JP3718656B2 - 給湯器用湯水混合ユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば太陽熱温水器等の自然エネルギーを利用した温水供給装置や、各種廃熱を利用した温水供給装置を給湯器に接続する為の給湯器用湯水混合ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
太陽熱温水器は、天候等により目的温度の温水が取り出せない為に、該太陽熱温水器の下流側に給湯器を補助熱源として接続した給湯システムが知られている。
図1は、本願の出願人が既に提案した特願2001−384994号に開示した給湯システムの概略図である。
【0003】
太陽熱温水器(5)と給湯器(7)は、本発明の対象たる給湯器用湯水混合ユニット(1)を介して配管接続されている。
図1に示す給湯システムでは、太陽熱温水器(5)の貯湯タンク(51)から引き出された上流側温水通路(56)と上水道側の給水通路(10)の夫々の下流端は、給湯器用湯水混合ユニット(1)の温水通路(14)と冷水通路(15)に各別に接続されている。
【0004】
上記温水通路(14)には温水用除塵フィルタ(38)と湯温センサ(19)と更に温水量調節弁(25)が上流側からこの順序で順次配設されている。一方、冷水通路(15)には冷水用除塵フィルタ(39)と冷水温センサ(23)と更に冷水量調節弁(24)が上流側からこの順序で配設されている。そして、上記冷水量調節弁(24)と前記温水量調節弁(25)によって、温水通路(14)と冷水通路(15)を流れる温水と冷水の混合割合を調節する為の湯水混合器(20)が構成されている。又、上記温水通路(14)と冷水通路(15)の合流点から下流側に延長する混合水通路(29)には、混合水温センサ(33)が配設されていると共に、該混合水温センサ(33)の出力が印加される制御装置(11)によって上記湯水混合器(20)の動作が制御されるようになっている。
【0005】
又、冷水通路(15)と混合水通路(29)を繋ぐバイパス通路(28)には、該バイパス通路(28)を閉状態に維持する安全弁たる常開電磁弁(31)(非通電状態で全開に維持される電磁弁)が配設されている。
【0006】
又、上記混合水通路(29)は、給湯器本体(70)に形成された水入口(77)に接続されていると共に、給湯器用リモコン(71)は図示しない給湯器用制御装置と上記給湯器用湯水混合ユニット(1)内の制御装置(11)に電気接続されている。
【0007】
上記給湯器用湯水混合ユニット(1)では、太陽熱温水器(5)から供給される温水の温度(湯温センサ(19)の検知温度)が給湯器用リモコン(71)で設定された給湯設定温度よりも高い場合には次のように動作する。
【0008】
出湯蛇口(85)が開放されると、湯温センサ(19)と冷水温センサ(23)と更に混合水温センサ(33)の検知温度に基づいて湯水混合器(20)がフィードフォワード制御及びフィードバック制御される。そして、混合水通路(29)を流れる混合水の温度が給湯器用リモコン(71)で設定された混合目標温度たる給湯設定温度になるように、太陽熱温水器(5)からの温水と給水通路(10)からの冷水の混合割合が湯水混合器(20)で調節される。
そして、湯水混合器(20)で混合された混合水は、消火状態に維持された給湯器(7)から出湯蛇口(85)に供給される。
【0009】
一方、太陽熱温水器(5)からの温水が給湯器用リモコン(71)で設定された給湯設定温度より低温の場合は、混合水通路(29)を流れる混合水の温度が前記給湯設定温度より所定温度低い目標混合温度になるように、太陽熱温水器(5)からの温水と給水通路(10)からの冷水の混合割合が湯水混合器(20)で調節される。混合水の温度を、給湯設定温度より所定温度低い目標混合温度にするのは、給湯器(7)内の図示しないガスバーナを最小燃焼量で燃焼させても上記給湯設定温度を超える高温水が出湯蛇口(85)へ供給されてしまう場合(太陽熱温水器(5)からの温水が前記給湯設定温度にほぼ一致する場合)があるので、これを防止するためである。
【0010】
又、このものでは、例えば停電によって湯水混合器(20)が制御不能状態に陥ると、常開電磁弁(31)が安全動作たる全開動作を行い、給水通路(10)からの大量の冷水がバイパス通路(28)を介して混合水通路(29)に供給される。これにより、給湯器(7)に供給される温水が安全温度(例えば、60℃)以下に抑えられ、火傷の危険がある高温の混合水が給湯器(7)に供給される不都合が回避される。
【0011】
しかしながら、上記従来のものでは、年月の経過に伴って、温水用除塵フィルタ(38)に比べて冷水用除塵フィルタ(39)の目詰まり度合いが大きくなると、停電時に常開電磁弁(31)が開弁しても湯水混合器(20)から流出する混合水の温度が安全温度まで低下しない危険があるという問題があった。
【0012】
上記問題について更に詳述する。
この種給湯器用湯水混合ユニット(1)では、温水量調節弁(25)を全開にすると共に冷水量調節弁(24)を全閉にし、更に、常開電磁弁(31)を開弁させた場合に、仮想危険環境(例えば、太陽熱温水器(5)からの温水が100℃で且つ給水通路(10)からの冷水が35℃)になっても、湯水混合器(20)から流出する混合水の温度を安全温度以下に抑えられるように各部の管路抵抗(配管長さ屈曲回数等)が設定されている。
【0013】
このようにすると、停電時に常開電磁弁(31)が開弁すると、湯水混合器(20)から流出する混合水の温度を確実に安全温度以下に抑えることができる。
ところが、器具使用に伴って温水用除塵フィルタ(38)に比べて冷水用除塵フィルタ(39)の目詰まり度合いが大きくなって通路抵抗が増加すると、太陽熱温水器(5)側からの温水に比べて給水通路(10)からの冷水が給湯器用湯水混合ユニット(1)に流入しにくくなる。
【0014】
従って、この状態で停電が発生して常開電磁弁(31)が開弁しても十分な量の冷水を混合水通路(29)に供給することができず、安全温度を超える高温水が給湯器(7)側に供給される危険がある。
又、停電が発生していない場合でも、湯水混合器(20)が故障して制御不能状態に陥ったときには常開電磁弁(31)を開弁させる安全動作を実行するが、かかる場合も上記と同様な問題がある。
【0015】
又、給湯器用湯水混合ユニット(1)を設置する際には、太陽熱温水器(5)側と給水通路(10)の給水圧が等しくなるように施工するが、施工不良によって前記太陽熱温水器(5)側の水圧が給水通路(10)に比べて大きくなっている場合も、上記と同様の問題が生じる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる点に鑑みて成されたもので、
『温水供給装置からの温水が流れ且つ温水用除塵フィルタ(38)が配設された温水通路(14)と、
上水道からの冷水が流れ且つ冷水用除塵フィルタ(39)が配設された冷水通路(15)と、
前記温水通路(14)と前記冷水通路(15)の合流点から下流側に延長され且つ給湯器の水入口に配管接続される混合水通路(29)と、
前記温水に対して前記冷水を混合する割合としての指示混合割合を示す信号を出力する混合器制御手段と、
前記指示混合割合を示す信号に基づいて前記冷水通路(15)に設けられた冷水量調節弁 (24) 前記温水通路(14)に設けられた温水量調節弁 (25)の開度を調節し、これにより、前記混合水通路(29)を流れる混合水の温度が混合目標温度になるように前記温水に対する前記冷水の混合割合を調節する温調動作を実行する湯水混合器(20)と、
前記冷水通路(15)に於ける前記冷水用除塵フィルタ(39) と前記冷水量調節弁 (24)との間と、前記混合水通路(29)を繋ぐバイパス通路(28)と、
前記バイパス通路(28)を閉状態に維持し且つ安全動作時には開弁する安全弁と、を具備する給湯器用湯水混合ユニット(1)』に於いて、
冷水用除塵フィルタ(39)の目詰まり度合いが進行した場合や、温水供給装置側と上水道側の給水圧が適正に設定されない施工不良があっても、常開電磁弁(31)の開弁時に安全温度を超える高温水が給湯器(7)に供給される危険を防止することをその課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
[1項]
上記課題を解決するための本発明の技術的手段は、
『前記指示混合割合を示す信号に基づいて動作する前記湯水混合器(20)によって実際に混合された温水に対する冷水の実混合割合を判定する実混合割合判定手段と、
前記実混合割合が前記指示混合割合より小さい場合はこれが大きい場合に比べて、前記温調動作中に於ける前記温水量調節弁(25)の上限開度を低くする上限開度制限手段とを具備する』ことである。
【0018】
上記技術的手段は次のように作用する。
湯水混合器(20)は温水に対する冷水の混合割合としての指示混合割合に基づいて温水通路(14)と冷水通路(15)の開度を調節し、これにより、前記温水と冷水とを混合した混合水の温度を混合目標温度に一致させるように動作する。
【0019】
一方、実混合割合判定手段は、前記湯水混合器(20)で実際に混合された混合水中の温水に対する冷水の混合割合としての実混合割合を判定する。
そして、前記判定の結果、温水に対する冷水の混合割合たる前記指示混合割合に比べて前記実混合割合(温水に対する冷水の割合)が小さくなっている場合には、次のことが分かる。即ち、▲1▼温水通路(14)に対する冷水通路(15)の通路抵抗、即ち、温水用除塵フィルタ(38)に対する冷水用除塵フィルタ(39)の目詰まりの度合いが大きくなっているか、▲2▼又は、温水供給装置側の給水圧力が上水道側より高くなっていることが分かる。
【0020】
そこで、実混合割合が指示混合割合より小さい場合はこれが大きい場合に比べて、前記温調動作中に於ける前記温水量調節弁(25)の上限開度を低くする制御が上限開度制御手段によって実行される。
【0021】
従って、かかる条件下において、バイパス通路(28)に設けられた安全弁が停電等で開弁すると、温水量調節手段(25)の上限開度が低下されていない場合に比べ、前記温水量調節弁(25)から混合水通路(29)に供給される温水量が少なくなる。これにより、給湯器(7)に供給される混合水が高温になるのを抑えることができる。
【0022】
[2項]
前記1項に於いて、
『前記実混合割合が前記指示混合割合より小さくなるに従って、前記上限開度を連続的に低くする』ものでは、前記上限開度を段階的に低くするものに比べて、高精度の制御が可能となる。
【0023】
[3項]
前記1項又は2項において、
『前記上限開度が閾値以下になるときには前記冷水用除塵フィルタ(39)及び温水用除塵フィルタ(38)の点検を喚起する為の報知信号を通信ケーブルから前記給湯器用のリモコンに送信する報知制御手段を具備する』ものでは、冷水用除塵フィルタ(39)の目詰まり度合いが所定値になると、フィルタの点検を喚起する報知信号を給湯器のリモコンに送信し、前記リモコンに報知動作を行わせる。
【0024】
【発明の効果】
本発明は次の特有の効果を有する。
冷水用除塵フィルタ(39)の目詰まり度合いが大きくなった場合や、施工不良によって上水道側に比べて温水供給装置側の給水圧が高くなっている場合には、温水量調節弁(25)の上限開度を低下させることができる。従って、停電時等の安全動作時に於いて安全弁が開弁したときには、混合水中の冷水の混合割合が少なくなるのを抑制することができる。よって、冷水用除塵フィルタ(39)の目詰まり度合いや上記施工不良に関わらず、常開電磁弁(31)の開弁時に安全温度を超える高温水が給湯器(7)に供給される危険を防止することができる。
【0025】
2項のものでは、上限開度を段階的に低くするものに比べて、高精度の制御が可能となる。
【0026】
3項のものでは、冷水用除塵フィルタ(39)等の目詰まりが激しくなったときにはこれを給湯器用のリモコンで報知させるから、冷水用除塵フィルタ(39)等の点検の必要性を利用者に喚起することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、上記した本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る給湯器用湯水混合ユニット(1)を用いた給湯システムの概念図であり、太陽熱温水器(5)は給湯器用湯水混合ユニット(1)を介して給湯器(7)に配管接続されている。以下、各部の詳細を説明する。
【0028】
[太陽熱温水器(5)について]
太陽熱温水器(5)は、太陽熱を吸収する集熱器(50)と貯湯タンク(51)内とを循環するように形成された蓄熱配管(52)を具備しており、該蓄熱配管(52)には膨張タンク(53)と循環ポンプ(54)が配設されている。
【0029】
又、貯湯タンク(51)の底部には上水道からの冷水を供給するソーラ用給水管(55)と水抜栓(57)を具備する水抜通路(58)が接続されていると共に、貯湯タンク(51)の頂部からは上流側温水通路(56)が引き出されている。
【0030】
[給湯器(7)について]
給湯器(7)は、図示しないガスバーナで加熱される熱交換器が内蔵された給湯器本体(70)と、該給湯器本体(70)に電気接続された給湯器用リモコン(71)を備えていると共に、該給湯器用リモコン(71)には、運転スイッチ(72)と、浴槽(81)に湯張りする際に操作する湯張りスイッチ(73)と給湯温度設定器(75)と、更に、給湯器の運転状態等を表示する表示部(74)が設けられている。
【0031】
又、給湯器本体(70)と浴槽(81)との間は、湯張り及び追い焚き加熱に使用される往き管(82)と戻り管(83)で接続されていると共に、給湯器本体(70)から引き出された給湯通路(84)には出湯蛇口(85)が設けられている。
【0032】
[給湯器用湯水混合ユニット(1)について]
本発明の対象たる給湯器用湯水混合ユニット(1)には、上記太陽熱温水器(5)からの温水が流れる上流側温水通路(56)が接続される温水配管接続口(16)と、既述ソーラ用給水管(55)から分岐した給水通路(10)が接続される給水配管接続口(17)と、更に、給湯器本体(70)の水入口(77)に接続される給湯器接続口(18)が設けられている。
【0033】
上記温水配管接続口(16)の下流側に形成された温水通路(14)には、バキュームブレーカ(12)と、逆止弁(13)と、更に、湯温センサ(19)が、この順序で上流側から配設されている。又、温水通路(14)の上流端近傍には、通路の滞留水を排水させる機能を具備する水抜栓(21)が設けられていると共に、該水抜栓(21)には、通水内の塵芥を除去する温水用除塵フィルタ(38)が内臓されている。
【0034】
一方、冷水通路(15)には、逆止弁(22)と冷水温センサ(23)と更に湯水混合器(20)がこの順序で配設されていると共に、該湯水混合器(20)は、温水通路(14)と冷水通路(15)の合流点に配設された温水量調節弁(25)とその上流側に於ける冷水通路(15)内に配設された冷水量調節弁(24)とから構成されている。そして、上記冷水量調節弁(24)と温水量調節弁(25)は、これらに対応するステッピングモータ(240)(250)の回転によって先端の弁体(241)(251)を弁口(26)(27)に接離させ、これによって、弁口(26)(27)の開度を変化させて流量調節するように構成されている。又、上記冷水通路(15)に於ける冷水温センサ(23)と湯水混合器(20)の間から引き出されたバイパス通路(28)は前記合流点の下流側に位置する混合水通路(29)に接続されている。そして、このバイパス通路(28)には、該バイパス通路(28)を開閉する為の既述安全弁たる常開電磁弁(31)が設けられている。又、本実施の形態の給湯器では、太陽熱温水器(5)から引き出された上流側温水通路(56)と給水通路(10)の給水圧が等し水圧条件下において、常開電磁弁(31)が全開になったときには、安全温度(本願の実施形態では、60℃に設定されている。)を超える高温水が湯水混合水(20)から流出しないような構造になっている。即ち、上記水圧条件下において、温水量調節弁(25)を全開にすると共に冷水量調節弁(24)を全閉にし、更に、常開電磁弁(31)を開弁させた場合に、仮想危険環境(例えば、太陽熱温水器(5)からの温水が100℃で且つ給水通路(10)からの冷水が35℃)になっても、湯水混合器(20)から流出する混合水の温度を安全温度以下に出来るように、温水通路(14)や冷水通路(15)の配管長さや屈曲回数が適宜設定されている。そして、給湯器用湯水混合ユニット(1)を設置する時には、太陽熱温水器(5)側と給水通路(10)の給水圧が等しくなるように配管施工を行う。
【0035】
更に、上記混合水通路(29)には混合水の流量を計測する流量センサ(32)と混合水温センサ(33)と過昇温検知センサ(34)と更に水抜き栓(35)が設けられており、該水抜き栓(35)は上記混合水通路(29)等の水圧が過剰上昇したときに開弁して圧力を開放する逃がし弁機能を兼備している。又、冷水通路(15)の上流端近傍には、該通路を水抜きする為の水抜栓(30)が配設されていると共に、該水抜栓(30)には通水内の塵芥を除去する為の冷水用除塵フィルタ(39)が内臓されている。
【0036】
そして、既述湯温センサ(19),冷水温センサ(23),湯水混合器(20),常開電磁弁(31),流量センサ(32),混合水温センサ(33)及び過昇温検知センサ(34) 等の電気部品は制御装置(11)に電気接続されており、該制御装置(11)によって、湯水混合器(20)の動作が制御されるようになっている。
又、上記制御装置(11)に内臓されたマイクロコンピュータには、図3に示すモータ制御テーブルが格納されている。
【0037】
同図は、温水通路(14)を流れる温水に対して冷水通路(15)を流れる冷水を混合する割合を指示混合割合(後述の▲4▼式の右辺に現れる「FFX+FBXT」)にする為に用いられる換算値QSと、温水量調節弁(25)と冷水量調節弁(24)の開度比を前記換算値QSに設定するのに必要なステッピングモータ(240)(250)のステップ数PW,PSの関係を実験から求めて記録したものである。そして、このモータ制御テーブルには、混合水の流量(流量センサ(32)の検知流量)の大きさ別に区分して上記ステップ数PW,PS等が記録されている。即ち、図3の[1]は、混合水通路(29)を流れる混合水の流量が5リットル/分未満の場合の制御に使用する換算値QSとこれに対応するステッピングモータ(240)(250)のステップ数PW,Psの関係を記載したもので、同図の[2]は上記流量が5リットル/分〜7リットル/分の場合を、更に、同図の[i]は上記流量がiリットル/分〜(i+2)リットル/分の場合を、夫々、記載したものである。
【0038】
このように、混合水の流量の大きさに区分して上記モータ制御テーブルを用意するのは、温水通路(14)や冷水通路(15)は配管長さや屈曲回数等が相違することから、温水量調節弁(25)の開度に対する冷水量調節弁(24)の開度の割合が一定であっても、混合水通路(29)を流れる混合水の流量が変化した場合には上記温水と冷水の混合割合が変化するからである。
【0039】
次に、温水通路(14)と冷水通路(15)を流れる温水と冷水を湯水混合器(20)で混合させることによって給湯設定温度の混合水を得る為の制御を、流量センサ(32)の検知流量がiリットル〜(i+2)リットルの場合を例に採って説明する。
【0040】
先ず、流量センサ(32)の検知流量がiリットル/分〜(i+2)リットル/分の範囲である場合は、制御装置(11)内のマイクロコンピュータで図3の[i]のモータ制御テーブルが選択される。
【0041】
一方、給湯温度設定器(75)で設定された給湯設定温度Tset(混合目標温度)の混合水を得る為に温水通路(14)と冷水通路(15)の温水と冷水を混合しなければならない指示混合割合に対応する換算値QSがマイクロコンピュータによって求められる。そして、該換算値QSが図3の[i]のモータ制御テーブルに於いて上下に隣接する2つのQsn‐1〜QSnの間の値であるとすれば、このモータ制御テーブルからQsn‐1,QSn,PWin, PWin-1 ,Psin, Psin-1が読み出される。
【0042】
図4は、上記Qsn‐1,QSn,PWin, PWin-1等から、上記換算値QSに対応する既述指示混合割合の混合水を得る為に冷水量調節弁(24)用のステッピングモータ(240)に与える必要のあるステップ数Pwiを求める為のグラフである。
【0043】
図4のグラフ上の[Qsn‐1,PWin-1]で特定される点Aと、[Qsn,PWin]で特定される点Bを繋ぐ直線の方程式「Pw=((PWin-PWin-1)/(Qsn-Qsn‐1))(Q-Qsn‐1)+PWin-1が制御装置(11)のマイクロコンピュータで求められる。
そして、上記方程式を用いて、換算値QSに対応するステップ数Pwiが求められる。
【0044】
Figure 0003718656
が演算によって求められる。
そして、上記▲1▼式で求められたPwiに対応する数の制御パルスが冷水量調節弁(24)用のステッピングモータ(240)に与えられる。
【0045】
図5は、上記Qsn‐1,QSn,Psin, Psin-1等から、上記換算値QSに対応する既述指示混合割合の混合水を得る為に温水量調節弁(25)用のステッピングモータ(250)に与える必要のあるステップ数Psiを求める為の説明グラフである。
【0046】
図5のグラフ上の[Qsn‐1,Psin-1]で特定される点Cと、[Qsn,Psin]で特定される点Dを繋ぐ直線の方程式「Ps=((Psin-Psin-1)/(Qsn-Qsn‐1))(Q-Qsn‐1)+Psin-1が制御装置(11)のマイクロコンピュータで求められる。
そして、上記方程式を用いて、換算値QSに対応するステップ数Psiが求められる。
【0047】
Figure 0003718656
が演算によって求められる。
そして、上記▲2▼の演算式で求められたPsiに対応する数の制御パルスが温水量調節弁(25)用のステッピングモータ(250)に与えられる。
【0048】
これにより、冷水量調節弁(24)と温水量調節弁(25)が上記PwiとPsiに対応する開度に調節され、これにより、冷水量調節弁(24)の開度と温水量調節弁(25)の開度の割合に応じて温水と冷水が混合される。
【0049】
[給湯動作の実際]
次に、上記給湯システムの動作を説明する。
給湯器用湯水混合ユニット(1)に組み込まれた制御装置(11)には、図2のフローチャートに示す内容の制御動作を実行するマイクロコンピュータが格納されており、以下、本実施の形態に係る給湯システムの動作を図2のフローチャートに従って説明する。
【0050】
電源接続されると、先ず、ステップ(ST1)で初期設定作業を実行する。即ち、温水用除塵フィルタ(38)の目詰まり度合い(通水抵抗)と冷水用除塵フィルタ(39)の目詰まり度合い(通水抵抗)に相関を有する後述の演算用補正係数Kを「1」にセットする。又、温水量調節弁(25)の上限開度を規制する演算に必要な、開度許容率Eを「1」にセットすると共に、湯水混合器(20)をフィードバック制御する際に使用する補正混合割合累積値FBXTを「0」にセットする。
【0051】
そして、混合水通路(29)が通水停止状態にある場合(出湯蛇口(85)が閉じられ且つ湯張りスイッチ(73)が投入されていない場合)は、これを流量センサ(32)の出力から判断し、給湯温度設定器(75)で設定された給湯設定温度Tsetにほぼ等しい温度の混合水が後述の給湯動作開始時(出湯蛇口(85)の開放時等)に迅速に湯水混合器(20)で混合できるように、該湯水混合器(20)の冷水量調節弁(24)や温水量調節弁(25)をフィードフォワード制御等しながら出湯開始時まで待機する待機ルーチンを実行する(ステップ(ST3)〜ステップ(ST6))。
【0052】
即ち、温水通路(14)を流れる温水と冷水通路(15)を流れる冷水を混合して給湯設定温度Tsetの混合水を得る為に理論上の理論混合割合FFX(本実施の形態では温水に対する冷水の混合割合)をステップ(ST3)で演算する。具体的には、上記FFXを次の演算式で求める。
【0053】
湯温センサ(19)の検知温度をTS,給湯温度設定器(75)でセットされた温度をTset,冷水温センサ(23)の検知温度をTinとすると、
FFX=(TS−Tset)/(Tset−Tin) ・・・▲3▼
次に、ステップ(ST4)で、上記理論混合割合FFXとフィードバック制御量としての補正混合割合累積値FBXTを加算し、該加算値に演算用補正係数Kを掛けた値を換算値QSとして記憶し直した後、ステップ(ST5)で、温水通路(14)の温水に対する冷水通路(15)の冷水の混合割合を上記換算値QSに対応する既述指示混合割合に出来るように、冷水量調節弁(24)に対応するステッピングモータ(240)のステップ数Pwiと、温水量調節弁(25)に対応するステッピングモータ(250)のステップ数Psiを、既述した図3のモータ制御テーブル等から既述の手法によって求める。
【0054】
次に、冷水量調節弁(24)用のステッピングモータ(240)にステップ数Pwiに対応する数の制御パルスを与えると共に、温水量調節弁(25)用のステッピングモータ(250)にステップ数Psiに対応する数の制御パルスを与える。これにより、冷水量調節弁(24)と温水量調節弁(25)の開度を、給湯設定温度Tsetの混合水を得る為に必要な待機開度に維持する。
【0055】
ステップ(ST3)〜ステップ(ST6)の待機ルーチンを実行しているときに出湯蛇口(85)の開放等によって給湯動作が開始すると、このときに混合水通路(29)に流れる混合水の流量が流量センサ(32)で検知されて常開電磁弁(31)が閉状態に維持される(ステップ(ST7-1))。
【0056】
すると、冷水量調節弁(24)と温水量調節弁(25)は、既述ステップ(ST3)〜ステップ(ST6)の待機ルーチンの実行時に既述待機開度に設定されているから、湯水混合器(20)からは、給湯温度設定器(75)で設定された給湯設定温度Tsetの温度(通信ケーブル(79)を介して制御装置(11)で監視されている。)にほぼ一致する温度の混合水が直ちに流出するが、該混合水の温度を検知する混合水温センサ(33)の検知温度と上記給湯設定温度Tsetとの誤差が生じている場合があるので、該誤差を補正すべくステップ(ST8)〜(ST12)の制御が実行される。
【0057】
このため、先ず、ステップ(ST7-2)で▲3▼式の理論混合割合FFXを演算し、その後、ステップ(ST8)で、上記誤差を補正する為の補正混合割合FBXを、混合水温センサ(33)の検知温度を監視しながらフィードバック制御することによって求める。
【0058】
次に、既述ステップ(ST1)で「0」にセットした補正混合割合累積値FBXTの更新を行う(ステップ(ST9))。即ち、ステップ(ST9)において、FBXT=FBXT+FBXを実行する。
【0059】
その後、ステップ(ST10)で、FFX(ステップ(ST7-2)で演算された既述▲3▼式)の値に補正混合割合累積値FBXTを加算すると共に、該加算値(既述発明特定事項として記載した「指示混合割合」に対応する。)に対して演算用補正係数K(ステップ(ST1)で「1」に初期設定されている。)を掛けて換算値QSを求める。
【0060】
即ち、換算値QS=K(FFX+FBXT) ・・・▲4▼
を演算する。
【0061】
次に、ステップ(ST11-1)で、換算値QSに対応するステッピングモータ(240)のステップ数Pwiと、ステッピングモータ(250)のステップ数Psiを、既述した図3のモータ制御テーブル等から既述の手法によって求める。
【0062】
次に、温水用除塵フィルタ(38)の目詰まり度合いに比較して冷水用除塵フィルタ(39)の目詰まり度合いが大きくなるに従って、1未満且つ0以上の範囲で次第に小さくなる後述の開度許容率Eが1より小さいか否かがステップ(ST11-2)で判断される。その結果、開度許容率Eが1より小さい場合、即ち、温水用除塵フィルタ(38)の目詰まり度合いに比較して冷水用除塵フィルタ(39)の目詰まり度合いが大きい場合は、上記開度許容率Eを、上記ステップ数Pwi,Psiに掛け算して補正ステップ数Pwh,Pshを求める(ステップ(ST11-3)参照)。そして、ステップ(ST12)で、冷水量調節弁(24)用のステッピングモータ(240)に対して補正ステップ数Pwhに対応する数の制御パルスを与えると共に、温水量調節弁(25)用のステッピングモータ(250)に対して補正ステップ数Pshに対応する数の制御パルスを与える。すると、上記補正前のステップ数Psiに対応する温水量調節弁(25)の開度よりも、上記開度許容率Eを掛け算した補正ステップ数Pshに対応する温水量調節弁(25)の方が小さくなる。よって、補正前のステップ数Psiによって温水量調節弁(25)が全開になる場合でも、補正ステップ数Pshに対応する開度の温水量調節弁(25)は、全開未満の開度に抑えられる。従って、温水用除塵フィルタ(38)の目詰まり度合いに比較して冷水用除塵フィルタ(39)の目詰まり度合いが大きくなると、これに伴って上記温水量調節弁(25)の上限開度が次第に抑えられてゆく。
【0063】
従って、停電が発生して常開電磁弁(31)が開弁したときには、湯水混合器(20)から流出する混合水中の温水の混合割合が高くなる危険を未然に防止することができる。
よって、本実施の形態では、上記ステップ(ST11-3)を実行するマイクロコンピュータ内の機能部が、既述した上限開度制限手段に対応する。
【0064】
尚、上記開度許容率Eを求める演算内容については後述する。
又、ステップ(ST12)で補正ステップ数Psh,Pwhに対応する制御パルスがステッピングモータ(250),(240)に与えられると、上記指示混合割合の混合水が湯水混合器(20)で混合される。尚、本実施の形態では、上記ステップ(ST12)を実行するマイクロコンピュータ内の機能部が既述した混合器制御手段に対応する。
【0065】
次に、前記湯水混合器(20)から流出する混合水中の温水(温水通路(14)からの温水)と冷水(冷水通路(15)からの冷水)の実際の混合割合を判定する実混合割合判定手段としてのステップ(ST13)が実行される。即ち、混合水温センサ(33)の検知温度Tout,湯温センサ(19)の検知温度Ts,及び冷水温センサ(23)の検知温度Tinを利用して、
実混合割合Qx=(Ts-Tout)/(Tout-Tin) ・・・▲5▼
を演算する。
【0066】
すると、上記実混合割合Qxは、冷水通路(15)から湯水混合器(20)に流入する冷水と該湯水混合器(20)から流出する混合水の温度差(▲5▼式の分母)が小さくなるに従って増大する一方、温水通路(14)から湯水混合器(20)に流入する温水と該湯水混合器(20)から流出する混合水の温度差(▲5▼式の分子)が小さくなるに従って減少する。従って、上記実混合割合Qxは、湯水混合器(20)に流入する、温水通路(14)からの温水に対する冷水通路(15)からの冷水の、実際の混合割合を示している。
【0067】
そこで、上記換算値QSに対する既述実混合割合Qxの比をステップ(ST14)で求め、これを、
測定補正係数Kx=QS/Qx ・・・▲6▼
とすれば、該測定補正係数Kxは、実混合割合Qx(実際に混合された温水に対する冷水の割合)が換算値QS(温水と冷水を混合して給湯設定温度Tsetの混合水を得る為に湯水混合器(20)に指示する値)よりも大きい場合(Qx>QSの場合)には1より小さくなると共に、実際に混合された温水に対する冷水の割合が減少するに従って増加する。即ち、冷水通路(15)に配設された冷水用除塵フィルタ(39)の目詰まりの進行によって冷水通路(15)の通路抵抗が増大するに従って上記冷水の実際の混合割合が減少し、これにより、上記測定補正係数Kxが大きくなるのである。又、これとは逆に、温水通路(14)に配設された温水用除塵フィルタ(38)の目詰まりの進行によって該温水通路(14)の通路抵抗が増大するに従って温水の実際の混合割合が減少し、これにより、上記測定補正係数Kxが小さくなる。
【0068】
そして、ステップ(ST15)で、上記測定補正係数Kxから演算用補正係数Kを減算した値が許容誤差としての0.02より大きいことが確認された場合には、ステップ(ST16-1)で演算用補正係数K=K+0.002を実行し、これにより、演算用補正係数Kを増加させる。すると、該演算用補正係数Kが大きい程、冷水用除塵フィルタ(39)の目詰まりの進行によって冷水通路(15)の通路抵抗が増加して冷水の混合割合が減少傾向にあることを判断することができる。一方、ステップ(ST17)で、演算用補正係数Kから上記測定補正係数Kxを減算した値が許容誤差としての0.02より大きい場合には、演算用補正係数K=K-0.002を実行し、これにより、演算用補正係数Kを減少させる。
【0069】
すると、該演算用補正係数Kが小さい程、温水用除塵フィルタ(38)の目詰まりの進行によって温水通路(14)の通路抵抗が増加して温水の混合割合が減少傾向にあることを判断することができる。
【0070】
そこで、ステップ(ST16-2)で、開度許容率E=C/Kを演算する。尚、Cは常数である。すると、既述ステップ(ST11-3)でパルスモータ(240)(250)の補正ステップ数Pwh,Pshを演算するときに使用する上記開度許容率Eは、冷水用除塵フィルタ(39)の目詰まり度合いが温水用除塵フィルタ(38)より進んでいる場合(演算用補正係数Kが1より大きい場合)は、1未満の正の小数値になる。即ち、指示混合割合(FFX+FBXT)を演算するステップ(ST10)の次の最初のステップ(ST13)の実行時に求めた実混合割合QXが、前記指示混合割合(FFX+FBXT)より小さくて演算用補正係数Kが次第に大きくなった場合は、前記開度許容率Eが、1未満の正の少数値になる。よって、既述したように、冷水用除塵フィルタ(39)の目詰まり度合いが温水用除塵フィルタ(38)より進んでいる場合には、温調動作時に於ける温水量調節弁(25)の上限開度を抑えることができ、停電時に安全温度を超える高温水が給湯器(7)側に送られる心配がない。
【0071】
次に、ステップ(ST19)で開度許容率Eが、1未満の下限基準値N(例えば、0.1)より小さいか、又は1を超える上限基準値M(例えば、10)より大きいことが確認できた場合は、既述報知制御手段に対応するステップ(ST20)で温水用除塵フィルタ(38)や冷水用除塵フィルタ(39)の点検を喚起する報知としての“フィルター点検”の表示を給湯器用リモコン(71)の表示部(74)に行わせる為の信号を制御装置(11)から通信ケーブル(79)を介して前記給湯器用リモコン(71)に送信する。
【0072】
又、開度許容率Eが、上記下限基準値Nより更に小さな下限側異常判定値(N-b)より小さいか、又は上限基準値Mより更に大きな上限異常判定値(M+b)より大きいことがステップ(ST21)で確認されると、ステップ(ST22)で常開電磁弁(31)を開弁させてバイパス通路(28)から大量の冷水を混合水通路(29)に供給し、これにより、危険な高温水が給湯器用湯水混合ユニット(1)から給湯器(7)に供給されてしまう不都合を回避する。
【0073】
尚、本実施の形態では、図2のステップ(ST10)に於いて、理論混合割合FFXと補正混合割合累積値FBXTを加算した値に対して演算用補正係数Kを掛けて換算値QSを求めている。従って、フィルタ(38)(39)の目詰りの度合いの差が次第に大きくなって演算用補正係数Kが初期値たる「1」から大きく変化すると、ステップ(ST10)で求められる換算値QSが、上記演算用補正係数K、即ち、フィルタ(38)(39)の目詰まり度合いの差を考慮した値に速やかに調整され、これにより、湯水混合器(20)から流出する混合水が給湯設定温度Tsetに迅速に収斂する。
【0074】
即ち、本実施の形態では、測定補正係数Kxよりも演算用補正係数Kが小さい場合は、該演算用補正係数Kが増大せしめられ(ステップ(ST15)(ST16-1)参照)、逆に、測定補正係数Kxよりも演算用補正係数Kが大きい場合は、該演算用補正係数Kが減少せしめられる(ステップ(ST17)(ST18)参照)ように制御される。従って、これら両係数は最終的に一致する。
【0075】
従って、上記のように更新された演算用補正係数Kを用いてステップ(ST10)の制御をすると、該ステップ(ST10)の指示混合割合たる「FFX+FBXT」と実混合割合Qxが等しくなる。このことを具体例を示しながら説明すると、ステップ(ST10)で演算される「FFX+FBXT」の値を「1/2」,ステップ(ST10)を実行したときのKの値を「1」,これらの値を用いて湯水混合器(20)を制御した結果得られるステップ(ST13)の実混合割合Qxを「2/3」とした場合、Qs=1/2,Kx=(1/2)/(2/3)=3/4となる。又、上記したように、最終的にはKはKxに一致するから、前記Kの最終更新値は3/4の値になる。従って、上記演算用補正係数Kの最終更新値が求められた後のステップ(ST10)の実行時には上記(1/2)に前記(3/4)を掛けた値がQsになる。そして、このQs(初期値たる1/2の3/4倍)を用いて湯水混合器(20)を制御すれば、実混合割合Qxも(3/4)倍になる。即ち、実混合割合Qx=(2/3)×(3/4)=1/2(上記「FFX+FBXT」の値に等しい。)になる。
【0076】
よって、指示混合割合たる「FFX+FBXT」と実混合割合Qxが最終的に等しくなり、これにより、湯水混合器(20)から流出する混合水の温度が給湯設定温度Tsetに迅速に収斂する。
【0077】
尚、上記実施の形態では、温水用除塵フィルタ(38)に比べて冷水用除塵フィルタ(39)の目詰まり度合いが激しくなっている場合の制御について説明したが、給湯器用湯水混合ユニット(1)を設置する際の施工不良によって、太陽熱温水器(5)側の給水圧が上水道に繋がる給水通路(10)側の給水圧力よりも高くなっている場合でも、常開電磁弁(31)の開弁時に高温水が給湯器(7)に供給される危険を防止することができる。給水通路(10)に比べて太陽熱温水器(5)側の給水圧が高い場合は、既述指示混合割合に対して実混合割合が小さくなり、これにより、温水量調節弁(25)の上限開度を低くすることができるからである。
【0078】
[その他]
(ア)温水供給装置としては、自然エネルギーを利用する既述太陽熱温水器(5)以外に、各種廃熱を利用した温水供給装置を適用することができる。
【0079】
(イ)給湯器用リモコン(71)の表示部に“フィルター点検”を表示するとき、即ち、ステップ(ST19)で開度許容率Eが、1未満の下限基準値N(例えば、0.1)より小さいか、又は1を超える上限基準値M(例えば、10)より大きいことが確認できた場合は、安全弁たる常開電磁弁(31)を開状態に固定してもよい。
【0080】
(ウ)上記実施の形態では、給湯用リモコンの表示部にフィルタ(38)(39)の点検の必要性を喚起する表示を行わせるようにしたが、給湯器用リモコン(71)に内臓されたスピーカーを利用して音声報知をしてもよく、また、給湯用リモコン(71)に表示ランプやブザーを配設し、これら表示ランプやブザーを作動させてもよい。
【0081】
この場合、フィルタ(38)(39)の点検の必要性を喚起する表示を給湯器用リモコン(71)の表示部(74)に常に表示させても良いが、運転スイッチ(72)や湯張りスイッチ(73)が操作された時にのみ表示を行うようにしても良い。又、音声報知を行う場合は、運転スイッチ(72)や湯張りスイッチ(73)が操作された時に報知動作を行わせるのが望ましい。
【0082】
(エ)開度許容率Eが極端に大きいか又は小さい場合には、給湯器用湯水混合ユニット(1)から給湯器(7)への給水・給湯動作を停止させるか又は常開電磁弁(31)を開弁させると共に、該停止状態にあることや太陽熱温水器(5)の温水が利用されていないことを給湯器用リモコン(71)に報知させるようにしても良い。
【0083】
即ち、開度許容率Eが極端に小さい値になったときは、冷水通路(15)に配設された冷水用除塵フィルタ(39)の目詰まりが激しいか、又は、給水通路(10)の凍結や止水栓(図示せず)が誤って閉じられること等の原因で、前記冷水通路(15)が通水停止状態にあることが分かる。従って、かかる場合は、温水量調節弁(25),冷水量調節弁(24),及び常開電磁弁(31)を全て閉状態にし、これにより、給湯器用湯水混合ユニット(1)から給湯器(7)への給水・給湯動作を停止させる。そして、これと同時に前記停止状態にあることを給湯器用リモコン(71)で報知する。
【0084】
一方、上記開度許容率Eが極端に大きな値になったときは、温水通路(14)に配設された温水用除塵フィルタ(38)の目詰まりが激しいか、又は、上流側温水通路(56)の凍結や止水栓(図示せず)が誤って閉じられること等の原因で、前記温水通路(14)が通水停止状態にあることが分かる。従って、かかる場合は、常開電磁弁(31)を開放させる一方、冷水量調節弁(24)を最大開度に設定すると共に、温水量調節弁(25)を最小開度にする。これにより、大量の冷水を給湯器太陽熱温水器(5)に供給する。そしてこれと同時に、温水用除塵フィルタ(38)が目詰まりしている事実や、太陽熱温水器(5)の温水が利用されていない事実を給湯器用リモコン(71)で報知する。
【0085】
(オ)上記実施の形態では、電源接続時に演算用補正係数Kや開度許容率Eの初期値を設定するようにした(図2のステップ(ST1)参照)が、給湯器用湯水混合ユニット(1)の設置後の最初の動作を行った時の演算用補正係数Kや開度許容率Eを初期値として別途記憶し、その後に変化する開度許容率Eと上記初期値の比較に基づいて、フィルタの目詰まり状況を判断するようにしても良い。このようにすると、器具設置時に太陽熱温水器(5)側と上水道側に大きな給水圧差が生じていても、各除塵フィルタ(38)(39)の目詰まりがあまり進んでいない状態で早期にフィルター点検報知がされる不都合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る給湯器用湯水混合ユニット(1)を組み込んだ給湯システムの概念図
【図2】給湯器用湯水混合ユニット(1)の制御動作を説明するフローチャート
【図3】換算値QSと、該換算値QSに応じてステッピングモータ(240)及びステッピングモータ(250)に与えなければならない制御用のステップ数PW,Psの関係を示すテーブル
【図4】Qsn‐1,QSn,PWin, PWin-1等から、換算値QSの混合水を得る為に冷水量調節弁(24)のステッピングモータ(240)に与える必要のあるステップ数Pwiを求める為の説明グラフ
【図5】Qsn‐1,QSn,Psin, Psin-1等から、換算値QSの混合水を得る為に温水量調節弁(25)のステッピングモータ(250)に与える必要のあるステップ数Psiを求める為の説明グラフ
【符号の説明】
(1)・・・給湯器用湯水混合ユニット
(5)・・・太陽熱温水器
(7)・・・給湯器
(14)・・・温水通路
(15)・・・冷水通路
(20)・・・湯水混合器
(29)・・・混合水通路
(38)・・・除塵フィルタ
(39)・・・除塵フィルタ

Claims (3)

  1. 温水供給装置からの温水が流れ且つ温水用除塵フィルタ(38)が配設された温水通路(14)と、
    上水道からの冷水が流れ且つ冷水用除塵フィルタ(39)が配設された冷水通路(15)と、
    前記温水通路(14)と前記冷水通路(15)の合流点から下流側に延長され且つ給湯器の水入口に配管接続される混合水通路(29)と、
    前記温水に対して前記冷水を混合する割合としての指示混合割合を示す信号を出力する混合器制御手段と、
    前記指示混合割合を示す信号に基づいて前記冷水通路(15)に設けられた冷水量調節弁 (24) 前記温水通路(14)に設けられた温水量調節弁 (25)の開度を調節し、これにより、前記混合水通路(29)を流れる混合水の温度が混合目標温度になるように前記温水に対する前記冷水の混合割合を調節する温調動作を実行する湯水混合器(20)と、
    前記冷水通路(15)に於ける前記冷水用除塵フィルタ(39) と前記冷水量調節弁 (24)との間と、前記混合水通路(29)を繋ぐバイパス通路(28)と、
    前記バイパス通路(28)を閉状態に維持し且つ安全動作時には開弁する安全弁と、を具備する給湯器用湯水混合ユニット(1)に於いて、
    前記指示混合割合を示す信号に基づいて動作する前記湯水混合器(20)によって実際に混合された温水に対する冷水の実混合割合を判定する実混合割合判定手段と、
    前記実混合割合が前記指示混合割合より小さい場合はこれが大きい場合に比べて、前記温調動作中に於ける前記温水量調節弁(25)の上限開度を低くする上限開度制限手段とを具備する、給湯器用湯水混合ユニット。
  2. 請求項1に記載の給湯器用湯水混合ユニットに於いて、
    前記実混合割合が前記指示混合割合より小さくなるに従って、前記上限開度を連続的に低くする、給湯器用湯水混合ユニット。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の給湯器用湯水混合ユニットに於いて、
    前記上限開度制御手段は、
    前記上限開度が閾値以下になるときには前記冷水用除塵フィルタ(39)及び温水用除塵フィルタ(38)の点検を喚起する為の報知信号を通信ケーブルから前記給湯器用のリモコンに送信する報知制御手段を具備する、給湯器用湯水混合ユニット。
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