JP2012070709A - コンバインの原動部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン出力軸(1)からファン支持軸(3)及び発電機入力軸(2)を駆動する第一駆動経路(D1)を設け、エンジン出力軸(1)からグレンタンク(90)に備えた穀粒排出用の排出装置(93)に連動したオーガ駆動軸(4)を駆動する第二駆動経路(D2)を設け、エンジン出力軸(1)からファン支持軸(3)に遊転状態で軸支されたファン(5)を正転駆動する正転伝動経路(D3)を設け、第二駆動経路(D2)からオーガ駆動軸(4)へ伝動した回転動力を逆転ギヤケース(6)で分岐させ、逆転ギヤケース(6)からファン(5)を逆転駆動する逆転伝動経路(D4)を設け、正転伝動経路(D3)による駆動力の伝動を遮断して逆転伝動経路(D4)による駆動力の伝動を接続することでファン(5)を逆転駆動する構成とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、コンバインの冷却ファンの正逆回転切換を行えるようにして、作動不良の虞の少ないコンバインのエンジン冷却装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、エンジン出力軸(1)からファン支持軸(3)及び発電機入力軸(2)を駆動する第一駆動経路(D1)を設け、エンジン出力軸(1)からグレンタンク(90)に備えた穀粒排出用の排出装置(93)に連動したオーガ駆動軸(4)を駆動する第二駆動経路(D2)を設け、前記エンジン出力軸(1)からファン支持軸(3)に遊転状態で軸支されたファン(5)を正転駆動する正転伝動経路(D3)を設け、前記第二駆動経路(D2)からオーガ駆動軸(4)へ伝動した回転動力を逆転ギヤケース(6)で分岐させ、該逆転ギヤケース(6)から前記ファン(5)を逆転駆動する逆転伝動経路(D4)を設け、前記正転伝動経路(D3)による駆動力の伝動を遮断して逆転伝動経路(D4)による駆動力の伝動を接続することでファン(5)を逆転駆動する構成としたことを特徴とするコンバインの原動部構造とした。
請求項2に記載の発明は、前記ファン支持軸(3)をウオーターポンプ駆動軸としたことを特徴とする請求項1に記載のコンバインの原動部構造とした。
請求項3に記載の発明は、前記逆転ギヤケース(6)内に、オーガ駆動軸(4)から排出装置(93)への伝動を遮断可能なクラッチ(23)を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンバインの原動部構造とした。
請求項4に記載の発明は、前記正転伝動経路(D3)と逆転伝動経路(D4)の夫々をベルト伝動機構で構成し、該2つのベルト伝動機構を択一的に緊張および弛緩させる切換機構(19)を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3に記載のコンバインの原動部構造とした。
請求項5に記載の発明は、前記切換機構(19)を切換作動させる切換モータ(21)を設けたことを特徴とする請求項4に記載のコンバインの原動部構造とした。
請求項2に記載の発明によると、上記請求項1に記載の発明の効果を奏するうえに、ウオーターポンプ駆動軸を利用してファン(5)を支持することができ、構造を簡素化して安価に提供することができる。
請求項3に記載の発明によると、上記請求項1又は請求項2に記載の発明の効果を奏するうえに、クラッチ(23)を接続することで排出装置(93)を駆動してグレンタンク(90)内の穀粒を排出することができる。
請求項4に記載の発明によると、上記請求項1または請求項2または請求項3に記載の発明の効果を奏するうえに、ベルト伝動機構のベルトとプーリの間の滑りによって、ファン(5)を正逆転切換する際に発生する衝撃的な力を逃がし、伝動機構の耐久性を高めることができる。
請求項5に記載の発明によると、上記請求項5に記載の発明の効果を奏するうえに、切換機構(19)を切換モータ(21)で切換作動させることで、ファン(5)の正逆転を自動化することが容易となる。
図10及び図11に基づき本発明を備えたコンバインの全体構成について説明する。
コンバイン85の走行車体86の下方には、左右一対のクローラ走行装置87,87を配設し、走行車体86の右前側部に操縦部88を、その後方にグレンタンク90を配設し、左側部に脱穀部89を配設し、脱穀部89の後方に排藁処理装置91を配設している。操縦部88及び脱穀部89の前方には、植立穀稈を分草し、引起しながら刈取り、後方の脱穀部5に向けて搬送する刈取搬送部を昇降自在に設けている。また、前記グレンタンク90から穀粒を機外へ排出する排出装置93を設けている
図1に示す伝動線図は、本発明の第一実施例で、エンジン16の外側に防塵網22を設け、防塵網22とエンジン16の間にラジエータ18を配置してラジエータ18の内側に冷却ファン(ファン)5を配置している。なお以下の説明では、冷却ファン5を防塵網22の外側から内側へ吸気する冷却状態で駆動する回転方向を正回転、冷却ファン5を防塵網22の内側から外側へ吹出す除塵状態で駆動する回転方向を逆回転と言う。
エンジン16のエンジン出力軸1に第一出力プーリ7と第二出力プーリ8と第三出力プーリ9を設け、第一出力プーリ7と発電機20の発電機入力軸2にに設けた発電プーリ10とエンジン16内のウオーターポンプの機外に突出させたウオーターポンプ駆動軸3に固着のポンプ軸プーリ11との間に第一ベルトD1を巻き掛けて第一駆動経路を構成し、発電機20とウオーターポンプを常時駆動している。
また、第二出力プーリ8とオーガ駆動軸4に固着のオーガプーリ12に第二ベルトD2を巻き掛けた第二駆動経路でオーガ駆動軸4を常時駆動している。
さらに、第三出力プーリ9と前記ウオーターポンプ駆動軸3の軸端に遊嵌した冷却ファン5の正転プーリ15に第三ベルトD3を巻き掛けて正転伝動経路を構成し、前記オーガ駆動軸4に逆転ギヤケース6を設け、この逆転ギヤケース6からオーガ駆動軸4と同じ側に突出する逆駆動軸13に逆駆動プーリ14を設け、この逆駆動プーリ14と冷却ファン5の逆転プーリ17に第四ベルトD4を巻き掛けて逆転伝動経路を構成している。なお、逆転ギヤケース6には、オーガ駆動軸4のクラッチ23を設けて、該クラッチ23よりも伝動経路下手側は駆動力を遮断しており、排出装置93により排出作業を行う際はクラッチ23を接続する。
第三ベルトD3と第四ベルトD4とは、正逆切換プーリ(切換機構)19の押圧により緊張状態となり、冷却ファン5に駆動力を伝達し、正逆切換プーリ19は、切換モータ21によって第三ベルトD3と第四ベルトD4の何れか一方を緊張状態とする構成である。冷却ファン5をベルトD3で駆動する状態では、エンジン出力軸1からの回転駆動力を正転プーリ15に伝達し、冷却ファン5を正回転させる。冷却ファン5をベルトD4で駆動する状態では、エンジン出力軸1からの回転駆動力をオーガ駆動軸4に伝達し、逆転ギアケース内に設けた一対のスパーギアによって逆回転で冷却ファン5を回転させる。
図3,4に示す第二実施例では、第一ベルトD1による第一駆動経路に中継軸30を設け、中継軸30に設けた第一中継プーリ31と、第一出力プーリ7とポンプ軸プーリ11とにベルトを巻き掛け、さらに、中継軸30に設けた第二中継プーリ32と発電プーリ10にベルトを巻き掛けて発電クラッチ35で動力伝動を断続可能にしている。発電機入力軸2の第二発電プーリ33とウオーターポンプ駆動軸3に遊嵌した冷却ファン5の正逆プーリ34に第五ベルトD5を巻き掛けて正逆伝動経路を構成している。なお、発電クラッチ35は切換モータ36でクラッチの入・切を行う。
この構成で、冷却ファン5を正回転で駆動する場合には、発電クラッチ35を接続し、エンジン出力軸1の駆動力で冷却ファン5を駆動し、冷却ファン5を逆回転で駆動する場合には、発電クラッチ35を切り、エンジン出力軸1からの駆動力を遮断して発電機20に電力をきょうきゅうして逆回転で駆動して冷却ファン5を逆回転させる。
図5に示す実施例は、冷却ファンとして正転用ファン68と逆転用ファン69を設けた例である。
エンジン16のエンジン出力軸1に固着のエンジンプーリ40から第一中継軸43に設けた第一中継プーリ41に第一ベルト42を巻き掛けて伝動し、この第一中継軸43に設けた第一出力プーリ44とコンプレッサ47のコンプレッサ入力軸47aに設けたコンプレッサ入力プーリ45に第二ベルト46を巻き掛けてコンプレッサ47を常時駆動し、さらに、第一中継軸43に設けた第一変速プーリ49から第二中継軸48に設けた第二変速プーリ50に第三ベルト56を巻き掛けて変速伝動する。
第二中継軸48には、第一プーリ51と第二プーリ52を設け、第一プーリ51と第一ギヤ軸60に固着の第三プーリ53に第四ベルト55を巻き掛けて第一ギヤ軸60を常時駆動し、第一ギヤ軸60に設けた第一ギア58と第二ギア59を噛合わせて第三中継軸61に動力を伝達する。第三中継軸からはプーリ62と第六プーリ63に巻き掛けた第六ベルト64aによって逆転ファン軸67に伝達して逆転ファン69を駆動する。第六ベルト64aには逆転クラッチ64を設け、駆動力を伝達及び遮断可能に構成している。
第二プーリ52と正転ファン軸66に設けた第五プーリ54には、第五ベルト39を巻き掛けて正転クラッチ57で正転ファン軸66への動力伝動を断続する。
上記構成によると、エンジン16からの駆動力を第二中継軸48に伝達し、該第二中継軸48の第一プーリ51と第二プーリ52により夫々第一ギア軸60と正転ファン軸66に分岐して伝動する。第一ギア軸60へ伝達された駆動力は一対のギア58,59を経て回転方向を反転されて逆転ファン69を駆動する。
正転ファン68と逆転ファン69はファンの翼角を同一方向の傾斜角度としているので、正転ファン68はラジエータ18の外側から内側に外気を導入してラジエータを冷却し、逆転ファンはラジエータ18の内側から外側に送風して、ラジエータ18に付着した塵埃を除去する。また、第一変速プーリ49と第二変速プーリ50によって正転ファン68及び逆転ファン69の回転速度を変更可能に構成しているので、作業条件によって回転速度を変更して、正転ファン68によるラジエータ18の冷却効率を高め、逆転ファン69によるラジエータ18の塵埃除去効果を向上させることが可能である。
図6に示す構成は、前記図5の例と、第一中継軸43の第三変速プーリ71から第二ギヤ軸61の第四変速プーリ72に第七ベルト70を巻き掛けて伝動経路を構成した点で相違し、逆転用ファン69も変速可能にしている。このような正転用ファン68と逆転用ファン69を変速可能にすることで、大豆収穫で綿埃の多い場合には逆転用ファン69を高速で回転して綿埃を強く吹き払うようにすることが出来る。
また、逆転用ファン69を図7,8に示す正転用ファン68の外径よりも大きな内径の風洞80で内周にフィン81を設けた円筒ファン82とすると、円筒ファン82で吹き出す排風が正転用ファン68で遮られることが無く、正転用ファン68と円筒ファン82の幅を狭く出来る。
図9は、ラジエータ18の外側を覆う防塵網22の下部に横長のダストキャップ84を設けた実施例で、ダストキャップ84は吸引風で蓋を閉じて吹き出し風で蓋を開く弁体であり、防塵網22内部に溜まる塵埃を排出できるものである。
2 発電機入力軸
3 ファン支持軸
4 オーガ駆動軸
5 ファン
6 逆転ギヤケース
19 切換機構
21 切換モータ
23 クラッチ
90 グレンタンク
93 排出装置
D1 第一l駆動経路
D2 第二駆動経路
D3 正転伝動経路
D4 逆転伝動経路
Claims (5)
- エンジン出力軸(1)からファン支持軸(3)及び発電機入力軸(2)を駆動する第一駆動経路(D1)を設け、エンジン出力軸(1)からグレンタンク(90)に備えた穀粒排出用の排出装置(93)に連動したオーガ駆動軸(4)を駆動する第二駆動経路(D2)を設け、前記エンジン出力軸(1)からファン支持軸(3)に遊転状態で軸支されたファン(5)を正転駆動する正転伝動経路(D3)を設け、前記第二駆動経路(D2)からオーガ駆動軸(4)へ伝動した回転動力を逆転ギヤケース(6)で分岐させ、該逆転ギヤケース(6)から前記ファン(5)を逆転駆動する逆転伝動経路(D4)を設け、前記正転伝動経路(D3)による駆動力の伝動を遮断して逆転伝動経路(D4)による駆動力の伝動を接続することでファン(5)を逆転駆動する構成としたことを特徴とするコンバインの原動部構造。
- 前記ファン支持軸(3)をウオーターポンプ駆動軸としたことを特徴とする請求項1に記載のコンバインの原動部構造。
- 前記逆転ギヤケース(6)内に、オーガ駆動軸(4)から排出装置(93)への伝動を遮断可能なクラッチ(23)を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンバインの原動部構造。
- 前記正転伝動経路(D3)と逆転伝動経路(D4)の夫々をベルト伝動機構で構成し、該2つのベルト伝動機構を択一的に緊張および弛緩させる切換機構(19)を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3に記載のコンバインの原動部構造。
- 前記切換機構(19)を切換作動させる切換モータ(21)を設けたことを特徴とする請求項4に記載のコンバインの原動部構造。
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