JP2005215387A - 光学系 - Google Patents

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Abstract

【課題】 色収差を始めとする諸収差を良好に補正すると共に、製造が容易で、耐環境性に優れたコンパクトなテレフォトタイプの光学系を提供すること。
【解決手段】 光学系中に、光入射側と光射出側が共に屈折面であり、アッベ数をν、部分分散比θgd、θgFとするとき、
ν<30
θgd<−3.333×10−3・ν+1.40
θgF<−2.615×10−3・ν+0.67
なる条件を満足する固体材料から形成される屈折光学素子GITを光軸と瞳近軸光線の交わる点をPとしたとき、屈折光学素子GITを点Pより拡大側に配置した場合は、屈折光学素子GITに負の屈折力を与え、屈折光学素子GITを点Pより縮小側に配置した場合は、屈折光学素子GITに正の屈折力を与えて設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学系及びそれを有する光学機器に関し、例えば、銀塩フィルム用カメラ、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、望遠鏡、双眼鏡、プロジェクター、複写機等の光学機器に好適なものである。
一般にデジタルカメラやビデオカメラ等の撮像装置に用いられる光学系では、レンズ全長(光学全長、物体側の第1レンズ面から像面までの長さ)を短縮し、光学系全体の小型化を図るほど該収差、特に軸上色収差及び倍率色収差などの色収差の発生が多くなり、光学性能が低下する傾向にある。特にレンズ全長の短縮化を図ったテレフォトタイプの光学系では、焦点距離を伸ばすほど(長くするほど)色収差の発生が多くなってくる。
このような色収差の発生を低減する方法として、光学材料に異常部分分散材料を用いる方法や光路中に回折光学素子を用いる方法が一般的によく知られている。
テレフォトタイプの光学系では近軸軸上光線(光学系全系の焦点距離を1に正規化し、光学系の光軸と平行に、光軸からの高さ1の光を入射させたときの近軸光線である。以下物体は光学系の左側にあるものとし、物体側から光学系に入射する光線は左から右へ進むものとして扱う。)と瞳近軸光線(光学系全系の焦点距離を1に正規化し、光軸に対して−45°で入射する光線の内、光学系の入射瞳と光軸との交点を通過する近軸光線である。以下光学系への入射角度は、光軸から測って時計回りを正、反時計回りを負とする。)の光軸からの通過位置が比較的に高くなる前方レンズ群に、蛍石等の異常部分分散を持った低分散の光学材料で構成した正の屈折力のレンズと高分散の光学材料で構成した負の屈折力のレンズを用いて色収差の低減を行うのが一般的であり、このようなテレフォトタイプの光学系が種々提案されている。(特許文献1〜3)
また、異常部分分散の光学材料を用いず、回折光学素子を用いてテレフォトタイプの光学系において、色収差の補正を行った光学系が知られている(特許文献4、5)。特許文献4や特許文献5には、回折型光学素子と屈折型光学素子とを組み合わせることで、色収差を比較的良好に補正したFナンバーF2.8程度のテレフォトタイプの光学系が開示されている。
一般に回折光学素子は、アッベ数に相当する数値の絶対値が3.45と小さく、回折によるパワー(焦点距離の逆数)を僅かに変化させるだけで、球面収差、コマ収差、非点収差等にほとんど影響を与えることなく、色収差を大きく変化できる特徴がある。また、扱う光が回折光であるため、入射光の波長の変化に対してパワーが線形変化し、色収差係数の波長特性は完全な直線となる。
したがって、レンズ全長の短縮に際しては、主に球面収差、コマ収差、非点収差の補正に特化して収差補正を行えば良く、色収差に関しては、悪化した絶対量を気にすることなく色収差係数の波長特性の線形性が得られるように、構成レンズの材料の硝材と屈折力を最適化して設計を行えば、レンズ全長が短縮されたテレフォトタイプの光学系が得られる。
また、回折光学素子の光学特性に似た色収差の補正作用を持つ光学材料に、比較的高分散で、かつ比較的異常部分分散な特性を示す液体材料が知られていおり、それを用いた色消し光学系が提案されている(特許文献6)。
特公昭60−49883号公報 特公昭60−55805号公報 特開平11−119092号公報 特開平6−324262号公報 特開平6−331887号公報 米国特許第4913535号明細書
特許文献1〜3に開示されている光学材料に蛍石等を使ったテレフォトタイプの光学系では、レンズ全長を比較的長めに設定した場合は色収差の補正が容易である。しかしながら、レンズ全長の短縮化を図ると色収差の発生が多くなり、これを良好に補正することが困難となる。この方法は、蛍石等の材料が持つ低分散と異常部分分散を利用して正の屈折力の前玉レンズ系で発生する色収差を単に低減するに留まるためである。レンズ全長の短縮に伴って悪化した色収差を補正しようとすると、例えば、蛍石のようなアッベ数の大きい低分散ガラスを使ったレンズでは、レンズ面の屈折力を大きく変化させないと色収差が大きく変化しない。このため、色収差の補正と、屈折力を大きくしたことによって発生する球面収差、コマ収差、非点収差などの諸収差の補正との両立が困難となる。
一方、回折光学素子は十分な色収差の補正作用があるものの、実際に用いる設計回折次数の回折光以外の不要な回折次数の回折光が発生し、この不要な回折光が色の付いたフレア光となって結像性能を悪化させるという問題が生じてくる。この不要な回折光を減ずる方法として、複数のブレーズ型の回折格子を光軸方向に積層した、所謂、積層型の回折光学素子を用い、これによって設計回折次数へエネルギーを集中させ、不要な回折光を大幅に減らす方法があるが、これでも依然として高輝度な被写体を撮影すると、不要な回折光によるフレアが現れてくるという問題がある。
また、回折光学素子の製造方法として、紫外線硬化樹脂等を金型で成型する方法が知られている。しかしながらこの方法は、回折光学素子の回折効率の敏感度が製造上極めて高い為、非常に高い金型精度や成型精度が要求され、製造コストが高いという問題がある。
特許文献6に開示された材料は、液体であるために、それを封止する構造が必要となり、光学材料に用いる場合、製造が難しくなる。また、温度変化による屈折率、分散などの特性が変化し、耐環境性が十分でない。更に、アッベ数が比較的大きく、異常部分分散性も比較的小さいことに加え、空気との界面が得られないために十分な色収差の補正作用が得難い。
本発明は、色収差を始めとする諸収差を良好に補正することができる、製造が容易で、耐環境性に優れた光学系及びそれを有する光学機器の提供を目的とする。
本発明の光学系は、光軸と瞳近軸光線の交わる点をPとするとき、点Pより拡大側で近軸軸上光線がレンズ面を通過する光軸からの高さの最大値が、点Pより縮小側で近軸軸上光線がレンズ面を通過する光軸からの高さの最大値よりも大きい光学系において、
g線、d線、F線、C線に対する材料の屈折率をそれぞれN、N、N、Nとし、
ν=(N−1)/(N−N
θgd=(N−N)/(N−N
θgF=(N−N)/(N−N
とおくとき、
ν<30
θgd<−3.333×10−3・ν+1.40
θgF<−2.615×10−3・ν+0.67
を満足する固体材料から形成される屈折光学素子GITであって、該屈折光学素子GITの屈折力を拡大側と縮小側の2つの屈折面が共に空気に面するとしたときの屈折力の合成とするとき、
点Pより拡大側に負の屈折力の1以上の屈折光学素子又は/及び点Pより縮小側に正の屈折力の1以上の屈折光学素子が設けられていることを特徴としている。
この他、本発明の光学系は、レンズ全長が焦点距離よりも短い光学系であって、g線、d線、F線、C線に対する屈折率をそれぞれN、N、N、Nとし、
ν=(N−1)/(N−N
θgd=(N−N)/(N−N
θgF=(N−N)/(N−N
とおくとき、
ν<30
θgd<−3.333×10−3・ν+1.40
θgF<−2.615×10−3・ν+0.67
を満足する固体材料から形成される少なくとも1つの屈折光学素子GITを有していることを特徴としている。
本発明によれば、製造が容易で、耐環境特性に優れた、高い光学性能を有するコンパクトな光学系が得られる。
以下、本発明の光学系及びそれを有する光学機器について説明する。
本発明の光学系は、デジタルカメラ・ビデオカメラ、銀塩フィルム用カメラ等の撮像装置や、望遠鏡、双眼鏡等の観察装置、複写機、プロジェクター等の機器に用いられるものである。本発明の光学系は、テレフォトタイプ(レンズ全長が焦点距離よりも短い光学系)を採用し、高分散で部分分散比の低い固体材料に屈折作用を持たせた屈折光学素子を用いていることを特徴としている。
本発明の光学系に用いる屈折光学素子の固体材料とは、光学系を使用する状態で固体の材料を指し、製造時などの光学系を使用する前での状態は、どのような状態であっても良い。例えば、製造時には液体材料であっても、それを硬化させて固体材料としたものも、ここでいう固体材料に該当する。
図1は、本発明の光学系の光学作用を説明する為の近軸屈折力配置の概略図である。図1において、OLはレンズ全長(第1レンズ面から像面までの距離)が焦点距離よりも短いテレフォトタイプの光学系である。Gp、Gnは、それぞれテレフォトタイプの光学系OLを構成する正の屈折力の前群と負の屈折力の後群である。GIT1、GIT2は、それぞれ前群Gpと後群Gnに導入した後述する条件式(1)〜(3)を満足する材料より成る屈折光学素子GITである。構成を簡単にするために、前群Gp、後群Gnを構成するレンズは全て薄肉単レンズとし、前群Gp、後群Gn内でそれぞれレンズ間隔が0で光軸上に配置されているものとする。また、屈折光学素子GIT1、屈折光学素子GIT2も薄肉単レンズとし、それぞれ前群Gp、後群Gnにレンズ間隔が0で光軸La上に配置されるものとする。Qは近軸軸上光線、Rは瞳近軸光線であり、Pは瞳近軸光線Rと光軸Laとの交点である。IPは像面である。
図1の光学系OLは、光軸Laと瞳近軸光線Rの交わる点Pより拡大側(物体側)で近軸軸上光線Qがレンズ面を通過する光軸Laからの高さの最大値が、点Pより縮小側(像側)で近軸軸上光線Qがレンズ面を通過する光軸からの高さの最大値よりも大きい光学系である。
本発明の光学系に用いる光学部材の固体材料のアッベ数は次のとおりである。
今、フラウンフォーファ線のg線、F線、d線、C線に対する屈折率をそれぞれN、N、N、Nとするとき、アッベ数ν、部分分散比θgd、θgFの定義は一般に用いられるものと同じであり、
ν=(N−1)/(N−N
θgd=(N−N)/(N−N
θgF=(N−N)/(N−N
で表わされる。
本発明の光学系は、アッベ数をν、部分分散比θgd、θgF
ν<30 ・・・・・(1)
θgd<−3.333×10−3・ν+1.40 ・・・・・(2)
θgF<−2.615×10−3・ν+0.67 ・・・・・(3)
の条件を満足する固体材料から形成される少なくとも1つの屈折光学素子GITを有している。
条件式(1)〜(3)を満足する固体材料としては、例えばIndium-Tin Oxide(ITO)微粒子より成る材料がある。図1の光学系は、
◎屈折光学素子GITが、点Pより拡大側に配置された場合には、屈折光学素子GITは、屈折光学素子GITの拡大側と縮小側の2つ屈折面が共に空気に面するとしたときの厚肉単レンズの屈折力として、負の屈折力を有している。
◎屈折光学素子GITが、点Pより縮小側に配置された場合には、屈折光学素子GITは、屈折光学素子GITの拡大側と縮小側の2つ屈折面が共に空気に面するとしたときの厚肉単レンズの屈折力として、正の屈折力を有している。
尚、図1の実施例において、前群Gp又は後群Gnの少なくとも一方に屈折光学素子GITを用いれば、本発明の目的に合った光学系が得られる。
本発明の光学系に前述の条件式(1)〜(3)を満足する固体材料から成る光学部材を用いたことの特徴について説明する。
まず、高分散より成る光学材料を用いたときの光学系の収差補正に及ぼす作用について説明する。
屈折レンズの面の屈折力変化をΔψ、材料のアッベ数をν、近軸軸上光線及び瞳近軸光線がレンズ面を通過する光軸からの高さをそれぞれh、Hとすると、そのレンズ面での軸上色収差係数の変化ΔLと倍率色収差係数の変化ΔTは、次のように表せる。
ΔL=h・Δψ/ν ・・・・・(a)
ΔT=h・H・Δψ/ν ・・・・・(b)
式(a)及び式(b)から明らかなとおり、レンズ面の屈折力変化Δψに対する各収差係数ΔL、ΔTの変化は、アッベ数νの絶対値が小さい(すなわち、分散が大きい)ほど大きくなる。したがって、アッベ数νの絶対値が小さい高分散材料を用いれば、必要な色収差を得るための屈折力変化量Δψは小さくて済むことになる。このことは収差論上、球面収差、コマ収差や非点収差などに大きな影響を及ぼすことなく色収差をコントロールでき、色収差補正の独立性が高まることを意味する。
逆に、低分散材料を用いると、必要な色収差を得るための屈折力変化量ψは大きくなり、それに伴って球面収差などの諸収差が大きく変化し、色収差補正の独立性が弱まることになる。したがって、光学系を構成するレンズの内、少なくとも1つのレンズ面は、高分散材料で形成された屈折レンズ面であることが収差補正上重要である。
次に、高分散であることを踏まえ、低部分分散比の光学材料が、光学系の収差補正に及ぼす作用について説明する。
光学材料の屈折率の波長依存特性(分散特性)において、アッベ数は分散特性曲線の全体の傾きを表し、部分分散比は分散特性曲線の曲がり具合を表すものであることは周知のとおりである。
一般的に光学材料は、短波長側の屈折率が長波長側の屈折率よりも高く(アッベ数が正の値)、分散特性曲線は下に凸(部分分散比が正の値)を描き、短波長側になるほど波長の変化に対する屈折率の変化は大きくなる。そして、アッベ数の小さい高分散な光学材料ほど部分分散比が大きくなり、分散特性曲線は下に凸が強まる傾向にある。
部分分散比が大きな光学材料では、その材料を用いたレンズ面の色収差係数の波長依存特性曲線は、部分分散比が小さな光学材料を用いた場合に比べて短波長側でより大きな曲がりを示す。このとき、色収差をコントロールするためにレンズ面の屈折力を変化させると、色収差係数波長特性曲線は、設計基準波長の位置を回転中心として全体の傾きが変化する。この変化は、部分分散比が大きい材料では部分分散比が小さい材料に比べて、特に短波長側の動きが大きくなり、大きく曲がり量を変化させながら全体の傾きが変化することになる。そのため、他の屈折系部分の材料を変更しても色収差係数波長依存特性曲線において全体の傾きと曲がりの双方でキャンセルする構成とすることが難しくなり、波長域全体で色収差を補正することができなくなってくる。
このことを、条件式(1)〜(3)を満足する高分散材料を用いた屈折光学系部分(屈折光学素子)GITとそれ以外の条件式(1)〜(3)を満足しない屈折光学系部分(屈折光学素子)Gから構成される光学系での色消しを例にして詳しく説明する。
高分散な光学材料を用いた色消しを行った光学系では、屈折光学系部分GITと屈折光学系部分Gとの間で、比較的大きな色収差係数同士をキャンセルして全系の色収差を補正している。このため、まず屈折光学系部分Gが部分系としてある程度色収差が補正された状態から、屈折光学系部分Gを構成する正レンズ(正の屈折力のレンズ)の材料を比較的高分散寄りに選択すると共に、負レンズ(負の屈折力のレンズ)の材料を比較的低分散よりに選択する。
そうすると、屈折光学系部分Gの色収差係数波長依存特性曲線は、もとの状態よりも線形性を増しながら全体の傾きが変化する。
この状態で、屈折光学系部分GITに適当な屈折力を与えて、屈折光学系部分Gの色収差波長依存特性曲線全体の傾きをキャンセルさせる。ところが、屈折光学系部分GITを部分分散比の大きな光学材料で構成している場合、屈折光学系部分GITは、屈折光学系部分Gの収差係数波長依存特性曲線の曲がりよりも逆方向に大きな曲がりを持つため、全体の傾き成分はキャンセルできても、曲がり成分をキャンセルすることができない結果となる。
これに対し、屈折光学系部分GITを部分分散比の小さな光学材料で構成している場合は、屈折光学系部分GITの色収差係数波長依存特性曲線が比較的直線性を示すので、色収差をコントロールするために屈折力を変化させても、比較的直線性を維持したまま、設計波長の位置を回転中心として傾きを変化させることができる。したがって、屈折光学系部分GITと屈折光学系部分Bとで、比較的容易に色収差係数波長依存特性曲線の傾き成分と曲がり成分を同時にキャンセルすることができる。
つまり、屈折光学系部分GITとしては、高分散であると同時に、部分分散比が小さな光学材料であることも重要である。本発明の光学系で用いる屈折光学素子は、条件式(1)、(2)及び(3)を満足するものであり、これは、上で説明した原理に基づいて色収差を良好に補正するためのアッベ数と部分分散比の関係を表したものである。
前述したアッベ数νは、屈折光学系部部分(レンズ又は層)GITのアッベ数である。
また、前述した部分分散比θgd、θgFは屈折光学系部分(レンズ又は層)GITの部分分散比である。
光学系に用いる屈折光学素子の材料が、上記(1)〜(3)式で示したいずれかの条件式をはずれても、光学系全体の色収差を良好に補正することが困難となるので良くない。
なお、条件式(1)の数値範囲は、以下に示す範囲とすると、更に色収差の独立補正効果が高まり、良好な光学性能が得られる。
ν<20 ・・・・・(1a)
更に望ましくは、以下に示す範囲とするのが良い。
ν<18 ・・・・・(1b)
更に望ましくは、以下に示す範囲とするのが良い。
ν<16 ・・・・・(1c)
更に望ましくは、以下に示す範囲とするのが良い。
ν<14 ・・・・・(1d)
条件式(2)及び(3)の数値範囲は、条件式(1)、(1a)、(1b)、(1c)又は(1d)を満足した上で、以下に示す範囲とすると、更に良好な光学性能が得られる。
すなわち、
θgd<−3.333×10−3・ν+1.30 ・・・・・(2a)
θgF<−2.615×10−3・ν+0.59 ・・・・・(3a)
更に望ましくは、以下に示す範囲とするのが良い。
θgd<−3.333×10−3・ν+1.25 ・・・・・(2b)
θgF<−2.615×10−3・ν+0.56 ・・・・・(3b)
更に望ましくは、以下に示す範囲とするのが良い。
θgd<−3.333×10−3・ν+1.2375 ・・・・・(2c)
θgF<−2.615×10−3・ν+0.55 ・・・・・(3c)
更に望ましくは、以下に示す範囲とするのが良い。
θgd<1.1137 ・・・・・(2d)
θgF<0.47 ・・・・・(3d)
以上、光学系に用いる屈折光学素子GITを形成する光学材料が満足すべき条件について述べた。
次に、テレフォトタイプの光学系の色収差を補正するために有効な、屈折光学素子GITに与えるべき条件について図1を用いて説明する。
まず、屈折光学素子GITを導入する前の光学系について考える。前群Gpと後群Gnについて軸上色収差係数L(λ)及び倍率色の収差係数T(λ)の式を立てると、
となる。但し、
νGpi(λ)={NGpi(λ)−1}/{NGpi(λ)−NGpi(λ)}
νGni(λ)={NGnj(λ)−1}/{NGnj(λ)−NGnj(λ)}
ここに、
φGpi:前群Gpを構成する、各薄肉単レンズの屈折力
φGni:後群Gnを構成する、各薄肉単レンズの屈折力
νGpi:前群Gpを構成する、各薄肉単レンズのアッべ数
νGni:後群Gnを構成する、各薄肉単レンズのアッべ数
Gp:前群Gpへ入射する近軸軸上光線の高さ
Gn:後群Gnへ入射する近軸軸上光線の高さ
Gp:前群Gpへ入射する瞳近軸光線の高さ
Gn:後群Gnへ入射する瞳近軸光線の高さ
Gpi:前群Gpを構成する、各薄肉単レンズの屈折率
Gnj:後群Gnを構成する、各薄肉単レンズの屈折率
λ:任意波長
λ:設計波長
である。
通常テレフォトタイプの光学系では、式(c)の軸上色収差係数L(λ)の波長依存特性において、第1項の前群Gpの軸上色収差係数の波長依存特性は、全体の傾きが負で、上に比較的強い凸の傾向を示し、第2項の後群Gnの軸上色収差係数の波長依存特性は、全体の傾きが正で、下に凸の傾向を示し、結果的に全系として前群Gpの特性がやや残り、全体の傾きが負で、上に凸の軸上色収差係数波長依存特性を示す。
次に、この状態から、軸上色収差を補正する為の屈折光学素子GITの符号と光学系中への導入位置について説明する。
φGIT(λ):屈折光学素子の屈折力
GIT(λ):屈折光学素子へ入射する近軸軸上光線の高さ
とし、導入する屈折光学素子GITの軸上色収差係数LGIT(λ)を、
GIT(λ)=hGIT (λ)φGIT(λ)/νGIT(λ) ・・・・(e)
とする。但し、
νGIT(λ)={NGIT(λ)−1}/{NGIT(λ)−NGIT(λ)}
である。
(e)式において、1/νGIT(λ)には、屈折光学素子GITの材料の分散特性NGIT(λ)の傾きと曲がり成分の傾向がそのまま反映されるので、屈折光学素子GITの軸上色収差係数の波長依存特性は、φGIT(λ)>0で、全体の傾きが負で、下に緩い凸の曲線となり、φGIT(λ)<0で、全体の傾きが正で、上に緩い凸の曲線となる。
従って、(c)式の軸上色収差係数の波長依存特性曲線の全体の傾き成分をキャンセルする為には、φGIT(λ)<0が必要となる。このとき、曲がり成分に関しては助長する方向となるが、前群Gpを構成する正レンズの材料を高分散寄り(分散特性の曲がりが大きい)硝材、負レンズの材料を低分散寄り(分散特性の曲がりが小さい)硝材とすることにより、屈折光学素子GITを除いた全系の軸上色収差の波長依存特性曲線を大きな負の傾きを持った下に凸の曲線とすることで解決できる。
硝材の変更で大きくずれた全体の傾きは、再度屈折光学素子GITの屈折力φGIT(λ)を負の方向へ変位させれば良く、結果的に全体の傾き成分と曲がり成分の双方で良好に補正された軸上色収差係数の波長依存特性が得られることになる。
屈折光学素子GITの光学系中への導入位置に関しては、hGp>hGnよりhGp >>hGn であるから、屈折光学素子GITが比較的小さな屈折力となり、かつ、色収差補正時の屈折力の変位量が比較的小さくて済む前群Gpが良く、色収差の独立補正性が高まると共に、屈折光学素子GITに比較的線形性の高い軸上色収差係数の波長依存特性曲線を与えることができる。つまり、色収差補正時を含め屈折光学素子GITが助長する軸上色収差係数の波長依存特性曲線の上に凸の曲がり成分を減らすことが可能となり、屈折光学素子GITを除いた全系の軸上色収差の波長依存特性曲線に大きな負の傾きを与えることなく、比較的容易に下に凸の曲線とすることができる。
以上、軸上色収差の補正について説明した。
次に倍率色収差の補正について説明する。
通常テレフォトタイプの光学系では、式(d)の倍率色収差係数の波長依存特性T(λ)において、第1項の前群Gpの倍率色収差係数の波長依存特性は、全体の傾きが正で、下に比較的強い凸の傾向を示し、第2項の後群Gnの倍率色収差係数の波長依存特性は、全体の傾きが負で、上に凸の傾向を示し、結果的に全系として前群Gpの特性がやや残り、全体の傾きが正で、下に凸の倍率色収差係数の波長依存特性を示す。
前述の軸上色収差補正のために前群Gpに導入された屈折光学素子GITの倍率色収差係数TGIT(λ)は、
GIT(λ)=hGp(λ)HGp(λ)φGIT(λ)/νGIT(λ) ・・・(f)
である。
(f)式において、1/νGIT(λ)には屈折光学素子GITの分散特性NGIT(λ)の傾きと曲がり成分の傾向がそのまま反映されるので、hGp(λ)>0、HGp(λ)<0より屈折光学素子GITの倍率色収差係数の波長依存特性は、φGIT(λ)<0で、全体の傾きが負で、下に緩い凸の曲線となり、(d)式の倍率色収差係数の波長依存特性曲線の全体の傾き成分もキャンセルすることができる。このとき、曲がり成分に関しては助長する方向となるが、前述の軸上色収差の補正に際し、前群Gpを構成する正レンズの材料を高分散寄り(分散特性の曲がりが大きい)硝材、負レンズの材料を低分散寄り(分散特性の曲がりが小さい)硝材としたことより、屈折光学素子GITを除いた全系の倍率色収差波長依存特性曲線は、大きな正の傾きを持った上に凸の曲線となり、曲がり成分も同時にキャンセルされることになる。硝材の変更で大きくずれた全体の傾きも、前述の軸上色収差の補正に際し、再度屈折光学素子GITの屈折力φGIT(λ)を負の方向へ変位させたことで補正される。
以上、屈折光学素子GITに負の屈折力を与え、正の屈折力の前群Gpに導入することで、軸上色収差と倍率色収差を同時に補正できることを説明した。
次に、倍率色収差の補正に特化した際の屈折光学素子GITの符号と光学系中への導入位置について考える。
後群Gnに屈折光学素子GITを導入した場合の屈折光学素子GITの軸上色収差係数
GIT(λ)と倍率色収差係数TGIT(λ)は、
GIT(λ)=hGn (λ)φGIT(λ)/νGIT(λ) ・・・・・(g)
GIT(λ)=hGn(λ)HGn(λ)φGIT(λ)/νGIT(λ) ・・・(h)
となる。
ここで、テレフォトタイプの光学系では、図1に示すように
0<hGn(λ)<HGn(λ
であるから、
0<hGn (λ)<hGn(λ)HGn(λ
である。つまり、テレフォトタイプの光学系の後群Gnに屈折光学素子GITを導入した場合は、軸上色収差よりも倍率色収差への寄与が大きい。従って、(h)式において1/νGIT(λ)には屈折光学素子GITの分散特性NGIT(λ)の傾きと曲がり成分の傾向がそのまま反映されるので、後群Gnに用いるときは、φGITをφGIT(λ)>0とすることで、全体の傾きが負で、下に凸の倍率色収差係数の波長依存特性曲線を与えることができ、軸上色収差へ比較的影響を与えずに、全系の倍率色収差係数の波長依存特性曲線の全体の傾き成分をキャンセルできる。このとき、曲がり成分の補正に関しては、前述と同様に、前群Gpを構成する硝材の選択で容易に解決できる。
以上、テレフォトタイプの光学系の色収差を補正するために必要な、屈折光学素子GITに与えるべき条件について説明した。
以上のように本発明の光学系では、光軸Laと瞳近軸光線Rの交わる点をPとしたとき、点Pより拡大側で近軸軸上光線Qがレンズ面を通過する光軸からの高さの最大値hGPmaxが、点Pより縮小側で近軸軸上光線Qがレンズ面を通過する光軸からの高さの最大値hGnmaxよりも大きい光学系において、屈折光学素子GITを前記点Pより拡大側に配置した場合は、屈折光学素子GITに負の屈折力を与え、屈折光学素子GITを点Pより縮小側に配置した場合は、屈折光学素子GITに正の屈折力を与えている。
屈折光学素子GITを点Pより拡大側に配置した場合、屈折光学素子GITに与える屈折力は、次の数値範囲とするのが良く、色収差と球面収差などの諸収差をバランスさせ、良好な光学性能が得られる。即ち、
−2<ψGIT1/ψ<0 ・・・・・(4a)
但し、
ψGIT1:点Pより拡大側に配置されたGITの2つ屈折面が共に空気に面するとし、
厚肉単レンズとして求めた設計波長における屈折力
ψ:光学系全系の設計波長における屈折力
である。
そして、屈折光学素子GITを点Pより縮小側に配置した場合、屈折光学素子GITに与える屈折力は、次の数値範囲とするのが良く、色収差と球面収差などの諸収差をバランスさせ、良好な光学性能が得られる。即ち、
0<ψGIT2/ψ<4 ・・・・・(5a)
但し、
ψGIT2:点Pより縮小側に配置された屈折光学素子GITの2つ屈折面が共に空気
に面するとし、厚肉単レンズとして求めた設計波長における屈折力
である。条件式(4a)は、更に望ましくは、次の数値範囲とするのが良い。即ち、
−0.5<ψGIT1/ψ<0 ・・・・・(4b)
また、条件式(5a)は、更に望ましくは、次の数値範囲とするのが良い。即ち、
0<ψGIT2/ψ<1 ・・・・・(5b)
次に、屈折光学素子GITの材料の具体例について述べる。
条件式(1)〜(3)を満足する固体材料(光学材料)の具体例の1つとしては、下記の無機酸化物微粒子を合成樹脂中に分散させた混合体がある。無機酸化物としては、TiO(nd=2.2652、νd=11.8)、Nb(nd=2.367、ν=14.0)、ITO(nd=1.8581、ν=5.53)、Cr(nd=2.2178、ν=13.4)、BaTiO(nd=2.4362、ν=11.3)等が使用可能である。
この中でも、ITO(Indium-Tin Oxide)は他の物質と比較して、特に小さなアッベ数を示すので好ましい。ITOは、通常の物質と異なり導電性によるフリーキャリアが屈折率に影響を与えている。ITOの屈折率分散特性(図6(c))は、通常の電子遷移による短波長域での屈折率の変化屈折率分散(図6(a))に、フリーキャリアによる赤外域の屈折率分散(図6(b))が加わって形成される。このことによりアッベ数νが5.53という異常に大きな傾きを持った分散特性波長依存性を示す。
また、電子遷移による屈折率分散(図6(a))は、可視域においては短波長側で急激に変化する。それに対し、フリーキャリアによる屈折率分散(図6(b))は、可視域においては長波長側でその変化が急激となる。その二つの影響が組み合わさることにより、部分分散比は通常に較べ小さなものとなる。
なお、透明でフリーキャリアの影響が予想される材料として、SnO及びATO(アンチモンをドーピングしたSnO)及びZnO等もその候補として挙げられる。
ITOは透明電極を構成する材料として知られており、通常、液晶表示素子、EL(Electroluminescent)素子等に用いられている。また、他の用途として赤外線遮蔽素子、紫外線遮断素子に用いられている。従来知られたITOの用途では、厚みが50〜500nmの範囲に限られ、微粒子の混合体として光学系の色収差補正用の光学部材に用いた例は存在しない。
ITO微粒子の平均径は、散乱などの影響を考えると2nm〜50nm程度がよく、凝集を抑えるために分散剤などを添加しても良い。
ITOを分散させる媒体材料としては、モノマーが良く、成形型等を用いて光重合成形または熱重合成形することにより高い量産性を得ることができる。
また、モノマーの光学定数の特性としても、アッベ数が比較的小さいモノマーか部分分散比が比較的小さいモノマー、あるいは、両者を満たすモノマーが良く、N−ポリビニルカルバゾール、スチレン、ポリメタクリル酸メチル(アクリル)などが挙げられる。後述する実施例ではITO微粒子を分散させる媒体材料としてアクリルを用いているが、これに限定するものではない。
ナノ微粒子を分散させた混合体の分散特性N(λ)は、良く知られたDrudeの式から導きだされた次式によって簡単に計算することができる。即ち、
N(λ)=[1+V{NITO (λ)−1}+(1−V){N (λ)−1}]1/2 ・・・(c)
である。
ここで、λは任意の波長、NITOはITOの屈折率、Nはポリマーの屈折率、Vはポリマー体積に対するITO微粒子の総体積の分率である。
本発明の光学系では、条件式(1)〜(3)を満足する材料より成る光学部材を光学系中のレンズやレンズ表面に設けられた層に適用している。そして、この材料で構成された屈折面を非球面とすれば、色の球面収差などの色収差フレアを更に良好に補正することができる。また、この材料と空気などの雰囲気とで界面を形成したり、比較的低屈折率な材料とで界面を形成したりすれば、界面の僅かな曲率変化で色収差を比較的大きく変化させることができるため好ましい。
次に条件式(1)〜(3)を満足する材料より成る屈折光学素子を具体的に光学系に応用した実施例について説明する。ここでは、条件式(1)〜(3)を満足する材料として、ITO微粒子分散材料を用いている。
図2は数値実施例1の光学系OLの断面図である。数値実施例1は、焦点距離400mmのテレフォトタイプの光学系にITO微粒子の混合体を用いた例である。
図2において、GIT1は、ITOで形成した屈折光学素子としてのレンズ(層)である。SPは開口絞りである。図3は数値実施例1の光学系の無限遠物体に合焦した状態での収差図である。収差図において、dはd線、gはg線、S.C.は正弦条件、ΔMはメリディオナル像面、ΔSはサジタル像面、倍率色収差はg線によって表わしている。図2において、左側が物体側(拡大側、前方)、右側が像側(縮小側、後方)であり、これは他の数値実施例でも同様である。
数値実施例1の光学系では、近軸軸上光線Qの光軸Laからの通過位置が比較的高くなる物体側にITOを用いた屈折光学素子GIT1を導入している。そして、ITOで形成されたレンズ(層)GIT1に負の屈折力を与え、主に軸上色収差を補正することにより、望遠比0.595と非常にコンパクトなテレフォトタイプの光学系を実現している。
図4は数値実施例2の光学系OLの断面図である。数値実施例2は、焦点距離400mmのテレフォトタイプの光学系にITO微粒子の混合体を用いた例である。図4において、GIT1、GIT2はITOで形成した屈折光学素子としてのレンズ(層)である。SPは開口絞りである。図5は数値実施例2の光学系の無限遠物体に合焦した状態での収差図である。
数値実施例2の光学系では、近軸軸上光線Qの光軸Laからの通過位置が比較的高くなる物体側に屈折光学素子GIT1を導入している。又、近軸軸上光線Qの通過位置が比較的低く、かつ瞳近軸光線Pの通過位置が比較的高くなる絞りSPより像側に屈折光学素子GIT2を導入している。そして、ITOで形成されたレンズ(層)GIT1を負の屈折力とし、レンズ(層)GIT2を正の屈折力として、軸上色収差と倍率色収差を良好に補正することにより、望遠比0.573と非常にコンパクトなテレフォトタイプの光学系を実現している。
以下、数値実施例1、2の具体的な数値データを示す。各数値実施例において、iは物体側から数えた順序を示し、Riは第i番目の光学面(第i面)の曲率半径、Diは第i面と第(i+1)面との間の軸上間隔、Ni、νiはそれぞれd線に対する第i番目(ITO微粒子分散材料以外の材料で形成されたレンズ(層)は除く)の光学部材の材料の屈折率、アッベ数を示す。ITOで形成されたレンズGITjのd線に対する屈折率、アッベ数は別途NGITj、νGITj、(j=1,2,・・・)で示している。fは焦点距離、FnoはFナンバー、ωは半画角である。
また、非球面形状は、Xを光軸方向の面頂点からの変位量、hを光軸と垂直な方向の光軸からの高さ、rを近軸曲率半径、kを円錐定数、B、C、D、E…を各次数の非球面係数とするとき、
で表す。なお、各非球面係数における「E±XX」は「×10±XX」を意味している。
各数値実施例の最も像側の平面(曲率半径∞の面)は、差込フィルターや、光学的ローパスフィルター、赤外カットフィルター等の光学ブロックに相当するものである。
各数値実施例ともITOは、体積分率は20%でアクリル(PMMA)に分散された状態で用いている。ITOとアクリルの混合体の屈折率は、前述の(c)式を用いて計算した値を用いて算出しており、ITO単体とアクリル単体およびアクリルに対するITO微粒子の体積混合比率20%とした混合体のd線、g線、C線及びF線に対する屈折率及びアッベ数、部分分散比を表1に示す。また、各数値実施例の条件式(4a),(5a)に対する数値を表2に示す。
なお、本実施例は単焦点の望遠レンズであるが、光軸と瞳近軸光線の交わる点Pに対して、点Pより拡大側で近軸軸上光線がレンズ面を通過する光軸からの高さの最大値が、点Pより縮小側で近軸軸上光線がレンズ面を通過する光軸からの高さの最大値よりも大きい光学系あれば、単焦点の光学系に限定するものでなく、ズームレンズであっても良い。特に、点Pより拡大側にITOより成る屈折光学素子を設ける場合は、単焦点の光学系であってもズームレンズであっても、光軸から測った近軸軸上光線の通過位置が最も高くなるレンズ群に設けるのが良い。
なお、本発明の光学系は、デジタルカメラやビデオカメラ等の撮像装置の他に望遠鏡や双眼鏡等の観察光学系、プロジェクター、半導体製造装置に用いられる撮影光学系等の撮影装置、複写機等の画像読取装置等に用いられる光学系にも同様に適用することができる。
本発明の光学系の光学作用を説明する為の近軸配置概略図である。 数値実施例1の光学系の光学系断面図である。 数値実施例1の光学系の無限遠物体合焦状態での収差図である。 数値実施例2の光学系の光学系断面図である。 数値実施例2の光学系の無限遠物体合焦状態の収差図である。 ITOの分散特性の特徴を説明する概略図である。
符号の説明
OL 光学系
Gp 前群
Gn 後群
GIT1、GIT2 屈折光学素子
SP 絞り
IP 像面
d d線
g g線
S.C. 正弦条件
ΔM d線に対するメリディオナル像面
ΔS d線に対するサジタル像面

Claims (13)

  1. 光軸と瞳近軸光線の交わる点をPとするとき、点Pより拡大側で近軸軸上光線がレンズ面を通過する光軸からの高さの最大値が、点Pより縮小側で近軸軸上光線がレンズ面を通過する光軸からの高さの最大値よりも大きい光学系において、
    g線、d線、F線、C線に対する材料の屈折率をそれぞれN、N、N、Nとし、
    ν=(N−1)/(N−N
    θgd=(N−N)/(N−N
    θgF=(N−N)/(N−N
    とおくとき、
    ν<30
    θgd<−3.333×10−3・ν+1.40
    θgF<−2.615×10−3・ν+0.67
    を満足する固体材料から形成される屈折光学素子GITであって、該屈折光学素子GITの屈折力を拡大側と縮小側の2つの屈折面が共に空気に面するとしたときの屈折力の合成とするとき、
    点Pより拡大側に負の屈折力の1以上の屈折光学素子又は/及び点Pより縮小側に正の屈折力の1以上の屈折光学素子が設けられていることを特徴とする光学系。
  2. 前記屈折光学素子GITは、前記点Pよりも拡大側に設けられており、該屈折光学素子GITの屈折力をψGIT1、前記光学系全系の屈折力をψとするとき、
    −2<ψGIT1<0
    の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  3. 前記屈折光学素子GITは、前記点Pよりも縮小側に設けられており、該屈折光学素子GITの屈折力をψGIT2、前記光学系全体の屈折力をψとするとき、
    0<ψGIT2/ψ<4
    の条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
  4. レンズ全長が焦点距離よりも短い光学系であって、g線、d線、F線、C線に対する屈折率をそれぞれN、N、N、Nとし、
    ν=(N−1)/(N−N
    θgd=(N−N)/(N−N
    θgF=(N−N)/(N−N
    とおくとき、
    ν<30
    θgd<−3.333×10−3・ν+1.40
    θgF<−2.615×10−3・ν+0.67
    を満足する固体材料から形成される少なくとも1つの屈折光学素子GITを有していることを特徴とする光学系。
  5. 光軸と瞳近軸光線の交わる点をPとするとき、点Pより拡大側に負の屈折力の屈折光学素子又は/及び点Pより縮小側に正の屈折力の屈折光学素子が設けられていることを特徴とする請求項4の光学系。
  6. 光軸と瞳近軸光線の交わる点をPとするとき、前記屈折光学素子GITは、前記点Pよりも拡大側に設けられており、該屈折光学素子GITの屈折力をψGIT1、前記光学系全系の屈折力をψとするとき、
    −2<ψGIT1<0
    の条件式を満足することを特徴とする請求項4の光学系。
  7. 光軸と瞳近軸光線の交わる点をPとするとき、前記屈折光学素子GITは、前記点Pよりも縮小側に設けられており、該屈折光学素子GITの屈折力をψGIT2、前記光学系全体の屈折力をψとするとき、
    0<ψGIT2/ψ<4
    の条件式を満足することを特徴とする請求項4又は6の光学系。
  8. 前記固体材料は、無機微粒子を透明媒体に分散させた混合体からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学系。
  9. 前記無機微粒子は、Indium-Tin Oxide(ITO)微粒子であることを特徴とする請求項8に記載の光学系。
  10. 前記固体材料は、成形型を用いて光重合成形または熱重合成形されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学系。
  11. 前記屈折光学素子の少なくとも1つは、拡大側と縮小側の2つの屈折面のうち、少なくとも一方の屈折面が非球面であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学系。
  12. 前記屈折光学系の少なくとも1つは、拡大側と縮小側の2つの屈折面のうち、少なくとも一方の屈折面は空気に面することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の光学系。
  13. 請求項1から12のいずれか1項の光学系を備えていることを特徴とする光学機器。
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