JP2012114383A - セラミック回路基板及び電子部品収納用パッケージ - Google Patents
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Abstract
【課題】安価であると共に、Agのマイグレーションや、接合信頼性や放熱性の低下を防止しするセラミック回路基板及び電子部品収納用パッケージを提供する。
【解決手段】セラミック回路基板10は、セラミック基板11と、Cu板12、12aとの間に、また、電子部品収納用パッケージ20は、セラミック基板21の一方の主面と、Fe−Ni系合金金属板、Fe−Ni−Co系合金金属板、又はCu板からなる外部接続リード端子22との間、及びセラミック基板21の他方の主面と、Cuを含有するヒートシンク板23との間に、それぞれCu2O又はCuOの金属粉末を有機ビヒクルと混合するメタライズペーストを介在せしめて不活性ガス雰囲気中の1065〜1083℃で熱処理を行う接合層13、13aと、接合層25、25aを有する。
【選択図】図1
【解決手段】セラミック回路基板10は、セラミック基板11と、Cu板12、12aとの間に、また、電子部品収納用パッケージ20は、セラミック基板21の一方の主面と、Fe−Ni系合金金属板、Fe−Ni−Co系合金金属板、又はCu板からなる外部接続リード端子22との間、及びセラミック基板21の他方の主面と、Cuを含有するヒートシンク板23との間に、それぞれCu2O又はCuOの金属粉末を有機ビヒクルと混合するメタライズペーストを介在せしめて不活性ガス雰囲気中の1065〜1083℃で熱処理を行う接合層13、13aと、接合層25、25aを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、セラミック基板に金属板を接合して形成するセラミック回路基板、及びセラミック基板の一方の主面に外部接続リード端子と、他方の主面にヒートシンク板を接合して形成する電子部品収納用パッケージに関する。
図3(A)〜(C)、図4(A)〜(C)を参照しながら、従来のセラミック回路基板、従来の他のセラミック回路基板を説明する。
図3(A)〜(C)に示すように、従来のセラミック回路基板50には、大気中で焼成済のアルミナ等の酸化物系のセラミック基板51の上面側に複数個の個片状のCu板52と、下面側にベタ状のCu板52aを直接接合して形成するものがある。そして、このセラミック回路基板50は、高電力を通すパワーモジュール用の半導体素子を搭載する基板として用いられ、個片状のCu板52のいずれかに搭載した半導体素子からの発熱をこのCu板52を介して外部に放熱、及びセラミック基板51を介してベタ状のCu板52a側に伝熱させて、これから外部に放熱させるようになっている。セラミック回路基板50は、無酸素銅板の表面に酸化物層を形成したり、あるいは、予め酸素濃度が制御されたりしたCu板52、52aを準備した後、セラミック基板51に直接当接させ、不活性ガス雰囲気中で焼成して接合し作製している。この直接接合とは、1065℃以上でCuの融点温度である1083℃以下の温度、例えば、1070℃程度の温度で酸素を0.008〜0.39%に制御した焼成炉で焼成し、Cu板52、52aをセラミック基板51表面での酸素との反応により生成するCu−O共晶液相を結合材としてセラミック基板51に接合させる方法である。なお、この直接接合に窒化アルミニウム(AlN)のような非酸化物系のセラミック基板51を用いる場合には、窒化アルミニウムからなるセラミック基板51を酸素濃度を厳密に制御させた雰囲気中で焼成することで、表面にアルミナ膜を形成する必要がある。
図3(A)〜(C)に示すように、従来のセラミック回路基板50には、大気中で焼成済のアルミナ等の酸化物系のセラミック基板51の上面側に複数個の個片状のCu板52と、下面側にベタ状のCu板52aを直接接合して形成するものがある。そして、このセラミック回路基板50は、高電力を通すパワーモジュール用の半導体素子を搭載する基板として用いられ、個片状のCu板52のいずれかに搭載した半導体素子からの発熱をこのCu板52を介して外部に放熱、及びセラミック基板51を介してベタ状のCu板52a側に伝熱させて、これから外部に放熱させるようになっている。セラミック回路基板50は、無酸素銅板の表面に酸化物層を形成したり、あるいは、予め酸素濃度が制御されたりしたCu板52、52aを準備した後、セラミック基板51に直接当接させ、不活性ガス雰囲気中で焼成して接合し作製している。この直接接合とは、1065℃以上でCuの融点温度である1083℃以下の温度、例えば、1070℃程度の温度で酸素を0.008〜0.39%に制御した焼成炉で焼成し、Cu板52、52aをセラミック基板51表面での酸素との反応により生成するCu−O共晶液相を結合材としてセラミック基板51に接合させる方法である。なお、この直接接合に窒化アルミニウム(AlN)のような非酸化物系のセラミック基板51を用いる場合には、窒化アルミニウムからなるセラミック基板51を酸素濃度を厳密に制御させた雰囲気中で焼成することで、表面にアルミナ膜を形成する必要がある。
また、図4(A)〜(C)に示すように、従来の他のセラミック回路基板50aには、焼成済の窒化アルミニウム(AlN)のような非酸化物系のセラミック基板51の上面側に複数個の個片状のCu板52と、下面側にベタ状のCu板52aを活性金属ろう材53を介在させて真空中で焼成して接合して、パワーモジュール用の基板として用いるものがある。この活性金属ろう材53を用いる接合とは、チタン、ジルコニウム、ベリリウム等の極めて反応性の大きい、いわゆる活性な金属をAgCuろう等に加えた活性金属ろう材53を介して約750〜850℃程度で加熱して活性金属ろう材53の拡散、あるいは反応による親和力の強さを利用して接合する方法である。
次に、図5(A)、(B)を参照しながら、従来の電子部品収納用パッケージを説明する。
図5(A)、(B)に示すように、従来の電子部品収納用パッケージ60には、例えば、RF(Radio Frequency)基地局用等のシリコンや、ガリウム砒素電界効果トランジスタ等の高周波、高出力の半導体素子等の電子部品を収納したりするためのものがある。この電子部品収納用パッケージ60は、実装される電子部品から高温、且つ大量の熱を発生するので、この熱を放熱するために、高熱伝導率を有する金属製のヒートシンク板61が必要となっている。また、電子部品収納用パッケージ60には、電子部品を囲繞して中空状態で収納するためのキャビティ部62を形成するために、窓枠形状からなるアルミナや、窒化アルミニウム等からなるセラミック枠体63が必要となっている。そして、セラミック枠体63とヒートシンク板61を接合するために、セラミック枠体63は、下面側にタングステン(W)からなるメタライズ膜64を設け、これに更にNiめっき被膜(図示せず)を設けた後、ヒートシンク板61との間にAgCuろう材65を介在させて750〜800℃程度で加熱してろう付け接合している。なお、上記のWからなるメタライズ膜64は、例えば、アルミナセラミックグリーンシートにWメタライズペーストを塗布し乾燥した後、セラミックグリーンシートと還元雰囲気中で同時焼成してセラミック基板にメタライズ膜64を設けている。また、Niめっき被膜のようなめっき被膜は、めっき治具にセラミック基板を取り付けて電解めっき方式でめっき被膜を形成している。更に、ろう付け接合は、金属板とセラミック基板61の間にろう材を挟み込んだり、予め金属板にろう材をクラッドさせた状態でセラミック基板61と当接させて加熱炉で加熱して行っている。
図5(A)、(B)に示すように、従来の電子部品収納用パッケージ60には、例えば、RF(Radio Frequency)基地局用等のシリコンや、ガリウム砒素電界効果トランジスタ等の高周波、高出力の半導体素子等の電子部品を収納したりするためのものがある。この電子部品収納用パッケージ60は、実装される電子部品から高温、且つ大量の熱を発生するので、この熱を放熱するために、高熱伝導率を有する金属製のヒートシンク板61が必要となっている。また、電子部品収納用パッケージ60には、電子部品を囲繞して中空状態で収納するためのキャビティ部62を形成するために、窓枠形状からなるアルミナや、窒化アルミニウム等からなるセラミック枠体63が必要となっている。そして、セラミック枠体63とヒートシンク板61を接合するために、セラミック枠体63は、下面側にタングステン(W)からなるメタライズ膜64を設け、これに更にNiめっき被膜(図示せず)を設けた後、ヒートシンク板61との間にAgCuろう材65を介在させて750〜800℃程度で加熱してろう付け接合している。なお、上記のWからなるメタライズ膜64は、例えば、アルミナセラミックグリーンシートにWメタライズペーストを塗布し乾燥した後、セラミックグリーンシートと還元雰囲気中で同時焼成してセラミック基板にメタライズ膜64を設けている。また、Niめっき被膜のようなめっき被膜は、めっき治具にセラミック基板を取り付けて電解めっき方式でめっき被膜を形成している。更に、ろう付け接合は、金属板とセラミック基板61の間にろう材を挟み込んだり、予め金属板にろう材をクラッドさせた状態でセラミック基板61と当接させて加熱炉で加熱して行っている。
なお、電子部品収納用パッケージ60のヒートシンク板61には、セラミック枠体63をろう付け接合させることで反りを発生させたり、セラミック枠体63にクラック等を発生させたりするのを防止するために、熱膨張係数をセラミック枠体63の熱膨張係数(例えば、Al2O3:7.2×10−6/℃)と近似させることが必要となっている。このようなヒートシンク板61には、例えば、セラミックと熱膨張係数が近似するWを用い、これをポーラス状にして、この部分に熱伝導性に優れるCuを含浸させたりして作製されるCuとWの複合金属板(熱伝導率:190W/mK、熱膨張係数:7.0×10−6/℃)がある。また、最近では、電子部品からの発熱量の増大に対応するために、ヒートシンク板61には、Cuとモリブデン(Mo)系金属板の両面のそれぞれに同一厚さのCu板をクラッドして反りの発生を抑えながら熱伝導率を更に向上させた金属板(熱伝導率:240W/mK、熱膨張係数:10.1×10−6/℃)も用いられている。
更に、上記の電子部品収納用パッケージ60には、外部と電気的に導通状態とするために、外部接続リード端子66が必要となっている。この外部接続リード端子66は、セラミック枠体63の上面側に設けられたメタライズ膜64、更にこの上に設けるNiめっき被膜との間にAgCuろう材65を介在させて加熱してろう付け接合している。外部接続リード端子66は、セラミック枠体63にAgCuろう材65でろう付け接合するので、セラミックと熱膨張係数が近似するFe−Ni−Co系合金(商品名「Kovar(コバール)」、通称、KV)や、Fe−Ni系合金(通称、42アロイ)等の金属板からなっている。そして、上記の電子部品収納用パッケージ60には、電子部品を実装させたり、外部との酸化や硫化を防止する等のために、表面に露出する全ての金属部分にNiめっき被膜、及びAuめっき被膜が形成されている。なお、上記のセラミック枠体63とヒートシンク板61及び外部接続リード端子66とのろう付け接合は、特に、その上、下面の接合順番を限定するものではないが、通常、同時に行っている。
上記の電子部品収納用パッケージ60は、セラミック枠体63の作製に、電気絶縁性の高い、例えば、アルミナ(Al2O3)や、窒化アルミニウム(AlN)等のセラミック粉末に焼結助剤、樹脂、溶剤、可塑剤等を混合させ、これをシート状に成形したセラミックグリーンシートを用いている。そして、セラミックグリーンシートには、セラミック枠体63となる位置のヒートシンク板61や、外部接続リード端子66とろう付け接合させるための接合部となる位置に、タングステン(W)や、モリブデン(Mo)等の金属粉末に溶剤等を混合させた導体金属ペーストでスクリーン印刷して導体印刷パターンを形成している。更に、この導体印刷パターンと、セラミックグリーンシートは、還元雰囲気中で同時焼成して、メタライズ膜64を設けたセラミック枠体63を形成している。あるいは、上記の電子部品収納用パッケージ60は、セラミック枠体63の作製に、セラミックグリーンシートのみを焼成した焼成済のセラミック枠体用基板の上面、及び下面にモリブデン−マンガン(Mo−Mn)の金属粉末に溶剤等を混合させた導体金属ペーストでスクリーン印刷して導体印刷パターンを形成している。更に、この導体印刷パターンが形成されたセラミック枠体用基板は、還元雰囲気中で焼成して、メタライズ膜64を設けたセラミック枠体63を形成している。そして、セラミック枠体63のメタライズ膜64上には、Niめっき被膜が形成された後に、Niめっき被膜面との間にAgCuろう材65を介し、加熱することでヒートシンク板61の上面にセラミック枠体63の下面と、セラミック枠体63の上面に外部接続リード端子66をろう付け接合している。
しかしながら、上記のセラミック回路基板50、50aや、電子部品収納用パッケージ60には、次のような問題がある。
上記のセラミック回路基板50は、セラミック基板51や、Cu板52、52a表面の平坦性が低いので、Cu−O共晶液相の結合材量が不足したり、密着性が悪くなり、セラミック基板51と、Cu板52、52aとの間に微小な空洞が残るようになる。この空洞によって、セラミック回路基板50は、接合強度の低下となったり、熱伝熱の低下によるパワーモジュール用の基板としての放熱性の低下となっている。また、上記のセラミック回路基板50aは、活性金属が高価であると共に、真空焼成炉が高価であり、セラミック回路基板50aのコストアップとなっている。
一方、上記の電子部品収納用パッケージ60は、メタライズ膜64を設けるセラミック枠体63の形成、更にはこのメタライズ膜64上にNiめっき被膜の形成が必要であるので、パッケージのコストアップとなっている。また、電子部品収納用パッケージ60は、セラミック枠体63と、ヒートシンク板61や、外部接続リード端子66をAgCuろう材65を介して接合しているので、ろう材に含まれるAgが析出してヒートシンク板61と、外部接続リード端子66が短絡状態となる危険性がある。これは、パッケージに電子部品を実装して環境試験を行ったときに、キャビティ部62内の水分が露結し、そこに電圧が掛けられたAgは、イオン化し、Agが析出して樹枝状に成長して、セラミック枠体63の側面に樹枝状晶(デントライト)を発生させる、所謂、Agのマイグレーションが避けられない状態となって発生している。
上記のセラミック回路基板50は、セラミック基板51や、Cu板52、52a表面の平坦性が低いので、Cu−O共晶液相の結合材量が不足したり、密着性が悪くなり、セラミック基板51と、Cu板52、52aとの間に微小な空洞が残るようになる。この空洞によって、セラミック回路基板50は、接合強度の低下となったり、熱伝熱の低下によるパワーモジュール用の基板としての放熱性の低下となっている。また、上記のセラミック回路基板50aは、活性金属が高価であると共に、真空焼成炉が高価であり、セラミック回路基板50aのコストアップとなっている。
一方、上記の電子部品収納用パッケージ60は、メタライズ膜64を設けるセラミック枠体63の形成、更にはこのメタライズ膜64上にNiめっき被膜の形成が必要であるので、パッケージのコストアップとなっている。また、電子部品収納用パッケージ60は、セラミック枠体63と、ヒートシンク板61や、外部接続リード端子66をAgCuろう材65を介して接合しているので、ろう材に含まれるAgが析出してヒートシンク板61と、外部接続リード端子66が短絡状態となる危険性がある。これは、パッケージに電子部品を実装して環境試験を行ったときに、キャビティ部62内の水分が露結し、そこに電圧が掛けられたAgは、イオン化し、Agが析出して樹枝状に成長して、セラミック枠体63の側面に樹枝状晶(デントライト)を発生させる、所謂、Agのマイグレーションが避けられない状態となって発生している。
そこで、従来のセラミック回路基板には、セラミック基板とCu板の間にCuメタライズ中間層を介在せしめたCu板付きセラミック基板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これによれば、このセラミック回路基板は、先ず、セラミック基板にCuペーストを塗布し酸素を含有する窒素雰囲気中の850〜950℃で焼成してCuメタライズ膜を形成している。そして、セラミック基板表面の粒界にCu2Oを有するCuの多結晶体面とするこのCuメタライズ膜のメタライズ面上には、Cu板を載置させて850〜1065℃で熱処理を行うことによりCu2Oの共晶融液が生じCuの融点以下の温度で銅とセラミックとの接合を可能としているものである。
また、従来の電子部品収納用パッケージには、Agのマイグレーションを避ける高放熱型電子部品収納用パッケージとして、外部接続端子用の外部接続リード端子とリング状のセラミック枠体及び放熱用の金属板を有する基体が外部接続リード端子と金属板をセラミック枠体の両面に形成されたメタライズ層を介してそれぞれ接合される接合材を有し、しかも外部接続リード端子とセラミック枠体とを接合する第1の接合材と、セラミック枠体と金属板とを接合する第2の接合材のいずれか一方にAuろう、他方にAgCuろうからなる接合材を有するものが提案されている(例えば、特許文献4参照)。これによれば、高放熱型電子部品収納用パッケージは、外部接続端子用の外部接続リード端子と放熱用の金属板との間で短絡の発生しないパッケージが提供できるとしているものである。
しかしながら、前述したような従来のセラミック回路基板及び電子部品収納用パッケージは、次のような問題がある。
(1)特開平3−12371号公報で開示されるようなセラミック回路基板は、活性金属接合法ではないので、コストアップを防止することができるものの、セラミック基板に形成するCuメタライズ膜のメタライズ面上が平坦性に欠け、そこに当接させるCu板との間に大きな空隙ができ、接合後にセラミック基板と、Cu板との間に微小な空洞が残り、熱伝熱性の低下となって、パワーモジュール用の基板としての放熱性の低下が解消できないこととなっている。
(2)特開平3−12371号公報で開示されるような方法で作製される電子部品収納用パッケージは、接合にAgが用いられていないので、Agのマイグレーションが避けられ、ヒートシンク板と、外部接続リード端子の短絡を防止することができると共に、焼成済のセラミック基板にCuメタライズ膜が設けられ、接合のためのNiめっき被膜も必要としないので、コストアップを少なくできるものの、セラミック基板と、外部接続リード端子やヒートシンク板との接合に2度の焼成が必要となり、大幅なコストアップを防止することができなくなっている。また、この電子部品収納用パッケージは、セラミック基板と、リード端子やヒートシンク板との間に微小な空洞が残り、接合強度や、熱伝熱の低下となって、電子部品収納用パッケージとしての接合信頼性や放熱性の低下となっている。
(3)特開2003−197803号公報で開示されるような電子部品収納用パッケージは、Agのマイグレーションを防止して、外部接続リード端子と、ヒートシンク板との間での短絡発生を防止することができるものの、セラミック基板に外部接続リード端子やヒートシンク板との接合のためのセラミックグリーンシートと同時焼成するメタライズ膜の形成が必要となると共に、このメタライズ膜上にNiめっき被膜が必要となり、しかも、高価なAuろうを使用するので、電子部品収納用パッケージのコストアップを防止することができなくなっている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、安価であると共に、Agのマイグレーションや、接合信頼性や放熱性の低下を防止しするセラミック回路基板及び電子部品収納用パッケージを提供することを目的とする。
(1)特開平3−12371号公報で開示されるようなセラミック回路基板は、活性金属接合法ではないので、コストアップを防止することができるものの、セラミック基板に形成するCuメタライズ膜のメタライズ面上が平坦性に欠け、そこに当接させるCu板との間に大きな空隙ができ、接合後にセラミック基板と、Cu板との間に微小な空洞が残り、熱伝熱性の低下となって、パワーモジュール用の基板としての放熱性の低下が解消できないこととなっている。
(2)特開平3−12371号公報で開示されるような方法で作製される電子部品収納用パッケージは、接合にAgが用いられていないので、Agのマイグレーションが避けられ、ヒートシンク板と、外部接続リード端子の短絡を防止することができると共に、焼成済のセラミック基板にCuメタライズ膜が設けられ、接合のためのNiめっき被膜も必要としないので、コストアップを少なくできるものの、セラミック基板と、外部接続リード端子やヒートシンク板との接合に2度の焼成が必要となり、大幅なコストアップを防止することができなくなっている。また、この電子部品収納用パッケージは、セラミック基板と、リード端子やヒートシンク板との間に微小な空洞が残り、接合強度や、熱伝熱の低下となって、電子部品収納用パッケージとしての接合信頼性や放熱性の低下となっている。
(3)特開2003−197803号公報で開示されるような電子部品収納用パッケージは、Agのマイグレーションを防止して、外部接続リード端子と、ヒートシンク板との間での短絡発生を防止することができるものの、セラミック基板に外部接続リード端子やヒートシンク板との接合のためのセラミックグリーンシートと同時焼成するメタライズ膜の形成が必要となると共に、このメタライズ膜上にNiめっき被膜が必要となり、しかも、高価なAuろうを使用するので、電子部品収納用パッケージのコストアップを防止することができなくなっている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、安価であると共に、Agのマイグレーションや、接合信頼性や放熱性の低下を防止しするセラミック回路基板及び電子部品収納用パッケージを提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係るセラミック回路基板は、セラミック基板と、Cu板との間に、Cu2O又はCuOの金属粉末を有機ビヒクルと混合するメタライズペーストを介在せしめて不活性ガス雰囲気中の1065〜1083℃で熱処理を行う接合層を有する。
また、前記目的に沿う本発明に係る電子部品収納用パッケージは、セラミック基板の一方の主面と、Fe−Ni系合金金属板、Fe−Ni−Co系合金金属板、又はCu板からなる外部接続リード端子との間、及びセラミック基板の他方の主面と、Cuを含有するヒートシンク板との間に、Cu2O又はCuOの金属粉末を有機ビヒクルと混合するメタライズペーストを介在せしめて不活性ガス雰囲気中の1065〜1083℃で熱処理を行う接合層を有する。
本発明のセラミック回路基板は、セラミック基板と、Cu板との間に、Cu2O又はCuOの金属粉末を有機ビヒクルと混合するメタライズペーストを介在せしめて不活性ガス雰囲気中の1065〜1083℃で熱処理を行う接合層を有するので、Cu2O又はCuOの金属粉末を有機ビヒクルと混合するメタライズペーストをCuの融点である1083℃以下の温度で容易に共晶融液にしながらセラミック基板と、Cu板の間の空隙に流動させて微小な空洞を残すことなく接合させることができ、空洞による熱伝熱性の低下を防止して、パワーモジュール用の基板としての放熱性の低下を防止することができるセラミック回路基板を提供することができる。また、このセラミック回路基板は、セラミック基板にメタライズペーストを塗布した後、Cu板を当接させ焼成して接合させるだけであるので、安価なセラミック回路基板を提供することができる。
また、本発明の電子部品収納用パッケージは、セラミック基板の一方の主面と、Fe−Ni系合金金属板、Fe−Ni−Co系合金金属板、又はCu板からなる外部接続リード端子との間、及びセラミック基板の他方の主面と、Cuを含有するヒートシンク板との間に、Cu2O又はCuOの金属粉末を有機ビヒクルと混合するメタライズペーストを介在せしめて不活性ガス雰囲気中の1065〜1083℃で熱処理を行う接合層を有するので、Cu2O又はCuOの金属粉末を有機ビヒクルと混合するメタライズペーストをCuの融点である1083℃以下の温度で容易に共晶融液にしながらセラミック基板の一方の主面と、Fe−Ni系合金金属板、Fe−Ni−Co系合金金属板、又はCu板からなる外部接続リード端子との間、及びセラミック基板の他方の主面と、Cuを含有するヒートシンク板との間に微小な空洞を残すことなく接合させることができ、空洞による熱伝熱性の低下や、接合強度の低下を防止して、高熱を発する半導体素子等を収納する電子部品収納用パッケージとしての放熱性の低下と、接合信頼性の低下を防止することができる電子部品収納用パッケージを提供することができる。また、この電子部品収納用パッケージは、セラミック基板に事前にタングステンや、モリブデン等の高融点金属からなるメタライズ膜を形成、焼成することなく、Agを全く含まないメタライズペーストを塗布しただけの状態で、外部接続リード端子やヒートシンク板を当接させ一度の焼成で接合させるだけの強固な接合層であるので、安価であると共に、Agのマイグレーションを防止する信頼性の高い電子部品収納用パッケージを提供することができる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施するための形態について説明し、本発明の理解に供する。
図1(A)〜(C)に示すように、本発明の一実施の形態に係るセラミック回路基板10は、焼成済のセラミック基板11の上面側である一方の主面に、様々な形状からなる複数個の個片体がそれぞれ独立して配置された回路状のCu板12を設けている。また、セラミック回路基板10は、焼成済のセラミック基板11の下面側である他方の主面に、ベタ状のCu板12aを設けている。
図1(A)〜(C)に示すように、本発明の一実施の形態に係るセラミック回路基板10は、焼成済のセラミック基板11の上面側である一方の主面に、様々な形状からなる複数個の個片体がそれぞれ独立して配置された回路状のCu板12を設けている。また、セラミック回路基板10は、焼成済のセラミック基板11の下面側である他方の主面に、ベタ状のCu板12aを設けている。
このセラミック回路基板10に用いられるセラミック基板11は、大気中の1500〜1600℃程度の高温で焼成するアルミナや、ジルコニア含有アルミナ等からなる酸化物系のセラミック、あるいは、窒素雰囲気中の1700℃程度の高温で焼成する非酸化物系の窒化アルミニウムを更に大気中で焼成して表面を酸化物系のアルミナ被膜に形成したセラミックからなっている。また、セラミック基板11は、通常、焼成後に所望する厚みになるように形成したセラミックグリーンシートを焼成後に所望する大きさになるように成形したり、あるいは、焼成後に所望する大きさになるようセラミック粉末をプレス成形したりした後、焼成して所望する大きさに形成している。なお、このセラミック基板11は、セラミックグリーンシートや、セラミック粉末の成形体を焼成することで約30%程度の収縮が発生する。
一方、このセラミック回路基板10に用いられるCu板12、12aは、無酸素銅板の表面にCuの酸化物層を形成した金属板、タフピッチ銅のような全体の酸素濃度を管理した金属板、表面にCuの酸化物層がない金属板、又は全体の酸素濃度が制御されない状態の金属板のいずれでも用いることができ、この金属板を打ち抜いたり、エッチングしたりして、所望の形状に成形している。
このセラミック回路基板10は、焼成済のセラミック基板11の一方の主面と、それぞれのCu板12との間に、Cu2O又はCuOの金属粉末を有機ビヒクルで混合するメタライズペーストを介在せしめて不活性ガス雰囲気中の1065〜1083℃で熱処理を行う接合層13を有している。また、このセラミック回路基板10は、焼成済のセラミック基板11の他方の主面と、Cu板12aとの間に、Cu2O又はCuOの金属粉末を有機ビヒクルで混合するメタライズペーストを介在せしめて不活性ガス雰囲気中の1065〜1083℃で熱処理を行う接合層13aを有している。なお、接合層13、13aは、通常、同時に熱処理が行われて形成されるようになっている。上記のメタライズペーストは、ナノ粒子径から数ミクロン粒子径を含む平均粒子径1μm以下のCu2O又はCuOの金属粉末に、エチルセルローズ、ブチラール樹脂、テレピオネール、ブチルカルビトールアセテート等の有機ビヒクルを混合させ、混練してペースト状にして形成している。
セラミック回路基板10を構成するには、焼成済のセラミック基板11の一方の主面に、上記のメタライズペーストを用いて、回路状のCu板12のそれぞれの個片体の形状に合わせるようなメタライズパターンをスクリーン印刷で形成し、乾燥して厚みが10〜150μm程度のメタライズ印刷膜を設けている。また、セラミック回路基板10を構成するには、焼成済のセラミック基板11の他方の主面に、上記のメタライズペーストを用いて、ベタ状のCu板12aの形状に合わせるようなメタライズパターンをスクリーン印刷で形成し、乾燥して厚みが10〜150μm程度のメタライズ印刷膜を設けている。そして、セラミック回路基板10は、それぞれのメタライズ印刷膜に、Cu板12、12aが当接され、不活性ガス、例えば、窒素ガスのような不活性ガス雰囲気中の1065〜1083℃で熱処理を行うことで、セラミック基板11と、Cu板12、12aとが接合される接合層13、13aを有している。セラミック回路基板10は、接合層13、13aがメタライズ印刷膜を1065℃以上でCuの融点温度である1083℃以下の温度、例えば、1070℃程度の温度の不活性ガス雰囲気中の焼成炉で熱処理を行うことで、Cu2O又はCuOの金属粉がCu−O共晶液相の結合材となり、冷却することでセラミック基板11と、Cu板12、12aとを強固に接合させるようになっている。この接合層13、13aは、不活性ガス雰囲気中の温度が1065℃を下まわる、又は1083℃を超える場合には、Cu−O共晶液相の形成できなくなる。また、不活性ガス雰囲気中の温度が1083℃を超える場合には、Cuの融点温度を超えて溶融が始まり、Cu板12、12aとしての形状が保てなくなる。
上記のセラミック回路基板10は、上面側に高電力を通すパワーモジュール用の半導体素子を搭載するための基板として用いらている。そして、セラミック基板11の一方の主面に設ける複数の個片体のCu板12のいずれかに搭載した半導体素子からの発熱は、この個片体のCu板12を介して外部に放熱、及びセラミック基板11を介してセラミック基板11の他方の主面に設けるベタ状のCu板12a側に伝熱させて、これから外部に放熱させるようになっている。
次いで、図2(A)、(B)を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る電子部品収納用パッケージを説明する。
図2(A)、(B)に示すように、電子部品収納用パッケージ20は、焼成済の窓枠形状に形成されたセラミック基板21の上面側である一方の主面の所定位置となるところに、Fe−Ni系合金金属板、Fe−Ni−Co系合金金属板、又はCu板からなる1、又は複数の平板状の外部と電気的接続状態を形成するための外部接続リード端子22を設けている。また、この電子部品収納用パッケージ20は、焼成済の窓枠形状に形成されたセラミック基板21の下面側である他方の主面の全面を覆うように、実装される電子部品から発生する高温、且つ大量の熱を放熱するための高放熱特性を有する略長方形平板状のCuを含有する金属製のヒートシンク板23を設けている。そして、この電子部品収納用パッケージ20は、電子部品を載置して接合するためのヒートシンク板23の上面と、電子部品を囲繞するためのセラミック基板21の内周側壁面とで電子部品を収納するためのキャビティ部24を設けている。
図2(A)、(B)に示すように、電子部品収納用パッケージ20は、焼成済の窓枠形状に形成されたセラミック基板21の上面側である一方の主面の所定位置となるところに、Fe−Ni系合金金属板、Fe−Ni−Co系合金金属板、又はCu板からなる1、又は複数の平板状の外部と電気的接続状態を形成するための外部接続リード端子22を設けている。また、この電子部品収納用パッケージ20は、焼成済の窓枠形状に形成されたセラミック基板21の下面側である他方の主面の全面を覆うように、実装される電子部品から発生する高温、且つ大量の熱を放熱するための高放熱特性を有する略長方形平板状のCuを含有する金属製のヒートシンク板23を設けている。そして、この電子部品収納用パッケージ20は、電子部品を載置して接合するためのヒートシンク板23の上面と、電子部品を囲繞するためのセラミック基板21の内周側壁面とで電子部品を収納するためのキャビティ部24を設けている。
この電子部品収納用パッケージ20に用いられるセラミック基板21は、セラミック回路基板10の場合のセラミック基板11と同様に、大気中の1500〜1600℃程度の高温で焼成するアルミナや、ジルコニア含有アルミナ等からなる酸化物系のセラミック、あるいは、窒素雰囲気中の1700℃程度の高温で焼成する非酸化物系の窒化アルミニウムを更に大気中で焼成して表面を酸化物系のアルミナ被膜に形成したセラミックからなっている。これらのセラミック基板21は、いずれも曲げ強度が高く、電気絶縁性、熱伝導性、電気的特性等に優れたものとなっている。また、セラミック基板21は、焼成後に所望する窓枠形状になるようにセラミックグリーンシートを成形したり、あるいは、焼成後に所望する窓枠形状になるようセラミック粉末をプレス成形したりした後、焼成して形成している。なお、このセラミック基板21は、セラミック基板11の場合と同様に、セラミックグリーンシートや、セラミック粉末の成形体を焼成することで約30%程度の収縮が発生する。
この電子部品収納用パッケージ20に用いられる外部接続リード端子22は、Fe−Ni系合金が通称42アロイ、Fe−Ni−Co系合金がKV(商品名「Kovar(コバール)」)と呼ばれ、いずれもセラミックと熱膨張係数が近似したり、Cuからなる場合には電気導通度が優れ、安価なものとなっている。そして、この外部接続リード端子22には、電子部品とボンディングワイヤを介して直接接続して電気的に導通状態とするためのワイヤボンドパッド部と、外部と電気的に導通状態とするための端子部が設けられ、外部接続リード端子22が2つの役目を行うことができるようになっている。
この電子部品収納用パッケージ20に用いられるヒートシンク板23は、セラミックと熱膨張係数が近似するタングステン(W)をポーラス状にして、この部分に熱伝導性に優れるCuを含浸させたCuとWの複合金属板からなっている。また、ヒートシンク板23には、セラミックと熱膨張係数が近似するモリブデン(Mo)とCuの合金板や、複合金属板や、合金板の両面のそれぞれに同一厚さのCu板をクラッドして反りの発生を抑えながら熱伝導率を更に向上させた接合金属板等も用いられている。
上記の電子部品収納用パッケージ20は、焼成済の窓枠形状のセラミック基板21の一方の主面と、外部接続リード端子22との間に、Cu2O又はCuOの金属粉末を有機ビヒクルで混合するメタライズペーストを介在せしめて不活性ガス雰囲気中の1065〜1083℃で熱処理を行う接合層25を有している。また、この電子部品収納用パッケージ20は、焼成済の窓枠形状のセラミック基板21の他方の主面と、ヒートシンク板23との間に、Cu2O又はCuOの金属粉末を有機ビヒクルで混合するメタライズペーストを介在せしめて不活性ガス雰囲気中の1065〜1083℃で熱処理を行う接合層25aを有している。なお、接合層25、25aは、通常、同時に熱処理が行われて形成されるようになっている。上記のメタライズペーストは、ナノ粒子径から数ミクロン粒子径を含む平均粒子径1μm以下のCu2O又はCuOの金属粉末に、エチルセルローズ、ブチラール樹脂、テレピオネール、ブチルカルビトールアセテート等の有機ビヒクルを混合させ、混練してペースト状にして形成している。
上記の電子部品収納用パッケージ20を構成するには、焼成済の窓枠形状のセラミック基板21の一方の主面に、上記のメタライズペーストを用いて、外部接続リード端子22が取り付けられる所望する位置となるところにメタライズパターンをスクリーン印刷で形成し、乾燥して厚みが10〜150μm程度のメタライズ印刷膜を設けている。また、電子部品収納用パッケージ20を構成するには、焼成済の窓枠形状のセラミック基板21の他方の主面の全面に、上記のメタライズペーストを用いて、スクリーン印刷で形成し、乾燥して厚みが10〜150μm程度のメタライズ印刷膜を設けている。そして、電子部品収納用パッケージ20は、それぞれのメタライズ印刷膜に、外部接続リード端子22、ヒートシンク板23が当接され、不活性ガス、例えば、窒素ガスのような不活性ガス雰囲気中の1065〜1083℃で熱処理を行うことで、セラミック基板21と、外部接続リード端子22、ヒートシンク板23とが接合される接合層25、25aを有している。電子部品収納用パッケージ20は、接合層25、25aがメタライズ印刷膜を1065℃以上でCuの融点温度である1083℃以下の温度、例えば、1070℃程度の温度の不活性ガス雰囲気中の焼成炉で熱処理を行うことで、Cu2O又はCuOの金属粉がCu−O共晶液相の結合材となり、冷却することでセラミック基板21と、外部接続リード端子22、ヒートシンク板23とを強固に接合させるようになっている。この接合層25、25aは、不活性ガス雰囲気中の温度が1065℃を下まわる、又は1083℃を超える場合には、Cu−O共晶液相の形成できなくなる。また、不活性ガス雰囲気中の温度が1083℃を超える場合には、Cuの融点温度を超え、Cu板からなる外部接続リード端子22や、ヒートシンク板23のCu部分の溶融が始まりそれぞれの形状が保てなくなる。
接合体となった電子部品収納用パッケージ20は、表面に露出する全ての金属部分に、Niや、Ni−Co等からなるNiめっき被膜(図示せず)、更に、この上にAuめっき被膜(図示せず)が形成されて有している。この電子部品収納用パッケージ20は、接合材層25、25aにAgを含有していないので、Agのマイグレーションを防止して、セラミック基板21の上、下面に設ける外部接続リード端子22と、ヒートシンク板23間の短絡を防止する信頼性の高いパッケージとすることができる。
上記の電子部品収納用パッケージ20には、図示しないが、キャビティ部24のヒートシンク板23の上面のAuめっき被膜面に電子部品がAu−Siろう材で等で接合している。この接合は、電子部品に形成されているAu蒸着面と、キャビティ部24のヒートシンク板23の上面のAuめっき被膜面との間にAu−Siろう材等のろう材を挟み込んで加熱し、電子部品を加圧しながらスクラブして擦り付けることで、強固な接着強度を確保している。そして、キャビティ部24に搭載された電子部品は、外部接続リード端子22との間をボンディングワイヤで直接接続して電気的導通状態を形成している。電子部品収納用パッケージ20には、電子部品がキャビティ部24に実装された後、樹脂や、セラミックや、金属等からなる蓋体が外部接続リード端子22を含むセラミック基板21の上面に樹脂や、ガラス等の絶縁性接着材で接合されて、電子部品がキャビティ部24内で気密に封止されるようになっている。そして、電子部品が収納された電子部品収納用パッケージ20は、外部接続リード端子22の端子部下面が配線回路パターンの形成されたボード基板(図示せず)等に半田で接合されるようになっている。また、電子部品が収納された電子部品収納用パッケージ20は、ヒートシンク板23の長手方向両端部に設けられている取付部26で放熱性の向上を兼ねる金属製からなる基台にネジ等で固定するようになっている。
本発明のセラミック回路基板は、大電力がかかる半導体素子や、トランジスタ等を搭載するパワーモジュール用として使用され、例えば、エアコン用、産業ロボット用、エレベーター用等の産業装置や、電子レンジ用、IH機器用等の電子機器とするのに用いることができる。
また、本発明の電子部品収納用パッケージは、シリコンや、ガリウム砒素電界効果トランジスタ等の高周波、高出力の半導体素子等の電子部品を実装させて、例えば、RF(Radio Frequency)基地局用等の電子装置とするのに用いることができる。
また、本発明の電子部品収納用パッケージは、シリコンや、ガリウム砒素電界効果トランジスタ等の高周波、高出力の半導体素子等の電子部品を実装させて、例えば、RF(Radio Frequency)基地局用等の電子装置とするのに用いることができる。
10:セラミック回路基板、11:セラミック基板、12、12a:Cu板、13、13a:接合層、20:電子部品収納用パッケージ、21:セラミック基板、22:外部接続リード端子、23:ヒートシンク板、24:キャビティ部、25、25a:接合層、26:取付部
Claims (2)
- セラミック基板と、Cu板との間に、Cu2O又はCuOの金属粉末を有機ビヒクルと混合するメタライズペーストを介在せしめて不活性ガス雰囲気中の1065〜1083℃で熱処理を行う接合層を有することを特徴とするセラミック回路基板。
- セラミック基板の一方の主面と、Fe−Ni系合金金属板、Fe−Ni−Co系合金金属板、又はCu板からなる外部接続リード端子との間、及び前記セラミック基板の他方の主面と、Cuを含有するヒートシンク板との間に、Cu2O又はCuOの金属粉末を有機ビヒクルと混合するメタライズペーストを介在せしめて不活性ガス雰囲気中の1065〜1083℃で熱処理を行う接合層を有することを特徴とする電子部品収納用パッケージ。
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