JP2001138382A - テフロンケーブルの製造方法及びその製造装置 - Google Patents

テフロンケーブルの製造方法及びその製造装置

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JP2001138382A
JP2001138382A JP31972899A JP31972899A JP2001138382A JP 2001138382 A JP2001138382 A JP 2001138382A JP 31972899 A JP31972899 A JP 31972899A JP 31972899 A JP31972899 A JP 31972899A JP 2001138382 A JP2001138382 A JP 2001138382A
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Yoshinori Okawa
喜教 大川
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プリフォーム(テフロン予備成形体)の長期保
管を可能にし作業効率の向上を図ったテフロンケーブル
の製造方法及びその製造装置を提供すること。 【解決手段】ラム式押出法に使用するプリフォームを内
側保管容器と外側保管容器とを備えた2重の保管容器に
保管し、且つ前記内側保管容器と前記外側保管容器との
空間に押出助剤を封入したことにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ四フッ化エチ
レン樹脂(商品名テフロン、略称PTFE)を被覆した
テフロンケーブルの製造方法及びその製造装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ケーブルの絶縁被覆材料として、古くか
ら紙、油、天然ゴムなどが使用されていたが、1938
年以降は石油化学の発展と共に、熱可塑性材料が広く使
用されるようになった。ケーブルに使用される熱可塑性
材料としては、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリビニルホルマールなど十数種類があり、使
用条件や価格などにより使い分けられている。
【0003】中でも、ポリ四フッ化エチレン樹脂(商品
名テフロン、略称PTFE)は、ポリエチレンの全部の
HをFで置き換えたもので、無極性であるから誘電損は
極めて小さく、またC−Fの結合が強いため鎖状体であ
りながら310℃を超えても溶融せず、熱分解温度も高
く連続250℃の使用に耐える。すなわち、軟化温度は
327℃、連続許容温度は250℃、短絡次許容温度は
310℃と極めて優れた特性を有している。耐薬品性、
耐湿性も極めて良好であるが、熱可塑性に乏しいために
加工が難しい。
【0004】図3は、従来のテフロンケーブルの製造装
置の説明図である。11はテフロン被覆装置、12は予
備乾燥炉、13は焼結炉、20はテフロンケーブルであ
る。テフロン被覆装置11にて心線にテフロンを被覆し
た後、予備乾燥炉12を経て焼結炉13にて焼結を行な
いテフロンケーブル20を得る。
【0005】図4は、図3のテフロン被覆装置11の断
面説明図である。14はダイ、15はダイホルダ、16
はシリンダ、17はラム(ピストンの一種)、18は心
線、19はプリフォームである。前述のようにPTFE
は軟化温度が327℃と極端に高く、また粘度も高いた
めに通常の押出被覆ができず、ラム式押出法によりテフ
ロンケーブルを製造している。
【0006】プリホーム19は、テフロンパウダに押出
助剤を添加して圧縮した予備成形品(テフロン予備成形
体)である。このように、先ずプリフォーム19を作製
しておき、このプリフォーム19をシリンダ16に挿入
して、ラム17により押出してテフロン被覆する。ここ
までは常温での作業であり、ラム式押出法と呼ばれる。
【0007】図5は、従来のテフロンケーブルの製造装
置に係わり、プリフォーム保管容器の断面説明図であ
る。21は保管容器、22は蓋、23はシール材であ
る。プリフォーム19に添加する押出助剤は、トルエ
ン、n−ヘキサンなどの有機溶剤を主成分としたもので
あり、テフロンパウダに対して重量で15から20%加
えている。この添加量は、テフロンのカラー、被覆厚、
ケーブル径などで調整する必要がある。ラム式押出法に
よるテフロン被覆時には、プリフォーム19内で押出助
剤は±0.5%の精度で均一に分布していなければなら
ない。不均一に分布しているとテフロンケーブル20の
外観不良や最悪の場合にはクラックやマイクロボイドが
発生する。
【0008】プリフォーム19は、上述のように有機溶
剤を主成分とした押出助剤を含有しているため揮発性が
高く、そのためにプリフォーム19を作製後直ちに使用
するか、そうでなければ保管容器21に入れ、蓋22を
被せて、その上から蓋22と保管容器21との隙間をシ
ール材23でシールする必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のテフロンケーブ
ルの製造方法及びその製造装置には以下に示す問題点が
あった。
【0010】ラム式押出法で使用するプリフォーム19
は、揮発性の高い有機溶剤を主成分とした押出助剤を含
有しているため、プリフォーム19の作製後、時間の経
過と共にプリフォーム19の表面から有機溶剤が揮発
し、部分的に押出助剤の含有量の少ないエリアが生じ
る。
【0011】そこで、プリフォーム19を保管容器21
に入れて押出助剤に含有した有機溶剤が揮発しないよう
にしているが、密閉容器である保管容器21に保管して
いたとしても、シール材23の部分から微少に揮発した
有機溶剤が漏れたり、また保管容器21の空間内へ有機
溶剤が揮発・拡散する。
【0012】従って、保管したプリフォーム19は部分
的に押出助剤の含有量は不均一になっていた。そのた
め、プリフォーム19は押出直前に作製しなければなら
ず、プリフォーム19をまとめて作製しておくことはで
きなかった。そのために、作業効率が大幅に低下してい
た。
【0013】従って本発明の目的は、前記した従来技術
の欠点を解消し、プリフォーム(テフロの予備成形体)
の長期保管を可能にし作業効率の向上を図ったテフロン
ケーブルの製造方法及びその製造装置を提供することに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を実
現するため、ラム式押出法に使用するプリフォームは内
側保管容器と外側保管容器との空間に押出助剤を封入し
た2重の保管容器に保管したものを用いた。
【0015】また、前記内側保管容器と前記外側保管容
器との空間は、前記押出助剤に含有した有機溶剤の飽和
蒸気で満たされるようにした。
【0016】ラム式押出法によるテフロンケーブルの製
造装置において、前記ラム式押出法に使用するプリフォ
ームを保管する容器は、内側保管容器と外側保管容器と
を備えた2重構造を有し、且つ前記内側保管容器と前記
外側保管容器との空間に押出助剤を封入するように構成
した。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のテフロンケーブ
ルの製造装置の一実施例に係わり、プリフォーム保管容
器の断面説明図である。1は内側保管容器、2は外側保
管容器、3は内側蓋、4は外側蓋、5はシール材、6は
プリフォーム、7は押出助剤である。
【0018】プリフォーム6からの有機溶剤の揮発を防
ぐために、保管容器を内側保管容器1と外側保管容器2
とを備えた2重構造にしている。しかも、内側保管容器
1と外側保管容器2との空間には、有機溶剤を主成分と
した押出助剤7を入れて、その空間を有機溶剤の飽和蒸
気で満たされるようにした。これによりプリフォーム6
からの有機溶剤の揮発を略完全に防いでいる。
【0019】プリフォーム6の作製においては、テフロ
ンパウダとしてアフロン(商品名:旭ガラス株式会
社)、押出助剤としてラバゾール(商品名:共同石油株
式会社)を用いた。押出助剤のテフロンパウダに対する
割合は重量で20%、製作条件は室温で3インチ成形筒
を用いて7分間かけて作製した。作製したプリフォーム
6を図1の保管容器に入れ、この保管容器を空調室内に
1〜3週間放置した後、ラム式押出法によりテフロンケ
ーブルを製造した。
【0020】図2は、本発明のテフロンケーブルの製造
方法の一実施例に係わり、プリフォーム作製後経過日数
とプリフォーム重量変化量の説明図である。横軸はプリ
フォーム作製後経過日数、縦軸はプリフォーム重量変化
量(%)である。黒丸は本発明によるプリフォーム6に
ついて、白丸は従来技術によるプリフォームについて示
す。従来技術によるプリフォームでは、プリフォーム作
製後1日経過した直後から重量変化が見られた。重量の
変化は押出助剤に含有した有機溶剤の揮発を示してい
る。従って、このプリフォームを用いたテフロンケーブ
ルでは外観不良を引き起こしていた。
【0021】一方、本発明によるプリフォーム6は3週
間経過(図2では1週間分しか示していない)しても重
量変化は見られなかった。このプリフォーム6を用いた
テフロンケーブルでは、ケーブル表面の荒れやボイドな
どの外観不良は全く無く、且つ絶縁特性などの電気特性
も良好であった。
【0022】
【発明の効果】本発明のテフロンケーブルの製造方法及
びその製造装置によれば、ラム式押出法に使用するプリ
フォーム(テフロン予備成形体)を内側保管容器と外側
保管容器とを備えた2重の保管容器に保管し、且つ前記
内側保管容器と前記外側保管容器との空間に押出助剤を
封入したので、プリフォームの長期保管が可能になりテ
フロンケーブルの製造作業効率が大幅に向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のテフロンケーブルの製造装置の一実施
例に係わり、プリフォーム保管容器の断面説明図であ
る。
【図2】本発明のテフロンケーブルの製造方法の一実施
例に係わり、プリフォーム作製後経過日数とプリフォー
ム重量変化量の説明図である。
【図3】従来のテフロンケーブルの製造装置の説明図で
ある。
【図4】図3のテフロン被覆装置の断面説明図である。
【図5】従来のテフロンケーブルの製造装置に係わり、
プリフォーム保管容器の断面説明図である。
【符号の説明】
1 内側保管容器 2 外側保管容器 3 内側蓋 4 外側蓋 5 シール材 6 プリフォーム 7 押出助剤 11 テフロン被覆装置 12 予備乾燥炉 13 焼結炉 14 ダイ 15 ダイホルダ 16 シリンダ 17 ラム 18 心線 19 プリフォーム 20 テフロンケーブル 21 保管容器 22 蓋 23 シール材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラム式押出法によるテフロンケーブルの製
    造方法であって、前記ラム式押出法に使用するプリフォ
    ーム(テフロン予備成形体)は、内側保管容器と外側保
    管容器との空間に押出助剤を封入した2重の保管容器に
    保管したものを用いることを特徴とするテフロンケーブ
    ルの製造方法。
  2. 【請求項2】前記内側保管容器と前記外側保管容器との
    空間は、前記押出助剤に含有した有機溶剤の飽和蒸気で
    満たされていることを特徴とする請求項1記載のテフロ
    ンケーブルの製造方法。
  3. 【請求項3】ラム式押出法によるテフロンケーブルの製
    造装置において、前記ラム式押出法に使用するプリフォ
    ームを保管する容器は、内側保管容器と外側保管容器と
    を備えた2重構造を有し、且つ前記内側保管容器と前記
    外側保管容器との空間に押出助剤を封入するように構成
    して成ることを特徴とするテフロンケーブルの製造装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012081590A (ja) * 2010-10-06 2012-04-26 Daikin Industries Ltd 成形品の製造方法、及び、被覆電線の製造方法
CN106098255A (zh) * 2016-06-24 2016-11-09 安徽省浩辉电力技术有限公司 一种10kV交联电缆冷缩中间连接生产工艺

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