JP2012069894A - ナトリウムイオン型蓄電デバイス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】正極と、負極と、ナトリウムイオン及びアニオンを含有する電解液とを有するナトリウムイオン型蓄電デバイスであって、前記正極がアニオンを吸着・脱離またはドープ・脱ドープすることができる電極であり、前記負極がナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることができ、かつ、ナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極であるナトリウムイオン型蓄電デバイス。
【選択図】なし
Description
<1> 正極と、負極と、ナトリウムイオン及びアニオンを含有する電解液とを有するナトリウムイオン型蓄電デバイスであって、
前記正極がアニオンを吸着・脱離又はドープ・脱ドープすることができる電極であり、前記負極がナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることができ、かつ、ナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極であるナトリウムイオン型蓄電デバイス。
<2> 負極が、負極活物質としてナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることができる炭素材料を含有する前記<1>記載のナトリウムイオン型蓄電デバイス。
<3> 前記炭素材料が、難黒鉛化炭素材料である前記<2>記載のナトリウムイオン型蓄電デバイス。
<4> 前記炭素材料が、未賦活型炭素材料である前記<2>又は<3>記載のナトリウムイオン型蓄電デバイス。
<5> 前記負極とナトリウム金属との電位差が1.00V以下となるように、前記負極にナトリウムイオンが予備ドープされてなる前記<1>から<4>のいずれかに記載のナトリウムイオン型蓄電デバイス。
<6> 前記電解液の溶媒が、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、イソプロピルメチルカーボネート、ビニレンカーボネート及びジエチルカーボネートからなる群より選ばれた少なくとも1種を主成分とするカーボネート系溶媒である前記<1>から<5>のいずれかに記載のナトリウムイオン型蓄電デバイス。
<7> 前記カーボネート系溶媒が、エチレンカーボネート及びジメチルカーボネートの混合溶媒である前記<6>記載のナトリウムイオン型蓄電デバイス。
<8> 正極と負極との間に、セパレータを有する前記<1>から<7>のいずれかに記載のナトリウムイオン型蓄電デバイス。
前記正極がアニオンを吸着・脱離又はドープ・脱ドープすることができる電極であり、前記負極がナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることができ、かつ、ナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極であることを特徴とする。本発明により、電極の不可逆容量を低減することもでき、単位重量あたりの容量が大きく、しかもサイクル特性に極めて優れる蓄電デバイスを実現することができる。しかも、資源的に豊富なナトリウムを使用するため、安価な蓄電デバイスとすることも可能である。なお、本発明において、ナトリウムイオン型蓄電デバイスは、その構成面から、ナトリウムイオンキャパシタと呼ぶこともできる。
本発明のナトリウムイオン型蓄電デバイスにおける正極は、アニオンを吸着・脱離又はドープ・脱ドープすることができる。具体的には、例えば分極性電極を挙げることができる。分極性電極とは、充電時に負極に吸蔵されたナトリウムイオンと同数のアニオンとが正極表面で電気二重層を形成し、その静電容量によって電荷を保持・放散する。分極性電極を構成する材料は電気化学的に不活性な材料であれば何でもよいが、比表面積が大きい材料ほど保持できる電気量が大きくなり好ましい。このような特性を示す材料として、好適には活性炭等の賦活型炭素材料が挙げられる。
また、活性炭は賦活することで、アニオンの表面吸着性が向上し、さらに高い比表面積を得ることができるため、静電容量が増加する。賦活の例として酸化性気体を用いる方法が挙げられ、具体的には活性炭を高温で酸化性気体に一定時間暴露する方法や、活性炭に塩化亜鉛、リン酸、硫化カリウム、水酸化カリウム等を混合させた後、高温で処理する方法などが挙げられる。また、活性炭の製造時に、高温で酸化性気体に一定時間暴露したり、塩化亜鉛、リン酸、硫化カリウム、水酸化カリウム等と混合させた後、高温で処理してもよい。
特に酸化性気体を使用する方法は、金属の混入を避けられることから好ましい。酸化性気体の例としてはH2O、CO2、O2などが挙げられ、この中でもH2O、CO2が好ましい。
なお、正極をシート状とする場合、その厚みは、通常、5〜500μm程度である。
集電体の形状としては、例えば、箔状、平板状、メッシュ状、ネット状、ラス状、パンチングメタル状又はエンボス状であるものもの、あるいは、これらを組み合わせたもの(例えば、メッシュ状平板など)等が挙げられる。なお、集電体表面にエッチング処理により凹凸を形成させてもよい。
少量で効果的に導電性が向上する点で、カーボンブラックが特に好ましい。
電極における導電剤の配合量は、本発明の活性炭100重量部に対し、通常、5〜50重量部程度、好ましくは、10〜30重量部程度である。
また、付加重合体として、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体などのように複数種の単量体からなる共重合体でもよい。また、カルボン酸ビニルエステル重合体は、ポリビニルアルコールなどのように、部分的又は完全にケン化されていてもよい。
結合体としてはフッ素化合物とフッ素原子を含まないエチレン性二重結合を含む単量体との共重合体であってもよい。
電極における結合剤の配合量としては、活性炭100重量部に対し、通常、0.5〜30重量部程度、好ましくは2〜30重量部程度である。
結合剤に用いられる溶剤としては、例えば、IPA(イソプロピルアルコール)、エタノール、メタノールなどのアルコール類の他、エーテル類、ケトン類などが挙げられる。
結合剤が増粘する場合には、集電体への塗布を容易にするために、可塑剤を使用してもよい。
本発明のナトリウムイオン型蓄電デバイスにおける負極は、カチオンであるナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることができる。負極は、ナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることのできる負極活物質と、結合剤と及び必要に応じて導電剤等を含む負極合剤が、負極集電体に付着されているもの、すなわち、集電体の上に負極活物質層が形成されているものを挙げることができ、通常、シート状である。負極の作製方法として具体的には、負極活物質及び結合剤等に溶剤を添加してなる負極合剤を、負極集電体に、ドクターブレード法などで塗工又は浸漬し乾燥する方法、負極活物質及び結合等に溶剤を添加して混練、成形し、乾燥して得たシートを負極集電体表面に導電性接着剤等を介して接合した後にプレス及び熱処理乾燥する方法、負極活物質、結合剤及び液状潤滑剤等からなる混合物を負極集電体上に成形した後、液状潤滑剤を除去し、次いで、得られたシート状の成形物を一軸又は多軸方向に延伸処理する方法などが挙げられる。なお、負極がシート状である場合、その厚みは、通常、5〜500μm程度である。
また、炭素材料の形状としては、例えば天然黒鉛のような薄片状、メソカーボンマイクロビーズのような球状、黒鉛化炭素繊維のような繊維状、又は微粉末の凝集体などのいずれでもよい。炭素材料の形状が球状である場合、その粒径は0.01μm以上30μm以下の範囲が好ましく、より好ましくは0.1μm以上20μm以下の範囲である。
ここで、「不活性化処理」とは、炭素材料の表面官能基を除去するための処理をいい、具体的には、不活性ガス雰囲気下、600℃以上2000℃以下(好適には、800℃以上1800℃以下)の温度で熱処理する方法が挙げられる。
なお、賦活型炭素材料を使用した場合には、ナトリウムイオンのドープ・脱ドープがスムーズに行われず、不可逆容量が大きくなる場合がある。
該有機材料焼成体の原料となる有機材料としては、石油や石炭等の天然鉱物資源や、これら資源を原料として合成した各種合成樹脂(熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂など)のほか、石油ピッチ、石炭ピッチ、紡糸用ピッチなどの種々のプラント残渣油、木材等の植物由来の有機材料等を挙げることができ、これらを単独又は二種以上用いることが可能である。
この場合、負極としては、負極活物質、結合剤及び必要に応じて導電剤等を含む負極合剤が、負極集電体に担持されているものを用いることができる。
本発明のナトリウムイオン型蓄電デバイスにおいて、電解液は、通常、電解質が有機溶媒に溶解されたものである。有機溶媒により溶解された電解質は、ナトリウムイオン(カチオン)とアニオンに分解される。電解質は、例えば、NaClO4、NaPF6、NaBF4、NaCF3SO3、NaN(CF3SO2)2、NaN(C2F5SO2)2、NaC(CF3SO2)3、Na3BO3、NaF、NaAsF6、NaSbF6、NaTaF6、NaNbF6、Na2SiF6、NaCN、NaAlF4、NaAlCl4などのナトリウム塩が用いられる。
(エーテル)
モノエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフランなど)、ジエーテル(エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルイソプロピルエーテルなど)、トリエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、環状エーテル[炭素数2〜4(テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、2−メチル−1,3−ジオキソランなど);4−ブチルジオキソラン、炭素数5〜18のクラウンエーテル]など。
(フッ素化されたジオキソラン)
2,2−ジ(トリフルオロメチル)−1,3−ジオキソラン、2,2−ジ(トリフルオロメチル)−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン、2,2−ジ(トリフルオロメチル)−4,4,5,5−テトラフルオロ−1,3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−4,4,5,5−テトラフルオロ−1,3−ジオキソラン又は2,2−ジメチル−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソランなど。
ホルムアミド類(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなど)、アセトアミド類(N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなど)、プロピオンアミド類(N,N−ジメチルプロピオンアミドなど)、ヘキサメチルホスホリルアミドなど。オキサゾリジノン類;N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノンなど、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドンなど。
(ニトリル)
アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、アクリロニトリル、プロピオニトリルの水素原子1個以上をフッ素原子に置換した含フッ素プロピオニトリルなど。
蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、吉草酸メチル、プロピオン酸エチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチルなど、無水マレイン酸及びその誘導体など。
(ラクトン)
γ−ブチロラクトン、3−メチル−γ−ブチロラクトン、2−メチル−γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、3−メチル−γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなど。
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジエチルカーボネート、4−アリルオキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−(1'−プロペニルオキシメチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−アリルオキシメチル−5−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−(1'−プロペニルオキシメチル)−5−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−アクリロイルオキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メタクリロイルオキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メタクリロイルオキシメチル−5−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メトキシカルボニルオキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−アリルオキシカルボニルオキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−(1’−プロペニルオキシカルボニルオキシメチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、4-ビニルエチレンカーボネート、4,5-ジビニルエチレンカーボネート、4,4,5,5-テトラメチル-1,3-ジオキソラン-2-オン、4,4,5,5-テトラエチル-1,3-ジオキソラン-2-オン、ビニレンカーボネート、4-メチルビニレンカー
ボネート、4,5-ジメチルビニレンカーボネート、5,5-ジメチル-1,3-ジオキサン-2-オン及び5,5-ジエチル-1,3-ジオキサン-2-オン、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、エチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルプロピルカーボネート、及び、上記化合物の水素原子1個以上をフッ素原子に置換した化合物など。
ジメチルスルホキシド、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン、及び、スルホランの水素原子1以上をフッ素原子に置換した含フッ素スルホランなど。
1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、及び1つ以上水素原子をフッ素原子で置換した化合物など。
(スルホン)
ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジ−n−プロピルスルホン、ジイソプロピルスルホン、ジ−n−ブチルスルホン、ジ−sec−ブチルスルホン、ジ−tert−ブチルスルホンなど。
ニトロメタン、ニトロエタンなど。
(その他の複素環式化合物)
N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリジノンなど。
芳香族系溶剤(トルエン、キシレン、エチルフルオロベンゼン、ベンゼンの水素原子がフッ素原子に1〜6個置換されたフルオロベンゼンなど)、パラフィン系溶剤(ノルマルパラフィン、イソパラフィンなど)など。
ケイ素原子を分子内に有する3−トリメチルシリル−2−オキサゾリジノン、3−トリメチルシリル−4−トリフルオロメチル−2−オキサゾリジノン、3−トリエチルシリル−2−オキサゾリジノンなどオキサゾリジノン化合物、N−トリメチルシリルイミダゾール、N−トリメチルシリル−4−メチル−イミダゾール、N−トリエチルシリルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリス(トリメチルシリル)ホスフェート、トリス(トリエチルシリル)ホスフェート、トリメチルシリルジメチルホスフェート、トリメチルシリルジアリルホスフェート等のホスフェート化合物、4−トリメチルシリル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−トリメチルシリル−5−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−トリメチルシリルメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン等の環状カーボネート化合物、フェニルトリメチルシラン、フェニルトリエチルシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルチオトリメチルシラン、フェニルチオトリエチルシラン等のフェニル化合物、メチル−N−トリメチルシリルカーバメート、メチル−N,N−ビストリメチルシリルカーバメート、エチル−N−トリメチルシリルカーバメート、メチル−N−トリエチルシリルカーバメート、ビニル−N−トリメチルシリルカーバメート等のカーバメート化合物、メチルトリメチルシリルカーボネート、アリルトリメチルシリルカーボネート、エチルトリメチルシリルカーボネート等のカーボネート化合物、メトキシトリメチルシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ペンタメチルジシロキサン、メトキシメチルトリメチルシラン、トリメチルクロロシラン、ブチルジフェニルクロロシラン、トリフルオロメチルトリメチルシラン、アセチルトリメチルシラン、3−トリメチルシリルシクロペンテン、アリルトリメチルシラン、ビニルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラザンなど。
電解液に含まれる有機極性溶媒としては、特に、カーボネート類及びラクトン類などのエステル系溶媒を主成分とする溶媒が好ましく、特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、イソプロピルメチルカーボネート、ビニレンカーボネート及びジエチルカーボネートからなる群より選ばれた少なくとも1種を主成分とするカーボネート系溶媒が好ましい。ここで「主成分とする」とは、溶媒のうち、50重量%以上、好ましくは70重量%以上、カーボネート系溶媒が占めることを意味する。電解液にエステル系溶媒を用いると、耐酸化性に優れることから、動作時の正極電位をより貴にして蓄電デバイスとしての単位重量あたりの充放電容量(エネルギー密度)を向上させることが可能である。また、電解液の急激な分解を抑制する傾向がある。エチレンカーボネート(EC)及びジメチルカーボネート(DMC)の組み合わせからなる混合溶媒は、電解液に含まれる有機極性溶媒として好ましい溶媒である。混合溶媒におけるECとDMCとの混合比(重量比)は、EC/DMC=20〜80/80〜20、好ましくは、40〜60/60〜40である。
CF3CH2CH2Si(CH3)3
(CH3)3Si−O−Si(CH3)(CF3CH2CH2)−Si(CH3)
本発明のナトリウムイオン型蓄電デバイスは、必ずしもセパレータを必要としないが、正極と負極とを分離して両電極の短絡を抑制し、かつ、電解液を保持する役割を担うセパレータを正極と負極との間に備えることが好ましい。
セパレータは、大きなイオン透過度を持ち、所定の機械的強度を持ち絶縁性の膜が用いられる。
セパレータとしては、例えば、ビスコースレーヨン、天然セルロースなどの抄紙、クラフト紙、マニラ紙、セルロースやポリエステル等の繊維を抄紙して得られる混抄紙、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリエステル不織布、ガラス繊維、多孔質ポリエチレン、多孔質ポリプロピレン、多孔質ポリエステル、アラミド繊維、ポリブチレンテレフタレート不織布、パラ系全芳香族ポリアミド、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンと6フッ化プロピレンとの共重合体、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂などの不織布又は多孔質膜等が挙げられる。
セパレータとしては、シリカなどのセラミック粉末粒子と前記結合剤とからなる成形物であってもよい。該成形物は通常、正極及び負極と一体成形される。また、ポリエチレンやポリプロピレンなどを用いたセパレータについては、親水性を向上させるために界面活性剤やシリカ粒子を混合させてもよい。さらに、セパレータには、アセトン等の有機溶媒、ジブチルフタレート(DBP)等の可塑剤等が含有されていてもよい。
セパレータとしては、中でも、ビスコースレーヨン又は天然セルロースの抄紙、クラフト紙、マニラ紙、セルロース又はポリエステルの繊維を抄紙して得られる混抄紙、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリエステル不織布、ガラス繊維シート等が好ましい。
セパレータの孔径は、通常、0.01〜10μm程度である。セパレータの厚さは、通常、1〜300μm程度、好ましくは5〜30μm程度である。
ナトリウムイオン型蓄電デバイスの形状としては、例えば、コイン型、捲回型、積層型、蛇腹型等、ラミネートパック型等が挙げられる。
コイン型の製造例としては、図1に示したように、ステンレスなどの金属製容器(1−1)に、集電体(1−2)、電極活物質層(1−3)、セパレータ(1−4)、電極(1−3)活物質層及び集電体(1−2)を順次積層し、電解液で充填したのち金属製蓋(1−5)及びガスケット(1−6)で封止する方法などが挙げられる。
捲回型の製造例としては、図2に示したように、集電体(2−2)に導電性炭素材料を含む混合スラリーを塗布、乾燥し、電極活物質層(2−3)を形成させた積層シートを調製し、このシート2枚を、セパレータ(2−4)を介して捲回し、円筒型のアルミニウム、ステンレス等の金属製容器(2−1)に電極封口板(2−5)とともにハウジングする方法などが挙げられる。
尚、集電体には予めリードが具備されており、一方の積層シートのリード(2−6)が正極とし、他方の積層シートのリード(2−6)を負極として電気を充電及び放電される。
積層型としては、図3に示したように、集電体(3−2)及び電極活物質層(3−3)の積層シートとセパレータ(3−4)を交互に積層したのち、アルミニウム、ステンレス等の金属製容器(3−1)に入れ、電解液を充填し、集電体は交互にリード(3−5)と接続され、封止する方法;図4のように、集電体(4−2)及び電極活物質層(4−3)の積層シート並びにセパレータ(4−4)を交互に圧接し、外層をゴム材料等でシーリングし、電解液を充填したのち、封止する方法などが挙げられる。また。ガスケット(4−6)を適宜含むパイポーラ構造として、使用電圧を任意に設定できる構造であってもよい。
ラミネートパック型としては図5に示したように、電極(5−2)の積層シートとセパレータ(5−3)を交互に積層したのち、アルミ蒸着した樹脂シート等のラミネートパック(5−1)に入れ、電解液を充填し、電極(5−2)は交互にリード(5−4)と接続され、封止する方法などが挙げられる。
蛇腹型(図示せず)は、電極のシート2枚をセパレータを介して蛇腹状に折り返しながら積層したのち、積層型と同様に調製する方法である。
正極活物質としての活性炭(株式会社クラレ製、RP20)と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF:株式会社クレハ製、PolyVinylideneDiFluoride)とを95:5の比率で混合したものに、更にN−メチルピロリドン(NMP:東京化成工業株式会社製)を適量加え混合し、塗料状スラリーを得た。得られたスラリーを、集電体である厚さ40μmのアルミ箔上に、アプリケータを用いて100μmの厚さで塗布し、 これを乾燥機に入れ、NMPを除去させながら、十分に乾燥することによって電極シートを得た。この電極シートを電極打ち抜き機で直径1.5cmに打ち抜いた後、ハンドプレスにて十分に圧着し、正極を得た。
負極活物質としての難黒鉛化炭素材料(日本カーボン製:ICB0510)と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを95:5の比率で混合したものに、N−メチルピロリドン(NMP)を適量加え混合し、塗料状スラリーを得た。得られたスラリーを集電体である厚さ10μmの銅箔上にアプリケータを用いて、100μmの厚さで塗布し、これを乾燥機に入れ、NMPを除去させながら、十分に乾燥することによって負極シートを得た。
この負極シートを電極打ち抜き機で直径1.5cmに打ち抜いた後、ハンドプレスにて十分に圧着し、負極を得た。
また、次のようにして予備セルを作製して、負極へナトリウムイオンの予備ドープを行った。上記の負極と非水電解液としての1MのNaClO4/プロピレンカーボネート(PC)とセパレータとを用い、また、対極としてナトリウム金属を用意して、対極と負極との間にセパレータを配置させて、コインセルに収容し、非水電解液を収容して、予備セルを作製した。なお、予備セルの組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
(蓄電デバイスの作製)
上記のナトリウムの予備ドープがなされた負極と、非水電解液としての1MのNaClO4/PCと、セパレータとしてポリプロピレン多孔質膜(膜厚20μm)と、上記の正極とを用意して、正極と負極との間にセパレータを配置させて、コインセルに収容し、非水電解液を収容して、蓄電デバイス1を作製した。なお、蓄電デバイス1の組み立てはアルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
充放電条件:
充電は、4.0Vまで0.004mAでCC(コンスタントカレント:定電流)充電を行った。放電は、該充電速度と同じ速度でCC放電を行い、電圧1.5Vでカットオフした。次サイクル以降の充電、放電は、該充電速度と同じ速度で行い、1サイクル目と同様に、充電電圧4.0V、放電電圧1.5Vでカットオフした。
実施例1において、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とを1:1(重量比)となるように混合した混合溶媒を用い、該混合溶媒に所定量のNaClO4を溶解して作製した、1MのNaClO4/(EC+DMC)を非水電解液として使用した以外は実施例1と同様にして、蓄電デバイス2を作製した。
実施例1において、ナトリウムイオンの予備ドープがなされた負極の代わりに、ナトリウムイオンの予備ドープがなされる前の状態の負極を用いる以外は、実施例1と同様にして蓄電デバイス3を作製した。
実施例2において、ナトリウムイオンの予備ドープがなされた負極の代わりに、ナトリウムイオンの予備ドープがなされる前の状態の負極を用いる以外は、実施例2と同様にして蓄電デバイス4を作製した。
実施例1において、非水電解液に、電解質としてヘキサフルオロリン酸ナトリウム(NaPF6)を用い、溶媒としてプロピレンカーボネート(PC)を用いた、1MのNaPF6/PCを使用した以外は実施例1と同様にして、蓄電デバイス5を作製した。
実施例3において、ナトリウムイオンの予備ドープがなされた負極の代わりに、ナトリウムイオンの予備ドープがなされる前の状態の負極を用いる以外は、実施例3と同様にして蓄電デバイス6を作製した。
1−2:電極(正極又は負極)における集電体
1−3:電極(正極又は負極)における活物質層
1−4:セパレータ
1−5:金属製蓋
1−6:ガスケット
2−1:金属製容器
2−2:電極(正極又は負極)における集電体
2−3:電極(正極又は負極)における活物質層
2−4:セパレータ
2−5:電極封口板
2−6:リード
3−1:金属製容器
3−2:電極(正極又は負極)における集電体
3−3:電極(正極又は負極)における活物質層
3−4:セパレータ
3−5:リード
3−6:端子
3−7:安全弁
4−1:加圧板及び端子
4−2:電極(正極又は負極)における集電体
4−3:電極(正極又は負極)における活物質層
4−4:セパレータ
4−6:ガスケット
5−1:ラミネートパック
5−2:電極(正極又は負極)
5−3:セパレータ
5−4:リード
Claims (8)
- 正極と、負極と、ナトリウムイオン及びアニオンを含有する電解液とを有するナトリウムイオン型蓄電デバイスであって、
前記正極がアニオンを吸着・脱離又はドープ・脱ドープすることができる電極であり、前記負極がナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることができ、かつ、ナトリウムイオンの予備ドープがなされた電極であることを特徴とするナトリウムイオン型蓄電デバイス。 - 前記負極が、負極活物質としてナトリウムイオンをドープ・脱ドープすることができる炭素材料を含有する請求項1記載のナトリウムイオン型蓄電デバイス。
- 前記炭素材料が、難黒鉛化炭素材料である請求項2記載のナトリウムイオン型蓄電デバイス。
- 前記炭素材料が、非賦活型炭素材料である請求項2又は3記載のナトリウムイオン型蓄電デバイス。
- 前記負極とナトリウム金属との酸化還元電位差が1.00V以下となるように、前記負極にナトリウムイオンの予備ドープがなされてなる請求項1から4のいずれかに記載のナトリウムイオン型蓄電デバイス。
- 前記電解液の溶媒が、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、イソプロピルメチルカーボネート、ビニレンカーボネート及びジエチルカーボネートからなる群より選ばれた少なくとも1種を主成分とするカーボネート系溶媒である請求項1から5のいずれかに記載のナトリウムイオン型蓄電デバイス。
- 前記カーボネート系溶媒が、エチレンカーボネート及びジメチルカーボネートの混合溶媒である請求項6記載のナトリウムイオン型蓄電デバイス。
- 正極と負極との間にセパレータを有する請求項1から7のいずれかに記載のナトリウムイオン型蓄電デバイス。
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