JP5470422B2 - 熱機器 - Google Patents

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Description

本発明は、熱機器に関する。
特許文献1に、自然環境から吸熱するヒートポンプを収容したヒートポンプユニットと、ヒートポンプにより加熱された熱媒を蓄えるタンクを収容したタンクユニットと、タンクに貯えられた熱媒をガスの燃焼熱により加熱するガス熱源機を収容したガス熱源ユニットを備える熱機器が開示されている。この熱機器では、ヒートポンプやガス熱源機を熱源として、給湯や暖房、浴槽の湯はりや追い焚きを行うことができる。この熱機器では、ヒートポンプユニットと、タンクユニットと、ガス熱源ユニットが、それぞれコントローラを備えている。この熱機器では、ヒートポンプユニットのコントローラとタンクユニットのコントローラは通信可能であり、タンクユニットのコントローラとガス熱源ユニットのコントローラは通信可能であり、ガス熱源ユニットのコントローラにリモコンが接続されている。
特開2012−93065号公報
上記のような熱機器において、ヒートポンプユニットとタンクユニットの設置が完了しており、ガス熱源ユニットの設置が完了していない状態で、タンク沸上げ運転を実施したいことがある。しかしながら、多くの場合、タンク沸上げ運転時のタンク沸上げ設定温度は、リモコンで設定された給湯設定温度に応じて自動的に設定するように構成されており、ガス熱源ユニットの設置が完了していないと、リモコンから給湯設定温度を取得することができず、タンク沸上げ設定温度を設定することができない。同様に、ガス熱源ユニットのコントローラやリモコンが故障した場合や、リモコンとの間の通信線が断線した場合も、リモコンから給湯設定温度を取得することができず、タンク沸上げ設定温度を設定することができない。リモコンから給湯設定温度を取得できない場合についても、タンク沸上げ設定温度を適切に設定して、タンク沸上げ運転を実施可能とする技術が期待されている。
本明細書では、上記の課題を解決する技術を提供する。本明細書では、ヒートポンプユニットと、タンクユニットと、ガス熱源ユニットを備える熱機器において、リモコンから給湯設定温度を取得できない場合でも、タンク沸上げ運転を実施可能とする技術を提供する。
本明細書が開示する熱機器は、自然環境から吸熱するヒートポンプを収容したヒートポンプユニットと、前記ヒートポンプにより加熱された熱媒を蓄えるタンクを収容したタンクユニットと、前記タンクに貯えられた熱媒をガスの燃焼熱により加熱するガス熱源機を収容したガス熱源ユニットを備えている。その熱機器では、前記ヒートポンプユニットと、前記タンクユニットと、前記ガス熱源ユニットが、それぞれコントローラを備えている。その熱機器では、前記ヒートポンプユニットの前記コントローラと前記タンクユニットの前記コントローラは通信可能である。その熱機器では、前記タンクユニットの前記コントローラと前記ガス熱源ユニットの前記コントローラは通信可能である。その熱機器では、前記ガス熱源ユニットの前記コントローラに、少なくとも給湯設定温度を設定可能なリモコンが接続可能である。その熱機器では、前記タンクユニットの前記コントローラに、少なくともタンク沸上げ設定温度を設定可能な設定用スイッチが接続されている。その熱機器では、タンク沸上げ運転を実施する際に、前記タンクユニットの前記コントローラが前記リモコンから給湯設定温度を取得できる場合に、前記リモコンで設定された給湯設定温度に応じて特定されるタンク沸上げ設定温度に基づいてタンク沸上げ運転を実施する。その熱機器では、タンク沸上げ運転を実施する際に、前記タンクユニットの前記コントローラが前記リモコンから給湯設定温度を取得できない場合に、前記設定用スイッチで設定されたタンク沸上げ設定温度に基づいてタンク沸上げ運転を実施する。
上記の熱機器では、リモコンから給湯設定温度を取得できない場合に備えて、タンクユニットのコントローラに設定用スイッチが接続されている。設定用スイッチに予めタンク沸上げ設定温度を設定しておくことで、リモコンから給湯設定温度を取得できない場合でも、タンク沸上げ運転を適切に実施することができる。
上記の熱機器は、前記熱媒が水であり、前記タンクユニットが、前記タンクに水を供給する給水経路と、前記タンクから給湯箇所へ水を供給する給湯経路と、前記給水経路からの水を混合して前記給湯経路を流れる水の温度を調整する混合器をさらに収容しており、前記設定用スイッチが、さらに給湯設定温度を設定可能であり、給湯運転を実施する際に、前記タンクユニットの前記コントローラが前記リモコンから給湯設定温度を取得できる場合に、前記リモコンで設定された給湯設定温度に基づいて給湯運転を実施し、給湯運転を実施する際に、前記タンクユニットの前記コントローラが前記リモコンから給湯設定温度を取得できない場合に、前記設定用スイッチで設定された給湯設定温度に基づいて給湯運転を実施することが好ましい。
上記の熱機器では、リモコンから給湯設定温度を取得できない場合に備えて、設定用スイッチで給湯設定温度を設定することができる。設定用スイッチに予め給湯設定温度を設定しておくことで、リモコンから給湯設定温度を取得できない場合でも、給湯運転を適切に実施することができる。
本明細書が開示する技術によれば、ヒートポンプユニットと、タンクユニットと、ガス熱源ユニットを備える熱機器において、リモコンから給湯設定温度を取得できない場合でも、タンク沸上げ運転を実施可能とすることができる。
給湯システム10の構成を模式的に示す図である。 設定用スイッチ20bによるタンク沸上げ設定温度および給湯設定温度の設定の一例を示す図である。
(実施例)
本発明の給湯システムを具現化した実施例を、図1および図2を参照して説明する。図1は給湯システム10の系統図であり、水及び熱媒の流れを矢印で示している。図1に示すように、給湯システム10は、タンクユニット20と、ヒートポンプユニット40と、ガス熱源ユニット50を備えている。給湯システム10は、給湯栓80と浴槽72に給湯する。本明細書では、浴槽72に給湯することを湯はりという。また、給湯システム10は、浴槽72に貯められた浴槽水を追い焚きする。
ヒートポンプユニット40では、圧縮機41の吐出側Aと四方弁42と第1熱交換器43の熱媒流路43aと膨張弁44と第2熱交換器45と四方弁42と圧縮機41の戻り側Bが、熱媒配管46によって順に接続されており、熱媒がこの順に循環する。第1熱交換器43は、熱媒流路43aと循環水流路43bとを備えている。第2熱交換器45の近傍にはファン45aが設置されている。第2熱交換器45は、ファン45aによって送られる外気と熱媒の間で熱交換を行う。圧縮機41の吐出側Aと四方弁42との間の熱媒配管46と、膨張弁44と第2熱交換器45との間の熱媒配管46の間に、除霜経路47が接続されている。除霜経路47には、除霜弁47aが設けられている。
第1熱交換器43の循環水流路43bの入口側には循環往路接続経路48が接続されており、出口側には循環復路接続経路49が接続されている。循環往路接続経路48には、入口側サーミスタ48aが設けられており、循環復路接続経路49には出口側サーミスタ49aが設けられている。入口側サーミスタ48aは、循環水流路43bに流入する循環水の温度を検出し、出口側サーミスタ49aは、循環水流路43bから流出する循環水の温度を検出する。また、循環往路接続経路48には、循環ポンプ48bが設けられている。
ヒートポンプユニット40は、コントローラ40aを備えている。コントローラ40aは、CPU、ROM、RAM等を備えている。コントローラ40aには、入口側サーミスタ48aおよび出口側サーミスタ49aから、検出信号が入力される。また、コントローラ40aは、圧縮機41、四方弁42、膨張弁44、ファン45a、循環ポンプ48bの動作を制御する。
タンクユニット20は、貯湯槽21と混合器24とを備えている。貯湯槽21の底部には、貯湯槽21に水道水を給水する給水経路22が接続されている。給水経路22の水道水入口22aの近傍には、減圧弁23が設けられている。給水経路22には、減圧弁23の下流側に混合器24の混合用給水経路26が接続されている。混合用給水経路26には、給水制御弁26aが設けられている。減圧弁23は、貯湯槽21と混合器24への給水圧力を調整する。貯湯槽21内の温水が減少したり、給水制御弁26aが開いたりすると、減圧弁23の下流側圧力が低下する。減圧弁23は、下流側圧力が低下すると開き、その圧力を所定の調圧値に維持しようとする。このため、貯湯槽21内の温水が減少したり、混合器24の給水制御弁26aが開いたりすると、これらに水道水が給水される。
給水経路22において、混合用給水経路26の接続部よりも下流側には、排水経路31が接続されている。排水経路31の途中には、排水弁32が設けられている。排水弁32は手動で開閉することができる。排水弁32を開くと、貯湯槽21内の水が排水経路31を通じて外部に排水される。
貯湯槽21の底部には、循環往路33の一端が接続されており、貯湯槽21の上部には、循環復路34の一端が接続されている。循環往路33の他端は、ヒートポンプユニット40の循環往路接続経路48に接続されており、循環復路34の他端は、循環復路接続経路49に接続されている。循環往路33には、往路サーミスタ36が設けられている。往路サーミスタ36は、貯湯槽21から循環往路33に流出した水の温度を検出する。
ヒートポンプユニット40の循環ポンプ48bが駆動すると、貯湯槽21の下部から循環往路33に水が吸出され、この水が循環水流路43bを流れて、循環復路34を通じて貯湯槽21の上部に戻される。このようにして、貯湯槽21とヒートポンプユニット40との間の循環経路が構成されている。
循環復路34の途中には、空気抜き経路37と圧力開放経路38が接続されている。空気抜き経路37には、空気抜き弁37aが設けられている。圧力開放経路38には、リリーフ弁38aが設けられている。リリーフ弁38aの開弁圧力は、減圧弁23の調圧値よりも僅かに大きく設定されている。減圧弁23の調圧が不能になった場合には、リリーフ弁38aが開き、貯湯槽21内の圧力が耐圧可能な圧力を超えるのを防止する。貯湯槽21では、その上端から所定量(例えば30リットル)の箇所に上部サーミスタ39が取り付けられている。上部サーミスタ39は、貯湯槽21上部の水温を検出する。
混合器24は、温水経路25と混合用給水経路26と第1混合経路27を備えている。温水経路25は、貯湯槽21の上部に接続されている。温水経路25には、温水制御弁25aと温水流量センサ25bと温水サーミスタ25cが設けられている。温水制御弁25aは、貯湯槽21から温水経路25へ流れる温水の流量を調整する。温水流量センサ25b及び温水サーミスタ25cは、温水経路25を流れる温水の流量と温度を検出する。混合用給水経路26は、上記したように給水経路22に接続されている。混合用給水経路26には、上記した給水制御弁26aと、給水流量センサ26bと給水サーミスタ26cとが設けられている。給水制御弁26aは、混合用給水経路26を流れる水道水の流量を調整する。給水流量センサ26bと給水サーミスタ26cは、混合用給水経路26を流れる水道水の流量と温度を検出する。
温水経路25と混合用給水経路26とは合流して第1混合経路27に接続されている。第1混合経路27には、第1混合経路27を流れる混合水の温度を検出する混合サーミスタ27aを備えている。
タンクユニット20は、さらに第1給湯経路29を備えている。第1給湯経路29には、給湯サーミスタ29aが設けられている。第1給湯経路29の先端には、給湯栓80が接続されている。給湯栓80は、浴室、洗面所、台所等に配置されている(図1では、これら複数の給湯栓80を1つで代表して示している)。第1混合経路27の途中と第1給湯経路29の途中は、給湯バイパス経路28によって接続されている。給湯バイパス経路28には、バイパス制御弁28aが設けられている。バイパス制御弁28aを開いた状態では、第1混合経路27を流れた混合水が給湯バイパス経路28から第1給湯経路29へ流れ、バイパス制御弁28aを閉じた状態では、第1混合経路27を流れた混合水が、後記するガス熱源ユニット50の第2混合経路52へ流れる。
タンクユニット20は、コントローラ20aを備えている。コントローラ20aは、CPU、ROM、RAM等を備えている。コントローラ20aには、温水サーミスタ25c、給水サーミスタ26c、混合サーミスタ27a、給湯サーミスタ29a、往路サーミスタ36、上部サーミスタ39、温水流量センサ25b、給水流量センサ26bから、検出信号が入力される。また、コントローラ20aは、温水制御弁25a、給水制御弁26a、バイパス制御弁28a、排水弁32、空気抜き弁37aの動作を制御する。さらに、コントローラ20aには、タンク沸上げ設定温度および給湯設定温度を設定する設定用スイッチ20bが接続されている。
ガス熱源ユニット50は、給湯器51を備えている。給湯器51は、給湯用熱交換器53と、給湯用バーナ54と、追い焚き用熱交換器76と、追い焚き用バーナ78等を備えている。給湯用熱交換器53の入口側は第2混合経路52を介してタンクユニット20の第1混合経路27に接続されている。給湯用熱交換器53には、第2混合経路52を通じて混合水が流入する。第2混合経路52には、入水サーミスタ52aと、給湯水量センサ52bと、水量サーボ52cとが設けられている。入水サーミスタ52aと給湯水量センサ52bは、それぞれ第2混合経路52を流れる水の温度及び流量を検出する。水量サーボ52cは、第2混合経路52を流れる水の流量を調整する。給湯用バーナ54はガス燃焼式であって、給湯用熱交換器53を加熱する。給湯用熱交換器53の出口側は第2給湯経路55を介して第1給湯経路29に接続されている。給湯用熱交換器53を流れた温水は、第2給湯経路55及び第1給湯経路29を通じて給湯栓80から給湯される。第2給湯経路55には、給湯用熱交換器53の出口近傍に、缶体サーミスタ56が設けられており、その下流側に出湯サーミスタ57が設けられている。出湯サーミスタ57は、給湯用熱交換器53の近傍に配置されている。
第2混合経路52における水量サーボ52cの下流側と、第2給湯経路55の缶体サーミスタ56と出湯サーミスタ57の間には、熱源機バイパス経路58が接続されている。第2混合経路52と熱源機バイパス経路58との接続部には、熱源機バイパス制御弁59が設けられている。熱源機バイパス制御弁59の開度を調整することによって、第2混合経路52を流れる水の一部が熱源機バイパス経路58に流れ、その流量が調整される。
第2給湯経路55の出湯サーミスタ57の下流側には、湯はり経路70の一端が接続されている。湯はり経路70の他端は、風呂循環経路71に接続されている。湯はり経路70には、湯はり弁70aと湯はり量センサ70bとが設けられている。風呂循環経路71は、浴槽72から湯はり経路70との合流点まで伸びている第1流路76aと、湯はり経路70との合流点から追い焚き用熱交換器76を経て浴槽72にまで伸びている第2流路76bを備えている。風呂循環経路71は、浴槽72と追い焚き用熱交換器76との間で浴槽水を循環させるものである。風呂循環経路71には、水圧センサ79と、風呂ポンプ73と、水流スイッチ74と、風呂往きサーミスタ75と、追い焚き用熱交換器76と、風呂戻りサーミスタ77とが順に設けられている。
湯はり弁70aを開くと、第2給湯経路55を流れる温水が、破線矢印に示すように、第1流路76aと第2流路76bの両者から、浴槽72に供給される。風呂ポンプ73は、運転していないと、温水が逆流するのを許容する。
風呂ポンプ73を駆動すると、浴槽72内の湯が実線矢印に示すように、風呂循環経路71を流れ、追い焚き用熱交換器76を流れる際に、ガス燃焼式の追い焚き用バーナ78によって加熱される。風呂往きサーミスタ75は、浴槽72から風呂循環経路71に流入した浴槽水の温度を検出するものであり、風呂戻りサーミスタ77は、追い焚き用熱交換器76で加熱された後の浴槽水の温度を検出するものである。
ガス熱源ユニット50は、コントローラ50aを備えている。コントローラ50aは、CPU、ROM、RAM等を備えている。コントローラ50aには、入水サーミスタ52a、缶体サーミスタ56、出湯サーミスタ57、風呂往きサーミスタ75、風呂戻りサーミスタ77、給湯水量センサ52b、湯はり量センサ70b、水流スイッチ74、水圧センサ79から、検出信号が入力される。また、コントローラ50aは、水量サーボ52c、熱源機バイパス制御弁59、湯はり弁70a、風呂ポンプ73、給湯用バーナ54、追い焚き用バーナ78の動作を制御する。
ヒートポンプユニット40のコントローラ40aは、タンクユニット20のコントローラ20aと通信可能である。タンクユニット20のコントローラ20aは、ガス熱源ユニット50のコントローラ50aと通信可能である。ガス熱源ユニット50のコントローラ50aは、リモコン50bと通信可能である。リモコン50bには、給湯システム10を操作するためのスイッチやボタン、給湯システム10の動作状態を表示する液晶表示器等が設けられており、リモコン50bで設定された情報がガス熱源ユニット50に入力される。利用者は、リモコン50bを利用して、給湯設定温度、湯はり設定温度、湯はり設定水位等を設定することができる。
給湯システム10では、以下に説明するように、タンク沸上げ運転、除霜運転、給湯運転、湯はり運転、追い焚き運転等を行うことができる。
(タンク沸上げ運転)
タンク沸上げ運転では、貯湯槽21に貯えられた水をヒートポンプユニット40により加熱する。ヒートポンプユニット40では、圧縮機41で圧縮されて昇温した熱媒が、第1熱交換器43の熱媒流路43aを流れる際に循環水流路43bを流れる循環水を加熱する。熱媒流路43aから流出した熱媒は、膨張弁44で膨張して冷却され、第2熱交換器45を流れる際に外気から吸熱して昇温する。昇温した熱媒が圧縮機41に流入して再び圧縮されることによってさらに昇温する。さらに、ヒートポンプユニット40では、循環ポンプ48bを駆動する。
循環ポンプ48bの駆動により、タンクユニット20では、貯湯槽21内の水が貯湯槽21の底部から循環往路33に吸出される。循環往路33に吸出された水は、ヒートポンプユニット40の第1熱交換器43の循環水流路43bを通過する際に加熱されて温度上昇する。温度上昇した温水は、循環復路34を流れて貯湯槽21の上部に戻される。この循環が行われることによって、貯湯槽21では、冷水層の上部に高温層が積層した温度成層が形成される。貯湯槽21に高温の温水が戻され続けると、高温層の厚さ(深さ)は次第に大きくなり、完全に蓄熱された状態では、貯湯槽21の全体に高温の温水が貯まった状態になる。貯湯槽21に完全に蓄熱が行われていなくても、温度成層が形成されることにより、貯湯槽21の上部に接続されている温水経路25には、高温の温水が送り出される。タンク沸上げ運転では、出口側サーミスタ49aの検出温度がタンク沸上げ設定温度となるように、ヒートポンプユニット40の各部の動作が制御される。これにより、貯湯槽21には、タンク沸上げ設定温度まで加熱された温水が貯えられる。通常は、タンク沸上げ設定温度は、リモコン50bで設定された給湯設定温度に応じて特定される。
(除霜運転)
除霜運転では、ヒートポンプユニット40の第2熱交換器45を除霜する。破線矢印に示すように、一時的に除霜弁47aが開いて圧縮機41から吐出した高温の熱媒が、除霜経路47を通じて第2熱交換器45に流れるようにする。第2熱交換器45に高温の熱媒が流れることで、第2熱交換器45が除霜される。
(給湯運転)
温水流量センサ25bの検出流量および給水流量センサ26bの検出流量の合計が所定値を超えると、給湯栓80または浴槽72への給湯が開始されたと判断して、給湯システム10は蓄熱給湯運転または加熱給湯運転を行う。貯湯槽21の上部サーミスタ39の検出水温が、リモコン50bで設定されている給湯設定温度よりも一定温度だけ高い基準温度以上である場合には、蓄熱給湯運転が行われる。蓄熱給湯運転では、バイパス制御弁28aを開状態とし、水量サーボ52cを全閉状態とする。また、混合サーミスタ27aで検出される水温が給湯設定温度となるように、温水制御弁25aの開度と給水制御弁26aの開度を調整する。給湯設定温度に調整された混合水は、第1混合経路27を流れた後に、給湯バイパス経路28及び第1給湯経路29を通じて給湯栓80から給湯される。
一方、上部サーミスタ39の検出水温が基準温度未満である場合には、加熱給湯運転が行われる。加熱給湯運転では、バイパス制御弁28aを全閉状態とし、水量サーボ52cを所定開度に設定する。また、混合サーミスタ27aで検出される水温が給湯設定温度よりも給湯用熱交換器53による温度上昇幅だけ低い温度となるように、温水制御弁25aの開度と給水制御弁26aの開度を調整する。給湯設定温度よりも低い温度に調整された混合水は、第1混合経路27を流れ、ガス熱源ユニット50の第2混合経路52を流れて給湯用熱交換器53に流入し、給湯用バーナ54により加熱される。給湯用熱交換器53では、給湯用熱交換器53の出口に設けられている缶体サーミスタ56で検出される水温が60℃以上となるように制御される。これにより、配管に結露水が発生することを抑制することができる。給湯設定温度が60℃よりも低い場合には、出湯サーミスタ57で検出される水温が給湯設定温度となるように、熱源機バイパス制御弁59の開度が制御される。第2混合経路52を流れる混合水の一部が熱源機バイパス経路58を通じて第2給湯経路55に流入し、給湯用熱交換器53を流れた60℃以上の水と給湯用熱交換器53を流れていない低温の水とが混合されて給湯設定温度の温水となる。このようにして、給湯設定温度に調温された温水が、第2給湯経路55と第1給湯経路29を通じて給湯栓80から給湯される。これにより、蓄熱給湯運転中に貯湯槽21に貯湯しておいた温水を消費しつくした場合にも、給湯設定温度に調温された温水を給湯し続けることができる。
(湯はり運転)
浴槽72に湯はり運転する場合は、給湯設定温度を湯はり設定温度に読み代えて、上記の加熱給湯運転を実施する。リモコン50bに浴槽72の湯はり要求が入力されると、湯はり弁70aを開いて浴槽72に給湯する。第2給湯経路55から湯はり経路70を流れた湯は、破線矢印に示すように、第1流路76aと第2流路76bを通じて浴槽72に給湯される。リモコン50bで設定されている湯はり設定温度に応じた湯が浴槽72に給湯される。
(追い焚き運転)
浴槽72に貯められている浴槽水の温度が低下すれば、風呂ポンプ73を運転し、追い焚き用バーナ78を点火する。この追い焚き運転によって、浴槽72の浴槽水が追い焚きされて、湯はり設定温度に復帰する。
(リモコンでの設定内容を取得できない場合の動作)
給湯システム10を、リモコン50bでの設定内容を取得できない状態で動作させたい場合がある。例えば、ガス熱源ユニット50の設置が完了しておらず、従ってコントローラ50aやリモコン50bに電力が供給されていない場合でも、ヒートポンプ40とタンクユニット20を用いてタンク沸上げ運転や給湯運転を行いたい場合がある。ガス熱源ユニット50のコントローラ50aやリモコン50bが故障した場合、あるいは、コントローラ50aとリモコン50bの間の信号線やコントローラ50aとコントローラ20aの間の信号線が断線した場合についても同様である。本実施例の給湯システム10では、このような場合に備えて、コントローラ20aに設定用スイッチ20bが接続されている。設定用スイッチ20bに予めタンク沸上げ設定温度と給湯設定温度を設定しておくことで、リモコン50bでの設定内容を取得できない場合でも、タンク沸上げ運転や給湯運転を適切に実施することができる。
本実施例の給湯システム10では、コントローラ20aは、タンク沸上げ運転の実施時に、リモコン50bから給湯設定温度を取得可能か否かを判断する。リモコン50bから給湯設定温度が取得可能な場合には、リモコン50bから取得された給湯設定温度に応じてタンク沸上げ設定温度を特定し、そのタンク沸上げ設定温度に基づいてタンク沸上げ運転を実施する。なお、リモコン50bで設定された給湯設定温度に応じて、タンク沸上げ設定温度を特定する手法としては、例えばコントローラ20bに予め対応表を記憶しておき、その対応表を用いて給湯設定温度からタンク沸上げ設定温度を特定するように構成してもよい。この場合、1つの対応表のみがコントローラ20bに記憶されており、リモコン50bで設定された給湯設定温度に応じてタンク沸上げ設定温度が一意に特定されるように構成してもよいし、複数の対応表がコントローラ20bに記憶されており、どの対応表を用いてタンク沸上げ設定温度を特定するかをリモコン50bから選択できるように構成してもよい。リモコン50bから給湯設定温度が取得できない場合には、設定用スイッチ20bで設定されたタンク沸上げ設定温度に基づいてタンク沸上げ運転を実施する。
同様に、本実施例の給湯システム10では、コントローラ20aは、給湯運転の実施時に、リモコン50bから給湯設定温度を取得可能か否かを判断する。リモコン50bから給湯設定温度を取得可能な場合には、リモコン50bから取得された給湯設定温度に基づいて給湯運転を実施する。リモコン50bから給湯設定温度が取得できない場合には、設定用スイッチ20bで設定された給湯設定温度に基づいて給湯運転を実施する。なお、この場合に実施される給湯運転は、蓄熱給湯運転である。
図2は設定用スイッチ20bによるタンク沸上げ設定温度および給湯設定温度の設定手法の例を示している。図2に示す例では、設定用スイッチ20bは、4つのスイッチSW1,SW2,SW3およびSW4を備えており、スイッチSW1,SW2,SW3およびSW4のON/OFFの組み合わせに応じて、タンク沸上げ設定温度と給湯設定温度をそれぞれ設定することができる。なお、設定用スイッチ20bは、タンク沸上げ設定温度と給湯設定温度を設定することが可能なものであれば、どのような形態のものであってもよい。
上記の実施例では、給湯栓80への給湯および浴槽72の湯はりおよび追い焚きを行う給湯システム10について説明したが、本発明は、さらに暖房も行う給湯暖房システムに適用することも可能である。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は、複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10 給湯システム;20 タンクユニット;20a コントローラ;20b 設定用スイッチ;21 貯湯槽;22 給水経路;22a 水道水入口;23 減圧弁;24 混合器;25 温水経路;25a 温水制御弁;25b 温水流量センサ;25c 温水サーミスタ;26 混合用給水経路;26a 給水制御弁;26b 給水流量センサ;26c 給水サーミスタ;27 第1混合経路;27a 混合サーミスタ;28 給湯バイパス経路;28a バイパス制御弁;29 第1給湯経路;29a 給湯サーミスタ;31 排水経路;32 排水弁;33 循環往路;34 循環復路;36 往路サーミスタ;37 空気抜き経路;37a 空気抜き弁;38 圧力開放経路;38a リリーフ弁;39 上部サーミスタ;40 ヒートポンプユニット;40a コントローラ;41 圧縮機;42 四方弁;43 第1熱交換器;43a 熱媒流路;43b 循環水流路;44 膨張弁;45 第2熱交換器;45a ファン;46 熱媒配管;47 除霜経路;47a 除霜弁;48 循環往路接続経路;48a 入口側サーミスタ;48b 循環ポンプ;49 循環復路接続経路;49a 出口側サーミスタ;50 ガス熱源ユニット;50a コントローラ;50b リモコン;51 給湯器;52 第2混合経路;52a 入水サーミスタ;52b 給湯水量センサ;52c 水量サーボ;53 給湯用熱交換器;54 給湯用バーナ;55 第2給湯経路;56 缶体サーミスタ;57 出湯サーミスタ;58 熱源機バイパス経路;59 熱源機バイパス制御弁;70 湯はり経路;70a 湯はり弁;70b 湯はり量センサ;71 風呂循環経路;72 浴槽;73 風呂ポンプ;74 水流スイッチ;75 風呂往きサーミスタ;76 追い焚き用熱交換器;76a 第1流路;76b 第2流路;77 風呂戻りサーミスタ;78 追い焚き用バーナ;79 水圧センサ;80 給湯栓

Claims (2)

  1. 自然環境から吸熱するヒートポンプを収容したヒートポンプユニットと、前記ヒートポンプにより加熱された熱媒を蓄えるタンクを収容したタンクユニットと、前記タンクに貯えられた熱媒をガスの燃焼熱により加熱するガス熱源機を収容したガス熱源ユニットを備える熱機器であって、
    前記ヒートポンプユニットと、前記タンクユニットと、前記ガス熱源ユニットが、それぞれコントローラを備えており、
    前記ヒートポンプユニットの前記コントローラと前記タンクユニットの前記コントローラは通信可能であり、
    前記タンクユニットの前記コントローラと前記ガス熱源ユニットの前記コントローラは通信可能であり、
    前記ガス熱源ユニットの前記コントローラに、少なくとも給湯設定温度を設定可能なリモコンが接続可能であり、
    前記タンクユニットの前記コントローラに、少なくともタンク沸上げ設定温度を設定可能な設定用スイッチが接続されており、
    タンク沸上げ運転を実施する際に、前記タンクユニットの前記コントローラが前記リモコンから給湯設定温度を取得できる場合に、前記リモコンで設定された給湯設定温度に応じて特定されるタンク沸上げ設定温度に基づいてタンク沸上げ運転を実施し、
    タンク沸上げ運転を実施する際に、前記タンクユニットの前記コントローラが前記リモコンから給湯設定温度を取得できない場合に、前記設定用スイッチで設定されたタンク沸上げ設定温度に基づいてタンク沸上げ運転を実施する熱機器。
  2. 前記熱媒が水であり、
    前記タンクユニットが、前記タンクに水を供給する給水経路と、前記タンクから給湯箇所へ水を供給する給湯経路と、前記給水経路からの水を混合して前記給湯経路を流れる水の温度を調整する混合器をさらに収容しており、
    前記設定用スイッチが、さらに給湯設定温度を設定可能であり、
    給湯運転を実施する際に、前記タンクユニットの前記コントローラが前記リモコンから給湯設定温度を取得できる場合に、前記リモコンで設定された給湯設定温度に基づいて給湯運転を実施し、
    給湯運転を実施する際に、前記タンクユニットの前記コントローラが前記リモコンから給湯設定温度を取得できない場合に、前記設定用スイッチで設定された給湯設定温度に基づいて給湯運転を実施する請求項1の熱機器。
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