JP2012086340A - 把持装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の爪部4・5と、弾性素材からなる袋状部材6aと、該袋状部材6aに充填される粒状物6bとを備え、各爪部4・5のワーク50と当接する部位に付設される複数の当接部6・6・・・と、を有し、各爪部4・5を変位させることにより、各当接部6・6・・・によりワーク50を挟圧し、ワーク50を挟圧した状態で、袋状部材6aの内容積に対する粒状物6bの体積比率を増大させることにより、粒状物6bを、任意の形状を保持しつつ硬化させて、ワーク50の把持を行う把持部2を備える把持装置1であって、把持部2は、当接部6を構成する袋状部材6aのワーク50と当接する部位である正面部6cに連続し、かつ、該正面部6cに略直交して形成される部位である側面部6dの位置を規制するための規制部材9(保持枠9a)を備える。
【選択図】図3
Description
そこで、外形形状が異なる複数種類のワークを良好に把持することができる把持装置の技術が種々検討されており、例えば、以下に示す特許文献1にその技術が開示され公知となっている。
当該把持装置では、ロボットアーム等の支持装置の手先部に当接部を配設している。
そして、ロボットアーム等の把持動作によって、当接部をワーク等に当接させて、該当接部をワーク等の形状に倣わせておき、その後、当接部内を減圧することによって、皮膜内の多数の粒状物を緊密に係留させて、当接部の形状がワーク形状に倣った状態を保持するようにしている。
また当該把持装置では、当接部内の減圧状態を解除することによって、当接部を定常形状に復元させるようにしている。
そして、このような従来の把持装置を用いることによって、当接部の形状を様々なワーク等の外形形状に対応させることができるため、外形形状が異なる複数種類のワークを取り扱う場合において、各ワークを安定して把持することができる。
そして、当接部による係止力をより高めるためには、ワークの凹凸部に対して当接部をより隙間無く入り込ませることができればよく、これには当接部の挟圧方向に対する厚みをより大きくすることが有効である。
この場合、当接部について、所望する厚みが得られないと、把持力の向上が望めないという問題があった。
まず始めに、本発明の第一の実施形態に係る把持装置の全体構成について、図1〜図4を用いて説明をする。
図1に示す如く、本発明の第一の実施形態に係る把持装置1は、ワーク等を把持して保持するための装置であり、把持部2、制御装置7、真空排気設備8等を備えている。
把持部2は、把持装置1におけるワークを直接把持するための部位であり、駆動部3、複数の爪部4・5、複数の当接部6・6・・・、複数の規制部材9・9・・・等を備えている。
尚、各爪部4・5の形状は、把持対象となるワークの形状および大きさや、各スライダ部3a・3bのストローク量等を考慮して設定する。
爪部4は、支持部4aがスライダ部3aに対して固定されている。そして、制御装置7により、駆動部3を作動させてスライダ部3aをスライドさせて、各挟圧部4b・4bを、スライダ部3aのスライド方向に沿って往復動させる構成としている(図1参照)。
爪部5は、支持部5aがスライダ部3bに対して固定されている。そして、制御装置7により、駆動部3を作動させてスライダ部3bをスライドさせて、挟圧部5bを、スライダ部3bのスライド方向に沿って往復動させる構成としている(図1参照)。
また、規制部材9は、当接部6の形状を保持する役割を果たす部材であって、当接部6の周りを囲むようにして設けられている。
図3(a)(b)に示す如く、当接部6は、弾性を有する略袋状の部材である袋状部材6aと、該袋状部材6aに充填される粒状物6bを備えており、定常時においては、柔軟に変形できる態様を呈している。そして、当接部6は、各爪部4・5の各挟圧部4b・5bにおける付設面4c・5cに付設されている。
尚、ここで言う「定常時」とは、袋状部材6a内の圧力が大気圧に近い状態であって、粒状物6bが流動性を有している状態をいう(以下同じ)。
尚、本実施形態では、袋状部材6aの形状が、略直方体状である場合を例示しているが、本発明に係る把持装置を構成する当接部における袋状部材の形状をこれに限定するものではない。
真空排気設備8は、把持装置1において当接部6を硬化および軟化させるための手段を構成するものであり、真空ポンプ8a、真空配管8b、電磁弁8c等を備えている。そして、各当接部6・6・6の袋状部材6a・6a・6a(図3(a)(b)参照)に、各真空配管8b・8b・8bが接続されている。
尚、本実施形態では、真空排気設備8に真空ポンプ8aが備えられる場合を例示しているが、真空ポンプ8a以外の排気手段(例えば、エジェクター等)を備える構成とすることも可能である。
また、本発明に係る把持装置において、当接部の硬化および軟化を実現させるための手段は、必ずしも真空排気設備である必要はなく、当接部の硬化および軟化を実現することができる種々の態様のものを採用し得る。
尚、本実施形態では、把持部2によって、ワーク50を三点支持する態様を例示しているが、本発明に係る把持装置における、ワークの支持点数をこれに限定するものではなく、例えば、二点支持する態様であってもよく、あるいは、四点以上で支持する態様であってもよい。
しかしながら、当接部6の挟圧方向に対する厚みdを大きくしていくと、袋状部材6aや粒状物6bに作用する重力によって、当接部6が下方に垂れ下がってしまうため、当接部6の挟圧方向に対する厚みdを大きくしたとしても、その設定した(所望する)厚みよりも小さい厚みしか得ることができなかった。このため、当接部6の挟圧方向に対する厚みdを大きくしても、把持装置1による把持力の向上が望めなかった。
保持枠9aは、水平方向および鉛直方向の4方向から側面部6dに当接する部材であり、当接部6に作用する重力に抗して、側面部6dの位置を保持するものである。
弾性部材9bは、保持枠9aを各付設面4c・5cから支持するための部材であって、当接部6の挟圧方向に対して弾性を有する構成としている。
尚、本実施形態では、弾性部材9bとして、バネ部材を採用した場合を例示している。
これにより、当接部6の垂れ下がりを防止しつつ、当接部6をワークの凹凸部に確実に押圧することができる構成としている。
そして、保持枠9aが爪部4側に変位すると、保持枠9aによって垂れ下がることなく形態が保持されていた当接部6が、保持枠9aからワーク側に向けて外部に露出するようになる。
さらにこのとき、保持枠9aからワーク側に向けて当接部6を外部に露出させるのとほぼ同時に、当接部6をワークに押圧させることができる。
このような構成により、当接部6の垂れ下がりを防止しつつ(即ち、所望する厚みを保持した状態で)、各爪部4・5の変位量に応じて、確実に当接部6をワークの所定位置に当接させることができる。
また、本実施形態では、保持枠9aがワークと当接することによって、受動的に変位する構成としているが、例えば、アクチュエータ等を用いて、爪部4・5の変位にリンクさせて、能動的に保持枠9aを変位させるような構成とすることも可能である。
図5(a)に示す如く、規制部材9の保持枠9aが未だワーク50に当接していない状態において、当接部6は、保持枠9aによって側面部6d・6dの位置が規制されているため、所望する厚み(本実施形態では、略直方体状)が保持されている。またこのとき当接部6は、軟化状態としている。
本発明の第一の実施形態に係る把持装置1における当接部6は、当接部6に作用する重力による垂れ下がりを、規制部材9により規制しているため、当接部6の厚み(図2(a)中に示す厚みd)を増大させており、当接部6の柔軟性がより高められている。
そしてここからさらに、各爪部4・5を、ワーク50を挟持する方向に変位させると、規制部材9が各爪部4・5側に変位すると同時に、当接部6がワーク50に対して押圧される。
そして、この状態(即ち、当接部6を各凹凸部50a・50b・50cに対して隙間無く沿わせた状態)で、当接部6を硬化させることによって、従来に比して、より高い把持力を得ることが可能になる。
このような構成により、当接部6の挟圧方向に対する厚みdを大きくした場合において、当接部6が下方に垂れ下がることを防止できる。またこれにより、当接部6をワーク50の各凹凸部50a・50b・50cにより隙間無く沿わせる(即ち、隙間無く入り込み、あるいは、隙間無く包囲する)ことができる。
このような構成により、規制部材9とワーク50が干渉して、ワーク50に対して当接部6を押圧できなくなることを防止できる。
図6に示す如く、本発明の第二の実施形態に係る把持装置11は、本発明の第一の実施形態に係る把持装置1に対して、把持部の構成が異なっている。
具体的には、把持装置11が備える把持部12は、複数の爪部14・15において、複数の当接部16・16・・・等を備える構成としており、特に当接部16の構成が、本発明の第一の実施形態に係る当接部6と異なっている。
尚、把持装置11における駆動部3、制御装置7、真空排気設備8等の構成は、本発明の第一の実施形態に係る把持装置1と共通している。
袋状部材16aは、ワークと当接する面であって該当接部16の挟圧方向に対して略垂直な面を形成する正面部16cと、該正面部16cに対して略直交する面により当接部16の挟圧方向における厚みを形成する側面部16dと、当接部16を各付設面14c・15cに付設するための面である背面部16eと、を備えている。
そして、本実施形態に示す規制部材19は、本発明の第一の実施形態に係る把持装置1に備えられる規制部材9の如く、保持枠9aと弾性部材9bにより構成されるものではなく、規制部材19自体を枠状に形成するとともに、規制部材19自体の素材として弾性を有する素材(例えば、ゴム等)を採用する構成としている。
そして、規制部材19が各爪部14・15側に収縮することにより、規制部材19からワークに向けて当接部16を露出させることができるため、規制部材9に比してより簡易な構成で、当接部16の垂れ下がりを防止しつつ、各爪部14・15の変位量に応じて、確実に当接部16をワークに当接させることができる。
このような構成により、規制部材19とワークに干渉して、ワークに対して当接部16を押圧できなくなることを防止できる。
図6に示す如く、本発明の第三の実施形態に係る把持装置21は、本発明の第一および第二の実施形態に係る各把持装置1・11に対して、把持部の構成が異なっている。
具体的には、把持装置21が備える把持部22は、複数の爪部24・25において、複数の当接部26・26・・・等を備える構成としており、特に当接部26の構成が、本発明の第一および第二の実施形態に係る各当接部6・16と異なっている。
尚、把持装置21における駆動部3、制御装置7、真空排気設備8等の構成は、本発明の第一および第二の実施形態に係る各把持装置1・11と共通している。
袋状部材26aは、ワークと当接する面であって該当接部26の挟圧方向に対して略垂直な面を形成する正面部26cと、該正面部26cに対して略直交する面により当接部26の挟圧方向における厚みを形成する側面部26dと、当接部26を各付設面24c・25cに付設するための面である背面部26eと、を備えている。
そして、規制部材29によって、当接部26の側面部26dを補強することによって、当接部26の厚みを増大させた場合であっても、当接部26が垂れ下がることを防止する構成としている。
これにより、当接部26の垂れ下がりを防止しつつ、各爪部24・25の変位量に応じて、確実に当接部26をワーク50に当接させることができる。
このような構成により、袋状部材26aの側面部26dに規制部材29としての機能を持たせることにより、簡易な構成で、当接部26が下方に垂れ下がることを防止できる。
図6に示す如く、本発明の第四の実施形態に係る把持装置31は、本発明の第一〜第三の実施形態に係る各把持装置1・11・21に対して、把持部の構成が異なっている。
具体的には、把持装置31が備える把持部32は、複数の爪部34・35において、複数の当接部36・36・・・等を備える構成としており、特に当接部36の構成が、本発明の第一〜第三の実施形態に係る各当接部6・16・26と異なっている。
尚、把持装置31における駆動部3、制御装置7、真空排気設備8等の構成は、本発明の第一〜第三の実施形態に係る各把持装置1・11・21と共通している。
袋状部材36aは、ワークと当接する面であって該当接部36の挟圧方向に対して略垂直な面を形成する正面部36cと、該正面部36cに対して略直交する面により当接部36の挟圧方向における厚みを形成する側面部36dと、当接部36を各付設面34c・35cに付設するための面である背面部36eと、を備えている。
さらに、当接部36に対しては、該当接部36の周囲に、側面部36dに沿って当接部36の形状を保持するための枠部材である規制部材39を備える構成としている。
これにより、当接部36と規制部材39が引っかかることを防止でき、規制部材39を各爪部34a・35aに向けて確実に変位させることができるため、当接部36を確実にワークに押圧することが可能になる。
このような構成により、規制部材39が当接部36に引っかかることを防止できる。
2 把持部
4 爪部
5 爪部
6 当接部(第一の実施形態)
6a 袋状部材
6b 粒状物
6c 正面部
6d 側面部
9 規制部材
9a 保持枠
9b 弾性部材
11 把持装置(第二の実施形態)
14 爪部
15 爪部
16 当接部
19 規制部材
21 把持装置(第三の実施形態)
26 当接部
26a 袋状部材
26d 側面部
29 規制部材
31 把持装置(第四の実施形態)
36 当接部
39 規制部材
50 ワーク
Claims (5)
- ワークを挟圧するための複数の爪部と、
弾性を有する素材からなる袋状部材と、該袋状部材に充填される粒状物とを備え、前記複数の爪部の前記ワークと当接する部位に付設される複数の当接部と、
を有し、
前記複数の爪部を変位させることにより、前記複数の当接部により前記ワークを挟圧し、前記ワークを挟圧した状態で、前記袋状部材の内容積に対する前記粒状物の体積比率を増大させることにより、前記粒状物を前記ワークの外面形状に倣わせた形状に保持しつつ硬化させて、前記ワークの把持を行う把持部を備える把持装置であって、
前記把持部は、
前記当接部を構成する前記袋状部材の前記ワークと当接する部位である正面部に連続し、かつ、該正面部に略直交して形成される部位である側面部の位置を規制するための規制部材を備える、
ことを特徴とする把持装置。 - 前記規制部材は、
前記爪部に対して、弾性を有する部材を介して支持され、
前記当接部の挟圧方向に対して変位可能に構成される、
ことを特徴とする請求項1記載の把持装置。 - 前記規制部材は、弾性を有する素材からなり、
前記当接部の挟圧方向に対して伸縮可能に構成される、
ことを特徴とする請求項1記載の把持装置。 - 前記規制部材は、
前記袋状部材の側面部と一体として構成される、
特徴とする請求項3記載の把持装置。 - 前記規制部材と前記当接部は、
前記当接部の挟圧方向視における態様が、略円形に構成される、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の把持装置。
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