JP6217181B2 - 床免震システム - Google Patents

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Description

本発明は、床免震システムに関する。
例えば建物と地盤の間に設置され、地震動による建物の揺れの周期を長くして建物が受ける影響を小さくする免震装置が知られている。また、精密機器(例えばコンピューター)などを設置する部屋の床として、建物自体の床(以下、構造床ともいう)の上方に床(以下、免震床ともいう)を構築した2重床構造とし、その床の間に免震装置を配置して、地震などの振動から免震するようにした床免震システムも開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−33582号公報
長周期の地震では変位が増大する傾向があり、上述したような免震装置のみでは免震床が固定床などに衝突して、免震床や免震床上に載荷した機器が損傷するおそれがある。このような衝突を防止するために、振動を減衰する減衰部材(例えばオイルダンパー)を免震装置に設けると、免震装置の応答加速度を抑制する性能が低下するおそれがある。また、免震床の変位を吸収する緩衝部の領域を広く設定すると、有効床面積が減少してしまう。
本発明はかかる従来の課題に鑑みてなされたもので、その主な目的は応答加速度を抑制する性能を保持しつつ過大な変形を防止することにある。
かかる目的を達成するために本発明の床免震システムは、
構造床と、
前記構造床よりも上方に設けられた免震床と、
前記構造床と前記免震床との間に設けられた免震装置と、
を備えた床免震システムであって、
前記免震装置は、
前記免震床を免震支持する支承部と、
前記構造床と前記免震床とが水平方向に相対変位することによる振動を減衰する減衰部材であって、所定変位よりも大きい変位で発生する減衰力が、前記所定変位以下の変位で発生する減衰力よりも大きい減衰部材と、
有し、
前記減衰部材はオイルダンパーであり、
前記免震装置は、
前記支承部の周囲に設けられた復元部材であって、前記構造床と前記免震床が相対変位した場合に、前記構造床と前記免震床とを元の位置関係に戻す復元部材を複数有する第1の免震ユニットと、
複数の前記復元部材の代わりに複数の前記オイルダンパーが前記支承部の周囲に設けられた第2の免震ユニットと、
を有することを特徴とする床免震システムである。
このような床免震システムによれば、変位が小さいときには余分な減衰力を付加しないようにでき、また、変位が大きいときには大きい減衰力を付加することができる。これにより、応答加速度を抑制する性能を保持しつつ過大な変形を防止することが可能である。
かかる床免震システムであって、前記支承部は、滑り摩擦によって前記免震床を免震支持することが望ましい。
このような床免震システムによれば、滑り摩擦による摩擦力と減衰部材の減衰力とを合わせて変位を抑制することが可能である。
かかる床免震システムであって、前記免震装置は、前記支承部の周囲に一対の前記復元部材と1つの前記オイルダンパーがそれぞれ設けられた第3の免震ユニット、及び、第4の免震ユニットをさらに有し、前記第3の免震ユニットの前記オイルダンパーと、前記第4の免震ユニットの前記オイルダンパーは、それぞれ、減衰力を発生する方向が互いに逆方向となるように設けられていることが望ましい。
このような床免震システムによれば、オイルダンパーを効率的に配置することができ、コスト削減を図ることが可能である。
本発明によれば、応答加速度を抑制する性能を保持しつつ過大な変形を防止することが可能である。
第1実施形態の床免震システムを示す平面図である。 図2Aは、図1のコーナー部分(免震ユニット10bを含む部分)の拡大図であり、図2Bは、図2Aの断面図である。 図3Aは、免震ユニット10aの拡大図であり、図3Bは、図3Aの断面図である。 図4Aは、免震ユニット10cの拡大図であり、図4Bは、図4Aの断面図である。 第1実施形態に係るオイルダンパー100の構成を示す断面図である。 図5のX−X断面の概略図である。 図7A〜図7Gは、オイルダンパー100の動作を説明するための図である。 図8A〜図8Cは、免震ユニット10cにおけるオイルダンパー100の減衰の動作についての説明図である。 第2実施形態の免震装置10´の構成を示す平面図である。 図10A〜図10Cは、第2実施形態の免震装置10´による免震の動作の説明図である。 第3実施形態の免震装置10″の構成を示す平面図である。 図12A〜図12Cは、第3実施形態の免震装置10″による免震の動作の説明図である。
===第1実施形態===
<床免震システムについて>
図1は、第1実施形態の床免震システムを示す平面図である。図2Aは、図1のコーナー部分(免震ユニット10bを含む部分)の拡大図であり、図2Bは、図2Aの断面図である。なお、図2Bは、図2Aの大梁3に沿った断面を横から見た状態を示している。また、図3Aは、免震ユニット10aの拡大図であり、図3Bは、図3Aの断面図である。また、図4Aは、免震ユニット10cの拡大図であり、図4Bは、図4Aの断面図である。なお、図3A、図4Aでは、免震ユニット以外の構成の図示を省略している。
図1、図2A、図2Bに示すように、本実施形態において建物の床は免震部R1、緩衝部R2、及び、ボーダー部R3の各領域を備えている。
免震部R1は、床免震システムが適用された領域であり、地震などの揺れ(水平方向の振動)に対して振動を抑制する機能(免震機能)を有している。本実施形態では免震部R1は、一辺が9mの正方形状の領域である。免震部R1では建物自体の床である構造床1の上に免震装置10を介して大梁3を設置し、さらに大梁3と直交して小梁4を配置し、これらの大梁3と小梁4によって構成される枠組み上にスタンド5を介して免震床2を形成している。なお、免震床2は複数のフロアパネルを並べて配置することによって形成されている。このように免震部R1では、構造床1と免震床2の二重床構造の床免震システムとなっている。
緩衝部R2は、免震部R1とボーダー部R3との間の隙間(クリアランス)の領域である、緩衝部R2は、地震の際に免震部R1の免震床2が水平方向に変位することによってボーダー部R3の床(後述する固定床8)と衝突するのを防止するために設けられている。図2Bに示すように、緩衝部R2には、免震部R1とボーダー部R3との間のクリアランスを塞ぐ緩衝部材6が配置されている。
ボーダー部R3は、緩衝部R2よりも外側(壁際)の領域であり固定床8が設けられている。この固定床8は、構造床1上にスタンド7を介して配置されている。なお、固定床8も免震床2と同様に複数のフロアパネルを並べて配置することによって形成されている。
<免震装置について>
本実施形態の免震装置10は、3種類の免震ユニットを有している。具体的には、図1に示すように、免震装置10は、免震ユニット10a、免震ユニット10b、免震ユニット10cを有している。なお、免震ユニット10aは、第1の免震ユニットに相当し、免震ユニット10cは、第2の免震ユニットに相当する。また、免震部R1の対角線上に配置された1対の免震ユニット10bは、それぞれ第3の免震ユニットおよび第4の免震ユニットに相当する。
これらの各免震ユニットは、それぞれ、滑り支承タイプの免震支承部(以下、共通部ともいう)を備えている。但し、免震ユニットごとに、共通部に付加されている部材が異なっている。
まず、共通部の構成について説明する。
本実施形態の各免震ユニットは、共通部として、滑り板12と、プレート13と、支持体14とを備えている。
滑り板12は、構造床1上に固設された正方形状のステンレス製の板状部材であり、免震装置10の設置箇所(図1では9箇所)にそれぞれ配置されている。
プレート13は、滑り板12上に設けられており、滑り板12に対して水平方向に相対移動(摺動)可能になっている。また、プレート13の下面には滑り摩擦材が設けられている。なお、本実施形態では滑り板12とプレート13との摩擦係数を、通常の摩擦係数(μ=0.06)よりも小さくしている。具体的には、滑り板12とプレート13との摩擦係数をμ=0.04〜0.05としている。これは、免震装置10の滑り支承による摩擦力に加えて、後述するオイルダンパー100による減衰力が付加されることを考慮しているからである。
支持体14は、プレート13と大梁3との間に固設されており、大梁3及びスタンド5を介して免震床2を免震支持する。
<免震ユニット10aについて>
免震ユニット10aは、正方形状の免震部R1の各辺の中点部分(4箇所)にそれぞれ設けられている。また、図3Aに示すように、各免震ユニット10aは、それぞれ4つのコイルバネ110(復元部材に相当)を有している。これらの4つのコイルバネ110は、支持体14の周囲に90度間隔で放射状に設けられている。コイルバネ110の一端は、構造床1上に固設された取り付け部材20に取り付けられており、コイルバネ110の他端は、プレート13の突起に取り付けられている。言い換えると、コイルバネ110の一端は、構造床1に固設されており、コイルバネ110の他端は支持体14、大梁3、スタンド5を介することにより免震床2に固設されている。そして、これら4つのコイルバネ110は、構造床1と免震床2とが水平方向に相対変位した場合に、構造床1と免震床2の位置を元の状態(中立位置)に戻し、構造床1と免震床2との位置関係を復元させる。
<免震ユニット10aの動作について>
本実施形態の免震装置10の各免震ユニットは滑り支承タイプのものである。すなわち、構造床1に水平方向の変位が生じた際に、プレート13が滑り板12上を水平方向に滑る(摺動する)。これにより、構造床1に対する免震床2の応答変位や応答加速度を低減でき、地震による揺れを抑えることができるようになっている。
また免震ユニット10aでは、放射状に設けられた4つのコイルバネ110による復元機能により、構造床1と免震床2とが水平方向に相対変位した場合でも元の位置関係に復元することができる。
ところで、長周期の地震ではゆっくりと大きい幅で振動(変位)するため、変形量が増大する傾向がある。免震床2と固定床8との衝突を防止するには、緩衝部R2の領域を大きくすればよいが、その場合、免震部R1の領域が小さくなり有効床面積が小さくなってしまう。そこで本実施形態では、コイルバネ110の代わりに、振動を減衰する減衰部材(オイルダンパー100)を用いた免震ユニット(免震ユニット10b、免震ユニット10c)を設けることにより、変位が大きいときの振動を減衰させるようにしている。なお、変位が小さいときにも減衰力を付加すると、免震装置10の応答加速度を抑制する性能が低下してしまう。そこで、変位が小さいときには余分な減衰力を付加しないようにしている。こうすることで、免震装置10の応答加速度を抑制する性能を低下させないようにしている(後述する)。
<免震ユニット10bについて>
免震ユニット10bは、免震部R1のコーナー部分の4箇所に設けられている。すなわち、免震部R1の対角線上において、それぞれ対をなすように(2対)設けられている。
また、図2A、図2Bに示すように、免震ユニット10bは、共通部以外の構成として、コイルバネ110及びオイルダンパー100を有している。
コイルバネ110は、各免震ユニット10bにつき2つ設けられている。この2つのコイルバネ110は、免震部R1の対角線に対し直交方向に近似であり且つ大梁3の取付方向に対して45度振れた方向に、支持体14を挟むようにして設けられている。なお、コイルバネ110の設置方法は免震ユニット10aと同様であるので説明を省略する。
オイルダンパー100は、2つのコイルバネ110と直交するように、免震部R1の対角線上に設けられている。なお、オイルダンパー100は、免震部R1の内側のみに設けられている。つまり、オイルダンパー100は、免震部R1の対角線上の2つの免震ユニット10bにおいて、それぞれ対向する位置に設けられている。
オイルダンパー100の一端(後述する接続部102a)は、構造床1上に固設された取り付け部材21に取り付けられており、オイルダンパー100の他端(後述する接続部103a)は、支持体14、大梁3、スタンド5を介することにより免震床2に固設されている。言い換えると、オイルダンパー100の一端は、構造床1に固設されており、オイルダンパー100の他端は支持体14、大梁3、スタンド5を介することにより免震床2に固設されている。
そして、オイルダンパー100は、地震などで構造床1と免震床2とが水平方向に相対変位する場合に、減衰力を発生し振動を減衰させる。なお、本実施形態では、免震部R1のコーナー部において対角線上にオイルダンパー100を対向させて配置しているので、後述するように、水平方向の振動に対して減衰力を効果的に付加することができる。
<免震ユニット10cについて>
免震ユニット10cは、免震部R1の中央部分に1つ設けられている。また、図4Aに示すように、各免震ユニット10cは、それぞれ4つのオイルダンパー100を有している。これらの4つのオイルダンパー100は、支持体14の周囲に90度間隔で設けられている。なお、オイルダンパー100の設置方法については免震ユニット10bのオイルダンパー100と同様であるので説明を省略する。
<オイルダンパー100の構成について>
図5は第1実施形態に係るオイルダンパー100の構成を示す断面図である。また図6は図5のX−X断面の概略図である。なお、図6では、便宜上、シリンダー102内の構成の図示を省略している、
オイルダンパー100は、シリンダー102、カバー103、ピストン104を備えている。また、オイルダンパー100内には、粘性流体であるオイルが収容されている。
シリンダー102は、中空部を有する円筒状の部材であり、軸方向の一端には接続部102aが設けられている。また中空部はオイルを収容する部分であり、ピストン104により第1オイル収容部105と第2オイル収容部106とに分けられている。また、シリンダー102の軸方向の他端には、後述するピストンロッド107が貫通する貫通孔102bが設けられている。
カバー103は、シリンダー102を軸方向の他端側から覆うように形成されたものであり、軸方向の他端には接続部113aが設けられている。また、カバー103の内部にはピストンロッド107を介してピストン104が取り付けられている。なお、ピストンロッド107は、シリンダー102の貫通孔102bを貫通しており、シリンダー102は、ピストンロッド107に沿って軸方向に移動可能になっている。
ピストン104は、シリンダー102の中空部内に配置されており、シリンダー102の中空部を第1オイル収容部105と、第2オイル収容部106とに区画している。また、ピストン104には軸方向に沿って流路104a及び流路104bが形成されている。そして、これらの流路104a、流路104bを介して第1オイル収容部105と第2オイル収容部106とが連通している。
流路104aは、一方弁(逆止弁ともいう)31を有しており軸方向のうちの一方向のみにオイルを流すことができるようになっている。より具体的には、一方弁31は、軸方向の他端側(第1オイル収容部105側)から一端側(第2オイル収容部106側)にオイルが流れることを禁止し、一端側から他端側にオイルが流れることを許可する。なお、流路104aの径(言い換えると断面積)は、オイルが流路104aを通過する際にオイルがほとんど抵抗を受けないほど大きく形成されている。
流路114bは、流量を調整可能なバルブ32を備えており、軸方向の他端側から一端側、及び、一端側から他端側の何れの方向にもオイルを流すことが可能である。但し、本実施形態の流路104bは、流路104aよりも径が小さく、流路104aと比べてオイルが流れ難く(抵抗が大きく)なっている。
また、図5、図6に示すように、シリンダー102の内部には、ピストン104の外周面との間に溝108が複数形成されている。この溝108は、図5に示すように、軸方向の他端側の部位には形成されていない。このため、図5の状態では、溝108を介して、第1オイル収容部105と第2オイル収容部106が連通しているが、ピストン104が、図の左側に移動すると(ピストン104の左端が溝108の端に達すると)、溝108による第1オイル収容部105と第2オイル収容部106間の流路が遮断されてしまう。なお、オイルが溝108を通過する際には、オイルはほとんど抵抗を受けない(減衰力が発生しない)。
<オイルダンパー100の動作について>
図7A〜図7Gは、オイルダンパー100の動作を説明するための図である。各図において、左側の図は、オイルダンパー100の内部の様子を示す概念図であり、右側の図は、変位と応力との関係を示す図である。右側の図において、横軸は変位(接続部102aと接続部103a間の距離)を示し、縦軸は発生する減衰力を示している。
まず、図7Aでは、中立位置に位置しており、この状態からシリンダー102の接続部102aを伸張方向(接続部102aと接続部103aとの間の距離が長くなる方向)に引っ張る。これにより、シリンダー102に対するピストン104の相対位置が左にずれるので、第1オイル収容部105の容量が減少し、第2オイル収容部106の容量が増加する。つまり、シリンダー102内において第1オイル収容部105から第2オイル収容部106にオイルが移動する。なお、このとき、一方弁31は第1オイル収容部105から第2オイル収容部106にオイルが流れるのを禁止するので、流路104aにはオイルが流れない。よって、オイルは、流路104b及び溝108を通って第1オイル収容部105から第2オイル収容部106に移動する。このとき、溝108を通ることによりオイルの受ける抵抗は小さい。すなわち、オイルダンパー100が発生する減衰力は小さい。
そのまま引っ張り続けて中立位置からの移動量(変位)が200mmになると、図7Bに示すように、ピストン104の左端が溝108の左端に到達し、溝108を通る流路が遮断されてしまう。そして、それ以降は、流路104bのみを通って第1オイル収容部105から第2オイル収容部106にオイルが移動するようになる。前述したように、流路104bはオイルが流れ難くい(抵抗が大きい)ので、図7Cに示すように、減衰力が急激に大きくなる。
その後、伸張方向に引っ張り続けると、大きい減衰力を保ちつつ伸張していき、やがて伸び(変位)が最大となる(図7D)。
次に、オイルダンパー100を圧縮方向(接続部102aと接続部103aとの間の距離が短くなる方向)に押圧する。この押圧により、シリンダー102に対するピストン104の相対位置が右にずれるので、第1オイル収容部105の容量が増加し、第2オイル収容部106の容量が減少する。つまり、シリンダー102内において第2オイル収容部106から第1オイル収容部105にオイルが移動する。なお、このとき、一方弁31は第2オイル収容部106から第1オイル収容部105にオイルが流れるのを許可するので、流路104aにもオイルが流れる。よって、オイルは、流路104a、流路104bを通って第2オイル収容部106から第1オイル収容部105に移動する。この場合、流路104aを通るのでオイルの受ける抵抗は小さくオイルダンパー100が発生する減衰力は小さい。
そのまま、押圧し続けると、図7Fに示すように、溝108の左端の位置が第1オイル収容部105と重なるようになる。よって流路104a、流路104bに加えて溝108も通ってオイルが移動するようになる。この場合においても、減衰力は小さい。
そして、その小さい減衰力を保ちつつオイルダンパー100の長さ(接続部102aと接続部103aとの間の距離)が最小となる(図7G)
その後、再びオイルダンパー100を伸張させる(引っ張る)と、図7A〜図7Bのときと同様に、オイルは、流路104b及び溝108を通って第1オイル収容部105から第2オイル収容部106に移動する。この場合においても減衰力は小さい。そして図7Aの中立位置に戻る。
このように、オイルダンパー100は、伸長方向に力を加えたとき、且つ、変位が所定値を超えたときのみに発生する減衰力が大きくなり、それ以外において発生する減衰力は非常に小さい。すなわち、オイルダンパー100は、伸張方向に変位が生じるときにその変位に応じて2段階の減衰力を発生する。
図8A〜図8Cは、免震ユニット10cにおけるオイルダンパー100の減衰の動作についての説明図である。図8Aは、中立位置のときの図であり、図8Bは小変形時(変位が200mm以下のとき)の図であり、図8Cは大変形時(変位が200mmを超えるとき)の図である。
まず、図8Aの中立位置から構造床1が図の左側に変位する。図8Bの小変形時では、一対のオイルダンパー100が発生する減衰力はともに小さい。よって、免震床2は、主に滑り板12とプレート13との滑り摩擦に基づいて変位する。
図8Cのように変位が大きくなると、伸張する方(図の右側)のオイルダンパー100が大きい減衰力を発生する。この減衰力によりプレート13(支持体14)が、構造床1の変位方向に移動し難くなる。よって、免震床2の変位を抑制することができる。
なお、構造床1が逆方向(図の右側)に変位する際には、図の左側のオイルダンパー100が伸張する。このため、この場合構造床1の変位が大きくなると、当該オイルダンパー100が大きい減衰力を発生し、免震床2の変位を抑制することができる。
このようにオイルダンパー100を免震装置10(免震ユニット10b、10c)に増設することにより、変位が200mm以下のときにはほとんど減衰力を発生せず、変位が200mmを超えたときには大きい減衰力を発生して変位を抑制するようにできる。なお、本実施形態のように免震部R1の対角線上に2つ(一対)の免震ユニット10bを配置し、それぞれ対向するように(互いに逆方向に減衰力を発生するように)オイルダンパー100を配置することで、効率よく振動を減衰することができる。すなわち、図1の免震部R1の対角線上に配置された2つ(一対)の免震ユニット10bのオイルダンパー100において、一方が縮む場合、他方が伸長する。この場合、伸長する他方側のオイルダンパー100で振動を減衰させることができる。逆に他方が縮む場合一方が伸長する。この場合、伸長する他方側のオイルダンパー100で振動を減衰させることができる。
以上説明したように、第1実施形態の床免震システムは、構造床1と、構造床1よりも上方に設けられた免震床2と、構造床1と免震床2との間に設けられた免震装置10と、を備えている。そして、免震装置10は、免震床2を免震支持する支承部(滑り板12、プレート13、支持体14)と、200mmよりも大きい変位で発生する減衰力が200mm以下の変位で発生する減衰力よりも大きいオイルダンパー100と、を備えている。
これにより、変位が小さいときは余分な減衰力を付加しないようにでき、応答加速度を抑制することができる。また、変位が大きいときは、大きい減衰力を付加して変形を防止することができる。このように、応答加速度を抑制する性能を保持しつつ過大な変形を防止する。
===第2実施形態===
第2実施形態では、免震装置の構成が第1実施形態と異なっている。
図9は、第2実施形態の免震装置10´の構成を示す平面図である。また、図10A〜図10Cは、第2実施形態の免震装置10´による免震の動作の説明図である。なお、これらの図において第1実施形態と同一構成の部分には同一符号を付し説明を省略する。
第2実施形態では、第1実施形態の免震装置10の部位に図8に示す免震装置10´が設けられている。
免震装置10´は、滑り板200を有している。なお、第2実施形態において、滑り板200は減衰部材に相当する。
滑り板200は第1実施形態の滑り板12と同じ正方形状のステンレス製の板状部材であるが、面内で摩擦係数が異なっている。具体的には、滑り板200は、摩擦係数の低い低摩擦領域200aと、摩擦係数の高い高摩擦領域200bを有している。
低摩擦領域200aは、滑り板200の上面の中点を中心とした半径200mmの円の内部に設けられている。
高摩擦領域200bは、滑り板200の上面において低摩擦領域200aの外周部分に設けられている。
以上の構成により、構造床1と免震床2に水平方向の変位が生じた場合、中立位置(図10A)から、相対変位が200mm(図10B)までは、プレート13が低摩擦領域200a上を滑るのでほとんど摩擦を受けない。
相対変位が200mmを超えると(図10C)、プレート13の一部が高摩擦領域200bに入り、急激に摩擦力が高まる。つまり、プレート13が高摩擦領域200b上を滑り難くなる。よって、構造床1と免震床2とが相対変位し難くなり、免震床2の変位を抑えることができる。
このように、第2実施形態では、変位が小さくてプレート13が低摩擦領域200a上に位置するときは摩擦力が小さいので、応答加速度を低減させることができる。また、変位が大きくなってプレート13が高摩擦領域200b上に位置するようになると摩擦力が増大し、変形(変位)を抑制することができる。よって、第2実施形態においても、応答加速度を抑制する性能を保持しつつ過大な変形を防止することができる。
===第3実施形態===
第3実施形態では、免震装置の構成が前述の実施形態と異なっている。
図11は、第3実施形態の免震装置10″の構成を示す平面図である。また、図12A〜図12Cは、第3実施形態の免震装置10″による免震の動作の説明図である。なお、これらの図において前述の実施形態と同一構成の部分には同一符号を付し説明を省略する。
第3実施形態では、第1実施形態の免震装置10の部位に図10に示す免震装置10″が設けられている。
免震装置10″は、滑り板300を有している。なお、第2実施形態において、滑り板300は減衰部材に相当する。
滑り板300は平面領域300aと、曲面領域300bとを有している。
平面領域300aは、滑り板300の上面の中央を中心とした半径200mmの円の内部に設けられており、摩擦力が非常に小さく水平方向において高さが一定(平面)になっている。
曲面領域300bは、滑り板300の上面において平面領域300aの外周部分に設けられており、滑り板300の中心から離れるにつれて、曲線的に高さが高くなっている。
以上の構成により、構造床1と免震床2に水平方向の変位が生じた場合、中立位置(図12A)から、相対変位が200mm(図12B)までは、プレート13は平面領域300a上を滑る。よって、この場合、免震床2の応答加速度を低減することができる。
相対変位が200mmを超えると(図12C)、プレート13の一部が曲面領域300bに入り、急激にプレート13が滑り難くなる。つまり、大きな減衰力が発生し、構造床1と免震床2とが相対変位し難くなる。よって、免震床2の変位を抑えることができる。
このように、第3実施形態では、変位が小さくてプレート13が平面領域300a上に位置するときはほとんど摩擦を受けないので、応答加速度を低減させることができる。また、変位が大きくなってプレート13が曲面領域300b上に位置するようになるとプレート13が滑り難くなり、変形(変位)を抑制することができる。よって、第3実施形態においても、応答加速度を抑制する性能を保持しつつ過大な変形を防止することができる。
===その他の実施形態について===
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<床の構造について>
前述の実施形態では、ボーダー部R3に固定床8が設けられていたが、これには限られない。例えば、ボーダー部R3が壁であってもよい。
<免震装置10について>
前述の実施形態の免震装置10は、滑り支承タイプであったが、これには限られない。例えば、転がり支承あるいは積層ゴムを用いたものであってもよい。
<免震ユニット10bについて>
前述の実施形態では、免震部R1のコーナー部の免震ユニット10bにおいて、オイルダンパー100を免震部R1の内側の部分のみに設けていたが、これには限られず、免震部R1の外側の部分にも設けるようにしてもよい。つまり、各免震ユニット10bにつき、オイルダンパー100を2つ設けてもよい。ただし、本実施形態のように、オイルダンパー100を対角線上に対向するようにして配置すると、オイルダンパー100の使用数を減らすことができ、また、効率よく減衰力を発生する(振動を減衰させる)ことができる。
<滑り板について>
前述の実施形態では、滑り板(滑り板12、滑り板200、滑り板300)の形状は正方形であったが、これには限られない。例えば多角形や円形であってもよい。
<オイルダンパー100について>
オイルダンパー100のピストン104には流路104aと流路104bが設けられていたが、こられの各流路の数は、それぞれ1つでもいいし複数でもよい。なお、複数の場合は、流路104bの総断面積(抵抗)が流路104aの総断面積(抵抗)よりも大きくなっていればよい。
また、前述の実施形態では、シリンダー102には内面に溝108が複数形成されていたが、シリンダー102に形成される溝108の数は限定されない。
また、前述のオイルダンパー100の減衰の動作について、小変形時と大変形時の境界を変位200mmと設定していたが、変位については任意に設定する事が出来る。
1 構造床
2 免震床
3 大梁
4 小梁
5 スタンド
6 緩衝部材
7 スタンド
8 固定床
10 免震装置
10a、10b、10c 免震ユニット
12 滑り板
13 プレート
14 支持体
20 取り付け部材
21 取り付け部材
31 一方弁
32 バルブ
100 オイルダンパー
102 シリンダー
103 カバー
104 ピストン
104a 流路
104b 流路
105 第1オイル収容部
106 第2オイル収容部
108 溝
110 コイルバネ
200 滑り板
200a 低摩擦領域
200b 高摩擦領域
300 滑り板
300a 平面領域
300b 曲面領域

Claims (3)

  1. 構造床と、
    前記構造床よりも上方に設けられた免震床と、
    前記構造床と前記免震床との間に設けられた免震装置と、
    を備えた床免震システムであって、
    前記免震装置は、
    前記免震床を免震支持する支承部と、
    前記構造床と前記免震床とが水平方向に相対変位することによる振動を減衰する減衰部材であって、所定変位よりも大きい変位で発生する減衰力が、前記所定変位以下の変位で発生する減衰力よりも大きい減衰部材と、
    有し、
    前記減衰部材はオイルダンパーであり、
    前記免震装置は、
    前記支承部の周囲に設けられた復元部材であって、前記構造床と前記免震床が相対変位した場合に、前記構造床と前記免震床とを元の位置関係に戻す復元部材を複数有する第1の免震ユニットと、
    複数の前記復元部材の代わりに複数の前記オイルダンパーが前記支承部の周囲に設けられた第2の免震ユニットと、
    を有することを特徴とする床免震システム。
  2. 請求項1に記載の床免震システムであって、
    前記支承部は、滑り摩擦によって前記免震床を免震支持する、
    ことを特徴とする床免震システム。
  3. 請求項1又は2に記載の床免震システムであって、
    前記免震装置は、前記支承部の周囲に一対の前記復元部材と1つの前記オイルダンパーがそれぞれ設けられた第3の免震ユニット、及び、第4の免震ユニットをさらに有し、
    前記第3の免震ユニットの前記オイルダンパーと、前記第4の免震ユニットの前記オイルダンパーは、それぞれ、減衰力を発生する方向が互いに逆方向となるように設けられていることを特徴とする床免震システム。
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