JP2012102592A - 床構造 - Google Patents

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Hiroki Hamaguchi
弘樹 濱口
Masafumi Yamamoto
雅史 山本
Harumi Yoneda
春美 米田
Katsuto Ohata
勝人 大畑
Chisako Hamabe
千佐子 浜辺
Masanori Imazeki
正典 今関
Mutsuhiro Kazama
睦広 風間
Yuji Shiga
裕二 志賀
Hirosuke Iwamoto
浩祐 岩本
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Abstract

【課題】上下免震装置が負担する床部の水平力を低減する又は無くすことができる床構造を提供する。
【解決手段】梁22の下部に設けられた床スラブ30の上方に配置され、上下免震装置48に支持された床部32と、梁22の側面と床部32の側面との間に設けられた力伝達機構34とを有する床構造28により、上下免震装置48が負担する床部32の水平力を低減する又は無くすことができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、上下免震床を有する床構造に関する。
一般的な上下免震床は、空気ばね等の上下免震装置を介して床スラブ上に支持され、上下振動に対して長周期化が図られている。上下免震装置は、ある程度の水平抵抗力を有しており、また、上下免震床が備えられている建物自体を水平免震したり、上下免震床を3次元免震したりする事により、地震時において過度な水平力が上下免震床へ伝わらないようにしていることが多いので、上下免震床に発生する水平慣性力によって上下免震装置が損傷することは、ほぼないものと考えられている。
しかし、近年において、上下免震床が負担する鉛直荷重は大きくなる傾向にあり、これに伴って地震時における上下免震床の水平慣性力も大きくなるので、上下免震装置の有する水平抵抗力だけで上下免震装置の損傷を十分に防ぐことが難しくなってきている。
特許文献1には、下部構造物上に上部構造物を支持する鉛直免震装置と水平免震装置とを、剛性部材によって独立して機能させる3次元免震装置が開示されている。
特開平6−294240号公報
本発明は係る事実を考慮し、上下免震装置が負担する床部の水平力を低減する又は無くすことができる床構造を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、梁の下部に設けられた床スラブと、前記床スラブの上方に配置された床部と、前記床スラブに対して上下移動可能に前記床部を支持する上下免震装置と、前記梁の側面と前記床部の側面との間に設けられ、前記床部に作用する水平力を前記梁に伝達する力伝達機構と、を有する床構造である。
請求項1に記載の発明では、梁の下部に設けられた床スラブの上方に、上下免震装置に支持された床部が配置されている。そして、梁の側面と床部の側面との間に力伝達機構が設けられている。
よって、床部に作用する水平力は力伝達機構によって梁に伝達されるので、上下免震装置が負担する床部の水平力を低減する又は無くすことができる。これによって、地震時において床部に発生する水平慣性力により上下免震装置が損傷するのを防ぐことができる。
請求項2に記載の発明は、前記力伝達機構は、前記床部の側面又は前記梁の側面に設けられた力伝達部材と、前記梁の側面又は前記床部の側面に設けられ、前記力伝達部材を上下移動可能に収容する縦溝が形成されたガイド部材と、を有する。
請求項2に記載の発明では、梁の側面又は床部の側面に、床部の側面又は梁の側面に設けられた力伝達部材を上下移動可能に収容するガイド部材が設けられているので、地震時に発生する、梁の材軸方向に対する揺れと、梁の材軸方向に直交する横方向に対する揺れとに対して、上下免震装置が負担する床部の水平力を低減する又は無くすことができる。
請求項3に記載の発明は、前記床部は、床材と、前記床材が載置され前記力伝達部材又は前記ガイド部材が両端に設けられる複数の床梁と、を有する。
請求項3に記載の発明では、床部が有する床材が載置される床梁の両端に力伝達部材又はガイド部材が設けられているので、床部に発生する水平力を、床梁を介して確実に梁に伝達することができる。
請求項4に記載の発明は、前記梁はトラス梁であり、該トラス梁の下弦材に前記床スラブが設けられている。
請求項4に記載の発明では、梁をトラス梁とすることにより、このトラス梁から十分な反力を得ることができる。
本発明は上記構成としたので、上下免震装置が負担する床部の水平力を低減する又は無くすことができる床構造を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る免震建物を示す立面図である。 本発明の第1の実施形態に係る床構造を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る力伝達機構を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る力伝達機構を示す側面図である。 図4のA−A矢視図である。 本発明の第1の実施形態に係る床構造を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る力伝達機構を示す側面図である。 本発明の第3の実施形態に係る力伝達機構を示す側面図である。
図面を参照しながら、本発明の床構造を説明する。なお、本実施形態では、トラス梁を用いた建物に本発明を適用した例を示すが、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、CFT造(Concrete-Filled Steel Tube:充填形鋼管コンクリート構造)、それらの混合構造など、さまざまな構造や規模の建物に対して適用することができる。
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1の立面図に示すように、第1の実施形態の免震建物10では、地盤12に構築された基礎14の上に、多数のコンピュータサーバーと回線を備えてデータセンターとして機能する建物16が建てられている。建物16は、高減衰積層ゴム支承18によって基礎14の上に水平免震支持されている。
建物16に立設された躯体柱20の間には、梁としてのトラス梁22が複数架設され、複数の階層を形成している。トラス梁22の上端部には上弦材としてのH形鋼24が設けられ、下端部には下弦材としてのH形鋼26が設けられている。
図2の側面図に示すように、床構造28は、床スラブ30、床部32及び力伝達機構34を有している。床スラブ30は、端部がH形鋼26のフランジ上面に載置されている。すなわち、トラス梁22の下部に床スラブ30が設けられている。床スラブ30は、H形鋼26に端部で支持されると共に、H形鋼26に端部が固定された小梁としてのH形鋼36に支持されている。
床部32は、床面を構成する床材38と、枕材としてのC形鋼40を介して床材38が載置される複数の床梁としてのH形鋼42とを有している。床材38の上面には、コンピュータサーバーが収納されたラック44が載置されている。
床スラブ30の上には支持台46が設置され、この支持台46の上に設置された上下免震装置としての空気ばね48にH形鋼42が支持されている。すなわち、床部32は、床スラブ30の上方に配置され、空気ばね48により、床スラブ30に対して上下移動可能に支持されている。支持台46の上端面とH形鋼42の下面との間には、減衰装置としてのオイルダンパー50が備えられている。
図3の斜視図、図4の側面図、及び図4のA−A矢視図である図5に示すように、力伝達機構34は、トラス梁22の側面と床部32の側面との間に設けられ、床部32に作用する水平力をトラス梁22に伝達する。力伝達機構34は、H形鋼42の両端面に固定された力伝達部材52と、H形鋼24の側面に固定された鋼板54に取り付けられたガイド部材56とを有する。
力伝達部材52及びガイド部材56は、四角柱状に形成された鋼製の部材であり、ガイド部材56には、力伝達部材52を上下移動可能に収容する縦溝58が形成されている。図5に示すように、縦溝58の奥壁内面58Aと力伝達部材52の前面52A、及び縦溝58の側壁内面58B、58Cと力伝達部材52の側面52B、52Cとの間には隙間を有しておらず、ガイド部材56に対して力伝達部材52が滑らかに上下移動するように、これらの接触面の摩擦係数は小さくなっている。
図6の平面図に示すように、H形鋼42は、隣り合うH形鋼42同士が略平行になるように、平面視にて長方形状の床材38の長辺方向(以下、「方向60」とする)に対して等間隔に配置されている。そして、H形鋼42は、床材38の短辺方向(以下、「方向62」とする)に対して等間隔に配置された3つの空気ばね48によって支持されている。
また、方向60における、床材38の両端部付近に配置された2つのH形鋼42と、方向60における、床材38の中央部付近に配置された2つのH形鋼42との両端面に力伝達部材52が固定され、力伝達部材52に対向するようにしてH形鋼24の側面にガイド部材56が固定されている。すなわち、図6に示す床構造28には、8つの力伝達機構34が設けられている。
次に、本発明の第1の実施形態の作用及び効果について説明する。
図2に示すように、第1の実施形態の床構造28では、空気バネ48により床部32を上下免震することができ、また、オイルダンパー50により床部32に生じる上下振動を減衰することができる。
また、図1、5に示すように、床部32に作用する水平力は、H形鋼42、力伝達部材52、ガイド部材56、トラス梁22(H形鋼24)、躯体柱20の順に伝達される。すなわち、床部32に作用する水平力は、力伝達機構34(力伝達部材52、ガイド部材56)によってトラス梁22に伝達されるので、空気ばね48が負担する床部32の水平力を低減する又は無くすことができる。これにより、地震時において床部32に発生する水平慣性力によって空気ばね48が損傷するのを防ぐことができる。
空気ばね等の一般的な上下免震装置は、ある程度の水平抵抗力を有しており、また、上下免震装置に支持された床部が備えられている建物自体を水平免震したり、床部を3次元免震したりすることにより、地震時に過度な水平力が床部へ伝わらないようにしていることが多いので、床部に発生する水平慣性力によって上下免震装置が損傷することは、ほぼないものと考えられている。
しかし、近年においては、床部が負担する鉛直荷重は大きくなる傾向にある。例えば、データセンターにおいては、効率的運用ニーズ等に伴ってコンピュータサーバーは高度集積化されてきており、サーバーフロアを構成する床部の耐荷重(コンピュータサーバーが設置された床部が支持する荷重)は、従来の500kg/m程度から、1,000〜1,500kg/m程度にまで増加している。
このように床部が負担する鉛直荷重が大きくなると、地震時に発生する床部の水平慣性力も大きくなることが考えられ、上下免震装置の有する水平抵抗力だけで上下免震装置の損傷を十分に防ぐことが困難になる。例えば、コンピュータサーバーが設置される床部が負担する鉛直荷重の大きさが従来の2〜3倍程度になった場合、地震時において、この床部を支持する上下免震装置の損傷を十分に防ぐことは難しい。
これに対して、第1の実施形態の床構造28では、床部32に大きな水平慣性力が発生した場合においても、この床部32を支持する上下免震装置(空気ばね48)が損傷するのを防ぐことができる。
また、図5に示すように、力伝達機構34(力伝達部材52、ガイド部材56)は、床部32の横に設けられているので、床部32に発生する水平力を、力伝達部材52の圧縮伝達によりトラス梁22(H形鋼24)へ伝達できる。これにより、せん断抵抗や曲げ抵抗により水平力を伝達する機構よりも効率的に力を伝達できる。
また、図6に示すように、力伝達機構34は床部32に設ければよいので、上下免震装置ごとに力伝達機構を設けるよりも力伝達機構の数を減らすことができる。これにより、力伝達機構の設置手間を軽減することができ、床構造28を構築するための設備費を抑えることができる。
また、図6に示すように、地震時に床部32が方向62へ揺れる場合、側面視にてH形鋼42の左端面側又は右端面側に配置された4つの力伝達機構34により、床部32の水平移動が拘束され、床部32の水平力が圧縮抵抗によって力伝達部材52からガイド部材56へ伝達され、空気ばね48が負担する床部32の水平力を低減する又は無くすことができる。
また、地震時に床部32が方向60へ揺れる場合、側面視にてH形鋼42の左端面側及び右端面側に配置された8つの力伝達機構34により、床部32の水平移動が拘束され、床部32の水平力がガイド部材56の側壁部56B又は側壁部56C(図5を参照のこと)のせん断又は曲げ抵抗によって力伝達部材52からガイド部材56へ伝達され、空気ばね48が負担する床部32の水平慣性力を低減する又は無くすことができる。
すなわち、地震時に発生する、トラス梁22の材軸方向と直交する横方向(方向62)に対する揺れと、トラス梁22の材軸方向(方向60)に対する揺れとに対して、空気ばね48が負担する床部32の水平力を低減する又は無くすことができる。また、ガイド部材56に対して力伝達部材52が上下移動可能なので、空気ばね48による上下免震性能が、力伝達機構34によって阻害されない。
また、図1、2に示すように、建物の構成要素であるトラス梁22を、床部32に発生する水平力を建物16の躯体柱20に伝達する部材として兼用することができる。すなわち、床部32に発生する水平力を建物16の躯体柱20に伝達する部材を別途設けなくてもよい。
また、床下空間(床スラブ30の上面からH形鋼42の下面までの空間)の高さが高くなる(例えば、1.8m程度)と、床部32に発生する水平力に起因してトラス梁22の下端部に生じる曲げモーメントも大きくなるが、強固な構造のトラス梁22から十分な反力を得ることができる。すなわち、トラス梁22により、床部32に発生する水平力を建物16の躯体柱20に確実に伝達することができる。
また、図1に示すように、建物16は、高減衰積層ゴム支承18により基礎14の上に水平免震支持されているので、床スラブ30の上に床部32を上下免震支持するだけで、基礎14に対して床部32を3次元免震化(水平方向及び上下方向に対して免震)することができる。すなわち、床部32の3次元免震化において、床スラブ30の上に配置する免震装置の構成を簡単にできる。データセンターとして機能する建物に配置されるコンピュータサーバーには、地震時に稼働停止しないように高い耐震性が求められている。このため、コンピュータサーバーが設置される床部を3次元免震化するニーズも近年高くなっている。
また、図2に示すように、床スラブ30は、H形鋼36に支持されることによって面外剛性が付与されるので、床部32上に載置されたコンピュータサーバー等の重量物の荷重を床スラブ30によって確実に支持することができる。
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。
なお、第1の実施形態では、H形鋼42の端面に力伝達部材52を固定し、H形鋼24の側面にガイド部材56を固定した例を示したが、H形鋼42の端面にガイド部材56を固定し、H形鋼24の側面に力伝達部材52を固定してもよいし、H形鋼42の端面に力伝達部材52が固定された力伝達機構34と、H形鋼24の側面に力伝達部材52が固定された力伝達機構34とを組み合わせて用いてもよい。
また、第1の実施形態では、1つのH形鋼42を3つの空気バネ48によって支持する例を示したが、床部32を空気バネ48によって確実に支持できれば、空気バネ48は、どの平面位置に配置してもよいし、いくつ配置してもよい。
また、第1の実施形態では、縦溝58の奥壁内面58Aと力伝達部材52の前面52A、及び縦溝58の側壁内面58B、58Cと力伝達部材52の側面52B、52Cとの間に隙間を有さない例を示したが、空気ばね48が許容する(空気ばね48が損傷しない)、床スラブ30に対する床部32の水平移動量(以下、「許容水平移動量」とする)よりも小さい距離の長さであれば、これらの間に隙間を有していてもよい。すなわち、力伝達機構34は、床部32に発生する水平力が力伝達部材52とガイド部材56との間で常に伝達されるように構成してもよいし、床スラブ30に対する床部32の水平移動量が許容水平移動量になったときに、床部32に発生する水平力が力伝達部材52とガイド部材56との間で伝達されるように構成してもよいし、床スラブ30に対する床部32の水平移動量が許容水平移動量になる前に、床部32に発生する水平力が力伝達部材52とガイド部材56との間で伝達されるように構成してもよい。
また、第1の実施形態では、床スラブ30に設置された空気ばね48に床部32が支持されている例を示したが、床部32は、トラス梁22に設置された空気ばね48に支持されていてもよい。
また、第1の実施形態で示したH形鋼42の端面と力伝達部材52の背面52Dとの間に(図5を参照のこと)、空気ばね、コイルばね、板ばね等の付勢手段を設け、力伝達部材52の前面52Aをガイド部材56の奥壁内面58Aに押し付けて上下方向へ摩擦減衰を付与するようにしてもよい。このようにすれば、床部32に対する振動抑制装置(ダンパー)として力伝達機構34が常時働き、床材38上の人の歩行等に起因する揺れを低減することができる。この場合、力伝達部材52の前面52Aと、ガイド部材56の奥壁内面58Aとの間の摩擦抵抗が大きくなってしまうが、この摩擦抵抗の大きさは、地震時に床部32に作用する上下慣性力に比べて遥かに小さい力なので、問題とならない。
また、第1の実施形態で示した力伝達機構34を、力伝達部材としてのレールと、ガイド部材としてのキャリッジとにより構成されるリニアガイド機構としてもよい。リニアガイド機構では、レールがキャリッジに押し付けられるときに、床部32に発生する水平力をレールの圧縮抵抗によってレールとキャリッジとの間で伝達し、キャリッジからレールが離れようとするときに、床部32に発生する水平力をレールの引張抵抗によってレールとキャリッジとの間で伝達することができる。すなわち、リニアガイド機構は、床部32に発生する水平力を、レールの圧縮伝達及び引張伝達によりトラス梁22へ伝達できる。
また、第1の実施形態では、床材38の長辺に沿って力伝達機構34を配置した例を示したが、床材38の短辺に沿って力伝達機構34を配置してもよい。また、配置床材38の長辺と短辺との両方に沿って力伝達機構34を設けてもよい。この場合には、ガイド部材56の側壁部56B、56Cは無くてもよい。
また、第1の実施形態で示した、力伝達部材52の前面52A、及び側面52B、52Cと、ガイド部材56の奥壁内面58A、側壁内面58B、58Cとは、摺動し合えるものであればよい。摩擦抵抗が小さいものが好ましい。例えば、力伝達部材52の前面52A、及び側面52B、52Cを、ステンレス鋼板、フッ素系樹脂をコーティングした板材等により構成してもよいし、ガイド部材56の奥壁内面58A、側壁内面58B、58Cを、四フッ化エチレン(PTFE)、ポリアミド、ポリエチレン等により形成した板材により構成してもよい。
次に、本発明の第2の実施形態とその作用及び効果について説明する。
第2の実施形態の説明において、第1の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。
図7の側面図に示すように、第2の実施形態の床構造64では、トラス梁22の側面と、床材38の長辺側に位置する床部32の側面との間に、材軸が略水平になるように力伝達機構としての積層ゴム66が設けられている。
積層ゴム66の一端に設けられたフランジ68は、H形鋼24の側面に固定された鋼板70に取り付けられ、積層ゴム66の他端に設けられたフランジ72は、H形鋼42の端面に固定された鋼板74に取り付けられている。すなわち、床スラブ30に対して床部32(H形鋼42)が上下移動するときに、積層ゴム66がせん断変形する。
よって、床部32に作用する、床材38の短辺方向の水平力は、積層ゴム66の軸力としてトラス梁22に圧縮伝達されるので、空気ばね48が負担する床部32の水平力を低減する又は無くすことができる。また、積層ゴム66は、床スラブ30に対する床部32(H形鋼42)の上下移動をせん断変形により許容するので、空気ばね48による上下免震性能が積層ゴム66によって阻害されない。
以上、本発明の第2の実施形態について説明した。
なお、第2の実施形態では、床材38の長辺側に位置する床部32の側面に積層ゴム66を設けた例を示したが、床材38の短辺側に位置する床部32の側面に積層ゴム66を設けてもよい。この場合には、平面視にて、H形鋼42と略直交するようにしてH形鋼42と格子を形成するように孫梁を配置し、この孫梁の端面に積層ゴム66のフランジ72を固定すればよい。このようにすれば、床部32に作用する床材38の長辺方向の水平力に対する空気ばね48の負担を低減する又は無くすことができる。
また、床材38の長辺側に位置する床部32の側面と、床材38の短辺側に位置する床部32の側面との両方に積層ゴム66を設けてもよい。
また、第2の実施形態で示した積層ゴム66を高減衰積層ゴムや鉛入り積層ゴム等の減衰機能を有する積層ゴムにすれば、床部32に生じる上下方向の振動に対して減衰を付与することができる。
次に、本発明の第3の実施形態とその作用及び効果について説明する。
第3の実施形態の説明において、第1の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。
図8の側面図に示すように、第3の実施形態の床構造76では、トラス梁22の側面と床部32の端面との間に、板面が略水平になるように力伝達機構としての鋼製の板ばね78、80が設けられている。
板ばね78、80の一端は、H形鋼24の側面に固定された鋼板82に固定され、板ばね78、80の他端は、H形鋼42の端部のフランジ面に溶接によって固定されている。
よって、床部32に作用する水平力は、板ばね78、80の面内抵抗及び溶接部のせん断抵抗によりトラス梁22に伝達されるので、空気ばね48が負担する床部32の水平力を低減する又は無くすことができる。また、板ばね78、80は、床スラブ30に対する床部32(H形鋼42)の上下移動を面外変形により許容するので、空気ばね48による上下免震性能が板ばね78、80によって阻害されない。
以上、本発明の第1〜第3の実施形態について説明した。
なお、第1〜第3の実施形態では、上下免震装置を空気ばね48とした例を示したが、上下免震装置は、床部32を上下方向に免震できるものであればよく、空気バネ48の他に、例えば、コイルばねや皿ばね等の鋼製ばねを上下免震装置として用いてもよい。
また、第1〜第3の実施形態で示した床部32は、建物16のフロア全てに配置してもよいし、フロアの一部に配置してもよい。
また、第1〜第3の実施形態では、減衰装置としてのオイルダンパー50により、床部32に生じる上下振動を減衰する例を示したが、他の減衰装置を用いて、床部32に生じる上下振動を減衰するようにしてもよい。例えば、減衰装置として、鋼棒ダンパー、粘弾性ダンパー、粘性体ダンパー等を用いてもよいし、減衰機能を有する空気ばねを用いてもよい。また、減衰効果を期待しない場合には、減衰装置を設けなくてもよい。
また、第1〜第3の実施形態では、躯体梁をトラス梁22とした例を示したが、他の構造の梁を用いてもよい。例えば、鉄筋コンクリート梁、鉄骨鉄筋コンクリート梁、鉄骨梁等を用いてもよい。
以上、本発明の第1〜第3の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものでなく、第1〜第3の実施形態を組み合わせて用いてもよいし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
(実施例)
本実施例では、地震時に床部32に作用する水平慣性力の算出例を示し、第1の実施形態の床構造28が実施可能であることを説明する。
図6における床材38の平面寸法を22m×7m、床部32から作用する鉛直力(床部32の自重+床部32が積載する荷重)を1.5ton/mとし、水平免震された建物16における地震時の床部32の水平応答加速度を200galとする。
また、図5における縦溝58の奥壁内面58Aの大きさを幅100mm×高さ200mmとし、図6に示すように、方向62に床部32が揺れて4つの力伝達機構34により床部32に作用する水平力を負担する場合、地震時に床部32に作用する水平慣性力は5.8MPaとなる。
ここで、建築の免震装置として一般的に使用されている滑り支承材の面圧は長期で15MPa程度、短期で30MPa程度まで許容できるので、第1の実施形態の床構造28が十分に実現可能であることがわかる。
22 トラス梁(梁)
26 H形鋼(下弦材)
28、64、76 床構造
30 床スラブ
32 床部
34 力伝達機構
38 床材
42 H形鋼(床梁)
48 空気ばね(上下免震装置)
52 力伝達部材
56 ガイド部材
58 縦溝
66 積層ゴム(力伝達機構)
78、80 板ばね(力伝達機構)

Claims (4)

  1. 梁の下部に設けられた床スラブと、
    前記床スラブの上方に配置された床部と、
    前記床スラブに対して上下移動可能に前記床部を支持する上下免震装置と、
    前記梁の側面と前記床部の側面との間に設けられ、前記床部に作用する水平力を前記梁に伝達する力伝達機構と、
    を有する床構造。
  2. 前記力伝達機構は、
    前記床部の側面又は前記梁の側面に設けられた力伝達部材と、
    前記梁の側面又は前記床部の側面に設けられ、前記力伝達部材を上下移動可能に収容する縦溝が形成されたガイド部材と、
    を有する請求項1に記載の床構造。
  3. 前記床部は、
    床材と、
    前記床材が載置され前記力伝達部材又は前記ガイド部材が両端に設けられる複数の床梁と、
    を有する請求項2に記載の床構造。
  4. 前記梁はトラス梁であり、該トラス梁の下弦材に前記床スラブが設けられている
    請求項1〜3の何れか1項に記載の床構造。
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