JP2012098739A - 調光フィルム及び調光体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電解質層と、前記電解質層の少なくとも片面に形成されたエレクトロクロミック層とを有する調光フィルムであって、前記電解質層は、支持電解質塩、バインダー樹脂、並びに、下記式(1)で表される化合物又は下記式(2)で表される化合物を含有する。
式(1)中、n=2〜4の整数を表し、R1は水素原子、炭素数1〜7の有機基を有するアシル基又は炭素数1〜8の有機基を表し、R2はエチレン基又はプロピレン基を表し、R3は水素原子、炭素数1〜7の有機基を有するアシル基又は炭素数1〜8の有機基を表し、少なくともR1又はR3の何れかはアシル基を有する。
【選択図】なし
Description
しかしながら、従来の調光体は、応答性が劣るため、電圧を印加しても光の透過率の変化が完了するまでに時間を要するという問題点があった。
以下に本発明を詳述する。
上記電解質層は、イオンを伝導することにより上記エレクトロクロミック層に電圧を印加し、エレクトロクロミック層の光の透過率を変化させる役割を有する。
上記式(1)で表される化合物又は上記式(2)で表される化合物は、単独で用いてもよく、併用してもよい。なかでも、耐久性が向上し、かつ、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより短い合わせガラス用中間膜が得られることから、上記式(1)で表される化合物を含有することが好ましい。
なお、上記炭素数1〜7の有機基を有するアシル基とは、該有機基の炭素数が1〜7であることを意味し、上記炭素数1〜7のアルキル基を有するアシル基とは、該アルキル基の炭素数が1〜7であることを意味する。
上記式(1)中のR1を表す炭素数1〜8の有機基における炭素数の好ましい下限は2、好ましい上限は7である。上記炭素数が2以上であると、電解質層の耐久性が向上し、7以下であると、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより短い合わせガラス用中間膜が得られる。上記炭素数のより好ましい下限は3、より好ましい上限は6であり、更に好ましい下限は4、更に好ましい上限は5である。
なお、上記炭素数1〜7の有機基を有するアシル基とは、該有機基の炭素数が1〜7であることを意味し、上記炭素数1〜7のアルキル基を有するアシル基とは、該アルキル基の炭素数が1〜7であることを意味する。
上記式(1)中のR3を表す炭素数1〜8の有機基における炭素数の好ましい下限は2、好ましい上限は7である。上記炭素数が2以上であると、電解質層の耐久性が向上し、7以下であると、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより短い合わせガラス用中間膜が得られる。上記炭素数のより好ましい下限は3、より好ましい上限は6であり、更に好ましい下限は4、更に好ましい上限は5である。
上記式(2)中のR4を表す炭素数2〜8であり、酸素原子を有する有機基の炭素数の好ましい下限は3、好ましい上限は7である。上記炭素数が3以上であると、電解質層の耐久性が向上し、7以下であると、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより短い合わせガラス用中間膜が得られる。上記炭素数のより好ましい下限は4、より好ましい上限は6である。
上記式(2)中のR6を表す炭素数2〜8であり、酸素原子を有する有機基の炭素数の好ましい下限は3、好ましい上限は7である。上記炭素数が3以上であると、電解質層の耐久性が向上し、7以下であると、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより短い合わせガラス用中間膜が得られる。上記炭素数のより好ましい下限は4、より好ましい上限は6である。
なかでも、上記支持電解質塩はリチウム塩であることが好ましく、過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム、リンフッ化リチウム等の無機酸アニオンリチウム塩、又は、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウム等の有機酸アニオンリチウム塩であることがより好ましい。
上記アンモニウムカチオンは特に限定されず、例えば、テトラエチルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウム、メチルプロピルピロリジニウム、メチルブチルピロリジニウム、メチルプロピルピペリジニウム、メチルブチルピペリジニウム等のアルキルアンモニウムカチオンや、エチルメチルイミダゾリウム、ジメチルエチルイミダゾリウム、メチルピリジニウム、エチルピリジニウム、プロピルピリジニウム、ブチルピリジニウム等が挙げられる。
上記アニオンは特に限定されず、過塩素酸アニオン、ホウフッ化アニオン、リンフッ化アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドアニオン等が挙げられる。
上記バインダー樹脂は、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリ三フッ化エチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。なかでも、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく、ポリビニルアセタール樹脂がより好ましい。透明性が高い電解質層が得られることから、炭素数が4又は5のアルデヒドによりポリビニルアルコールをアセタール化して得られたポリビニルアセタール樹脂が更に好適である。特に、上記ポリビニルアセタール樹脂はポリビニルブチラール樹脂であることが好適である。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、水酸基量が30mol%以下であることが好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量が30mol%を超えると、上記溶媒との相溶性が低下し、電解質層の透明性が低下することがある。
なお、上記アセチル基量及び上記水酸基量はJIS K 6728に準拠して、滴定法により求めることができる。
なお、上記アセチル基量及び上記アセタール化度はJIS K 6728に準拠して、滴定法により求めることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂Aは、ポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂Bは、ポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい。
上記ポリビニルアルコールの平均重合度は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によるポリスチレン換算により求めた上記ポリビニルアルコールの重量平均分子量をポリビニルアルコール1セグメント当りの分子量で除して求められる。GPC法によってポリスチレン換算による重量平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記熱線吸収剤は、赤外線を遮蔽する性能を有すれば特に限定されないが、錫ドープ酸化インジウム粒子、アンチモンドープ酸化錫粒子、亜鉛以外の元素がドープされた酸化亜鉛粒子、六ホウ化ランタン粒子、アンチモン酸亜鉛粒子、及び、フタロシアニン構造を有する赤外線吸収剤からなる群より選択される少なくとも1種が好適である。
上記接着力調整剤は、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、マグネシウム塩等が挙げられる。なかでも、炭素数2〜16のカルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びマグネシウム塩が好適であり、具体的には例えば、ビス(酢酸)マグネシウム、酢酸カリウム、ビス(プロピオン酸)マグネシウム、プロピオン酸カリウム、ビス(2−エチルブタン酸)マグネシウム、2−エチルブタン酸カリウム、ビス(2−エチルヘキサン酸)マグネシウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等が挙げられる。これらの接着力調整剤は単独で用いられてもよく、併用されてもよい。上記電解質層にバインダー樹脂としてポリビニルアセタール樹脂を含有する場合、上記電解質層は接着力調整剤を含有することが好ましい。
上記電解質層が多層構造である場合、上記電解質層は、上記支持電解質塩と、上記式(1)で表される化合物又は上記式(2)で表される化合物と、上記バインダー樹脂として、熱可塑性樹脂とを含有することが好ましい。上記式(1)で表される化合物又は上記式(2)で表される化合物としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、ジヘキシルアジペート(DHA)等の液状可塑剤が挙げられる。
例えば、上記液状可塑剤の含有量の異なる電解質層を積層したり、上記バインダー樹脂として水酸基量の異なるポリビニルアセタール樹脂を含有する電解質層を積層したりすることにより、得られる合わせガラスの遮音性を向上させることができる。
本発明の電解質膜を用いることにより、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間が極めて短い合わせガラス用中間膜を得ることができる。
上記エレクトロクロミック層に含有されるエレクトロクロミック化合物は、エレクトロクロミック性を有する化合物であれば特に限定されず、無機化合物であってもよく、有機化合物であってもよい。
なお、エレクトロクロミック性を有するとは、電圧を印加することにより光の透過率が変化する性質を有することを意味する。
上記エレクトロクロミック性を有する有機化合物は、例えば、ポリピロール化合物、ポリアセチレン化合物、ポリチオフェン化合物、ポリパラフェニレンビニレン化合物、ポリアニリン化合物、ポリエチレンジオキシチオフェン化合物、金属フタロシアニン化合物、ビオロゲン化合物、ビオロゲン塩化合物、フェロセン化合物、テレフタル酸ジメチル化合物等が挙げられる。なかでも、ポリアセチレン化合物が好ましく、芳香族側鎖を有するポリアセチレン化合物がより好ましい。
リル)フェニル、o−(トリルジメチルシリル)フェニル、p−(トリルジメチルシリル)フェニル、o−(ベンジルジメチルシリル)フェニル、p−(ベンジルジメチルシリル)フェニル、o−(フェネチルジメチルシリル)フェニル、p−(フェネチルジメチルシリル)フェニル等のフェニル基や、ビフェニル基や、1−ナフチル、2−ナフチル、1−(4−フルオロ)ナフチル、1−(4−クロロ)ナフチル、1−(4−ブロモ)ナフチル、1−(4−ヘキシル)ナフチル、1−(4−オクチル)ナフチル等のナフチル基や、ナフタレン基や、1−アントラセン、1−(4−クロロ)アントラセン、1−(4−オクチル)アントラセン等のアントラセン基や、1−フェナントレン等のフェナントレン基や、1−フルオレン等のフルオレン基や、1−ペリレン等のペリレン基等が挙げられる。
上記芳香族側鎖を構成する置換基として、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ナフタレン基、アントラセン基、フェナントレン基、フルオレン基及びペリレン基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有することが好ましい。なかでも、電圧を印加してから光透過率の変化が完了するまでの時間がより一層短くなることから、上記芳香族側鎖を構成する置換基は、ナフチル基、ナフタレン基、アントラセン基、フェナントレン基、フルオレン基又はペリレン基であることが好ましく、アントラセン基、フェナントレン基、フルオレン基又はペリレン基であることがより好ましく、フェナントレン基であることが更に好ましい。
なお、上記芳香族側鎖を構成する置換基の一部の水素原子は、水素原子以外の原子又は原子団に置換されていてもよい。
上記熱線吸収剤は、上記電解質層に含有される熱線吸収剤と同様の熱線吸収剤を用いることができる。上記接着力調整剤は、上記電解質層に含有される接着力調整剤と同様の接着力調整剤を用いることができる。
上記エンボスの粗さは特に限定されないが、JIS B 0601で定義される10点平均粗さの好ましい下限は20μm、好ましい上限は50μmである。
上記エンボスは電解質層又は電解質膜に形成されていることが好ましく、なかでも、導電膜と接する面の表面にエンボスが形成されていることが好ましい。
上記ガラス板は、一般に使用されている透明板ガラスを使用することができる。例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、グリーンガラス等の無機ガラスが挙げられる。また、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート等の有機プラスチックス板を用いることもできる。
上記ガラス板として、2種類以上のガラス板を用いてもよい。例えば、透明フロート板ガラスと、グリーンガラスのような着色されたガラス板とで、本発明の合わせガラス用中間膜を挟持した合わせガラスが挙げられる。また、上記ガラス板として、2種以上の厚さの異なるガラス板を用いてもよい。
上記導電膜は、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)等を含む透明導電膜が好ましい。
本発明の合わせガラスは、自動車用ガラスとして使用する場合は、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラスとして用いることができる。
(1)電解質層の調製
上記式(1)で表される化合物としてトリエチレングリコールジアセタート(上記式(1−1で表される化合物)6.5重量部に、支持電解質塩としてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiTFSI)3重量部を溶解して電解質溶液を調製した。得られた電解質溶液の全量と、熱可塑性樹脂として、アセチル基量13mol%、水酸基量22mol%のポリビニルブチラール樹脂(平均重合度が2300のポリビニルアルコールをn−ブチルアルデヒドでブチラール化することにより得られたポリビニルブチラール樹脂)10重量部とを混合して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートに挟み、厚さ400μmのスペーサを介して、熱プレスにて150℃、100kg/cm2の条件で5分間加圧し、厚さ400μmの電解質層を得た。
窒素雰囲気下−50℃で9−エチニルフェナントレン3重量部を溶解させたテトラヒドロフラン溶液26.7重量部に30重量%のノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液13.4重量部を添加した。次いで、−90℃に冷却後、カリウムターシャリーブトキシド1.8重量部を溶解させたテトラヒドロフラン溶液13.3重量部を添加し、−80℃で1時間撹拌し、5℃まで昇温した。次いで、−70℃で1−ヨードオクタデカン5.6重量部を滴下し、−30℃で12時間撹拌した。0℃で水100重量部を滴下し、ヘキサン300重量部を加え、生成した化合物を抽出した。このヘキサン層を蒸留水300重量部で3回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで1時間乾燥させ、濾過後、溶媒を留去した。カラム精製後溶媒を留去し、ヘキサンを展開溶媒としてカラム精製することにより9−エチニル−10−n−オクタデシルフェナントレンを得た。
得られた9−エチニル−10−n−オクタデシルフェナントレンについて1H−NMR(270MHz、CDCl3)により分析を行ったところ、δ8.7(2H)、8.5(1H)、8.1(1H)、7.7(4H)、3.7(1H)、3.5(2H)、1.7(2H)、1.6(30H)、1.0(3H)のピークが認められた。
得られたポリ(9−エチニル−10−n−オクタデシルフェナントレン)の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC法)により測定した。Waters社の液体クロマトグラフ装置(Waters2695、RI Waters2410、UV Waters2996)を用い、カラムはShodex社LF−804を使用した。0.2重量%となるようにクロロホルムに溶解したポリ(9−エチニル−10−n−オクタデシルフェナントレン)を100μL注入し、カラム温度40℃で移動相をクロロホルムとして測定を行った。ポリスチレン換算分子量は、数平均分子量14万7千、重量平均分子量31万5千であった。
得られたポリ(9−エチニル−10−n−オクタデシルフェナントレン)0.039重量部を1.3重量部のトルエンに溶解して溶液を調製した。この溶液を、得られた電解質層上に、トルエンが揮発した後の厚さが0.3μmになるようにバーコーターを用いて塗布し、乾燥して厚さ0.3μmのエレクトロクロミック層を形成させて、合わせガラス用中間膜を得た。
85℃に加熱した合わせガラス用中間膜(縦5×横5cm)を、2枚のITO電極が形成されたガラス(縦5×横5cm、10Ω/cm2)の間に挟み込むことにより、合わせガラスを作製した。
トリエチレングリコールジアセタートの代わりに表1に示した化合物を用いて電解質層を調製した以外は実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを作製した。
上記式(1)で表される化合物としてトリエチレングリコールジブチラート(上記式(1−3)で表される化合物)6.5重量部に、支持電解質塩としてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiTFSI)3重量部を溶解して電解質溶液を調製した。得られた電解質溶液の全量と、熱可塑性樹脂として、アセチル基量18mol%、水酸基量15mol%のポリビニルブチラール樹脂(平均重合度が2300のポリビニルアルコールをn−ブチルアルデヒドでブチラール化することにより得られたポリビニルブチラール樹脂)10重量部とを混合して樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートに挟み、厚さ400μmのスペーサを介して、熱プレスにて150℃、100kg/cm2の条件で5分間加圧し、厚さ400μmの電解質層を得た。
得られた電解質層を用いた以外は実施例1と同様にして合わせガラス中間膜及び合わせガラスを作製した。
熱可塑性樹脂として、アセチル基量6mol%、水酸基量18mol%のポリビニルブチラール樹脂(平均重合度が2300のポリビニルアルコールをn−ブチルアルデヒドでブチラール化することにより得られたポリビニルブチラール樹脂)を用いて電解質層を調製した以外は実施例30と同様にして合わせガラス中間膜及び合わせガラスを作製した。
熱可塑性樹脂として、アセチル基量18mol%、水酸基量11mol%のポリビニルヘキシラール樹脂(平均重合度が2300のポリビニルアルコールをn−ヘキシルアルデヒドでアセタール化することにより得られたポリビニルヘキシラール樹脂)を用いて電解質層を調製した以外は実施例30と同様にして合わせガラス中間膜及び合わせガラスを作製した。
熱可塑性樹脂として、アセチル基量22mol%、水酸基量22mol%のポリビニルブチラール樹脂(平均重合度が2300のポリビニルアルコールをn−ブチルアルデヒドでブチラール化することにより得られたポリビニルブチラール樹脂)を用いて電解質層を調製した以外は実施例30と同様にして合わせガラス中間膜及び合わせガラスを作製した。
上記式(1)で表される化合物としてトリエチレングリコールジブチラート(上記式(1−3)で表される化合物)の配合量を12重量部に変更した以外は実施例3と同様にして合わせガラス中間膜及び合わせガラスを作製した。
上記式(1)で表される化合物としてトリエチレングリコールジブチラート(上記式(1−3)で表される化合物)の配合量を5重量部に変更した以外は実施例3と同様にして合わせガラス中間膜及び合わせガラスを作製した。
トリエチレングリコールジアセタートの代わりに下記式及び表1に示した化合物を用いて電解質層を調製した以外は実施例1と同様にして合わせガラス中間膜及び合わせガラスを作製した。
実施例及び比較例にて得られた合わせガラスについて、以下の評価を行った。
結果を表1に示した。
完全に着色した状態の合わせガラスの波長640nmの光の透過率をTC、完全に消色した状態の合わせガラスの波長640nmの光の透過率をTBとする。
完全に着色した状態の合わせガラスに+2Vの電圧を印加し、電圧を印加してから合わせガラスの波長640nmの光の透過率がTCからT1=TC+(TB−TC)×0.8まで変化するのに要した時間を測定し、これを消色時間t1とした。
完全に消色した状態の合わせガラスに−2Vの電圧を印加し、電圧を印加してから合わせガラスの波長640nmの光の透過率がTBからT2=TB−(TB−TC)×0.8まで変化するのに要した時間を測定し、これを着色時間t2とした。
なお、透過率の測定には、日本分光社製の分光光度計「V−670」を用いた。
完全に着色した状態の合わせガラスに、上記応答性評価により得られた消色時間t1だけ+2Vの電圧を印加して消色させた。次いで、消色させた合わせガラスに上記応答性評価より得られた着色時間t2だけ−2Vの電圧を印加して着色させた。この消色から着色までを一周期として、5000周期消色と着色とを繰り返した。
5000周期消色と着色とを繰り返した後に、完全に着色した状態の合わせガラスに+2Vの電圧を印加し、電圧を印加してから合わせガラスの波長640nmの光の透過率がTCからT1=TC+(TB−TC)×0.8まで変化するのに要した時間を測定し、これを消色時間t3とした。
繰返し耐久性について、t3≦2×t1の場合を「○」と、2×t1<t3≦5×t1の場合を「△」と、t3>5×t1の場合「×」と評価した。
Claims (4)
- 電解質層と、前記電解質層の少なくとも片面に形成されたエレクトロクロミック層とを有する調光フィルムであって、
前記電解質層は、支持電解質塩、バインダー樹脂、並びに、下記式(1)で表される化合物又は下記式(2)で表される化合物を含有する
ことを特徴とする調光フィルム。
- 電解質層は、エレクトロクロミック層と接する面とは反対側の面の表面にエンボスが形成されていることを特徴とする請求項1記載の調光フィルム。
- 対向する一対の電極基板の間に、請求項1又は2記載の調光フィルムが挟み込まれていることを特徴とする調光体。
- 少なくとも一方の面に導電膜が形成された、無機ガラス及び有機プラスチックスからなるガラス板から選択される一対のガラス板の各導電膜が対向する間に、請求項1又は2記載の調光フィルムが挟み込まれていることを特徴とする調光体。
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