JP2012078610A - バレル、レンズユニットおよびレンズユニットの組み立て方法 - Google Patents

バレル、レンズユニットおよびレンズユニットの組み立て方法 Download PDF

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Abstract

【課題】小型のレンズユニットを組み立てるために、バレルの保持部にレンズを挿入する際に、レンズが斜めになるのを防止できるレンズユニットを提供する。
【解決手段】このレンズユニットは、略円筒状の外周面を有する複数のレンズ2,3,4,5を、それらの光軸方向を合わせて前後に並べて内側に支持する筒状のバレル10を有する。筒状のバレル10は、複数枚のレンズ2,3,4,5に対応して軸方向に並んで複数設けられた保持部11,12,13,14を有する。保持部11は、レンズ2の外周面の外径と略同じ内径とされ、レンズ2の外周面に接する嵌合部11aと、嵌合部11aに隣接して、レンズ2の外周面に対向する案内部11bとを備える。嵌合部11aの内周面内径Da1およびレンズ2の外径D2より、案内部11bの内周面の内径Db1の方が大きくなっている。案内部11bがレンズ2の嵌合部11aへの嵌合を案内する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レンズを固定するバレル、このバレルとこのバレルに固定されたレンズとからなるレンズユニットおよび前記バレルに前記レンズを取り付けてレンズユニットを組み立てるレンズユニットの組み立て方法に関する。
現在、携帯電話やスマートフォン等に高解像度の小型カメラが内蔵されている。また、自動車のバック時に後方を撮影したり、自動車の前方の障害物を撮影したり、事故等が発生した場合にそれを記録するための車載カメラや、玄関ドアの外を撮影する防犯カメラ等として、小型で高解像度のカメラが用いられる場合がある。
これら小型のカメラのレンズとしては、たとえば、直径が10mm以下のレンズが用いられる場合がある。また、高解像度の小型のカメラのレンズを備える光学系は、複数枚のレンズ(レンズ群)から構成され、バレル(鏡胴:レンズ枠)に、複数枚のレンズを光軸方向に並べて固定したレンズユニットが用いられている。
このような小型のレンズユニットは、たとえば、治具等を用いて手作業で組み立てられる。
また、このような小型のレンズユニットの手作業での組み立てに際し、バレルに複数のレンズを挿入した後に、最も後方のレンズをバレルに対して専用の治具で前側に押し付けて、バレルにレンズを嵌合させていたのに対して、この治具による押し付けをやめて、真空ポンプを用いてレンズをバレルに前側に向けて吸引して、バレルにレンズを嵌合させることが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
小型のレンズユニットは、たとえば、図9に示すように、バレル1に、順番に複数のレンズ2,3,4,5が挿入されて嵌合されたものである。なお、図9においては、略円筒状のバレル1の断面のうちの中心線を境に半分だけが図示されている。また、レンズ2,3,4,5は、中心軸から半分側になる部分のさらに外周部分だけが図示されている。レンズ2,3,4,5は、その内側にレンズとしての光学機能を有する光学機能部が備えられ、光学機能部の外周部に、レンズ2,3,4,5の固定のために設けられたフランジが備えられている。図9においては、レンズ2,3,4,5の主にフランジ部分が図示されている。
図9において、物体側からレンズ2、レンズ3、レンズ4、レンズ5の順番で配置され、レンズ2,3,4,5の径がこの順番で大きくなっている。バレル1には、物体側からレンズ2の保持部1a、レンズ3の保持部1b、レンズ4の保持部1c、レンズ5の保持部1dが形成されている。
保持部1a,1b,1c,1dは、円筒状の内周面を有する円柱状の穴になっているが、レンズ2,3,4,5の径に対応して、前側の保持部1aから後側の保持部1dに向うにつれて、内径が大きくなっている。
各保持部1a,1b,1c,1dの内径は、基本的に固定されるレンズ2,3,4,5の外径と同じになるが、保持部1a,1b,1c,1dにレンズ2,3,4,5を挿入するために少しだけクリアランスを設けてもよい。しかし、保持部1a,1b,1c,1dにレンズ2,3,4,5を挿入した場合に、レンズレンズ2,3,4,5が、がたつくことなく、バレル1を動かしてもレンズ2,3,4,5の光軸位置がずれないようにクリアランスが極めて狭い必要がある。
また、保持部1a,1b,1c,1dのレンズ2,3,4,5が挿入される後端側には、後ろに向うほど径が広くなったテーパー部1e,1f,1g,1hが形成され、このテーパー部1e,1f,1g,1hが、保持部1a,1b,1c,1dにレンズ2,3,4,5を挿入する際に、保持部1a,1b,1c,1d内にレンズ2,3,4,5を案内するようになっている。
また、バレル1の前端部は、内径が小さくされて、レンズ2の外周部の前面を止めるようになっている。また、バレル1の最も後方のレンズ5の後側に、止め枠6が固定され、バレル1内にレンズ2,3,4,5が固定されている。
このバレル1とレンズ2,3,4,5とからなるレンズユニットの組み立てに際しては、たとえば、前側から順番に各保持部1a,1b,1c,1dに各レンズ2,3,4,5を挿入していくことになる。この際には、たとえば、各レンズ2,3,4,5を吸引により吸着して保持する吸着式のピンセット(保持具)を用いて、各レンズ2,3,4,5を保持した状態で、レンズ2,3,4,5を順に保持部1a,1b,1c,1dに押し込むことになる。また、図9に示すレンズユニットにおいては、レンズ3とレンズ4との間と、レンズ4とレンズ5との間に、レンズユニットを通過する光の範囲を規制する絞り部材(遮光シート)7,8が配置されている。
特開2008−145929号公報
ところで、上述のように、保持部1a,1b,1c,1dの内径とレンズ2,3,4,5の外径とが略同じか、内径と外径との間に極めて狭いクリアランス分の差しかない状態で、保持部1a,1b,1c,1dにレンズ2,3,4,5を挿入する際に、円板状のレンズ2,3,4,5は、径方向の長さ、すなわち、直径に対して軸方向の長さがかなり短くなるため、レンズ2,3,4,5が斜めになり易いという問題がある。
すなわち、レンズ2,3,4,5は、軸方向の長さが短いため、少し傾いた場合に、外周面の前端側と後端側との保持部1a,1b,1c,1dの軸方向に対して直交する方向の位置ずれが少しだけなので、レンズ2,3,4,5を保持部1a,1b,1c,1dとしての孔に挿入する場合に、レンズ2,3,4,5を手で押しながら挿入可能とするクリアランス程度の極めて小さな遊びでも十分に斜めになってしまう可能性がある。また、クリアランスがなくとも、レンズ2,3,4,5の先端が保持部1a,1b,1c,1dに挿入された際にレンズ3が斜めになってしまう可能性がある。たとえば、図10に示すように、バレル1の最も物体側の保持部1aに径方向の長さに対して軸方向の長さが短いレンズ2を挿入して嵌合しようとした場合に、レンズ2の物体側部分が保持部1aに斜めに入り込んでしまう場合がある。
したがって、径に対して軸方向の長さが短いほど、孔に挿入する際に傾く可能性が高い。また、上述のクリアランスは、かなり狭いので、たとえば、保持部1a,1b,1c,1dにレンズ2,3,4,5を挿入する際に、レンズ2,3,4,5を少なくても手(吸着式のピンセット等の保持具)で押す必要があり、場合によっては、上述のように治具で押したり、吸引したりする必要がある。この際には、レンズ2,3,4,5を挿入する際に抵抗があることからレンズ2,3,4,5を挿入する際にレンズ2,3,4,5の姿勢をうまく保てずにレンズ2,3,4,5が傾く虞がある。このような状態で、レンズ2,3,4,5が少し斜めになると、保持部1a,1b,1c,1dの内周面に斜めになったレンズ2,3,4,5の外周面が咬んでしまい、図10に示すようにレンズ2が斜めになった状態に保持されてしまう。
この場合に、レンズ2,3,4,5を保持部1a,1b,1c,1dに挿入するのに必要な押圧力が大きくなるとともに、レンズ2,3,4,5を押して挿入しても、レンズ2,3,4,5が斜めの状態のまま押し込まれてしまう可能性が高い。
すなわち、保持部1a,1b,1c,1dに対して、レンズ2,3,4,5が斜めに挿入されると、レンズ2,3,4,5の外周面の前端側と後端側で、保持部1a,1b,1c,1dの軸方向と直交する方向にずれが生じることにより、保持部1a,1b,1c,1dへの挿入がし難くなるとともに、保持部1a,1b,1c,1dにレンズ2,3,4,5を治具等で押し込んだり、真空ポンプで吸引したりしても、レンズ2,3,4が斜めのまま挿入されてしまう可能性がある。
レンズ2,3,4,5が斜めのままレンズユニットが組み立てられてしまうと、斜めになったレンズ2,3,4,5の光軸の方向が、斜めになってない他のレンズ2,3,4,5の光軸の方向からずれてしまうことになり、レンズユニットの光学特性が低下してしまう。さらに、複数枚のレンズ2,3,4,5が斜めになれば、さらに光学特性が低下する。
この場合に、レンズ2,3,4,5が斜めになって光学特性が低下したレンズユニットを取り除くことによって、歩留まりの低下を招くことになる。
また、レンズ2,3,4,5をバレル1に固定する作業に際して、バレル1の軸方向に対してレンズ2,3,4,5が傾かないようにするために、慎重に作業を行うと作業性が悪化することになる。また、上述の作業になるべく熟練者を担当させるようにした場合に、コストの増加や、人材不足を招くことになる。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、小型のレンズユニットを組み立てるために、バレルの保持部にレンズを挿入する際に、レンズが斜めになるのを防止できるバレル、レンズユニットおよびレンズユニットの組み立て方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のバレルは、略円柱状の外周面を有する複数のレンズを、これらレンズの光軸方向を合わせるように並べて内側に支持する筒状のバレルであって、
筒状のバレル本体部と、
前記バレル本体部の内側に、複数の前記レンズに対応して軸方向に並んで複数設けられ、各レンズがそれぞれ挿入されて嵌合されることにより、各レンズがそれぞれ保持される保持部とを備え、
前記保持部は、前記レンズの外周面の外径と略同じ内径に想定された第1の仮想円筒上の少なくとも前記レンズの外周面を囲む位置に設けられ、前記レンズに嵌合する嵌合部と、
前記第1の仮想円筒と同軸上に並んで配置されるように想定された第2の仮想円筒上の少なくとも前記嵌合部に対応する位置に設けられ、前記第2の仮想円筒の内径が前記第1の仮想円筒の内径より少しだけ大きくされることによって、前記レンズの光軸を前記第1および第2の仮想円筒の軸線に略合わせるように、前記レンズを前記嵌合部に案内する案内部とを備えていることを特徴とする。
請求項2に記載のバレルは、請求項1に記載の発明において、
前記レンズの外径が10mm以下であり、
前記第2の仮想円筒の内径と前記第1の仮想円筒の内径との差をPとした場合に、
0μm<P≦100μm
であることを特徴とする。
請求項3に記載のレンズユニットは、略円柱状の外周面を有する複数のレンズを、これらレンズの光軸方向を合わせるように並べて内側に支持する筒状のバレルであって、
筒状のバレル本体部と、
前記バレル本体部の内側に、複数の前記レンズに対応して軸方向に並んで複数設けられ、各レンズがそれぞれ挿入されて嵌合されることにより、各レンズがそれぞれ保持される保持部とを備え、
前記保持部は、前記レンズの外周面の外径と略同じ内径に想定された第1の仮想円筒上の少なくとも前記レンズの外周面を囲む位置に設けられ、前記レンズに嵌合する嵌合部と、
前記第1の仮想円筒と同軸上に並んで配置されるように想定された第2の仮想円筒上の少なくとも前記嵌合部に対応する位置に設けられ、前記第2の仮想円筒の内径が前記レンズの外径より少しだけ大きくされることによって、前記レンズの光軸を前記第1および第2の仮想円筒の軸線に略合わせるように、前記レンズを前記嵌合部に案内する案内部とを備えていることを特徴とする。
請求項4に記載のレンズユニットは、請求項3に記載の発明において、前記レンズの外径が10mm以下であり、
前記第2の仮想円筒の内径と前記レンズの外径との差をQとした場合に、
0μm<Q≦100μm
であることを特徴とする。
請求項5に記載のバレルは、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明において、
前記レンズは、その外周部分に前記レンズの位置決め固定に用いられるフランジを備え、
前記保持部の軸方向長さTが前記保持部に保持される前記レンズのフランジの厚さと略同じとされ、
前記嵌合部が前記第1の仮想円筒の軸方向長さt1に渡って設けられ、
前記案内部が前記第2の仮想円筒の軸方向長さt2に渡って設けられ、
前記保持部の軸方向長さTと、前記保持部の軸方向の長さTの範囲内にそれぞれ想定される第1の仮想円筒の軸方向長さt1および第2の仮想円筒の軸方向長さt2との関係が
t1+t2≦T、t1≧T/2、t2≧1/2(t1)
であることを特徴とする。
請求項6に記載のレンズユニットは、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のバレルにレンズが取り付けられていることを特徴とする。
請求項7に記載のレンズユニットの組み立て方法は、請求項1から請求項5のいずれ1項に記載のバレルにレンズを取り付けてレンズユニットを組み立てるレンズユニットの組み立て方法であって、
前記レンズを前記保持部の前記案内部側から前記レンズの光軸を前記第1および第2の仮想円筒の軸線方向に略沿わせて挿入し、前記レンズを前記案内部から前記嵌合部に嵌合させることを特徴とする。
請求項8に記載のレンズユニットは、略円柱状の外周面を有する複数のレンズと、これらレンズを、これらレンズの光軸方向を合わせるように並べて内側に支持する筒状のバレルとを備えているレンズユニットであって、
前記バレルは、
筒状のバレル本体部と、
前記バレル本体部の内側に、複数の前記レンズに対応して軸方向に並んで複数設けられ、各レンズがそれぞれ挿入されて保持される保持部とを備え、
各保持部はそれぞれ、当該保持部に保持されるレンズの外周面の周囲の少なくとも前記外周面を囲む位置に設けられ、かつ、前記レンズの光軸方向に略沿って延在し、前記レンズの外周面に嵌合する嵌合部を有し、
前記レンズの外周面には、前記保持部に挿入されて前記嵌合部に嵌合される際の挿入方向先側の被案内部と、この被案内部より前記挿入方向後側の被嵌合部とが設けられ、
前記レンズの外周面の前記被案内部と、前記被嵌合部とが同軸上に配置されるとともに、前記被嵌合部の外径が、前記嵌合部の前記レンズの外周面の被嵌合部に接する部分を前記レンズの外周面に沿って通るように想定される仮想の円の径と略等しくされ、
かつ、前記被嵌合部の外径より前記被案内部の外径が少しだけ小さくされることにより、
前記レンズを前記保持部に挿入して前記嵌合部に嵌合させる際に、前記保持部に先に挿入される前記外周面の前記被案内部が、前記レンズの光軸方向を前記仮想の円に対応する嵌合部の軸方向に略合わせるように前記嵌合部に案内された状態で、前記外周面の前記被嵌合部が前記嵌合部に嵌合されるようになっていることを特徴とする。
請求項9に記載のレンズユニットは、請求項8に記載の発明において、
前記レンズの外径が10mm以下であり、
前記被嵌合部の外径と、前記被案内部の外径との差をRとした場合に、
0μm<R≦100μm
であることを特徴とする。
請求項1に記載の発明においては、前記保持部にレンズを嵌合させる際に、案内部から嵌合部に向ってレンズを挿入していく。この際に、前記第2の仮想円筒の内径が前記レンズの外径と略同じ内径を有する第1の仮想円筒の内径より少しだけ大きくされているので、案内部に物体側(挿入方向の先端側)が挿入されるレンズは、案内部と、レンズの外周面との間に少しだけ隙間がある状態になり、抵抗無く円滑に移動することになる。
この際に、レンズと案内部との間の間隔が小さいことから、レンズが傾くことなく、レンズの光軸を第1および第2の仮想円筒の軸線に略合わせるように、レンズが嵌合部に向けて案内されることになり、レンズがほとんど傾くことなく嵌合部に至って嵌合されることになる。これにより、バレルに保持される各レンズが傾くのを防止し、各レンズの光軸方向がずれるのを防止することができる。したがって、レンズの光学特性の向上と、バレルを用いて製造されるレンズユニットの歩留まりの向上を図ることができる。さらにレンズユニットの組み立て作業の作業性を向上することができる。
なお、案内部が配置される第2の仮想円筒の内径を、たとえばレンズの外径と略同じ第1の仮想円筒の内径と同じとすると、実質的に案内部が無い状態になってしまう。
また、案内部が配置される第2の仮想円筒の半径が、たとえばレンズの外径と略同じにされた第1の仮想円筒の半径に対して大きすぎる場合には、レンズと案内部との間の隙間が大きいことからレンズが傾かないように案内された状態とはならず、ある程度自由にレンズが傾く状態になってしまい、嵌合部に至る際にレンズが傾いてしまう虞があり、嵌合部に傾いていない状態でレンズを挿入できるとは限らない。
請求項2に記載の発明においては、レンズの外径が10mm以下で、第2の仮想円筒の内径と前記第1の仮想円筒の内径との差Pが0μmより大きく、100μm以下になっていることにより、レンズを保持部に保持させる際にレンズが傾くのを抑制することができる。すなわち、第2の仮想円筒の内径が前記第1の仮想円筒の内径より大きくなければ、上述のように案内部が円滑にレンズを案内することができない。また、第2の仮想円筒の内径と前記第1の仮想円筒の内径との差Pが100μmより大きいと、上述のようにレンズと案内部との間の隙間が大きすぎて、案内部でレンズが傾いてしまい、レンズを嵌合部に真っ直ぐ挿入することができない虞がある。
請求項3に記載の発明においては、前記第2の仮想円筒の内径が前記レンズの外径より少しだけ大きくされているので、前記レンズの外径と略同じ内径を有する第1の仮想円筒の内径より第2の仮想円筒の内径を大きくした請求項1に記載の発明と同様の作用効果を奏することができる。
請求項4に記載の発明においては、レンズの外径が10mm以下であれば、第2の仮想円筒の内径と前記第1の仮想円筒の内径とほぼ同じレンズの外径との差Qが0μmより大きく、100μm以下になっていることにより、請求項2に記載の発明と同様の作用効果を奏することができる。
請求項5に記載の発明においては、保持部の軸方向長さTをレンズのフランジの厚さと略同じとし、前記嵌合部の軸方向長さ(第1の仮想円筒の軸方向長さt1)を保持部の軸方向長さTの半分以上とすることによって、嵌合部にフランジが嵌合されたレンズが、がたつくのを防止することができる。すなわち、案内部では、上述のようにレンズを保持部に保持させる際にレンズが傾くのを防止できるが、嵌合部が配置される第1の仮想円筒部より案内部が配置される第2の仮想円筒部の径が大きくなっていることにより、案内部では、レンズを支持することができない。したがって、案内部の軸方向長さを長くして、嵌合部の軸方向長さを短くしすぎてしまうと、レンズにがたつきが生じる虞がある。
また、案内部は、レンズを保持部に挿入する際に、レンズが傾かないように案内しているので、案内部が短すぎると、嵌合部にレンズの外周面の前端側が到達した際に、案内部がレンズの傾きを防止しきれない状態になる。また、レンズが嵌合部に挿入されていく状態において、レンズの後部側は案内部内にあり、案内部に案内された状態になっており、嵌合部の軸方向長さが長い場合に、案内部が長くなった方が、安定してレンズの傾きを防止することができる。したがって、案内部の軸方向長さ(第2の仮想円筒の軸方向長さt2)を、嵌合部の軸方向長さ(第1の仮想円筒の軸方向長さt1)の半分以上とすることにより、安定してレンズを傾かないように嵌合部に嵌合させることができる。
請求項6に記載の発明においては、レンズユニットに上述の請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のバレルが用いられていることから、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明と同様の作用効果を奏することができる。
請求項7に記載の発明においては、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のバレルにレンズと取り付けてレンズユニットを組み立てるので、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明と同様の作用効果を奏することができる。
請求項8に記載の発明においては、保持部に嵌合部と、嵌合部より内径が少しだけ大きい案内部とを設ける代わりに、保持部には嵌合部だけを設け、レンズ側に嵌合部に嵌合する被嵌合部と、被嵌合部より少しだけ外径が小さい被案内部を設けることにより、先に保持部に挿入される被案内部の外径が、被嵌合部と略同径の嵌合部が配置される前記仮想の円の内径より少しだけ小さくなる。したがって、請求項1の記載の発明と同様に、レンズを保持部に挿入する際に、レンズ(被案内部)と保持部(嵌合部)との間に少しだけ隙間が生じ、さらにレンズを保持部に挿入すると、レンズ(被嵌合部)と保持部(嵌合部)との間の隙間が無くなって嵌合することになる。
すなわち、レンズを保持部に挿入する際に、先に嵌合部に至るレンズの被案内部は、嵌合部に嵌合することなく、嵌合部に案内された状態で嵌合部内に挿入されていくことになる。被案内部に続いて被嵌合部が嵌合部に挿入されるが、この際には、被嵌合部の外径と嵌合部に対応する仮想の円の内径が略同じことから、嵌合部に被嵌合部が嵌合されることになる。
したがって、被案内部が嵌合部に案内された状態で、被嵌合部が嵌合部に嵌合することになる。言い換えれば、レンズが嵌合部に嵌合する前の段階で、レンズと嵌合部が形成される保持部との間にレンズを案内可能な適度な隙間を形成すればよいので、保持部側に嵌合部より少しだけ内径の大きな案内部を設けて、レンズと保持部との間に適度な隙間を設けても、レンズ側に被嵌合部より少しだけ外径の小さな被案内部を設けてレンズと保持部との間に適度な隙間を設けても同様の効果を得ることができる。
これにより、レンズの光軸方向を、仮想の円に対応する嵌合部の軸方向に略合わせた状態で、被嵌合部が嵌合部に嵌合されることになり、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
請求項9に記載の発明においては、レンズの外径が10mm以下で、被嵌合部の外径と、被案内部の外径との差Rが0μmより大きく、100μm以下になっていることにより、レンズを保持部に保持させる際にレンズが傾くのを抑制することができる。すなわち、前記被案内部の外径が前記被嵌合部の外径より小さくなければ、嵌合部に被案内部が円滑に案内されることができない。また、被嵌合部の外径と、被案内部の外径との差Rが100μmより大きいと、レンズの被案内部と嵌合部との間の隙間が大きすぎて、レンズの被案内部が嵌合部に挿入された状態でもレンズが傾いてしまう可能性があり、レンズを嵌合部に真っ直ぐ挿入することができない虞がある。
本発明の第1実施形態に係るレンズユニットのバレルを示す断面図である。 前記レンズユニットの組み立て手順を説明するための図であって、バレルを示す断面図である。 前記レンズユニットの組み立て手順を説明するための図であって、バレルとレンズとを示す断面図である。 前記レンズユニットの組み立て手順を説明するための図であって、バレルとレンズとを示す断面図である。 前記レンズユニットの組み立て手順を説明するための図であって、バレルとレンズとを示す断面図である。 前記レンズユニットの組み立て手順を説明するための図であって、バレルとレンズとを示す断面図である。 前記レンズユニットのバレルの変形例を示す断面図である。 前記レンズユニットのバレルの別の変形例を示す断面図である。 従来のレンズユニットのバレルを示す断面図である。 従来のバレルに挿入されるレンズが傾いた状態を示すバレルとレンズとを示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように、第1実施形態のレンズユニットは、バレル(鏡胴:レンズ枠)10と、このバレル10に固定される従来と同様の複数枚(4枚)のレンズ2,3,4,5および絞り部材7,8を備える。なお、図1は、図9と同様にバレル10(レンズユニット)の中心線を境に半分を図示したものである。
レンズ2,3,4,5は、従来と同様の構成になっており、前側のレンズ2から後側のレンズ5に向って外径が大きくされ、外周面が円筒状とされている。また、絞り部材7,8および止め枠6も従来と同様になっている。
バレル10は、概略円筒状で、バレル本体部の内周側に前側から順番にそれぞれレンズ2,3,4,5を固定した状態に支持する保持部11,12,13,14が設けられている。ここで,1番前の保持部11がレンズ2を保持し、2番目の保持部12がレンズ3を保持し、3番目の保持部13がレンズ4を保持し、4番目の保持部14がレンズ5を保持する。
各保持部11,12,13,14は、各保持部11,12,13,14によって内径が異なるが、円筒状の内周面を備えるものになっている。また、保持部11,12,13,14は、前後方向(バレル10の軸方向)に並んで配置され、物体側から像側に向うにつれて内径が大きくなっている。また、保持部12,13,14の後端部には、従来と同様に物体側から像側に向うにつれて、内径が大きくなるテーパー部16,17,18、19が設けられている。
各保持部11,12,13,14の軸方向(前後方向)の長さTは、各保持部11,12,13,14に保持されるレンズ2,3,4,5の外周部分になるフランジ部分の厚みと略同じとされている。
各保持部11,12,13,14は、前後方向の前側(物体側)になり、レンズ2,3,4,5をがたつかないように固定的に嵌合する嵌合部11a,12a,13a,14aと、嵌合部11a,12a,13a,14aの後側(像側)に設けられ、嵌合部11a,12a,13a,14aにレンズ2,3,4,5を挿入する際に、レンズ2,3,4,5の光軸方向が円筒状の内周面を有する嵌合部の軸線に略沿うように保持する案内部11b,12b,13b,14bとを備えている。
また、各保持部11,12,13,14,15において、嵌合部11a,12a,13a,14aの円筒状の内周面の内径Da1,Da2,Da3,Da4は、レンズ2,3,4,5の外径(レンズ径)D2,D3,D4,D5と同じか、もしくは、それより若干小さなものになる。
すなわち、Da1≦D2,Da2≦D3,Da3≦D4,Da4≦D5になる。
レンズ2,3,4,5の外径D2,D3,D4,D5が、嵌合部11a,12a,13a,14aの内径Da1,Da2,Da3,Da4以上になることら、嵌合部11a,12a,13a,14aにレンズ2,3,4,5を嵌合させる際に、レンズ2,3,4,5を嵌合部11a,12a,13a,14aに押し込む必要がある。しかし、レンズ2,3,4,5の外径D2,D3,D4,D5と、嵌合部11a,12a,13a,14aの内径Da1,Da2,Da3,Da4との差が僅かであり、レンズ2,3,4,5とバレル10が合成樹脂からなるので、押し込む力は小さなものになっている。
なお、レンズ2,3,4,5の嵌合部11a,12a,13a,14aへの嵌合を容易とするために、レンズ2,3,4,5の外径D2,D3,D4,D5に対して、極めて小さなクリアランス分だけ、嵌合部11a,12a,13a,14aの内径Da1,Da2,Da3,Da4を大きくしてもよい。
各保持部11,12,13,14においては、嵌合部11a,12a,13a,14aの内径Da1,Da2,Da3,Da4より、案内部11b,12b,13b,14bの円筒状の内周面の内径Db1,Db2,Db3,Db4の方が少しだけ大きくなっている。
バレル10全体での各案内部11b,12b,13b,14bの内径Db1,Db2,Db3,Db4と、各嵌合部11a,12a,13a,14aの内径Da1,Da2,Da3,Da4との関係は、Da1<Db1<Da2<Db2<Da3<Db3<Da4<Db4になる。
また、各保持部11,12,13,14においては、各レンズ2,3,4,5の外径D2,D3,D4,D5より、案内部11b,12b,13b,14bの内径Db1,Db2,Db3,Db4の方が少しだけ大きくなっている。
バレル10全体での各レンズ2,3,4,5の外径D2,D3,D4,D5と、案内部11b,12b,13b,14bの内径Db1,Db2,Db3,Db4との関係は、D2<Db1<D3<Db2<D4<Db3<D5<Db4になる。
また、バレル10全体での各嵌合部11a,12a,13a,14aの内径Da1,Da2,Da3,Da4と、各レンズ2,3,4,5の外径D2,D3,D4,D5と、案内部11b,12b,13b,14bの内径Db1,Db2,Db3,Db4との関係は、Da1≦D2<Db1<Da2≦D3<Db2<Da3≦D4<Db3<Da4≦D5<Db4になる。
案内部11b,12b,13b,14bの内径Db1,Db2,Db3,Db4は、案内部11b,12b,13b,14bにレンズ2,3,4,5を吸着方式のピンセット20等の保持具で保持して挿入した際に、抵抗なく円滑にレンズ2,3,4,5が挿入可能になっている。
ここで、案内部11b,12b,13b,14bの内径Db1,Db2,Db3,Db4が嵌合部11a,12a,13a,14aのDa1,Da2,Da3,Da4と略等しいと、案内部11b,12b,13b,14bを設けてないのと同じになってしまう。
それに対して、案内部11b,12b,13b,14bの内径Db1,Db2,Db3,Db4が嵌合部11a,12a,13a,14aの内径Da1,Da2,Da3,Da4およびレンズ2,3,4,5の外径D2,D3,D4,D5より少しだけ大きくなっていれば、円滑に傾くことなく案内部11b,12b,13b,14bにレンズ2,3,4,5を挿入することができる。この場合に、レンズ2,3,4,5を案内部11b,12b,13b,14bからさらに先の嵌合部11a,12a,13a,14aに挿入すると、レンズ2,3,4,5が斜めに傾くことなく嵌合部11a,12a,13a,14aに嵌合される。
また、案内部11b,12b,13b,14bの内径Db1,Db2,Db3,Db4が嵌合部11a,12a,13a,14aの内径Da1,Da2,Da3,Da4およびレンズ2,3,4,5の外径D2,D3,D4,D5より大きすぎると、案内部11b,12b,13b,14b内で、レンズ2,3,4,5が少しではあるが自由に動ける状態になり、レンズを嵌合部11a,12a,13a,14aに挿入するのが困難になり、さらに挿入時にレンズ2,3,4,5が傾いてしまう虞がある。この場合に、レンズ2,3,4,5を案内部11b,12b,13b,14bからさらに先の嵌合部11a,12a,13a,14aに挿入した場合に、案内部11b,12b,13b,14bでレンズ2,3,4,5が斜めになっていると、嵌合部11a,12a,13a,14aにレンズが斜めに嵌合される虞が生じる。
したがって、案内部11b,12b,13b,14bの内径Db1,Db2,Db3,Db4が嵌合部11a,12a,13a,14aの内径Da1,Da2,Da3,Da4およびレンズ2,3,4,5の外径D2,D3,D4,D5より少しだけ大きくなっている状態とする必要がある。
この実施の形態では、レンズ2,3,4,5の直径を10mm以下に設定した。また、案内部11b,12b,13b,14bの内径Db1,Db2,Db3,Db4からレンズ2,3,4,5の外径D2,D3,D4,D5を減算した差Qが0μmより大きく100μm以下になっていることが好ましい。
すなわち、案内部内径−レンズ径=Q 0μm<Q≦100μmになっていることが好ましい。
また、3μm≦Q≦80μmになっていてことがより好ましく、また、10μm≦Q≦60μmになっていることがより好ましく、さらに、15μm≦Q≦50μmになっていることがより好ましい。
上述のようにQが0μmでは、案内部11b,12b,13b,14bが実質的に存在しないことになる。
また、Qが100μmより大きい場合には、案内部11b,12b,13b,14bで上述のようにレンズ2,3,4,5が傾いて、そのまま嵌合部11a,12a,13a,14aに挿入されてしまう虞が生じる。
また、嵌合部11a,12a,13a,14aの内径Da1,Da2,Da3,Da4がレンズ2,3,4,5の外径D2,D3,D4,D5と同じか僅かに大きくされた状態なので、上述の場合と同様の理由により、案内部11b,12b,13b,14bの内径Db1,Db2,Db3,Db4から嵌合部11a,12a,13a,14aの内径Da1,Da2,Da3,Da4を減算した差Pが0μmより大きく100μm以下になっていることが好ましい。
すなわち、案内部内径−嵌合部内径=P 0μm<P≦100μmになっていることが好ましい。また、3μm≦P≦80μmになっていてことがより好ましく、また、10μm≦P≦60μmになっていることがより好ましく、さらに、15μm≦P≦50μmになっていることがより好ましい。
なお、嵌合部11a,12a,13a,14aと案内部11b,12b,13b,14bとが同軸上に配置され、かつ、嵌合部11a,12a,13a,14aの内径Da1,Da2,Da3,Da4より案内部11b,12b,13b,14bの内径Db1,Db2,Db3,Db4が少しだけ大きいことから、嵌合部11a,12a,13a,14aと案内部11b,12b,13b,14bとの境界部分に段差が生じる。この段差部分の幅、すなわち、嵌合部11a,12a,13a,14aの半径と案内部11b,12b,13b,14bの半径との差pは、Pの1/2になり、この差pは、0μm<p≦50μmになっていることが好ましい。
また、保持部11,12,13,14の軸方向に沿った長さTのうちの嵌合部11a,12a,13a,14aの長さをt1とし、案内部の長さをt2とした場合に、t1+t2≦Tであり、t1≧T/2になっていることが好ましい。すなわち、嵌合部11a,12a,13a,14aの軸方向に沿った長さt1は、保持部11,12,13,14の軸方向に沿った長さTの半分以上になっていることが好ましい。これは、保持部11,12,13,14にレンズ2,3,4,5を固定的に支持させる上で、t1が短いとレンズ2,3,4,5にがたつきが生じる可能性があり、がたつきを防止するために、t1がTの半分以上(すなわち、レンズ2,3,4,5の厚さの半分以上)になっていることが好ましい。
なお、嵌合部11a,12a,13a,14aの範囲には、レンズ2,3,4,5の前半部分(物体側の略半分)が挿入されるが、レンズ2,3,4,5の外周面の前端部分にはRが付けられており、レンズ2,3,4,5の外周面の前端部分は、嵌合部11a,12a,13a,14aの内周面に接していない状態になる。したがって、嵌合部11a,12a,13a,14aの軸方向長さt1を保持部11,12,13,14の軸方向長さTの半分とした場合に、実際にレンズ2,3,4,5と嵌合部11a,12a,13a,14aとが接する軸方向長さは保持部11,12,13,14の軸方向長さTの半分より少し短くなる。
また、案内部11b,12b,13b,14bの長さt2は、嵌合部11a,12a,13a,14aの長さt1の半分以上になっていることが好ましい。すなわち、t2≧1/2(t1)になっていることが好ましい。これは、レンズ2,3,4,5が案内部11b,12b,13b,14bに挿入された後に、レンズ2,3,4,5の前端が嵌合部11a,12a,13a,14aに至った際に、レンズ2,3,4、5の案内部11b,12b,13b,14bに挿入されている長さ(基本的に案内部11b,12b,13b,14bの長さt2)が嵌合部11a,12a,13a,14aの長さt1の半分の長さ(1/2(t1))より短いと、レンズ2,3,4,5が案内部11b,12b,13b,14bに案内されて略真っ直ぐな状態になっていない虞があるからである。
なお、レンズ2,3,4,5の前端部が嵌合部11a,12a,13a,14aに挿入された後も、レンズ2,3,4,5が嵌合部11a,12a,13a,14aにさらに挿入される際に、案内部11b,12b,13b,14bがレンズ2,3,4,5の後部を案内している状態なので、嵌合部11a,12a,13a,14aの軸方向に沿った長さt1が長い場合に、案内部11b,12b,13b,14bの長さt2も有る程度長いことが好ましい。
嵌合部11a,12a,13a,14aと案内部11b,12b,13b,14bとは、径が異なることからこれら嵌合部11a,12a,13a,14aと案内部11b,12b,13b,14bとの境界部分に上述の段差が生じるが、この境界部分は、嵌合部11a,12a,13a,14aから案内部11b,12b,13b,14bに向うにつれて径が大きくなるテーパー面になっていることが好ましい。
バレル10は、たとえば、合成樹脂から構成されるものである。すなわち、バレル10の材料としては、たとえば、ポリカーボネート樹脂(PC)やアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS)などを好適に用いることができるが、これらに限られるものではない。
レンズ2,3,4,5は、たとえば、合成樹脂から構成される樹脂レンズである。すなわち、レンズ2,3,4,5の材料としては、たとえば、ポリメタクリル酸メチレン樹脂(PMMA)、シクロオレフィンポリマー樹脂(COP)、環状オレフィンコポリマー樹脂(COC)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエステル樹脂(PE)等を好適に用いることができるが、これらに限られるものではない。
このようなレンズユニットのバレル10にレンズ2,3,4,5を取り付けて、レンズユニットを組み立てる場合には、バレル10の保持部11にレンズ2を挿入して嵌合部11aに嵌合させ、保持部12にレンズ3を挿入して嵌合部12aに嵌合させ、保持部13にレンズ4を挿入して嵌合部13aに嵌合させ、保持部14にレンズ5を挿入して嵌合部14aに嵌合させる。
各保持部11,12,13,14にレンズ2,3,4,5を挿入する際には、上述のようにレンズ2,3,4,5のフランジの背面(後面)を吸引式ピンセット20で吸着して保持する。保持されたレンズ2,3,4,5を保持部11,12,13,14の後部の案内部11b,12b,13b,14bに挿入する。
この際には、案内部11b,12b,13b,14bの内周面にレンズ2,3,4,5の外周面が案内されて、バレル10の軸方向とレンズ2,3,4,5の軸方向(光軸方向)とが略重なった状態でレンズ2,3,4,5が前側に移動する。これらのレンズ2,3,4,5は、さらに、案内部11b,12b,13b,14bの前の嵌合部11a,12a,13a,14aに、略傾くことなく、バレル10の軸方向にレンズ2,3,4,5の軸方向を沿わせた状態で、挿入されていくことになる。
図2〜図6を参照して、より具体的にレンズユニットの組み立て方法を説明する。まず、バレル10を、その軸方向が鉛直方向を向き、かつ、物体側が下となるように載置する。次に、保持具としての吸着方式のピンセット20で、レンズ2のフランジの像側となる面を吸着して、レンズ2をバレル10内にいれる。次に、図3に示すように。このレンズ2が保持される保持部11の最も上側になるテーパー部16の部分にレンズ2を置くようにして、ピンセット20の吸着を解除する。
吸着を解除されたレンズ2は、保持部11の上側の案内部11bに落とし込まれた状態になる。ここで、案内部11bの内径Db1は、上述のレンズ2の外径D2より少しだけ大きいので、レンズ2の外周面が案内部11bの内周面に案内されて、レンズ2の光軸方向を案内部11bの軸心に沿わせた状態で落下する。
図4に示すように、落下したレンズ2の物質側になる挿入方向の先端部が、案内部11bと嵌合部11aとの境界部分に達すると、レンズ2の外径が嵌合部11aの内径Da1以上になっているので、前記境界部分上にレンズ2が載った状態になる。
この際には、案内部11bに案内されることで、レンズ2の光軸が、案内部11bおよび嵌合部11aの軸線に略沿った状態になっている。
したがって、上述の状態になったレンズ2をたとえばピンセット20等で下側に押すことにより、図5に示すように、レンズ2がそのままの姿勢で嵌合部11a内に挿入(圧入)されていき、図6に示すように、嵌合部にレンズ2が嵌合することにより、保持部11にレンズ2が保持される。この際に、レンズ2の光軸が、バレル10の軸心に略沿った状態とされる。
このバレル10を用いたレンズユニットにおいては、バレル10の保持部11,12,13,14にレンズ2,3,4,5が傾くことなく保持される確率が高まり、レンズ2,3,4,5が傾いて保持されることによって、光学特性が低下したレンズユニットが発生するのを抑えることができる。したがって、レンズユニットの歩留まりの向上を図ることができる。
また、レンズ2,3,4,5が斜めに保持部11,12,13,14に保持される確率が低下したことにより、作業性が向上し、製造時間の短縮や、コストの低減を図ることができる。
また、レンズユニットにおいて、レンズ2,3,4,5の傾きを防止することによって、レンズユニットの全体的な光学特性の向上を図ることができる。
上述のようにバレル10のレンズ2,3,4,5を取り付けるだけで、特に光学特性の向上のための他の工程を行わなくても、光学特性の良好なレンズユニットが得られることにより、コストの低減や、増産への急な対応が可能になる。
この実施の形態では、バレル10の形状を概略円筒状とし、嵌合部11a,12a,13a,14aおよび案内部11b,12b,13b,14bからなる保持部11,12,13,14の内周面を円筒状としたが、たとえば、保持部11,12,13,14の内周面の一部になる一箇所や複数箇所に、レンズ2,3,4,5の保持に影響がでない範囲で、凹部や切欠部を設けてもよい。すなわち、保持部11,12,13,14の内周面と、レンズ2,3,4,5の外周面とが全周に渡って対向した状態になっている必要はなく、レンズ2,3,4,5を保持可能な範囲で、全周の一部になる一箇所もしくは複数箇所で、保持部11,12,13,14の内周面と、レンズ2,3,4,5の外周面が対向していればよい。
言い換えれば、バレル10の内周の周方向に沿って、内周の一部になる複数箇所に、レンズ2,3,4,5の外周面に沿う形状の保持部11,12,13,14を設けてもよい。
たとえば、図7に示すこの実施の形態の変形例になるバレル21の内径は、基本的に、レンズ5の外径より大きく、バレル21の内周面は、レンズ5の外周面から離れて配置され、1つずつの保持部14になる部分では、周方向に沿って複数箇所でバレル21の内周面から内側に向って凸部22が設けられ、この凸部22のそれぞれに、嵌合部14aおよび案内部14bになる円弧面24が形成されているものとしてもよい。この複数の円弧面24がレンズ5の外周面の複数箇所に対向して配置されることになる。なお、円弧面24の半径は、保持部14の内周面が円筒状の場合と同様に、嵌合部14aより案内部14bの方が大きくなる。なお、凸部22どうしの間は、レンズ5に接することがない凹部23である
ここで、この実施の形態の嵌合部11a,12a,13a,14aの内周面になる部分を第1の仮想円筒の内周面として想定し、案内部11b,12b,13b,14bの内周面になる部分を第2の仮想円筒の内周面として想定する。
この場合に、円弧面24において、嵌合部14aになる部分のレンズ2,3,4,5に対向する面は、第1の仮想円筒の内周面になる位置に配置され、案内部14bになる部分のレンズ2,3,4,5に対向する面は、第2の仮想円筒の内周面になる位置に配置される。また、第1の仮想円筒の内周面(内径)と第2の仮想円筒の内周面(内径)とレンズ2,3,4,5の外周面(外径)との関係は、上述の嵌合部11a,12a,13a,14aの内周面(内径)と、案内部11b,12b,13b,14bの内周面(内径)と、レンズ2,3,4,5の外周面(外径)との関係と同じになる。
図7に示すような円弧面24を有する構成の場合に、バレル21が概略円筒状である必要はなく、たとえば、多角形(正多角形)の筒状であってもよい。バレル10が多角形の場合には、たとえば、多角形の各辺の中央部に上述の凸部を設け、この凸部に嵌合部11a,12a,13a,14aおよび案内部11b,12b,13b,14bを備える上述の円弧面を形成してもよい。
また、嵌合部11a,12a,13a,14aおよび案内部11b,12b,13b,14bになる部分は、円弧面でなくてもよく、嵌合部11a,12a,13a,14aがレンズ2,3,4,5の外周面にたとえば軸方向に沿って線接触するものとしてもよい。
たとえば、図8に示すように、この実施の形態の変形例になるバレル31を正六角形(正多角形)の筒状(内周側が正多角形になっていれば、外周側は円柱状やその他の柱状であってもよい)とし、保持部11,12,13,14の六角形状の内周面を、レンズ2,3,4,5の外周面と同径の円が略内接する形状とする。これにより、保持部11,12,13,14の嵌合部11a,12a,13a,14aになる前後位置で、多角形の各辺の中央になる部分にレンズ2,3,4,5の外周面が内接した状態になる。また、案内部11b,12b,13b,14bになる前後位置では、多角形の各辺の中央になる部分にレンズ2,3,4,5の外周面が近接した状態になる。すなわち、この場合も、嵌合部11a,12a,13a,14aになる部分の多角形の内周の各辺の中央になる部分に対応した点を通る円(内接円:第1の仮想円筒の内周面)の半径より、案内部11b,12b,13b,14bになる部分の多角形の内周の各辺の中央になる部分に対応した点を通る円(内接円:の第2の仮想円筒の内周面)の半径の方が少しだけ大きくなっている。
以上のことから、上述の嵌合部11a,12a,13a,14aの内周面になり、レンズ2,3,4,5の外周面と略同径の第1の仮想の円筒と、第1の仮想円筒より上述のPだけ内径が大きく、第1の仮想円筒と同軸上に隣接して配置され、上述の案内部11b,12b,13b,14bの内周面になる第2の仮想円筒とを想定し、第1の仮想円筒上のレンズ2,3,4,5を少なくとも囲む位置に嵌合部11a,12a,13a,14aが設けられていればよく、第2の仮想円筒上のレンズ2,3,4,5を少なくとも囲む位置に案内部11b,12b,13b,14bが設けられていればよい。
また、レンズ2,3,4,5を囲む位置とは、レンズ2,3,4の外周面に沿う面もしくは線で、第1および第2の仮想円筒の全周に渡るものであってもよいし、全周の半分より多くに渡るものであっても良いし、レンズ2,3,4を囲む複数箇所であっても良い。また、レンズ2,3,4を囲む複数箇所の場合に、上述の仮想円筒の軸方向に沿った線状の部分であってもよいし、周方向に幅を有する円弧面状の部分であってもよい。
嵌合部11a,12a,13a,14aと、案内部11b,12b,13b,14bとのうちの一方を仮想円筒の全周に渡るものとし、他方を仮想円筒の全周に渡るものではなく、全周の半分より多くの部分もしくはレンズ2,3,4,5を囲む複数箇所になる部分としてもよい。
また、この実施の形態においては、嵌合部11a,12a,13a,14aの円筒状の内周面と第1の仮想円筒の内周面とが同じ形状になっており、これらの半径、軸方向長さ等の寸法が等しくなっている。また、案内部11b,12b,13b,14bの円筒状の内周面と、第2の仮想円筒の内周面とが同じ形状になっており、これらの半径、軸方向長さ等の寸法が等しくなっている。すなわち、この実施形態では、第1の仮想円筒の内周面の全面に渡って嵌合部11a,12a,13a,14aの内周面が設けられ、第2の仮想円筒の内周面の全面に渡って案内部11b,12b,13b,14bの内周面が設けられていることになる。
また、レンズ2,3,4,5の外周面は、基本的に円筒状であるが、保持部11,12,13,14の保持に影響がない範囲で、レンズ2,3,4,5の外周面に凹部、切欠部、凸部等があることによって、完全な円筒状になっていなくてもよい。
また、上述の実施形態では、全ての保持部11,12,13,14に、嵌合部11a,12a,13a,14aと案内部11b,12b,13b,14bとを設けるものとしたが、1つ以上となる一部の保持部11,12,13,14にだけ、案内部11b,12b,13b,14bを設けるようにしても、前記案内部11b,12b,13b,14bが設けられた保持部11,12,13,14において、レンズ2.3.4.5の光軸方向の精度が高められることにより、上述の光学特性の向上等の作用効果を得ることができる。
次に本発明の第2実施形態を説明する。
第1実施形態においては、保持部11,12,13,14に、レンズ2,3,4,5が挿入されて嵌合されるまでの間に、レンズ2,3,4,5を案内可能とする適度な隙間を、レンズ2,3,4,5の外周面と保持部11,12,13,14の内側との間に設けるために、保持部11,12,13,14に、レンズ2,3,4,5と嵌合する嵌合部11a,12a,13a,14aより内径が少しだけ大きな案内部11b,12b,13b,14bを設ける構成とした。
それに対して、第2実施形態では、保持部に、レンズが挿入されて嵌合されるまでの間に、レンズを案内可能とする適度な隙間を、レンズの外周面と保持部の内側との間に設けるために、レンズに、保持部の嵌合部と嵌合する被嵌合部の外径より外径が少しだけ小さな被案内部を設ける構成としたものである。
第2実施形態において、バレルの形状は、図9、図10に示されるバレル1と同様の形状となっている。すなわち、図1に示す第1実施形態のバレル10における案内部11b,12b,13b,14bを設けることなく、保持部11,12,13,14の軸方向長さTの略全長に渡って、嵌合部を形成した形状となっている。なお、嵌合部は、円柱状の孔の部分であり、円筒状の内周面を備えるものとなっている。
また、第2実施形態においては、レンズの外周面の形状が、たとえば、レンズのフランジの厚さの範囲で、保持部への挿入方向先側となる部分が被案内部とされ、保持部への挿入方向後側となる部分が被嵌合部とされる。
被嵌合部は、その外径が保持部の嵌合部の内径と略等しくされており、嵌合部に挿入されることで嵌合部に嵌合するようになっている。
実際には、被嵌合部の外径は、嵌合部の内径と同じか、もしくは、若干大きくなっている。なお、被嵌合部と嵌合部との間に極めて小さなクリアランスを設けるように、被嵌合部の外径が、嵌合部の内径より極めて少しだけ小さくするものとしてもよい。
被案内部の外径は、被嵌合部の外径より少しだけ小さくされる。この際に被嵌合部の外径と嵌合部の内径とが略等しいことから、被案内部の外径は、嵌合部の内径より少しだけ小さなものとなっている。
第1の実施形態と同様に、レンズの直径を10mm以下とする。また、レンズの外周面において、被嵌合部の外径(嵌合部の内径)から被案内部の外径を減算した差Rが0μmより大きく100μm以下になっていることが好ましい。
すなわち、被嵌合部の外径(嵌合部の内径)−被案内部の外径=R 0μm<R≦100μmになっていることが好ましい。
また、3μm≦R≦80μmになっていてことがより好ましく、また、10μm≦R≦60μmになっていることがより好ましく、さらに、15μm≦R≦50μmになっていることがより好ましい。
また、レンジのフランジ(レンズの外周面)の軸方向に沿った長さTlのうちの被嵌合部の長さをtl1とし、被案内部の長さをtl2とした場合に、tl1+tl2≦Tlであり、tl1≧1/2(Tl)になっていることが好ましい。すなわち、被嵌合部の軸方向に沿った長さtl1は、レンズの外周面の軸方向に沿った長さTlの半分以上になっていることが好ましい。
また、被案内部の軸方向に沿った長さtl2は、被嵌合部の長さtl1の半分以上になっていることが好ましい。すなわち、tl2≧1/2(tl1)になっていることが好ましい。
上述のように第2の実施形態は、第1の実施形態において、レンズと、バレルの保持部との間にレンズを案内可能とする隙間を設ける際に、保持部側にレンズの外径より大きな内径を有する案内部を設けたのに対して、レンズに保持部の嵌合部の内径より小さな外径の被案内部を設けたものであり、レンズと保持部とを嵌合させる際に、レンズと保持部との間にレンズを案内する適度な間隔を設けた点で同様の作用効果を得ることが可能なものである。
したがって、第2の実施形態におけるレンズ(被嵌合部および被案内部)の数値限定は、第1の実施形態における保持部(嵌合部および案内部)の数値限定と同様の意味を持つものである。
また、第2実施形態では、保持部の嵌合部を円筒状の内周面を持つものとしたが、レンズの外周面に対応する仮想の円に沿って、レンズの外周面を囲むように複数の嵌合部が配置されていてもよいし、一つの嵌合部がレンズの外周面の半分以上を囲むように配置されていてもよい。しかし、嵌合部は、嵌合部に嵌合するレンズの光軸方向に沿って、たとえば、レンズのフランジの厚さ(レンズの外周面の軸方向長さ)相当分の長さに渡って延在していることが好ましい。すなわち、第2の実施形態においても、図7や図8示す断面形状のバレルを用いることができる。但し、第2の実施形態のバレルには、上述のように案内部が無いものが用いられる。
なお、第2の実施形態においては、嵌合部の内周面が円筒状であり、前記仮想の円の全周に渡って嵌合部が設けられた形状となっている。
また、バレルに取り付けられる全てのレンズに被案内部を設ける構成としなくても、一個以上の一部のレンズに被案内部を設ける構成とすれば、少なくとも被案内部が設けられたレンズでは光軸方向の精度が高くなり、光学特性の向上を見込むことができる。
2,3,4,5 レンズ
10,21,31 バレル
11,12,13,14 保持部
11a,12a,13a,14a 嵌合部
11b,12b,13b,14b 案内部

Claims (9)

  1. 略円柱状の外周面を有する複数のレンズを、これらレンズの光軸方向を合わせるように並べて内側に支持する筒状のバレルであって、
    筒状のバレル本体部と、
    前記バレル本体部の内側に、複数の前記レンズに対応して軸方向に並んで複数設けられ、各レンズがそれぞれ挿入されて嵌合されることにより、各レンズがそれぞれ保持される保持部とを備え、
    前記保持部は、前記レンズの外周面の外径と略同じ内径に想定された第1の仮想円筒上の少なくとも前記レンズの外周面を囲む位置に設けられ、前記レンズに嵌合する嵌合部と、
    前記第1の仮想円筒と同軸上に並んで配置されるように想定された第2の仮想円筒上の少なくとも前記嵌合部に対応する位置に設けられ、前記第2の仮想円筒の内径が前記第1の仮想円筒の内径より少しだけ大きくされることによって、前記レンズの光軸を前記第1および第2の仮想円筒の軸線に略合わせるように、前記レンズを前記嵌合部に案内する案内部とを備えていることを特徴とするバレル。
  2. 前記レンズの外径が10mm以下であり、
    前記第2の仮想円筒の内径と前記第1の仮想円筒の内径との差をPとした場合に、
    0μm<P≦100μm
    であることを特徴とする請求項1に記載のバレル。
  3. 略円柱状の外周面を有する複数のレンズを、これらレンズの光軸方向を合わせるように並べて内側に支持する筒状のバレルであって、
    筒状のバレル本体部と、
    前記バレル本体部の内側に、複数の前記レンズに対応して軸方向に並んで複数設けられ、各レンズがそれぞれ挿入されて嵌合されることにより、各レンズがそれぞれ保持される保持部とを備え、
    前記保持部は、前記レンズの外周面の外径と略同じ内径に想定された第1の仮想円筒上の少なくとも前記レンズの外周面を囲む位置に設けられ、前記レンズに嵌合する嵌合部と、
    前記第1の仮想円筒と同軸上に並んで配置されるように想定された第2の仮想円筒上の少なくとも前記嵌合部に対応する位置に設けられ、前記第2の仮想円筒の内径が前記レンズの外径より少しだけ大きくされることによって、前記レンズの光軸を前記第1および第2の仮想円筒の軸線に略合わせるように、前記レンズを前記嵌合部に案内する案内部とを備えていることを特徴とするバレル。
  4. 前記レンズの外径が10mm以下であり、
    前記第2の仮想円筒の内径と前記レンズの外径との差をQとした場合に、
    0μm<Q≦100μm
    であることを特徴とする請求項3に記載のバレル。
  5. 前記レンズは、その外周部分に前記レンズの位置決め固定に用いられるフランジを備え、
    前記保持部の軸方向長さTが前記保持部に保持される前記レンズのフランジの厚さと略同じとされ、
    前記嵌合部が前記第1の仮想円筒の軸方向長さt1に渡って設けられ、
    前記案内部が前記第2の仮想円筒の軸方向長さt2に渡って設けられ、
    前記保持部の軸方向長さTと、前記保持部の軸方向の長さTの範囲内にそれぞれ想定される第1の仮想円筒の軸方向長さt1および第2の仮想円筒の軸方向長さt2との関係が
    t1+t2≦T、t1≧T/2、t2≧1/2(t1)
    であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のバレル。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のバレルにレンズが取り付けられていることを特徴とするレンズユニット。
  7. 請求項1から請求項5のいずれ1項に記載のバレルにレンズを取り付けてレンズユニットを組み立てるレンズユニットの組み立て方法であって、
    前記レンズを前記保持部の前記案内部側から前記レンズの光軸を前記第1および第2の仮想円筒の軸線方向に略沿わせて挿入し、前記レンズを前記案内部から前記嵌合部に嵌合させることを特徴とするレンズユニットの組み立て方法。
  8. 略円柱状の外周面を有する複数のレンズと、これらレンズを、これらレンズの光軸方向を合わせるように並べて内側に支持する筒状のバレルとを備えているレンズユニットであって、
    前記バレルは、
    筒状のバレル本体部と、
    前記バレル本体部の内側に、複数の前記レンズに対応して軸方向に並んで複数設けられ、各レンズがそれぞれ挿入されて保持される保持部とを備え、
    各保持部はそれぞれ、当該保持部に保持されるレンズの外周面の周囲の少なくとも前記外周面を囲む位置に設けられ、かつ、前記レンズの光軸方向に略沿って延在し、前記レンズの外周面に嵌合する嵌合部を有し、
    前記レンズの外周面には、前記保持部に挿入されて前記嵌合部に嵌合される際の挿入方向先側の被案内部と、この被案内部より前記挿入方向後側の被嵌合部とが設けられ、
    前記レンズの外周面の前記被案内部と、前記被嵌合部とが同軸上に配置されるとともに、前記被嵌合部の外径が、前記嵌合部の前記レンズの外周面の被嵌合部に接する部分を前記レンズの外周面に沿って通るように想定される仮想の円の径と略等しくされ、
    かつ、前記被嵌合部の外径より前記被案内部の外径が少しだけ小さくされることにより、
    前記レンズを前記保持部に挿入して前記嵌合部に嵌合させる際に、前記保持部に先に挿入される前記外周面の前記被案内部が、前記レンズの光軸方向を前記仮想の円に対応する嵌合部の軸方向に略合わせるように前記嵌合部に案内された状態で、前記外周面の前記被嵌合部が前記嵌合部に嵌合されるようになっていることを特徴とするレンズユニット。
  9. 前記レンズの外径が10mm以下であり、
    前記被嵌合部の外径と、前記被案内部の外径との差をRとした場合に、
    0μm<R≦100μm
    であることを特徴とする請求項8に記載のレンズユニット。
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