JP2012082272A - 電子線硬化性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

電子線硬化性樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂耐久性向上のためにUV吸収剤の併用が可能で、可視域の透明性に優れる樹脂組成物及びその硬化物を提供できる。また、光増感剤が不要であり、遅延剤の添加が不要で可使時間が長い硬化物を提供する。
【解決手段】この電子線硬化性樹脂組成物は、極大吸収波長を200nmから390nmに有し、電子線照射によりカチオンを発生する物質と、好ましくはエポキシ基及びオキセタン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を1個以上有するカチオン重合化合物と、所定量の紫外線吸収剤と、を含有する。この組成物は電子線硬化性であるため、紫外線吸収剤を含有することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、粘接着剤や、有機ELなどの封止剤などに好適に用いられる、電子線によって硬化する硬化性樹脂組成物及びその硬化物に関する。
各種の粘接着剤や、有機ELなどの封止剤用途に紫外線(UV)硬化型の光硬化性樹脂組成物が知られている。例えば、下記の特許文献1には、加熱した場合であっても極めて着色が少なく、電子部品の接着剤や封止剤として好適に用いることができる光硬化性樹脂組成物として、特定構造のエポキシ化合物を含有する光カチオン硬化性化合物と、光カチオン重合開始剤とを含有する光硬化性樹脂組成物が開示されている。また、他に熱でのみ硬化する潜在性熱硬化系の組成物も知られている。
後者の潜在性熱硬化系の組成物は、熱で硬化するため、紫外線吸収剤を含有できるという利点があるが、硬化剤溶解温度や反応温度が低いものは、樹脂組成物の保存経時安定性の問題がある。また、硬化剤溶解温度や反応温度が高いものは、硬化温度が高くなり熱に弱い基材への塗布が難しくなるという問題があり適用範囲が限定される。
一方、前者の光硬化性樹脂組成物は、(1)無溶剤で低公害型であること、(2)硬化速度が極めて速く製品の生産性が高いこと、(3)100%固形分として硬化するので、硬化の前後における体積変化が極めて小さいこと、(4)素材による熱損失、または素材に対する熱影響がないこと、等の特性を有していることから、プラスチック、紙、無機質素材などへの塗料や接着剤等として種々開発されている。
しかし、特許文献1のような光カチオン重合開始剤は、汎用の超高圧水銀灯の波長である365、405、436nmの吸収が不十分である。このため、下記の特許文献2のような光増感剤の併用が実質的に必要である。また、特許文献2のような光増感剤の併用は、光カチオン硬化性化合物と光カチオン重合開始剤との相溶性や、光カチオン重合開始剤へのスムーズなエネルギー移動などの問題がある。また、酸発生タイプの光カチオン重合開始剤は、UV照射後の酸発生が速く、可使時間が短い。このため、PEGやクラウンエーテルなどの硬化遅延剤の添加も必要となる。
特開2005−350546号公報 特開2004−359769号公報
光硬化性樹脂組成物には、樹脂耐久性向上のためにUV吸収剤の併用が望まれる場合がある。ところが、そもそもUV硬化型樹脂では、UV吸収すべき光カチオン重合開始剤がUV吸収剤によってクエンチされて硬化阻害が起きるため、UV吸収剤の併用が困難である。このように、光カチオン硬化性化合物と、光カチオン重合開始剤とを含有するUV硬化型の光硬化性樹脂組成物には改善すべき問題が多いのが現状である。
また、従来のUV硬化性組成物では、高いUV硬化性を得るために、極大吸収波長が300〜400nmである光カチオン重合開始剤が用いられることが一般的であった。しかしながら、光カチオン重合開始剤は、紫外線等の光を照射したり加熱したりすることによって生じる反応によって共役系が発達し、吸収波長が長波長側にシフトする。このため、極大吸収波長が300〜400nmである光カチオン重合開始剤を用いると、光カチオン重合開始剤の吸収波長が可視光領域にまでシフトすることから、黄変等が発生する。
このように、従来の光カチオン重合開始剤を含有するUV硬化性組成物は、増感剤の併用や使用時の熱や紫外線によって硬化物が着色しやすいという問題があった。光学部品用、特に有機EL封止剤や液晶パネルの貼り合わせ用接着剤等の用途では、硬化後の硬化物が長期間に渡って光及び熱に晒され続けることになる。このような用途に従来の光カチオン重合開始剤を含有するUV硬化性組成物を用いると、硬化物が着色して光学性能を損ねるという問題がある。
一方、電子線(Electron Beam:EB)硬化技術は、省エネルギー、省スペース及び硬化時間の短縮化等の利点を有しており、印刷・コーティング、塗装、接着、架橋、殺菌・滅菌等その利用範囲が拡大している。EB硬化方式は、UV硬化方式に比べて、エネルギーが飛躍的に高く、顔料を含有している不透明な塗膜や、膜厚の塗膜や、硬化性組成物上に紙や金属箔が存在する構成などでも硬化が進行する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上記UV硬化型の光硬化性樹脂組成物の問題点を解消できる、電子線硬化性樹脂組成物及びのその硬化物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねたところ、電子線照射によりカチオンを発生する物質(以下、単にカチオン発生物質ともいう)と、カチオン重合化合物と、カチオン発生物質と紫外線吸収域が重なる紫外線吸収剤の所定量と、を含有する樹脂組成物によれば、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明では以下のようなものを提供する。
(1) 極大吸収波長を200nmから390nmに有し、電子線照射によりカチオンを発生する物質と、カチオン重合化合物と、少なくとも250nmから390nmに吸収を有する紫外線吸収剤と、を含有し、
前記電子線照射によりカチオンを発生する物質100質量部に対して、前記紫外線吸収剤を2質量部以上200質量部以下含有することを特徴とする電子線硬化性樹脂組成物。
(2) 紫外線に対する光増感剤を実質的に含有しない(1)記載の電子線硬化性樹脂組成物。
(3) 硬化遅延剤を実質的に含有しない(1)又は(2)いずれか記載の電子線硬化性樹脂組成物。
(4) 光路長1cmセル中での光線透過率が、375nmで15%以下、380nmで30%以下である(1)から(3)いずれか記載の電子線硬化性樹脂組成物。
(5) 前記カチオン重合化合物は、エポキシ基及びオキセタン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を1個以上有する(1)から(4)いずれか記載の電子線硬化性樹脂組成物。
(6) 前記エポキシ基は、脂環式エポキシ基である(5)に記載の電子線硬化性樹脂組成物。
(7) (1)〜(6)いずれか記載の電子線硬化性樹脂組成物を電子線照射により硬化してなる硬化物。
(8) 厚さ10μmの硬化膜における光線透過率が、波長550nmにおいて85%以上であり、波長350nmにおいて20%以下である(7)記載の硬化物。
本発明の電子線硬化性樹脂組成物によれば、樹脂耐久性向上のためにUV吸収剤の併用が可能で、かつ透明な樹脂組成物及びその硬化物を提供できる。また、光増感剤が不要であり、硬化遅延剤の添加が不要で可使時間が長い硬化物を提供できる。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<電子線硬化性樹脂組成物>
本発明の電子線硬化性樹脂組成物(以下、単に樹脂組成物ともいう)は、電子線照射によりカチオンを発生する物質と、カチオン重合化合物を含有することを特徴とする。
[カチオン重合化合物]
本発明の樹脂組成物は、カチオン重合化合物を含有する。該カチオン重合化合物としては、分子内に少なくとも1個の光カチオン重合性官能基を有していれば、特に限定されるものではなく、例えば、分子内に少なくとも1個のエポキシ基、オキセタニル基、水酸基、ビニルエーテル基等の置換基を有する化合物等が挙げられ、これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの中でも、光カチオン重合性が高く、少ない光量でも効率的に硬化が進行するという観点から、分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物、及び分子内に少なくとも1個のオキセタニル基を有する化合物が好ましく、エポキシ系化合物の中でも、脂環式エポキシ基を有する化合物が好ましい。
上記エポキシ基を有する化合物としては、特に限定されるものではなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能性エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のアルコール型エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂、等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂環式エポキシ基を有する化合物としては、特に限定されるものではなく、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2:8,9ジエポキシリモネン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記エポキシ基を有する化合物は、短時間での硬化を実現するために、反応性が高く、且つ、エポキシ当量が低いことが好ましい。例えば、エポキシ当量が100〜500g/eq.範囲内であることが好ましい。ここで、エポキシ当量とは、JIS K7236に準拠した方法により測定した1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数である。
上記エポキシ基を有する化合物の市販品としては、例えば、DIC株式会社製の「EPICLON EXA−835LV」、「EPICLON 850S」、「EPICLON N740」、「EPICLON EXA−830CRP」、「EPICLON EXA−830LVP」、「EPICLON HP−820」、三菱化学株式会社製の「jER 828」、「jER 806」、「jER 1001」、「jER 801N」、「jER 807」、「jER 152」、「jER 604」、「jER 630」、「jER 871」、「jER YX8000」、「jER YX8034」、「jER YX4000」、株式会社ADEKA製のEP4100シリーズ、EP4000シリーズ、EPUシリーズ、ダイセル化学工業株式会社製のセロキサイドシリーズ、エポリードシリーズ、EHPEシリーズ、東都化成株式会社製のYDシリーズ、YDFシリーズ、YDCNシリーズ、YDBシリーズ、ナガセケムテックス株式会社製のデナコールシリーズ、共栄社化学株式会社製のエポライトシリーズ等が挙げられる。
また、上記脂環式エポキシ基を有する化合物の市販品としては、例えば、セロキサイド2021P(ダイセル化学社製)、セロキサイド3000(ダイセル化学社製)、EHPE−3150(ダイセル化学社製)等が挙げられる。
上記オキセタニル基を有する化合物としては、特に限定されるものではなく、例えば、フェノキシメチルオキセタン、3,3−ビス(メトキシメチル)オキセタン、3,3−ビス(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、オキセタニルシルセスキオキサン、フェノールノボラックオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[カチオン発生物質]
本発明の樹脂組成物において、電子線照射によりカチオンを発生する物質(カチオン発生物質)は、カチオン重合開始剤として作用する。電子線の照射によりカチオンを発生し、樹脂の重合を開始する化合物であればよく特に限定されない。
具体的には、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウムなどのオニウム塩、ハロゲン含有化合物、キノンジアジド化合物、スルホン酸エステル化合物などを用いることができる。より具体例としては、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールホスホニウム塩、トリアルキルスルホニウム塩、ジアリールスルホニウム塩、トリアリールスルホミウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアリールユードニウム塩、アリールジアゾニウム塩、トリクロロメチルトリアジン、ブロモアセチルベンゼン、ジアゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物、フェノール、レゾルシノール、ピロガロール、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブチルスルホン酸、カンファースルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフチルスルホン酸、芳香族テトラカルボン酸エステル、芳香族スルホン酸エステル、ニトロベンジルエステル、オキシムスルホン酸エステル、芳香族N−オキシイミドスルフォネート、芳香族スルファミド、ハロアルキル基含有炭化水素系化合物、ハロアルキル基含有ヘテロ環状化合物、ナフトキノンジアジドー4−スルホン酸エステル等を挙げることができる。これらの化合物例としては特開平11−209717号、特開平6−157819号等に記載の化合物が挙げられる。
カチオン発生物質の市販品としては、例えば、アデカオプトマ−SP−150、アデカオプトマー SP−170(ADEKA社製)、イルガキュア−250(チバ・スペシャルティ・ケミカル社製)イルガキュア−261(チバガイギー社製)、UVE−1014(ゼネラルエレクトロニクス社製)、CD−1012(サートマー社製)UVI−6992(ダウケミカル社製)、CPI−100P、CPI−101A、CPI−200K、CPI−210S(以上、サンアプロ社製)、TEPBI−S(日本触媒社製)、RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074(ローディア社製)、WPI−113(和光純薬工業社製)、BBI−102(みどり化学社製)等が挙げられる。
カチオン発生物質は、極大吸収波長を200nmから390nmに有する。本発明の組成物は電子線によりカチオンを発生させるので、後述する紫外線吸収剤と吸収波長が重複していても問題ない。このため、紫外線吸収剤との併用系であっても上記吸収波長のカチオン発生物質を使用できる点に本発明の特徴がある。
カチオン発生物質は、波長360〜400nmにおけるモル吸光係数が100以下、好ましくは50以下であることが好ましい。I線フォトレジストのような高度に芳香族基もち、上記波長におけるモル吸光係数が100を超えると、硬化物の着色が発生するので好ましくない。
本発明の樹脂組成物におけるカチオン発生物質の含有量は、上記カチオン重合化合物100質量部に対して、0.01〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることが好ましい。上記含有量が0.01質量部に満たないと、上記カチオン重合化合物の重合が十分に進行しなかったり、本発明の樹脂組成物の硬化に時間を要したりする場合がある。20質量部を超えると、アウトガスが発生したり、本発明の樹脂組成物の硬化速度が早くなるため、作業性が低下したりする場合がある。また、例えば、本発明の樹脂組成物を有機EL素子の封止剤として用いた場合には、過剰に発生したカチオンにより、有機EL素子の電極が腐食したり、有機EL素子自体が劣化するおそれが生じるので好ましくない。
[紫外線吸収剤]
本発明の樹脂組成物では、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。紫外線吸収剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系等の紫外線吸収分子が挙げられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン(商品名「sumisorb130」,住友化学株式会社製)、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(商品名「SEESORB100」,シプロ化成社製)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸3水和物(商品名「SEESORB101S」,シプロ化成社製)、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン(商品名「SEESORB102」,シプロ化成社製)、4−ベンジロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン(商品名「SEESORB105」,シプロ化成社製)等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(商品名「sumisorb200」,住友化学株式会社製)、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール(商品名「SEESORB703」,シプロ化成社製)、2−(3,5−ジ−tert−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(商品名「SEESORB704」,シプロ化成社製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(商品名「TINUVIN928」,BASF社製)等が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシロキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(商品名「TINUVIN400」,BASF社製)、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチロキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン(商品名「TINUVIN479」,BASF社製)等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤は、波長200〜380nmの光を吸収することが好ましい。ここで、波長200〜380nmの光を吸収するとは、従来公知の分光光度計で測定される、当該紫外線吸収剤の波長200〜380nmにおけるモル吸光係数が50以上であることを意味する。なお、モル吸光係数は、JIS−K0115に準拠した方法にて測定することができる。
本発明の樹脂組成物における上記紫外線吸収剤の含有量(固形分換算)は、カチオン発生物質100質量部に対して、2質量部以上200質量部以下、好ましくは10質量部以上140質量部以下、特に好ましくは20質量部以上100質量部以下である。2質量部未満であると紫外線吸収効果が不十分となるので好ましくなく、200質量部を超えると ブリードとなるので好ましくない。なお、上記カチオン重合化合物100質量部に対しては、0.01〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましい。このように、本発明においては、硬化にUVを用いないことから、UV硬化では硬化阻害となるUV吸収剤を多量に含有することができ、これによって、可視域で透明であり、かつ、紫外線吸収効果に優れる硬化物を提供することができる。
<その他>
本発明の樹脂組成物は、その他、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて、例えば、接着性付与剤、吸湿剤、可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、シランカップリング剤等の各種添加剤を含有してもよい。
また、本発明においては、その目的や用途に応じて他の高分子化合物を含有していてもよい。例えば、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、フェノキシ樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ボリエーテルスルホン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、熱可塑ポリイミド樹脂等の熱可塑性樹脂の1種又は2種以上を、組成物中に最大50%まで混合して用いることができる。
更に、本発明の樹脂組成物は、シランカップリング剤を含有していても良い。シランカップリング剤の添加によれば、液晶パネルや基板等に対する接着性を向上させることができる。シランカップリング剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の樹脂組成物におけるシランカップリング剤の含有量は、特に限定されるものではないが、上記カチオン重合化合物100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部であることがより好ましい。上記範囲であれば、余剰のシランカップリング剤がブリードアウトすることなく、接着性の向上効果を得ることができる。
そして、本発明の樹脂組成物は、透明性を阻害しない範囲で充填剤を含有していてもよい。充填剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、タルク、石綿、シリカ、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト活性白土等の無機フィラーやポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等の有機フィラー等が挙げられる。
本発明においては、電子線硬化を行なうことから、紫外線に対する光増感剤や硬化遅延剤を実質的に含有する必要がない。なお、実質的に含有しないとは、光増感効果や硬化遅延効果を発揮しない程度の量であれば存在してもよいことを意味し、具体的には、樹脂組成物中に0.01質量部以下である。
本発明の樹脂組成物は、紫外線吸収剤を含有するので、紫外線透過率が低く、具体的には、光路長1cmセル中での光線透過率が、375nmで15%以下、かつ、380nmで30%以下であることが好ましい。これにより硬化物の紫外線劣化を効果的に防止できるが、この点については実施例にて結果を示す。375nmで15%を越えるか、または、380nmで30%を越えると紫外線による硬化物の劣化が生じるので好ましくない。なお、光路長1cmセル中での光線透過率とは、実施例にて後述するように、370nmから380nmに吸収を有しないプラスチックからなる光路長1cmのセル中に各樹脂組成物を入れ、分光光度計における光線透過を測定した値である。
<硬化物>
本発明の硬化物は、上記の樹脂組成物を電子線照射により硬化して得られる。電子線の照射量は、通常100〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを持つ電子を好ましくは10〜250kGy、より好ましくは20〜200kGyで照射する。その後、所定の温度と時間、例えば50℃から100℃で1時間程度加熱することにより硬化する。照射量が20kGy未満の場合、硬化が不十分となるおそれがあるので好ましくない。又、照射量が200kGyを超えると、硬化した塗膜或いは基材が損傷を受けるおそれがあるので好ましくない。
なお、本発明の樹脂組成物においては、電子線照射を用いるために紫外線に比べて熱発生が少ない。このため、紫外線硬化に比べて可使時間が長く、10分間程度は硬化しない。このため、硬化遅延剤が不要であり、この点についても本発明の特徴である。
このようにして得られる硬化物は、厚さ10μmの硬化膜を形成した場合において、前記硬化膜の光線透過率が、波長550nmにおいて85%以上であり、波長350nmにおいて20%以下である。なお、光透過率は、市販の分光光度計(例えば、島津製作所社製のUV−3100PC)を用い、JIS−Z8701に準拠した方法にて測定することができる。
上記の光線透過率により、可視域で透明であるとともに、紫外線吸収機能を有する硬化物を得ることができる。このような物性は、従来のUV硬化型樹脂組成物ではUV吸収剤が硬化阻害物となるために得ることができず、本発明の硬化物によって始めて達成される優れた効果である。なお、この点については後述の実施例にて詳述する。
本発明の硬化物の製品形態は特に限定されず、例えば、接着剤、粘着剤、封止剤、として用いることができる。具体的な製品形態としては、テープ状、フィルム状、コーティング剤、のいずれも可能であり特に限定されない。適用分野としては、電子部品用の接着剤、粘着剤や、有機EL素子などのディスプレイ用封止剤として特に好適に用いることができる。
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
<実施例1>
カチオン重合化合物(商品名「エピクロン EXA−835LV」,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,エポキシ当量:160〜170g/eq.,DIC社製)98質量部と、電子線照射によりカチオンを発生する物質(商品名「アデカオプトマーSP−170」,トリフェニルスルホニウム−アンチモン化合物、極大吸収波長:310nm,ADEKA社製)5質量部と、紫外線吸収剤(商品名「TINUVIN 479」,ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤,BASF社製)1質量部と、メチルエチルケトン1質量部とを、攪拌機(製品名「T.K.ホモディスパー2.5型」,PRIMIX社製)を用いて混合攪拌した後、脱泡させて電子線硬化性樹脂膜形成用塗工液を調製した。
そして、基材(商品名「コスモシャインA4300」,PETフィルム,厚み:100μm,東洋紡績社製)の易接着面上に、乾燥後の膜厚が50μmとなるように、上記膜形成用塗工液をアプリケーターにより全面塗工し、電子線硬化性樹脂膜を形成した。その後、乾燥させ、実施例1の電子線硬化性樹脂組成物シートを得た。
<実施例2>
カチオン重合化合物(商品名「エピクロン EXA−835LV」,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,エポキシ当量:160〜170g/eq.,DIC社製)95質量部と、電子線照射によりカチオンを発生する物質(商品名「アデカオプトマーSP−170」,極大吸収波長:310nm,ADEKA社製)5質量部と、紫外線吸収剤(商品名「TINUVIN 479」,ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤,BASF社製)2.5質量部と、メチルエチルケトン2.5質量部とを、攪拌機(製品名「T.K.ホモディスパー2.5型」,PRIMIX社製)を用いて、均一に混合攪拌した後、脱泡させて電子線硬化性樹脂膜形成用塗工液を調製した以外は、実施例1と同様の方法にて、実施例2の電子線硬化性樹脂組成物シートを得た。
<実施例3>
カチオン重合化合物(商品名「エピクロン EXA−835LV」,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,エポキシ当量:160〜170g/eq.,DIC社製)90質量部と、電子線照射によりカチオンを発生する物質(商品名「アデカオプトマーSP−170」,極大吸収波長:310nm,ADEKA社製)5質量部と、紫外線吸収剤(商品名「TINUVIN 479」,ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤,BASF社製)5質量部と、メチルエチルケトン5質量部とを、攪拌機(製品名「T.K.ホモディスパー2.5型」,PRIMIX社製)を用いて、均一に混合攪拌した後、脱泡させて電子線硬化性樹脂膜形成用塗工液を調製した以外は、実施例1と同様の方法にて、実施例3の電子線硬化性樹脂組成物シートを得た。
<実施例4>
カチオン重合化合物(商品名「エピクロン 850S」,ビスフェノールA型エポキシ樹脂,エポキシ当量:183〜193g/eq.,DIC社製)95質量部と、電子線照射によりカチオンを発生する物質(商品名「アデカオプトマーSP−170」,極大吸収波長:310nm,ADEKA社製)5質量部と、紫外線吸収剤(商品名「TINUVIN 479」,ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤,BASF社製)2.5質量部と、メチルエチルケトン2.5質量部とを、攪拌機(製品名「T.K.ホモディスパー2.5型」,PRIMIX社製)を用いて、均一に混合攪拌した後、脱泡させて電子線硬化性樹脂膜形成用塗工液を調製した以外は、実施例1と同様の方法にて、実施例4の電子線硬化性樹脂組成物シートを得た。
<実施例5>
カチオン重合化合物(商品名「エピクロン EXA−835LV」,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,エポキシ当量:160〜170g/eq.,DIC社製)97質量部と、電子線照射によりカチオンを発生する物質(商品名「アデカオプトマーSP−170」,極大吸収波長:310nm,ADEKA社製)5質量部と、紫外線吸収剤(商品名「TINUVIN 400」,ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤,BASF社製)3質量部とを、攪拌機(製品名「T.K.ホモディスパー2.5型」,PRIMIX社製)を用いて、均一に混合攪拌した後、脱泡させて電子線硬化性樹脂膜形成用塗工液を調製した以外は、実施例1と同様の方法にて、実施例5の電子線硬化性樹脂組成物シートを得た。
<比較例1>
カチオン重合化合物(商品名「エピクロン EXA−835LV」,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,エポキシ当量:160〜170g/eq.,DIC社製)100質量部と、電子線照射によりカチオンを発生する物質(商品名「アデカオプトマーSP−170」,極大吸収波長:310nm,ADEKA社製)5質量部とを、攪拌機(製品名「T.K.ホモディスパー2.5型」,PRIMIX社製)を用いて、均一に混合攪拌した後、脱泡させて電子線硬化性樹脂膜形成用塗工液を調製した以外は、実施例1と同様の方法にて、比較例1の電子線硬化性樹脂組成物シートを得た。
<比較例2>
比較例1の組成に、更に、光増感剤として商品名カヤキュアDETX−S(2,4,−ジエチルチオキサントン)、(日本化薬株式会社製)の0.5質量部を添加した以外は比較例1と同様にして、比較例2の電子線硬化性樹脂組成物シートを得た。
<組成物の光線透過率測定>
実施例及び比較例に用いた組成物(電子線硬化性樹脂膜形成用塗工液)について、分光光度計(製品名「UV−2500PC」,島津製作所社製)を用い、370nmから380nmに吸収を有しないプラスチックからなる光路長1cmのセル中に各樹脂組成物を入れ光線透過を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2012082272
表1に示すように、本発明の電子線硬化性樹脂組成物は紫外線を透過せず、光路長1cmセル中での光線透過率が、375nmで15%以下、380nmで30%以下である。
<硬化性評価>
(1)EB照射
上記実施例1〜5及び比較例1、2の電子線硬化性樹脂組成物シートの電子線硬化性樹脂膜面に、電子線加速装置(製品名「LB1023」,アイ・エレクトロンビーム社製)を用いて、加速電圧165keV、電流1.9mA、機速5m/minで、照射線量50kGyを照射して、上記膜を硬化させた。EB照射後、乾燥オーブンにて80℃で1時間加熱し、上記膜を硬化させた。
また、上記実施例1〜5及び比較例1、2の電子線硬化性樹脂組成物シートの電子線硬化性樹脂膜面に、上記と同じ装置を用いて、加速電圧165keV、電流3.8mA、機速5m/minで、照射線量100kGyを照射して、上記膜を硬化させた。EB照射後、乾燥オーブンにて80℃で1時間加熱し、上記膜を硬化させた。
そして、得られた硬化膜を指触し、タックがないことを確認した後、メチルエチルケトンを含ませた布で硬化膜の表面を拭き、硬化性を評価した。結果を表2に示す。なお、評価基準は次の通りである。○:拭き取られなかった、×:拭き取られた。
(2)LED−UV照射
上記実施例1〜5及び比較例1、2の電子線硬化性樹脂組成物シートの電子線硬化性樹脂膜面に、紫外線照射装置(製品名「Aicure UJ30」,LED方式SPOT型,365nmにピークを有する単一波長の紫外線,パナソニック電工社製)を用いて紫外線を表1に示す照射量(J)で照射した。紫外線照射後、乾燥オーブンにて80℃で1時間加熱し、上記膜を硬化させた。
そして、得られた硬化膜を指触し、タックがないことを確認した後、メチルエチルケトンを含ませた布で硬化膜の表面を拭き、硬化性を確認した。結果を表2に示す。なお、評価基準は次の通りである。○:拭き取られなかった、×:拭き取られた。
(3)UV照射
上記実施例1〜5及び比較例1、2の電子線硬化性樹脂組成物シートの電子線硬化性樹脂膜面に、紫外線照射装置(製品名「DRS−10/12QN」,Hバルブ使用,フュージョンUVシステムズ・ジャパン社製)を用いて紫外線を表1に示す照射量(J)で照射した。紫外線照射後、乾燥オーブンにて80℃で1時間加熱し、上記膜を硬化させた。
そして、得られた硬化膜を指触し、タックがないことを確認した後、メチルエチルケトンを含ませた布で硬化膜の表面を拭き、硬化性を確認した。結果を表2に示す。なお、評価基準は次の通りである。○:拭き取れなかった、×:拭き取れた。
Figure 2012082272
表2に示すように、本発明の電子線硬化性樹脂組成物を用いて形成された硬化膜(実施例1〜5)は、電子線(EB)によって良好な硬化性を示したが、UV吸収剤含有のためにUVでは未硬化であった。
<実施例6>
基材の易接着面上に、乾燥後の膜厚が10μmとなるように、上記膜形成用塗工液をアプリケーターにより全面塗工し、電子線硬化性樹脂膜を形成した以外は、実施例1と同様の方法にて、実施例6の電子線硬化性樹脂組成物シートを得た。
<実施例7>
基材の易接着面上に、乾燥後の膜厚が10μmとなるように、上記膜形成用塗工液をアプリケーターにより全面塗工し、電子線硬化性樹脂膜を形成した以外は、実施例2と同様の方法にて、実施例7の電子線硬化性樹脂組成物シートを得た。
<実施例8>
基材の易接着面上に、乾燥後の膜厚が10μmとなるように、上記膜形成用塗工液をアプリケーターにより全面塗工し、電子線硬化性樹脂膜を形成した以外は、実施例3と同様の方法にて、実施例8の電子線硬化性樹脂組成物シートを得た。
<実施例9>
基材の易接着面上に、乾燥後の膜厚が10μmとなるように、上記膜形成用塗工液をアプリケーターにより全面塗工し、電子線硬化性樹脂膜を形成した以外は、実施例4と同様の方法にて、実施例9の電子線硬化性樹脂組成物シートを得た。
<実施例10>
基材の易接着面上に、乾燥後の膜厚が10μmとなるように、上記膜形成用塗工液をアプリケーターにより全面塗工し、電子線硬化性樹脂膜を形成した以外は、実施例5と同様の方法にて、実施例10の電子線硬化性樹脂組成物シートを得た。
<比較例3>
基材の易接着面上に、乾燥後の膜厚が10μmとなるように、上記膜形成用塗工液をアプリケーターにより全面塗工し、電子線硬化性樹脂膜を形成した以外は、比較例1と同様の方法にて、比較例3の電子線硬化性樹脂組成物シートを得た。
<比較例4>
基材の易接着面上に、乾燥後の膜厚が10μmとなるように、上記膜形成用塗工液をアプリケーターにより全面塗工し、電子線硬化性樹脂膜を形成した以外は、比較例2と同様の方法にて、比較例4の電子線硬化性樹脂組成物シートを得た。
<紫外線吸収性評価>
上記実施例6〜10及び比較例2の電子線硬化性樹脂組成物シートの光線透過率を、分光光度計(製品名「UV−2500PC」,島津製作所社製)を用いて測定した。波長350nm及び550nmにおけるPET上での光線透過率を測定した。表3に示す。
Figure 2012082272
表3に示すように、本発明の電子線硬化性樹脂組成物を用いて形成されたシート(実施例6〜10)は、紫外線吸収剤を含有しない比較例3、光増感剤を含有する比較例4と比較して、可視域で透明であり、かつ、紫外線の吸収性が高いことが確認された。

Claims (8)

  1. 極大吸収波長を200nmから390nmに有し、電子線照射によりカチオンを発生する物質と、カチオン重合化合物と、少なくとも250nmから390nmに吸収を有する紫外線吸収剤と、を含有し、
    前記電子線照射によりカチオンを発生する物質100質量部に対して、前記紫外線吸収剤を2質量部以上200質量部以下含有することを特徴とする電子線硬化性樹脂組成物。
  2. 紫外線に対する光増感剤を実質的に含有しない請求項1記載の電子線硬化性樹脂組成物。
  3. 硬化遅延剤を実質的に含有しない請求項1又は2に記載の電子線硬化性樹脂組成物。
  4. 光路長1cmセル中での光線透過率が、375nmで15%以下、380nmで30%以下である請求項1から3いずれか記載の電子線硬化性樹脂組成物。
  5. 前記カチオン重合化合物は、エポキシ基及びオキセタン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を1個以上有する請求項1から4いずれか記載の電子線硬化性樹脂組成物。
  6. 前記エポキシ基は、脂環式エポキシ基である請求項5に記載の電子線硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6いずれか記載の電子線硬化性樹脂組成物を電子線照射により硬化してなる硬化物。
  8. 厚さ10μmの硬化膜における光線透過率が、波長550nmにおいて85%以上であり、波長350nmにおいて20%以下である請求項7記載の硬化物。
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