JP2012078025A - 給湯装置 - Google Patents

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【課題】3系統以上の流路からの異なる温度の水を複数の混合弁を用いて混合し、所定の温度の水を得る際に、設定温度への制御性を向上させた給湯装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも3系統(3、4、7)の流路からの異なる温度の湯水を順次混合する複数の混合弁(5、10)と、前記複数の混合弁(5、10)の動作を制御する制御手段13とを備え、前記複数の混合弁(5、10)のうち、流路最下流側の混合弁10より上流側に設けられた混合弁5は、混合後の湯水温度が低下しても、前記流路最下流側の混合弁10の出口湯水が目標温度以上の場合には、開度を固定する区間を設けたことを特徴とする給湯装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、沸き上げた湯と給水とを混合して所定温度の湯を作り、給湯に利用する給湯装置に関する。
従来、この種の給湯装置は、例えば図7のようなものがある(例えば、特許文献1参照)。
図7は、特許文献1に記載された従来の給湯装置を示すものである。図7に示すように、貯湯槽1と、この貯湯槽1の水を加熱する加熱手段2と、貯湯槽1の上部に接続された第1の出湯管3と、貯湯槽1の中間部分に接続された第2の出湯管4と、給水を供給する給水管6と、この給水管6から分岐された給水分岐管7とを備えている。
さらに、前記第1の出湯管3からの水と第2の出湯管4からの水とを混合する第1の混合弁5と、前記第1の混合弁5の出口に接続された混合水管8と、前記混合水管8内の水温を検知する混合水温検知手段9と、前記混合水管8からの水と給水分岐管7からの水とを混合する第2の混合弁10と、前記第2の混合弁10の出口に接続された給湯管11と、前記給湯管11内の水温を検知する給湯温度検知手段12と、前記給湯管11への水温が予め設定された給湯設定温度になるように前記給湯温度検知手段12の出力に基づいて前記第2の混合弁10を制御するとともに、前記混合水管8を流れる水温が前記給湯設定温度よりも一定温度高い水温になるように前記混合水温検知手段9の出力に基づいて前記第1の混合弁5を制御する混合弁制御手段13とを設けている。
特開2005−233610号公報
しかしながら、3系統の異なる温度の水を混合して予め設定された温度の水を得る場合に、第1の混合弁5と第2の混合弁10を用い、前段に設けられた第1の混合弁5の出口水温をこの設定温度に対して一定温度高く制御する前記従来の構成では、第1の混合弁5と第2の混合弁10が同時に温度制御を行おうとすることで、動作が互いに干渉し合って各混合弁5、10の出口で温度の揺らぎを生じやすく、設定温度に調整するのが難しい。
特に、給湯開始時や設定温度の変更時にはこの現象が顕著となり、給湯温のオーバーシュートやアンダーシュートが生じて、突然高温の湯が給湯されたりすることで、不快な温度揺らぎを与え、使用性を低下させるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、3系統以上の流路からの異なる温度の水を複数の混合弁を用いて混合し、所定の温度の水を得る際に、設定温度への制御性を向上させた給湯装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の給湯装置は、少なくとも3系統の流路からの異なる温度の湯水を順次混合する複数の混合弁と、前記複数の混合弁の動作を制御する制御手段とを備え、前記複数の混合弁のうち、流路最下流側の混合弁より上流側に設けら
れた混合弁は、混合後の湯水温度が低下しても、前記流路最下流側の混合弁の出口湯水が目標温度以上の場合には、開度を固定する区間を設けたことを特徴とするものである。
本発明によれば、3系統以上の流路からの異なる温度の水を複数の混合弁を用いて混合し、所定の温度の水を得る際に、設定温度への制御性を向上させた給湯装置を提供できる。
本発明の実施の形態1における給湯装置の構成図 同混合弁制御のブロック図 同中間混合弁動作のフローチャート 同給湯利用時の混合弁出口温度の変化を示した図 同第2の出湯管の有無による貯湯槽内の温度分布の変化を示した図 本発明の実施の形態2における給湯装置の構成図 従来の給湯装置の構成図
第1の発明は、少なくとも3系統の流路からの異なる温度の湯水を順次混合する複数の混合弁と、前記複数の混合弁の動作を制御する制御手段とを備え、前記複数の混合弁のうち、流路最下流側の混合弁より上流側に設けられた混合弁は、混合後の湯水温度が低下しても、前記流路最下流側の混合弁の出口湯水が目標温度以上の場合には、開度を固定する区間を設けたことを特徴とする給湯装置で、設定温度への制御のために常に動作する流路最下流側の混合弁に対して、流路最下流側の混合弁より上流側に設けられた混合弁は、段階的に切り換えて動作頻度を少なくすることで、流路最下流側の混合弁との動作との干渉が解消され、流路最下流側の混合弁による設定温度への追随性が向上し、給湯温度の制御性が高まって給湯水温の揺らぎが小さくなるため、使用性の高い給湯性能を実現できる給湯装置を提供できる。
第2の発明は、特に第1の発明において、少なくとも1個以上の貯湯槽を設け、前記貯湯槽の少なくとも2個所に接続された複数の出湯管と給水管から分岐された給水分岐管とで、3系統以上の流路を構成することを特徴とするもので、温度分布を有する貯湯槽から複数の温度域の水を利用して、例えば、貯湯槽内の温度成層を適切に保つことができ、効率的な給湯に寄与する。また、流路の一つを給水とすることで、貯湯槽内の水温との差を最大限確保することができるので、給湯温度の制御範囲を大きく確保し、所望の温度の給湯をしやすくする。
第3の発明は、特に第1の発明において、少なくとも1個以上の貯湯槽を設け、前記貯湯槽の少なくとも3個所に接続された複数の出湯管にて、3系統以上の流路を構成することを特徴とするもので、温度分布を有する貯湯槽から複数の温度域の水を利用してたとえば貯湯槽内の温度成層を適切に保つことができ、効率的な給湯に寄与する。また、すべての系統を貯湯槽から出湯するので、貯湯槽の温度分布をより最適な状態に制御することが可能となり、貯湯槽内の湯を最後まで有効に利用することができるという効果がある。
第4の発明は、特に第2または第3の発明において、前記貯湯槽から配管を介して前記流路最下流側の混合弁より上流側に設けられた混合弁に湯水が流入する場合は、前記配管の前記貯湯槽への接続位置近傍の前記貯湯槽の表面温度に基づいて、前記流路最下流側の混合弁より上流側に設けられた混合弁を動作させることを特徴とするもので、設定された前記流路最下流側の混合弁より上流側に設けられた混合弁の開度に応じて、前記混合弁からの出口水温を給湯前に計算し、予め前記混合弁を所定の開度に制御しておくことができ
るので、所定の給湯温度への制御が迅速となる効果がある。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の第一の実施の形態における給湯装置の構成を示す図である。
図1において、貯湯槽1と、この貯湯槽1の水を加熱する加熱手段2と、貯湯槽1の上部に接続された第1の出湯管3と、貯湯槽1の下部に接続された給水管6と、第1の出湯管3と給水管6とが接続された位置の間、すなわち、貯湯槽1の胴部に接続された第2の出湯管4と、第1の出湯管3と第2の出湯管4とが入口側に接続された中間混合弁5と、給水管6から分岐された給水分岐管7と、中間混合弁5の出口側に接続された混合水管8と、この混合水管8と給水分岐管7とが入口側に接続された給湯混合弁10と、この給湯混合弁10の出口側に接続された給湯管11と、この給湯管11内の水温を検知する給湯温度検知手段12と、第1の出湯管3が貯湯槽1に接続された位置近傍の貯湯槽1の表面温度を検知する第1の貯湯温検知手段14と、第2の出湯管4が貯湯槽1に接続された位置近傍の貯湯槽1の表面温度を検知する第2の貯湯温検知手段15と、中間混合弁5と給湯混合弁10とを制御する混合弁制御手段13とが設けられている。
図2は、混合弁制御手段13のブロック図を示し、第1の貯湯温検知手段14と貯湯温検知手段15の出力に基づいて中間混合弁5を制御する中間混合弁制御手段16と、給湯温度検知手段12の出力と給湯温度設定手段17とで設定された設定温度に基づいて、給湯混合弁10を制御する給湯混合弁制御手段18とからなる。
以上のように構成された給湯装置について、以下その動作、作用を説明する。
基本的な動作としては、沸き上げ前は貯湯槽1に低温の水が多く満たされており、運転を開始すると、貯湯槽1の水が加熱手段2に送出され、そこで加熱されて高温の湯が貯湯槽1に戻される。これによって貯湯槽1には高温の湯が貯えられていく。
沸き上げ後の給湯利用の際には、第1の出湯管3と第2の出湯管4を通じて出湯される貯湯槽1の湯と給水分岐管7からの給水を、中間混合弁5および給湯混合弁10によって設定温度に混合されて給湯される。また、給湯に使用された湯量相当の水が給水管6を通じて貯湯槽1下部から流入する。
ここで、この給湯利用時の動作を図3〜図5を用いて説明する。
図3は中間混合弁5の制御のフローチャートである。tsは給湯温度設定手段17で設定された設定温度である。tt1とtt2はそれぞれ第1の貯湯温検知手段14と第2の貯湯温検知手段15で検知された温度である。中間混合弁5は、設定温度と2つの検知温度に基づいて制御される。
tt2が設定温度ts以上の場合は(ステップ1)、第2の出湯管4からのみ中間混合弁5に湯を流入させるために、第2の出湯管4側を全開に制御する(ステップ2)。ステップ1でtt2が設定温度ts未満の場合、tt2に0.7を乗じた値とtt1に0.3を乗じた値との和が設定温度ts以上かどうかを比較し(ステップ3)、それが成立していれば、第2の出湯管4から中間混合弁5への流入が70%の流量比となる開度に制御する(ステップ4)。
このとき、第1の出湯管3からの流入比は30%である。ステップ3が成立していない場合は、さらにtt2に0.3を乗じた値とtt1に0.7を乗じた値との和が設定温度ts以上かどうかを比較し(ステップ5)、それが成立していれば、第2の出湯管4から中間混合弁5への流入が70%の流量比となる開度に制御する(ステップ6)。ステップ5を満足しない場合は中間混合弁5に流入する湯は第1の出湯管3からのみとするため、第1の出湯管3側を全開にする(ステップ7)。
以上の動作は、運転中繰り返し行われ、中間混合弁5はtt1とtt2の値に応じて段階的に開度を切り換えられる。
図4は、中間混合弁5と給湯混合弁10の出口水温tm、tsおよび第1の出湯管3と第2の出湯管4の接続位置近傍の貯湯槽1の壁表面温度tt1、tt2(それぞれ第1の出湯管3と第2の出湯管4に流れる水温とみなされる)について給湯に伴う時間的な変化を示した図である。
給湯されることによって、貯湯槽1に流入する給水と貯えられている湯との間には、水の熱伝導と熱対流に起因するそれらの中間の温度の水(中温水)が存在し、時間の経過によりそれが拡大するが、この中温水をできるだけ少なくして温度成層を保つことが有効に湯を使用するために重要である。したがって、第2の出湯管4を通じて、中温水を貯湯槽1の中間部から優先的に給湯に利用する。
図中に示した(a)は貯湯槽1内に湯が十分に残っていて、第2の出湯管4が接続された位置で給湯の設定温度ts以上の湯が得られる区間である。この場合、中間混合弁5は第2の出湯管4からの入口を全開にして貯湯槽1中間部の湯をそのまま通過させる。給湯混合弁10は給湯温度検知手段12の出力に応じて低温(tsup)の給水を混合することで設定温度tsの湯をつくる。
第2の出湯管4からの水温tt2が次第に低下し、設定温度tsを下回ると中間混合弁5の開度を変更し、第1の出湯管3からの湯を3割混合して、中間混合弁5の出口水温tmを上昇させる。第2の出湯管4と第1の出湯管3との混合比を7:3にする(b)の区間である。
さらに、第2の出湯管4からの水温tt2が低下すると、第1の出湯管3からの湯を7割に切り換えるように中間混合弁5の開度を制御する。(c)の区間である。この混合比でtsを下回るようになると、以降、貯湯槽1内に供給できる湯がなくなるまで、(d)に示すように、中間混合弁5を通過させる湯を第1の出湯管3からだけとする。
以上のように、給湯混合弁10は設定温度tsに水温を制御するため、常時開度を調整しているが、中間混合弁5はtt1とtt2の組み合わせに応じて3回だけ開度を切り換える。したがって、中間混合弁5と給湯混合弁10の動作が干渉し合うことがきわめて少なく、設定温度にtsに対して安定した給湯温度の制御が可能となる。
図5は、補足として貯湯槽1内の温度分布の第2の出湯管4の有無による違いを説明したものである。上の段は第2の出湯管4がない場合に、貯湯槽1内の温度分布が給湯によってどのように変化するかを示し、下の段は第2の出湯管4がある場合である。
第2の出湯管4がない場合は、時間の経過に伴い中温水が拡大し、給湯に利用できない温度の湯が増加するのに対し、第2の出湯管4によると下段に示したように中温水が優先的に利用され、貯湯槽1内に高温の湯が多く残るため、貯湯槽1の容量を有効に利用できる。
このように、本発明の第1の実施の形態によれば、貯湯槽1内の湯を有効に利用するために、貯湯槽1の中間部分から中温水を優先的に利用する構成において、複数の流路からの水を混合して所定の温度の水を生成する場合に、設定温度への制御性に優れ、使用性の高い給湯装置を提供することができるものである。
(実施の形態2)
図6は、本発明の第2の実施の形態における給湯装置の構成を示す図である。第1の実施の形態の構成に第2の貯湯槽19を加え、第2の出湯管4を、この第2の貯湯槽19の頂部に設けている。さらに、第3の出湯管20を第2の貯湯槽19の底部に設け、第1の出湯管3、第2の出湯管4、第3の出湯管20の流路からの水を中間混合弁5と給湯混合弁10によって設定温度の水を生成する構成である。
動作と主な効果は第1の実施の形態で説明したものと同様である。異なる効果としては第1の実施の形態での給湯混合弁10が、給水を利用して設定温度を生成する場合に比べて、第3の出湯管20からの水温が高くなっている場合に、制御性を損ねる場合があるが、貯湯槽19内の水を最後まで利用することができるため、貯湯槽1、19に貯えられた湯をより有効に利用することができる。また、第2の出湯管4を短くできるため、配管からの放熱を抑えることができる効果もある。
以上のように、本発明にかかる給湯装置は、複数の混合弁による給湯温度制御において設定温度への制御性が向上するので、前記したような家庭用の給湯装置に適用できるほか、熱源と貯湯槽を有するシステムにおいて業務用などの規模の大きい用途にも適用し、優れた給湯温度制御性を提供できる。
1 貯湯槽
2 加熱手段
3 第1の出湯管
4 第2の出湯管
5 中間混合弁
6 給水管
7 給水分岐管
8 混合水管
10 給湯混合弁
11 給湯管
12 給湯温度検知手段
13 混合弁制御手段
14 第1の貯湯温検知手段
15 第2の貯湯温検知手段
19 第2の貯湯槽
20 第3の出湯管

Claims (4)

  1. 少なくとも3系統の流路からの異なる温度の湯水を順次混合する複数の混合弁と、前記複数の混合弁の動作を制御する制御手段とを備え、前記複数の混合弁のうち、流路最下流側の混合弁より上流側に設けられた混合弁は、混合後の湯水温度が低下しても、前記流路最下流側の混合弁の出口湯水が目標温度以上の場合には、開度を固定する区間を設けたことを特徴とする給湯装置。
  2. 少なくとも1個以上の貯湯槽を設け、前記貯湯槽の少なくとも2個所に接続された複数の出湯管と給水管から分岐された給水分岐管とで、3系統以上の流路を構成することを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
  3. 少なくとも1個以上の貯湯槽を設け、前記貯湯槽の少なくとも3個所に接続された複数の出湯管にて、3系統以上の流路を構成することを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
  4. 前記貯湯槽から配管を介して前記流路最下流側の混合弁より上流側に設けられた混合弁に湯水が流入する場合は、前記配管の前記貯湯槽への接続位置近傍の前記貯湯槽の表面温度に基づいて、前記流路最下流側の混合弁より上流側に設けられた混合弁を動作させることを特徴とする請求項2または3に記載の給湯装置。
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