JP2012081590A - 成形品の製造方法、及び、被覆電線の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、表面エネルギーが16〜20mN/mの有機溶剤(A)をポリテトラフルオロエチレンファインパウダーに添加して成形用組成物を得る工程と、前記成形用組成物を圧縮繊維化成形して成形品を得る工程と、を含むことを特徴とする成形品の製造方法である。
【選択図】なし
Description
上記PTFEファインパウダーは、例えば、乳化重合によりPTFE水性分散液を得て、該PTFE水性分散液からPTFE微粒子を回収し、凝集したのち乾燥させることにより得ることができる。上記凝集は、PTFE水性分散液に凝析剤を添加して攪拌することにより行うこともできるし、凝集剤を添加せずPTFE水性分散液を高速撹拌することによって行うこともできる。上記凝析剤としては、硝酸、塩酸、炭酸アンモニウム、アルコール等が好ましく、なかでも炭酸アンモニウムがより好ましい。上記凝集後に行う乾燥は、特に限定されないが、好ましくは100〜250℃、より好ましくは130〜200℃の温度下で行う。
本明細書において、上記平均1次粒径は、乳化重合により得られるPTFE1次粒子が分散したPTFE水性分散液を、固形分濃度0.15質量%に調製してセルに入れ、550nmの光を入射したときの透過率と、透過型電子顕微鏡写真により定方向径を測定して算出した数平均1次粒径との相関を検量線にまとめ、得られた検量線と各試料について測定した上記透過率とから求める値である。
また、本発明の成形品の製造方法は、成形用組成物を得る工程の後、成形品を得る工程の前に、有機溶剤(A)を乾燥させる工程を含まないことが好ましい。同様に、本発明の被覆電線の製造方法は、成形用組成物を得る工程の後、被覆電線を得る工程の前に、有機溶剤(A)を乾燥させる工程を含まないことが好ましい。
上記成形品を得る工程において、ペースト押出成形法、カレンダー成形法、又は、ブレード成形法は、密閉型の金型を用いることなく成形することができるものであり、上記成形用組成物を成形して得られた成形品は、その厚みを極めて薄くしたとしても均一な厚みにすることができる。本発明の成形品の製造方法は、円柱状、チューブ状などの成形品を得る観点から、ペースト押出成形法により成形して成形品を得るものであることが好ましい。
従来、ペースト押出成形では、押出時に樹脂を柔らかくして細く安定して押し出せるように比較的高温に押出金型を加熱していたため、沸点の低い押出助剤を使用していなかった。上記範囲のように低い温度で押出金型の温度を比較的低温にすることで、有機溶剤(A)が比較的沸点の低いものであったとしても、その蒸散を抑制することができる。
カレンダー成形法は、従来公知の装置及び成形条件で行うことができる。例えば、カレンダー成形法を行う装置としては、直列型、L型、逆L型、Z型等が挙げられる。
上記カレンダー成形法により成形を行う場合、加熱を行って成形してもよい。加熱の温度としては、有機溶剤(A)の沸点以下であることが好ましく、より好ましくは有機溶剤(A)の沸点よりも10℃以上低い温度である。上記加熱の温度として具体的には、例えば、30〜70℃であり、好ましくは、30〜60℃であり、より好ましくは、40〜50℃である。
カレンダー成形法により成形して得られる成形品としては、例えば、シート又はフィルムが好ましい。シート又はフィルムとしては、例えば、配管シールテープ、アパレル撥水通気シート等が挙げられる。
すなわち、本発明は、表面エネルギーが16〜20mN/mの有機溶剤(A)をポリテトラフルオロエチレンファインパウダーに添加して成形用組成物を得る工程と、前記成形用組成物をカレンダー成形法により成形してシート又はフィルムを得る工程と、を含むシート又はフィルムの製造方法でもある。
上記ブレード成形法により成形を行う場合、加熱を行って成形してもよい。加熱の温度としては、有機溶剤(A)の沸点以下であることが好ましい。より好ましくは、有機溶剤(A)の沸点未満であり、更に好ましくは有機溶剤(A)の沸点よりも10℃以上低い温度である。上記加熱の温度として具体的には、例えば、30〜70℃であり、好ましくは、30〜60℃であり、より好ましくは、40〜50℃である。シート状に成形した後、有機溶媒(A)を蒸発させることで、シート状の成形品が得られる。
上記ブレードは、例えば、ドクターブレード等の刃状部品である。シート状の成形品は基材から剥離して使用するものであってもよいし、基材を被覆する被覆材等であってもよい。
基材とシート状の被覆材を有する製品としては、例えば、プリント基板等が挙げられる。本発明は、表面エネルギーが16〜20mN/mの有機溶剤(A)をポリテトラフルオロエチレンファインパウダーに添加して成形用組成物を得る工程と、前記成形用組成物をプリント基板用の基材に塗布し、ブレード成形して、プリント基板の被覆材を形成する工程と、を含むことを特徴とするプリント基板の製造方法でもある。
この場合、成形した後、得られる未焼成の成形品を焼成する温度は、上記PTFEの融点以下、かつ、上記PTFE以外の樹脂のうち、最も低い融点を有する樹脂の融点以上で行うものであることが好ましく、280〜320℃であることがより好ましく、300〜318℃であることが更に好ましい。
本発明の製造方法により得られる成形品は、上記のような極めて薄い厚みであっても、均質な厚みに成形することが可能である。本発明は、上記成形品の製造方法により得られる成形品でもある。
本発明の製造方法は、PTFEの肉厚を極めて薄くすることができるため、特に、細物や薄物と呼ばれる薄肉電線の被覆材、薄膜チューブ、又は、フィルターの製造方法として特に優れている。
本発明は、表面エネルギーが16〜20mN/mの有機溶剤(A)をポリテトラフルオロエチレンファインパウダーに添加して成形用組成物を得る工程と、ペースト押出成形法により前記成形用組成物を芯線上に押し出して被覆材を成形し、芯線と被覆材とからなる被覆電線を得る工程と、を含むことを特徴とする被覆電線の製造方法である。本発明はまた、上記被覆電線の製造方法により得られる被覆電線でもある。
上記芯線として銅線を使用した場合、薄肉厚の被覆電線が得られ、極細同軸ケーブルや、フラットケーブル、モータコイル線、トランスコイル線として有用である。
なお、各実施例及び比較例において、各値の測定は以下の方法により行った。
電線の直径をマイクロメーターで計測し、計測値から芯線径を引いた値を2で除することにより求めた。
部分放電開始電圧は、ツイスト片について、総研電気(株)製DAC−PD−3を用いて、周波数100kHz、電荷量100pCにて測定を行った。
ダイキン工業株式会社製のポリフロンPTFEファインパウダー F−208H 500gに、n−ヘキサンを170g(助剤混合粉体に対して24重量%)混合し、25℃で8時間放置した。この助剤混合粉体(成形用組成物)を、予備成形機を用いて、1MPaで予備成形して、予備成形品を作成し、この予備成形品を成形機へ挿入した。
押出金型内径を0.79mmとする以外は実施例1と同様にした。この焼成物の直径は0.77mmであり、片側の被覆厚みは35μmであった。また、部分放電開始電圧は800Vであった。
n−ヘキサンに代えて炭化水素系溶剤であるアイソパーEを用いたこと以外は、実施例1と同条件で予備成形体を作製した。実施例1と同様に、0.7mm直径の軟銅線を用い、金型内径を0.77mmとすることでReductoinRatio 21800で押出成形を行ったが、押出機の圧力上限である100MPaを超え押出成形できなかった。
Claims (8)
- 表面エネルギーが16〜20mN/mの有機溶剤(A)をポリテトラフルオロエチレンファインパウダーに添加して成形用組成物を得る工程と、
前記成形用組成物を圧縮繊維化成形して成形品を得る工程と、
を含むことを特徴とする成形品の製造方法。 - 前記有機溶剤(A)は、ノルマルヘキサン、ノルマルペンタン、及びジメチルポリシロキサンからなる群より選択される少なくとも1種の炭化水素系溶剤である請求項1記載の成形品の製造方法。
- 得られる成形用組成物100質量部に対して1〜60質量部の有機溶剤(A)を添加する請求項1又は2記載の成形品の製造方法。
- 前記成形品は、厚みが100μm以下である請求項1、2又は3記載の成形品の製造方法。
- 表面エネルギーが16〜20mN/mの有機溶剤(A)をポリテトラフルオロエチレンファインパウダーに添加して成形用組成物を得る工程と、
ペースト押出成形法により前記成形用組成物を芯線上に押し出して被覆材を成形し、芯線と被覆材とからなる被覆電線を得る工程と、
を含むことを特徴とする被覆電線の製造方法。 - 前記有機溶剤(A)は、ノルマルヘキサン、ノルマルペンタン、及びジメチルポリシロキサンからなる群より選択される少なくとも1種の炭化水素系溶剤である請求項5記載の被覆電線の製造方法。
- 得られる成形用組成物100質量部に対して1〜60質量部の有機溶剤(A)を添加する請求項5又は6記載の被覆電線の製造方法。
- 前記被覆材は、厚みが100μm以下である請求項5、6又は7記載の被覆電線の製造方法。
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