JP2012103543A - 回折光学素子及び撮像光学系 - Google Patents

回折光学素子及び撮像光学系 Download PDF

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Abstract

【課題】回折光学素子の格子内部に屈折率分布が発生しても高い回折効率を維持する回折光学素子を提供する。
【解決手段】回折光学素子は、第1屈折率及び第1分散の第1材料で構成された第1回折格子と、第1屈折率より高い第2屈折率及び第1分散より低い第2分散の第2材料で構成された第2回折格子とを密着又は近接させ、光学系に用いられる回折光学素子であって、第1回折格子又は第2回折格子の少なくとも一つは、屈折率分布を有し、且つ、所定のピッチで配列されて所定の勾配を有する格子面と所定の高さの格子壁面とを含む回折面を有し、回折面は、第1回折格子又は第2回折格子の少なくとも一つを形成するベース面の形状に光学系の収差を補正する位相差関数に基づく位相差が付加された形状に対して、第1回折格子と第2回折格子のうち屈折率分布が大きい方の回折格子の格子面の勾配を小さくして格子壁面の高さを低くした形状を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、広い波長域において回折効率を高めた回折光学素子及びそれを用いた撮像光学系に関する。
従来から、光学系の色収差を減じる方法として光学系の一部に回折作用を有する回折光学素子を設ける方法が知られている(非特許文献1)。また回折光学素子は、回折格子の形状を切削等によって型上に作製し、UV硬化、熱硬化、射出成形等の成形プロセスによって樹脂に形状を転写して作製される。このような成形プロセスによって回折光学素子を作製すると、回折格子の内部に屈折率分布が生じる。特に、回折格子のベース樹脂材料に無機微粒子を分散させた材料を用いてUV硬化で成形すると、硬化の過程で微粒子が移動し、場所によって微粒子の濃度が異なる。このような無機微粒子は、ベース樹脂材料とは異なる屈折率を有するため、結果的に屈折率分布が生じてしまう。
特許文献1には、形状を補正した回折光学素子が開示されている。保護膜を形成したときに発生する設計形状からのずれに対して、あらかじめ型を逆方向に変形させて製作することで、回折光学素子の成形後の形状を設計形状にする。特許文献2には、反射防止膜の膜厚が不均一であることによる回折効率が劣化を抑制するため、あらかじめ型の形状を反射防止膜の膜厚の変化に合わせて逆方向に補正して形成された回折光学素子が開示されている。特許文献3には、光学素子の成形の際に生じる内部ひずみにより引き起こされる像面移動を補正する走査光学系が開示されている。特許文献3の走査光学系では、光学素子を射出成型で形成する場合に発生する屈折率分布を、焦点距離をあらかじめシフトさせることで補正を行う。
特開平11−48355号公報 特開2008−180963号公報 特登録3252708号 SPIE Vol.1354、International Lens Design Conference (1990)
しかしながら、特許文献1〜3のいずれにおいても、回折格子に屈折率分布が存在する場合には、回折格子を透過した透過光の光路長が設計からずれて回折効率が低下してしまう。
そこで本発明は、回折光学素子の格子内部に屈折率分布が発生しても高い回折効率を維持する回折光学素子及び撮像光学系を提供する。
本発明の一側面としての回折光学素子は、第1屈折率及び第1分散の第1材料で構成された第1回折格子と、該第1屈折率より高い第2屈折率及び該第1分散より低い第2分散の第2材料で構成された第2回折格子とを密着又は近接させ、光学系に用いられる回折光学素子であって、前記第1回折格子又は前記第2回折格子の少なくとも一つは、屈折率分布を有し、且つ、所定のピッチで配列されて所定の勾配を有する格子面と所定の高さの格子壁面とを含む回折面を有し、前記回折面は、前記第1回折格子又は前記第2回折格子の少なくとも一つを形成するベース面の形状に前記光学系の収差を補正する位相差関数に基づく位相差が付加された形状に対して、該第1回折格子と該第2回折格子のうち屈折率分布が大きい方の回折格子の前記格子面の勾配を小さくして前記格子壁面の高さを低くした形状を有する。
前記回折光学素子を備えた撮像光学系も、本発明の他の一側面を構成する。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、回折光学素子の格子内部に屈折率分布が発生しても高い回折効率を維持する回折光学素子及び撮像光学系を提供することができる。
実施例1における光学系の構成図である。 実施例1における接合レンズ(回折光学素子)の断面図である。 実施例1における回折光学素子の1次光の回折効率のグラフである。 実施例1における回折光学素子の0次光と2次光の回折効率のグラフである。 実施例1における回折光学素子を構成する材料の屈折率とアッベ数を示す図である。 実施例1における回折光学格子の屈折率分布を示す図である。 実施例1における回折光学素子を透過する透過光の位相差(光路長)と位置との関係図である。 実施例1における回折光学素子の格子高さと位置との関係図である。 実施例2における回折光学素子の屈折率分布を示す図である。 本実施例における撮像装置の概略構成図である。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
まず、本発明の実施例1における回折光学素子が用いられる光学系について説明する。図1は、本実施例における光学系の構成図であり、レトロフォーカスタイプの広角撮像光学系の断面図である。図1において、撮像光学系は、物体側から像側に順に負の屈折力の第1レンズ群1、及び、正の屈折力を有する第2レンズ群2を有する単一焦点距離の光学系である。第2レンズ群2には開口絞り3が設けられている。開口絞り3よりも像側に配置されて像面4に最も近い接合レンズ5の接合面には、正のパワーを有する回折光学素子6が設けられている。回折光学素子6により、この光学系において生じる色収差は良好に補正される。
図2は、接合レンズ5(回折光学素子6)の断面図であり、図1に示される接合レンズ5の拡大図である。図2において、21は光軸、22は回折光学素子6を第2面側に有する第1のレンズ、23は回折光学素子6を第1面側に有する第2のレンズである。24は、回折光学素子6の第1回折格子である。第1回折格子24は、第1屈折率nd1及び第1分散(アッベ数:νd1)の第1材料により構成されている。25は、回折光学素子6の第2回折格子である。第2回折格子24は、第1屈折率nd1より低い第2屈折率nd2及び第1分散より高い第2分散(アッベ数:νd2)の第2材料により構成されている。
本実施例では、回折光学素子6は正のパワーを有し、第1回折格子24の材料(第1材料)として高屈折率低分散材料、第2回折格子25の材料(第2材料)として低屈折率高分散材料をそれぞれ使用する。すなわち、本実施例の回折光学素子6においては、nd1>nd2、νd1>νd2が成立する。26は、回折光学素子6の格子面に入射する軸外光の光束であり、図2に示されるように、光束26は複数の回折格子(第1回折格子24、第2回折格子25)により回折されている。
図5は、本実施例における第1回折格子24及び第2回折格子25の材料のアッベ数と屈折率を示す図である。本実施例では、第1回折格子24を構成する高屈折率低分散材料として、アクリル系の紫外線硬化樹脂(nd=1.52、νd=51)に対してZrO2微粒子を9.5vol%混ぜた材料が用いられている。微粒子分散後の高屈折率低分散材料は、屈折率nd=1.565、アッベ数νd=50.0であり、図5中の52で示される。また、低屈折率高分散材料として、同じ紫外線硬化樹脂(ベース樹脂材料)に対してITO(無機微粒子)の微粒子分散濃度を6vol%とした樹脂が用いられている。微粒子分散後の低屈折率高分散材料は、屈折率nd=1.544、アッベ数νd=31.4であり、図5中の51で示される。ベース樹脂材料にITOの微粒子を分散させる(混合する)ことで、リニアの異常分散性を有する低アッベ数の材料を提供することが可能となる。これにより本実施例では、格子高さが28.2μmの場合に最も高い回折効率が得られる。
図3は、上述の条件で得られた1次光の回折効率を示す図である。また図4は、0次光及び2次光の回折効率を示す図である。1次の回折光が撮像光学系の結像に用いられる回折光であり、図3に示されるようにほぼ100%の良好な回折効率が全波長域において維持されている。また図4に示されるように、高輝度光源の周辺に同心円状に発生する不要回折光の原因となる0次光、2次光ともに、全波長域で0.02%以下の非常に小さい値に抑えられている。
ITOは他の無機酸化物と異なり、電子遷移による屈折率の変化に加え、錫によるドーピングや酸素の空孔によりフリーキャリアが発生し、その屈折率が変化する。電子遷移による屈折率分散は、可視域においては400nm〜450nmの短波長側で急激に変化し、屈折率の2次分散(θgF)が通常の硝子が分布する所謂ノーマルラインより高い(ノンリニアの)特性を有する。一方、フリーキャリアによる屈折率分散は、可視域においては600nm〜700nmの長波長側でその変化が急激となり、非常に強いリニア特性を有する。その二つの影響が組み合わさることにより、屈折率の2次分散(θgF)は他の無機酸化物に比べ非常に小さくなる。従って、ITOと同様に透明でフリーキャリアの影響があるSnO及びATO(アンチモンをドーピングしたSnO)等を用いることもできる。
図6は、本実施例における回折光学格子の屈折率分布を示す図である。図6の回折光学素子は、図5中の低屈折率高分散材料51からなる回折格子61と、高屈折率低分散材料52からなる回折格子62とが密着して構成されている。回折格子61は、屈折率分布を有し、且つ、所定のピッチ(本実施例では200μm)で配列されて所定の勾配を有する格子面67と所定の高さの格子壁面64とを含む回折面を備える。
図6において、回折格子61の内部に示される同一線が屈折率の等しい位置を示す。本実施例の回折格子はUV硬化により形成されることを想定しており、不図示の型を図6の上側に配置して未硬化の樹脂を充填した後、図6の下側からUV光63を照射することで樹脂を硬化させる。このときの材料としては、上述の低屈折率高分散材料(第2材料)であり、下側から紫外線硬化が開始するため微粒子は格子の頂点に向かって移動する。ITOの微粒子は、樹脂(ベース樹脂材料)よりも高い屈折率を有する。このため、図6の下側において屈折率は低く、その上側において屈折率は高い屈折率分布が得られる。この屈折率分布は、格子壁面64の高さ方向(x軸方向)にほぼリニア(線形)に変化し、図6に示されるように、ベース面66から格子頂点65に向かう方向をx軸とすると、屈折率n(x)=ax+n0(a:係数、n0:定数)で表すことができる。
図7は、格子面のピッチが200μmの場合に、図6の回折格子を光が透過したときの透過波面の位相差(光路差)と位置との関係を示す図である。横軸は、光軸に直交する方向における位置(図6のh方向)であり、1周期分のみを示している。また、上記の屈折率分布の式(n(x)=ax+n0)において、係数a=4e−4として計算している。
図7中の実線73に示されるように、回折格子を透過する光は、回折効率を高めるために理想的には1周期毎に1λの位相差を得る必要がある。これに対して回折格子内に屈折率分布がある場合には、図7中の一点鎖線71に示されるように、格子高さが高くなるに従って、設計の理想ライン(実線73)よりも位相差が大きくなる方向に変化している。この状態では回折効率が低下するため、格子高さの狙い値を一律にシフトさせた場合を、図7中の点線72に示す。図7に示されるように、格子頂点の位置では位相が理想値と一致しているが、実際の位相差はU字型に反っており、この反りを含めた補正が必要となる。
図8は、回折光学素子の格子高さと位置との関係図である。図8において、81は回折効率を最良にした場合の回折格子の格子面の形状(格子形状)を示す。図8に示されるように、位相差を理想的な値とするには、格子壁面への位相の付加量を格子面のピッチ方向における位置(h)に応じて徐々に変化させて回折格子の格子面を下げる方向(格子面の勾配を小さくする方向)すなわち上側に凸の形状にする必要がある。
本実施例において、光軸を基準として光軸に直交する方向における距離をh、n次(n:偶数)の係数をCn、波長をλとすると、位相差関数φ(h)は以下の式(1)のように定義される。
ここで位相差関数φ(h)とは、光学系の収差を補正する関数である。そして、回折格子のベース面の光軸方向における位置をX(h)、光軸中心の輪帯を1輪帯として光軸中心から数えた輪帯番号をk、格子壁面の高さ(格子高さ)をd0、補正関数をG(h)とすると、回折面の光軸方向におけるxは以下の式(2)で表される。
式(2)において、補正関数G(h)は光軸からの高さh(距離)の関数であり、設計上の位相差関数φ(h)から決定される光路長を実際の屈折率と理想的格子高さの積の積分によって算出される光路長で割って得られる。
このように、本実施例における回折面の形状は、位相差関数φ(h)に基づいて付加された位相差(光路長)に、格子面のピッチ方向の位置に応じて変化する補正関数G(h)を掛けて得られた値により決定される。この結果、回折面は、ベース面(例えば、図6中のベース面66)の形状に位相差関数が付加された形状に対して、屈折率分布が大きい方の回折格子の格子面の勾配を小さくして格子壁面の高さを低くした形状を有する。より具体的には、格子面の1周期において、光軸から遠くなるにつれて勾配を徐々に小さくする。従って、例えば式(2)を満たすように回折格子の形状を設定することで、高い回折効率を有する回折光学素子及び撮像光学系を提供することができる。
次に、本発明の実施例2について説明する。図9は、本実施例における回折光学素子の屈折率分布を示す図である。本実施例の回折光学素子は、回折格子91、92が密着して構成されている。図9において、回折格子91、92の内部に示した線が等屈折率の位置を示している。
本実施例の回折格子はUV硬化で形成される。高屈折率低分散材料からなる回折格子92の成形を行った後に未硬化の低屈折率高分散材料を充填し、図9中の上側からUV光93を照射することで低屈折率高分散材料を硬化させ回折格子91を形成する。低屈折率高分散材料としては実施例1(図6)と同様の材料が用いられる。図9中の上側から紫外線硬化が開始するため、ITOの微粒子は格子の谷部に向かって移動する。ITOの微粒子は、樹脂(ベース樹脂材料)よりも高い屈折率を有するため、図9に示されるように、上側の屈折率が低く下側の屈折率が高い屈折率分布が得られる。また、格子壁面94付近では、回折格子91の屈折率が上昇する傾向にある。これは、格子壁面94付近での樹脂の硬化が遅いため、微粒子が格子壁面94付近に集まりやすいためである。
また図9に示されるように、高屈折率低分散材料による回折格子92の屈折率分布は、低屈折率高分散材料による回折格子91の屈折率分布よりも小さい。この結果は実際に検討を行った結果であり、屈折率分布の発生量は微粒子の動きやすさに影響する粘度や微粒子の表面状態、樹脂材料のUV透過率、硬化のスピード等が複雑にからみあい、実際に成形した上で確認することが現実的である。従って、実際の対応としては、回折格子の内部を透過した光の波面を直接測定することでその内部状態を推定し、最適な形状を求めることが好ましい。
また、光路長は光線通過方向の屈折率と長さの積分となっているため、本実施例においても実施例1と同様に屈折率分布が多く発生している回折格子91(低屈折率高分散材料)の格子頂点95を下げる(格子壁面94の高さを低くする)ように補正する。このような補正を行うことで、位相を理想値に近づけることが可能となる。上述のように、格子壁面94付近では、その内部に比べて回折格子91の屈折率が高くなるようにシフトしている。このため、補正関数G(h)にそのシフト量を補正する成分を追加し、格子頂点95を下げる量をより大きくすることが好ましい。
次に、上記各実施例の撮像光学系(回折光学素子)が用いられる撮像装置について説明する。図10は、本実施例における撮像装置の概略構成図である。図10において、210は一眼レフカメラ本体、211は撮像装置に用いられる交換レンズである。212は、交換レンズ211を通して得られる被写体像を記録するフィルムや撮像素子等の感光体である。213は、交換レンズ211からの被写体像を観察するファインダー光学系である。214は、交換レンズ211からの光を感光体212の方向とファインダー光学系213の方向に切り替えて伝送するための回動するクイックリターンミラーである。
ファインダーで被写体像を観察する場合には、クイックリターンミラー214を介してピント板215に結像した被写体像をペンタプリズム216で正立像とした後、接眼光学系217で拡大して観察する。撮影時には、クイックリターンミラー214が図10中の矢印方向に回動し、被写体像は感光体212に結像して記録される。なお、本実施例の撮像装置は、更に、不図示のサブミラー及び焦点検出装置を備える。
本実施例では、上記各実施例の撮像光学系(回折光学素子)を備えることにより、高い光学性能を有する撮像装置を提供することができる。なお本実施例は、クイックリターンミラーを備えていない一眼レフカメラにも同様に適用可能である。
上記各実施例によれば、回折光学素子を構成する回折格子の内部に屈折率分布が発生しても高い回折効率を維持した回折光学素子を提供することができる。また、上記各実施例の回折光学素子を撮像光学系に適用することで、回折光学素子に高輝度光源を撮影した場合に発生する不要回折光を抑制し、回折光学素子の収差補正効果を生かしたコンパクトで色収差が良好な撮像光学系を提供することが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
上記各実施例は2つの異なる回折格子を密着させているが、これに限定されるものではなく、これらの回折格子を近接させている場合にも適用可能である。また上記各実施例は、高屈折率低分散の第1材料をベース樹脂材料に無機微粒子を分散させて構成し、第1材料の屈折率分布が第2材料よりも大きい場合には、第1材料について適用される。
6:回折光学素子
61、62:回折格子
64:格子壁面
66:ベース面
67:格子面

Claims (7)

  1. 第1屈折率及び第1分散の第1材料で構成された第1回折格子と、該第1屈折率より低い第2屈折率及び該第1分散より高い第2分散の第2材料で構成された第2回折格子とを密着又は近接させ、光学系に用いられる回折光学素子であって、
    前記第1回折格子又は前記第2回折格子は、屈折率分布を有し、且つ、所定のピッチで配列されて所定の勾配を有する格子面と所定の高さの格子壁面とを含む回折面を有し、
    前記回折面は、前記第1回折格子又は前記第2回折格子を形成するベース面の形状に前記光学系の収差を補正する位相差関数に基づく位相差が付加された形状に対して、該第1回折格子と該第2回折格子のうち屈折率分布が大きい方の回折格子の前記格子面の勾配を小さくして前記格子壁面の高さを低くした形状を有する、ことを特徴とする回折光学素子。
  2. 前記回折面の形状は、前記位相差関数に基づいて付加された前記位相差に、前記格子面のピッチ方向の位置に応じて変化する補正関数を掛けて得られた値により決定されることを特徴とする請求項1に記載の回折光学素子。
  3. 光軸を基準として該光軸に直交する方向における距離をh、n次(n:偶数)の係数をCn、波長をλとして、前記位相差関数φ(h)を以下の式(1)のように定義したとき、前記ベース面の光軸方向における位置をX(h)、光軸中心の輪帯を1輪帯として該光軸中心から数えた輪帯番号をk、前記格子壁面の高さをd0、前記補正関数をG(h)として、前記回折面の該光軸方向におけるxは以下の式(2)のように表されることを特徴とする請求項2に記載の回折光学素子。

  4. 前記第1材料又は第2材料の少なくとも一つは、ベース樹脂材料に無機微粒子を分散させて構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  5. 前記第2材料は、ベース樹脂材料にITOの微粒子を分散させて構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  6. 前記屈折率分布は、前記第1屈折率又は前記第2屈折率が前記格子壁面の高さ方向に線形に変化する成分を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載された回折光学素子を備えたことを特徴とする撮像光学系。
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