JP6399052B2 - 作業車両の原動部構造 - Google Patents
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Description
本願は、ファンの伝動機構を工夫し、エンジンの回転により一つのファンを正逆回転駆動できるものとし、構成の簡素化を図るものである。
請求項2記載の発明は、前記伝動機構Kには、エンジン11の回転を入力する入力軸23を軸装したギヤボックス22を備え、前記入力軸23に設けた第一出力プーリー26と前記第一入力プーリー28の間に第一伝動ベルト29を掛け回して前記正転伝動経路Sを構成し、前記ギヤボックス22内で入力側の第一平歯車30と出力側の第二平歯車31を噛み合わせ、前記第二平歯車31を備えた逆転軸32に第二出力プーリー33を設け、第二出力プーリー33と前記第二入力プーリー34との間に第二伝動ベルト35を掛け回して前記逆転伝動経路Gを構成した請求項1に記載の作業車両の原動部構造としたものである。
請求項3記載の発明は、前記第一伝動ベルト29に、前記正転伝動経路Sにおける動力伝達を接続および遮断する第一テンションプーリー40を設け、前記第二伝動ベルト35に逆転伝動経路Gにおける動力伝達を接続および遮断する第二テンションプーリー41を設けた請求項2に記載の作業車両の原動部構造としたものである。
請求項4記載の発明は、前記第一テンションプーリー40と第二テンションプーリー41は、単一の切替モーター50により作動する構成とし、該切替モーター50と第二テンションプーリー41とをロッド51により連結し、前記第一テンションプーリー40と切替モーター50とはリンク機構Lを介して連結した請求項3に記載の作業車両の原動部構造としたものである。
請求項2に記載の発明では、上記請求項1記載の発明の効果に加え、ギヤボックス22内で入力用の第一平歯車30と出力用の第二平歯車31を噛み合わせているので、ファン12を正逆転駆動する伝動機構Kを簡素化して、安価に提供できる。
請求項3に記載の発明では、上記請求項2記載の発明の効果に加え、回転軸27の第一入力プーリー28および第二入力プーリー34の夫々に掛け回した第一伝動ベルト29と第二伝動ベルト35にテンションプーリーを接離させてクラッチを構成しているので、伝動機構Kおよびファン12の正逆転切替機構を簡素に構成できる。
請求項4に記載の発明では、上記請求項3記載の発明の効果に加え、ファン12を正逆転切替する第一テンションプーリー40と第二テンションプーリー41を、単一の切替モーター50により作動させるので、構成を簡素化できる。
前記走行装置2等のコンバインの各部は、運転座席8の下方付近に設けたエンジン11により駆動し、エンジン11の外側(走行方向右側)にはファン12を設け、ファン12の外側にラジエーター13を設け、ラジエーター13の外側にはラジエターカバー14を設ける。ラジエターカバー14に設けた開口部には濾過体15を設ける(図4)。16はファン12を包囲するシュラウドである。
ファン12は、伝動機構Kにより、正逆駆動回転自在に構成する。
即ち、伝動機構Kは、通常作業時でファン12を、機体外部から機体内部方向へ送風する正回転させ、所定の場合に、伝動機構Kから逆回転を伝達して機体内部から機体外部方向へ送風する逆回転させ、ラジエターカバー14の濾過体15の表側に付着している藁屑や塵埃等の付着物を吹散させて除去する。
ファン12は平歯車を噛み合わせて構成した伝動機構Kにより、正逆駆動回転自在に構成する。
そのため、シンプルな構成でファン12を正逆転駆動させられる。
前記ギヤボックス22内の入力軸23には逆転用の第一平歯車30を固定し、第一平歯車30に第二平歯車31を噛み合わせ、第二平歯車31はギヤボックス22の逆転軸32に固定する。逆転軸32には別途第二出力プーリー33を設け、第二出力プーリー33とファン12の回転軸27の第二入力プーリー34との間に第二伝動ベルト35を掛け回し、逆転伝動経路Gを構成する。
そのため、伝動機構Kは、プーリーと逆転歯車31を有するギヤボックス22のシンプルな構成でファン12を正逆転駆動させられる。
そのため、1個のファン12でエンジン11の冷却とラジエターカバー14の除塵とを行える。
この場合、ファン12の回転軸27に設けた第一入力プーリー28の第一伝動ベルト29と第二入力プーリー34の第二伝動ベルト35は、側面視において、一部が重なるように配置する(図6)。
そのため、ファン12からの冷却風の抵抗となるのを抑制できる。
また、ファン12の回転軸27に設けた第一入力プーリー28と第二入力プーリー34は、第一入力プーリー28をファン12から離すように内側に配置する。
そのため、第一入力プーリー28に掛け回した第一伝動ベルト29への風当たりを抑制する。
そのため、回転軸27には2本の第一伝動ベルト29、35の張力が掛かるが、第二入力プーリー34を遠ざけているので、回転軸27に発生するモーメントを小さくしている。
前記ギヤボックス22は、入力軸23の軸装部分である入力受部(上側部分)36を、逆転軸32の軸装部分である逆転受部(下側部分)37より、軸方向の厚さを薄く形成する(図7)。
前記ギヤボックス22は、上下方向の下方に入力軸23を、上方に逆転軸32を夫々配置する(図8)。
エンジン11からの駆動回転の入力をギヤボックス22の下方に受けることにより、テンション力によるギヤボックス22のモーメントが発生しにくい。
即ち、ギヤボックス22は、機体フレーム1側に取付けた逆転受部37の軸方向の厚さを厚く形成しているので(図7)、上部に比し剛性が高く、支持剛性の確保が容易となる、合理的構成にしている。
また、入力軸23からファン12に正転駆動する構成としているので、ギヤボックス22内の平歯車30、31が破損したとしても、エンジン11からの駆動をファン12に伝達でき、エンジン11への冷却風を確保できる。
そのため、シュラウド16の円形の開口部(送風口)38の中心外側に入力軸23と逆転軸32を配置でき、冷却風の通過面積を減少させない。
しかして、図6のように、第一伝動ベルト29には第一テンションプーリー40を接離自在に設けて正転駆動用のテンションクラッチを構成し、第二伝動ベルト35には第二テンションプーリー41を接離自在に設けて逆転駆動用のテンションクラッチを構成する。
この第一テンションプーリー40と第二テンションプーリー41とによりエンジン11からの駆動回転をファン12に正転と逆転とに切り替えて伝達する。
即ち、第一テンションプーリー40は第一伝動ベルト29の下側移動部分に接離させ、第二テンションプーリー41は第二伝動ベルト35の下側移動部分に接離するように配置し(図6)、第一テンションプーリー40と第二テンションプーリー41は、互いに、他方のベルト25の上側移動部分に第二テンションプーリー41が接触しないように、第二伝動ベルト35の下側移動部分に第一テンションプーリー40が接触しないようにしている。
したがって、第一テンションプーリー40と第二伝動ベルト35との干渉、および、第二テンションプーリー41とベルト25との干渉を防止する。
このファン12を支持する支持プレート43に第一テンションプーリー40と第二テンションプーリー41のテンションアーム46の基部を夫々取付軸47により回動自在に取付ける。
そのため、第一テンションプーリー40と第二テンションプーリー41の各テンションアーム46の回動支点の支持構成を、ファン12の支持構成と兼用でき、合理的構成となる。
第一テンションプーリー40と第二テンションプーリー41の各テンションアーム46は、図示は省略するが、テンションバネにより入り方向に常時付勢されている。
そのため、比較的肉厚の薄い支持プレート43でも第一テンションプーリー40と第二テンションプーリー41の支持強度を確保できる。
また、支持体44は、ファン12と第一入力プーリー28および第二入力プーリー34の2連プーリーとの間に配置する(図3、図5)。
そのため、ファン12に近い位置にて支持体44は回転軸27を支持するので、ファン12の支持剛性を高め、しかも、第一入力プーリー28および第二入力プーリー34の2連プーリーのベルト交換を容易にできる。
第一テンションプーリー40と第二テンションプーリー41は、何れも、切り状態の時、シュラウド16の開口部38より外れた位置に移動するように構成する(図9)。
第一テンションプーリー40と第二テンションプーリー41の入切は、単一のモーター50により行う構成とし、切替モーター50と第二テンションプーリー41とはロッド51によりダイレクトに連結するが、切替モーター50と第一テンションプーリー40とはリンク機構Lを介在させて連結する構成としている。
そのため、第一テンションプーリー40が上方回動して入りとなると、第二テンションプーリー41を上方回動させて切りとする構成にでき、単一の切替モーター50による入切を実現できる。
一対のアーム54の内の他方アーム54にはリンク機構Lの一部を構成するロッド58の一端(上端)を軸着し、ロッド58の他端(下端)は第二テンションプーリー41のテンションアーム46の取付軸47に別途回動自在に設けたプレート59の先端に取付け、プレート59にはリンク機構Lのロッド60の一端を取付け、ロッド60の他端は第一テンションプーリー40のテンションアーム46の取付軸47に設けたアーム61に取付ける。
このように、第一テンションプーリー40と第二テンションプーリー41とは、何れも途中にプレート55とプレート59を介して作動するが、このプレート55とプレート59は第二テンションプーリー41の回動支点である取付軸47に取付けているので、正転と逆転との切替える際の切替モーター50の引き代を略同一としつつ、しかも、引き方向を同一にすることができ、一つの切替モーター50による切替えを可能にする合理的構成となっている。
なお、プレート55とプレート59は図示は省略するが、取付軸47の軸方向にずらせて取り付けており、理解を容易にするため、図6では回動方向に位置をずらせて図示しているが、これにより配置構成が限定されない。
ファン12の回転軸27に設けた第一入力プーリー28と第二入力プーリー34とを2連プーリーとして一体化し、第一入力プーリー28と第二入力プーリー34を迂回して第一テンションプーリー40のロッド60とロッド58とプレート59とアーム61により構成するリンク機構Lを配置する。
そのため、第一テンションプーリー40のテンションアーム46が入力プーリー24と第一出力プーリー26の影響を受けない。
それゆえ、機体の左右幅を広げずに、第一テンションプーリー40のリンク機構Lを配置できる。
即ち、アーム54は回転体52が180度回転すると、第一テンションプーリー40と第二テンションプーリー41との入切位置が入れ替わるが、このとき、第一テンションプーリー40と第二テンションプーリー41のテンションアーム46を引く方向に対して死点越えした位置で停止させる。具体的には、ロッド51とロッド58の牽引方向と回転体52のピン53の位置とを直線状に配置している。
そのため、切替モーター50にテンション負荷が掛かるのを抑制でき、テンション力を低下させずに、入切作動を安定させる。
そのため、入力軸23と逆転軸32の軸間距離を小さくでき、伝動機構の小型化が図れる。
この場合、入力軸23と逆転軸32の軸間距離は、入力軸23に設けた第一出力プーリー26と逆転軸32の第二出力プーリー33の夫々に第一伝動ベルト29と第二伝動ベルト35を掛けるスペースを有するように設定する。
そのため、必要最小限の大きさとなる。
切替モーター50による第一テンションプーリー40と第二テンションプーリー41との入切切替は、切替モーター50をゆっくり作動させて正逆転切替を行う。
そのため、伝動機構Kに過大な負荷が掛かるのを抑制する。
また、第一テンションプーリー40と第二テンションプーリー41との入切切替は、現在「入り」となっているテンションクラッチの「切り」は早く行ってよいが、逆側の「切り」のテンションクラッチを入りにするときはゆっくり行う。
ファン12はテンションクラッチを切りにしても、慣性で空転するため、テンションクラッチを切りでの異音発生は「入り」のときより少ないので、「切り」は早く行ってよいが、逆側の「切り」のテンションクラッチを入りにするときはゆっくり行って、異音発生を抑制する。
切替モーター50は、シュラウド16の開口部38から外れた位置に配置する(図9)。
そのため、切替モーター50の存在が冷却風の抵抗とならない。
そのため、ファン駆動入切プーリー65の支持構成を、ギヤボックス22を利用できて、支持構造を簡素にして、コストダウンできる。
逆転軸32は伝動機構Kのギヤボックス22から第二出力プーリー33と反対側に突出させ、この突出部分の逆転軸32にエアーコンデショナー68の入力プーリー69に出力する出力プーリー70を設ける(図4、図7)。
そのため、ファン12の伝動機構Kからエアーコンデショナー68に駆動を伝達でき、別途、エンジン11からの伝動機構を設けずにすみ、シンプルな構成にでき、コストダウンを図れる。
そのため、ギヤボックス22の下面にドレン71を設けているので、潤滑油を完全に排出でき、また、下面に設けているので、ギヤボックス22の幅を小型にできる。
ギヤボックス22は、左右に分割して形成し、ギヤボックス22内に第一平歯車30と第二平歯車31を内装し、左右のケース72を固定する締め付けナットは第一出力プーリー26と第二出力プーリー33の端面よりはみ出ないように構成する。
そのため、エンジン11とラジエーター13との間隔(距離)を小さくできる。また、締め付けナット73がベルト交換の邪魔にならない。
Claims (4)
- エンジン(11)の外側にラジエーター(13)を設け、該ラジエーター(13)の外側には防塵用の濾過体(15)を設け、前記ラジエーター(13)と前記エンジン(11)との間にファン(12)を設け、該ファン(12)の駆動回転方向を伝動機構(K)により正転方向と逆転方向に切換自在に構成し、前記伝動機構(K)には、前記ファン(12)の回転軸(27)に設けた第一入力プーリー(28)に機体外部から機体内部へ送風する正回転を伝達する正転伝動経路(S)と、前記回転軸(27)に設けた第二入力プーリー(34)に機体内部から機体外部へ噴風する逆回転を伝達する逆転伝動経路(G)とを備え、前記回転軸(27)を支持する支持プレート(43)を、支持体(44)を介してシュラウド(16)に支持させ、前記支持プレート(43)に、第一テンションプーリー(40)と第二テンションプーリー(41)の夫々を支持する二つのテンションアーム(46)の基部を取付軸(47)で回動自在に取付けた作業車両の原動部構造。
- 前記伝動機構(K)には、エンジン(11)の回転を入力する入力軸(23)を軸装したギヤボックス(22)を備え、前記入力軸(23)に設けた第一出力プーリー(26)と前記第一入力プーリー(28)の間に第一伝動ベルト(29)を掛け回して前記正転伝動経路(S)を構成し、前記ギヤボックス(22)内で入力側の第一平歯車(30)と出力側の第二平歯車(31)を噛み合わせ、前記第二平歯車(31)を備えた逆転軸(32)に第二出力プーリー(33)を設け、第二出力プーリー(33)と前記第二入力プーリー(34)との間に第二伝動ベルト(35)を掛け回して前記逆転伝動経路(G)を構成した請求項1に記載の作業車両の原動部構造。
- 前記第一伝動ベルト(29)に、前記正転伝動経路(S)における動力伝達を接続および遮断する第一テンションプーリー(40)を設け、前記第二伝動ベルト(35)に逆転伝動経路(G)における動力伝達を接続および遮断する第二テンションプーリー(41)を設けた請求項2に記載の作業車両の原動部構造。
- 前記第一テンションプーリー(40)と第二テンションプーリー(41)は、単一の切替モーター(50)により作動する構成とし、該切替モーター(50)と第二テンションプーリー(41)とをロッド(51)により連結し、前記第一テンションプーリー(40)と切替モーター(50)とはリンク機構(L)を介して連結した請求項3に記載の作業車両の原動部構造。
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