JP2012069284A - 電池パック - Google Patents

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Abstract

【課題】電池セルと電池セルとの間に冷却媒体用の冷却通路が形成されるものにおいて、より効果的な冷却を可能とする電池パックを提供する。
【解決手段】電池パックにおいて、積層方向で互いに対向する電池ケース120の一方側の表面121Aおよび他方側の表面121Bには、対向する相手側の電池ケース120の表面121B、121Aに向けて突出し、自身の表面121A、121B上に沿って延び、複数本が平行配置された第1リブ123Aおよび第2リブ123Bが、それぞれ形成されており、冷却通路140内において、第1リブ123Aと第2リブ123Bとが交差して、第1リブ123Aの突出側先端部123aと第2リブ123Bの突出側先端部123bとが当接するようにする。
【選択図】図4

Description

本発明は、複数の電池モジュール(電池セル)から形成される電池パックに関するものである。
従来の電池パックとして、例えば特許文献1に示されるものが知られている。特許文献1の電池パックは、複数の電池セルが積層され、各電池セルが電気的に直列に接続されて形成されている。また、積層された電池セルの間には電池ホルダが介在され、更に積層方向の両最外方には、エンドプレートが配置され、両エンドプレートは拘束バンドによって結合されている。拘束バンドは電池セルの積層方向に沿った拘束力を電池ホルダに作用させており、複数積層された電池セルが固定されている。
そして、積層方向と直交する電池セルの1つの直交面と、この直交面に対向する電池ホルダの対向面との間には、冷却風通路が形成されている。具体的には、電池ホルダの対向面には、電池セルの直交面側に突出すると共に、水平方向に延びるリブが上下方向に複数形成されており、リブの先端部が電池セルの直交面に当接している。そして、電池セルの直交面とリブとによって、水平方向に延びる細長の空間が上下方向に複数形成され、この複数の空間が冷却風通路となっている。この冷却風通路には、冷却風が供給され、作動時に発熱する電池セルが冷却されるようになっている。
特開2009−277471号公報
しかしながら、上記冷却風通路は、水平方向に延びる細長の空間が、上下方向に複数配置されて形成されるようになっているので、それぞれの細長空間へ供給される冷却風に偏りができやすく、電池セルの直交面に対する均一な冷却が困難となる。また、冷却風通路は、細長の空間であるために、電池セルおよび電池ホルダの表面には冷却風流れにおける境界層が形成されやすく、冷却風と電池セルとの間における熱伝達率が低下して、良好な冷却ができない。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、電池セルと電池セルとの間に冷却媒体用の冷却通路が形成されるものにおいて、より効果的な冷却を可能とする電池パックを提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明では、充放電可能な電池セル(110)が、電池ケース(120)内に収容されて形成される電池モジュール(130)を備え、
電池モジュール(130)が、複数積層され、電気的に接続されると共に、複数の電池モジュール(130)の間に冷却媒体が流通する冷却通路(140)が形成された電池パックにおいて、
積層方向で互いに対向する電池ケース(120)の一方側の表面(121A)および他方側の表面(121B)には、対向する相手側の電池ケース(120)の表面(121B、121A)に向けて突出し、自身の表面(121A、121B)上に沿って延び、複数本が平行配置されたリブ(123A、123B)が、それぞれ形成されており、
一方側の表面(121A)に形成されたリブ(123A)を第1リブ(123A)とし、他方側の表面(121B)に形成されたリブ(123B)を第2リブ(123B)としたとき、
冷却通路(140)内において、第1リブ(123A)と第2リブ(123B)とが交差して、第1リブ(123A)の突出側先端部(123a)と第2リブ(123B)の突出側先端部(123b)とが当接していることを特徴としている。
この発明によれば、第1リブ(123A)と第2リブ(123B)とが交差することによって、電池モジュール(130)が複数積層される方向から冷却通路(140)を見ると、第1リブ(123A)と第2リブ(123B)とによって、全体が網目状となる。そして、冷却通路(140)は、まず、複数の第1リブ(123A)のリブ間において第1リブ(123A)の延びる方向に形成される複数の第1リブ通路(141)と、複数の第2リブ(123B)のリブ間において第2リブ(123B)の延びる方向に形成される複数の第2リブ通路(142)とを備える。
更に、第1リブ通路(141)と第2リブ通路(142)とが交差する各領域(140a)においては、第1リブ通路(141)と第2リブ通路(142)とは互いに連通する形となる。よって、第1リブ通路(141)は、第2リブ通路(142)を介して隣の第1リブ通路(141)と繋がり合った通路となり、同様に、第2リブ通路(142)は、第1リブ通路(141)を介して隣の第2リブ通路(142)と繋がり合った通路となり、冷却通路(140)の全体で見た場合、網目状に繋がった通路となる。
よって、冷却通路(140)に冷却媒体を流すと、冷却媒体は、複数の第1リブ通路(141)および第2リブ通路(142)を流通しつつも、上記で説明した交差する各領域(140a)において、複数の第1リブ通路(141)および第2リブ通路(142)は互いに連通して、第1リブ通路(141)においては隣の第1リブ通路(141)に向けて拡がるように、また第2リブ通路(142)においては隣の第2リブ通路(142)に向けて拡がるように流通していく。
このように、冷却通路(140)において、複数の第1リブ(123A)および第2リブ(123B)によって形成される網目状に繋がる通路を縫うようにして冷却媒体を流すことができるので、冷却媒体を冷却通路(140)の全体に渡って拡がるように流すことができる。よって、電池セル(110)の全体に対して均一な冷却が可能となり、より効果的な電池セル(110)の冷却が可能となる。
また、第1リブ通路(141)と第2リブ通路(142)とが交差する各領域(140a)には、第1リブ(123A)および第2リブ(123B)の突出側先端部(123a、123b)の角部が配置される形となるので、この角部において冷却媒体に対して乱流効果を与えることができ、境界層の形成されやすい従来技術に対して冷却媒体側における熱伝達率を向上させることができ、更に、電池セル(110)の冷却効果を高めることができる。
請求項2に記載の発明では、一方側の表面(121A)および他方側の表面(121B)において、第1リブ(123A)および第2リブ(123B)の延びる方向は、冷却通路(140)への冷却媒体の流入方向に対して傾斜して形成されていることを特徴としている。
この発明によれば、冷却通路(140)において、冷却媒体の流れは、第1リブ(123A)および第2リブ(123B)によって、冷却通路(140)への冷却媒体の流入方向に対して斜めに変更されながら進んでいくので、冷却通路(140)の全体に渡って拡がる、拡がり効果を持たせやすくすることができる。
請求項3に記載の発明では、一方側の表面(121A)および他方側の表面(121B)において、第1リブ(123A)および第2リブ(123B)の延びる方向は、冷却通路(140)への冷却媒体の流入方向に対して傾斜しており、
第1リブ(123A)および第2リブ(123B)は、それぞれ複数のリブ群に分かれており、
複数のリブ群のうち、1つのリブ群の傾斜方向に対して、異なる傾斜方向を有するリブ群を備えることを特徴としている。
この発明によれば、冷却通路(140)への冷却媒体の流入方向に対して、傾斜方向の異なるリブ群を設けることにより、冷却媒体の流れ方向を変化させる箇所を増加させることができるので、更に複雑な流れを伴いながら冷却媒体を冷却通路(140)の全体に渡って拡がるように流すことができ、電池セル(110)の冷却効果を高めることができる。
請求項4に記載の発明では、一方側の表面(121A)および他方側の表面(121B)において、第1リブ(123A)および第2リブ(123B)は、ジグザグ状に形成されていることを特徴としている。
この発明によれば、第1リブ(123A)および第2リブ(123B)をジグザグ状に形成することにより、請求項3に記載の発明と同様に、冷却媒体の流れ方向を変化させる箇所を増加させることができるので、更に複雑な流れを伴いながら冷却媒体を冷却通路(140)の全体に渡って拡がるように流すことができ、電池セル(110)の冷却効果を高めることができる。
請求項5に記載の発明では、一方側の表面(121A)および他方側の表面(121B)において、第1リブ(123A)の延びる方向は、冷却通路(140)への冷却媒体の流入方向に対して同一に形成され、第2リブ(123B)の延びる方向は、冷却通路(140)への冷却媒体の流入方向に対して直交して形成されていることを特徴としている。
この発明によれば、冷却通路(140)において、冷却媒体の流れは、第1リブ(123A)および第2リブ(123B)によって、冷却通路(140)への冷却媒体の流入方向に対して、同一方向および直交方向に変更されながら進んでいくので、冷却通路(140)の全体に渡って拡がる、拡がり効果を持たせることができる。
請求項2、5に記載の発明に対して、請求項6に記載の発明では、第1リブ(123A)および第2リブ(123B)は、延びる方向に断続的に形成されていることを特徴としている。
この発明によれば、冷却通路(140)に、第1リブ(123A)および第2リブ(123B)の寸断された端部を配置することができるので、請求項1で述べた角部に加えて、寸断された端部によっても乱流効果を高めて冷却媒体側における熱伝達率を向上させることができ、更に、電池セル(110)の冷却効果を高めることができる。
請求項7に記載の発明では、複数の電池モジュール(130)は、積層方向の両外側から内側に向けて所定の荷重が加えられて拘束されており、
第1リブ(123A)の突出側先端部(123a)と第2リブ(123B)の突出側先端部(123b)とが当接する部位で所定の荷重を受けるようになっていることを特徴としている。
この発明によれば、第1リブ(123A)および第2リブ(123B)のそれぞれの突出側先端部(123a、123b)が当接する部位は、一方側、他方側の表面(121A、121B)に対して満遍なく分散されて配置される形となるので、所定の荷重を一方側、他方側の表面(121A、121B)の全体に渡って均等に受けることができる。よって、電池セル(110)にかかる荷重も全体に渡って均等になるので、積層方向における電池セル(110)の寸法に偏りが発生することがなく、電池セル(110)の電池特性が低下するのを防止できる。
請求項8に記載の発明では、電池ケース(120)は、積層方向に分割され、同一形状を成す第1電池ケース(120A)と第2電池ケース(120B)とから成り、
第1電池ケース(120A)および第2電池ケース(120B)は、それぞれの電池ケース(120A、120B)の外周の一辺に、オス状の嵌合部(125)が形成され、一辺と対向するそれぞれの電池ケース(120A、120B)の対向辺に、メス状の嵌合部(126)が形成されており、
第1電池ケース(120A)のオス状の嵌合部(125)と、第2電池ケース(120B)のメス状の嵌合部(126)とが嵌合し、
第1電池ケース(120A)のメス状の嵌合部(126)と、第2電池ケース(120B)のオス状の嵌合部(125)とが嵌合して、電池ケース(120)が形成されていることを特徴としている。
この発明によれば、1種類の電池ケースを2つ使用して、第1電池ケース(120A)および第2電池ケース(120B)を形成することができ、安価な電池パック(100)とすることができる。そして、第1電池ケース(120A)に電池セル(110)を収容した後、第2電池ケース(120B)を第1電池ケース(120A)に被せ、オス状の嵌合部(125)とメス状の嵌合部(126)とを嵌合させることで容易に電池モジュール(130)を形成することができる。
請求項9に記載の発明では、平行配置された第1リブ(123A)および第2リブ(123B)のリブピッチが、均等に設定されていることを特徴としている。
この発明によれば、一方側、他方側の表面(121A、121B)に対して、複数の第1リブ通路(141)および第2リブ通路(142)における各通路幅を均等にして、網目状におけるひとつひとつの目の大きさが均等となる冷却流路(140)を形成することができるので、冷却媒体を冷却通路(140)の全体に渡って均一に拡がるように流すことができ、更に、電池セル(110)の冷却効果を高めることができる。
請求項10に記載の発明では、第1リブ(123A)および第2リブ(123B)の長手方向に直交する断面は、付根部側から突出側先端部(123a、123b)に向けて幅が小さくなる台形状に形成されていることを特徴としている。
この発明によれば、第1リブ(123A)の突出側先端部(123a)と、第2リブ(123B)の突出側先端部(123b)との当接によって、各リブ(123A、123B)の付根部側に反力として荷重が加わるときに、各リブ(123A、123B)の断面が台形状に形成されているので、加えられた荷重を拡げるようにして一方側、他方側表面(121A、121B)へ伝えることができ、一方側、他方側表面(121A、121B)に均一に荷重を分散させることができる。
請求項11に記載の発明では、冷却通路(140)への冷却媒体の流入方向と直交する方向の電池ケース(120)の両端部には、電池ケース(120)間を塞ぐ壁部(127)が形成されていることを特徴としている。
この発明によれば、冷却媒体が冷却通路(140)を流通する際に、壁部(127)によって冷却媒体が冷却通路(140)から外側に漏れることを防止できるので、効果的な電池セル(110)の冷却が可能となる。
請求項12に記載の発明では、電池ケース(120)には、複数の電池モジュール(130)が積層された際の互いの位置決めをして連結する連結部(128)が形成されていることを特徴としている。
この発明によれば、連結部(128)によって、複数の電池モジュール(130)のそれぞれを位置決めしながら積層することができ、組付けが容易となる。
請求項13に記載の発明では、複数の電池モジュール(130)は、積層方向の両外側から内側に向けて所定の荷重が加えられて拘束されており、
電池セル(110)の積層方向に直交する直交面(111)と、直交面(111)に対向する電池ケース(120)の対向面(121C)とは、面接触していることを特徴としている。
この発明によれば、電池セル(110)の直交面(111)と、電池ケース(120)の対向面(120C)とを面接触させるので、従来技術のように電池セルにリブの突出側先端部が直接当たり、局部的な変形を起こしやすい場合に比べて、全体的な圧縮となり、電池セル(110)の積層方向の寸法に偏りが発生することがなく、電池セル(110)の電池特性が低下するのを防止できる。
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態における電池モジュールを示す断面図である。 第1実施形態における電池ケースを示す正面図である。 図2のIII−III部を示す断面図である。 第1実施形態における電池パックを示す断面図である。 第1実施形態における冷却通路を示す正面図である。 図5のVI−VI部を示す断面図である。 第1実施形態の変形例1におけるリブを示す正面図である。 第1実施形態の変形例2におけるリブを示す正面図である。 第1実施形態の変形例3におけるリブを示す正面図である。 第1実施形態の変形例4におけるリブを示す正面図である 第1実施形態の変形例5における第1リブを示す正面図である。 第1実施形態の変形例5における第2リブを示す正面図である。 第1実施形態の変形例5における冷却通路を示す正面図である。 第2実施形態の電池ケースを示す正面図である。 図14のXV−XV部を示す断面図である。 第3実施形態におけるリブを示す正面図である。 第4実施形態におけるリブを示す断面図である。 第5実施形態における壁部を示す正面図である。 図18のXIX−XIX部を示す断面図である。 第6実施形態における電池パックを示す断面図である。 第6実施形態における電池ケースを示す斜視図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
第1実施形態の電池パック100の構成について、図1〜図6を用いて説明する。図1は電池モジュール130を示す断面図、図2は電池ケース120Aを示す正面図、図3は図2のIII−III部を示す断面図、図4は電池パック100を示す断面図、図5は冷却通路140を示す正面図、図6は図5のVI−VI部を示す断面図である。
電池パック100は、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車の走行用モータのバッテリ、あるいは住宅における蓄電用の蓄電池等として使用されるものである。電池パック100は、電池ケース120(図2、図3)に電池セル110が収容されて形成される電池モジュール130を備えており(図1)、この電池モジュール130が複数積層され、電気的に直列に接続されることで形成されている(図4)。そして、各電池モジュール130の間には、冷却風を流通させるための冷却通路140が形成されている(図4〜図6)。以下、その詳細を順に説明する。
電池セル110は、外形が四角形状を成して、板状(扁平状)に形成された電池であり、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池、有機ラジカル電池等から形成されている。電池セル110は、例えば、活物質の設けられた+側の金属箔と、活物質の設けられた−側の金属箔とが、セパレータを挟むように3層構造に形成されて、この3層構造体がロール状に巻かれ、更にロール状において板厚が重なる方向に扁平状となるように形成され、金属ケースやラミネートフィルム等に収納されている。電池セル100において、所定の電池特性を確保するためには、ロール状の断面に直交する方向の全体に渡って板厚間寸法が均一に維持されることが必要とされる。
また、電池セル110は、電池パック100を形成するにあたって、使用時の冷却の必要度合いに応じて、1つの電池ケース120内に収容される数が設定される。例えば冷却の必要度合いが高い場合は、電池セル110の数は少なく(最少で1つ)設定され、逆に、冷却の必要度合いが低い場合は、電池セル110の数は多く設定される。ここでは、電池セル110は、1つの電池ケース120内に4つ収容されるものとして例示している。電池セル110は、電池ケース120内で、電池セル110の板厚方向に積層されている。本実施形態では、電池パック100が使用される姿勢においては、電池セル110の積層方向は水平方向となっている。
電池セル110の板状に拡がる主面111は、凹凸のない平面として形成されている。4つの電池セル110は、主面111において互いに面接触している。そして、電池セル110の主面111と対向する電池ケース120内の内面121Cも凹凸のない平面として形成されている。よって、複数(4つ)積層された電池セル110の積層方向の最外方の主面111は、電池ケース120の内面121Cに面接触している。電池セル110の主面111は、本発明の「電池モジュール130が積層される方向に対して直交する直交面」に対応し、また、電池ケース120の内面121Cは、本発明の「直交面に対向する対向面」に対応する。
電池ケース120は、第1電池ケース120Aと第2電池ケース120Bとから形成されている。第1、第2電池ケース120A、120Bは、一方側が開口する浅い直方体の容器として形成されており、ここでは第1、第2電池ケース120A、120Bは、同一形状となっている。第1、第2電池ケース120A、120Bは、それぞれの開口側が互いに向かい合うように接合されることで、上記電池セル110を内部に収容する電池ケース120を形成している。つまり、電池ケース120は、同一の半ケースが2個使用されて形成されるものとなっている。
第1、第2電池ケース120A、120Bは、例えば、ポリプロピレン材等の樹脂材から成形されている。第1、第2電池ケース120A、120Bは、容器としての底部に対応する基本面121と、この基本面121の周囲から立設される周面122とを備えている。以下、便宜上、基本面121については、第1電池ケース120Aの基本面121を基本面121A、第2電池ケース120Bの基本面121を基本面121Bとして識別することとする。基本面121Aは、本発明の「一方側の表面」に対応し、また、基本面121Bは、本発明の「他方側の表面」に対応する。
基本面121A、121Bには、この基本面121A、121Bから電池ケース120の外方に向けて突出すると共に、基本面121A、121Bに沿って延びる細長のリブが複数形成されている。複数の細長のリブはそれぞれが平行となるように配置されている。ここで、便宜上、第1電池ケース120Aの基本面121Aに形成されるリブを第1リブ123A、第2電池ケース120Bの基本面121Bに形成されるリブを第2リブ123Bとして識別することとする。
第1、第2リブ123A、123Bは、第1電池ケース120A、120Bにおいて同一の形状で形成されている。第1、第2リブ123A、123Bは、四角形を成す基本面121A、121Bの内側領域に形成されている。また、第1、第2リブ123A、123Bの長手方向に直交する断面形状は四角形となっており、更に、第1、第2リブ123A、123Bの基本面121A、121B上で延びる方向は、鉛直方向に対して傾斜した方向となっている(図2、例えば右上がりの傾斜)。そして、第1、第2リブ123A、123Bの突出側の先端部は、それぞれ、先端部123a、123bとなっている。各先端部123a、123bは、凹凸のない平面状に形成されている。
電池モジュール130は、上記のように、電池ケース120内に電池セル110が収容されて形成されており、電池セル110の積層方向と同一方向(水平方向)に複数積層されている。積層された複数の電池モジュール130は、積層方向の両外側から内側に向けて所定の拘束力(荷重)が加えられて、固定され、電池パック100を形成している。複数の電池モジュール130は、各電池セル110が直列となるように電気的に接続されている。
冷却通路140は、各電池モジュール130の間に形成されて、冷却媒体が流通可能となる通路として形成されている。この冷却通路140は、本実施形態では以下のように形成されている。つまり、上記のように電池モジュール130が、複数積層されることによって、各電池ケース120においては、基本面121Aに形成された第1リブ123Aは基本面121B側に突出しており、また、基本面121Bに形成された第2リブ123Bは基本面121A側に突出しており、第1リブ123Aと第2リブ123Bとが対向することになる。そして、積層方向において所定の拘束力が加えられていることから、第1リブ123Aの先端部123aと、第2リブ123Bの先端部123bとが当接している。各電池ケース120においては、両先端部123a、123bが当接する部位は、所定の拘束力を受けている。
第1、第2リブ123A、123Bは、第1、第2ケース120A、120Bにそれぞれ設けられた同一形状の傾斜したリブであるので、互いに対向する際には、図5に示すように、積層方向の一方側から見たときに、第2リブ123Bの傾斜は、180度、反転されることで第1リブ123Aの傾斜に対して逆向き(右下がりの傾斜)となり、第1、第2リブ123A、123Bは、交差して、全体として網目状を成して、両先端部123a、123bが当接している。
そして、複数の第1リブ123Aのリブ間においては、第1リブ123Aの延びる方向に複数の第1リブ通路141が形成され、また、複数の第2リブ123Bのリブ間においては、第2リブ123Bの延びる方向に複数の第2リブ通路142が形成されている。冷却通路140は、基本的に、この第1リブ通路141と第2リブ通路142とを備えるものとなっている。
更に、第1リブ通路141と第2リブ通路142とが交差する各領域(以下、交差領域)140aにおいては、第1リブ通路141と第2リブ通路142とは互いに連通する形となっている。よって、第1リブ通路141は、第2リブ通路142を介して隣の第1リブ通路141と繋がり合った通路となり、同様に、第2リブ通路142は、第1リブ通路141を介して隣の第2リブ通路142と繋がり合った通路となり、冷却通路140は、全体で見た場合、網目状に繋がった通路となっている。
冷却通路140には、冷却媒体として冷却風が供給されるようになっている。冷却風の供給にあたっては自然空冷の形をとっており、冷却風はここでは、図4に示すように、電池パック100の下側を流入側、上側を流出側として、鉛直方向の下側から上側に向けて流れるようになっている。尚、冷却風は、上記のような自然空冷に限らず、例えば送風機を設けて、送風機によって発生される冷却風を強制的に冷却通路140に供給するようにしても良い。
次に、上記電池パック100の作動について説明する。
電池パック100は、走行用モータや電気機器等に対して電力を供給し、走行用モータや電気機器等の電力供給源となる。電力の供給と共に電池パック100自身の充電量が低下すれば、外部からの充電によって再び電気を蓄えて電力供給可能となる。電池パック100の作動時においては、電池セル110は発熱を伴い、冷却通路140を流通する冷却風によって冷却される。
ここで、冷却通路140は、上記で説明したように、全体で見た場合、網目状に繋がった通路となっているので、冷却風を冷却通路140に流す際に、この網目を縫うような流れを形成することができ、冷却風を冷却通路140の全体に渡って拡がるように流すことができる。よって、電池セル110の全体に対して均一な冷却が可能となり、より効果的な電池セル110の冷却が可能となる。
また、第1リブ通路141と第2リブ通路142とが交差する交差領域140aには、第1リブ123Aおよび第2リブ123Bの突出側先端部123a、123bの角部が配置される形となるので、この角部において冷却風に対して乱流効果を与えることができ、境界層の形成されやすい従来技術に対して冷却風側における熱伝達率を向上させることができ、更に、電池セル110の冷却効果を高めることができる。
また、第1リブ123Aおよび第2リブ123Bの延びる方向が、冷却通路140への冷却風の流入方向(鉛直方向)に対して傾斜するように形成されているので、冷却通路140において、冷却風の流れは、第1リブ123Aおよび第2リブ123Bによって冷却通路140への冷却風の流入方向に対して斜めに変更されながら進んでいき、冷却通路140の全体に渡って拡がる、拡がり効果を持たせやすくすることができる。
また、複数の電池モジュール130の組付けにおいて、積層方向の両外側から内側に向けて所定の拘束力が加えられており、この拘束力を第1リブ123Aおよび第2リブ123Bのそれぞれの先端部123a、123bが当接する部位で受けるようにしている。そして、第1リブ123Aおよび第2リブ123Bのそれぞれの先端部123a、123bが当接する部位は、各基本面121A、121Bにおいて満遍なく分散されて配置される形となるので、所定の拘束力を各基本面121A、121Bの全体に渡って均等に受けることができる。よって、電池セル110にかかる拘束力も全体に渡って均等になるので、積層方向における電池セル110の寸法に偏りが発生することがなく、電池セル110の電池特性が低下するのを防止できる。
また、電池ケース120は、積層方向に分割され、同一形状を成す第1電池ケース120Aと第2電池ケース120Bとから形成されるようにしているので、安価な電池パック100とすることができる。
また、電池セル110の主面111と、電池ケース120の内面121Cとが、面接触するようにしているので、従来技術のように電池セルにリブの突出側先端部が直接当たり、局部的な変形を起こしやすい場合に比べて、全体的な圧縮となり、電池セル110の積層方向の寸法に偏りが発生することがなく、電池セル110の電池特性が低下するのを防止できる。
(第1実施形態の変形例)
(変形例1)
第1実施形態の変形例1〜変形例5を図7〜図13に示す。変形例1〜変形例4は、上記第1実施形態と同様に、同一形状を成す第1電池ケース120Aと第2電池ケース120Bとを用いたものである。
図7は、変形例1の第1、第2リブ123A、123Bを示している。変形例1の第1、第2リブ123A、123Bは、上記第1実施形態に対して、長手方向(延びる方向)に断続的に形成されている。つまり、第1、第2リブ123A、123Bには、長手方向の途中部位において複数の寸断部124が形成されている。
変形例1によれば、冷却通路140に、第1、第2リブ123A、リブ123Bの寸断部124における端部を配置することができるので、上記第1実施形態で述べた角部に加えて、寸断された端部によっても乱流効果を高めて冷却媒体側における熱伝達率を向上させることができ、更に、電池セル110の冷却効果を高めることができる。
(変形例2)
図8は、変形例2の第1、第2リブ123A、123Bを示している。変形例2の第1、第2リブ123A、123Bは、上記第1実施形態に対して、複数のリブ群123A1〜123A4から形成されている。各リブ群123A1〜123A4は、それぞれの第1、第2リブ123A、123Bの長手方向が第1実施形態よりも短く形成されており、第1、第2電池ケース120A、120Bの上側から下側に向けて順に配置されている。リブ群123A1の傾斜方向は、第1実施形態と同一であり、このリブ群123A1を基準としたとき、リブ群123A3の傾斜方向は同一で、リブ群123A2とリブ群123A4の傾斜方向が逆向きとなっている。つまり、複数のリブ群123A1〜123A4のうち、1つのリブ群123A1に対して、異なる傾斜方向を有するリブ群123A2、123A4を備えている。ここでは、リブ群123A1〜123A4の傾斜方向は、交互に逆方向となるように設定されている。
変形例2によれば、冷却通路140への冷却風の流入方向に対して、傾斜方向の異なるリブ群123A1〜123A4を設けることにより、冷却風の流れ方向を変化させる箇所を増加させることができるので、更に複雑な流れを伴いながら冷却風を冷却通路140の全体に渡って拡がるように流すことができ、電池セル110の冷却効果を高めることができる。
(変形例3)
図9は、変形例3の第1、第2リブ123A、123B(リブ群123A1〜123A4)を示している。上記変形例2に対して、変形例3では、リブ群123A1〜123A4の傾斜方向は、リブ群123A1とリブ群123A4とが同一で、リブ群123A2とリブ群123A3とが同一となっている。このように、リブ群123A1〜123A4の傾斜方向を、上記変形例2に対して、ランダムに異なるように、設定しても良く、同様の効果を奏することができる。
(変形例4)
図10は、変形例4の第1、第2リブ123A、123Bを示している。変形例4の第1、第2リブ123A、123Bは、上記第1実施形態に対して、ジグザグ状に形成されている。
変形例4によれば、第1、第2リブ123A、123Bをジグザグ状に形成することにより、変形例2、変形例3と同様に、冷却風の流れ方向を変化させる箇所を増加させることができるので、更に複雑な流れを伴いながら冷却風を冷却通路140の全体に渡って拡がるように流すことができ、電池セル110の冷却効果を高めることができる。
尚、第1実施形態および変形例1のように、第1、第2電池ケース120A、120Bにおいて同一の方向のみのリブであると、ある方向には剛性が高いが、他の方向には剛性が低いといったような、剛性差(異方性)が発生しやすいが、変形例2〜変形例4によれば、第1、第2リブ123A、123Bが、同一の方向を向くことが無くなるので、この剛性差を緩和することができ、第1、第2電池ケース120A、120Bに発生するソリを低減することができる。
(変形例5)
図11〜図13は、変形例5の第1、第2リブ123A、123Bを示している。変形例5において、第1電池ケース120Aと第2電池ケース120Bは、形状の異なるものとなっている。第1電池ケース120Aにおいて、第1リブ123Aの延びる方向は、冷却通路140への冷却風の流入方向(鉛直方向)に対して同一に形成されており、また、第2電池ケース120Bにおいて、第2リブ123Bの延びる方向は、冷却通路140への冷却風の流入方向(鉛直方向)に対して直交して(水平方向に)形成されている。よって、第1リブ123Aと第2リブ123Bとが当接することで、鉛直方向および水平方向の網目状の冷却通路140が形成されている。
変形例5によれば、冷却通路140において、冷却風の流れは、第1リブ123Aおよび第2リブ123Bによって、冷却通路140への冷却風の流入方向に対して、同一方向および直交方向に変更されながら進んでいくので、冷却通路140の全体に渡って拡がる、拡がり効果を持たせることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態を図14、図15に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、同一形状を成す第1電池ケース120A、および第2電池ケース120Bに、組み付け用のオス状嵌合部125、およびメス状嵌合部126を設けたものである。
オス状嵌合部125は、メス状嵌合部126に嵌合する突状の嵌合部であり、第1電池ケース120A(第2電池ケース120B)の4つの周壁122のうちの、1つの周壁122(外周の一辺)に設けられている。オス状嵌合部125は、例えば1つの周壁122の長手方向に複数(ここでは2つ)並ぶように設けられている。
メス状嵌合部126は、オス状嵌合部125に嵌合する凹状の嵌合部であり、オス状嵌合部125が設けられた1つの周壁122と対向する側の周壁122(対向辺)に設けられている。メス状嵌合部126は、例えば対向する側の周壁122の長手方向に複数(ここでは2つ)並ぶように設けられている。
オス状嵌合部125とメス状嵌合部126の設定位置は、換言すると、第1電池ケース120A(第2電池ケース120B)に対して、第2電池ケース120B(第1電池ケース120A)を反転して第1電池ケース120A(第2電池ケース120B)に組付ける際に、第2電池ケース120B(第1電池ケース120A)を反転させる時の反転軸(回転軸)Aに対して対称の位置関係となるように設けられている。
電池モジュール130の組付けにあたっては、第1電池ケース120Aに電池セル110を収容し、第2電池ケース120Bの開口側を第1電池ケース120Aの開口側に向けて被せるようにして組付ける。このとき、両電池ケース120A、120Bのオス状嵌合部125と、メス状嵌合部126とは、互いに向かい合うことになり、第1電池ケース120のオス状嵌合部125を第2電池ケース120Bのメス状嵌合部126に嵌合させ、また、第2電池ケース120Bのオス状嵌合部125を第1電池ケース120Aのメス状嵌合部に嵌合させることで、電池モジュール130が形成される。
第2実施形態によれば、1種類の電池ケースを2つ使用して、第1電池ケース120A、および第2電池ケース120Bを形成することができ、安価な電池パック100とすることができる。そして、第1電池ケース120Aに電池セル110を収容した後、第2電池ケース120Bを第1電池ケース120Aに被せ、オス状嵌合部125とメス状嵌合部126とを嵌合させることで、容易に電池モジュール130を形成することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態を図16に示す。第3実施形態は、上記第1実施形態に対して、同一形状を成す第1、第2電池ケース120A、120Bにおいて、平行配置された複数の第1、第2リブ123A、123B間のピッチPを均等に設定したものである。
第3実施形態によれば、基本面121A、121Bに対して、複数の複数の第1リブ通路141および第2リブ通路142における各通路幅を均等にして、網目状におけるひとつひとつの目の大きさが均等となる冷却流路140を形成することができるので、冷却風を冷却通路140の全体に渡って均一に拡がるように流すことができ、更に、電池セル110の冷却効果を高めることができる。
また、第1、第2リブ123A、123B間のピッチPを均等にしていることから、第1リブ123Aおよび第2リブ123Bのそれぞれの先端部123a、123bが当接する部位は、各基本面121A、121Bにおいて均等に分散されて配置される形となるので、電池モジュール130の組付け時に付加される所定の拘束力を、各基本面121A、121Bの全体に渡って均等に受けることができる。そして、電池セル110にかかる拘束力も全体に渡って均等になるので、積層方向における電池セル110の寸法に偏りが発生することがなく、電池セル110の電池特性が低下するのを防止できる。
(第4実施形態)
第4実施形態を図17に示す。第4実施形態は、上記第1実施形態に対して、第1、第2リブ123A、123Bの長手方向に直交する断面形状を、台形状にしたものである。第1、第2リブ123A、123Bの断面形状は、基本面121A、121Bに接続される付根部側から先端部123a、123bに向けて幅寸法が小さくなる台形状に形成されている。
第4実施形態によれば、第1リブ123Aの先端部123aと、第2リブ123Bの先端部123bとの当接によって、各リブ123A、123Bの付根部側に、電池モジュール130の組付け時に付加される所定の拘束力が反力として加わるときに、第1、第2リブ123A、123Bの断面が台形状に形成されているので、加えられた拘束力を拡げるようにして各表面121A、121Bへ伝えることができ、各表面121A、121Bに均一に荷重を分散させることができる。
また、第1、第2電池ケース120A、120Bを樹脂材にて成形する際に、第1、第2リブ123A、123Bの断面形状が台形状であると、金型の離型が容易となり、離型時の不良を低減して、歩留まりを向上できる。
(第5実施形態)
第5実施形態を図18、図19に示す。第5実施形態は、上記第1実施形態に対して、同一形状を成す第1第、2電池ケース120A、120Bに壁部127を設けたものである。
壁部127は、冷却通路140への冷却風の流入方向と直交する方向の第1、第2電池ケース120A、120Bの両端部に設けられている。壁部127は、第1、第2リブ123A、123Bと同様に、対向する側の電池ケース(120B、120A)に向けて突出して、第1、第2電池ケース120A、120Bの両端部に沿って真直ぐ延びるように設けられている。
壁部127は、電池モジュール130(電池ケース120)が積層される際に、第1電池ケース120A側の壁部127と、第2電池ケース120B側の壁部127とが対向して、両壁部127の先端部同士が接触、あるいは近接するようになっている。即ち、壁部127によって、電池モジュール130(電池ケース120)の間に形成される冷却通路140の両端部側が塞がれるようになっている。
尚、壁部127の突出寸法は、第1、第2リブ123A、123Bの突出寸法と同等もしくはわずかに小さく設定されており、電池モジュール130を積層して、積層方向に所定の拘束力を付加して固定する際には、第1リブ123Aと第2リブ123Bとが当接すると共に、壁部127同士が当接して、壁部127は、第1、第2リブ123A、123Bと共に拘束力を受けるようにする、あるいは、第1リブ123Aと第2リブ123Bとが先に当接して、壁部127は拘束力を受けないようにすることができる。
第5実施形態によれば、冷却風が冷却通路140を流通する際に、図18の破線矢印で示すように、壁部127によって冷却風が冷却通路140から外側に漏れることを防止できるので、効果的な電池セル110の冷却が可能となる。
(第6実施形態)
第6実施形態を図20、図21に示す。第6実施形態は、上記第1実施形態に対して、同一形状を成す第1、第2電池ケース120A、120Bに、複数の電池モジュール130が積層された際に、互いの電池モジュール130同士の位置決めおよび連結を行うための連結部128を設けたものである。
連結部128は、円筒状のピン128aと円形状の孔128bとを備えている。ピン128aは、第1、第2電池ケース120A、120Bの上側の角部に突出するように設けられている。また、孔128bは、第1、第2電池ケース120A、120Bの下側の角部に穿設されている。ピン128aの外径寸法は、孔128bの内径寸法よりもわずかに小さく設定されている。
第1電池ケース120Aに第2電池ケース120Bを組付けて電池モジュール130(電池ケース120)を形成すると、上記で説明したように、第1電池ケース120Aの上側にはピン128aが位置し、第1電池ケース120Aの下側には孔128bが位置する。一方、第2電池ケース120Bは、反転されて第1電池ケース120Aに組付けされるので、第2電池ケース120Bの上側には孔128bが位置し、第2電池ケース120Bの下側にはピン128aが位置する。よって、複数の電池モジュール130を積層した際に、1つの電池モジュール130のピン128aは、対向する電池モジュール130の孔128bと向かい合うことになる。また、1つの電池モジュール130の孔128bは、対向する電池モジュール130のピン128aと向かい合うことになる。そして、各ピン128aは、向かい合う孔128bに挿入される。これにより、各電池モジュール130の積層時の互いの位置が規定され、且つ、互いの電池モジュール130が連結された形となる。そして、積層方向の両外側から内側に向けて所定の拘束力が付加されて、複数の電池モジュール130は固定されている。
第6実施形態によれば、連結部128によって、複数の電池モジュール130のそれぞれを位置決めしながら積層することができ、組付けが容易となる。
尚、連結部128の形成にあたっては以下のようにしても良く、上記と同様の効果を奏することができる。
即ち、連結部128を形成するピン128aと孔128bにおいて、ピン128aの外径寸法を、孔128bの内径寸法よりもわずかに大きくなるようにして、ピン128aを孔128bに圧入することで、各電池モジュール130の位置を規定すると共に、各電池モジュール130を連結するようにしても良い。
更には、例えば、ピン128aの先端部の外径寸法を、孔128bの内径よりも僅かに大きい外径となるように形成し、ピン128aを孔128bに挿入する際に、ピン128aの先端部の大径部が弾性変形をして、第1、第2電池ケース120A、120Bの板厚分だけ貫通すると、弾性変形分が復元して、ピン128aが孔128bに係止されるようにしても良い。また、連結部128として係合凸部と係合凹部との組合せにして、両者が係合された後に係止されるようにしても良い。
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、複数形成される第1リブ123Aおよび第2リブ123Bのすべてが交差するものとして説明したが(例えば図5)、これに限らず、複数の第1、第2リブ123A、123Bのうち、交差しないものがあっても良い。例えば、冷却風の流入側領域、流出側領域においては、第1リブ123A、123Bの延びる方向を共に、冷却風の流入方向と同一として第1リブ通路141、第2リブ通路142の方向を同一としても良い。これにより、冷却風の流入領域、流出領域における圧損を低減できる。
また、上記各実施形態では、冷却風は、電池パック100の下側から上側に流れるものとして説明したが、これに限らず、水平方向に流れるものとしても良い。このとき、第5実施形態で説明した壁部127は、第1電池ケース120A、120Bの上側と下側の両端部に沿って真直ぐ延びるように設けるのが良い。
また、冷却媒体は、冷却風としたが、冷却液としても良い。この場合は、電池パック100を1つの筐体内に収容することで、筐体内において各電池モジュール130間に冷却液の流路を形成するようにする。
100 電池パック
110 電池セル
111 主面(直交面)
120 電池ケース
120A 第1電池ケース
120B 第2電池ケース
121 基本面
121A 基本面(一方側の表面)
121B 基本面(他方側の表面
121C 内面(対向面)
123A 第1リブ
123a 先端部(突出側先端部)
123B 第2リブ
123b 先端部(突出側先端部)
125 オス状嵌合部
126 メス状嵌合部
127 壁部
128 連結部
130 電池モジュール
140 冷却通路

Claims (13)

  1. 充放電可能な電池セル(110)が、電池ケース(120)内に収容されて形成される電池モジュール(130)を備え、
    前記電池モジュール(130)が、複数積層され、電気的に接続されると共に、複数の前記電池モジュール(130)の間に冷却媒体が流通する冷却通路(140)が形成された電池パックにおいて、
    前記積層方向で互いに対向する前記電池ケース(120)の一方側の表面(121A)および他方側の表面(121B)には、対向する相手側の前記電池ケース(120)の表面(121B、121A)に向けて突出し、自身の表面(121A、121B)上に沿って延び、複数本が平行配置されたリブ(123A、123B)が、それぞれ形成されており、
    前記一方側の表面(121A)に形成された前記リブ(123A)を第1リブ(123A)とし、前記他方側の表面(121B)に形成された前記リブ(123B)を第2リブ(123B)としたとき、
    前記冷却通路(140)内において、前記第1リブ(123A)と前記第2リブ(123B)とが交差して、前記第1リブ(123A)の突出側先端部(123a)と前記第2リブ(123B)の突出側先端部(123b)とが当接していることを特徴とする電池パック。
  2. 前記一方側の表面(121A)および前記他方側の表面(121B)において、前記第1リブ(123A)および前記第2リブ(123B)の延びる方向は、前記冷却通路(140)への前記冷却媒体の流入方向に対して傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
  3. 前記一方側の表面(121A)および前記他方側の表面(121B)において、前記第1リブ(123A)および前記第2リブ(123B)の延びる方向は、前記冷却通路(140)への前記冷却媒体の流入方向に対して傾斜しており、
    前記第1リブ(123A)および前記第2リブ(123B)は、それぞれ複数のリブ群に分かれており、
    前記複数のリブ群のうち、1つのリブ群の前記傾斜方向に対して、異なる傾斜方向を有するリブ群を備えることを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
  4. 前記一方側の表面(121A)および前記他方側の表面(121B)において、前記第1リブ(123A)および前記第2リブ(123B)は、ジグザグ状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
  5. 前記一方側の表面(121A)および前記他方側の表面(121B)において、前記第1リブ(123A)の延びる方向は、前記冷却通路(140)への前記冷却媒体の流入方向に対して同一に形成され、前記第2リブ(123B)の延びる方向は、前記冷却通路(140)への前記冷却媒体の流入方向に対して直交して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
  6. 前記第1リブ(123A)および前記第2リブ(123B)は、前記延びる方向に断続的に形成されていることを特徴とする請求項2または請求項5に記載の電池パック。
  7. 複数の前記電池モジュール(130)は、前記積層方向の両外側から内側に向けて所定の荷重が加えられて拘束されており、
    前記第1リブ(123A)の突出側先端部(123a)と前記第2リブ(123B)の突出側先端部(123b)とが当接する部位で前記所定の荷重を受けるようになっていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つ記載の電池パック。
  8. 前記電池ケース(120)は、前記積層方向に分割され、同一形状を成す第1電池ケース(120A)と第2電池ケース(120B)とから成り、
    前記第1電池ケース(120A)および前記第2電池ケース(120B)は、それぞれの電池ケース(120A、120B)の外周の一辺に、オス状の嵌合部(125)が形成され、前記一辺と対向する前記それぞれの電池ケース(120A、120B)の対向辺に、メス状の嵌合部(126)が形成されており、
    前記第1電池ケース(120A)の前記オス状の嵌合部(125)と、前記第2電池ケース(120B)の前記メス状の嵌合部(126)とが嵌合し、
    前記第1電池ケース(120A)の前記メス状の嵌合部(126)と、前記第2電池ケース(120B)の前記オス状の嵌合部(125)とが嵌合して、前記電池ケース(120)が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の電池パック。
  9. 平行配置された前記第1リブ(123A)および前記第2リブ(123B)のリブピッチが、均等に設定されていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の電池パック。
  10. 前記第1リブ(123A)および前記第2リブ(123B)の長手方向に直交する断面は、付根部側から前記突出側先端部(123a、123b)に向けて幅が小さくなる台形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の電池パック。
  11. 前記冷却通路(140)への前記冷却媒体の流入方向と直交する方向の前記電池ケース(120)の両端部には、前記電池ケース(120)間を塞ぐ壁部(127)が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1つに記載の電池パック。
  12. 前記電池ケース(120)には、複数の前記電池モジュール(130)が積層された際の互いの位置決めをして連結する連結部(128)が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1つに記載の電池パック。
  13. 複数の前記電池モジュール(130)は、前記積層方向の両外側から内側に向けて所定の荷重が加えられて拘束されており、
    前記電池セル(110)の前記積層方向に直交する直交面(111)と、前記直交面(111)に対向する電池ケース(120)の対向面(121C)とは、面接触していることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1つに記載の電池パック。
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