JP6565976B2 - コンバインの原動部構造 - Google Patents
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Description
また、従来、一つのファンを無段変速装置により正逆回転させてエンジンの冷却と防塵ネットの塵埃を除去とを切替え、除塵作業中はエアコン用のコンプレッサーの駆動を停止させる構成は、公知である(特許文献2)。
前記公知例のうち後者のものは、無段変速装置によりファンを正逆回転させる構成のため、油圧配管が必要となり、また、回転伝達効率が悪いという課題がある。
本願は、ファンの伝動機構およびその制御構成を工夫し、エンジンの回転により一つのファンを、ベルトテンション構成により正逆回転駆動できるものとし、しかも、エアコン用のエアーコンデショナーの伝動経路の簡素化を図ったものである。
請求項2記載の発明は、前記コンプレッサ45は、前記オイルタンク50の上面に取付台51を介して取付けられ、該取付台51は左右幅よりも前後幅を大きく形成された請求項1記載のコンバインの原動部構造としたものである。
請求項3記載の発明は、前記ギヤボックス22とコンプレッサ45の間に、前記出力プーリー47とコンプレッサ45の入力プーリー46に掛け回したベルト48のテンションプーリー55を設けた請求項2記載のコンバインの原動部構造としたものである。
請求項4記載の発明は、前記コンプレッサ45の後面側に配管60の一端を接続し、この配管60の他端側を後方に延出させ、コンプレッサ45の前面側と右側面側には、前記オイルタンク50の上部とフロア9の下面との間にわたる上下方向の面を有するカバー61を設けた請求項1または請求項2または請求項3記載のコンバインの原動部構造としたものである。
請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明の効果に加え、オイルタンク50の上方にコンプレッサ45を設けているので、特別な架台を用いずに、コンプレッサ45の設置高さを高くでき、コンプレッサ45のメンテナンスを容易にし、また、取付台51をオイルタンク50に後付け可能に構成すると、エアコンの有無の各仕様に後から対応させたオイルタンク50とすることができ、組立等の汎用性を向上させることができる。さらに、取付台51は左右幅よりも前後幅を大きく形成しているので、ベルト48の張力を、比較的薄肉の部材で形成した取付台51であっても、確実に支持でき、取付台51の軽量化が図れる。
請求項3記載の発明では、上記請求項2記載の発明の効果に加え、ギヤボックス22とコンプレッサ45の間にテンションプーリー55を設けているので、コンプレッサ45のメンテナンスおよびベルト48の交換が容易に行える。
請求項4記載の発明では、上記請求項1または請求項2または請求項3記載の発明の効果に加え、コンプレッサ45の前面側と右側面側にカバー61を設けているので、エンジン11からの熱気が運転席に上がってくるのを抑制でき、操作環境が良好となる。
前記走行装置2等のコンバインの各部は、運転席8の下方付近に設けたエンジン11により駆動し、エンジン11の外側(走行方向右側)にはファン12を設け、ファン12の外側にラジエーター13を設け、ラジエーター13の外側にはラジエターカバー14を設ける。ラジエターカバー14に設けた開口部には濾過体15を設ける(図4)。16はファン12を包囲するシュラウドである。
ファン12は、伝動機構Kにより、正逆駆動回転自在に構成する。
即ち、伝動機構Kは、通常作業時でファン12を、機体外部から機体内部方向へ送風する正回転させ、所定の場合に、伝動機構Kから逆回転を伝達して機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転させ、ラジエターカバー14の濾過体15の表側に付着している藁屑や塵埃等の付着物を吹散させて除去する。
ファン12は平歯車を噛み合わせて構成した伝動機構Kにより、正逆駆動回転自在に構成する。
これにより、シンプルな構成でファン12を正逆転駆動させられる。
前記ギヤボックス22内の入力軸23には逆転用の第一平歯車30を固定し、第一平歯車30に第二平歯車31を噛み合わせ、第二平歯車31はギヤボックス22の逆転軸32に固定する。逆転軸32には別途第二出力プーリー33を設け、第二出力プーリー33とファン12の回転軸27の第二入力プーリー34との間に第二伝動ベルト35を掛け回し、逆転伝動経路Gを構成する。
これにより、シンプルな構成でファン12を正逆転駆動させられる。
これにより、1個のファン12でエンジン11の冷却とラジエターカバー14の除塵とを行える。
ファン12の回転軸27に設けた第一入力プーリー28と第二入力プーリー34とは、所謂2連プーリーとして一体化して形成し(図5)、第二入力プーリー34は第一入力プーリー28より右側に一定間隔をおいて配置してギヤボックス22から離している。
これにより、回転軸27には2本のベルト29、35の張力が掛かるが、第二入力プーリー34を遠ざけているので、回転軸27に発生するモーメントが小さくなる。
エンジン11からの駆動回転の入力をギヤボックス22の下方に受けることにより、テンション力によるギヤボックス22のモーメントが発生しにくい。
また、入力軸23からファン12に正転駆動する構成としているので、ギヤボックス22内の平歯車30、31が破損したとしても、エンジン11からの駆動をファン12に伝達でき、エンジン11への冷却風を確保できる。
側面視において、ギヤボックス22の入力軸23と逆転軸32とは斜めに配置する(図8、図9)。
これにより、シュラウド16の円形の開口部(送風口)38の中心外側に入力軸23と逆転軸32を配置でき、冷却風の通過面積を減少させない。
この第一テンションプーリー40と第二テンションプーリー41とによりエンジン11からの駆動回転をファン12に正転と逆転とに切り替えて伝達する。
しかして、逆転軸32は伝動機構Kのギヤボックス22から第二出力プーリー33と反対側に突出させ、この突出部分の逆転軸32にエアコン用のコンプレッサ45の入力プーリー46に出力する出力プーリー47を設け、入力プーリー46と出力プーリー47にベルト48を掛け回す。
コンプレッサ45はラジエーター13とエンジン11に対して機体前方の運転席8のフロア9の下方に配置し、コンプレッサ45の下方にはオイルタンク50を配置し、オイルタンク50の上面に固定用の取付台51を設け、取付台51の上面にコンプレッサ45を取付ける。
これにより、オイルタンク50とフロア9の間の空間内にコンプレッサ45を配置でき、フロア9の下方空間を有効利用することができる。
すなわち、コンプレッサ45は、ラジエーター13とエンジン11に対して機体前方に配置する。
これにより、コンプレッサ45に与えるエンジン11からの熱気の悪影響を抑制する。
また、オイルタンク50の上方にコンプレッサ45を設けているので、特別な架台を用いずに、コンプレッサ45の設置高さを高くでき、コンプレッサ45のメンテナンスを容易にする。
また、取付台51は、オイルタンク50に後付け可能に構成すると、エアコンの有無の各仕様に後から対応させたオイルタンク50とすることができ、組立等の汎用性を向上させることができる。
コンプレッサ45を支持する取付台51は左右幅よりも前後幅を大きく(長く)形成する。
これにより、ベルト48の張力を、比較的薄肉の部材で形成した取付台51であっても、確実に支持でき、取付台51の軽量化を図れる。
これにより、機体走行方向の右側から行うメンテナンスを安全容易に行うことができる。
また、ギヤボックス22とコンプレッサ45の間にベルト48のテンションプーリー55を設ける。
これにより、ベルト48およびテンションプーリー55が機体右側に位置するので、機体右側からメンテナンスやベルト48の交換を容易にする。
テンションプーリー55のテンションアーム56の基部をコンプレッサ45の台座57側に回動自在に取付け、テンションアーム56に取付けたテンションロッド58の基部をベルト48の軌道部分よりも上方のコンプレッサ45側に設けたステー59に取付ける。
コンプレッサ45の後面側には配管60の一端を接続し、配管60の他端側を後方に延出させ、コンプレッサ45の前面側と右側面側には上方に起立するカバー61を設け、カバー61はオイルタンク50の上部とフロア9の下面との間を上下方向において閉塞するように構成すると、エンジン11からの熱気が運転席8に上がってくるのを抑制でき、好適である。
62はオイルタンク50の給油口である。
本発明は上記構成であり、エンジン11の外側に設けたファン12の伝動機構Kにより、正逆駆動回転自在に構成し、伝動機構Kは、ファン12を機体外部から機体内部方向へ送風させる正回転駆動する冷却状態と、ファン12を機体内部から機体外部方向へ送風させる逆回転駆動する除塵状態とに切替自在に構成しているので、通常作業時でファン12を、機体外部から機体内部方向へ送風する正回転させ、所定の場合に、伝動機構Kから逆回転を伝達して機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転させ、ラジエターカバー14の濾過体15の表側に付着している藁屑や塵埃等の付着物を吹散させて除去する。
一方、逆転伝動経路Gの、ギヤボックス22内の入力軸23→第一平歯車30→第二平歯車31→逆転軸32→第二出力プーリー33→ベルト35→第二入力プーリー34→ファン12の回転軸27と、回転伝達され、ファン12を逆転駆動させる。
すなわち、コンプレッサ45は、ラジエーター13とエンジン11に対して機体前方に配置することになるので、コンプレッサ45に与えるエンジン11からの熱気の悪影響を抑制する。
また、オイルタンク50の上方にコンプレッサ45を設けているので、特別な架台を用いずに、コンプレッサ45の設置高さを高くでき、コンプレッサ45のメンテナンスを容易にする。
また、取付台51は、オイルタンク50に後付け可能に構成すると、エアコンの有無の各仕様に後から対応させたオイルタンク50とすることができ、組立等の汎用性を向上させることができる。
この場合、コンプレッサ45本体に対して機体走行方向の左側に入力プーリー46を配置しているので、機体走行方向の右側から行うメンテナンスを安全容易に行うことができる。
また、ギヤボックス22とコンプレッサ45の間にベルト48のテンションプーリー55を設けているので、ベルト48およびテンションプーリー55が機体右側に位置するので、機体右側からメンテナンスやベルト48の交換を容易にする。
コンプレッサ45の後面側には配管60の一端を接続し、配管60の他端側を後方に延出させ、コンプレッサ45の前面側と右側面側には上方に起立するカバー61を設け、カバー61はオイルタンク50の上部とフロア9の下面との間を上下方向において閉塞するように構成しているので、エンジン11からの熱気が運転席8に上がってくるのを抑制でき、好適である。
Claims (4)
- エンジン(11)の外側にラジエーター(13)を設け、該ラジエーター(13)の外側には防塵用の濾過体(15)を設け、前記ラジエーター(13)と前記エンジン(11)との間にファン(12)を設け、該ファン(12)の駆動回転方向を正転方向と逆転方向に切換える伝動機構(K)を設け、前記伝動機構(K)には、エンジン(11)の駆動回転が入力される入力軸(23)に設けた第一出力プーリー(26)とファン(12)の回転軸(27)に設けた第一入力プーリー(28)との間に第一伝動ベルト(29)を掛け回して正転伝動経路(S)を構成し、前記入力軸(23)から入力された回転を逆転させて出力するギヤボックス(22)の逆転軸(32)に設けた第二出力プーリー(33)とファン(12)の回転軸(27)に設けた第二入力プーリー(34)との間に第二伝動ベルト(35)を掛け回して逆転伝動経路(G)を構成し、前記ギヤボックス(22)に対して第二出力プーリー(33)を設けた側とは反対側に突出させた逆転軸(32)の部位にエアーコンデショナー用のコンプレッサ(45)の入力プーリー(46)へ出力する出力プーリー(47)を設け、前記コンプレッサ(45)はラジエーター(13)とエンジン(11)に対して機体前方に設けた運転席(8)のフロア(9)と該フロア(9)の下方に配置されるオイルタンク(50)の間の位置に設けられたコンバインの原動部構造。
- 前記コンプレッサ(45)は、前記オイルタンク(50)の上面に取付台(51)を介して取付けられ、該取付台(51)は左右幅よりも前後幅を大きく形成された請求項1記載のコンバインの原動部構造。
- 前記ギヤボックス(22)とコンプレッサ(45)の間に、前記出力プーリー(47)とコンプレッサ(45)の入力プーリー(46)に掛け回したベルト(48)のテンションプーリー(55)を設けた請求項2記載のコンバインの原動部構造。
- 前記コンプレッサ(45)の後面側に配管(60)の一端を接続し、この配管(60)の他端側を後方に延出させ、コンプレッサ(45)の前面側と右側面側には、前記オイルタンク(50)の上部とフロア(9)の下面との間にわたる上下方向の面を有するカバー(61)を設けた請求項1または請求項2または請求項3記載のコンバインの原動部構造。
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