JP6088889B2 - 熱源装置 - Google Patents

熱源装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6088889B2
JP6088889B2 JP2013075119A JP2013075119A JP6088889B2 JP 6088889 B2 JP6088889 B2 JP 6088889B2 JP 2013075119 A JP2013075119 A JP 2013075119A JP 2013075119 A JP2013075119 A JP 2013075119A JP 6088889 B2 JP6088889 B2 JP 6088889B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot water
flow rate
water
passage
mixing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013075119A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014199163A (ja
Inventor
誠 寺内
誠 寺内
翼 内山
翼 内山
Original Assignee
株式会社ガスター
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ガスター filed Critical 株式会社ガスター
Priority to JP2013075119A priority Critical patent/JP6088889B2/ja
Publication of JP2014199163A publication Critical patent/JP2014199163A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6088889B2 publication Critical patent/JP6088889B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、貯湯槽を備えた熱源装置に関するものである。
貯湯槽を備えた熱源装置が用いられており(例えば、特許文献1、参照)、図7には、開発中の熱源装置が模式的なシステム構成図により示されている。同図において、貯湯槽2と出湯通路9とを備えた主熱源装置としてのタンクユニット4が、熱回収用通路3を介して燃料電池(FC)1と熱的に接続されている。燃料電池1は、例えば固体高分子型燃料電池(PEFC)等により形成されており、水の電気分解の逆反応で、都市ガス等の燃料から取り出された水素と空気中の酸素とを反応させて発電する発電装置である。
熱回収用通路3は、燃料電池1と貯湯槽2との間で液体(ここでは湯水)を図の矢印Aおよび矢印A’に示されるように循環させる通路であり、熱回収用通路3には、熱回収用通路3内に液体を循環させる図示されていないポンプが介設されている。そして、該ポンプの駆動により、貯湯槽2内の水を図の矢印A’に示すように熱回収用通路3を通して燃料電池1に導入して冷却水とし、この水を燃料電池1の発電時に生じる廃熱によって加熱した後、図の矢印Aに示すように熱回収用通路3を通し、例えば60℃といった温度の湯として貯湯槽2に蓄積する。なお、熱回収用通路3には、三方弁6を介してバイパス通路7が設けられ、燃料電池1側から貯湯槽2側へ流れる液体を、必要に応じて貯湯槽2を通さずに燃料電池1に戻すことができるように形成されている。
貯湯槽2には、貯湯槽2内または貯湯槽2の外側壁に、貯湯槽2内の湯の温度を検出する貯湯槽内湯水温検出手段5が、貯湯槽2の上下方向に互いに間隔を介して複数(図7では5個)設けられている。なお、最上位に設けられている貯湯槽内湯水温検出手段5aは、貯湯槽2の上端よりも予め定められた設定長さだけ下側の位置、つまり、例えば貯湯槽2の上端まで湯が満たされた場合よりも20リットル少ない湯量の湯が貯湯槽2内に導入された場合の湯面の位置に設けられている。
貯湯槽2の上部側に接続されている出湯通路9は、貯湯槽2で形成された湯を出湯する(送水する)通路と成しており、出湯通路9には、出湯通路9を通る湯の温度を検出する貯湯槽出湯水温検出手段11と、出湯通路9を通して送水される湯の量を可変する貯湯槽出湯量調節器としてのタンク湯水混合器12と、出湯通路9を通しての湯の送水の有無を弁の開閉により切り替える貯湯槽出側湯水電磁弁としてのパイロット方式のタンク側電磁弁13とが介設されている。なお、同図には示されていないが、貯湯槽2を備えた熱源装置には、貯湯槽2内の圧力が許容圧力を超えたときに該圧力を外部に逃がすための過圧逃がし弁が適宜の位置(例えば出湯通路9に接続された圧力逃がし用の通路等)に設けられている。
また、この熱源装置への給水通路8は給水通路8aと給水通路8bとに分岐され、一方側の給水通路8(8a)が貯湯槽2の下部側に接続されて、他方側の給水通路8(8b)は、合流部10で出湯通路9に合流するように形成されている。給水通路8bには、給水通路8bから合流部10側へ流れる水の量を可変するための給水量調節器としての水混合器14が介設されている。なお、図7はシステム構成図であるために水混合器14とタンク湯水混合器12とが離れた位置に記されているが、これらは、合流部10の付近に設けられていてもよい。また、給水通路8は上水道に接続される。
合流部10には、補助熱源装置としての給湯器16の湯水導入側が、湯水導入通路15を介して接続されており、湯水導入通路15には混合湯水温検出手段としての混合サーミスタ28(28a,28b)が介設されている。給湯器16は、通水する水を例えばガスバーナの燃焼熱により加熱する加熱手段としての給湯熱交換器17を備え、図の矢印Bに示されるように貯湯槽2から出湯通路9を通して送水される(タンクユニット4から送水される)湯を、図の矢印B”に示されるように、湯水導入通路15を介して給湯器16に導入して給湯熱交換器17で加熱する追い加熱の機能を有している。
この追い加熱機能により加熱された湯は、通路18と給湯通路19とを順に通って一つ以上の給湯先に給湯される。なお、同図には図示されていないが、給湯通路19の先端側には給湯栓が設けられており、この給湯栓を開くことにより、貯湯槽2に蓄えられていた湯が給水圧を受けて出湯通路9を通り、前記の如く、給水通路8bからの水と混合されたり、給湯器16により追い加熱されたり,あるいは水の混合や追い加熱なしにそのまま給湯される。また、周知の如く、給湯器16には、給湯熱交換器17を加熱する給湯バーナや給湯バーナへの空気の給排気を行う燃焼ファン等の適宜の構成要素(図示せず)が設けられ、その構成要素を制御することにより前記追い加熱機能の動作が行われるものである。
なお、図7の図中、符号25は入水温度サーミスタ、符号26は燃料電池1から貯湯槽2へ導入される湯水温検出用のFC高温サーミスタ、符号27は貯湯槽2から燃料電池1側へ導出される湯水温検出用のFC低温サーミスタをそれぞれ示し、符号29は給水流量センサ、符号50は減圧弁、符号30は給湯器16から浴槽31への注湯通路、符号32は暖房装置と給湯器16とを接続する暖房用通路、符号42は流量検出手段をそれぞれ示している。流量検出手段42は、通路18と給湯通路19を通して給湯される給湯流量を検出する給湯流量検出手段として機能する。
図8には、図7に示したシステム構成における配管および構成要素の一部を省略または破線で示したシステム構成図が示されており、図8に示されるように、前記通路18には分岐継手20を介して接続通路21の一端側が接続され、接続通路21の他端側は、熱回収用通路3において湯水を燃料電池1側から貯湯槽2側に通す通路の途中部に接続されている。また、熱回収用通路3において湯水を貯湯槽2側から燃料電池1側に通す通路の途中部と前記出湯通路9の先端側とを接続する接続通路22が設けられ、接続通路22には、湯水を循環させる循環ポンプ23と、水電磁弁24とが介設されている。
そして、通路18、接続通路21、熱回収用通路3のうちの通路3a、3b(接続通路21との接続部および接続通路22との接続部よりも貯湯槽2側の領域の一部)と、バイパス通路7、接続通路22、湯水導入通路15を有して、同図の矢印Cに示されるように湯水を循環させる湯水循環通路40が形成されている。水電磁弁24は、循環ポンプ23の駆動による湯水循環通路40への水の循環の有無を弁の開閉により切り替える電磁弁であり、水電磁弁24を開いた状態で循環ポンプ23を駆動させて湯水循環通路40を循環する湯水を、給湯器16が給湯熱交換器17により加熱する循環湯水加熱機能を有している。この循環湯水加熱機能の動作も、給湯器16の前記構成要素を制御することにより行われる。
なお、図7、図8において、加熱により温められた湯水が主に通る通路部分にはドットを記しており、湯水循環通路40においては温められた湯の温度が湯水循環通路40内を通るときに徐々に冷めていくが、湯水循環通路40のうち給湯器16の湯水導出側の通路18からバイパス通路7の入口までの領域にドットを記している。
また、図7、図8に示す熱源装置には、図示されていない制御装置が設けられており、制御装置には、タンク湯水混合器12を制御して出湯通路9から合流部10側に流れる湯の流量を制御すると共に、水混合器14を制御して給水通路8bから合流部10側に流れる水の流量を制御し、合流部10で適宜の温度の混合湯水が形成されるようにするミキシング流量制御手段が設けられている。
このミキシング流量制御手段は、給湯停止時には例えばタンク側電磁弁13を閉じて出湯通路9から合流部10側に流れる湯水(貯湯槽2からの出湯湯水)の流量がゼロとなる状態にする。そして、給湯通路19の先端側に設けられている給湯栓が開かれると、ミキシング流量制御手段は、タンク湯水混合器12の制御により、図7の矢印Bに示されるように出湯通路9から合流部10側に流れる湯の流量を調節すると共に、水混合器14の制御により、図7の矢印B’に示されるように給水通路8bから合流部10側に流れる水の流量を調節し、合流部10で形成される混合湯水の温度が混合設定温度になるようにする(混合設定温度は、例えば給湯設定温度と同じまたは給湯設定温度に近い温度になるように設定される)。
また、例えば図9に示されるように、タンク湯水混合器12は、パルスモータであるステッピングモータ51のパルス数(ステップ数)に応じてモータの軸55を図の矢印A方向およびB方向に進退させ、出湯通路9に連通する流路に設けられている弁52の開弁量(弁開度)を可変することにより湯の量を可変し、水混合器14も同様に、パルスモータであるステッピングモータ53のパルス数(ステップ数)に応じてモータの軸56を図の矢印A方向およびB方向に進退させ、給水通路8bに連通する流路に設けられている弁54の開弁量を可変することにより水の量を可変する構成と成している。そこで、ミキシング流量制御手段は、これらのステッピングモータ51,53のステップ数を制御することにより、混合設定温度の混合湯水を形成する。
なお、貯湯槽2内に貯湯されている湯水には、例えば図10の模式図に示されるような温度の層Wa、Wb、Wcが形成されるものであり、貯湯槽2の上部側の層(高温層)Waには燃料電池1の発電時に生じる廃熱によって加熱された高温Ta(例えば60℃)の湯が貯湯され、貯湯槽2の下部側の層(低温層)Wcには貯湯槽2内に給水される給水温度と同じ温度Tc(例えば15℃)の水が貯水されており、その間に、温度Taから温度Tcまでの急な温度勾配を持つ層(温度中間層)Wbがある。したがって、層Waの湯が無くなると湯の代わりに冷たい水が出湯通路9から送水されることがあるが、説明の都合上、特に断らない限り、出湯通路9からは湯が出湯されて前記合流部10に合流されるという表現を用いる。
例えば図10に示されるように、貯湯槽2内の湯水において、例えば層Waと層Wbとの境界が貯湯槽内湯水温検出手段5aの配設領域よりも下にあり、貯湯槽内湯水温検出手段5aの検出温度が給湯設定温度より例えば2℃高く設定される閾値より高い温度のときには、貯湯槽2から出湯される湯の温度は例えば60℃といったほぼ一定の値である。
そこで、前記ミキシング流量制御手段は、混合サーミスタ28(28a,28b)の検出温度と混合設定温度との差に基づいて(偏差に応じ)、混合サーミスタ28(28a,28b)の検出温度が混合設定温度になるようにタンク湯水混合器12と水混合器14を制御することによって(タンク湯水混合器12と水混合器14のステッピングモータ51.53のステップ数を制御することによって)、出湯通路9から合流部10側に流れる湯の流量と給水通路8bから合流部10側に流れる水の流量とを調節する制御を行う。なお、ミキシング流量制御手段は、ミキシング流量制御に際し、フィードフォワード制御を行わずにフィードバック制御のみを行うようにしてもよい。
そして、このようなキシング流量制御手段による制御によって、合流部10で形成される混合湯水の温度が混合設定温度(例えば給湯設定温度と同じ温度またはその近傍温度)とされると、その混合湯水は、図7の矢印B”に示されるように、合流部10から湯水導入通路15を通して給湯器16に導入されるが、このとき、給湯器16において給湯熱交換器17による加熱は行われずに、通路18と給湯通路19を通して給湯先に給湯される。
一方、貯湯槽内湯水温検出手段5aの検出温度が前記閾値以下であり、ミキシング流量制御手段による流量制御のみでは、給湯設定温度と同等の温度に設定される混合設定温度の湯を給湯することができない場合には、混合設定温度を、給湯設定温度から給湯器16のMIN号数(最小燃焼号数)で給湯流量の水を加熱したときに上昇する温度分を差し引いた値まで下げ、その混合湯水が給湯器16の前記追い加熱機能の動作によって給湯熱交換器17により加熱されて給湯設定温度の湯が作り出され、この湯が通路18と給湯通路19を通して給湯先に給湯される。
なお、従来は、タンクユニット4と給湯器16とが隣接配置されたタイプ(一体型)の熱源装置が用いられていたが、開発中の熱源装置は、タンクユニット4と給湯器16と燃料電池1とをそれぞれ個別に配置し、互いに配管により接続する個別配置型の熱源装置も可能とするものである。このようにすると、例えば複数種あるタンクユニット4のうち、利用者が必要な容量の貯湯槽2を備えたタンクユニット4を選択し、そのタンクユニット4と、複数種ある給湯器16のうち選択された給湯器16と、複数種ある燃料電池1のうち選択された燃料電池1とを組み合わせるといったことができ、バリエーションを増やすことができる。
また、前記のような個別配置型の熱源装置は、既設の給湯器16にタンクユニット4等を接続して熱源装置を形成することもできるといったメリットもある。この場合、例えば給湯器16は建物の北側に配置されてタンクユニット4は建物の東側や西側に配置されるといったように、タンクユニット4と給湯器16とが離れて配置されることも想定されるが、そのような場合には、冬場等に、湯水導入通路15および接続通路21内の水が、給湯停止中に凍結することを防止するため等に、水電磁弁24を開いて循環ポンプ23を駆動させ、図8の矢印Cに示したように、湯水循環通路40に湯水を循環させながら給湯熱交換器17により加熱する前記循環湯水加熱機能の動作が適宜行われるような構成が必要になると考えられる。
特許第3728265号公報
ところで、前記ミキシング流量制御手段によるタンク湯水混合器12と水混合器14の制御に際し、例えば混合設定温度、給水温、貯湯槽内湯水温に対応するような湯と水の混合比を求めておき、その混合比に対応させてタンク湯水混合器12と水混合器14のステッピングモータ51,53のステップ数を制御してタンク湯水混合器12と水混合器14の開弁量を決定すればよいように考えられる。
しかしながら、開発中の熱源装置のように、貯湯槽2と出湯通路9とを通った湯に給水通路8bを通った水を合流部10で混合して混合湯水を形成する場合には、以下に述べるように、主に湯の流路の水圧変化に起因して、湯と水の弁開度に基づく予定混合比(以下、混合比という)と湯と水の流量比とが必ずしも一致しない。
つまり、図7に示したように、この熱源装置においては、給水通路8が給水通路8a,8bに分岐され、一方の給水通路8aを通った水が貯湯槽2に貯湯されて湯となって出湯通路9とを通って合流部10に導入され、他方の給水通路8bを通った水が合流部10に導入される。このように、給水通路8bに設けられている水混合器14に流れる水とタンク湯水混合器12に流れる水(湯も含む)の水圧源が共通している場合、給水通路8a,8bの分岐点では共通の同一水圧となっているが、水が給水通路8a,8bおよび貯湯槽2や出湯通路9を通る際に水圧抵抗(流路抵抗)を受けて減圧し、水混合器14を通る水の水圧とタンク湯水混合器12を通る水の水圧は共に、前記分岐点での水圧よりも減圧する。また、貯湯槽2を経由してタンク湯水混合器12に流れる湯の量が少ないときに貯湯槽2の影響を強く受けるため、つまり、容量が大きい貯湯槽2を通して水が流れるので水が流れにくく(動きにくく)、湯の量が多いときに対し、湯の量が少なくなると水混合器14を通る水よりも減圧量が大きい。
そのため、例えば図11(a)の特性線aに示されるように、給湯流量(湯と水の総流量)が小さい場合には、湯の混合比が小さい図の右側の領域において湯の流量が大きく減少してしまい、湯の混合比に対して湯の流量比が非常に小さくなってしまうといった現象が生じる。なお、図11(a)、(b)は、図の右側に向かうにつれて混合設定温度が低くなることに対応させて、図の右側に向かうにつれて湯の混合比が小さくなり水の混合比が大きくなる場合の湯の流量(特性線a)と水の流量(特性線b)をそれぞれ示しており、図11(a)の特性線bに示されるように、給湯流量が少なくても、水の流量は湯と水の混合比に対して直線的に変化する値となる。
また、貯湯槽2の給水側に減圧弁50を設けて貯湯槽2に例えば370KPa(3.7Kg/cm)以上の圧力がかからないようにしているため、減圧弁50の影響により、給湯流量(湯と水の総流量)が中程度であっても、湯の混合比が小さい領域において湯の流量が減少しやすくなる。
さらに、パイロット方式の電磁弁は、バタフライバルブや直動電磁弁等に比べて低消費電力であり、小型、かつ、安価であるといったメリットがあるものの、湯の量が小さくなると弁が十分に開かないことから、出湯通路9側にパイロット方式の電磁弁により形成されたタンク側電磁弁13を設けることにより前記のような現象が特に発生しやすいため、湯の経路に貯湯槽2と減圧弁50とパイロット方式の電磁弁とが設けられている開発中の熱源装置においては、図11(a)の特性線aに示したような湯の流量が極端に少なくなる現象が、給湯流量が中程度のときにも生じることになる。
なお、給湯流量が多いときには、湯と水の混合比と湯および水の流量との関係は、図11(b)の特性線a、bに示されるように、特性線aに示される湯の流量と特性線bに示される水の流量がいずれも湯と水の混合比に対して直線的に変化する値となるが、湯または水の混合比が100%に近くなり弁開度が最大に近づくと、その湯または水の流量が頭打ちになる。
このようなことから、湯と水の混合比が同じでも、実際の湯の流量比(混合流量割合)が、給湯流量が小さいと混合比よりも小さくなり給湯流量が大きいと大きくなる現象が生じてしまう。この現象は、湯と水の混合比のうち、湯の比率が水の比率よりも極端に大きいときや、その逆に湯の比率が水の比率よりも極端に小さい時には生じにくい。
そして、前記のように、湯と水の混合比が同じであっても給湯流量に応じて湯と水の流量比が大きく変化してしまうと、例えば給湯途中に利用者が給湯栓の開度を急に大きくしたり、シャワーを使い始めたりして、図12(a)の特性線に示されるように給湯流量が急に大きい値に変化した場合には湯の流量比が急に大きくなり、図12(b)の特性線に示されるように、給湯温度が急激に高くなり、熱い湯が給湯されてしまうおそれがあるといった問題が生じた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、貯湯槽から出湯される湯と給水通路から供給される水を混合して形成される混合湯水の給湯流量が大きく変化しても給湯温度の急激な上昇を招くような給湯温度の大きな変化を防ぐことができる使い勝手のよい熱源装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、次の構成をもって課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、貯湯槽と、該貯湯槽から湯を出湯する出湯通路と、該出湯通路と給水通路とが合流する合流部と、該合流部で合流される湯と水により形成される混合湯水を給湯先に給湯する給湯通路とを備え、前記出湯通路側から前記合流部に流れる湯の流量と前記給水通路から前記合流部に流れる水の流量を制御するミキシング流量制御手段と、前記給湯通路を通って給湯される給湯流量を検出する給湯流量検出手段と、該給湯流量検出手段により検出される検出流量に基づいて予め定められる単位時間毎の給湯流量微分値を求める給湯微分値算出手段とを有し、前記合流部で混合する湯と水の混合割合である各混合比レベルと該各混合比レベルに対しての給湯流量毎の湯と水の実際の混合流量割合との関係データが制御データとして予め与えられ、給湯中に前記混合湯水の温度が安定している状態のときの前記給湯流量検出手段の検出流量と前記ミキシング流量制御手段による混合比レベルとを検出してこれらの検出情報と前記制御データとに基づいて湯と水の実際の混合流量割合を求める流量割合検出手段と、前記給湯流量が変化して前記給湯微分値算出手段により求めた給湯流量微分値が予め定められる設定微分値以上となったときには変化後の給湯流量に対応する前記制御データを参照して前記ミキシング流量制御手段による混合比レベルを前記流量割合検出手段により検出した湯と水の実際の混合流量割合に対応する混合比レベルに変更させる混合比レベル変更指令手段を有している構成をもって課題を解決する手段としている。
また、第2の発明は、前記第1の発明の構成に加え、前記出湯通路には該出湯通路を通しての貯湯槽からの湯を出湯の有無を弁の開閉により切り替える開閉電磁弁が介設され、該開閉電磁弁はパイロット方式の電磁弁により形成されていることを特徴とする。
さらに、第3の発明は、前記第1または第2の発明の構成に加え、前記ミキシング流量制御手段は、パルスモータのパルス数に応じて弁の開弁量を可変することにより湯の量を可変する貯湯槽出湯量調節手段を制御することにより湯量制御を行い、パルスモータのパルス数に応じて弁の開弁量を可変することにより水の量を可変する給水量調節手段を制御することにより水量制御を行う構成と成しており、各混合比レベルに設定されている湯量制御の操作量と水量制御の操作量は共に前記パルスモータのパルス数で与えられていることを特徴とする。
さらに、第4の発明は、前記第1または第2または第3の発明の構成に加え、前記合流部には該合流部で形成された混合湯水を導入して給湯熱交換器で加熱する追い加熱機能を有する補助熱源装置の湯水導入側が接続されており、前記合流部で形成される混合湯水の温度が前記混合設定温度より低いときに前記補助熱源装置による追い加熱機能による加熱によって前記混合設定温度の湯水を形成する構成と成していることを特徴とする。
本発明によれば、貯湯槽からの湯と給水通路からの水の合流部で形成する混合湯水の湯と水の流量をミキシング流量制御手段により制御するが、その制御のために、合流部で混合する湯と水の混合割合である各混合比レベルと該各混合比レベルに対しての給湯流量毎の湯と水の実際の混合流量割合との関係データが制御データとして予め与えられている。また、給湯中の混合湯水の温度が安定している状態のときに、流量割合検出手段が、給湯流量を検出する給湯流量検出手段の検出流量とミキシング流量制御手段による混合比レベルとの検出情報と、前記制御データとに基づいて湯と水の実際の混合流量割合を求める。
そして、本発明では、給湯流量が変化し、給湯流量微分値算出手段により求められる単位時間毎の微分値である給湯流量微分値が予め定められる設定微分値以上となったときには、混合比レベル変更指令手段が変化後の給湯流量に対応する前記制御データを参照し、ミキシング流量制御手段による混合比レベルを前記流量割合検出手段により検出した湯と水の実際の混合流量割合(湯流量変更前に混合設定温度の湯水を形成していた割合)に対応する混合比レベルに変更させるので、前述のような、湯側の水圧変動に起因して、給湯流量が大きくなる方向に大きく変化すると給湯温度が急に高くなる、あるいは、給湯流量が小さくなる方向に大きく変化すると給湯温度が急に低くなる、といった給湯温度の急激な変化を防ぐことができ、給湯温度の安定化を図ることができる。
また、出湯通路に、該出湯通路を通しての貯湯槽からの湯を出湯の有無を弁の開閉により切り替える開閉電磁弁を介設することにより、出湯通路からの出湯の有無の制御を容易に行え、かつ、その開閉電磁弁をパイロット方式の電磁弁により形成することにより、安価なパイロット方式の電磁弁の適用によって熱源装置のコストダウンを図ることができる。なお、前記のような、台所の使用に加えてシャワーを使用するというように給湯流量が大きくなる方向に大きく変化すると給湯温度が急に高くなるといった現象は、前記開閉電磁弁としてパイロット方式の電磁弁を適用した場合に生じやすいが、前記の如く、本発明は、このような現象による給湯温度の変動防ぐことができるので支障なく、使い勝手の良好な熱源装置を実現できる。
さらに、ミキシング流量制御手段は、パルスモータのパルス数に応じて弁の開弁量を可変することにより湯の量を可変する貯湯槽出湯量調節手段を制御することにより湯量制御を行い、パルスモータのパルス数に応じて弁の開弁量を可変することにより水の量を可変する給水量調節手段を制御することにより水量制御を行う構成とし、各混合比レベルに設定されている湯量制御の操作量と水量制御の操作量を共に前記パルスモータのパルス数で与えることにより、湯量制御と水量制御を容易に行うことができる。
さらに、合流部には該合流部で形成された混合湯水を導入して給湯熱交換器で加熱する追い加熱機能を有する補助熱源装置の湯水導入側を接続して、合流部で形成される混合湯水の温度が前記混合設定温度より低いときに前記補助熱源装置による追い加熱機能による加熱することによって、たとえ混合設定温度よりも低い温度の湯が形成されても、その湯を追い加熱することにより温度を高めて給湯することができる。つまり、このような補助熱源装置を設けることにより、貯湯槽内の湯温が混合設定温度(例えば給湯設定温度と同じ温度)より低くなった場合にも、また、ミキシング流量制御手段による制御によって水が多めに混合されて混合湯水の温度が混合設定温度より低く形成された場合にも、補助熱源装置による追い加熱で補って給湯できる。
本発明に係る熱源装置の一実施例の制御構成を示すブロック図である。 実施例において、給湯中に給湯流量が大きくなる方向に大きく変化したときの給湯流量変化例(a)と給湯温度変化例(b)を示すタイムチャートである。 実施例の熱源装置において合流部で混合する湯と水の混合比レベルと各混合比レベルに対しての湯の流量割合との関係を給湯流量毎に示すグラフである。 実施例の熱源装置において合流部で混合する湯と水の混合比レベルと各混合比レベルに対しての湯の流量割合と水の流量割合の関係を給湯流量毎に示すグラフである。 実施例の熱源装置において合流部で混合する湯と水の混合比レベルと各混合比レベルに対しての湯の流量割合と水の流量割合の関係を給湯流量毎に示すグラフである。 湯と水の混合比レベルシフト動作例を説明するためのグラフである。 実施例および開発中の熱源装置のシステム構成例を説明するための説明図である。 図7に示す熱源装置に設けられている湯水循環通路と貯湯槽の出湯通路とを説明するために、図7の一部構成を簡略化して示すシステム構成図である。 タンク湯水混合器と水混合器の構成を模式的に示す断面説明図である。 貯湯槽内の温度層の分布例を模式的に示す説明図である。 開発中の熱源装置における給湯流量が小さいときの湯と水の混合比と湯と水の各流量特性(a)と給湯流量が大きいときの湯と水の混合比と湯と水の各流量特性(b)を示すグラフである。 実施例において給湯中に給湯流量が大きくなる方向に大きく変化したときの給湯流量変化例(a)と給湯温度変化例(b)を示すタイムチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、本実施例の説明において、これまでの説明の例と同一構成要素には同一符号を付し、その重複説明は省略または簡略化する。
図1には、本発明に係る熱源装置の一実施例のシステム構成が模式的に示されている。本実施例は、図7に示した熱源装置と同様のシステム構成を有し、さらに、図1に示されるように、タンクユニット60内の制御装置33に、ミキシング流量制御手段35、混合設定温度設定手段36、メモリ部37、流量割合検出手段38、混合比レベル指令手段39、給湯微分値算出手段41を設けている。また、制御装置33には給湯器16の制御装置46とリモコン装置43とが信号接続され、リモコン装置43には給湯設定温度設定操作手段45が設けられ、給湯器16の制御装置46には給湯燃焼制御手段47が設けられている。なお、リモコン装置43は、屋内において、リビングや、浴室、台所、洗面所等の適宜の場所に設置されている。
流量検出手段42と給水流量センサ29は、給湯通路18を通って給湯される給湯流量を検出する。そして、給水流量センサ29は、流量割合検出手段38と給湯微分値算出手段41とに給湯流量の検出流量(検出値)を加え、流量検出手段42は燃焼制御手段47に給湯流量の検出流量(検出値)を加える。
給湯微分値算出手段41は、給水流量センサ29により検出される検出流量に基づいて予め定められる単位時間毎の給湯流量微分値を求める。給湯微分値算出手段41により求めた給湯流量微分値は、時々刻々と混合比レベル変更指令手段39に加えられる。
給湯設定温度設定操作手段45は、利用者等により給湯設定温度を設定するための操作手段であり、例えばリモコン装置43の表面側に設けられている操作ボタン等により形成されている。この給湯設定温度設定操作手段45により設定された給湯設定温度の値は、制御装置33の混合設定温度設定手段36と給湯器16の燃焼制御手段47とに加えられる。
混合設定温度設定手段36は、混合湯水の設定温度(混合設定温度)を設定するものであり、例えば貯湯槽内湯水温検出手段5aの検出温度が前記閾値よりも高い温度のときの給湯時の前記混合設定温度を給湯設定温度に対応させて、給湯設定温度の値と同じ値または、それより0.5℃といった温度だけ高めに設定する。なお、混合設定温度設定手段36は、貯湯槽内湯水温検出手段5aの検出温度が前記閾値以下の時には、混合設定温度を給湯設定温度よりも低い適宜の温度に設定する。
なお、タンクユニット4の合流部10と給湯器16とを接続する湯水導入通路15が冷えているときに給湯が行われるコールドスタート時には、混合設定温度設定手段36は、混合サーミスタ28の検出温度に対応させて給湯設定温度の設定を特有の設定としてもよい。混合設定温度設定手段36によって設定された混合設定温度は、ミキシング流量制御手段35に加えられる。
ミキシング流量制御手段35は、合流部10側に出湯通路9から流れる湯の流量と給水通路8bから合流部10側に流れる水の流量を制御し、混合設定温度設定手段36により設定される設定混合温度の混合湯水が合流部10で形成されるようにするものである。ミキシング流量制御手段35は、前記の如く、タンク側電磁弁13の開閉制御とタンク湯水混合器12および水混合器14の制御による湯の流量と水の流量との制御により、合流部10で形成される混合湯水の温度が混合設定温度となるように制御する。
この制御に際し、本実施例では、表1に示されるように、合流部で混合する湯と水の混合割合である複数の混合比レベル(表の縦軸の数値1〜21)と、該各混合比レベルに対しての給湯流量毎(給湯流量レベルQdis LLV1〜Qdis LV6)の湯と水の実際の混合流量割合との関係データが、給湯流量毎に制御データとして予め与えられている。なお、図3には、表1をグラフ化した図が示されている。
Figure 0006088889
なお、表1において、湯と水の実際の混合流量割合は湯の流量割合により示されている。また、給湯流量レベルQdis LLV1〜Qdis LV6は、表の右側に向かうにつれて給湯流量が大きくなり、1分ごとの流量が、Qdis LLV1=3リットル、Qdis LLV2=5リットル、Qdis LLV3=8リットル、Qdis LLV4=12リットル、Qdis LLV5=20リットル、Qdis LLV6=30リットルの場合をそれぞれ示している。つまり、例えばQdis LLV1の列は、給湯流量(湯と水を合わせた給湯の総流量)が3リットル/分の場合の各混合比レベルに対する実際の湯の流量割合が示されている。また、図3の特性線aは給湯流量がQdis LLV1の特性を示し、特性線bは給湯流量がQdis LLV2の特性を示すといった如く、特性線c、d、e、fは、順に、給湯流量がQdis LLV3、Qdis LLV4、Qdis LLV5、Qdis LLV6の特性を示す。
また、給湯流量Qdis LLV1、Qdis LLV2、Qdis LLV3の実際の湯の流量割合が図4(a)、(b)、(c)の特性線aにそれぞれ示され、給湯流量Qdis LLV4、Qdis LLV5、Qdis LLV6の実際の湯の流量割合が図5(a)、(b)、(c)の特性線aにそれぞれ示されており、これらの各図の特性線bには、実際の水の流量割合が示されている。このような制御データは、メモリ部37に格納されている。
なお、本実施例においては、各混合比レベルに対応させて、ミキシング流量制御手段35によって制御される湯量制御の操作量がタンク湯水混合器12のステッピングモータ51のステップ数で設定され、水量制御の操作量がステッピングモータ53のステップ数で設定されている。また、タンク湯水混合器12と水混合器14は共に、ステッピングモータ51,53のステップ数が多いほど開弁量が大きくなるように形成されており、表1において、混合比レベルが1〜21に向かうにつれて、タンク湯水混合器12のステッピングモータ51のステップ数が小さくなるように設定され、水混合器14のステッピングモータ53のステップ数は大きくなるように設定されている。つまり、この例では、混合比レベルが1〜21に向かうにつれて水の混合比が大きくなり、混合比レベルを1〜21に向けてレベル数を上げることにより混合設定温度が低くなるように設定されている。
ミキシング流量制御手段35は、例えば熱源装置の試運転時等の初回運転時、前回出湯から所定時間経過後(例えば8分30秒後)、または、リモコンを一度オフして再度オンした場合に、表1の混合レベル(1〜21)のうちの例えば混合弁開度を温度が低めになる位置である混合レベル18(例えば、ほぼ湯側0%、水側100%)で待機しており、出湯開始時は、その混合比レベル18に対応するタンク湯水混合器12と水混合器14の開弁量として(つまり、混合比レベル18に対応するステッピングモータ51,53のステップ数で開弁量を制御し)、その後、徐々に混合比レベルを上げていって(レベルの数値が小さい方向になるようにして)、そのレベルに対応するタンク湯水混合器12と水混合器14の開弁量で混合湯水を形成する。そして、その混合湯水の温度を混合サーミスタ28によって検出し、その検出温度と混合設定温度設定手段36に設定されている混合設定温度とのずれ量を補正する方向にタンク湯水混合器12と水混合器14の開弁量を変更するミキシング流量のフィードバック制御を行うことにより、混合設定温度の混合湯水を形成する。
流量割合検出手段38は、混合サーミスタ28の検出温度を取り込み、給湯中の混合湯水の温度が安定している状態のときの流量検出手段42による給湯流量の検出流量(給湯流量検出値)とミキシング流量制御手段35による混合比レベルを検出する。そして、これらの検出情報と表1に示した制御データとに基づき、湯と水の実際の混合流量割合を求める。例えば、給湯流量検出値が5リットル/分の時には、表1において給湯流量5リットル/分に対応する給湯流量レベルQdis LLV2の列を参照し、このときの混合比レベルが6であったとすると、実際の湯の流量割合は50.4%であると判断する。この判断によって求めた値は混合比レベル変更指令手段39に加えられる。
混合比レベル変更手段39は、給湯栓の開度(蛇口開度)が変更されて、前記給湯流量が増大する方向に変化して給湯微分値算出手段41により求めた給湯流量微分値が予め定められる設定微分値以上となったときには、変化後の給湯流量に対応する前記制御データを参照し、混合比レベル変更指令手段が、流量変化量に対応させて混合比レベルを強制的にシフトさせる。つまり、この例では、流量が大きい方へ変化した時は、混合比レベルの番号が大きくなる方に、流量が小さくなる方へ変化した時は、混合比レベルの番号が小さくなる方にシフトさせる。
例えば、給湯中の給湯流量が5リットル/分から急に20リットル/分に変化すると、この急激な給湯流量変化に対応して前記給湯流量微分値が前記設定微分値以上となるので、混合比レベル変更指令手段39は、混合比レベル6で設定温度が出ていたとすると、混合比レベル11へ強制的にシフトさせる。例えば表1を参照し、給湯流量20リットル/分に対応する給湯流量レベルQdis LLV5の列において前述した実際の湯の流量割合である50.4%に近い値である50.0%に対応する混合比レベル11に、混合比レベルが変更する、あるいは、混合比レベルを現状のレベル6からシフト量=(20リットル/分―5リットル/分)×0.3(ゲイン)≒5だけ、レベル11へシフトさせる(なお、ゲインは、予めその設定の仕方が与えられる)。
このように、混合比レベル変更指令手段39の制御によって、例えば図2(a)の特性線に示されるように給湯流量が急に大きい値に変化した場合には、混合比レベルを前記の如く変更することによって、図2(b)の特性線に示されるように、給湯温度が急激に高くなるといった給湯温度変化を抑制でき(図12(b)の特性線と比較参照のこと)、安定して混合設定温度の混合湯水を形成することができる。
なお、給湯流量の変化および、その変化に伴う例として、より詳しく述べると、以下のような例がある。つまり、例えば、入浴中に、蛇口を開けて洗面器に湯を入れながら体を洗い(このときの給湯流量レベルはLLV1(3L/min))、洗面器の湯を使用しながらシャンプーを使用して洗髪し、その後、蛇口からシャワーに切り替えてシャンプーを洗い流す時には、給湯流量を増やすことから、例えば給湯流量レベルLLV1(3L/min)から給湯流量レベルLLV4(12L/min)のように変化させて使用する場合がある。
本実施例では、貯湯槽2とパイロット方式の電磁弁(タンク側電磁弁13)側を経由した湯が給湯されることになり、このような場合、総水量が少ないと湯が出なくなるので、シャワーに切り替える前の給湯流量レベルLLV1(3L/min)のときには、ミキシング流量制御手段35により制御される混合比レベルQLvを、思いっきり湯が出やすいQLv4として給湯が行われる。このとき、実際の湯の混合割合は54.3%であり(表1、参照)、湯が60℃、水が15℃の時には、給湯温度は40℃程度となる(40[℃]=60[℃]×0.543+15[℃]×(1−0.543))。
そして、シャワーに切り替えたときに、例えば給湯流量レベルがLLV4(12L/min)となると、混合比レベルQLvが4のままだと、実際の湯の混合割合が82.9%となり(表1、参照)、湯が60℃、水が15℃の時には、給湯温度は52℃程度となる(52[℃]=60[℃]×0.829+15[℃]×(1−0. 829))。
そこで、この流量変化を給湯流量微分値として捉え、混合比レベル変更指令手段39の制御によって、前記と同様に、以下のような制御を行う。
つまり、前記のように給湯中の給湯流量が3リットル/分から急に12リットル/分に変化すると、この急激な給湯流量変化に対応して前記給湯流量微分値が設定微分値以上となるので、混合比レベル4で設定温度の湯が出ていたとすると(図6(a))、混合比レベル変更指令手段が混合比レベル8(53.1%(LLV4(12L/min))へ強制的にシフトさせる(図6(b))。なお、図6では理解を助けるために、QLvの4はLLV1(3L/min)時に50.0%、QLvの8はLLV4(12L/min)時でも50.0%として図示されている。
また、以上のような混合比レベル変更指令手段39の制御によるレベルシフトと共に、流量検出手段42も、給湯中の給湯流量の変化に対応して、アンダーシュートが発生しないように燃焼制御手段47をコントロールする場合がある。例えばタンクユニット4の合流部10でほぼ設定温度の湯を作って出湯している時に、タンクユニット4の湯が切れそうになると、事前に給湯器16の動作を開始させて急激な湯温変化を回避するような制御を入れているが、そのような、タンクユニット4と給湯器16が共同して設定温度の湯を作っているタイミングでの急激な流量変化時などがこれに当たる。
給湯器16の燃焼制御手段47は、混合サーミスタ28の検出温度を検出し、この検出温度が給湯設定温度よりも低いときには、混合設定温度を、給湯設定温度から給湯器16のMIN号数(最小燃焼号数)で給湯流量の水を加熱したときに上昇する温度分を差し引いた値まで下げ、給湯熱交換器17による追い加熱動作を行えるようにする。
なお、本実施例において、合流部10と給湯器16の湯水導入部側を接続する湯水導入通路15の長さについて限定されるものではないが、例えば4mといった長い長さの湯水導入通路であることも想定しており、その場合、合流部10で形成された混合湯水が給湯器16に到達するまでに例えば20〜30秒といった時間がかかるので、燃焼制御手段47によって、この時間差を考慮した追い加熱動作が行われる。
なお、このような追い加熱動作は、混合設定温度の微調整が必要なときに必要に応じて行われるものである。例えば、混合レベル変更手段39による混合比レベルの変更に際し、前記のように、流量割合検出手段38により求めた実際の湯の流量割合と同等の湯の流量割合になるような混合比レベルを、変更後の給湯流量レベルに対応させて決定する際、表1を参照して、変更後の給湯流量レベルでの湯の割合の方が流量割合検出手段38により求めた湯の流量割合よりも小さめの値となる混合比レベルに決定すると、混合湯水の温度がやや低めとなる場合もあるので、そのような場合には、給湯器16による追い加熱動作を行うことにより給湯設定温度の湯の給湯を行うようにしてもよい。
ところで、本実施例において適用される給湯器16は、燃焼開始と同時に給水温度の学習を行うタイプ(給水温度サーミスターのないタイプ)の給湯器であってもよい。給湯器16の給水温度学習は例えば潜熱熱交換器水量200cc、顕熱熱交換器水量が300ccの場合には、入水してから出湯温度をサーミスタで確認するのに例えば3秒(10リットル/分の場合)を要することから、フィードフォワードに反映される入水温度は常に例えば3秒前の入水温度であり、その間に入水温度変化があった場合には、フィードフォワードのみで制御を行うと給湯温度(給湯器16からの出湯温度)に影響が出る。
例えば前記のようにタンクユニット4と給湯器16が共同して設定温度の湯を作っているタイミングにおいて、前記流量検出手段42が給湯中の給湯流量が5リットル/分から急に20リットル/分への変化に対応して、アンダーシュートが発生しないように燃焼制御手段47をコントロールしているような場合には、アンダーシュートが出ないように燃焼量を変化した流量に応じて変えて(フィードフォワード制御で増やして)いるのもかかわらず、給水流量センサ29による前記混合比の強制シフトによりわずかだが給湯器16の入水温度に影響が出る(給湯器16の出湯温度制御に影響が出る)。
この結果、アンダーシュートの出具合に影響が出る(入水温度影響がアンダーシュートを増大させる方向になる場合と、減少方向になる場合の両方ある)。一方フィードバック制御によりアンダーシュートが少なくなるように燃焼量をコントロールしているので、アンダーシュートは出にくくなるが、出る場合もある。しかし、アンダーシュートが出てもやけどの心配がないので、出湯温度の影響を短時間で収めることのできる本実施例をはじめとする本発明の混合比の強制シフト構成は有効である。
他方、給湯器16が給水温度の学習を行うタイプであって、かつ、潜熱熱交換器を持つものにおいて、例えば前記のようにタンクユニット4と給湯器16が共同して設定温度の湯を作っているタイミングにおいて、前記流量検出手段42が給湯中の給湯流量が20リットル/分から急に5リットル/分への変化に対応して、オーバーシュートが発生しないように燃焼制御手段47をコントロールしているような場合には、オーバーシュートが出ないように燃焼量を変化した流量に応じて変えて(フィードフォワード制御で減らして)いるのもかかわらず、給水流量センサ29による前記混合比の強制シフトによりわずかだが給湯器16の入水温度に影響が出る(給湯器16の出湯温度制御に影響が出る)。
この結果、オーバーシュートの出具合に影響が出る(入水温度影響がオーバーシュートを増大させる方向になる場合と、減少方向になる場合の両方ある)。一方フィードバック制御によりオーバーシュートが少なくなるように燃焼量をコントロールしているので、オーバーシュートは出にくくなるが、出る場合もある。そこで、本実施例では、混合比の強制シフトを、給湯流量が急激に増大した場合のみ行い、逆の給湯流量が急激に減少した場合には行わないようにしており、この点も本実施例の特徴である。これは特に、顕熱熱交換器があるような場合で、給水温度学習の遅れが大きくなるような構成において特に有効となる。
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。例えば前記実施例では、タンク側電磁弁13はパイロット方式の電磁弁により形成したが、タンク側電磁弁13の種類は特に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。
また、前記実施例では、制御データにおける湯と水の実際の混合割合は、湯の割合により与えられていたが、水の割合により与えてもよいし、湯と水との比により与えてもよい。また、制御データは必ずしもテーブルデータとは限らず、グラフデータや演算式等により与えてもよい。
さらに、前記実施例では、タンク湯水混合器12と水混合器14も共に2方弁として、これらの混合器12,14で2カ所で混合比を調整したが、例えば2方弁を用いる代わりに、1カ所に3方弁を設けて混合比を調整するようにしてもよい。
さらに、前記実施例では、各混合比レベルに対してミキシング流量制御手段35による湯量制御と水量制御の制御量として、タンク湯水混合器12と水混合器14のステッピングモータ51,53のステップ数を設定したが、ミキシング流量制御手段35による湯量制御と水量制御の制御量の設定の仕方は特に限定されるものでなく適宜設定されるものであり、例えばタンク湯水混合器12と水混合器14が、その開弁量により混合比が調整されるタイプの装置である場合には、各混合比レベルに対応する開弁量を制御する制御量を設定すればよい。
さらに、本発明の熱源装置の詳細なシステム構成は適宜設定されるものであり、貯湯槽2と出湯通路9と、該出湯通路9と給水通路8bとが合流する合流部10とを備え、ミキシング流量制御手段によって出湯通路9と給水通路8bとから合流部10側に流れる湯水や水の流量を制御して設定混合温度の混合湯水が合流部10で形成されるようにする構成を有していればよい。ただし、合流部10を通った混合湯水を必要に応じて給湯器16等の補助熱源装置で追い加熱できるようにすることが望ましい。なお、給湯器16は、給湯熱交換器17を例えば石油燃焼式のバーナ装置により加熱するタイプの給湯器としてもよいし、電気ヒータにより加熱するタイプの給湯器としてもよい。
さらに、前記実施例では、貯湯槽2は燃料電池1に熱的に接続されていたが、燃料電池1の代わりに、太陽熱の集熱機やヒートポンプ等を接続してもよい。
さらに、前記実施例では、給水流量センサ29と流量検出手段42を別々のものとして両方を熱源装置に設けたが、どちらか1つで兼用してもよい。
本発明の熱源装置は、貯湯槽の湯と給水通路からの水とを簡単な制御で適切に混合し、給湯流量の変動があっても、その変動に伴う混合湯水の温度変動を抑制できるので、使い勝手が良好であり、例えば家庭用の熱源装置として利用できる。
1 燃料電池
2 貯湯槽
3 熱回収用通路
4 タンクユニット
5 貯湯槽内湯水温検出手段
6 三方弁
7 バイパス通路
8,8a,8b 給水通路
9 出湯通路
10 合流部
11 貯湯槽出湯水温検出手段
12 タンク湯水混合器
13 タンク電磁弁
14 水混合器
15 湯水導入通路
16 給湯器
17 給湯熱交換器
23 循環ポンプ
24 電磁弁
26 FC高温サーミスタ
27 FC低温サーミスタ
28 混合サーミスタ
33 制御装置
35 ミキシング流量制御手段
36 混合設定温度設定手段
37 メモリ部
38 流量割合検出手段
39 混合比レベル変更指令手段
41 給湯微分値算出手段
42 流量検出手段
45 給湯設定温度設定操作手段
47 燃焼制御手段

Claims (4)

  1. 貯湯槽と、該貯湯槽から湯を出湯する出湯通路と、該出湯通路と給水通路とが合流する合流部と、該合流部で合流される湯と水により形成される混合湯水を給湯先に給湯する給湯通路とを備え、前記出湯通路側から前記合流部に流れる湯の流量と前記給水通路から前記合流部に流れる水の流量を制御するミキシング流量制御手段と、前記給湯通路を通って給湯される給湯流量を検出する給湯流量検出手段と、該給湯流量検出手段により検出される検出流量に基づいて予め定められる単位時間毎の給湯流量微分値を求める給湯微分値算出手段とを有し、前記合流部で混合する湯と水の混合割合である各混合比レベルと該各混合比レベルに対しての給湯流量毎の湯と水の実際の混合流量割合との関係データが制御データとして予め与えられ、給湯中に前記混合湯水の温度が安定している状態のときの前記給湯流量検出手段の検出流量と前記ミキシング流量制御手段による混合比レベルとを検出してこれらの検出情報と前記制御データとに基づいて湯と水の実際の混合流量割合を求める流量割合検出手段と、前記給湯流量が変化して前記給湯微分値算出手段により求めた給湯流量微分値が予め定められる設定微分値以上となったときには変化後の給湯流量に対応する前記制御データを参照して前記ミキシング流量制御手段による混合比レベルを前記流量割合検出手段により検出した湯と水の実際の混合流量割合に対応する混合比レベルに変更させる混合比レベル変更指令手段を有していることを特徴とする熱源装置。
  2. 出湯通路には該出湯通路を通しての貯湯槽からの湯を出湯の有無を弁の開閉により切り替える開閉電磁弁が介設され、該開閉電磁弁はパイロット方式の電磁弁により形成されていることを特徴とする請求項1記載の熱源装置。
  3. ミキシング流量制御手段は、パルスモータのパルス数に応じて弁の開弁量を可変することにより湯の量を可変する貯湯槽出湯量調節手段を制御することにより湯量制御を行い、パルスモータのパルス数に応じて弁の開弁量を可変することにより水の量を可変する給水量調節手段を制御することにより水量制御を行う構成と成しており、各混合比レベルに設定されている湯量制御の操作量と水量制御の操作量は共に前記パルスモータのパルス数で与えられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の熱源装置。
  4. 合流部には該合流部で形成された混合湯水を導入して給湯熱交換器で加熱する追い加熱機能を有する補助熱源装置の湯水導入側が接続されており、前記合流部で形成される混合湯水の温度が前記混合設定温度より低いときに前記補助熱源装置による追い加熱機能による加熱によって前記混合設定温度の湯水を形成する構成と成していることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の熱源装置。
JP2013075119A 2013-03-29 2013-03-29 熱源装置 Expired - Fee Related JP6088889B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013075119A JP6088889B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 熱源装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013075119A JP6088889B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 熱源装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014199163A JP2014199163A (ja) 2014-10-23
JP6088889B2 true JP6088889B2 (ja) 2017-03-01

Family

ID=52356176

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013075119A Expired - Fee Related JP6088889B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 熱源装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6088889B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108662786A (zh) * 2017-03-31 2018-10-16 芜湖美的厨卫电器制造有限公司 热水器系统及其控制方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56129919A (en) * 1980-03-14 1981-10-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd Controller for temperature of hot water supply
JP4385491B2 (ja) * 2000-05-16 2009-12-16 パナソニック株式会社 電気温水器
JP2003294307A (ja) * 2002-01-31 2003-10-15 Toto Ltd 給湯装置
JP3718656B2 (ja) * 2002-03-04 2005-11-24 リンナイ株式会社 給湯器用湯水混合ユニット
JP4557852B2 (ja) * 2005-09-20 2010-10-06 日立アプライアンス株式会社 電気給湯機の運転方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014199163A (ja) 2014-10-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5200842B2 (ja) 給湯装置
CN106440331A (zh) 自动恒温加热系统及其控制方法
JP6209117B2 (ja) 熱源装置
JP6055356B2 (ja) 熱源装置
JP6088889B2 (ja) 熱源装置
JP6858621B2 (ja) 熱源装置
JP4546273B2 (ja) 給湯システム
KR20100036536A (ko) 1관 3수로 가스 보일러
JP6138550B2 (ja) 熱源装置
JP6147541B2 (ja) 熱源装置
JP4488884B2 (ja) 給湯システム
JP6228881B2 (ja) 熱源装置
JP2007198624A (ja) 貯湯式の給湯熱源装置
JP6197452B2 (ja) 給湯システム
JP6286312B2 (ja) 貯湯システム
JP6312565B2 (ja) 気泡機能付き貯湯式給湯機
JP6125877B2 (ja) 熱源装置
JP6062787B2 (ja) 熱源装置
JP6320117B2 (ja) 熱源装置
KR101424404B1 (ko) 열기기
JP6133661B2 (ja) 熱源装置
JP6320118B2 (ja) 熱源装置
JP2016031227A (ja) 貯湯式給湯装置
JP2018173229A (ja) 熱源装置
JP2006349205A (ja) コージェネレーションシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6088889

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees