JP2012083621A - 走査型レーザ顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】標本4上においてレーザ光を2次元走査するガルバノミラー2と、走査されたレーザ光を標本4に集光する対物レンズ3と、標本4からの光を検出するPMT8と、PMT8により検出された光の強度とガルバノミラー2の走査位置情報に基づいて、相互に重複せずに隣接する標本4の部分画像を含み、且つ、部分画像よりも大きな拡大部分画像を、部分画像と同じ画素分解能で生成する拡大部分画像生成部(CPU9)と、生成された複数の拡大部分画像を蓄積するハードディスク11と、蓄積された複数の拡大部分画像を互いに一部重複するように合成して、標本4の全体画像を生成する画像合成部(CPU9)とを備える走査型レーザ顕微鏡100,101を採用する。
【選択図】図1
Description
本発明は、標本上においてレーザ光を2次元走査する走査部と、該走査部により走査されたレーザ光を前記標本に集光する対物レンズと、前記標本からの光を検出する光検出部と、該光検出部により検出された光の強度と前記走査部の走査位置情報に基づいて、相互に重複せずに隣接する前記標本の部分画像を含み、且つ、該部分画像よりも大きな拡大部分画像を、前記部分画像と同じ画素分解能で生成する拡大部分画像生成部と、該拡大部分画像生成部により生成された複数の前記拡大部分画像を蓄積する拡大部分画像蓄積部と、該拡大部分画像蓄積部に蓄積された複数の前記拡大部分画像を互いに一部重複するように合成して、前記標本の全体画像を生成する画像合成部とを備える走査型レーザ顕微鏡を採用する。
このようにすることで、拡大部分画像を部分画像と同じ画素分解能で生成することができ、解像度を落とすことなく全体画像を取得することができる。
重複領域の半分の大きさだけ部分画像を拡大させることにより、後で複数の拡大部分画像を配置したときに、拡大前の部分画像を互いに接するように配置したときと同じ配置になり、ユーザーにとってどのように拡大部分画像が配置されるかがわかりやすくなる。
ステージの移動誤差を重複領域の計算のパラメータとして使用することによって、隣接する部分画像を確実に重複させながら撮影することができ、全体画像における観察領域の欠損を防止することができる。
このようにすることで、画像合成の結果得られた合成位置からステージの移動誤差を算出し、このステージの移動誤差に基づいて重複領域の大きさを計算することができ、最低限の大きさの重複領域で拡大部分画像を取得することができる。
ステージの移動誤差に基づいて画像合成時の探索範囲を設定することで、合成位置を探索する範囲の中に正しい合成位置を確実に含ませることができ、全体画像における観察領域の欠損を防止することができる。
このようにすることで、標本からの光が光検出部まで届かなかった領域を除いて、画像合成に有効な領域だけを合成して全体画像を生成することができ、全体画像における観察領域の欠損を防止することができる。
このようにすることで、画像合成によって得られた全体画像の大きさを、ユーザーが1枚の画像として所望する大きさに調整することができ、ユーザーは所望のサイズの全体画像を得ることができる。
このようにすることで、走査範囲を容易に変更できない走査部を用いている場合や、高速にタイムラプス観察を行っているときなど、途中で走査範囲を変更することが困難な場合でも、レーザ光を照射する範囲および画像化する範囲を変更することができる。
本発明の第1の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡100について、図面を参照して以下に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡100は、レーザ光源1と、ガルバノミラー2(走査部)と、対物レンズ3と、標本4と、XYステージ5と、ダイクロイックミラー6と、ピンホール7と、PMT8(光検出部)と、PC15とを備えている。
対物レンズ3は、標本4に対向して配置されており、レーザ光を標本4に集光させ、標本4を照明する。
XYステージ5は、対物レンズ3の光軸に直交する方向(XY方向)に、標本4と対物レンズ3とを相対的に移動させる。
ピンホール7は、ダイクロイックミラー6を透過してきた観察光のうち、対物レンズ3の焦点以外からの光を遮断する。
PMT(Photomultiplier Tube)8は、ピンホール7を通過した観察光を検出し、電気信号に変換してPC15に出力する。
また、CPU9は、このように生成された複数の拡大部分画像を、図4に示すように、互いに一部重複するように合成して、標本4の全体画像を生成する。
ハードディスク11は、CPU9により生成された拡大部分画像を蓄積する。
モニタ12は、画像取得条件の設定画面およびCPU9により生成された全体画像を表示する。
ユーザーは、モニタ12を参照しながらマウス13およびキーボード14を操作することによって、各種の設定を行うことができる。
まず、部分画像観察領域の設定を行う(ステップS1)。ユーザーは、モニタ12を参照しながらマウス13やキーボード14を操作して、部分画像取得条件を設定する。具体的には、対物レンズ3の倍率、ズーム倍率、画素分解能、画像サイズ、レーザ強度、PMT8の感度を指定する。また、ユーザーは、1つの画像として取得したい範囲の中心にXYステージ5を移動させ、マウス13やキーボード14を使用して、その際の観察領域を部分画像観察領域として登録する。登録した際の部分画像取得条件はメモリ10に保存される。本実施形態では、部分画像取得条件として、画素分解能を1μm/pixel、画像サイズを512pixel×512pixelに設定する。
ここで、図3と図4を用いて部分画像観察領域の拡大と配置を説明する。図3は、ステップS1で登録した時の部分画像観察領域21(部分画像)、拡大後の部分画像観察領域22(拡大部分画像)、そして重複領域23の関係を示したものである。斜線部分が重複領域23で、矢印の長さが重複領域の大きさを示す。図3のように、部分画像観察領域は重複領域の1/2の大きさだけ拡大させ、周辺部に重複領域を設定する。
全ての部分画像を取得し終わったら、CPU9は、ハードディスク11から部分画像をメモリ10に読み込む(ステップS8)。
ここで、図6のように、部分画像A51と、部分画像A51の右隣の領域を撮影した部分画像B52のパターンマッチングを例に画像合成の方法を説明する。まず、部分画像A51または部分画像B52の重複領域だけを切り取る。この場合の重複領域は、画像取得時の重複領域の大きさと同じである。今回は部分画像A51の重複領域を切り取り、これをテンプレート画像53と呼ぶ(図6の斜線部)。
高倍率で画像を取得したり、ステージの移動誤差が大きくて部分画像に対する重複領域の割合が増える場合には、さらに顕著な効果を得ることができる。
また、ステージの移動誤差を重複領域の計算のパラメータとして使用することによってパターンマッチングに必要な重複領域を確実に確保することができ、画像合成で失敗する可能性が下がる。
また、部分画像観察領域の拡大時に生じうる検出手段まで観察光が届かない領域を除くため、画像合成で失敗する可能性が下がる。
また、全体画像の大きさをユーザーが指定した注目領域の大きさと等しくなるように調整するため、ユーザーは要求したサイズの全体画像を得ることができる。
以下に、本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡100の第1の変形例について説明する。
本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡100の第1の変形例として、ユーザーが注目領域を設定する際に、部分画像数を指定するのではなく、注目領域の範囲を指定してもよい。その場合は、注目領域の大きさと部分画像の取得条件(対物レンズ3の倍率とズーム倍率)から最低限必要な部分画像数を計算する。例えば、部分画像取得条件の画素分解能を1μm/pixel、画像サイズを512pixel×512pixel、重複領域の大きさを40μm、注目領域の大きさを縦3000μm、横4000μmとすると、縦は3000/(512×1+40)でおよそ5.4、横は4000/(512×1+40)でおよそ7.2となる。したがって、縦は6個、横は8個、合計48個の部分画像を配置すれば注目領域を不足なく撮影できることになる。
以下に、本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡100の第2の変形例について説明する。
前述の実施形態では、部分画像の生成やガルバノミラー2、PMT8、XYステージ5の制御と画像合成処理を、同じPC15のCPU9で行ったが、本変形例では、それぞれ異なるPC(PC−1、PC−2)で行ってもよい。例えば、部分画像の生成やガルバノミラー2、PMT8、XYステージ5の制御を担当するPC−1と、画像合成処理を担当するPC−2がネットワークでつながれており、PC−2はPC−1のハードディスクに保存された部分画像を参照して全体画像を生成することとしてもよい。
本発明の第2の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡101について、図面を参照して以下に説明する。
標本4が蛍光染色されている場合においては、重複領域は退色が進みやすいので、ユーザーにとって重複領域はできるだけ小さいほうが良い。第1の実施形態では、ステージ制御の最大誤差を用いて重複領域を計算しているが、ステージの移動誤差は様々な条件に依存して変動するため、実際にはもっと少ない誤差で重複領域を計算しても貼り合わせに成功することも大いにありうる。特に、同じ条件で同じ領域の画像を取得する場合の誤差はいずれも近い値になることが予想される。
以下、本実施形態の走査型レーザ顕微鏡101について、第1の実施形態のレーザ顕微鏡装置100と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
まず、部分画像観察領域の設定を行う(ステップS21)。ユーザーは、モニタ12を参照しながらマウス13やキーボード14を操作して、部分画像の取得条件を設定する。具体的には、対物レンズ3の倍率、ズーム倍率、画素分解能、画像サイズ、レーザ強度、PMT8の感度、そしてタイムラプスのシリーズ数を指定する。また、ユーザーは、1つの画像として取得したい範囲の中心にXYステージ5を移動させ、マウス13やキーボード14を使用して現在の観察領域を部分画像観察領域として登録する。登録した際の部分画像取得条件はメモリ10に保存される。
まず、1シリーズ目の処理について説明する。
1シリーズ目の処理の場合には、重複領域の大きさの計算(ステップS23)、部分画像観察領域の拡大(ステップS24)、部分画像観察領域の配置(ステップS25)、ステージの移動(ステップS26)、部分画像の取得と保存(ステップS27)、全ての画像を取得したかの判断(ステップJ22)、部分画像の読み込み(ステップS28)、部分画像観察領域が視野円よりも大きいかの判断(ステップJ23)、部分画像観察領域の外周部分の除去(ステップS29)、画像合成処理(ステップS30)を行う。
これらの処理は第1の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
全体画像をハードディスク11に保存する(ステップS33)。これで1シリーズ目の処理は終了である。
まず、CPU9は、重複領域の大きさの計算を更新されたステージ制御の最大誤差を用いて行う(ステップS23)。
次に、CPU9は、更新された重複領域の大きさを用いて部分画像観察領域の拡大(ステップS24)、部分画像観察領域の配置(ステップS25)を行う。
以下に、本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡101の第1の変形例について説明する。
XYステージ5の移動誤差は、XYステージ5の位置や動かす距離に強く依存すると考えられる。そこで、本変形例では、同じ領域を同じ条件で画像を取得する場合に、それぞれの場所ごとに誤差を計算し、それを次回の重複領域の大きさの計算に使用してもよい。これによって、さらに小さい重複領域で部分画像を取得することができる。
以下に、本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡101の第2の変形例について説明する。
本変形例では、2シリーズ目で部分画像観察領域の拡大を行って、1シリーズ目と部分画像観察領域の大きさを変更するときに、ガルバノミラー2の駆動範囲は維持したまま、レーザ光を照射する範囲と画像化する範囲を変更してもよい。これにより、駆動範囲を変える電気信号を生成する必要も無くなり、また途中で駆動範囲を変更することが困難な共振型ガルバノミラーをガルバノミラー2の代わりに用いることもできるようになる。
2 ガルバノミラー(走査部)
3 対物レンズ
4 標本
5 XYステージ
6 ダイクロイックミラー
7 ピンホール
8 PMT(光検出部)
9 CPU(拡大部分画像生成部、画像合成部、制御部)
10 メモリ
11 ハードディスク(拡大部分画像蓄積部)
12 モニタ
13 マウス
14 キーボード
15 PC
100,101 走査型レーザ顕微鏡
Claims (9)
- 標本上においてレーザ光を2次元走査する走査部と、
該走査部により走査されたレーザ光を前記標本に集光する対物レンズと、
前記標本からの光を検出する光検出部と、
該光検出部により検出された光の強度と前記走査部の走査位置情報に基づいて、相互に重複せずに隣接する前記標本の部分画像を含み、且つ、該部分画像よりも大きな拡大部分画像を、前記部分画像と同じ画素分解能で生成する拡大部分画像生成部と、
該拡大部分画像生成部により生成された複数の前記拡大部分画像を蓄積する拡大部分画像蓄積部と、
該拡大部分画像蓄積部に蓄積された複数の前記拡大部分画像を互いに一部重複するように合成して、前記標本の全体画像を生成する画像合成部とを備える走査型レーザ顕微鏡。 - 前記拡大部分画像生成部が、前記走査部による走査範囲を広げることで、前記拡大部分画像を生成する請求項1に記載の走査型レーザ顕微鏡。
- 前記拡大部分画像生成部が、前記部分画像を重複領域の半分の大きさだけ拡大させて拡大部分画像を生成する請求項1または請求項2に記載の走査型レーザ顕微鏡。
- 前記対物レンズの光軸に直交する方向に、前記標本を前記対物レンズに対して相対的に移動させるステージを備え、
前記拡大部分画像生成部が、前記ステージの移動誤差に基づいて、前記部分画像の拡大および前記拡大部分画像の重複領域の設定を行う請求項1から請求項3のいずれかに記載の走査型レーザ顕微鏡。 - 前記拡大部分画像生成部が、画像合成の結果得られた合成位置から前記ステージの移動誤差を算出する請求項4に記載の走査型レーザ顕微鏡。
- 前記対物レンズの光軸に直交する方向に、前記標本を前記対物レンズに対して相対的に移動させるステージを備え、
前記画像合成部が、前記ステージの移動誤差に基づいて画像の合成位置を探索する範囲を設定する請求項1から請求項5のいずれかに記載の走査型レーザ顕微鏡。 - 前記画像合成部が、前記光検出部まで前記標本からの光が届かなかった前記拡大部分画像の外周部分を除いてから画像合成を行う請求項1から請求項6のいずれかに記載の走査型レーザ顕微鏡。
- 前記画像合成部が、前記全体画像の大きさを調整する請求項1から請求項7のいずれかに記載の走査型レーザ顕微鏡。
- 前記走査部の走査範囲を維持したまま、前記標本上でレーザ光を照射する範囲および画像化する範囲を変えるように前記走査部および前記光検出部を制御する制御部を備える請求項1から請求項8のいずれかに記載の走査型レーザ顕微鏡。
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