停止信号が出力されると、出力された停止信号及び決定された内部当籤役に基づいて、リール3L、3C、3Rを停止制御する制御信号がモータ駆動回路39に出力される。モータ駆動回路39はステッピングモータ49L、49C、49Rを駆動制御し、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。
遊技機1は、停止操作が行われた時点から内部当籤役の成立に係る図柄を最大滑りコマ数分、例えば、4コマ分引き込んでリール3の回転を停止させる。具体的には、遊技機1は、ストップスイッチ7LS、7CS、7RSにより停止操作の検出が行われた後、4コマ以内に内部当籤役の成立に係る図柄が存在するか否かを判定し、4コマ以内に内部当籤役の成立に係る図柄が存在する場合に、当該図柄を有効ライン上に停止表示されるように滑りコマ数を決定し、該当するリールを停止させる。
また、遊技機1は、内部当籤役として複数の役を決定した場合において、4コマ以内に内部当籤役の成立に係る図柄が複数存在する場合には、より優先順位の高い内部当籤役に係る図柄を有効ライン上に停止表示させるように滑りコマ数を決定する。
なお、基本的には、優先順位1位(優先度が最も高い)はリプレイに係る図柄の組合せであり、優先順位2位は小役に係る図柄の組合せである。次いで、優先順位3位はボーナスに係る図柄の組合せである。
また、ストップスイッチ7LS、7CS、7RSにより停止操作が検出された際、該当するリール3の図柄カウンタに対応する図柄位置、すなわち、リール3の回転の停止が開始される図柄位置を「停止開始位置」といい、当該停止開始位置に決定した滑りコマ数(数値範囲「0」〜「4」)を加算した図柄位置、すなわち、リール3の回転を停止させる図柄位置を「停止予定位置」という。滑りコマ数は、ストップスイッチ7LS、7CS、7RSにより停止操作が検出されてから対応するリール3の回転が停止するまでのリール3の回転量であり、遊技機1では、最大滑りコマ数を「4」と規定している。
全てのリール3L、3C、3Rの回転が停止すると、有効ライン上に表示された図柄の組合せに基づいて表示役の検索処理、すなわち役の成立・不成立の判定処理が行われる。表示役の検索は、メインROM32に記憶された後述の図柄組合せテーブルに基づいて行われる。この図柄組合せテーブルでは、表示役に係る図柄の組合せと、対応する配当とが設定されている。
表示役の検索により、入賞に係る図柄の組合せが表示されたと判定されると、ホッパー駆動回路41に制御信号が出力され、ホッパー40の駆動によりメダルの払い出しが行われる。
この際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払い出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達すると、払出完了信号回路51によりメダル払い出しの完了を示す信号が出力される。これにより、ホッパー駆動回路41に制御信号が出力され、ホッパー40の駆動が停止される。
なお、C/Pスイッチ14Sにより、クレジットモードに切り替えられている場合には、入賞に係る図柄の組合せが表示されたと判定されると、入賞に係る図柄の組合せに応じた払出枚数をメインRAM33のクレジットカウンタに加算する。
また、払い出されたメダルの枚数は副制御回路70に送信され、これに基づいて液晶表示領域23にはメダルの払出枚数及び更新されたクレジット枚数が表示される。ここで、入賞に係る図柄の組合せが表示された場合に行われる、メダルの払い出しまたはクレジットを総称して単に「払い出し」という場合がある。
次に、図12を参照して、副制御回路70の回路構成について説明する。なお、図12は、遊技機1の副制御回路70の回路構成を示す図である。
副制御回路70は、映像、音、光等を用いた遊技に関する演出を行うための制御を行う。副制御回路70は、主制御回路60から送信される各種コマンドに基づいて、演出データを決定して各種演出処理を行う。
副制御回路70は、処理手段としてのサブCPU71、処理情報記憶手段として機能するサブROM72、制御情報記憶手段として機能するDRAM73−1(「サブRAM73−1」ともいう)、SRAM73−2、GPU74、VRAM75、A/D変換器78、アンプ79、可動役物駆動回路80及び可動スクリーン駆動回路85を有している。
また、サブCPU71には、シリアル通信中継基板76を経由してカメラ中継基板790が接続されていて、カメラ中継基板790にはカメラモジュール791が接続されている。
カメラモジュール791は、図1に示すように、遊技機1の装飾枠110の上部中央に設けられたCCDカメラ121cを有する。
カメラ中継基板790は、サブCPUに接続可能なサブデバイスの1つであり、ROM及びRAMを内蔵するカメラ制御LSIを備える(図示していない)。ROMは処理情報が格納された処理情報記憶手段として機能し、RAMは制御情報の読み書きが可能な制御情報記憶手段として機能する。
副制御回路70とシリアル通信中継基板76とはUARTによって接続されていてそれらの間でデータの送受信が行われる。また、シリアル通信中継基板76とカメラ中継基板790のカメラ制御LSIとの間もUARTによって接続されていて、それらの間でデータの送受信が行われる。
なお、図12において、サブCPU71とカメラ中継基板790との間と、シリアル通信中継基板76とカメラ中継基板790との間とは、それぞれ、1本のラインで接続されているように示しているが、コントロールライン及びデータラインは別々のラインで構成されており、また、それらの入力及び出力ラインも別々のラインで構成されている。データラインが接続されている機器の間では、データラインのTxD端子とRxD端子とが相互に接続されている。
また、図12に示すように、シリアル通信中継基板76に、カメラ中継基板790の他に、スケーラ制御基板77及びタッチセンサ中継基板780を接続してもよい。なお、その場合には、スケーラ制御基板77には液晶表示装置5及び表示ユニット100が接続され、タッチセンサ中継基板780にはタッチセンサモジュール781が接続される。スケーラ制御基板77が接続されない場合には、液晶表示装置5及び表示ユニット100は、GPU74を経由してサブCPU71に接続される。
これらの複数のサブデバイスにおいて、スケーラ制御基板77とタッチセンサ中継基板780との間、タッチセンサ中継基板780とカメラ中継基板790との間も、それぞれ、UARTにより接続されてシリアル送受信通信が行われることになる。
サブCPU71は、サブROM72に記憶されているプログラムに基づいて、液晶表示装置5の表示制御、スピーカ21L、21Rの出力制御、LED103の発光制御等を行う。具体的には、サブCPU71は、主制御回路60から各種コマンド等を受信し、コマンドに含まれる各種情報をDRAM73−1に記憶させる。
また、サブCPU71には、後述するSRAM73−2(「バックアップRAM73−2」ともいう)が接続されている。SRAM73−2には、電源投入時に、DRAM73−1に複写されるデータがバックアップされている。
なお、主制御回路60におけるあらゆる情報が、コマンドにより送信され、副制御回路70では、主制御回路60の状態を逐一判断することができる。サブCPU71は、DRAM73−1に記憶させた遊技状態情報、内部当籤役情報等を参照しながら、プログラムを実行することにより、液晶表示装置5、スピーカ21L、21R、LED103及び表示ユニット100等の演出装置に行わせる演出の内容を決定する。
また、サブCPU71は、決定した演出データに基づいて、GPU74を介して液晶表示装置5及び表示ユニット100を制御し、また、スピーカ21L、21Rから出力させる音と、LED103の発光を制御する。
なお、腰部パネル用のLED103は、実際には複数のLEDから構成されており、これらはそれぞれ個別に設けられたポート(図示しない)の入出力処理で制御される。したがって、各ポートによってそれぞれ個別に発光を制御することができる。
また、サブCPU71は、サブROM72に記憶されている乱数取得プログラムを実行することにより、演出データ等を決定する際に用いる乱数値を取得する。但し、主制御回路60と同様に乱数発生器及びサンプリング回路を副制御回路70内に設ける場合には、当該処理は不要である。
サブROM72は、オペレーティングシステムを記憶するOSの領域と、サブCPU71が実行するプログラムを記憶するサブ制御プログラム領域と、ゲームデータ初期化設定データ領域と、係員操作初期設定データ領域と、各種テーブル等を記憶する各種プログラムテーブル領域と、プログラム管理データ領域と、画像データ(静止画/動画)領域と、サウンドデータ領域と、可動物データ領域とを有する。
サブ制御プログラム領域は、デバイスドライバ、主制御回路60との通信を制御するための基板間通信処理、演出の内容を決定するための演出登録処理、登録されたLEDデータに基づいてLED103による光の出力を制御するためのLED制御タスク、登録されたサウンドデータに基づいてスピーカ21L、21Rによる音の出力を制御するための音声制御タスク、登録されたアニメーションデータに基づいて液晶表示装置5及び表示ユニット100による映像の表示制御をするための描画制御タスク等を記憶する。
各種プログラムテーブル領域は、演出抽籤テーブル、副制御回路のエラーコードテーブル、サブデバイスのエラーコードテーブル、サブデバイス通信チェックテーブル等を記憶する。
プログラム管理データ領域は、マジックコード、プログラムバージョン等を記憶する。画像データ(静止画/動画)領域は、キャラクタオブジェクトデータといったアニメーションデータ等を記憶する。サウンドデータ領域は、BGMや効果音といった音データ等を記憶する。また、可動物データ領域は、可動物(可動役物81及び可動スクリーン1703)の制御データを記憶する。
DRAM73−1は、ゲームデータ保存領域としてのゲームデータ領域と、ゲームデータサム値領域と、ワーク領域と、係員操作設定データ領域と、エラー情報履歴格納領域と、通信ログ収集用リングバッファ領域と、通信エラー保存バッファ領域とを備えている。係員操作設定データ領域に登録されている係員操作設定データは、メニュー画面での設定項目が保存されているデータである。
ゲームデータ領域は、遊技の進行に関するゲームデータを含む情報のうちでDRAM73−1に記憶されるデータを記憶するようになっている。ゲームデータサム値領域は、ゲームデータ領域に記憶されたゲームデータのチェックサム用のサム値を記憶するようになっている。ワーク領域は、各種処理におけるデータを記憶するようになっている。
ゲームデータ領域及びワーク領域は、サブCPU71が各プログラムを実行する際に、作業用一時記憶手段として使用される。また、ゲームデータ領域は、例えば、主制御回路60から送信されたコマンド、演出データ情報、遊技状態情報、内部当籤役情報、表示役情報、各種カウンタ、4バイトから8バイトの任意のマジックコード及び各種フラグ等の情報を記憶するようになっている。
エラー情報履歴格納領域は、通信エラー検出手段71a、手順検出手段71b、データ破壊検出手段71c、サブデバイスエラー検出手段71h等により検出された全てのエラー情報を示すエラーコードを記憶するようになっている。エラー情報履歴格納領域には、エラーコードが逐次記憶されることにより、エラー情報履歴が作成されるようになっている。
エラー情報履歴格納領域では、通信エラー検出手段71aにより検出されたエラーはCOMエラーとして記憶され、手順検出手段71bにより検出されたエラーは手順異常エラーとして記憶される。また、データ破壊検出手段71cにより検出されたエラーはデータ破壊エラーとして記憶され、サブデバイスエラー検出手段71hにより検出されたエラーは、スケーラエラーとして記憶されるようになっている。
バックアップRAM73−2は、バックアップデータ1領域と、バックアップデータ1サム値領域と、バックアップデータ1領域のミラーリングであるバックアップデータ2領域と、バックアップデータ2サム値領域と、係員バックアップデータ領域と、エラー情報履歴格納領域と、係員バックアップデータサム値領域とを備えている。
なお、本実施の形態では、バックアップデータ1領域とバックアップデータ2領域とは、単体のバックアップRAM73−2に構成されている。本明細書において、「ミラーリング」は、データを複製することの意味に用いており、データを別のストレージに複製するという意味に限定するものではない。
また、バックアップデータ1領域及びバックアップデータ2領域は、それぞれ、4バイトから8バイトの任意のマジックコードを備える。
通信ログ収集用リングバッファ領域には、256のコマンド及びパラメータのデータ組と、対応する1つのバッファインデックスとからなるデータ群が適宜数記憶され、それらがリングバッファとして機能するようになっている。
通信エラー保存バッファ領域(通信エラー保存領域)には、256のコマンド及びパラメータのデータ組と、対応する1つのバッファインデックスとからなるデータ群が1024個記憶されている。また、通信エラー保存領域には、1024のバッファインデックスのうちのどのバッファインデックスが選択されているかを示すバッファ選択インデックスが1つ設けられている。
また、サブCPU71は、図12に示すように、通信エラー検出手段71aと、手順検出手段71bと、データ破壊検出手段71cと、エラー情報登録手段71dと、受信データログ保存手段71eと、エラー情報履歴表示手段71fと、二次元コード変換手段71gと、サブデバイスエラー検出手段71hと、状態判定手段71iと、動作判定手段71jと、可動物駆動制御手段71kと、を備えている。
通信エラー検出手段71aは、主制御回路60と副制御回路70との間に通信エラーが発生したことを検出するようになっている。
手順検出手段71bは、通常の遊技の手順と異なる手順、すなわち、異常な手順で遊技が進行したことを検出するようになっている。
データ破壊検出手段71cは、DRAM73−1のゲームデータ領域のデータ破壊、特に、主制御回路60から受信したコマンド、演出データ情報、遊技状態情報、内部当籤役情報、表示役情報、各種カウンタ及び各種フラグ等の情報に関するデータ破壊を検出可能なようになっている。
エラー情報登録手段71dは、エラーの検出手段によりエラーの発生が検出された場合に、検出されたエラーのエラーコードをDRAM73−1のエラー情報履歴格納領域に記憶するようになっている。
具体的には、エラー情報登録手段71dは、通信エラー検出手段71aにより通信エラーの発生が検出された場合は、エラー情報履歴格納領域にCOMエラーのエラーコードを記憶するようになっている。
エラー情報登録手段71dは、手順検出手段71bにより手順異常エラーの発生が検出された場合は、エラー情報履歴格納領域に手順異常のエラーコードを記憶するようになっている。
エラー情報登録手段71dは、データ破壊検出手段71cによりサム異常エラーの発生が検出された場合は、エラー情報履歴格納領域にサム異常のエラーコードを記憶するようになっている。
また、エラー情報登録手段71dは、サブデバイスエラー検出手段71hにより例えばカメラにおけるデータサイズ異常のエラーが検出された場合には、エラー情報履歴格納領域に、カメラのエラーコードを記憶するようになっている。
また、エラー情報履歴格納領域では、エラーコードが逐次記憶されることにより、エラー情報履歴が作成されるようになっている。
受信データログ保存手段71eは、受信ログ(以下、通信ログともいう)に関する情報を収集して、通信ログ収集用リングバッファ領域に通信ログを1つだけ一時的に保存する。
さらに、受信データログ保存手段71eは、通信エラー検出手段71aにより通信エラーの発生が検出された場合に、通信エラー保存バッファ領域に通信エラーに関する通信ログ(以下、通信エラーログという)を1024個まで保存するようになっている。
エラー情報履歴表示手段71fは、ドアキーが所定の操作をされることにより、エラー情報履歴格納領域に記憶されたエラー情報履歴を液晶表示装置5表示させるようになっている。
二次元コード変換手段71gは、通信エラー検出手段71aにより通信エラーの発生が検出された場合に、通信エラー保存バッファ領域に記憶された通信エラーに関する通信エラーログ及び送信先であるデータ管理サーバのドメインを送信情報として二次元コードに変換し、エラー情報履歴表示手段71fに送信するようになっている。
サブデバイスエラー検出手段71hは、カメラ中継基板790のようなサブデバイスに、例えば、リセットが発生したことを検出した場合に、エラー情報履歴格納領域に、リセット発生としてエラーコードを記憶するようになっている。
そして、エラー情報履歴表示手段71fは、エラー情報履歴が表示された液晶表示領域23において通信エラーログと、その通信エラーに対応する二次元コードを表示させるようになっている。
本実施の形態では、サブCPU71には、ドアキースイッチ2Sが接続されている。ドアキースイッチ2Sは、ドアキーが左方向に回転操作されたことを検出して、サブCPU71に出力する。
ここでは、ドアキーが左方向に回転操作されることにより、遊技機1のエラーがリセットされるようになっている。また、設定キースイッチ20Sは、ゲームの設定値を操作するための設定キーが操作されたことを検出して、その検出信号を主制御回路60からサブCPU71に出力する。
通信エラー検出手段71aにより通信エラーの発生が検出された場合は、エラー情報登録手段71dは、通信エラーのエラーコードをDRAM73−1のエラー情報履歴格納領域に記憶する。そして、受信データログ保存手段71eは、通信ログ収集用リングバッファ領域に通信ログを保存するとともに、通信エラー保存領域に通信エラーログを保存する。
また、通信エラー検出手段71a以外の手順検出手段71bやデータ破壊検出手段71cやその他のエラー検出手段により通信エラー以外のエラーの発生が検出された場合は、エラー情報登録手段71dは、エラーのエラーコードをDRAM73−1のエラー情報履歴格納領域に記憶する。そして、受信データログ保存手段71eは、通信ログ収集用リングバッファ領域に通信ログを保存するが、通信エラー保存領域に対しては保存を行わない。
そして、ドアキーが所定の操作をされることにより、エラー情報履歴表示手段71fが、エラー情報履歴格納領域に記憶されたエラー情報履歴を液晶表示装置5に表示させる。この場合、エラー情報履歴表示手段71fは、液晶表示領域23において通信エラーログと、その通信エラーに対応する二次元コードを表示させる。
サブデバイスエラー検出手段71hは、サブCPU71とスケーラ制御基板77のようなサブデバイスとの間での通信エラーやその他のエラーの有無を検出する。検出されたエラーは、エラー情報登録手段71dにより、エラー情報履歴格納領域に、エラーの内容に応じたエラーコードとして記憶される。また、そのエラーコードは、エラー情報履歴格納領域に作成されるエラー情報履歴に含められる。
状態判定手段71iは、CCDカメラ121cにより撮影され、カメラモジュール791から出力された可動役物81の映像情報である画像データ映像情報に基づき、可動役物81及び可動スクリーン1703の状態を判定する。
動作判定手段71jは、状態判定手段71iが判定した可動役物81及び可動スクリーン1703の状態から、可動役物81及び可動スクリーン1703が所定動作をできているか否かを判定する。また、動作判定手段71jは、可動役物81及び可動スクリーン1703が所定動作をできていないと判定した場合、可動役物81及び可動スクリーン1703が不良動作を行っていると判定する。
可動物駆動制御手段71kは、動作判定手段71jにより、可動役物81及び可動スクリーン1703が所定動作をできていないと判定された場合に、可動役物81及び可動スクリーン1703を一旦、初期状態まで戻し、再度、可動役物81及び可動スクリーン1703に所定動作を行わせる制御を行う。
GPU74は、サブCPU71から受信する画像表示コマンド等に基づいて、液晶表示装置5及び表示ユニット100に画像を表示させるための処理を行う。GPU74が行う処理に必要なデータは起動時にVRAM75に展開される。GPU74は、VRAM75に展開されている画像データを後方に位置する背景画像から前方に位置する画像まで順に重ね合わせて画像データを生成し、液晶表示装置5及び表示ユニット100に供給する。
この結果、サブCPU71により決定された演出データに応じた画像が、液晶表示装置5の液晶表示領域23及び表示ユニット100のプロジェクタ101に表示される。スケーラ制御基板77を設けた場合には、その表示された画像の元画像のサイズを選択することができる。
VRAM75は、書込画像データ領域と表示画像データ領域の2つのフレームバッファを有し、書込画像データ領域は、GPU74が表示画像を生成した画像データを格納し、また、表示画像データ領域は、液晶表示装置5に表示させる画像データを格納する。
GPU74は、これらのフレームバッファを交互に切り替える(すなわち、バンクを切り替える)ことにより、順次、画像データを液晶表示装置5に表示させる。
A/D変換器78は、サブCPU71が演出データに基づいて選択するデジタル形式の音データを、アナログ形式の音データに変換してアンプ79に送信する。アンプ79は、A/D変換器78から受信したアナログ形式の音データを、遊技機1に設けられた音量調整用ツマミ(図示しない)により調節された音量に基づいて増幅させ、スピーカ21L、21Rに送信する。この結果、サブCPU71により決定された演出データに応じた音が、スピーカ21L、21Rから出力される。
可動役物駆動回路80は、演出内容により指定された役物駆動データに従って可動役物81の駆動を行う。可動スクリーン駆動回路85は、演出内容により指定された可動スクリーン駆動データに従ってスクリーン駆動部1706を制御し、可動スクリーン1703の駆動を行う。
[可動物演出処理]
次に、図13を参照して、可動物演出処理について説明する。なお、本実施形態において、「可動物」には、可動役物81の第1可動ユニット91及び第2可動ユニット92と、表示ユニット100の可動スクリーン1703と、が含まれる。
まず、サブCPU71は、可動役物81又は可動スクリーン1703を駆動する演出を行うことを決定する(S1801)。例えば、サブCPU71は、可動役物81又は可動スクリーン1703を駆動する演出を行うか否かの抽籤に当籤した場合に、可動役物81を駆動する演出を行うことを決定する。
次いで、サブCPU71の可動物駆動制御手段71kは、可動役物81又は可動スクリーン1703を初期状態から駆動する制御を行う(S1802)。
本ステップにおいて、サブCPU71の可動物駆動制御手段71kは、ステップS1801で可動役物81を駆動すると決定された場合、可動役物81の各可動ユニットを、表示画面領域19(図1参照)の前面に露出する方向(露出方向:図8中の矢印R1及びR2の方向)に回動駆動する(S1802)。なお、可動役物81による演出の開始時には、S1802において、サブCPU71は、モータ93cを駆動制御することにより、各可動ユニットを、初期状態である収納状態(図8の状態)から、露出方向に所定ステップ分、回動駆動する。
また、本ステップにおいて、サブCPU71の可動物駆動制御手段71kは、ステップS1801で可動スクリーン1703を駆動すると決定された場合、可動スクリーン1703を、図5(a)に示すプロジェクタ101(図4参照)からの照射光が投影される投影位置(初期状態)から、図5(b)に示す、プロジェクタからの照射光が投影されない非投影位置への駆動を開始する。なお、サブCPU71は、スクリーン駆動部1706を駆動制御することにより、可動スクリーン1703を、初期状態である投影位置(図5(a)の状態)から、非投影位置の方向に所定ステップ分、回動駆動する。
サブCPU71は、撮影手段としてのカメラモジュール791から出力された映像情報に基づき、可動役物81又は可動スクリーン1703の状態を判定し(S1803)、可動役物81又は可動スクリーン1703が所定動作をできているか否かを判定する(S1804)。
詳細には、可動役物81又は可動スクリーン1703を駆動する演出を行うことが決定されると、サブCPU71の制御により、カメラ中継基板790のカメラ制御LSIによりカメラモジュール791が起動されて読取モードにセットされる。
この状態において、可動役物81又は可動スクリーン1703がCCDカメラ121cにより撮影され、カメラ制御LSIは、カメラモジュール791により可動役物81の一対の可動ユニット又は可動スクリーン1703の映像情報である画像データを取得して、この画像データを送信バッファにセットする。そして、カメラ制御LSIは、この一対の可動ユニット又は可動スクリーン1703の画像データをサブCPU71に送信する。
ここで、DRAM73−1の所定の領域には、初期状態の位置を始点として所定のタイミング毎(例えば、モータ93c又はスクリーン駆動部1706の回転量を示すステップ毎)の状態における、一対の可動ユニット又は可動スクリーン1703を表す動作判定基準データ(例えば、画像の明暗差を示すデータ)がそれぞれ格納されている。
サブCPU71の状態判定手段71iは、カメラ制御LSIから送信された可動役物81又は可動スクリーン1703の画像データと、DRAM73−1の所定の領域に格納された動作判定基準データと、を比較して、可動役物81の一対の可動ユニット又は可動スクリーン1703の状態を判定する。
詳細には、状態判定手段71iは、駆動開始直後のタイミングの状態を示す一対の可動ユニット又は可動スクリーン1703を表す各動作判定基準データと、DRAM73−1の所定の領域に格納された動作判定基準データと、を順次比較し、この画像データと画像中の明暗差が最も近似している動作判定基準データを判定し、一対の可動ユニット又は可動スクリーン1703が、当該動作判定基準データが示す状態であると判定する。
そして、サブCPU71の動作判定手段71jは、一対の可動ユニット又は可動スクリーン1703が、所定動作をできているか否かを判定する。例えば、動作判定手段71jは、状態判定手段71iが判定した動作判定基準データが、所定位置の一対の可動ユニット又は可動スクリーン1703を示すものでなければ、一対の可動ユニット又は可動スクリーン1703が所定動作をできていないと判定する。この場合、サブCPU71の可動物駆動制御手段71kは、可動役物81の各可動ユニット又は可動スクリーン1703が不良動作を行っていると判定し、各可動ユニット又は可動スクリーン1703を初期状態に戻すように、モータ93c又はスクリーン駆動部1706を駆動制御する(S1805)。
また、この場合、サブCPU71は、遊技場の係員をコールするよう促す表示を、液晶表示装置5に表示する制御を行う。また、サブCPU71のエラー情報登録手段71dは、可動役物81の各可動ユニットが不良動作を示すエラーコードをDRAM73−1のエラー情報履歴格納領域に記憶する。このエラーコードは、例えば、係員によりドアキーが所定の操作をされることにより、エラー情報履歴として液晶表示装置5に表示される。
次いで、サブCPU71の状態判定手段71iは、撮影手段としてのカメラモジュール791から出力された映像情報に基づき、一対の可動ユニット又は可動スクリーン1703が初期状態か否かを判定する(S1806)。
詳細には、本ステップでは、サブCPU71の制御により、カメラ中継基板790のカメラ制御LSIによりカメラモジュール791が起動されて読取モードにセットされる。
この状態において、可動役物81又は可動スクリーン1703がCCDカメラ121cにより撮影され、カメラ制御LSIは、カメラモジュール791により可動役物81の一対の可動ユニット又は可動スクリーン1703の映像情報である画像データを取得して、この画像データを送信バッファにセットする。そして、カメラ制御LSIは、この一対の可動ユニット又は可動スクリーン1703の画像データをサブCPU71に送信する。
サブCPU71の状態判定手段71iは、カメラ制御LSIから送信された可動役物81又は可動スクリーン1703の画像データと、DRAM73−1の所定の領域に格納された初期状態を示す動作判定基準データと、を比較して、可動役物81の一対の可動ユニット又は可動スクリーン1703の状態が初期状態か否かを判定する。
そして、サブCPU71は、一対の可動ユニット又は可動スクリーン1703の状態が初期状態でないと判定したとき(S1806がNO判定の場合)、処理をS1805に戻し、初期状態と判定するまで、S1805及びS1806の処理を繰り返す。
また、S1806において、サブCPU71の状態判定手段71iは、ステップS1804と同様に、カメラ制御LSIから送信された可動役物81又は可動スクリーン1703の画像データと、DRAM73−1の所定の領域に格納された動作判定基準データと、を比較して、可動役物81の一対の可動ユニット又は可動スクリーン1703の状態を判定してもよい。そして、S1805において、サブCPU71は、この判定された状態から初期状態までのモータ93c又はスクリーン駆動部1706のステップ数を算出し、算出したステップ数に基づき微調整を行い、モータ93c又はスクリーン駆動部1706を回動させ、一対の可動ユニット又は可動スクリーン1703を初期状態まで戻してもよい。このように、初期状態を起点として可動物の各種動作を実行する場合に、この可動物をカメラで監視することで、可動物の動作を検知する各種センサを設けずに、可動物を適正に動作させることができる。
なお、本実施形態において、第1可動ユニット91及び第2可動ユニット92は、ともに1つのモータ93cにより回動させているが、これに限らず、それぞれに設けられた別々のモータにより、それぞれ回動させてもよい。これにより、第1可動ユニット91と、第2可動ユニット92と、を互いに異なるタイミングで回動させることができる。一方、このように複数の部材のそれぞれにモータ等の駆動手段を設けた場合、複数の部材を連動させて動かす場合、例えば、一方の駆動手段に何らかのエラーが発生した場合、本来の連動した動作が行われない場合がある。このような場合であっても、複数の部材の動作をそれぞれカメラで監視することで、一方の部材の動作に不具合が発生したら、この不具合を画像データとして検出し、例えば、複数の部材を初期状態に戻し、再度動作させることで、適正な状態に戻すことも可能となる。
一方、S1806において、サブCPU71の可動物駆動制御手段71kは、一対の可動ユニット又は可動スクリーン1703が初期状態であると判定したとき(S1806がYES判定の場合)、S1802の処理を実行する。このように、可動物駆動制御手段71kは、動作判定手段71jにより、可動役物81又は可動スクリーン1703が所定動作をできていないと判定された場合に、可動役物81又は可動スクリーン1703を一旦、初期状態まで戻し、再度、可動役物81又は可動スクリーン1703に所定動作を行わせる制御を行う。
サブCPU71の動作判定手段71jは、S1804において、状態判定手段71iが可動役物81又は可動スクリーン1703が所定動作をできていると判定した場合には、可動役物81又は表示ユニット100に対して所定の演出処理を行う(S1807)。この処理では、サブCPU71は、可動役物81の各可動ユニットの多角形状部分側の先端同士が接触するまで(図9の状態になるまで)、各可動ユニットを露出方向に回動駆動し、接触後、所定期間(3500msec)、その状態を保持する。また、サブCPU71は、可動スクリーン1703を非投影位置まで(図5(b)の状態になるまで)回動駆動し、プロジェクタ101(図4参照)からの照射光を三面スクリーン1720に投影させる。
そして、各可動ユニットを所定期間停止させた後又はプロジェクタ101からの照射光を三面スクリーン1720に所定期間投影させた後、サブCPU71は、可動役物81の各可動ユニット又は可動スクリーン1703を初期状態の方向への駆動を開始する(S1808)。
次いで、サブCPU71は、サブCPU71の状態判定手段71iは、撮影手段としてのカメラモジュール791から出力された映像情報に基づき、一対の可動ユニット又は可動スクリーン1703が初期状態か否かを判定する(S1809)。本ステップにおける処理は、ステップS1806と同様なので、詳細な説明を省略する。
そして、サブCPU71は、一対の可動ユニット又は可動スクリーン1703の状態が初期状態でないと判定したとき(S1809がNO判定の場合)、処理をS1808に戻し、初期状態と判定するまで、S1808及びS1809の処理を繰り返す。
一方、サブCPU71は、一対の可動ユニット又は可動スクリーン1703の状態が初期状態であると判定したとき(S1809がYES判定の場合)、各可動ユニット又は可動スクリーン1703の停止処理を行う(S1810)。そして、S1810の処理後、サブCPU71は、可動物演出処理を終了する。
[リール不正停止監視処理]
次に、リール不正停止監視処理について説明する。リール不正停止監視処理は、サブCPU71が実行する処理であり、遊技者が不正の手段を用いて、リールを停止するのを防止することを目的とする処理である。
従来、遊技機におけるリールの停止位置は、主制御回路にて、内部当籤役、遊技者のリールの停止操作を反映したリール停止位置、滑りコマ数等により決定される。このため、例えば、ベルが内部当籤役の場合、所定のタイミングで停止操作を行えばベルで停止し、ベルが揃い、ベルが内部当籤役として決定されていなければ、所定のタイミングで停止操作を行っても、ベルが揃うことはない。そして、主制御回路の制御により、仮にベルが内部当籤役として決定されていない状態で、ベルが揃って停止すると、イリーガルヒットエラーとなり、電源を消すまで、この状態が続くこととなる。
このため、不正を行う者は、主制御回路に対して不正の手段を用いる場合がある。そこで、主制御回路に対して遊技者が不正の手段を用いるのを防止する技術が提案されている。例えば、特開2013−22145号公報には、筐体が、スロットマシン前方に向けて開放された四角箱状に形成され、筐体の前面側に、前面扉が取り付けられ、この前面扉に表示制御装置が搭載され、前面扉を閉鎖した状態においては、当該表示制御装置の表面がリールユニットの前後方向の中央よりも後方へと入り込み、主制御装置の表面に対して近い位置にて対向することとなるスロットマシンが提案されている。このスロットマシンによれば、前面扉が開けられたとしても、主制御装置が現れないので、主制御回路に対する不正な行為を防止できる。
しかしながら、例えば、所定図柄が所定位置に揃うと、遊技者にとって有利となる遊技(例えば、所謂ART等)が開始されるが、不正な手段を用いて、所定図柄を所定位置に揃えたとしても、有利となる遊技は開始されない。このような場合に、遊技者の中には、ホール等の店員に対して、所定図柄が所定位置に揃ったのに、有利となる遊技は開始されない、といった不当なクレームを主張する者もいる。そこで、この実施の形態によれば、不正な手段を用いた遊技者の不当なクレームに対抗可能な遊技機を提供する。
図14を参照して、リール不正停止監視処理について説明する。まず、サブCPU71は、主制御回路60からスタートスイッチ6Sの入力等を契機に出力されるスタートコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1901)。このとき、サブCPU71は、スタートコマンドを受信していないと判定したときには、本ステップを繰り返す。
一方、サブCPU71は、ステップS1901において、スタートコマンドを受信したと判定したときには、読取モードをセットする(ステップS1902)。具体的には、サブCPU71は、カメラ中継基板790のカメラ制御LSIによりカメラモジュール791を起動させて読取モードをセットする。
次に、サブCPU71は、遊技者によるストップボタン7L、7C又は7Rに対する遊技者の停止操作を契機として、主制御回路60からリール停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1903)。このとき、サブCPU71は、リール停止コマンドを受信していないと判定したときには、本ステップを繰り返す。リール停止コマンドには、何れのリールが停止したかを示す停止リール種別情報、停止開始位置を示す停止開始位置情報、滑りコマ数を示す滑りコマ数情報等の情報が含まれる。
一方、サブCPU71は、ステップS1903において、リール停止コマンドを受信したと判定したときには、リール3L、3C、3Rを撮影する(ステップS1904)。具体的には、サブCPU71の制御により、カメラ制御LSIは、CCDカメラ121cによりリール3L、3C、3Rを撮影させ、リール3L、3C、3Rの映像情報である画像データを取得して、この画像データを送信バッファにセットする。そして、カメラ制御LSIは、リール3L、3C、3Rの画像データをサブCPU71に送信する。
次に、サブCPU71は、ステップS1904で撮影したリール3L、3C、3Rの画像データと、リール停止コマンドに含まれる情報から決定されるリール停止予定位置と、を対応付けたリール不正停止監視データをDRAM73−1のエラー情報履歴格納領域に記憶する。このリール不正停止監視データは、例えば、係員によりドアキーが所定の操作をされることにより、液晶表示装置5に表示される。
次に、サブCPU71は、主制御回路60から、スタートコマンドを受信した後、全リール分のリール停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1906)。このとき、サブCPU71は、全リール分のリール停止コマンドを受信していないと判定したときには、ステップS1903に処理を戻し、全リール分のリール停止コマンドを受信したと判定したときには、リール不正停止監視処理を終了する。
このように、リール不正停止監視処理を実行する遊技機1は、複数の図柄が表示された複数のリールと、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて、所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたことに基づいて、図柄の変動表示を停止させる停止制御手段と、前記開始操作検出手段の検出を契機に出力されるスタートコマンド及び停止操作検出手段の検出を契機に出力されるリール停止コマンドを送信するコマンド送信手段と、を有する主制御部と、前記コマンド送信手段から一方向に送信された前記コマンドを受信するコマンド受信手段と、を有し、前記コマンド受信手段が受信したコマンドに基づき、遊技の進行に応じて演出を制御する副制御部と、前記リールを撮影し、撮影した前記リールの映像情報を前記副制御部に出力する撮影手段と、を備え、前記副制御部は、コマンド受信手段において前記スタートコマンドを受信後に、前記リール停止コマンドを受信したときに、前記リール停止コマンドに含まれる情報から決定されるリール停止予定位置を示す情報と前記撮影手段が撮影した前記リールの映像情報とを対応付けて記憶することを特徴とする。
このように構成することにより、リールが停止したタイミングで、遊技機の内部制御によるリール停止予定位置に、実際に停止したリールの映像を対応付けて記憶できる。この記憶したリール停止予定位置と実際に停止したリールの映像とは、記憶しておくことで、例えば、遊技場の係員が必要に応じて確認できる。したがって、不正な手段を用いた遊技者の不当なクレームに対抗可能な遊技機を提供できる。
なお、本実施形態において、リール3L、3C、3Rは、装飾枠110の前面に突出した位置に設けられたCCDカメラ121cに撮影されている。しかしながら、CCDカメラ121cは、これに限らず、例えば、筐体2内において、リール3L、3C、3Rの上方、下方、更には裏面を撮影可能に設けてもよい。例えば、CCDカメラ121cを、リール3L、3C、3Rの裏面を撮影可能に設けた場合には、前面側から撮影した図柄に対し、左右反転した図柄が撮影される。このため、このCCDカメラ121cに撮影された画像データによりリール3L、3C、3Rの停止位置を判定する場合、左右反転した図柄を判定するための判定基準データ(例えば、画像の明暗差を示すデータ)をDRAM73−1の所定の領域に格納しておく。また、リール3L、3C、3Rに設けられたインデックス(例えば、リール位置検出回路50のフォトセンサの検出片)を撮影可能に設けてもよい。この場合、サブCPU71は、リール停止コマンドを受信したと判定したときにインデックスを撮影し取得した画像データのインデックスの位置から、リール停止位置を判定してもよい。
[押し順間違い報知処理]
次に、押し順間違い報知処理について説明する。押し順間違い報知処理は、サブCPU71が実行する処理であり、遊技者が、所定の停止順序と異なる順序で、リール3L、3C、3Rの停止操作をしそうな場合に、停止順序が異なることを報知する処理である。
例えば、特開2010−233721号公報には、再遊技に係るリプレイが内部当籤役として決定される確率が高い、通常の高RT遊技状態(RT2遊技状態)と上乗せ用高RT遊技状態(RT4遊技状態)とを有し、特定の遊技状態(例えばRT1遊技状態またはRT4遊技状態)において所定のリプレイ(RT2作動役)が入賞するとRT2遊技状態に移行し、また特定の遊技状態(例えばRT1、RT2、RT3遊技状態)において特定のリプレイ(RT4作動役)が入賞するとRT4遊技状態に移行する遊技機が提案されている。
この遊技機では、上述のRT2遊技状態またはRT4遊技状態と併せて、メダルの払出しに係る特定の内部当籤役を報知するATを作動させることにより所定遊技回数(所定ゲーム数)のアシストリプレイタイム(所謂ART)を付与するようになっている。また、上記遊技機では、特定のリプレイと所定のリプレイとは重複当籤し、所定の条件が成立していれば、特定のリプレイが成立することとなる停止順序が報知されてARTのゲーム数(以下、ARTゲーム数という)が上乗せされる。一方、上記所定の条件が成立していなければ、所定のリプレイが成立することとなる停止順序が報知されて通常の高RT遊技状態が開始されることとなっている。このため、上記遊技機においては、特定のリプレイが成立することとなる停止順序が、所定のリプレイが成立することとなる停止順序よりも遊技者にとって有利な停止順序となっている。
しかしながら、上述の特許文献1に記載の遊技機にあっては、遊技者にとって有利な停止順序が報知される場合であっても、誤操作により、有利な停止順序とは異なる停止順序で停止操作がされ、遊技者に不利益が生ずる場合がある。そこで、この実施の形態によれば、所定の停止順序でリールを停止操作することで有利となる遊技機において、誤操作による遊技者の不利益を回避できる遊技機を提供する。
図15を参照して、押し順間違い報知処理について説明する。まず、サブCPU71は、主制御回路60からスタートスイッチ6Sの入力等を契機に出力されるスタートコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2001)。このとき、サブCPU71は、スタートコマンドを受信していないと判定したときには、本ステップを繰り返す。
一方、サブCPU71は、ステップS2001において、スタートコマンドを受信したと判定したときには、読取モードをセットする(ステップS2002)。具体的には、サブCPU71は、カメラ中継基板790のカメラ制御LSIによりカメラモジュール791を起動させて読取モードをセットする。
次に、サブCPU71は、受信したスタートコマンドに含まれる内部当籤役情報に基づき、内部当籤役が、遊技者にとって有利となる停止順序を備える役か否かを判定する(ステップS2003)。このとき、サブCPU71は、内部当籤役が、遊技者にとって有利となる停止順序を備える役でないと判定したときには、押し順間違い報知処理を終了する。
一方、サブCPU71は、ステップS2003において、内部当籤役が、遊技者にとって有利となる停止順序を備える役であると判定したときには、当該停止順序を報知する制御を行うとともに、ストップボタン7L、7C、7R近傍にかざされた遊技者の手を撮影する(ステップS2004)。具体的には、サブCPU71は、カメラ制御LSIに対して、CCDカメラ121cによりリール3L、3C、3Rを撮影させ、ストップボタン7L、7C、7R近傍にかざされた遊技者の手の映像情報である画像データを取得して、この画像データを送信バッファにセットする。そして、カメラ制御LSIは、この画像データをサブCPU71に送信する。
ここで、DRAM73−1の所定の領域には、ストップボタン7Lを遊技者が操作する場合、ストップボタン7Cを遊技者が操作する場合及びストップボタン7Rを遊技者が操作する場合の動作判定基準データ(例えば、画像の明暗差を示すデータ)がそれぞれ格納されている。
サブCPU71は、カメラ制御LSIから送信されたストップボタン7L、7C、7R近傍にかざされた遊技者の手の画像データと、DRAM73−1の所定の領域に格納された動作判定基準データと、を比較して、遊技者の手がかざされているストップボタンを判定する。
詳細には、サブCPU71は、ストップボタン7L、7C、7R近傍にかざされた遊技者の手の画像データと、ストップボタン7L、7C、7Rにそれぞれに対応する動作判定基準データと、を順次比較し、画像中の明暗差が最も近似している動作判定基準データに対応したストップボタン7L、7C、7Rのいずれかを判定する。そして、サブCPU71は、判定したストップボタン7L、7C、7Rのいずれかが、定められた停止順序とおりか否かを判定する(ステップS2005)。
そして、サブCPU71は、ステップS2005で停止順序とおりでないと判定した場合には、押し順が間違っていることを報知する画像を液晶表示装置5に表示する制御を行う(ステップS2006)。一方、サブCPU71は、ステップS2005で停止順序とおりと判定した場合には、押し順間違い報知処理を終了する。なお、サブCPU71は、ステップS2006の処理において、報知する画像を液晶表示装置5に表示する制御に限らず、例えば、スピーカ21L等において、ストップボタン7L、7C、7Rを押さないように促す音声を発生してもよいし、LED103等を点滅させたり、消灯させたりして遊技者に注意を喚起する制御を行ってもよい。
このように、押し順間違い報知処理を実行する遊技機1は、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて、複数のリールを回転させることにより前記リールに表示された図柄を変動させる図柄変動手段と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づいて、所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるためのストップボタンにおける停止操作を検出する停止操作検出手段と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたことに基づいて、図柄の変動表示を停止させる停止制御手段と、前記開始操作検出手段の検出を契機に出力されるスタートコマンドを送信するコマンド送信手段と、を有する主制御部と、前記コマンド送信手段から一方向に送信された前記コマンドを受信するコマンド受信手段と、を有し、前記コマンド受信手段が受信したコマンドに基づき、遊技の進行に応じて演出を制御する副制御部と、前記副制御部に制御される演出手段と、前記ストップボタン近傍にかざされた遊技者の手を撮影し、撮影した映像情報を前記副制御部に出力する撮影手段と、を備え、前記副制御部は、前記内部当籤役決定手段により決定された前記内部当籤役が、前記ストップボタンを停止操作する順序であり遊技者にとって有利となる停止順序を備える役であった場合に、前記停止順序を報知する制御を行い、その報知を行っているときに、前記撮影手段が撮影した前記ストップボタン近傍にかざされた遊技者の手の映像情報に基づき、複数の前記ストップボタンのうち、遊技者の手がかざされている前記ストップボタンを判定し、この判定した前記ストップボタンが前記停止順序に対して間違った停止順であると判定した場合に、前記演出手段により押し順間違いであることを報知する制御を行うことを特徴とする。
このように構成することにより、内部当籤役が、ストップボタンを停止操作する順序であり遊技者にとって有利となる停止順序を備える役であった場合に、遊技者が停止順序と異なるリールに対応するストップボタンに手をかざしたとき、即ち、遊技者が有利な停止順序に対して間違った停止順のストップボタンを操作しそうと判断されるときに、押し順間違いであることを報知するので、所定の停止順序でリールを停止操作することで有利となる遊技機において、誤操作による遊技者の不利益を回避できる遊技機を提供できる。
また、有効ライン上に所望の図柄を停止させるためのリールの停止操作方法として、有効ライン上に所望の図柄が見えたら停止操作を開始し、次に、当該図柄が有効ライン上に来るタイミングで停止操作を終了する(ストップボタンを押下する)方法がある。このような停止操作方法は、遊技の経験が豊富な遊技者であれば、リールが1回転するタイミングを体得しているので、容易に行うことができる。ところが、遊技の経験が乏しい遊技者は、このリールが1回転するタイミングが分からず、仮に、内部当籤役の図柄であったとしても、この図柄を有効ライン上に止めることができない。
そこで、サブCPU71は、ステップS2004の処理において、遊技者がストップボタン7L、7C、7Rを停止操作する手の動きを撮影してもよい。
この場合、DRAM73−1の所定の領域には、例えば、ストップボタン7Lを遊技者が停止操作する場合において、停止操作開始時の手及び停止操作終了時の手の動作判定基準データ(例えば、画像の明暗差を示すデータ)がそれぞれ格納されている。
サブCPU71は、カメラ制御LSIから送信されたストップボタン7Lを停止操作した遊技者の手の画像データと、DRAM73−1の所定の領域に格納された動作判定基準データと、を比較して、カメラ制御LSIから送信された画像データのうち、停止操作開始時及び停止操作終了時の画像データを構成する画像フレームをそれぞれ特定し、停止操作開始時の画像フレームと停止操作終了時の画像フレームとの時間差を算出する。
そして、サブCPU71は、算出した時間差を、遊技者がストップボタン7Lを停止操作するにあたり、停止操作開始から停止操作終了までの時間に関する表示を、例えば、液晶表示装置5に表示する制御を行う。この時間に関する表示は、例えば、停止操作開始から停止操作終了までの時間そのものを表示してもよいし、停止操作開始から停止操作終了までの時間とリールが1回転する時間との差を、数字やバーの長さで示してもよい。
これにより、遊技者は、液晶表示装置5に表示された時間に関する表示を確認し、例えば、リールが1回転する時間に対して、停止操作開始から停止操作終了までの時間が短ければ次回は停止操作を今回より遅くしたり、停止操作開始から停止操作終了までの時間が長ければ次回は停止操作を今回より早くしたりすることで、リールが1回転するタイミングの体得が容易になる。
なお、ストップボタン近傍にかざされた遊技者の手の画像データに基づく判定に関しても、第1入力デバイスについて説明したキャリブレーションのメニューを追加してもよい。
[発展演出処理]
次に、発展演出処理について説明する。発展演出処理は、サブCPU71が実行する処理であり、CCDカメラ121cで検出した遊技者の動作に基づいて演出を変化させることで、ある動作に対して予め決められた1つの演出が繰り返される場合に比べ、遊技性を向上させることを目的とする処理である。
近年、カメラで撮像した遊技者の動きに応じた演出を行うシステムが知られている。例えば、特開2009−268701号公報には、カメラで撮像した遊技者の眼球の動きに応じた動きで自機画像が動く演出を表示部に表示させ、遊技者の眼球が右に位置するときには自機画像を右に移動させ、眼球が左に位置するときには自機画像は左に移動させる操作システムが提案されている。この操作システムによれば、眼球の動きに応じた動きで画像を動かすことで、ゲームを行うことができるので、手を使わずに遊技可能なゲームを提供することができる。
しかしながら、上記操作システムでは、遊技者の眼球が右に位置するとき、自機画像が右に移動される等、ある遊技者の動作に対して、予め決められた1つの演出が繰り返されるだけなので、遊技性が低下する。そこで、この実施の形態によれば、カメラで検出した遊技者の動作に基づいて演出を変化させることで、ある動作に対して予め決められた1つの演出が繰り返される場合に比べ、遊技性が向上する遊技機を提供する。
図16を参照して、発展演出処理について説明する。まず、サブCPU71は、例えば、遊技機1の電源が投入されたら、読取モードをセットする(ステップS2051)。具体的には、サブCPU71は、カメラ中継基板790のカメラ制御LSIによりカメラモジュール791を起動させて読取モードをセットする。
サブCPU71は、CCDカメラ121cにより遊技機1の前面側の撮影を開始する(ステップS2052)。具体的には、サブCPU71は、カメラ制御LSIに対して、CCDカメラ121cにより遊技機1の前面側を撮影させ、カメラモジュール791により遊技機1の前面側の映像情報である画像データを取得して、この画像データを送信バッファにセットする。そして、カメラ制御LSIは、遊技機1の前面側の画像データを副制御回路1200に送信する。
ここで、DRAM73−1の所定の領域には、遊技機1の前面に遊技者が着座した場合の動作判定基準データ(例えば、画像の明暗差を示すデータ)が格納されている。また、DRAM73−1の所定の領域には、遊技機1の前面で遊技者が所定の動作を行った場合の動作判定基準データが複数種類格納され、後述するステップS2054では、これらの複数種類の動作判定基準データのいずれかが、特定動作の動作判定基準データとして設定される。
サブCPU71は、カメラ制御LSIから送信された遊技機1の前面側の画像データと、DRAM73−1の所定の領域に格納された動作判定基準データと、を比較して、遊技機1の前面に遊技者が着座したかを判定する。詳細には、サブCPU71は、遊技機1の前面側の画像データと、動作判定基準データと、を比較し、画像中の明暗差が近似しているかを判定する。
そして、サブCPU71は、ステップS2053で遊技機1の前面に遊技者が着座していないと判定した場合には、本ステップを繰り返す。一方、サブCPU71は、ステップS2053で遊技機1の前面に遊技者が着座したと判定した場合には、遊技者による複数種類の動作の中から、例えば、抽籤により、1つの動作を選択し、この選択した1つ動作を特定動作として設定する(ステップS2054)。詳細には、サブCPU71は、特定動作の動作判定基準データをDRAM73−1の所定領域に記憶する。なお、特定動作の動作判定基準データの具体例については、後述する。
次に、サブCPU71は、特定動作をすることを遊技者に促す発展演出開始表示を、液晶表示装置5に表示する制御を行う(ステップS2055)。なお、発展演出開始表示の具体例については、後述する。
次に、サブCPU71は、カメラ制御LSIから送信された遊技者の画像データと、ステップS2054で設定され、DRAM73−1の所定の領域に格納された特定動作の動作判定基準データと、を比較して、遊技者が特定動作を行ったか否かを判定する。詳細には、サブCPU71は、遊技者の画像データと、特定動作の動作判定基準データと、を比較し、画像中の明暗差が近似しているかを判定する。
そして、サブCPU71は、ステップS2056で遊技者が特定動作を行ったと判定した場合には、第1演出を制御し(ステップS2057)、遊技者が特定動作を行っていないと判定した場合には、第1演出とは異なる第2演出を制御する(ステップS2058)。なお、第1演出及び第2演出の具体例については、後述する。
次に、発展演出の具体例である第1実施例について説明する。第1実施例において、サブCPU71は、遊技者が図柄表示領域4のみを見ていて、液晶表示装置5における図柄表示領域4の上方に表示されている演出を見ていないと判定した場合に、特別な演出が行われる頻度の低いモードに切り替える演出を実行する。
第1実施例の場合、DRAM73−1の所定の領域には、標準的な顔の輪郭として、上向きの輪郭及び下向きの輪郭の形状をそれぞれ表すデータが格納されている。
サブCPU71は、ステップS2054の処理で、特定動作の動作判定基準データとして、上向きの輪郭を表すデータをDRAM73−1の所定領域に記憶する。ここで、カメラ制御LSIから送信された画像データの輪郭が下向きの輪郭の場合、遊技者は図柄表示領域4を見ていると推測できる。一方、カメラ制御LSIから送信された画像データの輪郭が上向きの輪郭の場合、遊技者は液晶表示装置5における図柄表示領域4の上に表示されている演出を見ていると推測できる。
次に、サブCPU71は、ステップS2055の処理で、発展演出開始表示として、例えば、キャラクタが「こっち向いて」という表示を液晶表示装置5に表示する制御を行う。
次に、サブCPU71は、ステップS2056の処理で、カメラ制御LSIから送信された遊技者の画像データと、ステップS2054で設定し、DRAM73−1の所定の領域に格納した特定動作の動作判定基準データ(上向きの輪郭を表すデータ)と、を比較して、遊技者が特定動作(図柄表示領域4の上方に表示されている演出を見る動作)を行ったか否かを判定する。
そして、サブCPU71は、ステップS2056で、遊技者が特定動作を行ったと判定した場合には、第1演出として、例えば、特別な演出が行われる頻度の高いモードに切り替える演出を制御し(ステップS2057)、遊技者が特定動作を行っていないと判定した場合には、第2演出として、例えば、特別な演出が行われる頻度の低いモードに切り替える演出を制御する(ステップS2058)。このような第1実施例によれば、図柄表示領域4のみを見ている遊技者に対し、演出頻度を減らし、集中を妨げないようにすることができる。
次に、発展演出の具体例である第2実施例について説明する。第2実施例において、サブCPU71は、液晶表示装置5に、例えば、キャラクタを表示し、「こっちきて」という動作指示を表示し、この動作指示とおりに遊技者が遊技機1に寄った場合に、演出の内容を発展させるミニゲームを実行する。
第2実施例の場合、DRAM73−1の所定の領域には、標準的な顔の輪郭として、異なる大きさの輪郭の形状をそれぞれ表すデータが格納されている。
サブCPU71は、ステップS2054の処理で、特定動作の動作判定基準データとして、予め設定された標準より大きい輪郭を表すデータをDRAM73−1の所定領域に記憶する。ここで、カメラ制御LSIから送信された画像データの輪郭の大きさが予め設定された標準以下の場合、遊技者は動作指示を無視して、動いていないことが推測できる。一方、カメラ制御LSIから送信された画像データの輪郭の大きさが標準より大きければ、動作指示にしたがい、遊技機1に寄ったことが推測できる。
次に、サブCPU71は、ステップS2055の処理で、発展演出開始表示として、例えば、キャラクタが「こっちきて」という表示を液晶表示装置5に表示する制御を行う。
次に、サブCPU71は、ステップS2056の処理で、カメラ制御LSIから送信された遊技者の画像データと、ステップS2054で設定し、DRAM73−1の所定の領域に格納した特定動作の動作判定基準データ(予め設定された標準より大きい輪郭を表すデータ)と、を比較して、遊技者が特定動作(遊技機1に寄る動作)を行ったか否かを判定する。
そして、サブCPU71は、ステップS2056で、遊技者が特定動作を行ったと判定した場合には、第1演出として、演出の内容を第1の態様に変化させる(例えば、キャラクタを表示し、「近いよ」という表示をしたり、音声を発声したりする態様)制御を行い(ステップS2057)、遊技者が特定動作を行っていないと判定した場合には、第2演出として、演出の内容を第2の態様に変化させる(例えば、キャラクタを表示し、「無視するなよ」という表示をしたり、音声を発声したりする態様)制御を行う(ステップS2058)。このような第2実施例によれば、カメラで撮影した遊技者の位置に基づいて演出を発展させることができる。
次に、発展演出の具体例である第3実施例について説明する。第3実施例において、サブCPU71は、複数種類の動作指示の中から1つの動作指示を抽籤により選択し、この選択した動作指示とおりに遊技者が動作しなかった場合に、演出を発展させるミニゲームを実行する。
第3実施例の場合、DRAM73−1の所定の領域には、標準的な顔の輪郭として、右向きの輪郭、左向きの輪郭、上向きの輪郭及び下向きの輪郭の形状をそれぞれ表すデータが格納されている。
サブCPU71は、ステップS2054の処理で、特定動作の動作判定基準データとして、抽籤により決定した、右向きの輪郭、左向きの輪郭、上向きの輪郭及び下向きの輪郭の形状をそれぞれ表すデータのいずれかをDRAM73−1の所定領域に記憶する。
次に、サブCPU71は、ステップS2055の処理で、発展演出開始表示として、例えば、右を指し示すキャラクタ、左を指し示すキャラクタ、上を指し示すキャラクタ又は下を指し示すキャラクタのうちから選択されたキャラクタが「あっち向いてホイ」という表示を液晶表示装置5に表示する制御を行う。
次に、サブCPU71は、ステップS2056の処理で、カメラ制御LSIから送信された遊技者の画像データと、ステップS2054で設定し、DRAM73−1の所定の領域に格納した特定動作の動作判定基準データ(抽籤により決定した向きの輪郭を表すデータ)と、を比較して、遊技者が特定動作(抽籤により決定した向きを向く動作)を行ったか否かを判定する。
そして、サブCPU71は、ステップS2056で遊技者が特定動作を行ったと判定した場合には、第1演出として、演出の内容を第1の態様に変化させる(例えば、ミニゲームを終了し、通常の演出に戻る態様)制御を行い(ステップS2057)、遊技者が特定動作を行っていないと判定した場合には、第2演出として、演出の内容を第2の態様に変化させる(例えば、このミニゲームを繰り返す態様)制御を行う(ステップS2058)。なお、サブCPU71は、第2演出として、メダルの払出しに係る特定の内部当籤役を報知するアシストタイム(所謂ATという)を作動させてもよい。
また、第3実施例では、「あっち向いてホイ」をモチーフとした例を説明したが、モチーフは「じゃんけん」であってもよい。この場合、DRAM73−1の所定の領域には、標準的な手の形状として、「チョキ」を示す2本の指のみを開いた形状、「グー」を示す握りしめた形状、「パー」を示す全ての指を開いた形状を表すデータがそれぞれ格納されている。サブCPU71は、特定動作の動作判定基準データとして、抽籤により決定した、「チョキ」、「グー」又は「パー」を示す手の形状をそれぞれ表すデータのいずれかをDRAM73−1の所定領域に記憶する。そして、サブCPU71は、遊技者の手の画像データと、特定動作の動作判定基準データと、を比較して、遊技者が特定動作(抽籤により決定した形状の手を出す動作)を行ったか否かを判定する。このような第3実施例によれば、カメラで撮影した遊技者の動作に基づいて演出を変化させることで、予め決められたとおりの演出が繰り返される場合に比べ、遊技性が向上する。
なお、第1実施例乃至第3実施例においては、遊技者の顔の向きにより、遊技者の動作を判定しているが、これに限らず、遊技者の視線により、遊技者の動作を判定してもよい。この場合、上記の瞳孔及びまぶたの動きを利用する第1入力デバイス及びキャリブレーションを用いてもよいし、公知の視線検出方法を用いてもよい。公知の視線検出方法としては、例えば、特許第4399607号公報に記載されているような、カメラで撮影した映像の各フレームから目尻及び目頭等の特徴点の位置を求め、その特徴点を基に目領域を切り出し、そこから虹彩を検出して、その位置から水平方向の視線の向きを算出する方法がある。
このように、発展演出処理を実行する遊技機1は、遊技の進行に応じて演出を制御する副制御部と、遊技者を撮影し、撮影した遊技者の映像情報を前記副制御部に出力する撮影手段と、を備え、前記副制御部は、遊技者の動作を判定するための動作判定基準データを複数種類記憶し、複数種類の前記動作判定基準データのうちから、特定の動作判定基準データを設定し、前記撮影手段が撮影した遊技者の動作の映像情報と、前記特定の動作判定基準データ、を比較し、画像中の明暗差が近似しているかを判定し、この判定の結果に応じて演出を変化させることを特徴とする。
このように構成することにより、カメラで検出した遊技者の動作に基づいて演出を変化させることで、ある動作に対して予め決められた1つの演出が繰り返される場合に比べ、遊技性が向上する遊技機を提供できる。
[パチンコ遊技機の構成]
本発明は、パチスロに限定されるものではなく、パチンコ遊技機にも適用することができる。以下、パチンコ遊技機について説明する。
まず、パチンコ遊技機1010の概観について図17から図20を用いて説明する。図17は、本発明の他の実施の形態におけるパチンコ遊技機1010の概観を示す斜視図である。図18は、当該実施の形態におけるパチンコ遊技機1010の概観を示す分解斜視図である。図19は、本発明の他の実施の形態におけるパチンコ遊技機1010のガラスドア1011が開いた状態を示す斜視図である。また、図20は、当該実施の形態におけるパチンコ遊技機1010の遊技盤1014の正面図である。
パチンコ遊技機1010は、図17及び図18に示すように、扉体であるガラスドア1011、遊技機枠である木枠1012、ベースドア1013、遊技盤1014、皿ユニット1020、画像を表示する液晶表示装置1032、遊技球を発射する発射装置1130、払出ユニット1500、基板ユニット1600等から構成されている。
上述したガラスドア1011は、ベースドア1013に対して回転軸により開閉自在になるように取り付けられている。また、このガラスドア1011の中央には、開口1011aが形成されており、その開口1011aには、透過性を有する保護ガラス1019が配設されている。この保護ガラス1019は、ガラスドア1011が閉鎖された状態で遊技盤1014の前面に対面するように配設されている。また、ガラスドア1011は、木枠1012に閉じた状態で施錠部1011bにより施錠されている。ガラスドア1011は、施錠部1011bを開錠することで、図19に示すように、木枠1012から開くことができる。そして、ガラスドア1011を開くことで、遊技盤1014への接触が可能となる。
皿ユニット1020は、ガラスドア1011とは独立して、木枠1012外に取り付けられ、上皿1021及び下皿1022を一体化したユニット体であり、ベースドア1013におけるガラスドア1011の下部に配設されている。上皿1021は、遊技盤1014前方に、遊技盤1014から離れる方向に突出して配設されている。また、下皿1022は、上皿1021の下方に配設されている。上皿1021及び下皿1022には、遊技球の貸し出し、遊技球の払い出し(賞球)を行うための払出口1021a、1022aが形成されており、所定の払出条件が成立した場合には、遊技球が排出され、特に、上皿1021には、後述する遊技領域1015に発射させるための遊技球が貯留される。
発射装置1130は、ベースドア1013の右下部に配設されている。この発射装置1130は、遊技者によって操作可能な発射ハンドル1026と、皿ユニット1020の右下部に適合するパネル体1027とを備えている。発射ハンドル1026は、パネル体1027の表側に設けられている。パネル体1027の裏側には遊技球を発射するための駆動装置が設けられている。
ベースドア1013には、皿ユニット1020及び発射装置1130が配設されており、パネル体1027は、この皿ユニット1020の右下部と一体化している。そして、遊技者によって発射ハンドル1026が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。
上述した遊技盤1014は、保護ガラス1019の後方に位置するように、ベースドア1013の前方に配設されている。遊技盤1014の後方には、スペーサー1031、液晶表示装置1032などが配設されている。ベースドア1013の後方には、払出ユニット1500、基板ユニット1600が配設されている。また、下皿1022の下部には、スピーカ1046が配設されている。
遊技盤1014は、その全部が透過性を有する板形状の樹脂(透過性を有する部材)によって形成されている。この透過性を有する部材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。また、遊技盤1014は、その前面側に、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域1015を有している。
この遊技領域1015は、ガイドレール1030(具体的には後述の図20に示す外レール1030a)に囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。また、遊技盤1014における遊技領域1015には、複数の遊技釘1018が打ちこまれている。このように、遊技盤1014は、遊技球が転動可能な遊技領域を備える遊技盤の一例である。
液晶表示装置1032は、遊技盤1014の後方(背面側)に配設されている。すなわち、液晶表示装置1032は、遊技盤1014の透過性を有する部材の背後に配置されている。この液晶表示装置1032は、遊技に関する画像の表示を可能とする表示領域1032aを有している。この表示領域1032aは、遊技盤1014の全部又は一部に、背面側から重なるように配設される。
言い換えると、この表示領域1032aは、少なくとも、遊技盤1014における遊技領域1015の全部又は一部と重なるように遊技盤1014の後方に配設される。具体的には、液晶表示装置1032は、その表示領域1032aが遊技領域1015の全部又は一部と、遊技領域外域1016の全部又は一部とに重なるように遊技盤1014の後方に配設される。この液晶表示装置1032における表示領域1032aには、演出用の識別図柄、演出画像、装飾用の装飾画像など、各種の画像が表示される。
スペーサー1031は、遊技盤1014の後方(背面側)に配設されていて、遊技盤1014の後方と液晶表示装置1032の前方(前面側)との間に、遊技盤1014を転動した遊技球の流路となる空間を構成している。また、スペーサー1031の下部には、LEDユニット1053(図20参照)が設けられている。このスペーサー1031は、透過性を有した材料で形成されている。なお、当該実施の形態においてスペーサー1031は、透過性を有した材料で形成されているが、本発明はこれに限定されず、例えば、一部が透過性を有する材料で形成されてもよい。また、透過性を有さない材料で形成されてもよい。
発射ハンドル1026は回転自在であり、発射ハンドル1026の裏側には、駆動装置である発射ソレノイド(図示せず)が設けられている。さらに、発射ハンドル1026の周縁部には、タッチセンサ1125(図示せず)が設けられている。発射ハンドル1026の内部には、発射ハンドル1026の回転量に応じて抵抗値を変化させ、発射ソレノイド(図示せず)に供給する電力を変化させる発射ボリュームが設けられている。
タッチセンサ(図示せず)に遊技者が接触したときには、遊技者により発射ハンドル1026が握持されたと検知される。発射ハンドル1026が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回転操作されたときには、その回転角度に応じて発射ボリューム(図示せず)の抵抗値が変化し、この時の抵抗値に対応する電力が発射ソレノイド(図示せず)に供給される。その結果、上皿1021に貯留された遊技球が遊技盤1014の遊技領域1015に順次発射され、遊技が進められる。なお、発射停止ボタン(図示せず)が押下された場合には、発射ハンドル1026を握持しかつ回転させた状態であっても遊技球の発射が停止される。
図20に示すように、遊技盤1014の左下方には、一般入賞口1056a、1056b、1056cを形成する部材が配置されており、この部材におけるLEDユニット1053との対向部位は透明になっている。このため、図20に示されるように、遊技盤1014の左下方から、LEDユニット1053が視認可能となる。LEDユニット1053には、後述する図21に示すように、第1特別図柄表示装置1035a、第2特別図柄表示装置1035b、普通図柄表示装置1033、第1特別図柄保留表示LED1034a、1034b、第2特別図柄保留表示LED1034c、1034d、第1、第2普通図柄保留表示LED1050a、1050b等が設けられている。
特別図柄表示装置は、16個のLEDによって構成されている。これら16個のLEDは、8個のLEDからなる2つのグループに分かれており、詳細は後述するが、一方のグループは、第1始動口1025への始動入賞を契機として変動表示を行うものであり、他方のグループは、第2始動口1044への始動入賞を契機として変動表示を行うものである。なお、以下の説明の便宜上、一方のLEDのグループを第1特別図柄表示装置1035a(図21参照)、他方のLEDのグループを第2特別図柄表示装置1035b(図21参照)と称する。
第1、第2特別図柄表示装置1035a、1035bのLEDは、所定の特別図柄の変動表示開始条件の成立により、グループ単位で点灯・消灯を繰り返す変動表示を行う。そして、8つのLEDの点灯・消灯によって形成される表示パターンが、特別図柄(識別図柄ともいう)として停止表示される。この停止表示された特別図柄が、特定の停止表示態様の場合には、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である当り遊技状態(特別遊技状態)に遊技状態が移行する。この当り遊技状態となった場合には、後述するように、シャッタ1040(図20参照)が開放状態に制御され、大入賞口1039(図20参照)に遊技球が受け入れ可能な状態となる。
言い換えれば、大入賞口1039が開放される遊技が当り遊技であり、当該実施の形態によれば、大当り遊技と小当り遊技の2種類の当り遊技がある。また、特別図柄が大当り遊技状態に移行する停止表示態様になることが大当り、特別図柄が小当り遊技状態に移行する停止表示態様になることが小当りである。
大当りと小当りの違いについては後述するが、大当りの場合には、多くの出球を獲得する可能性が高くなり、小当りの場合には、出球獲得があまり期待できない。一方、特別図柄として、ハズレ図柄が停止表示された場合は、遊技状態が維持される。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームを「特別図柄ゲーム」という。
普通図柄表示装置1033は、2つの表示用ランプで構成されており、これら表示用ランプが交互に点灯・消灯を繰り返すことによって、普通図柄として変動表示される。そして、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって普通電動役物1048(図20参照)の開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
普通図柄保留表示LED1050a、1050bは、点灯、消灯又は点滅によって保留されている普通図柄の変動表示の実行回数(所謂、「保留個数」、「普通図柄に関する保留個数」)を表示する。具体的には、普通図柄の変動表示の実行が1回分保留されている場合には、普通図柄保留表示LED1050aが点灯し、普通図柄保留表示LED1050bが消灯する。
普通図柄の変動表示の実行が2回分保留されている場合には、普通図柄保留表示LED1050aが点灯し、普通図柄保留表示LED1050bが点灯する。普通図柄の変動表示の実行が3回分保留されている場合には、普通図柄保留表示LED1050aが点滅し、普通図柄保留表示LED1050bが点灯する。普通図柄の変動表示の実行が4回分保留されている場合には、普通図柄保留表示LED1050aが点滅し、普通図柄保留表示LED1050bが点滅する。
第1特別図柄保留表示LED1034a、1034b及び第2特別図柄保留表示LED1034c、1034dは、点灯、消灯又は点滅によって保留されている特別図柄の変動表示の実行回数(所謂、「保留個数」、「特別図柄に関する保留個数」)を表示する。第1特別図柄保留表示LED1034a、1034b及び第2特別図柄保留表示LED1034c、1034dによる特別図柄に関する保留個数の表示態様は、普通図柄保留表示LED1050a、1050bによる、普通図柄の保留個数の表示態様
と同一である。
当該実施の形態によれば、ラウンド数が一定なのでラウンド数表示用のLEDはない。このため、主制御回路1060によって制御される当り報知LEDの表示上では、大当り、小当りの報知上の差別はない。また、突確大当りと小当りは、後述するようにその当りが発生したときのシャッタ1040の開閉パターンも同一のものから選択され、また副制御回路1200によって制御される液晶表示装置1032等における演出も同一である。このため、突確大当りと小当りは、遊技者は見た目上の区別が付かない。
また、遊技盤1014の後方(背面側)に配設されている液晶表示装置1032の表示領域1032a(図18参照)では、第1特別図柄表示装置1035a及び第2特別図柄表示装置1035bにおいて表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。
例えば、第1特別図柄表示装置1035a及び第2特別図柄表示装置1035bで表示される特別図柄の変動表示中においては、特定の場合を除いて、液晶表示装置1032の表示領域1032aにおいて、数字からなる識別図柄(演出用の識別情報でもある)、例えば、"1〜8"のような数字が変動表示される。また、第1特別図柄表示装置1035a(図21参照)及び第2特別図柄表示装置1035b(図21参照)において変動表示されていた特別図柄が停止表示されるとともに、液晶表示装置1032の表示領域1032aでも演出用としての識別図柄が停止表示される。
また、第1特別図柄表示装置1035a及び第2特別図柄表示装置1035bにおいて、変動、停止された特別図柄が特定の停止表示態様の場合には、当りであることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置1032の表示領域1032aにおいて表示される。
具体的には、第1特別図柄表示装置1035a及び第2特別図柄表示装置1035bのいずれか一方において特別図柄が、例えば、多くの出球が獲得可能な大当りに対応する特定の表示態様で停止表示された場合には、液晶表示装置1032の表示領域1032aにおいて表示される演出用の識別図柄の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに同一の図柄が全て揃った状態で停止表示される態様)となり、さらに、大当り用の演出画像が液晶表示装置1032の表示領域1032aにおいて表示される。
なお、出球を得ることが困難な当り(小当り、15回突確大当り、16回突確大当り)の場合は、当りであることを遊技者に把握させる演出画像を、液晶表示装置1032の表示領域1032aにおいて表示しなくてもよい。
図20に示すように、パチンコ遊技機1010の遊技盤1014上には、二つのガイドレール1030(1030a及び1030b)、ステージ1055、第1始動口1025、第2始動口1044、通過ゲート1054、シャッタ1040、大入賞口1039、一般入賞口1056a、1056b、1056c、1056d、普通電動役物1048等の遊技部材が設けられている。
遊技盤1014の上部には、略逆L字形状のステージ1055が設けられている。また、遊技領域1015を囲むように、ガイドレール1030が設けられている。
ガイドレール1030は、遊技領域1015を区画(画定)する外レール1030aと、その外レール1030aの内側に配設された内レール1030bとから構成される。発射された遊技球は、遊技盤1014上に設けられたガイドレール1030に案内されて、遊技盤1014の上部に移動し、前述した複数の遊技釘(図示せず)、遊技盤1014上に設けられたステージ1055などとの衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤1014の下方に向かって流下する。具体的には、ステージ1055の左側を流下するルート(所謂、左打ち)と、発射ハンドル1026を右側に最大に回転させて、ステージ1055の右側に遊技球を打ち込み、ステージ1055の右側を流下するルート(所謂、右打ち)がある。
また、ステージ1055の下方でかつ遊技盤1014の中央の下方には、第1始動口1025が設けられている。また、ステージ1055の右側上部に通過ゲート1054が設けられており、通過ゲート1054の下方に第2始動口1044が設けられている。第2始動口1044には普通電動役物1048が設けられている。普通電動役物1048は、遊技盤1014の板面に対して前後方向に、突出、引き込みを行う舌状部材1048aを備えている。舌状部材1048aが突出している時に舌状部材1048aに乗った遊技球が第2始動口1044に入賞し、舌状部材1048aが引き込んでいる場合には遊技球が第2始動口1044に入賞することは不可能である。
そして、普通図柄表示装置1033において普通図柄が所定の図柄で停止表示されたときには、普通電動役物1048における舌状部材1048aが、所定の時間、引込状態から突出状態となり、第2始動口1044に遊技球が入りやすくなる。なお、普通電動役物1048は、舌状部材1048aの突出、引き込みを行うものに限らず、例えば、一対の羽根部材が開放、閉鎖するもの(所謂、電動チューリップ)であってもよい。
また、ステージ1055の右側に遊技球を打ち込んだ場合には、ステージ1055の右側から第1始動口1025に遊技球が転動する経路に、遊技釘1018が打ち込まれており、この遊技釘1018によって、遊技球がステージ1055の右側から第1始動口1025に入賞不可能になっている。
普通図柄の変動表示中において通過ゲート1054を遊技球が通過した場合には、普通図柄保留表示LED1050a、1050bによる表示態様を切り換えて、変動表示中の普通図柄が停止表示されるまで、当該通過ゲート1054への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた普通図柄が停止表示された場合には、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。
なお、普通図柄表示装置1033において普通図柄として特定の図柄が停止表示された場合には、普通図柄抽選が当選であることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置1032の表示領域1032aにおいて表示されるようにしてもよい。
また、第1始動口1025の直下には、大入賞口1039を開閉するシャッタ1040が配置されている。シャッタ1040の直下の遊技領域1015の最下部位には、アウト口1057が形成されている。遊技領域1015の左側下部には、一般入賞口1056a、1056b、1056cが設けられている。また、遊技領域1015の右側下部には、一般入賞口1056dが設けられている。
また、前述した第1始動口1025内には入賞領域が設けられている。この入賞領域には第1始動入賞口スイッチ1116(図21参照)が備えられている。第2始動口1044内には入賞領域が設けられており、この入賞領域には第2始動入賞口スイッチ1117(図21参照)が備えられている。遊技球等の遊技媒体が、第1始動入賞口スイッチ1116によって検出された場合、第1特別図柄表示装置1035aによる特別図柄の変動表示が開始される。
また、特別図柄の変動表示中に第1始動口1025へ遊技球が入球した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、第1始動口1025への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示された場合には、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。なお、以降の説明において、第1始動口1025への遊技球の入球に基づいて第1特別図柄表示装置1035aに変動表示される特別図柄を第1特別図柄と称する。
また、遊技球等の遊技媒体が、第2始動入賞口スイッチ1117によって検出された場合、第2特別図柄表示装置1035bによる特別図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄の変動表示中に第2始動口1044へ遊技球が入球した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、第2始動口1044への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示された場合には、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。
なお、以降の説明において、第2始動口1044への遊技球の入球に基づいて第2特別図柄表示装置1035bに変動表示される特別図柄を第2特別図柄と称する。
ここで、第1特別図柄表示装置1035aと第2特別図柄表示装置1035bとは同時に特別図柄が変動することはない。また、当該実施の形態においては、第2始動口1044への始動入賞を優先に特別図柄の変動表示が行われる。このように、第1始動口1025、第2始動口1044は、遊技盤1014の遊技領域に備えられ、遊技球が通過可能な始動領域の一例である。
なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、当該実施の形態においては、第1始動口1025、第2始動口1044への入球による特別図柄の変動表示の保留数は、それぞれ4回を上限としている。具体的には、第1特別図柄の特別図柄ゲームが4回保留されている場合には、変動中の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が、メインRAM1070(図21参照)の第1特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、保留されている4回の特別図柄ゲームの情報は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に始動記憶として記憶される。
第2特別図柄の特別図柄ゲームについても同様に、第2特別図柄の特別図柄ゲームが4回保留されている場合には、変動中の第2特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が、メインRAM70(図21参照)の第2特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、保留されている4回の特別図柄ゲームの情報は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に始動記憶として記憶される。したがって、最大8回の保留が可能になる。
また、その他の(所定の特別図柄の変動表示開始)条件としては、特別図柄が停止表示されていることである。つまり、所定の特別図柄の変動表示開始条件が成立する毎に特別図柄の変動表示が開始される。
第1特別図柄表示装置1035a及び第2特別図柄表示装置1035bにおいて特別図柄が特定の停止表示態様となって、遊技状態が大当り遊技状態に移行された場合は、シャッタ1040が、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口1039は、遊技球を受け入れやすい開放状態(第1の状態)となる。
一方、シャッタ1040の背面側(後方)に設けられた大入賞口1039には、カウントスイッチ1104(図21参照)を有する領域(図示せず)があり、その領域を遊技球が所定個数(例えば7個)通過するか、又は、所定時間(例えば、約0.1秒あるいは約30秒)が経過するまでシャッタ1040が開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口1039への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ1040は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態になるように駆動される。その結果、大入賞口1039は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる(第2の状態)。
なお、一定時間において、大入賞口1039が遊技球を受け入れやすい状態となっている遊技をラウンドゲームという。したがって、シャッタ1040は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。また、ラウンドゲームは、"1"ラウンド、"2"ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドと呼称する場合がある。なお、当該実施の形態においては、1ラウンドにおいて、複数回シャッタ1040を開閉して、開放状態となる時間を一定時間とする場合がある。
続いて、開放状態から閉鎖状態(第2の状態)に駆動されたシャッタ1040は、再度開放状態に駆動される。つまり、ラウンドゲームが終了した場合には、次のラウンドゲームへ継続して進むことができる。なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、次のラウンドゲームに継続して進むことができない(最終の)ラウンドゲームが終了するまでの遊技を特別遊技あるいは大当り遊技という。なお、当該実施の形態においては、全ての大当りは15ラウンドである。
また、当該実施の形態においては、第1特別図柄表示装置1035a及び第2特別図柄表示装置1035bにおいて特別図柄が特定の停止表示態様となって、遊技状態が小当り遊技状態に移行された場合は大入賞口1039が15回又は16回遊技球を受け入れやすい開放状態となるように、シャッタ1040が駆動される。なお、小当り遊技は、大入賞口1039を15回又は16回開放する遊技であり、大当りのようにラウンドゲームという概念はない。このように、大入賞口1039及びシャッタ1040は、遊技盤1014上に設けられ、遊技球が入球容易な開放状態と、遊技球が入球困難な閉鎖状態とに変化可能な可変部材の一例である。
また、前述した第1始動口1025、第2始動口1044、一般入賞口1056a〜1056d、大入賞口1039に遊技球が入賞したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿1021又は下皿1022に払い出される。
また、当該実施の形態においては、大当り遊技終了後に、普通図柄抽選の当選確率が高確率状態となり、普通電動役物1048によるサポートによって特別図柄ゲームの保留球が貯まりやすくなる時短状態に移行する場合がある。ここで、時短状態においては、通過ゲート1054に遊技球を通過させることが、普通図柄抽選を実行させる条件となるため、右打ちをしながら遊技を進行することになる。
また、右打ち状態で大当りが発生した場合には、そのまま右打ちを継続することにより、大入賞口1039へ入賞させることが可能である。また、普通電動役物1048によるサポートが受けられない場合には、左打ちをしながら遊技を進行することになる。
また、図17に示すように、上皿1021の前面には、演出ボタン1080が設けられており、目押しゲーム、カードめくり、すごろく等のようなミニゲーム中に、それらの演出ボタンを押し下げることにより、液晶表示装置1032における演出表示内容を変えることができる。
また、上皿1021の前面端部には、遊技盤1014上を転動する遊技球を遊技盤1014外から撮影するCCDカメラ121cが設けられている。CCDカメラ121cは、遊技盤1014前方に、遊技盤1014から離れる方向に突出した上皿1021の前面端部分において、ガラスドア1011とは独立して設けられている。このため、図19に示すように、ガラスドア1011はCCDカメラ121cと接触することなく、開くことができ、CCDカメラ121cはガラスドア1011が開かれた後も、遊技盤1014を撮影することができる。なお、パチンコ遊技機1010において、CCDカメラ121cは、ガラスドア1011の開閉時に接触せず、ガラスドア1011が開かれた後も、遊技盤1014を撮影することができれば、任意の位置に設けることができる。
なお、当該実施の形態において、演出手段の一例として、液晶表示装置を記載したが、本発明はこれに限定されない。演出手段は、上記遊技機1で説明した表示ユニット100や、プラズマディスプレイや、リアプロジェクションディスプレイや、CRTディスプレイや、ランプや、スピーカや可動役物等の演出手段であってもよい。
[パチンコ遊技機の電気的構成]
当該実施の形態におけるパチンコ遊技機1010の制御回路を示すブロック図を図21に示す。
図21に示すように、パチンコ遊技機1010は、主に、遊技の制御を行う主制御回路1060と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御回路1200とから構成される。
主制御回路1060は、メインCPU1066、メインROM1068(読み出し専用メモリ)、メインRAM1070(読み書き可能メモリ)を備えている。
メインCPU1066には、メインROM1068、メインRAM1070等が接続されており、このメインROM1068に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインROM1068には、メインCPU1066によりパチンコ遊技機1010の動作を制御するためのプログラム、メイン処理等をメインCPU1066に実行させるためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
メインRAM1070は、メインCPU1066の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、当該実施の形態においては、メインCPU1066の一時記憶領域としてメインRAM1070を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
また、この主制御回路1060は、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路1064、I/Oポート1071、コマンド出力ポート1072を備えている。また、初期リセット回路1064は、メインCPU1066に接続されている。I/Oポート1071は、各種のデバイスからの入力信号をメインCPU1066に、メインCPU1066からの出力信号を各種のデバイスに送信するものである。
コマンド出力ポート1072は、メインCPU1066からのコマンドを副制御回路1200に送信するものである。また、主制御回路1060は、バックアップコンデンサ1074を備えている。このバックアップコンデンサ1074は、電断時において、例えば、メインRAM1070に対して速やかに電源を供給することにより、メインRAM1070に記憶されている各種データを保持することに用いられる。
また、主制御回路1060には、各種の装置が接続されている。
例えば、主制御回路1060からの信号に応じる各種の装置として、主制御回路1060には、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示を行う第1特別図柄表示装置1035a及び第2特別図柄表示装置1035b、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の保留個数を表示する第1特別図柄保留表示LED1034a、1034b及び第2特別図柄保留表示LED1034c、1034d、普通図柄ゲームにおける識別図柄としての普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置1033、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示の保留個数を表示する普通図柄保留表示LED1050a、1050b、普通電動役物1048の舌状部材1048aを突出状態又は引込状態とする始動口ソレノイド1118、シャッタ1040を駆動させ、大入賞口1039を開放状態又は閉鎖状態とする大入賞口ソレノイド1120等が接続されている。
また、主制御回路1060には、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示するといった機能を有する図示しない呼出装置や、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータにデータ送信するために用いる外部端子板1310が接続されている。
また、主制御回路1060には、例えば、大入賞口1039における領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路1060に供給するカウントスイッチ1104、各一般入賞口1056を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する一般入賞口スイッチ1106、1108、1110、1112、通過ゲート1054を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路1060に供給する通過ゲートスイッチ1114、第1始動口1025を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路1060に供給する第1始動入賞口スイッチ1116、第2始動口1044を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路1060に供給する第2始動入賞口スイッチ1117、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ1124等が接続されている。
また、主制御回路1060には、払出・発射制御回路1126が接続されている。この払出・発射制御回路1126には、遊技球の払出を行う払出装置1128、遊技球の発射を行う発射装置1130、カードユニット1300が接続されている。カードユニット1300は、遊技者の操作によって、カードユニット1300に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する球貸し操作パネル1155との間で送受信可能である。
払出・発射制御回路1126は、主制御回路1060から供給される賞球制御コマンド、カードユニット1300から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置1128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置1128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路1126は、発射ハンドル1026が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
さらには、コマンド出力ポート1072には、副制御回路1200が接続されている。この副制御回路1200は、主制御回路1060から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置1032における表示制御、スピーカ1046から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ等を含むランプの制御、演出ボタンSW1134から送信された信号に基づく演出制御等を行う。
また、副制御回路1200には、施錠部1011b(図19参照)が開錠されたときに、開錠信号を副制御回路1200に出力するドアキースイッチ1140が接続されている。また、副制御回路1200は、上記の遊技機1(パチスロ遊技機)において説明した副制御回路70の構成と同様の構成を有し、また、各種処理を実行することができる。さらに、副制御回路1200には、上記の遊技機1(パチスロ遊技機)の副制御回路70と同様のサブデバイスが接続されている。例えば、副制御回路1200には、図12に示すCCDカメラ121cを有するカメラモジュール791が接続されたカメラ中継基板790が接続されている。なお、以下の説明では、遊技機1(パチスロ遊技機)において説明した構成と同様の構成には同様の符号を付し、その説明を省略又は簡略する。
なお、当該実施の形態においては、主制御回路1060から副制御回路1200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路1200から主制御回路1060に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路1200から主制御回路1060に対して信号を送信できるように構成してもよい。
[扉解放時監視処理]
次に、扉解放時監視処理について説明する。図22は、本発明の他の実施の形態における副制御回路1200により実行される扉解放時監視処理のフローチャートを示す図である。扉解放時監視処理は、演出制御手段としての副制御回路1200が実行する処理であり、ガラスドア1011が施錠されていたとき、ガラスドア1011が施錠されていないときでと同じ撮影範囲で撮影し、撮影結果を記録する処理である。
副制御回路1200は、例えば、パチンコ遊技機1010の電源が投入されると、読取モードをセットする(ステップS2101)。具体的には、副制御回路1200は、カメラ中継基板790のカメラ制御LSIによりカメラモジュール791を起動させて読取モードをセットする。
副制御回路1200は、CCDカメラ121cにより遊技盤1014の撮影を開始する(ステップS2102)。具体的には、カメラ制御LSIは、CCDカメラ121cに遊技盤1014を撮影させ、カメラモジュール791により遊技盤1014上を転動する遊技球の映像情報である画像データを取得し、この画像データを送信バッファにセットする。そして、カメラ制御LSIは、遊技盤1014上を転動する遊技球の画像データを副制御回路1200に送信する。
副制御回路1200は、CCDカメラ121cの撮影結果に基づいて、演出の制御を行う(ステップS2103)。このような撮影結果に基づく演出の一例について説明する。
図23は、本発明の他の実施の形態における表示領域1032aに表示する、撮影結果に基づく演出の一例を示す図である。副制御回路1200は、撮影結果に基づく演出の一例として、CCDカメラ121cの撮影結果に基づいて、遊技球の遊技盤1014の遊技領域1015上を転動し流下するルート(例えば、図23において点線の矢印で示す、左打ちのルート1015aや右打ちのルート1015b)毎に、一定時間毎のルートを流下した遊技球の数と第1始動口1025又は第2始動口1044に入賞した遊技球の数との比率によって算出される入賞率に応じた表示、具体的には入賞率の数値の表示の制御を行う。この入賞率に応じた表示は、入賞率の数値以外に、いずれのルートが入賞率が高い、あるいは低いことを示唆する表示であってもよい。なお、副制御回路1200は、撮影結果に基づく演出の一例である入賞率に応じた表示の制御を、扉解放時監視処理の一部として行ってもよいし、単独で行ってもよい。
ここで、副制御回路1200におけるDRAM73−1の所定の領域には、左打ちのルート、右打ちのルート、第1始動口1025への入賞及び第2始動口1044への入賞を判定する判定基準データ(例えば、画像の明暗差を示すデータ)がそれぞれ格納されている。
副制御回路1200は、カメラ制御LSIから送信された遊技盤1014上を転動する遊技球の画像データと、DRAM73−1の所定の領域に格納された判定基準データと、を比較して、左打ちのルートか右打ちのルートのいずれかを判定する。
詳細には、副制御回路1200は、遊技盤1014上を転動する遊技球の画像データと、左打ちのルートと右打ちのルートとの判定基準データと、を順次比較し、画像中の明暗差が最も近似している判定基準データに対応したルートを判定する。そして、副制御回路1200は、左打ちのルートと判定した場合には、DRAM73−1の所定の領域に格納された左打ちカウンタに1加算する。一方、副制御回路1200は、右打ちのルートと判定した場合には、DRAM73−1の所定の領域に格納された右打ちカウンタに1加算する。
また、副制御回路1200は、遊技盤1014上を転動する遊技球の画像データと、第1始動口1025への入賞と第2始動口1044への入賞との判定基準データと、を順次比較し、画像中の明暗差が最も近似している判定基準データに対応したルートを判定する。そして、副制御回路1200は、第1始動口1025への入賞と判定した場合には、DRAM73−1の所定の領域に格納された第1始動口入賞カウンタに1加算する。一方、副制御回路1200は、第2始動口1044への入賞と判定した場合には、DRAM73−1の所定の領域に格納された第2始動口入賞カウンタに1加算する。
そして、副制御回路1200は、一定時間毎に、第1始動口入賞カウンタの値を左打ちカウンタで除算して左打ちのルートの入賞率を算出し、第2始動口入賞カウンタの値を右打ちカウンタで除算して右打ちのルートの入賞率を算出する。副制御回路1200は、図23に示すように、算出した左打ちのルートの入賞率及び右打ちのルートの入賞率に応じた表示1032bを表示領域1032aに表示する制御を行う。
なお、演出手段として上記遊技機1で説明した図4に示す表示ユニット100を設けた場合には、副制御回路1200は、算出した左打ちのルートの入賞率及び右打ちのルートの入賞率に応じた表示1032bを表示するための照射光101aをプロジェクタ101から、可動スクリーン1703や三面スクリーン1720に投影させてもよい。
図22に戻って、副制御回路1200は、ドアキースイッチ1140から施錠部1011b(図19参照)が開錠されたときに出力される開錠信号を受信したか否かを判定する(ステップS2104)。このとき、副制御回路1200は、開錠信号を受信していないと判定したときには、本ステップを繰り返す。
一方、副制御回路1200は、ステップS2104において、開錠信号を受信したと判定したときには、遊技盤1014を撮影した画像データをDRAM73−1のエラー情報履歴格納領域に記憶する(ステップS2105)。この開錠後の遊技盤1014を撮影した画像データは、例えば、遊技店管理者によりドアキーが所定の操作をされることにより、液晶表示装置1032に表示される。
また、副制御回路1200は、ステップS2103において実行している撮影結果に基づく演出の制御を中断し(ステップS2106)、扉解放時監視処理を終了する。
このように、演出制御手段としての副制御回路1200は、開錠検出手段としてのドアキースイッチ1140が開錠されたことを検出したときに、撮影手段としてのCCDカメラ121cの撮影結果に基づく演出を中断する一方、撮影手段が撮影する結果を記録する。
なお、副制御回路1200は、CCDカメラ121cが、撮影されるべき遊技盤1014とは異なるものを撮影しているとき(CCDカメラ121cの撮影を、故意かは別にして、遊技者の手などで遮ったとき)には、遊技球の動きに応じた演出の表示制御を中止するか、当該演出の表示制御を中止せずに、撮影の障害物(遊技者の手など)を退けるように促す表示を行う。
[発射ミッション演出処理]
次に、演出制御手段としての副制御回路1200が実行する撮影結果に基づく演出の別例である発射ミッション演出処理について説明する。図24は、本発明の他の実施の形態における副制御回路1200により実行される発射ミッション演出処理のフローチャートを示す図である。
副制御回路1200は、例えば、所定の演出モードに移行した場合に、読取モードをセットする(ステップS2201)。具体的には、具体的には、副制御回路1200の制御により、カメラ中継基板790のカメラ制御LSIによりカメラモジュール791が起動されて読取モードにセットされる。
副制御回路1200は、CCDカメラ121cにより遊技盤1014の撮影を開始する(ステップS2202)。具体的には、副制御回路1200の制御により、カメラ制御LSIは、CCDカメラ121cに遊技盤1014を撮影させ、カメラモジュール791により遊技盤1014の映像情報である画像データを取得して、この画像データを送信バッファにセットする。そして、カメラ制御LSIは、遊技盤1014上を転動する遊技球の画像データを副制御回路1200に送信する。
ここで、DRAM73−1の所定の領域には、遊技盤1014上の位置を示す位置情報(例えば、遊技盤1014上の座標で示される情報)に、この位置情報が示す遊技盤1014上の位置を指し示す標準的な遊技者の指の判定基準データ(例えば、画像の明暗差を示すデータ)が格納されている。この位置情報は、遊技盤1014上において所定間隔毎に設定されている。この所定間隔をより小さくすることで、判定基準データの量が増え、CCDカメラ121cによる位置検出の精度が向上し、この所定間隔をより大きくすることで、判定基準データの量が減り、副制御回路1200の制御負担を軽減できる。また、DRAM73−1の所定の領域には、所定間隔毎の位置情報にそれぞれ、当該位置情報が示す位置を通過する遊技球の判定基準データが対応付けられて格納されている。
副制御回路1200は、カメラ制御LSIから送信された遊技盤1014の画像データと、DRAM73−1の所定の領域に格納された判定基準データと、を比較して、遊技盤1014上を指し示す遊技者の指を検知できたか否かを判定する(ステップS2203)。詳細には、副制御回路1200は、遊技盤1014の画像データと、所定間隔毎の位置情報が示す遊技盤1014上の位置を指し示す標準的な遊技者の指の判定基準データと、を順次比較し、画像中の明暗差が近似している判定基準データが有るか否かを判定する。
そして、副制御回路1200は、ステップS2203で遊技者の指を検知できたと判定した場合、即ち、遊技盤1014の画像データに画像中の明暗差が近似している遊技者の指の判定基準データが有ると判定した場合には、DRAM73−1において当該判定基準データが対応付けられている位置情報を指定位置として決定する(ステップS2204)。
一方、副制御回路1200は、ステップS2203で遊技者の指を検知できなかったと判定した場合には、例えば、抽籤により、所定間隔毎に設定された位置情報の中から1つ又は複数の位置情報を選択し、この位置情報を所定位置として決定する(ステップS2205)。
次に、副制御回路1200は、タイマに所定時間(例えば、30秒)をセットし(ステップS2206)、ステップS2204で決定した指定位置又はステップS2205で決定した所定位置を遊技盤1014に示す発射ミッション開始表示を表示する制御を行う(ステップS2207)。
図25は、本発明の他の実施の形態における表示領域1032aに表示する、発射ミッション開始表示の一例を示す図である。副制御回路1200は、表示領域1032aにおいて、指定位置又は所定位置の位置情報が示す部分を発光表示1032c及びミッション表示1032d(例えば、図25に示す例では、「ミッション 光っているところを、30秒以内に通過させろ!」との文字画像)の表示制御を行う。なお、発光表示1032cは、液晶表示装置における表示に限らず、ランプ等を発光させてもよい。
図24に戻って、副制御回路1200は、カメラ制御LSIから送信された転動する遊技球が流下する遊技盤1014の画像データと、DRAM73−1の所定の領域に格納された動作判定基準データと、を順次比較して、ステップS2204で決定した指定位置又はステップS2205で決定した所定位置を遊技球が通過したか否かを判定する(ステップS2208)。詳細には、副制御回路1200は、転動する遊技球が流下する遊技盤1014の画像データと、指定位置又は所定位置の位置情報が示す位置を通過する遊技球の判定基準データと、を順次比較し、画像中の明暗差が近似しているか否かを判定する。
そして、副制御回路1200は、ステップS2208で指定位置又は所定位置を遊技球が通過したと判定した場合には、例えば、ミッションが成功したことを示す通過演出の制御を行う(ステップS2209)。一方、副制御回路1200は、ステップS2208で指定位置又は所定位置を遊技球が通過していないと判定した場合には、ステップS2206でセットした所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS2210)。
副制御回路1200は、ステップS2210で所定時間が経過したと判定した場合には発射ミッション演出処理を終了し、所定時間が経過していないと判定した場合にはステップS2208に処理を移す。
このように、演出制御手段としての副制御回路1200は、撮影手段としてのCCDカメラ121cの撮影結果に基づいて検出された、遊技者の指が指し示す遊技盤1014上の指定位置と、遊技球の通過位置との比較結果に応じて、所定の演出の制御を行う。また、演出制御手段としての副制御回路1200は、演出手段としての液晶表示装置1032により、遊技盤1014上の所定位置を示す表示制御を行い、撮影手段としてのCCDカメラ121cの撮影結果に基づいて、遊技球の通過位置と所定位置とを比較して、所定時間以内に、一致したか否かを判定し、この判定結果に基づき、演出の制御を行う。
なお、副制御回路1200は、撮影結果に基づく演出の一例である発射ミッション演出の制御を、以下の説明のように単独で行ってもよいし、上述の扉解放時監視処理の一部として行ってもよい。
(背景技術)
従来、パチンコ遊技機は、始動口に遊技球が入球したときに、大当り抽選用乱数値を取得し、表示手段において識別図柄を変動表示させ、取得した大当り抽選用乱数値が所定の大当り判定値であった場合には、識別図柄を大当りであることを示す所定の表示態様で停止表示させ、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態へ移行する。
このような遊技機として、透明状の遊技盤面上の所定の領域を遊技球が通過したか否かを検知するために遊技盤の背後に設けられる板状体の側縁部に、所謂透過センサが設けられ、この透過センサ(又は透過型センサ)は、発光素子と受光素子の一対でなり、発光素子から照射された光線の有無、強弱等を受光素子で検出し、これらの発光素子と受光素子とが複数対で、遊技盤の背後に設けられる板状体の側縁部に設けられ、複数の発光素子から照射されたそれぞれの光線が交差する点(検知点)が遊技盤の一般入賞口又は始動口に対応する位置になるように配置され、この検知点において遊技盤の一般入賞口又は始動口を通過して遊技盤と板状体との間の中空部へと移動した遊技球を検知して、入賞、抽選等の契機としたり、表示される画像を変化させる等の演出の契機とする遊技機が開示されている(特許文献1を参照)。
一方、遊技盤上には、複数の障害釘、ステージと呼ばれる遊技部材、開閉自在の羽根部材を有する開閉役物等の様々な部材が設けられているので、透過センサを用いて遊技球の位置を検知する場合、透過センサから発射された光線がこれら遊技部材によって遮られる箇所が多くなり、遊技盤全面に亘る遊技球の検知を行うことは容易でない。
そこで、遊技盤における遊技領域の側縁部に設けられ、遊技盤の遊技領域を転動する遊技球を、遊技盤の盤面に沿う方向に照射される発光素子からの光線を受光素子が受光することによって検知する複数組の第1検知手段を、前記光線がマトリクス状となるように縦方向および横方向に設ける一方、遊技部材を該遊技盤の奥行き方向に移動する遊技球を検知する第2検知手段を設け、第1検知手段による遊技球の検知結果及び第2検知手段による遊技球の各々の検知結果に応じて、演出画像表示領域に表示される演出画像を変化させる遊技機が開示されている。
(特許文献2を参照)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1)特開2004−160030号公報
(特許文献2)特開2008−5909号公報
(発明の概要)
(発明が解決しようとする課題)
しかしながら、このような構成では、第1検知手段が遊技盤面上の遊技球を検知し、第2検知手段が第1検知手段で検知し難い遊技部材を通過する遊技球を検知するものの、第1検知手段が検知する範囲、すなわち、前記光線が交差する部分でのみしか、遊技球の検知を行うことができない。仮に、検知する範囲を更に多くし、例えば、遊技領域全体を検知しようとすると、第1検知手段、第2検知手段のみならず、さらに多くの検知手段を設けることになり、スペース的にも、コスト的にも難しい。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、遊技盤面上における遊技球を、カメラで撮影することで、遊技盤面上で遊技球が流下し得る領域全体において、遊技球の位置を検出することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段)
本発明は、以下のような遊技機を提供する。本発明の遊技機は、遊技機枠と、前記遊技機枠内に取り付けられ、遊技球が転動する遊技盤と、所定の演出を実行する演出手段と、
前記演出手段において実行される演出の制御を行う演出制御手段と、前記遊技機枠外に取り付けられ、前記遊技盤上を転動する遊技球を前記遊技盤外から撮影する撮影手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記撮影手段の撮影結果に基づいて、演出の制御を行うことを特徴とする。
このように構成することにより、撮影手段を遊技機枠外に取り付けたことで、遊技機枠内に取り付けられた遊技盤の盤面全体の撮影も可能となり、より広い範囲で、転動する遊技球を撮影することが可能となる。したがって、遊技盤面上における遊技球を、カメラで撮影することで、遊技盤面上で遊技球が流下し得る領域全体において、遊技球の位置を検出することが可能となる。また、より広い範囲で、転動する遊技球を撮影することで、遊技球の位置に応じた演出をより多様にすることができる。
本発明の遊技機は、前記構成に加えて、前記遊技盤前方に配置され、前記遊技機枠に開閉可能に取り付けられた扉体と、前記扉体を前記遊技機枠に施錠する施錠部と、前記施錠部の施錠が開錠されたことを検出する開錠検出手段と、を更に備え、前記撮影手段は、前記遊技盤前方に、前記遊技盤から離れる方向に突出した部分であって、前記扉体とは独立した部分に設けられ、前記演出制御手段は、前記開錠検出手段が開錠されたことを検出したときに、前記撮影手段の撮影結果に基づく演出を中断する一方前記撮影手段が撮影する結果を記録することを特徴とする。
このように構成することにより、撮影手段を、扉体とは独立した部分に設けることで、扉体が開かれたとしても、撮影手段は動かないようにすることも可能となり、扉体が施錠されていたとき、扉体が施錠されていないときで同じ撮影範囲で撮影し、撮影結果を記録することが可能となる。これにより、遊技盤に接触した人物を記録できるため、この記録を見ることで、遊技店管理者による通常のメンテナンスなのか、不正遊技者による不正行為なのかを判別できる。
本発明の遊技機は、前記構成に加えて、前記撮影手段は、前記遊技盤上の任意の位置を指し示す遊技者の指を撮影し、前記演出制御手段は、前記撮影手段の撮影結果に基づいて検出された、遊技者の指が指し示す前記遊技盤上の指定位置と、遊技球の通過位置との比較結果に応じて、所定の演出の制御を行うことを特徴とする。
このように構成することにより、撮影手段により、遊技盤上の遊技球と、遊技盤上の任意の位置を指し示す遊技者の指とを撮影することで、遊技盤上の遊技球の位置のみならず、当該遊技球の位置と遊技者の指が指し示す位置との比較結果、すなわち、これらの位置関係に応じて、所定の演出を行うことが可能となる。
本発明の遊技機は、前記構成に加えて、前記演出制御手段は、前記演出手段により、前記遊技盤上の所定位置を示す表示制御を行い、前記撮影手段の撮影結果に基づいて、遊技球の通過位置と前記所定位置とを比較して、所定時間以内に、一致したか否かを判定し、この判定結果に基づき、演出の制御を行うことを特徴とする。
このように構成することにより、遊技機側で指定した遊技盤上の所定位置を、遊技球が通過したか否かを検知することが可能となる。これにより、例えば、演出手段(例えば、液晶表示装置やLED等)で、「3秒以内に、ここを狙え」といった演出表示(ミッション)を行い、撮影手段であるカメラで遊技球を撮影し、成功・不成功を判定するゲームなどを実行することが可能となる。この場合、遊技球を撮影手段で撮影し、遊技球の位置を検出することで、例えば、遊技球の検出をセンサで行った場合にはスペース等の問題でセンサを設けることができないような位置にも、上記所定位置を設定することが可能となる。
本発明の遊技機は、前記構成に加えて、前記遊技盤には、遊技球が入賞可能な入賞口が設けられ、前記演出制御手段は、前記撮影手段の撮影結果に基づいて、遊技球の前記遊技盤上を転動し流下するルート毎に、一定時間毎の前記ルートを流下した遊技球の数と前記入賞口に入賞した遊技球の数との比率によって算出される入賞率に応じた表示の制御を行うことを特徴とする。
このように構成することにより、撮影手段が遊技盤面全体の撮影も可能となり、より広い範囲で転動する遊技球を撮影することが可能な中、遊技球が流下するルート毎に入賞率に応じた表示を行うことが可能となるので、遊技者は、例えば、所謂左打ちした場合のルートの方が入賞率が高ければ左打ちをし、所謂右打ちした場合のルートの方が入賞率が高ければ右打ちをするなど、遊技盤の状況に応じた遊技が可能となる。
本発明の遊技機は、前記構成に加えて、前記演出手段は、前記演出制御手段の制御により、照射光を投影するプロジェクタと、前記プロジェクタからの照射光が投影される第1スクリーン及び第2スクリーンと、を備え、前記第1スクリーンは、前記プロジェクタからの照射光の方向に対してほぼ垂直な単一の投影面を有し、前記第2スクリーンは、前記プロジェクタからの照射光の方向に対して垂直でない投影面を有し、前記第1スクリーンは、前記演出制御手段の制御により、前記プロジェクタからの照射光が投影される投影位置と、前記プロジェクタからの照射光が投影されない非投影位置との間を移動できるように制御され、前記第1スクリーンが前記投影位置にある場合、前記第1スクリーンは前記第2スクリーンの前に配置され、前記第2スクリーンには前記プロジェクタからの照射光が投影されない位置関係となる。
このように構成することにより、演出手段が、プロジェクタと、第2スクリーンと、第2スクリーンの前で可動する第1スクリーンとを備える。これにより、大型な演出装置も設けることなく、遊技者から、第1スクリーンまでの離間距離、第2スクリーンまでの離間距離がそれぞれ異なることによって、立体的で、かつ、斬新な演出が可能となる。そして、遊技盤面上における遊技球を、カメラで撮影し、遊技盤面上で遊技球が流下し得る領域全体において、遊技球の位置を検出することで、遊技球の位置に応じて、上記の立体的で、かつ、斬新な演出が可能となる。
(発明の効果)
本発明によれば、遊技盤面上における遊技球を、カメラで撮影することで、遊技盤面上で遊技球が流下し得る領域全体において、遊技球の位置を検出することが可能な遊技機を提供できる。