JP2014196717A - 作業車輌の原動部構造 - Google Patents

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藤田 靖
Yasushi Fujita
靖 藤田
白方 幹也
Mikiya Shirakata
幹也 白方
西崎 宏
Hiroshi Nishizaki
西崎  宏
山本 次郎
Jiro Yamamoto
次郎 山本
健太郎 辻
Kentaro Tsuji
健太郎 辻
上路 嘉隆
Yoshitaka Ueji
嘉隆 上路
廣田 幹司
Mikiji Hirota
幹司 廣田
光樹 貝梅
Mitsuki Kaiume
光樹 貝梅
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Abstract

【課題】エンジンの冷却効率を維持して作業能率を高めると共に、原動部の耐久性を向上させる。【解決手段】エンジン(20)冷却用のファン(40)を駆動する油圧モータ(300)と油圧ポンプ(301)の間を、高圧側の油路と低圧側の油路で接続して閉回路を構成し、この閉回路には、油圧ポンプ(301)から油圧モータ(300)への送油方向を正逆方向に切り換え可能な切換弁(30E)とアキュムレータ(AC)を備え、この切換弁(30E)の切換作動によって油圧モータ(300)の出力回転方向を正逆方向に切り換えて、ファン(40)を正転駆動して濾過体(12)の外側から内側へ外気を吸入する冷却状態と、ファン(40)を逆転駆動して濾過体(12)の内側から外側へ風を吹き出す除塵状態とに切換わる構成とする。【選択図】 図25

Description

この発明は、コンバイン等の作業車輌の原動部構造に関するものである。
従来より、コンバイン等の作業車輌の原動部においては、エンジンの外側にラジエータを配置し、このラジエータの外側に防塵網を配置し、エンジンとラジエータの間にファンを配置している。
このような作業車輌では、作業中に多量の塵埃が発生し、この塵埃が防塵網に吸着されてこの防塵網の目合いを塞ぎ、ファンによる冷却風の吸入が阻害されてエンジンの冷却効率が低下してオーバーヒートしやすくなり、エンジン出力の低下によって作業能率が低下する問題がある。
そこで、特許文献1に示すような技術が提案されている。
即ち、このエンジン冷却時に正転状態にあるファンを、一定時間間隔で自動的に逆転させることで、エンジンルーム内の空気を防塵網の内側から外側へ向けて吹き出し、この風によって、防塵網の外面に吸着されていた塵埃を吹き飛ばそうとするものである。
特開2008―88823号公報
しかしながら、上述の従来技術では、油圧式無段変速装置の斜板角度を調節することで出力軸の回転方向を変更するため、ファンを逆転状態から正転状態に復帰させるのに時間がかかり、エンジンの冷却効率の低下によって出力が低下し、作業能率が低くなる問題がある。
また、油圧式無段変速装置の出力軸の回転方向を正転側から逆転側へ素早く切り換えようとすると、回転中のファンの持つ慣性力によって、この出力軸やファンの回転軸に衝撃的な負荷が掛かり、原動部の耐久性が低下する問題がある。
この発明は、作業車輌におけるエンジンの冷却効率を維持して作業能率を高めると共に、原動部の耐久性を高めることを目的とするものである。
この発明は、上述の課題を解決するために、次の技術的手段を講じる。
即ち、請求項1記載の発明は、エンジン(20)の外側の部位にラジエータ(80)を配置し、該ラジエータ(80)の外側の部位に濾過体(12)を配置し、前記エンジン(20)とラジエータ(80)の間の部位には油圧モータ(300)で駆動されるファン(40)を配置し、前記エンジン(20)によって駆動される油圧ポンプ(301)と前記油圧モータ(300)の間を高圧側の油路と低圧側の油路で接続して圧油を循環させる閉回路を構成し、該閉回路には、前記油圧ポンプ(301)から油圧モータ(300)への送油方向を正逆方向に切り換え可能な切換弁(30E)と、該閉回路内の圧力変動を緩衝するアキュムレータ(AC)を備え、前記切換弁(30E)の切換作動によって油圧モータ(300)の出力回転方向を正逆方向に切り換えて、前記ファン(40)を正転駆動して濾過体(12)の外側から内側へ外気を吸入する冷却状態と、該ファン(40)を逆転駆動して濾過体(12)の内側から外側へ風を吹き出す除塵状態とに切換わる構成とした作業車輌の原動部構造としたものである。
請求項2記載の発明は、前記アキュムレータ(AC)を、閉回路における高圧側の油路と低圧側の油路の両方の油路に備えた請求項1記載の作業車輌の原動部構造としたものである。
請求項3記載の発明は、前記アキュムレータ(AC)を、閉回路における切換弁(30E)を接続した部位よりも油圧モータ(300)側の部位に備えた請求項1または請求項2記載の作業車輌の原動部構造としたものである。
請求項4記載の発明は、前記切換弁(30E)の切換作動が所定の時間間隔で自動的に反復される構成とした請求項1または請求項2または請求項3記載の作業車輌の原動部構造としたものである。
請求項5記載の発明は、前記切換弁(30E)が切換作動する時間間隔を、手動操作によって変更可能な構成とした請求項4記載の作業車輌の原動部構造としたものである。
請求項6記載の発明は、前記ラジエータ(80)の冷却水の温度が設定温度よりも低い場合に、切換弁(30E)の切換作動が許可される構成とした請求項1から請求項5のいずれか一項記載の作業車輌の原動部構造としたものである。
請求項7記載の発明は、前記ファン(40)が逆転駆動されている状態で、エンジン(20)が停止した場合に、切換弁(30E)が自動的に切換作動する構成とした請求項1または請求項2または請求項3記載の作業車輌の原動部構造としたものである。
請求項8記載の発明は、前記エンジン(20)を始動操作するメインキースイッチ(MK)が操作された場合に、切換弁(30E)が自動的に切換作動する構成とした請求項1または請求項2または請求項3記載の作業車輌の原動部構造としたものである。
請求項1記載の発明によれば、ファン(40)を回転駆動する油圧モータ(300)と油圧ポンプ(301)の間の閉回路に、油圧ポンプ(301)から油圧モータ(300)への送油方向を正逆方向に切り換える切換弁(30E)を備えているので、この切換弁(30E)の作動によってファン(40)を素早く逆転状態に切り換え、濾過体(12)に付着した塵埃を除去することができ、比較的短時間でファン(40)を正転状態に復帰させることが可能となり、エンジン(20)の冷却効率の低下を少なくしてエンジン出力を高め、作業能率を向上させることができる。
そして、この切換弁(30E)の作動による閉回路内の圧力変動が、この閉回路に備えたアキュムレータ(AC)によって緩衝されるので、油圧モータ(300)の出力軸やファン(40)の回転軸などに掛かる負荷が低減し、原動部の耐久性が向上する。
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果を奏するうえで、ファン(40)を正転状態から逆転状態に切り換える場合と、逆転状態から正転状態に切り換える場合とのいずれの場合でも、切換弁(30E)の作動による閉回路内の圧力変動が、この閉回路における高圧側の油路と低圧側の油路の両方の油路に備えたアキュムレータ(AC)によって緩衝されるので、油圧モータ(300)の出力軸やファン(40)の回転軸などに掛かる負荷が低減し、原動部の耐久性が向上する。
請求項3記載の発明によれば、上記請求項1または請求項2記載の発明の効果を奏するうえに、アキュムレータ(AC)が、閉回路における切換弁(30E)を接続した部位よりも油圧モータ(300)側の部位に備えられているので、油圧モータ(300)の出力軸に掛かる負荷によって生じる圧力変動が切換弁(30E)に作用しにくくなり、この切換弁(30E)の耐久性が向上する。
請求項4記載の発明によれば、上記請求項1または請求項2または請求項3記載の発明の効果を奏するうえに、ファン(40)が所定の時間間隔で正転と逆転を反復するので、エンジン(20)の冷却効率を維持しながら濾過体(12)の目詰まりを防止できる。
請求項5記載の発明によれば、上記請求項4記載の発明の効果を奏するうえに、切換弁(30E)が切換作動する時間間隔を、作業条件などに応じて任意に変更し、エンジン(20)の冷却効率の低下を少なくしてエンジン出力の低下を防ぎ、作業能率を高めることができる。
請求項6記載の発明によれば、上記請求項1から請求項5のいずれか一項記載の発明の効果を奏するうえで、ラジエータ(80)の水温が設定温度よりも低い場合にファン(40)が逆転可能となり、ラジエータ(80)の水温が設定温度よりも高い場合にはファン(40)が逆転不能となるので、エンジン(20)がオーバーヒートしにくくなり、エンジン(20)の出力低下による作業能率の低下を防ぐことができる。
請求項7記載の発明によれば、上記請求項1または請求項2または請求項3記載の発明の効果に加えて、手動または自動によってエンジン(20)が停止した場合に、ファン(40)が正転状態に自動復帰する構成とすることで、エンジン(20)の再始動時に、このエンジン(20)の冷却状態を現出することができる。
請求項8記載の発明によれば、上記請求項1または請求項2または請求項3記載の発明の効果に加えて、エンジン(20)を始動操作した場合に、ファン(40)が正転状態に自動復帰する構成とすることで、作業車輌の稼動開始時に、このエンジン(20)の冷却状態を現出することができる。
コンバインの右側面図である。 コンバインの左側面図である。 コンバインの平面図である。 エンジンルームの拡大右側面図である。 第1構成のエンジン冷却部の拡大正面図である。 第1構成のエンジン冷却部の要部拡大正面図である。 第1構成のエンジン冷却部の右側面図である。 第1構成のクラッチ動作時のエンジン冷却部の右側面図である。 第1構成のエンジン冷却部の動力伝達図である。 第1構成のコンバインの動力伝達図である。 第1構成の油圧式無段変速機の油圧回路図である。 第1構成の油圧式無段変速機の説明図である 第1構成のエンジン冷却部の拡大正面図である。 第2構成のエンジン冷却部の右側面図である。 第3構成のエンジン冷却部の右側面図である。 第4構成のエンジン冷却部の右側面図である。 第5構成のエンジン冷却部の右側面図である。 第6構成のエンジン冷却部の右側面図である。 第7構成のエンジン冷却部の拡大正面図である。 第7構成のエンジン冷却部の動力伝達図である。 制御装置の第1ブロック図である。 制御装置の第2ブロック図である。 制御装置の第3ブロック図である。 第8構成のエンジン冷却部の動力伝達図である。 第8構成の油圧回路図である。
以下、本発明の作業車輌のエンジン冷却部構造の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。なお、実施形態は、作業車輌としてコンバインを例示してあるがコンバインに限定されるものではなく、トラクター、田植機等の農業用作業車輌や、ドーザ、バックホー等の建設機械等にも利用できるものである。
以下の説明において、コンバイン1の機体内側を「内側」、機体外側を「外側」といい、キャビン9内の操作席101に着座する操作者から見て右手側を「右側」、左手側を「左側」、上方側を「上方」、下方側を「下方」、コンバインの進行方向を「前側」と、後退方向を「後側」という。
「正転駆動状態」とは外側から内側に向かい外気を吸入する冷却ファン(ファン)40の回転方向をいい、「逆転駆動状態」とは内側から外側に向かい内気を送風する冷却ファン40の回転方向をいい、「非駆動状態」とは冷却ファン40が正転および逆転していないファンの休止状態をいうものとする。
すなわち、後述する冷却ファン40における「正転駆動状態」とは、図6にS1で示すように、エンジンカバー11の目抜き鉄板などからなる濾過体12を介して外側からエンジン20、ラジエータ80に向かって外気を吸入し送風する冷却ファン40の回転方向をいい、冷却ファン40における「逆転駆動状態」とは、図6にS2で示すように、エンジンカバー11の目抜き鉄板などからなる濾過体12を介して内側からコンバイン1の外側に向かって内気を排気し送風する冷却ファン40の回転方向をいう。
また、冷却ファン40は、図6に示すように、油圧式無段変速装置30のトラニオン軸115に取り付けたアーム116を電動モータ(図示省略)で回動することにより、正転駆動状態、非駆動状態及び非駆動状態に切換えられる。
「内方」とはエンジンルーム10で区画される内部領域をいい、「外方」とはエンジンルーム10で区画される領域の外部をいうものとする。
図1〜図3には、本発明のエンジン冷却部構造を有するコンバイン1が示されている。コンバイン1の車台2の下方には土壌面を走行するための左右一対のクローラからなる走行装置3が設けられ、車台2の上方左側には脱穀および選別をする為の脱穀装置4が設けられ、脱穀装置4の前側には刈取装置(請求項における「作業装置」)6が設けられている。
刈稈は刈取装置6に備えた刈刃(図示省略)で刈り取られ脱穀装置4に送られる。脱穀装置4で脱穀および選別された穀粒は脱穀装置4の右側に設けられたグレンタンク7に貯留され、貯留された穀粒は穀粒排出筒8により外部へ排出される。
車台2の上方右側には操作者が搭乗する操作席101を備えたキャビン(操縦部)9が設けられ、キャビン9の下方にはエンジンルーム10が設けられている。
図4に示すように、キャビン9には冷却ファン40の駆動状態を切換える操作レバー14が設けられ、エンジンルーム10のエンジンカバー11には目抜き鉄板などからなる濾過体12A,12B,12C,12Dが設けられている。
また、エンジンカバー11の濾過体12A、12B、12C、12Dの目合いを同一にすることもできるが、冷却ファン40と対向して設けられていない濾過体12A,12Dの目合いを大きくし、冷却ファン40と対向して設けられている濾過体12B、12Cの目合いを小さくするのが好ましい。
(原動部の第1構成)
本発明の作業車輌の原動部の第1構成について説明する。
図5〜図8に示すように、第1構成は、エンジンルーム10のエンジンカバー11の内側には、外側から順に、インタークーラ90、オイルクーラ85、ラジエータ80、冷却ファン40、エンジン20が配置され、エンジンルーム10のエンジン20の上方前側には油圧式無段変速装置30が配置されている。
インタークーラ90は、エンジン20の燃焼効率を高めるため、燃焼用の混合気を冷却する機器であり、エンジン11の吸気経路であるマニホールド93に接続されている。
インタークーラ90は、ラジエータ80の外側に設けられた支持部材83に着脱自在に取付けられ、インタークーラ90の上方部は、連結部材91を介して回動支持部材92に支持されている。支持部材92を時計方向に回動させることにより、図13にS3で示すように、インタークーラ90は、上方外側に向かって開放される。そのため、ラジエータ80の洗浄、ラジエータ80の外側に付着した藁屑、塵埃の除去等の保守・点検作業を容易に行なうことができる。
オイルクーラ85は、昇降用シリンダ及びミッションの駆動用オイルを冷却する機器であり、インタークーラ90の下方のラジエータ80の外側に設けられた支持部材83に取付けられている。なお、用途毎に複数個のオイルクーラ85を設けることもできる。
ラジエータ80は、エンジン11により加熱された冷却水を冷却する機器であり、エンジン11の冷却水経路であるマニホールド82に接続されている。
ラジエータ80は、インタークーラ90及びオイルクーラ85と冷却ファン40の間に配置され、ラジエータ80の外側には、インタークーラ90及びオイルクーラ85を取付ける支持部材83が設けられ、ラジエータ80の内側には、後述する冷却ファン40の吸入効率を高めるため、冷却ファン40を取り囲むシュラウド81が設けられている。
シュラウド81の形状は、冷却ファン40の外周に沿わせて円形状あるいは多角形状に形成し、冷却ファン40による外気の吸入の抵抗を小さくするため薄板状の鋼板により成形加工するのが好適である。
冷却ファン40は、正転駆動状態にあっては、エンジンカバー11の濾過体12を介して外側から内側に外気を吸入し、ラジエータ80及びエンジン20を冷却し、逆転駆動状態にあっては、エンジンカバー11の濾過体12を介して機体内側から機体外側に内気を排気し、濾過体12に付着した藁屑、塵埃等を除去する機器である。
冷却ファン40は、羽根40Aと羽根40Aの基部を支持する中心部40Bにより構成され、冷却ファン40の中心部40Bには、内側に伸びる入力軸41が取付けられ、入力軸41の内側端部には、プーリ42が軸支されている。なお、冷却ファン40の入力軸41は、ベアリング43を介して、後述するウオータポンプ70の入力軸(中間軸)71に回転自在に軸支されている。
油圧式無段変速装置30は、冷却ファン40の駆動状態の切換え、油圧式無段変速装置30の入力軸31に伝動されたエンジン20の回転(動力)の増減速を行なう機器である。油圧式無段変速装置30は、エンジンルーム10の操作フレームとエンジンリアフレームに両端部が固定されている上部補強フレームに設けられたブラケットに取付けられ、エンジン20の上方前側に配置されている。
油圧式無段変速装置30の外側には、エンジン20の回転が伝動されるプーリ32を軸支する入力軸31が設けられ、油圧式無段変速装置30の内側には、油圧式無段変速装置30で増減速された回転を出力するギアボックスが設けられている。
ギアボックスは、増減速された回転を出力する出力軸33と、出力軸33に軸支されたギア34と、中間軸35と、中間軸35に軸支されたギア36と、回転を伝動する出力軸38と、中間軸38に軸支されたギア37から構成され、ギア34とギア36及びギア36とギア37が相互に噛合している。なお、第1構成にあっては、同一のモジュール径を有するギア34,36,37を用いているが、モジュール径が異なるギア34,36,37を用いることもでき、この場合、ギアボックスにおいても回転の増減速を行なうことができる。
油圧式無段変速装置30の機種により異なるが、第1構成の油圧式無段変速装置30にあっては、冷却ファン40を正転駆動状態にするには、キャビン9に設けられた操作レバーで遠隔操作される操作ロッド117を短縮させ、油圧式無段変速装置30のトラニオン軸115に軸支されたアーム116を時計方向に回動させ、冷却ファン40を逆転駆動状態にするには、操作ロッド117を伸張させ、油圧式無段変速装置30のトラニオン軸115に軸支されたアーム116を反時計方向に回転させることにより行なう。
また、冷却ファン40を非駆動状態にするには、操作ロッド117を中立位置に戻し、油圧式無段変速装置30のトラニオン軸115に軸支されたアーム116を12時の時計方向に位置させることにより行なう。
図11に示すように、油圧式無段変速装置30の流入管110及び流出管111は、それぞれ油圧バルブ装置200とオイルクーラ85の間の油圧回路に接続されている。油圧式無段変速装置30から流出した駆動オイルは、オイルクーラ85で冷却されるため、油圧式無段変速装置30に専用の冷媒用チャージポンプを設ける必要はない。
駆動用オイルは、オイルタンク201から浮遊物等を除去するフィルタ202を介して走行用油圧式無段変速装置151に流入し、走行用油圧式無段変速装置151に流入した一部の駆動用オイルは、走行用油圧式無段変速装置151から昇降用シリンダ及びミッションを駆動する作業バルブを有する油圧バルブ装置200に流入し、その後、油圧バルブ装置200から油圧式無段変速装置30とオイルクーラ85を介して再びオイルタンク201に流入する。
また、走行用油圧式無段変速装置151に流入した一部の駆動用オイルは、走行用油圧式無段変速装置151からフィルタ202と分流バルブ204を介して刈取用油圧式無段変速装置191に流入し、その後、刈取用油圧式無段変速装置191からオイルタンク201に流入する。
(油圧式無段変速装置30の構成)
図12に示すように、油圧式無段変速装置30は、入力軸31に接続された可変容量式油圧ポンプ(請求項における「油圧ポンプ」)112と、出力軸33に接続された固定容量式油圧モータ(請求項における「油圧モータ」)113を有する。入力軸31に伝動された回転を増減速し出力軸33に出力するには、キャビン9に設けられた操作レバーで遠隔操作される可変容量式油圧ポンプ112の斜板44の傾斜角度を変更する。
また、上記可変容量式油圧ポンプ112と固定容量式油圧モータ113の間を、可変容量式油圧ポンプ112に一端を連通する第1油路30Aおよび第2油路30Bと、固定容量式油圧モータ113に一端を連通する第3油路30Cおよび第4油路30Dで接続して閉回路を構成する。
そして、上記第1油路30Aおよび第2油路30Bの他端と、第3油路30Cおよび第4油路30Dの他端とを、方向切換弁(請求項における「切換弁」)30Eを介して接続する。
上記方向切換弁30Eは、第1油路30Aの他端と第3油路30Cの他端を連通させると共に第2油路30Bの他端と第4油路30Dの他端を連通させる第1ブロックAと、第1油路30Aの他端と第4油路30Dの他端を連通させると共に第2油路30Bの他端と第3油路30Cの他端を連通させる第2ブロックBを備える。
上記第2ブロックB側にはプッシュピン作動用のソレノイドCを備え、第1ブロックA側にリターンスプリングDを備える。これにより、ソノレイドCに通電されない状態では、方向切換弁30Eは、リターンスプリングDによって図示右方へスライドした初期位置に保持される。エンジン20の始動操作時にも、この状態が維持されており、エンジン20が停止した場合にも、この状態に復帰する。
(油圧式無段変速装置30の作動)
上記の構成により、可変容量式油圧ポンプ112の吐き出し側のポートから第1油路30Aに送油された作動油は、方向切換弁30Eの第1ブロックAを経て第3油路30Cを通過し、固定容量式油圧モータ113の一側のポートに流入して出力軸113を正転駆動する。
固定容量式油圧モータ113の他側のポートから流出した作動油は、第4油路30Dから方向切換弁30Eの第1ブロックAを経て第2油路30Bを通過し、可変容量式油圧ポンプ112の吸い込み側のポートに吸入される。このようにして、油圧式無段変速装置30の閉回路内の作動油が循環する。
一方、ソレイイドCへの通電により、方向切換弁30Eが図示左方へスライドすると、可変容量式油圧ポンプ112の吐き出し側のポートから第1油路30Aに送油された作動油は、方向切換弁30Eの第2ブロックBを経て第4油路30Dを通過し、固定容量式油圧モータ113の他側のポートに流入して出力軸113を逆転駆動する。
固定容量式油圧モータ113の一側のポートから流出した作動油は、第3油路30Cから方向切換弁30Eの第2ブロックBを経て第2油路30Bを通過し、可変容量式油圧ポンプ112の吸い込み側のポートに吸入される。このようにして、油圧式無段変速装置30の閉回路内の作動油が循環する。
(アキュムレータの接続)
図12に示すように、上記第3油路30Cと第4油路30Dに、油圧式無段変速装置30内の閉回路内に発生する衝撃圧を吸収してこの閉回路内の圧力変動を緩衝するアキュムレータ(蓄圧器)ACをそれぞれ接続する。これにより、固定容量式油圧モータ113が正転から逆転に切り換わる際に、ファン40の慣性エネルギー等によって発生する閉回路内の衝撃圧を吸収し、油路や伝動機構の破損を防止することができる。
また、このアキュムレータACは、上記第3油路30Cと第4油路30Dの両方の油路に接続されているので、ファン40を正転状態から逆転状態に切り換える場合と、逆転状態から正転状態に切り換える場合とのいずれの場合でも、方向切換弁30Eの作動による閉回路内の圧力変動が2つのアキュムレータACによって緩衝され、油圧式無段変速装置30の出力軸やファン40の回転軸などに掛かる負荷が低減し、原動部の耐久性が向上する。
また、この2つのアキュムレータACが、閉回路における方向切換弁30Eを接続した部位よりも油圧モータ113側の部位となる第3油路30Cと第4油路30Dに接続されているので、油圧モータ113の出力軸に掛かる負荷によって生じる圧力変動が方向切換弁30Eに作用しにくくなり、この方向切換弁30Eの耐久性が向上する。
なお、第1構成の油圧式無段変速装置30にあっては、出力軸31に固定容量式油圧モータ113を接続しているが、可変容量式油圧モータを用いることもでき、この場合、可変容量式油圧ポンプ112からの送油方向が一定のままでも、この可変容量式油圧モータの斜板角度を反転させることで、出力軸33を逆転駆動してファン40を逆転させることができる。
(エンジンの動力伝達系)
図9に示すように、エンジン20の回転を発電機を起動するジェネレータ60及び冷却水をエンジン20に循環させるウオータポンプ70に伝動するため、エンジン20の出力軸21に軸支され出力軸21と一体となって回転するプーリ22と、ジェネレータ60の入力軸61に軸支され入力軸61と一体となって回転するプーリ62と、ウオータポンプ70の入力軸71に軸支され入力軸71と一体となって回転するプーリ72には、ベルト51が巻き掛けられている。
ウオータポンプ70の入力軸71に伝動されたエンジン20の回転を冷却ファン40の駆動状態の切換え及び回転の増減速を行なう油圧式無段変速装置30に伝動するため、ウオータポンプ70の入力軸71に軸支され入力軸71と一体となって回転するプーリ73と、油圧式無段変速装置30の入力軸31に軸支され入力軸31と一体となって回転するプーリ32には、ベルト52が巻き掛けられている。
また、油圧式無段変速装置30の入力軸31に伝動されたエンジン20の回転は、油圧式無段変速装置30の内部で回転方向が切換え、また、増減速され、油圧式無段変速装置30の出力軸33に伝動され、相互に噛合いするキア34,36,37を介して出力軸38に伝動される。
油圧式無段変速装置30の出力軸38に伝動されたエンジン20の回転を冷却ファン40に伝動するため、油圧式無段変速装置30の出力軸38に軸支され出力軸38と一体となって回転するプーリ39と、冷却ファン40の入力軸41に軸支され入力軸41と一体となって回転するプーリ42には、ベルト53が巻き掛けられている。
また、冷却ファン40の入力軸41は、ベアリング43を介してウオータポンプ70の入力軸71に回転自在に軸支されている。
図7、図8に示すように、ベルト52のテンションは、テンションクラッチ130により調整することができる。一方、ベルト53のテンションは、常時アーム141の先端に取付けられたテンションローラ140により押圧され緊張している。
テンションクラッチ130は、ベルト52を押圧するテンションローラ131と、テンションローラ131を支持し支持部材133を中心に回動するアーム132と、支持部材133を中心に回動する電動モータ136と、電動モータ136の出力軸に取付けられクランク運動を行なう連結部材135と、アーム132と連結部材135を連結するコイルスプリング134より構成されている。
ベルト52のテンションを緩めるには、キャビン9に設けられた操作レバーで遠隔操作される電動モータ136を回動し連結部材135を前側に移動させ、支持部材133を中心にアーム132を時計方向に回動しテンションローラ131の押圧を弱めることにより行なう。一方、ベルト52のテンションを強めるには、電動モータ136を回動し連結部材135を後側に移動させ、支持部材133を中心にアーム132を反時計方向に回動しテンションローラ131の押圧を強めることにより行なう。
油圧式無段変速装置30における冷却ファン40の駆動状態時に同期させベルト52のテンションを緩めることが好適であり、このような場合、冷却ファン40の駆動状態の切換えがスムーズに行なえ、また、ベルト52の耐久性も向上する。
(コンバインの動力伝達系)
図10に示すように、エンジン20の回転を走行用油圧式無段変速装置151に伝動するため、エンジン20の回転は、エンジン20の出力軸21に軸支され出力軸と一体となって回転するプーリ23と、トランスミッション150の入力軸に軸支され、入力軸と一体となって回転するプーリ152には、ベルトが巻き掛けられている。
また、トランスミッション150の入力軸に伝動されたエンジン20の回転は、トランスミッション150の出力軸を介して走行用油圧式無段変速装置151に伝動される。
エンジン20の回転を選別装置部185に伝動するため、エンジン20の出力軸21に軸支されたプーリ23と、ギアボックス163の入力軸162に軸支され入力軸162と一体となって回転するプーリ161には、ベルトが巻き掛けられている。なお、脱穀クラッチ160が入力された場合に限り、エンジン20の回転は、プーリ161に伝動される。
プーリ161に伝動されたエンジン20の回転は、ギアボックス163の中間軸165に軸支され中間軸165と一体となって回転するプーリ166に伝動される。
プーリ166と、選別装置部185の入力軸186に軸支され入力軸186と一体となって回転するプーリには、ベルトが巻き掛けられており、プーリ166に伝動されたエンジン20の回転は、選別装置部185に伝動される。
エンジン20の回転を脱穀装置部180に伝動するため、プーリ161に伝動されたエンジン20の回転は、ギアボックス163の出力軸167に軸支され出力軸167と一体となって回転するプーリ168に伝動される。
プーリ168と、脱穀装置部180の入力軸181に軸支され入力軸181と一体となって回転するプーリ182には、ベルトが巻き掛けられており、プーリ168に伝動されたエンジン20の回転は、脱穀装置部180に伝動される。
エンジン20の回転を刈取装置部190に伝動するため、プーリ161に伝動されたエンジン20の回転は、ギアボックス163の出力軸169を介して刈取用油圧式無段変速装置191に伝動される。
刈取用油圧式無段変速装置191に伝動されたエンジン20の回転は、出力軸192に伝動され、複数の相互に噛合うギア193を介して、刈取装置部190の入力軸195に伝動され刈取装置部190に伝動される。
第1構成にあっては、油圧式無段変速装置30をエンジンルーム10の冷却ファン40と重ならない周辺部のエンジン20の上方前側に配置していることから、油圧式無段変速機30が障害とならず、冷却ファン40により吸入された外気によりエンジン20の冷却効率を高めることができ、ベルト51,52,53がエンジン20及び油圧式無段変速装置30の外側に配置されていることから、エンジンルーム10のエンジンカバー11を開放することにより保守・点検を容易に行なうことができる。
また、キャビン9を開放することにより、油圧式無段変速機30の保守・点検を容易に行なうことができる。
さらに、ウオータポンプ70の入力軸71に対してプーリ22,62,72に巻き掛けされたベルト51による下方後側への引張力と、ウオータポンプ70の入力軸71に対してプーリ32,73に巻き掛けされたベルト52による上方前側への引張力とが相殺することにより、ウオータポンプ70の入力軸71に生じる撓みを抑制することができる。
(原動部の第2構成)
次に、本発明の作業車輌の原動部の第2構成について説明する。なお、第1構成と同一部材には同一符号を付し重複した説明は省略する。
図14に示すように、第2構成では、エンジンルーム10のエンジンカバー11の内側には、外側から順に、インタークーラ90、オイルクーラ85、ラジエータ80、冷却ファン40、エンジン20が配置され、エンジンルーム10のエンジン20の上方後側に油圧式無段変速装置30が配置されている。
インタークーラ90は、エンジン20の燃焼効率を高めるため、燃焼用の混合気を冷却する機器であり、エンジン11の吸気経路であるマニホールド93に接続されている。
オイルクーラ85は、昇降用シリンダ及びミッションの駆動用オイルを冷却する機器であり、インタークーラ90の下方のラジエータ80の外側に設けられた支持部材83に取付けられている。
ラジエータ80は、エンジン11により加熱された冷却水を冷却する機器であり、エンジン11の冷却水経路であるマニホールド82に接続されている。
冷却ファン40は、羽根40Aと羽根40Aの基部を支持する中心部40Bにより構成され、冷却ファン40の中心部40Bには、内側に伸びる入力軸41が取付けられ、入力軸41の内側端部には、プーリ42が軸支されている。
油圧式無段変速装置30は、冷却ファン40の駆動状態の切換え及び油圧式無段変速装置30の入力軸31に伝動されたエンジン20の回転(動力)の増減速を行なう機器である。油圧式無段変速装置30は、エンジンルーム10の操作フレームとエンジンリアフレームに両端部が固定されている上部補強フレームに設けられたブラケットに取付けられ、エンジンルーム10のエンジン20の上方後側に配置されている。
第2構成にあっては、油圧式無段変速装置30をエンジンルーム10の冷却ファン40と重ならない周辺部のエンジン20の上方後側に配置していることから、油圧式無段変速機30が障害とならず、冷却ファン40により吸入された外気によりエンジン20の冷却効率を高めることができ、ベルト51,52,53がエンジン20及び油圧式無段変速装置30の外側に配置されていることから、エンジンルーム10のエンジンカバー11を開放することにより保守・点検を容易に行なうことができる。
また、グレンタンク9を開放することにより、油圧式無段変速機30の保守・点検を容易に行なうことができる。
さらに、エンジン20により油圧式無段変速機30で発生する騒音が遮断されることから、キャビン9に着座している操作者に伝わる騒音を低減することができる。
(原動部の第3構成)
次に、本発明の作業車輌の原動部の第3構成について説明する。なお、第1構成と同一部材には同一符号を付し重複した説明は省略する。
図15に示すように、第3構成では、エンジンルーム10のエンジンカバー11の内側には、外側から順に、インタークーラ90、オイルクーラ85、ラジエータ80、冷却ファン40、エンジン20が配置され、エンジンルーム10のエンジン20の下方前側に油圧式無段変速装置30が配置されている。
インタークーラ90は、エンジン20の燃焼効率を高めるため、燃焼用の混合気を冷却する機器であり、エンジン11の吸気経路であるマニホールド93に接続されている。
オイルクーラ85は、昇降用シリンダ及びミッションの駆動用オイルを冷却する機器であり、インタークーラ90の下方のラジエータ80の外側に設けられた支持部材83に取付けられている。
ラジエータ80は、エンジン11により加熱された冷却水を冷却する機器であり、エンジン11の冷却水経路であるマニホールド82に接続されている。
冷却ファン40は、羽根40Aと羽根40Aの基部を支持する中心部40Bにより構成され、冷却ファン40の中心部40Bには、内側に伸びる入力軸41が取付けられ、入力軸41の内側端部には、プーリ42が軸支されている。
油圧式無段変速装置30は、冷却ファン40の駆動状態の切換え、油圧式無段変速装置30の入力軸31に伝動されたエンジン20の回転(動力)の増減速を行なう機器である。油圧式無段変速装置30は、エンジンルーム10の操作フレームに設けられたブラケットに取付けられ、エンジンルーム10のエンジン20の下方前側に配置されている。
第3構成にあっては、油圧式無段変速装置30をエンジンルーム10の冷却ファン40と重ならない周辺部のエンジン20の下方前側に配置していることから、油圧式無段変速機30が障害とならず、冷却ファン40により吸入された外気によりエンジン20の冷却効率を高めることができ、ベルト51,52,53がエンジン20及び油圧式無段変速装置30の外側に配置されていることから、エンジンルーム10のエンジンカバー11を開放することにより保守・点検を容易に行なうことができる。
また、キャビン9に着座している操作者と油圧式無段変速機30との距離が離れていることから、操作者への伝わる油圧式無段変速機30の騒音を低減することができる。
さらに、油圧式無段変速装置30は、ブラケットを介して操作フレームに強固に取付けることができる。
(原動部の第4構成)
次に、本発明の作業車輌の原動部の第4構成について説明する。なお、第1構成と同一部材には同一符号を付し重複した説明は省略する。
図16に示すように、第4構成では、エンジンルーム10のエンジンカバー11の内側には、外側から順に、インタークーラ90、オイルクーラ85、ラジエータ80、冷却ファン40、エンジン20が配置され、エンジンルーム10のエンジン20の下方後側に油圧式無段変速装置30が配置されている。
インタークーラ90は、エンジン20の燃焼効率を高めるため、燃焼用の混合気を冷却する機器であり、エンジン11の吸気経路であるマニホールド93に接続されている。
オイルクーラ85は、昇降用シリンダ及びミッションの駆動用オイルを冷却する機器であり、インタークーラ90の下方のラジエータ80の外側に設けられた支持部材83に取付けられている。
ラジエータ80は、エンジン11により加熱された冷却水を冷却する機器であり、エンジン11の冷却水経路であるマニホールド82に接続されている。
冷却ファン40は、羽根40Aと羽根40Aの基部を支持する中心部40Bにより構成され、冷却ファン40の中心部40Bには、内側に伸びる入力軸41が取付けられ、入力軸41の内側端部には、プーリ42が軸支されている。
油圧式無段変速装置30は、冷却ファン40の駆動状態の切換え、油圧式無段変速装置30の入力軸31に伝動されたエンジン20の回転(動力)の増減速を行なう機器である。油圧式無段変速装置30は、エンジンルーム10のエンジンリアフレームに設けられたブラケットに取付けられ、エンジンルーム10のエンジン20の下方後側に配置されている。
第4構成にあっては、油圧式無段変速装置30をエンジンルーム10の冷却ファン40と重ならない周辺部のエンジン20の下方後側に配置していることから、油圧式無段変速機30が障害とならず、冷却ファン40により吸入された外気によりエンジン20の冷却効率を高めることができ、ベルト51,52,53がエンジン20及び油圧式無段変速装置30の外側に配置されていることから、エンジンルーム10のエンジンカバー11を開放することにより保守・点検を容易に行なうことができる。
また、グレンタンク9を開放することにより、油圧式無段変速機30の保守・点検を容易に行なうことができる。
さらに、キャビン9に着座している操作者と油圧式無段変速機30との距離が離れていることから、操作者への伝わる油圧式無段変速機30の騒音を低減することができる。
(原動部の第5構成)
次に、本発明の作業車輌の原動部の第5構成について説明する。なお、第1構成と同一部材には同一符号を付し重複した説明は省略する。
図17に示すように、第5構成では、エンジンルーム10のエンジンカバー11の内側には、外側から順に、インタークーラ90、オイルクーラ85、ラジエータ80、冷却ファン40、エンジン20が配置され、エンジン20の下方後側であってエンジンルーム10の後側部に油圧式無段変速装置30が配置されている。
インタークーラ90は、エンジン20の燃焼効率を高めるため、燃焼用の混合気を冷却する機器であり、エンジン11の吸気経路であるマニホールド93に接続されている。
オイルクーラ85は、昇降用シリンダ及びミッションの駆動用オイルを冷却する機器であり、インタークーラ90の下方のラジエータ80の外側に設けられた支持部材83に取付けられている。
ラジエータ80は、エンジン11により加熱された冷却水を冷却する機器であり、エンジン11の冷却水経路であるマニホールド82に接続されている。
冷却ファン40は、羽根40Aと羽根40Aの基部を支持する中心部40Bにより構成され、冷却ファン40の中心部40Bには、内側に伸びる入力軸41が取付けられ、入力軸41の内側端部には、プーリ42が軸支されている。
油圧式無段変速装置30は、冷却ファン40の駆動状態の切換え、油圧式無段変速装置30の入力軸31に伝動されたエンジン20の回転(動力)の増減速を行なう機器である。油圧式無段変速装置30は、エンジンルーム10のエンジンリアフレームに設けられたエンジンルーム10の後側に張出したブラケットに取付けられ、エンジンルーム10のエンジン20の下方であってエンジンルーム10の後側に配置されている。
第5構成にあっては、油圧式無段変速装置30をエンジンルーム10の冷却ファン40と重ならない周辺部のエンジン20の下方後側に配置していることから、油圧式無段変速機30が障害とならず、冷却ファン40により吸入された外気によりエンジン20の冷却効率を高めることができ、ベルト51,52,53がエンジン20及び油圧式無段変速装置30の外側に配置されていることから、エンジンルーム10のエンジンカバー11を開放することにより保守・点検を容易に行なうことができる。
また、グレンタンク9を開放することにより、油圧式無段変速機30の保守・点検を容易に行なうことができる。
さらに、キャビン9に着座している操作者と油圧式無段変速機30との距離が離れていることから、操作者への伝わる油圧式無段変速機30の騒音を低減することができる。
(原動部の第6構成)
次に、本発明の作業車輌の原動部の第6構成について説明する。なお、第1構成と同一部材には同一符号を付し重複した説明は省略する。
図18に示すように、第6構成では、エンジンルーム10のエンジンカバー11の内側には、外側から順に、インタークーラ90、オイルクーラ85、ラジエータ80、冷却ファン40、エンジン20が配置され、エンジン20の下方前側であってエンジンルーム10の前側のキャビン9のステップ95の下方部に油圧式無段変速装置30が配置されている。
インタークーラ90は、エンジン20の燃焼効率を高めるため、燃焼用の混合気を冷却する機器であり、エンジン11の吸気経路であるマニホールド93に接続されている。
オイルクーラ85は、昇降用シリンダ及びミッションの駆動用オイルを冷却する機器であり、インタークーラ90の下方のラジエータ80の外側に設けられた支持部材83に取付けられている。
ラジエータ80は、エンジン11により加熱された冷却水を冷却する機器であり、エンジン11の冷却水経路であるマニホールド82に接続されている。
冷却ファン40は、羽根40Aと羽根40Aの基部を支持する中心部40Bにより構成され、冷却ファン40の中心部40Bには、内側に伸びる入力軸41が取付けられ、入力軸41の内側端部には、プーリ42が軸支されている。
油圧式無段変速装置30は、冷却ファン40の駆動状態の切換え及び油圧式無段変速装置30の入力軸31に伝動されたエンジン20の回転(動力)の増減速を行なう機器である。油圧式無段変速装置30は、エンジンルーム10の操作フレームに設けられたエンジンルーム10の前側に張出したブラケットに取付けられ、エンジンルーム10のエンジン20の下方であってエンジンルーム10の前側のキャビン9のステップ95の下方に配置されている。
第6構成にあっては、油圧式無段変速装置30をエンジンルーム10の冷却ファン40と重ならない周辺部のエンジン20の下方前側に配置していることから、油圧式無段変速機30が障害とならず、冷却ファン40により吸入された外気によりエンジン20の冷却効率を高めることができ、ベルト51,52,53がエンジン20及び油圧式無段変速装置30の外側に配置されていることから、エンジンルーム10のエンジンカバー11を開放することにより保守・点検を容易に行なうことができる。
また、ステップ95の開放部より油圧式無段変速機30の保守・点検を容易に行なうことができる。
さらに、キャビン9に着座している操作者と油圧式無段変速機30との距離が離れていることから、操作者への伝わる油圧式無段変速機30の騒音を低減することができる。
(原動部の第7構成)
次に、本発明の作業車輌の原動部の第7構成について説明する。なお、第1構成と同一部材には同一符号を付し重複した説明は省略する。
図19に示すように、第7構成では、エンジンルーム10のエンジンカバー11の内側には、外側から順に、インタークーラ90、オイルクーラ85、ラジエータ80、冷却ファン40、エンジン20が配置され、エンジンルーム10のエンジン20の上方前側であってエンジン20の内側に油圧式無段変速装置30が配置されている。
インタークーラ90は、エンジン20の燃焼効率を高めるため、燃焼用の混合気を冷却する機器であり、エンジン11の吸気経路であるマニホールド93に接続されている。
オイルクーラ85は、昇降用シリンダ及びミッションの駆動用オイルを冷却する機器であり、インタークーラ90の下方のラジエータ80の外側に設けられた支持部材83に取付けられている。
ラジエータ80は、エンジン11により加熱された冷却水を冷却する機器であり、エンジン11の冷却水経路であるマニホールド82に接続されている。
冷却ファン40は、羽根40Aと羽根40Aの基部を支持する中心部40Bにより構成され、冷却ファン40の中心部40Bには、内側に伸びる入力軸41が取付けられ、入力軸41の内側端部には、プーリ42が軸支されている。
尚、上記中心部40Bと入力字ク41の間に摩擦式のトルクリミッタを介装してもよい。
油圧式無段変速装置30は、冷却ファン40の駆動状態の切換え及び油圧式無段変速装置30の入力軸31に伝動されたエンジン20の回転(動力)の増減速を行なう機器である。油圧式無段変速装置30は、エンジンルーム10の操作フレームとエンジンリアフレームに両端部が固定されている上部補強フレームに設けられたブラケットに取付けられ、エンジン20の上方前側であってエンジン20の内側(左側)に配置されている。
(第7構成のエンジンの動力伝達系)
図20に示すように、エンジン20の回転を発電機を起動するジェネレータ60及び冷却水をエンジン20に循環させるウオータポンプ70に伝動するため、エンジン20の出力軸21に軸支され出力軸21と一体となって回転するプーリ22と、ジェネレータ60の入力軸61に軸支され入力軸61と一体となって回転するプーリ62と、ウオータポンプ70の入力軸71に軸支され入力軸71と一体となって回転するプーリ72には、ベルト51が巻き掛けられている。
エンジン20の回転を冷却ファン40の駆動状態の切換え及び回転の増減速を行なう油圧式無段変速装置30に伝動するため、エンジン20の出力軸と、油圧式無段変速装置30の入力軸31に軸支され入力軸31と一体となって回転するプーリ32には、ベルト54が巻き掛けられている。
また、油圧式無段変速装置30の入力軸31に伝動されたエンジン20の回転は、油圧式無段変速装置30の内部で回転方向が切換え、また、増減速され、油圧式無段変速装置30の出力軸33に伝動され、相互に噛合いするキア34,36,37を介して出力軸38に伝動される。
油圧式無段変速装置30の出力軸38に伝動されたエンジン20の回転を冷却ファン40に伝動するため、油圧式無段変速装置30の出力軸38に軸支され出力軸38と一体となって回転するプーリ39と、冷却ファン40の入力軸31に軸支され入力軸41と一体となって回転するプーリ42には、ベルト53が巻き掛けられている。
また、冷却ファン40の入力軸31は、ベアリング43を介してウオータポンプ70の入力軸71に回転自在に軸支されている。
第7構成にあっては、油圧式無段変速装置30をエンジンルーム10の冷却ファン40と重ならない周辺部のエンジン20の下方前側に配置していることから、油圧式無段変速機30が障害とならず、冷却ファン40により吸入された外気によりエンジン20の冷却効率を高めることができる。
また、エンジン20の上方前側であってエンジン20の内側のエンジンルーム10の空間を有効利用できる。
さらに、キャビン9を開放することにより、油圧式無段変速機30の保守・点検を容易に行なうことができる。
(センサー類)
しかして、図4に示すように、キャビン(操縦部)9内における操作席101の前方下方には、ステップ102が設けられており、このステップ102の前側上部には、踏み込み式のペダル(操作具)100が配置されている。
このペダル100は、その基部を左右方向の軸103で上下回動自在に軸支されると共に上昇回動側に弾発付勢されており、この軸103近傍の部位には、ペダル100の上下回動位置(踏み込み操作位置)を検出するペダルポジションセンサ104が設けられている。
また、図示を省略しているが、油圧式無段変速装置30のトラニオン軸115の近傍の部位には、このトラニオン軸115の回動位置を検出するトラニオンポジションセンサ105が設けられている。これに加えて、トラニオン軸115の正転側最大回動位置を規制する正転側リミットスイッチ106と、トラニオン邇区115の逆転側最大回動位置を規制する逆転側リミットスイッチ107が設けられる。
また、上述のラジエータ80には、このラジエータ80内の冷却水の温度を検出する水温センサ108が設けられ、エンジン20からの排気経路には、排気ガスの温度を検出する排気温度センサ109が設けられている。
また、走行用油圧式無段変速装置151で駆動される走行用のミッション内の伝動軸には、この伝動軸の回転速度から車速を検出するフォトカプラ式または電磁ピックアップ式の車速センサ110が設けられている。
(制御装置の第1構成)
そして、図21に示すように、制御用のコントローラ111に対して、その入力側には、エンジン20を始動操作するメインキースイッチMKと、ペダルポジションセンサ104と、トラニオンポジションセンサ105と、正転側リミットスイッチ106と、逆転側リミットスイッチ107と、水温センサ108と、排気温度センサ109と、車速センサ110が接続されている。また、コントローラ111の出力側には、トラニオン軸115に取り付けたアーム116を回動させる電動モータ制御用の増速側リレー113及び減速側リレー114が接続されている。また、コントローラ111と相互通信可能に、タイマー回路115が接続されている。
以上により、制御装置116が構成される。
この構成により、メインキースイッチMKを操作して制御装置116の電源を入れ、エンジン20のセルモータを駆動すると、エンジン20が始動する。
このとき、タイマー回路115によって計時が始まると共に、制御装置116から増速側リレー113への出力によって電動モータが正転駆動し、トラニオン軸115が正転側の設定回動位置まで回動される。このトラニオン軸115の回動位置は、トラニオンポジションセンサ105によって検出され、上記の設定回動位置に合うようフィードバック制御される。これによって、油圧式無段変速装置30が正転出力し、ファン40が正転駆動して、濾過体12を介して外気が吸入され、ラジエータ80及びエンジン20が冷却される冷却状態となる。
そして、上記のタイマー回路115からのクロック信号によって、冷却状態が設定時間継続したことが判定されると、制御装置116から減速側リレー114への出力によって電動モータが逆転駆動し、トラニオン軸115が逆転側の設定回動位置まで回動される。このトラニオン軸115の回動位置は、トラニオンポジションセンサ105によって検出され、上記の設定回動位置に合うようフィードバック制御される。これによって、油圧式無段変速装置30が逆転出力し、ファン40が逆転駆動して、エンジンルーム内の空気を濾過体12の内側から外側へ吹き出し、この濾過体12に付着していた塵埃を除去する除塵状態となる。これによって、外気の吸入効率が維持されてエンジンの出力が低下しにくくなり、作業能率が高まる。
尚、上記電動モータによるトラニオン軸115の回動操作は、所定の時間をかけて緩速で行われる構成とし、ファン40が、正転状態から所定の時間をかけて逆転状態に至るように構成してもよい。
しかして、上述の冷却状態であっても、操縦部9に備えたペダル100を踏み込み操作し、この踏み込み位置が設定された位置に達したことがペダルポジションセンサ104で検出されると、制御装置116から減速側リレー114への出力によって電動モータが逆転駆動し、トラニオン軸115が逆転側の設定回動位置まで回動され、油圧式無段変速装置30が逆転出力し、ファン40が逆転駆動して、エンジンルーム内の空気を濾過体12の内側から外側へ吹き出し、この濾過体12に付着していた塵埃を除去する除塵状態となる。即ち、制御装置116によるファン40の正転制御に対して、ペダル100によるファン40の逆転操作が優先される関係に設定している。
また、上述の冷却状態であっても、水温センサ108によってラジエータ80の冷却水の温度が設定温度よりも高くなったことが検出された場合には、制御装置116から減速側リレー114への出力によって電動モータが逆転駆動し、トラニオン軸115が逆転側の設定回動位置まで回動され、油圧式無段変速装置30が逆転出力し、ファン40が逆転駆動して、エンジンルーム内の空気を濾過体12の内側から外側へ吹き出し、この濾過体12に付着していた塵埃を除去する除塵状態となる。
また、上述の冷却状態であっても、排気温度センサ109によってエンジン20の排気ガスの温度が設定温度よりも高くなったことが検出された場合には、制御装置116から減速側リレー114への出力によって電動モータが逆転駆動し、トラニオン軸115が逆転側の設定回動位置まで回動され、油圧式無段変速装置30が逆転出力し、ファン40が逆転駆動して、エンジンルーム内の空気を濾過体12の内側から外側へ吹き出し、この濾過体12に付着していた塵埃を除去する除塵状態となる。
尚、上述のペダル100に替えて、操向操作レバーのノブや変速レバーのノブに、油圧式無段変速装置30を任意に変速操作する操作スイッチを設けてもよい。
(制御装置の第2構成)
また、図22に示すように、上記のコントローラ111の入力側に、ミッションから右側に延出する右側車軸の回転数を検出する右側車軸回転数センサ117と、ミッションから左側に延出する左側車軸の回転数を検出する左側車軸回転数センサ118を接続する。
これにより、メインキースイッチMKを操作して制御装置116の電源を入れ、エンジン20のセルモータを駆動すると、エンジン20が始動する。
このとき、タイマー回路115によって計時が始まると共に、制御装置116から増速側リレー113への出力によって電動モータが正転駆動し、トラニオン軸115が正転側の設定回動位置まで回動される。このトラニオン軸115の回動位置は、トラニオンポジションセンサ105によって検出され、上記の設定回動位置に合うようフィードバック制御される。これによって、油圧式無段変速装置30が正転出力し、ファン40が正転駆動して、濾過体12を介して外気が吸入され、ラジエータ80及びエンジン20が冷却される冷却状態となる。
そして、上記のタイマー回路115からのクロック信号によって、冷却状態が設定時間継続したことが判定されると、制御装置116から減速側リレー114への出力によって電動モータが逆転駆動し、トラニオン軸115が逆転側の設定回動位置まで回動される。このトラニオン軸115の回動位置は、トラニオンポジションセンサ105によって検出され、上記の設定回動位置に合うようフィードバック制御される。これによって、油圧式無段変速装置30が逆転出力し、ファン40が逆転駆動して、エンジンルーム内の空気を濾過体12の内側から外側へ吹き出し、この濾過体12に付着していた塵埃を除去する除塵状態となる。これによって、外気の吸入効率が維持されてエンジンの出力が低下しにくくなり、作業能率が高まる。
しかして、上述の冷却状態であっても、機体の旋回が開始され、右側車軸回転数センサ117で検出される右側車軸の単位時間当たりの回転数と、左側車軸回転数センサ118で検出される左側車軸の単位時間当たりの回転数とが異なる状態となった場合には、制御装置116から減速側リレー114への出力によって電動モータが逆転駆動し、トラニオン軸115が逆転側の設定回動位置まで回動され、油圧式無段変速装置30が逆転出力し、ファン40が逆転駆動して、エンジンルーム内の空気を濾過体12の内側から外側へ吹き出し、この濾過体12に付着していた塵埃を除去する除塵状態となる。即ち、制御装置116によるファン40の正転制御に対して、機体の旋回によるファン40の逆転制御が優先される関係に設定している。
また、上述の機体の旋回に基づくファン40の逆転制御は、この旋回が行なわれている間に亘って継続する構成としてもよく、または、この旋回が終了した時点で開始される構成としてもよく、または、この旋回が終了して直進走行が開始され、右側車軸回転数センサ117で検出される右側車軸の単位時間当たりの回転数と、左側車軸回転数センサ118で検出される左側車軸の単位時間当たりの回転数とが略等しくなった時点で開始される構成としてもよい。
これによって、機体が旋回した場合には、油圧式無段変速装置(30)が正転出力中であっても、これを逆転出力させてファン(40)を逆転駆動することで、この旋回中に濾過体(12)に付着している塵埃を除去し、エンジン(20)のオーバーヒートを防ぐことができる。
また、上述のようにファン40を正転駆動状態と逆転駆動状態とに切り換える時間間隔は、固定的に設定する構成に限らず、作業開始からの作業継続時間に応じて可変してもよい。
即ち、メインキースイッチMKを操作してエンジン20を始動した時点から、タイマー回路115による計時を開始し、これによる計時時間が増加するほど、ファン40を正転駆動状態と逆転駆動状態とに切り換える時間間隔を短くするように設定してもよい。
これによって、作業の継続によって濾過体(12)上に蓄積される塵埃を、効率よく除去することができ、エンジン(20)のオーバーヒートを効果的に防止することができる。
(制御装置の第3構成)
また、図23に示すように、上記のコントローラ111の入力側に、刈取装置6の前端部に備えて刈取装置6前方の刈取対象穀稈を検出する穀稈センサ119と、車台2に対する刈取装置6の高さを検出する刈取ポテンショメータ120と、主変速レバーの傾動操作角度を検出する主変速ポテンショメータ121と、エンジン20の回転速度を検出するエンジン回転センサ122と、手扱ぎモードを選択する手扱ぎモードスイッチ123を接続する。また、コントローラ111の出力側には、方向切換弁30E作動用のソレノイドCを接続する。手扱ぎモードスイッチ123をONすると、エンジン20の回転速度が自動的に低下し、フィードチェンの駆動速度が手扱ぎ穀稈投入に適した速度に維持される。
これにより、メインキースイッチMKを操作して制御装置116の電源を入れ、エンジン20のセルモータを駆動すると、エンジン20が始動する。
このとき、コントローラ111からソレノイドCへ正方向の出力がなされ、ファン40を逆転させる側に切り換わっていた方向切換弁30Eが、ファン40を正転させる側に切り換わる。これと共に、タイマー回路115によって計時が始まり、制御装置116から増速側リレー113への出力によって電動モータを正転駆動し、トラニオン軸115が正転側の設定回動位置まで回動される。このトラニオン軸115の回動位置は、トラニオンポジションセンサ105によって検出され、上記の設定回動位置に合うようフィードバック制御される。これによって、油圧式無段変速装置30が正転出力し、ファン40が正転駆動して、濾過体12を介して外気が吸入され、ラジエータ80及びエンジン20が冷却される冷却状態となる。
そして、上記のタイマー回路115からのクロック信号によって、冷却状態が5分から10分程度の第1設定時間だけ継続したことが判定されると、コントローラ111からソレノイドCへ逆方向の出力がなされ、これによって、方向切換弁30Eが逆方向に切り換わり、油圧式無段変速装置30が逆転出力し、ファン40が逆転駆動して、エンジンルーム内の空気を濾過体12の内側から外側へ吹き出し、この濾過体12に付着していた塵埃を除去する除塵状態となる。これによって、外気の吸入効率が維持されてエンジンの出力が低下しにくくなり、作業能率が高まる。
上記の除塵状態が5秒から10秒程度の第2設定時間だけ継続したことが判定されると、再び、上記の冷却状態に復帰し、この冷却状態と除塵状態とが交互に反復される。
尚、上記のコントローラ111からソノレイドCへの出力は、所定時間継続されるパルス出力とし、方向切換弁30Eが所定の時間をかけて切り換わる構成としてもよい。
また、コントローラ111の入力側に、時間設定ダイヤルJSを接続し、上記の第1設定時間と第2設定時間との比率を、手動操作で任意に変更できる構成とするとよい。これにより、方向切換弁30Eが切換作動する時間間隔を、作業条件などに応じて任意に変更し、エンジン20の冷却効率の低下を少なくしてエンジン出力の低下を防ぎ、作業能率を高めることができる。
尚、ラジエータ80の冷却水の温度を検出する水温センサ108の検出結果に応じて、上記の第1設定時間と第2設定時間との比率が自動的に変更されるように構成してもよい。
圃場の一辺を刈取走行する間は、前記穀稈センサ119がONしており、この信号によってソレノイドCへは出力がなされず、可変容量式油圧ポンプ112の吐き出し側のポートから第1油路30Aに送油された作動油は、方向切換弁30Eの第1ブロックAを経て第3油路30Cを通過し、固定容量式油圧モータ113の一側のポートに流入して出力軸113を正転駆動する。これによって、ファン40は正転を継続し、エンジン20及びラジエータ80の冷却状態が維持される。
そして、圃場の一辺を刈り終え、穀稈センサ119がOFFすると、コントローラ111からソレノイドCへ出力がなされ、方向切換弁30Eが図示左方へスライドし、可変容量式油圧ポンプ112の吐き出し側のポートから第1油路30Aに送油された作動油は、方向切換弁30Eの第2ブロックBを経て第4油路30Dを通過し、固定容量式油圧モータ113の他側のポートに流入して出力軸113を逆転駆動する。これによって、ファン40は逆転し、濾過体12に吸着されていた塵埃が吹き飛ばされる。
尚、上記の穀稈センサ119に代えて、刈取装置6の左右両側部に穀稈センサを設け、刈取装置6の左右両側に未刈穀稈の存在を検出することで、コンバインによる圃場の中割り作業状態を判定する構成とし、この中割り作業状態が判定されている状態では、コントローラ111からソレノイドCへ出力がなされ、方向切換弁30Eが図示左方へスライドし、可変容量式油圧ポンプ112の吐き出し側のポートから第1油路30Aに送油された作動油は、方向切換弁30Eの第2ブロックBを経て第4油路30Dを通過し、固定容量式油圧モータ113の他側のポートに流入して出力軸113を逆転駆動する状態が維持される構成としてもよい。
また、圃場の一辺を刈取走行する間は、前記刈取ポテンショメータ120によって刈取装置6が刈取作業高さまで下降していることが検出されており、この信号によってソレノイドCへは出力がなされず、可変容量式油圧ポンプ112の吐き出し側のポートから第1油路30Aに送油された作動油は、方向切換弁30Eの第1ブロックAを経て第3油路30Cを通過し、固定容量式油圧モータ113の一側のポートに流入して出力軸113を正転駆動する。これによって、ファン40は正転を継続し、エンジン20及びラジエータ80の冷却状態が維持される。
そして、圃場の一辺を刈り終えて刈取装置6を上昇操作し、刈取ポテンショメータ120によって刈取装置6が非刈取作業高さまで上昇したことが検出されると、コントローラ111からソレノイドCへ出力がなされ、方向切換弁30Eが図示左方へスライドし、可変容量式油圧ポンプ112の吐き出し側のポートから第1油路30Aに送油された作動油は、方向切換弁30Eの第2ブロックBを経て第4油路30Dを通過し、固定容量式油圧モータ113の他側のポートに流入して出力軸113を逆転駆動する。これによって、ファン40は逆転し、濾過体12に吸着されていた塵埃が吹き飛ばされる。
また、機体の旋回が開始され、右側車軸回転数センサ117で検出される右側車軸の単位時間当たりの回転数と、左側車軸回転数センサ118で検出される左側車軸の単位時間当たりの回転数とが異なる状態となった場合には、コントローラ111からソレノイドCへ出力がなされ、方向切換弁30Eが図示左方へスライドし、可変容量式油圧ポンプ112の吐き出し側のポートから第1油路30Aに送油された作動油は、方向切換弁30Eの第2ブロックBを経て第4油路30Dを通過し、固定容量式油圧モータ113の他側のポートに流入して出力軸113を逆転駆動する。これによって、ファン40は逆転し、濾過体12に吸着されていた塵埃が吹き飛ばされる。
また、水温センサ108によって検出されたラジエータ80の水温が第1設定温度よりも低い場合には、コントローラ111からソレノイドCへの出力が牽制され、方向切換弁30Eは切換作動せず、固定容量式油圧モータ113の出力軸113は逆転駆動しない。即ち、ファン40は正転状態を維持する。
これにより、ラジエータ80の水温が設定温度よりも低い場合にファン40が逆転可能となり、ラジエータ80の水温が設定温度よりも高い場合にはファン40が逆転不能となるので、エンジン20がオーバーヒートしにくくなり、エンジン20の出力低下による作業能率の低下を防ぐことができる。
また、水温センサ108によって検出されたラジエータ80の水温が上記第1設定温度より高い第2設定温度よりも高くなった場合に、コントローラ111からソレノイドCへの出力を牽制する構成としてもよい。
また、水温センサ108によって検出されるラジエータ80の水温が第3設定温度を超えた場合に、コントローラ111からソレノイドCへ出力して方向切換弁30Eを作動させ、固定容量式油圧モータ113の出力軸113を逆転駆動する構成としてもよい。
また、コントローラ111からソレノイドCへ所定時間間隔で出力し、方向切換弁30Eを所定時間間隔で切換作動させるように構成し、この所定時間を水温センサ108によって検出されるラジエータ80の水温に応じて自動的に補正するように構成してもよい。
また、上記の所定時間が車速に応じて自動的に変更される構成としてもよい。即ち、車速が高速になるほど、所定時間を短くしてもよい。これにより、車速が高速となる高負荷作業時において、濾過体12への塵埃付着量が増加する傾向にあるため、この高速走行時にファン40の逆転頻度を高めることで、濾過体12への塵埃の付着を効果的に阻止できる。
また、主変速ポテンショメータ121によって検出される主変速レバーの傾動操作角度に応じて、上記の所定時間が自動的に変更されるように構成してもよい。即ち、主変速レバーが前進側へ大きく傾動操作された高速作業走行時には、濾過体12への塵埃付着量が増加する傾向にあるため、この高速走行時にファン40の逆転頻度を高めることで、濾過体12への塵埃の付着を効果的に阻止できる。尚、主変速レバーの傾動操作角度の検出に代えて、副変速レバーの切換操作位置を検出して上記の所定時間を変更する構成としてもよい。
また、上述のように方向切換弁30Eが切換作動してファン40が逆転駆動されている状態で、エンジン回転センサ122によってエンジン20の停止が検出された場合には、コントローラ111からソレノイドCへの出力が中止され、リタ−ンスプリングDの弾性力によって方向切換弁30Eが初期位置に復帰するよう構成してもよい。このエンジン20の停止には、メインキーの操作による手動停止、メインキー以外の操作具による手動停止、グレンタンク7に備えた穀粒排出装置における穀粒の詰まりが検出されたことに基づく自動停止、刈取装置6における搬送穀稈の詰まりが検出されたことに基づく自動停止を含む。
これにより、手動操作または自動制御によってエンジン20が停止した場合に、コントローラ111からソレノイドCへ正転側に切り換える出力がなされ、ファン40が正転状態に自動復帰する構成とすることで、エンジン20の再始動時に、このエンジン20の冷却状態を現出することができる。
また、車速センサ110の検出によって、機体の走行距離が設定された走行距離に達するごとに、コントローラ111からソレノイドCへ出力して方向切換弁30Eを作動させ、固定容量式油圧モータ113の出力軸113を逆転駆動する構成としてもよい。また、この走行距離の設定を、手動操作または副変速レバーの位置に応じて変更してもよい。
また、油圧式無段変速装置30の閉回路中に、作動油の温度を検出する油温センサ124を設け、この油温センサ124によって検出される作動油の温度が設定温度を超えた場合に、コントローラ111からソレノイドCへの出力を停止し、方向切換弁30Eの切換作動を禁止する構成としてもよい。
また、油圧式無段変速装置30の閉回路中に、作動油の圧力を検出する圧力センサ125を設け、方向切換弁30Eが切換作動した瞬間の圧力を検出する構成としてもよい。そして、この圧力センサ125によって検出された衝撃圧が、異常値となった場合に、方向切換弁30Eの切換作動を禁止するか、またはエンジン20を自動的に停止させるか、または警報装置を鳴動させるか、または異常状態をモニターに表示するように構成してもよい。
また、上述の衝撃圧を一定期間にわたってコントローラ111に記憶し、過去に発生した複数の衝撃圧が上昇傾向にあるか否かを判定し、上昇傾向にある場合に、方向切換弁30Eの切換作動を禁止するように構成してもよい。また、過去に発生した複数の衝撃圧が下降傾向にある場合に、方向切換弁30Eの切換作動を禁止するように構成してもよい。また、この衝撃圧が上昇傾向にあるか下降傾向にあるかを判定して、モニターに表示するか、または音声報知してもよい。また、この衝撃圧が上昇傾向にあるか下降傾向にあるかを判定して、エンジン20の回転速度を増速側または減速側へ自動的に調節ように構成してもよい。また、この衝撃圧が下降傾向にあると判定した場合に、固定容量式油圧モータ113の出力軸33からファン40への伝動機構が劣化したと判定して、音声報知するか、またはモニターに表示するか、警報装置を鳴動させる構成としてもよい。
(第8構成)
また、上記可変容量式油圧ポンプ112と固定容量式油圧モータ113からなる油圧式無段変速装置30に替えて、ギヤポンプ(油圧ポンプ)301と、このギヤポンプ301とは分離した油圧モータ300で構成してもよい。
(エンジンの動力伝達系)
図24に示すように、エンジン20の出力軸21に軸支され出力軸21と一体となって回転するプーリ22と、ジェネレータ60の入力軸61に軸支され入力軸61と一体となって回転するプーリ62と、ウオータポンプ70の入力軸71に軸支され入力軸71と一体となって回転するプーリ72と、エンジン20の前側上部に取り付けたギヤポンプ301の入力軸301aと一体となって回転するプーリ301bには、ベルト51が巻き掛けられている。
油圧モータ300の出力軸300aに伝動されたエンジン20の回転を冷却ファン40に伝動するため、油圧モータ300の出力軸300aと一体となって回転するプーリ39と、冷却ファン40の入力軸41と一体となって回転するプーリ42には、ベルト53が巻き掛けられている。
また、冷却ファン40の入力軸41は、ベアリング43を介してウオータポンプ70の入力軸71に回転自在に軸支されている。
(第8構成の油圧回路)
図25に示すように、ギヤポンプ301に一端を連通する第1油路30Aおよび第2油路30Bと、油圧モータ300に一端を連通する第3油路30Cおよび第4油路30Dで接続して閉回路を構成する。
そして、上記第1油路30Aおよび第2油路30Bの他端と、第3油路30Cおよび第4油路30Dの他端とを、方向切換弁(請求項における「切換弁」)30Eを介して接続する。
上記方向切換弁30Eは、第1油路30Aの他端と第3油路30Cの他端を連通させると共に第2油路30Bの他端と第4油路30Dの他端を連通させる第1ブロックAと、第1油路30Aの他端と第4油路30Dの他端を連通させると共に第2油路30Bの他端と第3油路30Cの他端を連通させる第2ブロックBを備える。
上記第2ブロックB側にはプッシュピン作動用のソレノイドCを備え、第1ブロックA側にリターンスプリングDを備える。これにより、ソノレイドCに通電されない状態では、方向切換弁30Eは、リターンスプリングDによって図示右方へスライドした初期位置に保持される。エンジン20の始動操作時にも、この状態が維持されており、エンジン20が停止した場合にも、この状態に復帰する。
そして、上記第1油路30Aには、刈取装置6を昇降させる刈取昇降シリンダ(図示省略)や、走行装置3を操向操作する操向シリンダ(図示省略)等への油圧アクチュエータへ送油する送油路306の一端を接続する。
また、上記第1油路30Aと第3油路30Bの間を、2つのチェックバルブ302を相反する方向に直列接続した油路を介して接続し、この2つのチェックバルブ302の間の部位から、リリーフバルブ303を介してオイルタンク304へ排油する構成とする。また、上記の2つのチェックバルブ302の間には、チャージポンプ(図示省略)からのチャージ油路305を接続する。
(油圧モータ300の作動)
上記の構成により、ギヤポンプ301の吐き出し側のポートから第1油路30Aに送油された作動油は、方向切換弁30Eの第1ブロックAを経て第3油路30Cを通過し、油圧モータ300の一側のポートに流入して出力軸300aを正転駆動する。
油圧モータ300の他側のポートから流出した作動油は、第4油路30Dから方向切換弁30Eの第1ブロックAを経て第2油路30Bを通過し、ギヤポンプ301の吸い込み側のポートに吸入される。このようにして、閉回路内の作動油が循環する。
一方、ソレイイドCへの通電により、方向切換弁30Eが図示左方へスライドすると、ギヤポンプ301の吐き出し側のポートから第1油路30Aに送油された作動油は、方向切換弁30Eの第2ブロックBを経て第4油路30Dを通過し、油圧モータ300の他側のポートに流入して出力軸300aを逆転駆動する。
油圧モータ300の一側のポートから流出した作動油は、第3油路30Cから方向切換弁30Eの第2ブロックBを経て第2油路30Bを通過し、油圧ポンプ301の吸い込み側のポートに吸入される。このようにして、閉回路内の作動油が循環する。
(アキュムレータの接続)
図25に示すように、上記第3油路30Cと第4油路30Dに、閉回路内に発生する衝撃圧を吸収してこの閉回路内の圧力変動を緩衝するアキュムレータ(蓄圧器)ACをそれぞれ接続する。これにより、油圧モータ300が正転から逆転に切り換わる際に、ファン40の慣性エネルギー等によって発生する閉回路内の衝撃圧を吸収し、油路や伝動機構の破損を防止することができる。
また、このアキュムレータACは、上記第3油路30Cと第4油路30Dの両方の油路に接続されているので、ファン40を正転状態から逆転状態に切り換える場合と、逆転状態から正転状態に切り換える場合とのいずれの場合でも、方向切換弁30Eの作動による閉回路内の圧力変動が2つのアキュムレータACによって緩衝され、油圧モータ300の出力軸300aやファン40の回転軸などに掛かる負荷が低減し、原動部の耐久性が向上する。
また、この2つのアキュムレータACが、閉回路における方向切換弁30Eを接続した部位よりも油圧モータ300側の部位となる第3油路30Cと第4油路30Dに接続されているので、油圧モータ300の出力軸300aに掛かる負荷によって生じる圧力変動が方向切換弁30Eに作用しにくくなり、この方向切換弁30Eの耐久性が向上する。
(第8構成の制御)
また、図23に示すように、コントローラ111の入力側に、刈取装置6の前端部に備えて刈取装置6前方の刈取対象穀稈を検出する穀稈センサ119と、車台2に対する刈取装置6の高さを検出する刈取ポテンショメータ120と、主変速レバーの傾動操作角度を検出する主変速ポテンショメータ121と、エンジン20の回転速度を検出するエンジン回転センサ122と、手扱ぎモードを選択する手扱ぎモードスイッチ123を接続する。また、コントローラ111の出力側には、方向切換弁30E作動用のソレノイドCを接続する。手扱ぎモードスイッチ123をONすると、エンジン20の回転速度が自動的に低下し、フィードチェンの駆動速度が手扱ぎ穀稈投入に適した速度に維持される。
これにより、メインキースイッチMKを操作して制御装置116の電源を入れ、エンジン20のセルモータを駆動すると、エンジン20が始動する。
このとき、コントローラ111からソレノイドCへ正方向の出力がなされ、ファン40を逆転させる側に切り換わっていた方向切換弁30Eが、ファン40を正転させる側に切り換わる。これと共に、タイマー回路115によって計時が始まり、油圧モータ300が正転出力し、ファン40が正転駆動して、濾過体12を介して外気が吸入され、ラジエータ80及びエンジン20が冷却される冷却状態となる。
そして、上記のタイマー回路115からのクロック信号によって、冷却状態が5分から10分程度の第1設定時間だけ継続したことが判定されると、コントローラ111からソレノイドCへ逆方向の出力がなされ、これによって、方向切換弁30Eが逆方向に切り換わり、油圧モータ300が逆転出力し、ファン40が逆転駆動して、エンジンルーム内の空気を濾過体12の内側から外側へ吹き出し、この濾過体12に付着していた塵埃を除去する除塵状態となる。これによって、外気の吸入効率が維持されてエンジンの出力が低下しにくくなり、作業能率が高まる。
上記の除塵状態が5秒から10秒程度の第2設定時間だけ継続したことが判定されると、再び、上記の冷却状態に復帰し、この冷却状態と除塵状態とが交互に反復される。
尚、上記のコントローラ111からソノレイドCへの出力は、所定時間継続されるパルス出力とし、方向切換弁30Eが所定の時間をかけて切り換わる構成としてもよい。
また、コントローラ111の入力側に、時間設定ダイヤルJSを接続し、上記の第1設定時間と第2設定時間との比率を、手動操作で任意に変更できる構成とするとよい。これにより、方向切換弁30Eが切換作動する時間間隔を、作業条件などに応じて任意に変更し、エンジン20の冷却効率の低下を少なくしてエンジン出力の低下を防ぎ、作業能率を高めることができる。
尚、ラジエータ80の冷却水の温度を検出する水温センサ108の検出結果に応じて、上記の第1設定時間と第2設定時間との比率が自動的に変更されるように構成してもよい。
圃場の一辺を刈取走行する間は、前記穀稈センサ119がONしており、この信号によってソレノイドCへは出力がなされず、ギヤポンプ301の吐き出し側のポートから第1油路30Aに送油された作動油は、方向切換弁30Eの第1ブロックAを経て第3油路30Cを通過し、油圧モータ300の一側のポートに流入して出力軸300aを正転駆動する。これによって、ファン40は正転を継続し、エンジン20及びラジエータ80の冷却状態が維持される。
そして、圃場の一辺を刈り終え、穀稈センサ119がOFFすると、コントローラ111からソレノイドCへ出力がなされ、方向切換弁30Eが図示左方へスライドし、ギヤポンプ301の吐き出し側のポートから第1油路30Aに送油された作動油は、方向切換弁30Eの第2ブロックBを経て第4油路30Dを通過し、油圧モータ300の他側のポートに流入して出力軸300aを逆転駆動する。これによって、ファン40は逆転し、濾過体12に吸着されていた塵埃が吹き飛ばされる。
尚、上記の穀稈センサ119に代えて、刈取装置6の左右両側部に穀稈センサを設け、刈取装置6の左右両側に未刈穀稈の存在を検出することで、コンバインによる圃場の中割り作業状態を判定する構成とし、この中割り作業状態が判定されている状態では、コントローラ111からソレノイドCへ出力がなされ、方向切換弁30Eが図示左方へスライドし、ギヤポンプ301の吐き出し側のポートから第1油路30Aに送油された作動油は、方向切換弁30Eの第2ブロックBを経て第4油路30Dを通過し、油圧モータ300の他側のポートに流入して出力軸300aを逆転駆動する状態が維持される構成としてもよい。
また、圃場の一辺を刈取走行する間は、前記刈取ポテンショメータ120によって刈取装置6が刈取作業高さまで下降していることが検出されており、この信号によってソレノイドCへは出力がなされず、ギヤポンプ301の吐き出し側のポートから第1油路30Aに送油された作動油は、方向切換弁30Eの第1ブロックAを経て第3油路30Cを通過し油圧モータ300の一側のポートに流入して出力軸113を正転駆動する。これによって、ファン40は正転を継続し、エンジン20及びラジエータ80の冷却状態が維持される。
そして、圃場の一辺を刈り終えて刈取装置6を上昇操作し、刈取ポテンショメータ120によって刈取装置6が非刈取作業高さまで上昇したことが検出されると、コントローラ111からソレノイドCへ出力がなされ、方向切換弁30Eが図示左方へスライドし、ギヤポンプ301の吐き出し側のポートから第1油路30Aに送油された作動油は、方向切換弁30Eの第2ブロックBを経て第4油路30Dを通過し、油圧モータ300の他側のポートに流入して出力軸300aを逆転駆動する。これによって、ファン40は逆転し、濾過体12に吸着されていた塵埃が吹き飛ばされる。
また、機体の旋回が開始され、右側車軸回転数センサ117で検出される右側車軸の単位時間当たりの回転数と、左側車軸回転数センサ118で検出される左側車軸の単位時間当たりの回転数とが異なる状態となった場合には、コントローラ111からソレノイドCへ出力がなされ、方向切換弁30Eが図示左方へスライドし、可変容量式油圧ポンプ112の吐き出し側のポートから第1油路30Aに送油された作動油は、方向切換弁30Eの第2ブロックBを経て第4油路30Dを通過し、油圧モータ300の他側のポートに流入して出力軸300aを逆転駆動する。これによって、ファン40は逆転し、濾過体12に吸着されていた塵埃が吹き飛ばされる。
また、水温センサ108によって検出されたラジエータ80の水温が第1設定温度よりも低い場合には、コントローラ111からソレノイドCへの出力が牽制され、方向切換弁30Eは切換作動せず、油圧モータ300の出力軸300aは逆転駆動しない。即ち、ファン40は正転状態を維持する。
これにより、ラジエータ80の水温が設定温度よりも低い場合にファン40が逆転可能となり、ラジエータ80の水温が設定温度よりも高い場合にはファン40が逆転不能となるので、エンジン20がオーバーヒートしにくくなり、エンジン20の出力低下による作業能率の低下を防ぐことができる。
また、水温センサ108によって検出されたラジエータ80の水温が上記第1設定温度より高い第2設定温度よりも高くなった場合に、コントローラ111からソレノイドCへの出力を牽制する構成としてもよい。
また、水温センサ108によって検出されるラジエータ80の水温が第3設定温度を超えた場合に、コントローラ111からソレノイドCへ出力して方向切換弁30Eを作動させ、油圧モータ300の出力軸300aを逆転駆動する構成としてもよい。
また、コントローラ111からソレノイドCへ所定時間間隔で出力し、方向切換弁30Eを所定時間間隔で切換作動させるように構成し、この所定時間を水温センサ108によって検出されるラジエータ80の水温に応じて自動的に補正するように構成してもよい。
また、上記の所定時間が車速に応じて自動的に変更される構成としてもよい。即ち、車速が高速になるほど、所定時間を短くしてもよい。これにより、車速が高速となる高負荷作業時において、濾過体12への塵埃付着量が増加する傾向にあるため、この高速走行時にファン40の逆転頻度を高めることで、濾過体12への塵埃の付着を効果的に阻止できる。
また、主変速ポテンショメータ121によって検出される主変速レバーの傾動操作角度に応じて、上記の所定時間が自動的に変更されるように構成してもよい。即ち、主変速レバーが前進側へ大きく傾動操作された高速作業走行時には、濾過体12への塵埃付着量が増加する傾向にあるため、この高速走行時にファン40の逆転頻度を高めることで、濾過体12への塵埃の付着を効果的に阻止できる。尚、主変速レバーの傾動操作角度の検出に代えて、副変速レバーの切換操作位置を検出して上記の所定時間を変更する構成としてもよい。
また、上述のように方向切換弁30Eが切換作動してファン40が逆転駆動されている状態で、エンジン回転センサ122によってエンジン20の停止が検出された場合には、コントローラ111からソレノイドCへの出力が中止され、リタ−ンスプリングDの弾性力によって方向切換弁30Eが初期位置に復帰するよう構成してもよい。このエンジン20の停止には、メインキーの操作による手動停止、メインキー以外の操作具による手動停止、グレンタンク7に備えた穀粒排出装置における穀粒の詰まりが検出されたことに基づく自動停止、刈取装置6における搬送穀稈の詰まりが検出されたことに基づく自動停止を含む。
これにより、手動操作または自動制御によってエンジン20が停止した場合に、コントローラ111からソレノイドCへ正転側に切り換える出力がなされ、ファン40が正転状態に自動復帰する構成とすることで、エンジン20の再始動時に、このエンジン20の冷却状態を現出することができる。
また、車速センサ110の検出によって、機体の走行距離が設定された走行距離に達するごとに、コントローラ111からソレノイドCへ出力して方向切換弁30Eを作動させ、油圧モータ300の出力軸300aを逆転駆動する構成としてもよい。また、この走行距離の設定を、手動操作または副変速レバーの位置に応じて変更してもよい。
また、閉回路中に、作動油の温度を検出する油温センサ124を設け、この油温センサ124によって検出される作動油の温度が設定温度を超えた場合に、コントローラ111からソレノイドCへの出力を停止し、方向切換弁30Eの切換作動を禁止する構成としてもよい。
また、閉回路中に、作動油の圧力を検出する圧力センサ125を設け、方向切換弁30Eが切換作動した瞬間の圧力を検出する構成としてもよい。そして、この圧力センサ125によって検出された衝撃圧が、異常値となった場合に、方向切換弁30Eの切換作動を禁止するか、またはエンジン20を自動的に停止させるか、または警報装置を鳴動させるか、または異常状態をモニターに表示するように構成してもよい。
また、上述の衝撃圧を一定期間にわたってコントローラ111に記憶し、過去に発生した複数の衝撃圧が上昇傾向にあるか否かを判定し、上昇傾向にある場合に、方向切換弁30Eの切換作動を禁止するように構成してもよい。また、過去に発生した複数の衝撃圧が下降傾向にある場合に、方向切換弁30Eの切換作動を禁止するように構成してもよい。また、この衝撃圧が上昇傾向にあるか下降傾向にあるかを判定して、モニターに表示するか、または音声報知してもよい。また、この衝撃圧が上昇傾向にあるか下降傾向にあるかを判定して、エンジン20の回転速度を増速側または減速側へ自動的に調節ように構成してもよい。また、この衝撃圧が下降傾向にあると判定した場合に、油圧モータ300の出力軸300aからファン40への伝動機構が劣化したと判定して、音声報知するか、またはモニターに表示するか、警報装置を鳴動させる構成としてもよい。
12 濾過体
20 エンジン
30E 方向切換弁(切換弁)
40 ファン
80 ラジエータ
300 油圧モータ
301 油圧ポンプ
AC アキュムレータ
MK メインキースイッチ

Claims (8)

  1. エンジン(20)の外側の部位にラジエータ(80)を配置し、該ラジエータ(80)の外側の部位に濾過体(12)を配置し、前記エンジン(20)とラジエータ(80)の間の部位には油圧モータ(300)で駆動されるファン(40)を配置し、前記エンジン(20)によって駆動される油圧ポンプ(301)と前記油圧モータ(300)の間を高圧側の油路と低圧側の油路で接続して圧油を循環させる閉回路を構成し、該閉回路には、前記油圧ポンプ(301)から油圧モータ(300)への送油方向を正逆方向に切り換え可能な切換弁(30E)と、該閉回路内の圧力変動を緩衝するアキュムレータ(AC)を備え、前記切換弁(30E)の切換作動によって油圧モータ(300)の出力回転方向を正逆方向に切り換えて、前記ファン(40)を正転駆動して濾過体(12)の外側から内側へ外気を吸入する冷却状態と、該ファン(40)を逆転駆動して濾過体(12)の内側から外側へ風を吹き出す除塵状態とに切換わる構成とした作業車輌の原動部構造。
  2. 前記アキュムレータ(AC)を、閉回路における高圧側の油路と低圧側の油路の両方の油路に備えた請求項1記載の作業車輌の原動部構造。
  3. 前記アキュムレータ(AC)を、閉回路における切換弁(30E)を接続した部位よりも油圧モータ(300)側の部位に備えた請求項1または請求項2記載の作業車輌の原動部構造。
  4. 前記切換弁(30E)の切換作動が所定の時間間隔で自動的に反復される構成とした請求項1または請求項2または請求項3記載の作業車輌の原動部構造。
  5. 前記切換弁(30E)が切換作動する時間間隔を、手動操作によって変更可能な構成とした請求項4記載の作業車輌の原動部構造。
  6. 前記ラジエータ(80)の冷却水の温度が設定温度よりも低い場合に、切換弁(30E)の切換作動が許可される構成とした請求項1から請求項5のいずれか一項記載の作業車輌の原動部構造。
  7. 前記ファン(40)が逆転駆動されている状態で、エンジン(20)が停止した場合に、切換弁(30E)が自動的に切換作動する構成とした請求項1または請求項2または請求項3記載の作業車輌の原動部構造。
  8. 前記エンジン(20)を始動操作するメインキースイッチ(MK)が操作された場合に、切換弁(30E)が自動的に切換作動する構成とした請求項1または請求項2または請求項3記載の作業車輌の原動部構造。
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