JP2012093467A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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征史 山田
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Tetsuro Sasamoto
哲朗 笹本
Takanori Inatome
孝則 稲留
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Abstract

【課題】安定した定着応答性を維持できる定着装置及び画像形成装置を提供できる。
【解決手段】ローラ40−3と加圧ローラ42とも軟質な材質とし、ニップの形状がフラットになるように構成する。このようなフラットなニップ形状を有するように対峙し合うローラ40−3と加圧ローラ42とでベルト部材40−1を介して挟み込む媒体Pの厚みや腰の強さにかかわらずニップ通過時の媒体Pの形状は平面性を維持することになる。これにより、安定したニップ条件、すなわちニップ圧とニップ幅Wが不変となる。そして、ニップ条件が不変なので泡状定着液の塗布量が一定となって定着応答性が一定となる。
【選択図】図8

Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関するものである。
プリンタ、ファクシミリ及び複写装置のような画像形成装置は、紙、布、及びOHP用シートのような記録媒体に、画像情報に基づいて文字や記号を含む画像を形成する装置である。特に、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙に高精細な画像を高速で形成することができるため、広く使用されている。このような電子写真方式の画像形成装置においては、記録媒体上のトナーを加熱して溶融させ、溶融したトナーを加圧することによって、トナーを記録媒体上に定着させる熱定着方式が広く用いられている。この熱定着方式は、高い定着速度及び高い定着画像品質等を提供することができるため、好適に用いられている。しかし、このような電子写真方式の画像形成装置における消費電力の約半分以上は、熱定着方式においてトナーを加熱することに消費されている。
一方、近年における環境問題対策の観点からは、低消費電力(省エネルギー)の定着装置が望まれている。即ち、トナーを定着するためにトナーを加熱する温度を今までよりも極端に低下させること、又はトナーを加熱することを必要としない定着方法が望まれている。特に、トナーを全く加熱することなくトナーを記録媒体に定着させる非加熱定着方法が低消費電力の点で理想的である。
このような非加熱定着方法としては、特許文献1に記載のものが知られている。この特許文献1の定着方法は、泡状定着液生成手段によって樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる軟化剤を少なくとも含んだ液状定着液に気泡を大量に含有して生成した泡状定着液が極めて嵩密度が低いことに着目した定着方法である。この定着方法によれば、上記泡状定着液を定着液供給口から塗布手段である塗布ローラのローラ面上に付与する。そして、この塗布ローラと対峙する加圧ローラとで記録媒体を挟み込み塗布ローラに記録媒体を当接させて塗布ローラ面上の泡状定着液を記録媒体上の樹脂微粒子層に塗布することで樹脂微粒子を記録媒体に定着している。このように、液状定着液を泡状とすることにより定着液の嵩密度を下げることができるため、従来よりも少量の定着液で塗布ローラのローラ面上の定着液の膜厚を厚くすることができる。そして、液体の表面張力の記録媒体上のトナー粒子に対する影響を軽減することで定着応答性の向上が期待できる。また、少量の定着液であるため、記録媒体上の残液感を抑制することができ、泡状定着液は液状定着液よりも流れ難いため、定着液によってトナー粒子が流されることによる画像劣化も防止することができる。
上記特許文献1のように泡状定着液を記録媒体上の樹脂微粒子に塗布する非加熱定着方法において定着応答性を向上させるためには、所望の塗布量の泡状定着液を塗布することが必要である。そのためには、塗布ローラ上に付与された泡状定着液の膜厚を一定に調整すること以外に、塗布ローラと加圧ローラのニップ部分において記録媒体をニップしている時間を一定にすることがある。つまり、記録媒体を挟み込む塗布ローラと加圧ローラとのニップ部分におけるニップしている時間が一定であれば所望の塗布量に極めて近い泡状定着液が記録媒体上に一定に塗布される。
しかしながら、上記特許文献1によれば、媒体の厚みが厚い場合や媒体の腰が強い場合、ニップ時間が短くなる。このため、泡状定着液の塗布量が不十分となる。この不具合を解決するために、塗布ローラと加圧ローラの少なくとも1つのローラの材質を柔らかいものにして、ニップ幅を拡大してニップ時間を稼ぐ方法が考えられる。しかし、媒体の厚みが厚い場合や媒体の腰が強い場合、塗布ローラより軟質な加圧ローラのみが媒体の硬さを受けて変形してしまう。そのため、媒体におけるニップ幅は、媒体と接する塗布ローラ側におけるニップ部分のニップ幅となり、ニップ幅は短くなって記録媒体をニップしている時間も短くなる。これにより、泡状定着液の塗布量が不十分となって安定した定着応答性を維持できない。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、安定した定着応答性を維持できる定着装置及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで、樹脂を含有する微粒子を軟化させる軟化剤を含有した液状定着液の液中に気泡を分散させて泡状定着液を生成する泡状定着液生成手段と、媒体上に担持された樹脂微粒子層に上記泡状定着液を塗布する泡状定着液塗布手段と、該泡状定着液塗布手段の塗布面上に付与された上記泡状定着液を所望の膜厚に調整する泡状定着液膜厚調整手段と、該泡状定着液膜厚調整手段によって所望の膜厚の上記泡状定着液が形成された上記泡状定着液塗布手段と対峙して設けられ、上記泡状定着液塗布手段と媒体とを挟み込み加圧することによって上記泡状定着液を媒体に塗布する加圧手段と、を備え、媒体上の樹脂微粒子層に泡状定着液を塗布して軟化した当該樹脂微粒子層を媒体上に定着させる定着装置において、上記泡状定着液塗布手段と対峙する上記加圧手段と上記泡状定着液塗布手段との対峙面はフラット面であることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1記載の定着装置において、上記泡状定着液塗布手段及び上記加圧手段は弾性体であることを特徴とするものである。
更に、請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の定着装置において、上記泡状定着液塗布手段及び上記加圧手段はローラであることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3記載の定着装置において、上記泡状定着液塗布手段及び上記加圧手段の各ローラ軸上硬度が概略等しいことを特徴とするものである。
更に、請求項5の発明は、請求項3又は4に記載の定着装置において、上記泡状定着液塗布手段及び上記加圧手段の各ローラ径、各ローラ表面の弾性体層の硬度、各ローラ表面の弾性体層の厚みが概略等しいことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の定着装置において、上記泡状定着液塗布手段手段は、複数のローラと各ローラによって懸架されているベルト部材とで構成され、複数の上記ローラのうち少なくとも一つのローラは、ローラの上記加圧手段と対峙していることを特徴とするものである。
更に、請求項7の発明は、請求項6記載の定着装置において、ローラの上記加圧手段と対峙する上記ベルト部材を懸架しているローラは、上記泡状定着液膜厚調整手段と対峙する上記ベルト部材を懸架しているローラと異なるローラであることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項6記載の定着装置において、ローラの上記加圧手段と対峙する上記ベルト部材を懸架しているローラは、上記泡状定着液膜厚調整手段にも対峙していることを特徴とするものである。
更に、請求項9の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の定着装置において、上記泡状定着液塗布手段手段はローラで構成され、上記ローラはローラの上記加圧手段と対峙していることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1記載の定着装置において、上記泡状定着液塗布手段及び上記加圧手段は無端のベルト部材であり、上記泡状定着液塗布手段のベルト部分と対峙する上記加圧手段のベルト部分の対峙面はフラット面であることを特徴とするものである。
更に、請求項11の発明は、樹脂含有微粒子が色剤を含有したトナーで静電記録プロセスを行い媒体上に未定着トナー画像を形成する画像形成手段と、請求項1〜9のいずれか1項に記載の定着装置により上記未定着トナー画像を媒体に定着させる定着手段とを具備することを特徴とする画像形成装置である。
本発明においては、上記泡状定着液塗布手段と上記加圧手段との間に媒体を挟み込み加圧することで、上記泡状定着液塗布手段の塗布面に付与されている泡状定着液を媒体に転写している。そのときの上記泡状定着液塗布手段と上記加圧手段とが対峙している対峙面は、フラットな面である。この対峙面がフラットな面であることは上記泡状定着液塗布手段と上記加圧手段とで互いに押圧する力が同じであって対峙面の全面における圧力分布が一定となっている状態である。これにより、圧力分布が一定であるフラットな対峙面の対峙部分を媒体が通過した場合、媒体の挟持領域における圧力分布も一定となっている。このため、媒体が平面性を有していれば媒体の形状は当該媒体の厚みや腰の強さにかかわらず常に平面である。これにより、対峙面の媒体通過時、媒体通過方向の対峙幅が一定となることで、上記泡状定着液塗布手段によって付与される媒体に対する泡状定着液の塗布量は一定となり、安定した定着応答性が維持でき、定着品質が安定する。
以上、本発明によれば、安定した定着応答性を維持できるという優れた効果がある。
本実施形態に係る画像形成装置の全体概略構成図である。 画像形成部の主要部を拡大して示した概略構成図である。 泡状定着液を用いた定着のメカニズムを示す概略図である。 フォーム状定着液の拡大模式図である。 泡状定着液生成手段の構成を示す概略構成図である。 本実施形態の定着装置の構成を示す概略構成図である。 媒体に応じた塗布ローラと加圧ローラとのニップ部分の変化を示す概略図である。 本実施形態の定着装置における媒体に応じた塗布ローラと加圧ローラとのニップ部分の変化を示す概略図である。 本実施形態の定着装置の別の構成を示す概略構成図である。 本実施形態の定着装置の別の構成を示す概略構成図である。 本実施形態の定着装置の別の構成を示す概略構成図である。 本実施形態の定着装置の別の構成を示す概略構成図である。
以下、本発明を適用したの画像形成装置の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の全体概略構成図である。同図に示す画像形成装置は、ほぼ中央に画像形成手段である画像形成部1、その画像形成部1の下部に給紙部2、画像形成部1の上方に画像読取部3、そして画像形成部1と画像読取部3の間に胴内排紙部4の構成を有するカラー画像形成装置であり、プリンタ、複写装置、ファクシミリ、スキャナの機能を有している。なお、図示を省略しているが、画像読取部3の上方には、原稿自動搬送装置(ADF)が設けられる。
図1において、画像読取部3は、コンタクトガラス3a、読み取り走行体に搭載された原稿照明用光源3bと第1ミラー3c、第2ミラー3d、第3ミラー3e、結像レンズ3f、撮像素子3gを備え、ADFや手差しによりコンタクトガラス3a上に載置された原稿の画像を撮像素子3gで読み取り、図示省略の画像処理部で書き込み用の画像情報(例えばイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色に対応した画像信号)に変換処理して画像形成部1に送信する。
画像形成部1には、ドラム状の感光体により構成された複数の像担持体5Y、5C、5M、5BKを有し、その各像担持体には、互いに異なった色のトナー像がそれぞれ形成される。図示した例では、3つの像担持体5Y、5C、5Mの表面に、イエロートナー像、シアントナー像、及びマゼンタトナー像の各有彩色トナー像がそれぞれ形成され、像担持体5BKにはブラックトナー像が形成される。各像担持体5Y乃至5BKは、所定の間隔をあけて互いに平行に配置されている。かかる像担持体5Y乃至5BKに対向して中間転写体6が対向配置されており、この中間転写体6としてはドラムを用いることもできるが、図示した例では、複数の支持ローラ7、8、9に巻き掛けられて矢印A方向に駆動される無端ベルトが用いられている。
図2は、図1に示す画像形成部の主要部(各色の画像形成ユニット)を拡大して示した概略構成図である。図1に示したイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の4つの画像形成ユニット20は同じ構成であるので、図2では一つの画像形成ユニット20に着目し、色を表す記号は省略している。
図2の画像形成ユニット20において、像担持体5の周囲には、像担持体5の表面に帯電処理を行う帯電装置10、画像情報を感光体表面にレーザ光Lで照射する露光装置11(図1に示す)、露光により像担持体5の表面に形成された静電潜像を可視像化する現像装置12、中間転写体6を介して像担持体5と対向配置された転写装置13、中間転写体6に転写後の像担持体表面に残留するトナーを除去回収するクリーニング装置14、像担持体5表面の摩擦係数を下げるための潤滑剤塗布装置25が設けられている。
帯電装置10は、帯電部材としての帯電ローラ10aと、それを像担持体5に所定の圧力で加圧する付勢部材としてのスプリング10bとを有する。帯電ローラ10aは、図示していないが、導電性のシャフトの周りに導電性弾性層を有し、電圧印加装置(不図示)により導電性シャフトを介して導電性弾性層と像担持体5との空隙に所定の電圧を印加して像担持体表面に電荷を付与する。また、上記現像装置12は撹拌スクリュ12aにより現像剤を十分撹拌し、現像ローラ12bに磁気的に付着させる。付着した現像剤は現像ドクタ12cにより現像ローラ12b上に薄層化され、現像剤により像担持体5上の静電潜像が可視像化される。転写装置13は転写バイアスローラを有し、この転写バイアスローラにより電気的に中間転写体6上に像担持体5上のトナー像を付着させる。クリーニング装置14はウレタンゴム等よりなるクリーニングシートを有し、該シートにより像担持体5上の残留トナーを掻き取るようにして除去する。
なお、本実施形態では、各色の画像形成ユニット20は、像担持体5、帯電装置10、現像装置12、クリーニング装置14及び潤滑剤塗布装置25がユニット化されたプロセスカートリッジ(PC)として構成されている。プロセスカートリッジ(PC)の形態は任意であるが、本実施形態のプロセスカートリッジ(PC)は潤滑剤塗布装置25と、像担持体5、帯電装置10、現像装置12及びクリーニング装置14の少なくとも一構成部材を組み合わせたものである。
このような画像形成装置において画像形成が開始されると、各色の画像形成ユニットでは、像担持体5が図2における時計回り方向に回転駆動され、このとき帯電装置10によって像担持体5の表面が所定の極性に帯電される。次に、その帯電面に、図1に示す露光装置11から画像情報に基づくレーザ光Lが照射され、これによって像担持体5に静電潜像が形成される。なお、画像情報は、前述の画像読取部3で読み取った画像データや、外部のコンピュータからLAN等を介して送られてくるデータや、ファクシミリで受信したデータ等である。画像読取部3が用いられた場合は、コンタクトガラス3a上に載置された原稿(図示せず)が原稿照明用光源3bと第1ミラー3cよりなる読み取り走行体が往復移動する。その際、読み取り走行体により走査された画像情報が第2ミラー3d、第3ミラー3e、結像レンズ3fを介して、結像レンズ3fの後方に設置されている撮像素子(例えばCCD)3gに画像信号として読み込まれる。この読み込まれた画像信号は、デジタル化され画像処理されて露光装置11のレーザダイオード(不図示)の発光により像担持体5の表面に書き込まれる。そして、像担持体5の表面に形成された静電潜像は、現像装置12の現像ローラ8に担持された乾式現像剤(樹脂と色材を含有する樹脂微粒子(以下トナーと称す)を含む現像剤)によって、トナー像として可視像化される。
上記した画像形成動作は、図1に示す全ての像担持体5Y乃至5Bkで行われる。これによって各像担持体5Y乃至5BKにそれぞれ形成されたイエロートナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像及びブラックトナー像が中間転写体6上に順次重ねて転写される。また、図1に示した画像形成装置においては、中間転写体6を挟んで、支持ローラ7に対向して二次転写装置(例えば二次転写ローラ)16が配置されている。
一方、画像形成部1の下部に配置された給紙部2から、転写紙(定形の普通紙、連続紙、レター用紙、葉書、厚紙等)又は樹脂フィルム(OHPシート等)などから成る記録媒体Pが給紙ローラ2aにより矢印Bで示すように送り出される。そして、その記録媒体Pは、レジストローラ対2bの回転によって所定のタイミングで、二次転写装置16と中間転写体6との間に送り込まれる。このようにして、記録媒体Pが二次写装置16を通過するとき、この二次転写装置16の作用によって中間転写体6上の重ねトナー像が記録媒体P上に一括して転写される。そして、定着装置18によってトナー像が記録媒体Pに定着された後、排紙ローラ19により胴内排紙部4に排紙される。また、トナー像転写後の中間転写体6の表面に付着する転写残トナーは、ベルト用のクリーニング装置15によって除去される。また、二次転写装置16のローラ表面に付着するトナーや紙粉等は、ローラ用のクリーニング装置によって除去される。なお、ベルト用のクリーニング装置15やローラ用のクリーニング装置にも、必要に応じて潤滑剤塗布装置が設けられる。
次に、本実施形態の画像形成装置に搭載された定着装置に関して詳細に説明する。
はじめに、泡状定着液を用いた定着方法の原理について概説すると、樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで樹脂を含有する微粒子を軟化させる軟化剤を含有した泡状定着液を、媒体上の樹脂微粒子に付与して媒体上の樹脂微粒子を軟化させ、該樹脂微粒子を媒体に定着する定着方法である。言うまでもないことだが、ここで、表記している樹脂微粒子とは、特に何であるかを限定はしないが、画像形成装置に適用した場合であればトナーのことを指す。
そして、泡状定着液を用いた定着のメカニズムを以下に概説すると、図3に示すように、後述する泡状定着液生成手段によって定着液を泡で構成された泡状定着液を用いている。これにより、定着液の嵩密度を低くできると共に塗布ローラ41上の定着液層を厚くできる。更には、定着液の表面張力による影響が抑えられるため、塗布ローラ41への樹脂微粒子のオフセットを防止できることがわかった。更に、樹脂微粒子の大きさが5[μm]〜10[μm]程度の場合、微粒子層を乱すことなく泡状定着液45を樹脂微粒子層Tに付与するには、泡状定着液の泡径範囲が、5[μm]〜50[μm]程度が必要であることがわかった。なお、図4に示すように、気泡45−2で構成された泡状定着液45は、気泡45−2のそれぞれを区切る液膜境界(以下、プラトー境界と称す)45−1から構成される。
一方、一般的に0.5[mm]〜1[mm]程度の大きな泡の場合、単なる撹拌等により比較的容易に泡を生成可能であり、大きな泡の生成には数秒以下の時間(0.1秒もかからない)で生成することができる。そこで、この所望の泡径よりも大きな泡であって、目視で観察できる程度の大きさの泡の生成が容易で、かつすばやく得ることができる点に着目した。そして、大きな泡から素早く5[μm]〜50[μm]程度の微小な泡を生成する方法を鋭意検討した結果、大きな泡にせん断力を加えることで大きな泡を分泡すると、上記のような液状態から微小な泡を起泡させる方法に比べ、極めて素早く所望の大きさの微小な泡が生成できることがわかった。
そして、大きな泡を生成した後大きな泡を分泡し微小な処方の泡を生成する泡状定着液生成手段30における大きな泡生成部としては、図5に示すように、定着液容器31内の液状定着液32を搬送ポンプ33及び液搬送パイプ34等の液輸送手段を用いて気液混合部35へ供給する。この気液混合部35には、液の流れとともに空気口36に負圧が発生し、空気口36から気体が気液混合部35に導入されて液体と気体が混合する。更に、微小孔シート37を通過することで、泡径の揃った大きな泡を生成させることができる。孔径は、30[μm]〜100[μm]程度が望ましい。図5の微小孔シート37に限らず、連泡構造の多孔質部材であればよく、孔径30[μm]〜100[μm]程度を有する焼結セラミックス板や不織布や発泡樹脂シートであってもよい。また、別の大きな泡の生成方法としては、上記の搬送ポンプより供給された液状定着液と空気口からの空気を羽根状攪拌子で攪拌しながら、液に気泡を巻き込みながら大きな泡を生成させる構成や、上記の搬送ポンプより供給された液状定着液に空気供給ポンプ等でバブリングを行い大きな泡を生成する構成も望ましい。
次に、大きな泡を分割して2つ以上に分泡化するために、大きな泡にせん断力を加えるための、図5に示すような泡状定着液生成手段30における微小な泡生成手段38として、閉じた二重円筒で、内側円筒38−1が回転可能な構成とする。そして、外部円筒の一部より、気液混合部35から大きな泡状定着液が供給され、回転する内側円筒38−1と外部円筒38−2の隙間(ここが流路となる)を通過しながら、回転円筒によりせん断力を受ける。このせん断力により、大きな泡は微小な泡へと変化し、外側円筒38−2に設けられた泡の出口より、所望の微小な泡径を有する泡状定着液を得ることができる。
また、回転する内側円筒38−1の回転数と内側円筒38−1の長手方向の長さにより液搬送速度は決定される。外側円筒38−2の内径をd1[mm]、円筒長さがL[mm]とし、内側円筒38−1の外径をd2[mm]とし、回転数をR[rpm]とすると、微小な泡を生成するための液搬送速度V[mm/秒]は、
V=L×π×(d1−d2)/4/(1000/R)
の式で決まることがわかった。
例えば、d1が10[mm]、d2が8[mm]、Lが50[mm]、回転数が1000[rpm]とすると、液搬送速度は約1400[mm/秒](1.4[cc/秒])となる。A4の紙を定着するために必要な泡状定着液が3[cc]であるとすると、液状定着液から必要量の泡状定着液を生成するのに立上がり時間は約2秒ですみ、極めて素早く、所望の泡径を有する泡状定着液を生成可能となる。内側円筒にらせん状の溝を設けて、円筒内での液搬送性をよくしてもよい。
このように、液状定着液を大きな泡径を有する液へと変化させる大きな泡生成部と、大きな泡にせん断力を加えて微小な泡を生成する微小な泡生成部を組み合わせることで、液状定着液を極めて短時間に5[μm]〜50[μm]程度の微小な泡径を有する泡状定着液を生成させることができる。
次に、定着液容器から液状定着液を泡化する機構に搬送する手段としては、図5では搬送ポンプを用いている。搬送ポンプとしては、ギヤポンプ、ベローズポンプ等があるが、チューブポンプが望ましい。ギヤポンプ等ごとく定着液中で振動機構や回転機構があると、ポンプ内で液が起泡し、液に圧縮性が出て、搬送能力が低下する恐れがある。また、上記の機構部品等が定着液を汚染したり、逆に機構部品を劣化させる恐れがある。一方、チューブポンプは、チューブ内の液を、チューブを変形させながら押し出す機構であるため、定着液と接する部材はチューブだけであり、定着液に対し耐液性を有する部材を用いることで、液の汚染やポンプ系部品の劣化がない。また、チューブを変形させるだけなので、液が起泡せず、搬送能力の低下を防止できる。なお、泡状の定着液のかさ密度としては、0.01[g/cm]〜0.1[g/cm]程度の範囲が望ましい。更に、定着液は、紙等の記録媒体上のトナー等の樹脂含有微粒子の層への塗布時に泡状となっていればよく、保存容器内で泡状である必要はない。保存容器中では気泡を含有しない液体で、容器から液を供給する時点や、樹脂含有微粒子の層へ付与するまでの液搬送経路で泡状にする手段を設ける構成が望ましい。これは、保存容器では液体で、容器から液を取り出した後に泡状とする構成のほうが、容器の小型化ができるという大きな利点を有するためである。
次に、本実施形態の定着装置で用いられる定着液組成について説明する。本実施形態の定着装置では、少なくとも軟化剤と起泡剤とを含有する液状定着液を、液状から液中に気泡を分散させて泡を多く含んだ泡状定着液を用いて上述のように定着を行っている。
先ず、軟化剤について説明する。
軟化剤は、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる機能を有する。
軟化剤としては、エステル化合物であることが好ましい。エステル化合物は、トナー等の樹脂微粒子に含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させる溶解性または膨潤性に優れている。上記エステル化合物の中でも、脂肪族エステル、炭酸エステルが、樹脂の軟化能力が優れている点で特に好ましい。また、後述する起泡剤としてのアニオン系界面活性剤による起泡性を阻害しない点からも好ましい。
また、記録媒体に対する樹脂微粒子としてのトナーの定着は、密封された環境において頻繁に使用される機器で行われ、軟化剤はトナーの記録媒体への定着後にもトナー中に残留するため、記録媒体に対するトナーの定着は揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の発生を伴わないことが好ましい。すなわち、軟化剤は揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の原因となる物質を含まないことが好ましい。脂肪族エステルは、一般に汎用される有機溶剤(トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなど)と比較して、高い沸点及び低い揮発性を有し、刺激臭を持たない。
オフィス環境等における臭気を高い精度で測定することができる実用的な臭気の測定尺度として、官能測定である三点比較式臭袋法による臭気指数〔10×log(物質の臭気が感じられなくなるまでの物質の希釈倍率)〕を臭気の指標とすることができる。また、軟化剤に含まれる脂肪族エステルの臭気指数は、10以下であることが好ましい。この場合、通常のオフィス環境では、不快臭を感じなくなる。更に、軟化剤のみならず、定着液に含まれる他の液剤も同様に、不快臭及び刺激臭を有さないことが好ましい。
上記脂肪族エステルは、飽和脂肪族エステルを含む。上記脂肪族エステルが、飽和脂肪族エステルを含む場合には、軟化剤の保存安定性(酸化、加水分解などに対する耐性)を向上させることができる。また、多くの飽和脂肪族エステルは、トナーに含まれる樹脂を1[秒]以内で溶解または膨潤させることができる。更に、飽和脂肪族エステルは、記録媒体に提供されたトナーの粘着感を低下させることができる。これは、飽和脂肪族エステルが、溶解または膨潤したトナーの表面に油膜を形成するためであると考えられる。
よって、定着液としては、上記飽和脂肪族エステルが「R1COOR2」の一般式で表される化合物を含むものを用いることが望ましい。この化合物の一般式におけるR1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基を示しており、R2は、炭素数が1以上6以下の直鎖型もしくは分岐型アルキル基を示している。R1及びR2の炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。定着液としては、上記飽和脂肪族エステルが「R1COOR2」の一般式で表される化合物を含むものを用いることにより、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性または膨潤性を向上させることができる。また、上記一般式「R1COOR2」で表される化合物の臭気指数は、10以下であり、不快臭及び刺激臭を有さない。
上記化合物を含む上記飽和脂肪族エステルである脂肪族モノカルボン酸エステルとしては、例えばラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、トリデシル酸エチル、トリデシル酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、などが挙げられる。上記化合物を含むこれらの脂肪族モノカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。よって、上記化合物である脂肪族モノカルボン酸エステルの多くについて、水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解またはマイクロエマルジョンの形態とする。
また、定着液としては、上記脂肪族エステルが脂肪族ジカルボン酸エステルを含むものを用いることが望ましい。上記脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合には、より短い時間でトナーに含まれる樹脂を溶解または膨潤させることができる。例えば、60[ppm]程度の高速印字では、記録媒体における未定着のトナーに定着液を付与し、トナーが記録媒体に定着するまでの時間は、1[秒]以内であることが好ましい。上記脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合には、記録媒体における未定着のトナー等に定着液を付与し、トナーが記録媒体に定着するのに要する時間を、0.1[秒]以内にすることが可能となる。更に、より少量の軟化剤を添加することによって、トナーに含まれる樹脂を溶解または膨潤させることができるため、定着液に含まれる軟化剤の含有量を低減することができる。
よって、定着液としては、上記脂肪族ジカルボン酸エステルが「R3(COOR4)」の一般式で表される化合物を含むものを用いることが望ましい。この化合物の一般式におけるR3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基を示しており、R4は、炭素数が3以上5以下の直鎖型又は分岐型アルキル基を示している。R3及びR4の炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。定着液としては、上記脂肪族ジカルボン酸エステルが「R3(COOR4)」の一般式で表される化合物を含むものを用いることにより、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性または膨潤性を向上させることができる。また、上記一般式「R3(COOR4)」で表される化合物の臭気指数は、10以下であり、不快臭及び刺激臭を有さない。
上記化合物を含む上記脂肪族ジカルボン酸エステルとしては、例えばコハク酸2エチルヘキシル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。上記化合物を含むこれらの脂肪族ジカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。よって、水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解またはマイクロエマルジョンの形態とする。また、脂肪酸エステルではないが、クエン酸エステルや炭酸エチレンや炭酸プロピレンも軟化もしくは膨潤剤として適する。
更に、本実施形態における定着液において、上記脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含むことが望ましい。上記脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含む場合には、記録媒体に対するトナーの定着性を向上させることができる。
定着液としては、上記脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルが「R5(COOR6−O−R7)」の一般式で表される化合物を含むものを用いることが望ましい。この化合物の一般式におけるR5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基を示しており、R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基を示し、R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基を示している。R5、R6及びR7の炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。定着液としては、上記脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルが「R5(COOR6−O−R7)」の一般式で表される化合物を含むものを用いることにより、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性または膨潤性を向上させることができる。また、上記一般式「R5(COOR6−O−R7)」で表される化合物の臭気指数は、10以下であり、不快臭及び刺激臭を有さない。
ところで、泡状定着液において、塗布接触ニップ部にてトナー等の微粒子層に泡状定着液を押し込みながら浸透させる際に泡が破泡すると浸透阻害となる。そこで泡沫安定性に優れる泡が求められる。このため、定着液中に脂肪酸アルカノールアミド(1:1)型を含有することが望ましい。脂肪酸アルカノールアミドには(1:1)型と(1:2)型があるが、本発明における泡沫安定性には(1:1)型が適することがわかった。なお、定着の対象となる樹脂を含有する微粒子は、トナーに限定されず、樹脂を含有する微粒子であれば何れでもよい。例えば、導電性部材を含有した樹脂含有微粒子でもよい。また、記録媒体は、記録紙に限定されず、金属、樹脂、セラミックス等何れでもよい。但し、媒体は定着液に対し浸透性を有することが望ましく、媒体基板が液浸透性を持たない場合は、基板上に液浸透層を有する媒体が望ましい。記録媒体の形態もシート状に限定されず、平面及び曲面を有する立体物でもよい。例えば、紙のごとき媒体に透明樹脂微粒子を均一に定着させ紙面を保護する(所謂、ニスコート)用途においても、本発明は適用できる。
上記の樹脂を含有する微粒子のうち、電子写真プロセスで用いるトナーは、本実施形態の定着液との組合せにおいて最も定着への効果が高い。トナーは、色剤と帯電制御剤と結着樹脂や離型剤などのような樹脂を含む。トナーに含まれる樹脂は、特に限定されないが、好適な結着樹脂としては、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられ、離型剤としては、例えばカルバナウワックスやポリエチレンなどのワックス成分などが挙げられる。トナーは、結着樹脂の他に、公知の着色剤、電荷制御剤、流動性付与剤、外添剤などを含んでもよい。また、トナーは、メチル基を有する疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンのような疎水性微粒子をトナーの粒子の表面に固着させることによって、撥水性処理されていることが好ましい。媒体のうち、記録媒体は、特に限定されず、例えば、紙、布、及び液体透過層を有するOHP用シートのようなプラスチックフィルムなどが挙げられる。本発明における油性とは、室温(20[℃])における水に対する溶解度が、0.1重量%以下である性質を意味する。
また、泡状となった定着液は、好ましくは、撥水性処理されたトナーの粒子に対して、十分な親和性を有することが望ましい。ここで、親和性とは、液体が固体に接触したときに、固体の表面に対する液体の拡張濡れの程度を意味する。すなわち、泡状となった定着液は、撥水性処理されたトナーに対して十分な濡れ性を示すことが好ましい。疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンのような疎水性微粒子で撥水性処理されたトナーの表面は、疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンの表面に存在するメチル基によって覆われており、おおよそ20[mN/m]程度の表面エネルギーを有する。現実には撥水性処理されたトナーの表面の全面が疎水性微粒子によって完全に覆われてはいないため、撥水性処理されたトナーの表面エネルギーは、おおよそ、20〜30[mN/m]であると推測される。よって、撥水性トナーに対して親和性を有する(十分な濡れ性を有する)ためには、泡状となった定着液の表面張力は、20〜30[mN/m]であることが好ましい。
水性溶媒を用いる場合、界面活性剤を添加することで、表面張力を20〜30[mN/m]とすることが好ましい。また、水性溶媒の場合、単価もしくは多価アルコールを含有していることが望ましい。これらの材料は、泡状の定着液における気泡の安定性を高め、破泡しにくくする利点を有する。例えばセタノールなどの単価アルコールや、グリセンリン、プロピレングリコール、1,3ブチレングリコールなどの多価アルコールが望ましい。また、これらの単価又は多価のアルコール類を含有することで紙等の媒体のカール防止に効果を有する。
また、定着液中に浸透性改善や紙等媒体のカール防止のために油性成分を含有してO/WエマルジョンやW/Oエマルジョンを形成する構成も望ましく、その場合、具体的な分散剤としては、ソルビタンモノオレエートやソルビタンモノステレートやソルビタンセスキオレートなどのソルビタン脂肪酸エステルやショ糖ラウリン酸エステルやショ糖ステアリン酸エステルなどのショ糖エステルなどが望ましい。なお、定着中での軟化剤を溶解もしくはマイクロエマルジョン分散させるため方法としては、例えば、回転羽根によるホモミキサーやホモジナイザーのような機械的に攪拌する手段、及び超音波ホモジナイザーのような振動を与える手段が挙げられる。いずれにしても、強いせん断応力を定着液中の軟化剤に加えることで溶解もしくはマイクロエマルジョン分散させる。
また、トナーの定着装置は、本実施形態における定着液をトナーに供給した後、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる部剤(軟化剤)によって溶解又は膨潤したトナーを加圧する、一対の平滑化ローラ(ハードローラ)を有してもよい。一対の平滑化ローラ(ハードローラ)によって、溶解又は膨潤したトナーを加圧することによって、溶解又は膨潤したトナーの層の表面を平滑化して、トナーに光沢を付与することが可能となる。更に、記録媒体内へ溶解又は膨潤したトナーを押し込むことによって、記録媒体に対するトナーの定着性を向上させることができる。
次に、起泡剤について説明する。
上述のように定着液は軟化剤を含有するが、一般的に軟化剤は消泡作用が強い。このため、本実施形態の定着装置のように、液状の定着液を泡状定着液として用いる場合、定着液中の軟化剤の濃度が高いほど、定着液の起泡性及び泡沫安定性が悪くなり、起泡し難くなったり、泡状定着液が破泡し易くなったりするおそれがある。起泡し難いと嵩密度の低いの泡状定着液を得ることができず、所望の嵩密度の泡状定着液を得たとしても、泡状定着液が破泡し易いと定着ニップで完全に破泡してしまい液状定着液を塗布する構成と同様の問題が生じる。
また、起泡剤としては、アニオン系界面活性剤が優れた起泡性と泡沫安定性とを実現することができ、起泡剤として優れている。アニオン系界面活性剤のなかでも、脂肪酸塩は、最も泡沫安定性に優れ、定着液の起泡剤として最も適する。ここで、泡沫安定性とは、泡状となった定着液が液状となり難い性質をいう。本実施形態の定着装置で未定着トナーに付与する泡状定着液としては、泡の状態で1分間放置しても消泡せず、泡の状態を保てる程度の泡沫安定性を有することが望ましい。
本発明者らは、定着液中の軟化剤濃度を高めたときの起泡性及び泡沫安定性の劣化問題を解決するため、アニオン系界面活性剤の種類や濃度を因子として多種の試作を行った。また、非特許文献1にも記載されている「スーパーファット」と呼称される技術、つまり固形洗浄剤(石鹸)に含有されている遊離脂肪酸に着目して試作を行った。ここで、スーパーファットと呼称される技術について概説すると、酸化されにくい遊離脂肪酸を少量加え、過剰油脂分を増やす方法であり、ケン化されない油脂を少量分残すことによって、例えば保湿作用を高めるなどの効果があるとされている。上記非特許文献1には、石鹸水溶系に極少量の脂肪酸を添加すると、起泡性能が向上する上、泡質が一層クリーミィになることが知られており、スーパーファットソープと呼ばれていると記載されている。このスーパーファットと同様に軟化剤を有する定着液に極少量の脂肪酸を添加して泡化しようとしたが起泡性及び泡沫安定性のいずれも悪かった。
これに対して、本発明者らは、起泡剤として炭素数12から18の脂肪酸塩を用い、更に炭素数12から18の脂肪酸を定着液中に含有することにより、軟化剤の濃度が高くなっても、定着液の起泡性が劣化しない泡状定着液を提供できることを見出した。軟化剤を含有した定着液において、単に水を起泡する場合に比較して、脂肪酸塩の炭素数としては、12から18が起泡性に優れている。具体的には、ラウリン酸塩(炭素数12)、ミリスチン酸塩(炭素数14)、パルミチン酸塩(炭素数16、)、ステアリン酸塩(炭素数18)が適する。また、ペンタデシル酸(炭素数15)、マルガリン酸(炭素数17)なども適する。
ここで、脂肪酸と軟化剤との作用について説明すると、軟化剤はエステル基を化学構造中に有しており、脂肪酸はカルボニル基を化学構造中に有している。この点から、軟化剤のエステル基と脂肪酸のカルボニル基が定着液の系内で、電気的な作用を示し、またそれが分子間の結合作用を生じさせ、定着液の特性として起泡性及び泡沫安定性を向上させている。
また、炭素数12から18の範囲においても、炭素数が少ないほうが起泡性に優れているが泡沫安定性が悪く、炭素数が多いほうが起泡性にあまりよくないが泡沫安定性に極めて優れている。このため、定着液中には、単独の脂肪酸塩を含有させても良いが、炭素数12から18の脂肪酸塩を混合して含有させる方がさらに優れている。混合比率としては、ミリスチン酸塩(炭素数14)を最も多く含み、ラウリン酸塩(炭素数12)、ステアリン酸塩の割合を低くすることが望ましい。より具体的な脂肪酸塩の比率としては、ラウリン酸塩:ミリスチン酸塩:パルミチン酸塩:ステアリン酸塩の重量比で、0:6:3:1、1:5:3:1、1:4:4:1などが適する。
ところで、定着液中に起泡剤である脂肪酸塩と同じ炭素数の脂肪酸を含有することで軟化剤の濃度が高くなっても起泡性及び泡沫安定性を維持することができる。軟化剤の濃度として、10[wt%]未満では、脂肪酸を含有しなくても起泡性は問題ない。しかし、軟化剤の濃度が10[wt%]以上、特に軟化剤の濃度が30[wt%]以上になると、脂肪酸塩だけでは、ほとんど起泡しなくなり起泡性が悪くなる。このような軟化剤の濃度が30[wt%]となる定着液において、脂肪酸塩と同じ炭素数の脂肪酸を含有させると、起泡性を維持できる。
但し、脂肪酸の含有量が多くなりすぎると、起泡剤である脂肪酸塩の比率が下がり、起泡性が再び悪くなる。そこで、脂肪酸塩のモル数を、脂肪酸のモル数と同じに、またはは大きくするほうがよい。あるいは、脂肪酸と脂肪酸塩の比率を、5:5から1:9の範囲とした場合起泡性が優れている。
なお、同じ炭素数の脂肪酸と脂肪酸塩の組合せだけでなく、例えば、脂肪酸塩がミリスチン酸アミンで、脂肪酸がステアリン酸の組合せや脂肪酸塩がパルミチン酸カリウムで脂肪酸がステアリン酸のような炭素数が12から18の範囲で異なる組合せであってもよい。要は、炭素数12から18の範囲の脂肪酸を定着液に含有することで、高濃度の軟化剤を含有しても、起泡性が悪くならず、泡沫安定性に優れ、嵩密度の極めて低い泡化を可能とする。
また、他のアニオン系界面活性剤、例えばアルキルエーテル硫酸塩(AES)を起泡剤として、炭素数12から18の脂肪酸を含有した定着液であっても、軟化剤濃度増加による起泡性が悪くなるのを防止する効果があることがわかった。但し、最も組合せとして優れているのは脂肪酸塩との組合せである。
更に、脂肪酸塩としては、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸アミンが適している。更に、最も適している脂肪酸アミンは、具体的には、水を加熱し、脂肪酸を添加し、その後トリエタノールアミンを添加して、一定時間撹拌しながら加熱してケン化反応させることで作製することができる。このとき、脂肪酸とトリエタノールアミンとのモル比を、1:0.5から1:0.9の範囲と脂肪酸比率を高くすることで、ケン化後、未反応の脂肪酸が残留し、定着液中に脂肪酸と脂肪酸アミンを混合させることができる。同じことは、ナトリウム塩やカリウム塩でも可能である。
ところで、定着液中の軟化剤濃度が高くなると希釈溶媒である水に軟化剤が溶解しにくくなる。そこで、検討した結果、多価のアルコール類、具体的にはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3ブチレングリコール、グリセリンなどを定着液中に含有させることで、軟化剤が高濃度でも溶解し、かつ脂肪酸塩による起泡性を劣化させず、むしろ起泡性が向上することがわかった。また、多価のアルコール類の含有量は、1[wt%]から30[wt%]の範囲が適当である。30[wt%]より多い含有量では、起泡性がむしろ劣化するため適さない。
次に、定着液の具体的な処方の例を以下に示す。
希釈溶媒:イオン交換水 53wt%
軟化剤:コハク酸ジエトキシエチル(クローダ社 クローダDES)
10wt%
炭酸プロピレン 20wt%
増粘剤:プロピレングリコール 10wt%
増泡剤:ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂 マーポンMM)
0.5wt%
起泡剤:パルミチン酸アミン 2.5wt%
ミリスチン酸アミン 1.5wt%
ステアリン酸アミン 0.5wt%
分散剤:POE(20)ラウリルソルビタン(花王 レオドールTW−S120V)
1wt%
ポリエチレングリコールモノステアレート(花王 エマノーン3199)
1wt%
次に、本実施形態に係る定着装置の構成について説明する。
図6は本実施形態に係る定着装置の構成の一例を示す概略図である。同図に示す定着装置100において、上述した泡状定着液生成手段30によって生成された泡状定着液L’が泡状定着液供給手段39によって泡状定着液塗布手段40のベルト部材40−1上の泡状定着液膜厚調整手段41の上流側に付与される。ベルト部材40−1は、3つのローラ40−2〜40−4によって懸架されている。泡状定着液膜厚調整手段41としては、図示されている通り、ブレードという手段に代表される。ブレードはベルト部材40−1の移動方向に対してトレーリングポジションで取り付けられたほうが、薄膜化したときの膜厚の安定性に優れる。ブレードは泡状定着液L’を薄層化して最適な膜厚を形成している。ここで要求される膜厚は、ベルト部材上に定着の際に最適値となる膜厚のことである。また、ローラ40−2は、泡状定着液膜厚調整手段41のブレードに対向する位置に設けられており、ブレードによる加圧力を受けている。よって、最適な膜厚の泡状定着液が形成されるよう、フレードの加圧力やローラ40−2の軸上硬度が設定されている。ローラ40−3は、加圧ローラ42に対向した位置に設けられており、加圧ローラ42より加圧力を受けてベルト部材40−1と媒体Pとを挟みこんでニップを構成している。ローラ40−2付近のベルト部材40−1上で薄層化された泡状定着液L’は、ローラ40−3と加圧ローラ42により構成されるニップ部において、媒体P上の未定着のトナー粒子層Tに付与され、トナー粒子を媒体Pに定着させている。このとき、媒体Pは、ローラ40−3と加圧ローラ42によって挟み込まれて搬送され、薄層化された泡状定着液L’が媒体Pに付与されている。これにより、ローラ40−3と加圧ローラ42はニップを構成するために、軸上硬度が低めの柔らかいローラである。そして、ローラ40−4は、このローラ群の中で最も径の小さいローラである。この役割は、媒体をベルト部材40−1から分離させることである。媒体Pには泡状定着液L’が付与されるので、媒体Pとベルト部材40−1は液体を介して密着した状態であるため、強い密着力を持っている。よって、これらを剥がす構成も必要である。ローラ40−4の径が小さいので、ベルト部材40−1も小さなRを形成するので、媒体Pの腰により、分離させることができる。
また、ベルト部材40−1上において、ローラ40−4近傍の媒体Pとベルト部材40−1とが分離する位置の下流位置にはクリーニング手段43が設けられている。このクリーニング手段43は、泡状定着液付与動作後にベルト部材40−1上に残留した泡状定着液やオフセットしたトナーを除去するために設けられている。これらが正常に除去されていなければ、泡状定着液膜厚調整手段41のブレードの部分で安定した泡状定着液L’の薄膜形成に支障をきたすからである。図6の例では、クリーニング手段43は、ローラ40−4に対向する位置でベルト部材40−1に当接しており、よってクリーニング部材43からの加圧力をローラ40−4で受けている形となっている。また、ローラ40−2の位置で泡状定着液供給手段39のすぐ上流側にクリーニング手段43を設けるという形であってもかまわない。更に、クリーニング性能が維持できるならば、ローラに対向する位置でなくてもかまわない。なお、ローラの数は必要に応じて増やしたり、不必要なローラは減らしたりしてもかまわない。
次に、図6に示すようなローラ40−3の位置でのベルト部材40−1と加圧ローラ42により構成されるニップ部に関する詳細説明を行う。泡状定着液L’を媒体P上の未定着のトナーTに浸透させて、媒体Pに確実に定着させるためには、泡状定着液L’が塗布されたベルト部材40−1と媒体Pとの間で、適度な加圧力を適度な時間かけてやる必要がある。加圧力が低すぎれば泡状定着液L’が浸透せずにオフセットの原因となり、また加圧力が高すぎればトナー流れが発生して画像の乱れの原因になる。また、加圧時間が短いと泡状定着液が浸透しきれずにオフセットの原因となり、加圧時間が長すぎると泡状定着液が完全に浸透してしまってベルト部材とトナー層が密着し、その剥離に力が必要になるので、分離不良やホットオフセット的な現象が発生してしまう。
そこで、本実施形態では、適度な加圧力を適度な時間かけるために、ニップ構成をとっている。そして、本実施形態は、媒体の種類によってニップ条件が変わることによって定着品質が損なわれ、機械の線速を調整する必要があるという不具合を解消するものである。具体的には、図7の(b)に示すように腰の強い媒体Pになると、図7の(a)に示す腰の弱い媒体Pの場合のニップ幅W1に比して、ニップ圧が上昇してニップ幅W2が狭くなるというものである。この構成においては、加圧ローラ42のみが軟質なので、このような不具合が発生している。
本実施形態においては、図8に示すように、加圧ローラ42のみならず、ローラ40−3も軟質とし、ニップの形状がフラットになるように構成している。このようにすることによって、図8の(a),(b)に示すとおり、媒体Pの厚みや腰がどのように変化してもニップ通過時の媒体Pの形状は平面性を維持できる。これにより、安定したニップ条件、すなわちニップ圧とニップ幅Wが不変となるように構成できる。このため、いかなる種類の媒体であろうが、ニップ条件が不変なので、定着品質が安定し、かつ泡状定着液による定着の熱定着に対する大きなメリットである線速を変えないでも一定の定着条件を維持できるというメリットを、十分に生かすことができる。
フラットなニップを構成するためには必要な条件がある。それは、少なくとも加圧ローラ42とローラ40−3の軸上硬度が概略等しいということである。両ローラともが軟質であったとしても、軸上硬度に差があればフラットなニップの形成はできず、円弧面な形状にニップになってしまい、図7のような形状になってしまう。よって加圧ローラ42とローラ40−3の軸上硬度が等しいということは、フラットなニップを構成するための必要な条件となる。
なお、軸上硬度を決定する要素はいくつか存在する。それは、ローラ径、ローラ表面の弾性体層の材質そのものの硬度、ローラ表面の弾性体層の厚みなどである。つまり、それら個別の値が異なっていても、全体のバランスで軸上硬度を等しくすることもできる。しかし、その場合、確実にフラットなニップを構成できるとは限らない。確実にフラットなニップを得るためには、ローラ径、ローラ表面の弾性体層の材質そのものの硬度、ローラ表面の弾性体層の厚みの全てが概略等しいことが望ましい。つまり、加圧ローラ42とローラ40−3とを同仕様のローラにすることである。そうすれば、互いに共通部品として使えるので、部品点数を減らすことにもなるので、設計及び製造工程においてコストダウンも同時に図ることができる。
そして、ローラ40−3はニップを構成するために品質管理された軟質のローラである必要があるということがわかった。一方で、図6のローラ40−2は泡状定着液膜厚調整手段41のブレードに対向する位置に設けられており、ブレードによる加圧力を受けている。ローラ40−2とローラ40−3とを1本のローラで兼ねていたが、少なくともローラ40−3の機能を出すためには品質管理された軟質のローラである必要がある。その軟質な仕様のローラで、ブレードからの加圧力を受けて最適な膜厚の泡状定着液を形成するには課題が多い。例えば、ブレードからの加圧力を受けて軟質なローラの表面が変形するために、所望の厚みの泡状定着液層を形成できない可能性がある。さらには、ブレードのエッジが常に軟質なローラに接していることから、ローラの耐久性についても懸念される。これらのことから、ブレードによる加圧力を受けて、最適な膜厚の泡状定着液が形成するためには、それに特化した仕様のローラが必要であることがわかる。したがって、ローラ40−2とローラ40−3とを別々に設け、最適な膜厚の泡状定着液が形成する機能と、あらゆる種類の媒体に一定のニップ条件を与える機能の2つを実現し、それらをベルト部材でつなぐ構成にしている。
泡状定着液塗布手段40は、図6に示す構成に限定する必要はない。軟質なローラであっても、ブレードによって所望の膜厚の泡状定着液層を形成できるのであれば、ローラ40−2とローラ40−3とを共通化した形態、つまり図9に示すようにベルト部材40−1をローラ40−3とローラ40−4とで懸架した形態であってもよい。また、ローラにおいて、媒体Pとベルト部材40−1とを分離できるのならば、ローラ40−4も要らない形態となる。すなわち、図10に示すように、泡状定着液塗布手段40としてベルト部材を用いず、単一の塗布ローラ40−5のみの構成となる。このとき、塗布ローラ40−5は加圧ローラ42とフラットなニップを構成するべく柔らかいローラである必要はあるが、その柔らかいローラでも、ブレードによって所望の膜厚の泡状定着液を形成することが可能な場合であり、さらに媒体Pとの分離も可能な場合にのみ成立する構成である。この場合は、ベルト部材が要らないので構成がシンプルになり、容易な駆動とコストダウンが可能になる。なお、泡状定着液塗布手段及び加圧手段もベルト部材で構成されてもよい。更には、ローラ40−2とローラ40−3の共通化ができない形態においても、ローラ40−3において、媒体Pとベルト部材40−1とを分離できるのならば、図11に示すようなローラ40−4は要らない形態となる。このとき、クリーニング手段43はローラ40−2に対向する位置に配置されることになる。また、図12に示すように、1つのローラに分離機能と所望の膜厚の泡状定着液の形成を兼ねた形態であってもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、図8に示すように、ローラ40−3と加圧ローラ42とも同等な軟質な材質とし、ローラ40−3と加圧ローラのニップ部において互いの対峙する方向の各圧力は同じにする。これにより、ニップの形状がフラットになる。そして、フラットなニップ形状を有するように対峙し合うローラ40−3と加圧ローラ42とでベルト部材40−1を介して挟み込むニップ部に、平坦である媒体Pを通過させる。このときの媒体がニップ部で受ける各圧力は対向する方向で同じであるため、ニップ面における媒体上の圧力分布も一定となる。平坦な媒体Pの全面における圧力分布も一定である。媒体Pの厚みや腰の強さにかかわらずニップ通過時の媒体Pの形状は平面性を維持することになる。これにより、安定したニップ条件、すなわちニップ圧とニップ幅Wが不変となる。そして、ニップ条件が不変なので泡状定着液の塗布量が一定となって定着応答性が一定となり、定着品質が安定する。
1:画像形成部
2:給紙部
3:画像読取部
4:胴内排紙部
5(5Y,5C,5M,5Bk):像担持体
6:中間転写体
10:帯電装置
11:露光装置
12:現像装置
13:転写装置
18:定着装置
20(20Y,20C,20M,20Bk):画像形成ユニット
25:潤滑剤塗布装置
30:泡状定着液生成手段
31:定着液容器
32:液状定着液
33:液体搬送ポンプ
34:液体搬送パイプ
35:気液混合部
36:気体搬送パイプ
37:微小孔シート
38:微小な泡生成手段
38−1:内側円筒
38−2:外部円筒
39:泡状定着液供給手段
40:泡状定着液塗布手段
40−1:ベルト部材
40−2、40−3、40−4:ローラ
41:泡状定着液膜厚調整手段
42:加圧ローラ
43:クリーニング手段
100:定着装置
P:記録媒体
T:未定着トナー(樹脂含有微粒子)
特許第4486160号公報
「泡のエンジニアリング」初版(石井淑夫著,株式会社テクノシステム,2005年3月25日発行,P.489)

Claims (11)

  1. 樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで、樹脂を含有する微粒子を軟化させる軟化剤を含有した液状定着液の液中に気泡を分散させて泡状定着液を生成する泡状定着液生成手段と、媒体上に担持された樹脂微粒子層に上記泡状定着液を塗布する泡状定着液塗布手段と、該泡状定着液塗布手段の塗布面上に付与された上記泡状定着液を所望の膜厚に調整する泡状定着液膜厚調整手段と、該泡状定着液膜厚調整手段によって所望の膜厚の上記泡状定着液が形成された上記泡状定着液塗布手段と対峙して設けられ、上記泡状定着液塗布手段と媒体とを挟み込み加圧することによって上記泡状定着液を媒体に塗布する加圧手段と、を備え、媒体上の樹脂微粒子層に泡状定着液を塗布して軟化した当該樹脂微粒子層を媒体上に定着させる定着装置において、
    上記泡状定着液塗布手段と対峙する上記加圧手段と上記泡状定着液塗布手段との対峙面はフラット面であることを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1記載の定着装置において、
    上記泡状定着液塗布手段及び上記加圧手段は弾性体であることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1又は2に記載の定着装置において、
    上記泡状定着液塗布手段及び上記加圧手段はローラであることを特徴とする定着装置。
  4. 請求項3記載の定着装置において、
    上記泡状定着液塗布手段及び上記加圧手段の各ローラ軸上硬度が概略等しいことを特徴とする定着装置。
  5. 請求項3又は4に記載の定着装置において、
    上記泡状定着液塗布手段及び上記加圧手段の各ローラ径、各ローラ表面の弾性体層の硬度、各ローラ表面の弾性体層の厚みが概略等しいことを特徴とする定着装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の定着装置において、
    上記泡状定着液塗布手段手段は、複数のローラと各ローラによって懸架されているベルト部材とで構成され、複数の上記ローラのうち少なくとも一つのローラは、ローラの上記加圧手段と対峙していることを特徴とする定着装置。
  7. 請求項6記載の定着装置において、
    ローラの上記加圧手段と対峙する上記ベルト部材を懸架しているローラは、上記泡状定着液膜厚調整手段と対峙する上記ベルト部材を懸架しているローラと異なるローラであることを特徴とする定着装置。
  8. 請求項6記載の定着装置において、
    ローラの上記加圧手段と対峙する上記ベルト部材を懸架しているローラは、上記泡状定着液膜厚調整手段にも対峙していることを特徴とする定着装置。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の定着装置において、
    上記泡状定着液塗布手段手段はローラで構成され、上記ローラはローラの上記加圧手段と対峙していることを特徴とする定着装置。
  10. 請求項1記載の定着装置において、
    上記泡状定着液塗布手段及び上記加圧手段は無端のベルト部材であり、上記泡状定着液塗布手段のベルト部分と対峙する上記加圧手段のベルト部分の対峙面はフラット面であることを特徴とする定着装置。
    とする定着装置。
  11. 樹脂含有微粒子が色剤を含有したトナーで静電記録プロセスを行い媒体上に未定着トナー画像を形成する画像形成手段と、請求項1〜9のいずれか1項に記載の定着装置により上記未定着トナー画像を媒体に定着させる定着手段とを具備することを特徴とする画像形成装置。
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