JP2012067774A - 仮栓部材及び該仮栓部材を用いた配管分岐部材の撤去方法 - Google Patents

仮栓部材及び該仮栓部材を用いた配管分岐部材の撤去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガス配管などのガス導管において、本栓を設置した際に本栓の設置状態の検査をガス導管内のガス圧力に基づいて迅速に行えるようにするための仮栓部材及び該仮栓部材を用いた配管分岐部材の撤去方法を提供する。
【解決手段】本発明の仮栓部材は、ガス導管から分岐する分岐管に本栓が施工される前に設置される仮栓部材2であって、前記分岐管部に挿入される本体部4と、本体部4に設けられてガス導管側と本栓側とを貫通する貫通孔6と、貫通孔6に設けられた弁座8と、弁座8に着座する弁体10を有すると共に本栓側から作用する力を受ける受圧部を有する弁部材12とを有し、弁体10は仮栓部材2をガス導管の分岐管に設置した状態で弁体10が弁座8に着座しており、本栓側からの力を受圧部が受けることで弁体10が弁座8から離れてガス導管側と前記本栓側とが連通するようになっている
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガス配管などの導管において、配管分岐部材の撤去、サドルの融着あるいはキャップの融着の際に用いられる仮栓部材及び該仮栓部材を用いた配管分岐部材の撤去方法に関する。
ガス配管などの導管において、例えば配管分岐部材の撤去、サドルの融着あるいはキャップの融着などを行う場合、本栓を設置する際にその前段階として仮栓部材を設置することが行われる。
このような仮栓部材の設置を、未整理供給管の撤去を例に挙げて説明する。
まず、未整理供給管について説明する。
ガス配管は、道路下の導管から配管分岐部材を介して供給管が設けられ、この供給管が各宅地内の所定の場所に引き込まれている。
しかし、宅地内の建物の建て替えや、宅地の転用に際して、その供給管が不使用状態になる場合がある。その場合、供給管はとりあえず宅地内においてスクイズオフして一時切断し、その端末にEFキャップ等を融着することで閉止処理してガス漏洩防止される。このように閉止処理して残された供給管を未整理供給管という。
この未整理供給管は、導管と接続されており活管状態であるため、長期間埋設状態にあるとガス漏れを生じるおそれがある。また、他工事で引っ掛ける危険性もある。
そこで、このような未整理供給管を撤去する要請があり、このような未整理供給管の撤去は例えば以下のようにして行われ、その撤去作業の過程で仮栓部材が使用される。
内蔵タッピング工具(カッター)を有するチーを介して元管に接続された樹脂製分岐管を撤去する方法であって、前記カッターを前記元管の側壁のタッピング孔に挿入し、該カッターの上側で前記チーを切断し、該チーの切断部に封止作業バッグを取り付け、該バッグ中において、前記タッピング孔から前記カッターを取り外した後、該タッピング孔に仮栓部材を取り付け、該仮栓部材の外側から樹脂製の本閉止栓を回転させながら当て、該本閉止栓と前記タッピング孔端部との間に生じる摩擦熱で、本閉止栓を前記チーの切断部に融着することを特徴とする樹脂製分岐管の撤去方法(特許文献1参照)。
特許文献1に記載された仮栓部材は、特許文献1において以下のように説明されている。
「仮栓11は、ポリエチレン等の樹脂製円盤からなる本体12と、この本体12の側周面に設けたOリング13からなる。仮栓11を取り付けたとき、仮栓11の本体12側周面とタッピング孔101a内壁間がOリング13でシールされる。」(特許文献1の[0021]参照)
特開2002-295724号公報(請求項1参照)
ガス導管等において、本栓による閉止処理を行ったときには、本栓からのガス漏れがないことを確認する必要がある。その場合、ガス導管に通常流れているガス圧力を導管側から本栓に直接作用させて行うのが望ましい。
ところが、本栓を施工する前段階で仮栓を設置しているため、仮栓によってガス導管内のガスが本栓側に作用するのが妨げられると、本栓の閉止状態を上記の好ましい態様で検査することができないことになる。
特許文献1に記載された仮栓は、Oリングによってタッピング孔を塞ぐ構造であるため、本栓を施工した後、ガス導管側のガスが仮栓のOリングを通過して本栓に作用するには時間を要するため、本栓の試験にはこの時間を待つ必要があり、迅速な試験ができないという問題がある。
このような問題は、上述した未整理供給管の撤去の際のみならず、サドルの融着、キャップの融着などの場合にも生ずる。
本発明は係る課題を解決するためになされたものであり、ガス配管などの導管において、本栓を設置した際に本栓の設置状態の検査を導管内のガス圧力に基づいて迅速に行えるようにするための仮栓部材及び該仮栓部材を用いた配管分岐部材の撤去方法を提供することを目的としている。
(1)本発明に係る仮栓部材は、ガス導管から分岐する分岐管に本栓が施工される前に設置される仮栓部材であって、前記分岐管部に挿入される本体部と、該本体部に設けられて前記ガス導管側と本栓側とを貫通する貫通孔と、該貫通孔に設けられた弁座と、該弁座に着座する弁体を有すると共に本栓側から作用する力を受ける受圧部を有する弁部材とを有し、前記弁体は仮栓部材を前記ガス導管の分岐管に設置した状態で弁体が前記弁座に着座しており、前記本栓側からの力を前記受圧部が受けることで前記弁体が前記弁座から離れて前記ガス導管側と前記本栓側とが連通するようになっていることを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記弁部材は、前記ガス導管側のガス圧力を受圧する第1受圧部を有し、前記弁部材における前記受圧部は、本栓側から作用する空圧を受圧する第2受圧部であり、
前記弁体を前記弁座から離す方向の力を前記弁部材に付与する付勢手段を有し
該付勢手段の付勢力は、常時は前記弁体を前記弁座から離す作用をし、仮栓部材をガス導管の分岐管に設置した状態で前記第1受圧部に前記ガス導管のガス圧力が作用したときにはガス圧力によって弁体が前記弁座に着座するように作用し、前記第2受圧部に前記本栓設置時の空圧が作用したときには前記弁体が前記弁座から離れるように作用するように設定されていることを特徴とするものである。
(3)また、本発明に係る配管分岐部材の撤去方法は、ガス導管に固定されたサドル部から立ち上がる立上り管部と該立上り管部から分岐して設けられた分岐管部とを備えてなる樹脂製の配管分岐部材を、上記(1)又は(2)に記載の仮栓部材を用いて撤去する配管分岐部材の撤去方法であって、
前記仮栓部材を前記立上り管部内に挿入する仮栓設置工程と、前記立上り管部を前記サドル部近傍にて除去する立上り管部除去工程と、円盤状で樹脂製の蓋部材の外周面及び前記除去によって現れた立上り管部の内周面とを加熱して溶融する溶融工程と、前記蓋部材を前記立上り管部に挿入して両者を接着する接着工程とを備えたことを特徴とするものである。
(4)また、上記(3)に記載のものにおいて、前記立上り管部除去工程は、立上り管部の上端面と内周面の両方を切削する工程を含むことを特徴とするものである。
本発明に係る仮栓部材は、ガス導管から分岐する分岐管に本栓が施工される前に設置される仮栓部材であって、前記分岐管部に挿入される本体部と、該本体部に設けられて前記ガス導管側と本栓側とを貫通する貫通孔と、該貫通孔に設けられた弁座と、該弁座に着座する弁体を有すると共に本栓側から作用する力を受ける受圧部を有する弁部材とを有し、前記弁体は仮栓部材を前記ガス導管の分岐管に設置した状態で弁体が前記弁座に着座しており、前記本栓側からの力を前記受圧部が受けることで前記弁体が前記弁座から離れて前記ガス導管側と前記本栓側とが連通するようにしたので、本栓を設置した状態で、ガス導管内のガスが本栓側に作用する状態を保持できるので、この状態で本栓の設置状態の確認試験を行うことができ、ガス導管内のガス圧力が作用した状態での確認試験となり、好ましい態様での試験を実現できる。
本発明の一実施の形態に係る仮栓部材の説明図である。 図1に示した仮栓部材を用いた配管分岐部材の撤去方法の工程を概説する説明図である。 本発明の一実施の形態に係る仮栓部材の動作説明図である。 本発明の他の実施の形態に係る仮栓部材の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る配管部材の撤去方法に用いる撤去装置の説明図であり、特に本体部の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る配管部材の撤去方法に用いる撤去装置の説明図であり、特に芯出し具兼蓋部材保持具の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る配管部材の撤去方法に用いる撤去装置の説明図であり、特に芯出し具兼蓋部材保持具の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る配管部材の撤去方法に用いる撤去装置の説明図であり、特に切削具の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る配管部材の撤去方法に用いる撤去装置の説明図であり、特に切削具の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る配管部材の撤去方法に用いる撤去装置の説明図であり、特に切削具の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る配管部材の撤去方法に用いる撤去装置の説明図であり、特に融着具の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る配管部材の撤去方法に用いる撤去装置の説明図であり、特に融着具の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る配管分岐部材の撤去方法の説明図である(その1)。 本発明の一実施の形態に係る配管分岐部材の撤去方法の説明図である(その2)。 本発明の一実施の形態に係る配管分岐部材の撤去方法の説明図である(その3)。 本発明の一実施の形態に係る配管分岐部材の撤去方法の説明図である(その4)。 本発明の一実施の形態に係る配管分岐部材の撤去方法の説明図である(その5)。 本発明の一実施の形態に係る配管分岐部材の撤去方法の説明図である(その6)。 本発明の一実施の形態に係る配管分岐部材の撤去方法の説明図である(その7)。 本発明の一実施の形態に係る配管分岐部材の撤去方法の説明図である(その8)。 本発明の一実施の形態に係る配管分岐部材の撤去方法の説明図である(その9)。 本発明の一実施の形態に係る配管分岐部材の撤去方法の説明図である(その10)。 本発明の一実施の形態に係る配管分岐部材の撤去方法の説明図である(その11)。 本発明の一実施の形態に係る配管分岐部材の撤去方法の説明図である(その12)。 本発明の一実施の形態に係る配管分岐部材の撤去方法の説明図である(その13)。 本発明の一実施の形態に係る配管分岐部材の撤去方法の説明図である(その14)。 本発明の一実施の形態に係る配管分岐部材の撤去方法の説明図である(その15)。 本発明の一実施の形態に係る配管分岐部材の撤去方法の説明図である(その16)。 本発明の一実施の形態に係る配管分岐部材の撤去方法の説明図である(その17)。
[実施の形態1]
本実施の形態に係る仮栓部材2は、本体部4と、該本体部4の中心部に設けられて上下に貫通する貫通孔6と、該貫通孔6に設けられた弁座8と、該弁座8に着座する弁体10を有する弁部材12と、前記弁体10が前記弁座8から離れる方向の力を作用させる付勢手段としてのバネ14を有している。
各部材をさらに詳細に説明する。
<本体部>
本体部4は、その外面部の材質がゴム製であり、仮栓部材2を装着する管部材との気密性が保たれるようになっている。
本体部4の上端側には全周に亘って外方に突出するフランジ部4aが形成されている。フランジ部4aは仮栓部材2と管部材との気密性を増す機能を有する。
<貫通孔>
貫通孔6は、本体部4の中心部にその上下方向に貫通して設けられている。貫通孔6の上部には弁座8が設置されている。また、貫通孔6の上下方向中間部には弁部材12を保持する保持部材16が設置されている。
<弁座>
弁座8は、中心に開口部を有し、下面側に弁体10が当接する当接部が形成されている。当接部は、上方に向かって縮径する円弧面になっている。
<弁部材>
弁部材12は、上端側に弁体10を有し、弁体10の下面から下方に延びる軸部18と、軸部18の下端側に形成された拡径部20とを有している。
弁体10は、上端面が半球状に形成されて弁座8に着座することでガスの通流を遮断できるようになっている。弁体10の上端面は弁座8の開口側からの空圧を受圧する第1受圧部となっている。
弁部材12は貫通孔6に設置された保持部材16によって軸部18が保持されることで上下動可能に設置されている。保持部材16と軸部18との間にはガスが通流できる隙間が形成されている。
弁体10の下面には平面部が形成され、また拡径部20の底面にも平面部が形成されている。これら、平面部は、導管1内のガスの圧力を受圧する第2受圧部となる。
<バネ>
バネ14は弁部材12の軸部18に挿入されており、バネ14の上端が保持部材16の下面に当接し、バネ14の下端は軸部18の下端に形成された拡径部20に当接している。バネ14は拡径部20を介して弁部材12を下方に下げる力を付与している。したがって、何らの外力が作用しない状態では、図1に示すように、弁部材12はバネ14の作用により下方に押し下げられて、弁体10が弁座8から離れている。
上記のように構成された仮栓部材2の動作を、配管分岐部材3の撤去方法を示した図2及び、仮栓部材2の動作説明を示した図3に基づいて説明する。
撤去前の状態は、図2(a)に示すように、導管1の表面にいわゆるサービスチーと呼ばれる配管分岐部材3が設置され、この配管分岐部材3を介して例えば各宅地内の所定箇所に供給管5が配置される。
このような配管分岐部材3は、導管1の表面に融着されたサドル部7と、サドル部7から立ち上がる立上り管部9と、立上り管部9の端部に設置されたチーキャップ11と、立上り管部9から直交方向に延出する分岐管部13とを備えている。そして、図示していないが。立上り管部9内には配管分岐部材3の設置時に導管1に穿孔するために使用したカッター17が残存している。
図2(a)に示したような配管分岐部材3を撤去するには、まず図2(b)に示すように、撤去の対象となる配管分岐部材3を覆うようにノーブローガスバック15を取り付け、ノーブローガスバック15内においてチーキャップ11を取り外し、立上り管部9内のカッター17を取り外す。
次に図2(c)に示すように、円盤状の仮栓部材2を立上り管部9の下方に挿入する。仮栓部材2のこのときの状態は、図3(a)に示すように、弁体10が弁座8から離れた状態である。
仮栓部材2の挿入は、図3(b)に示すように、押込み具22を用いて行うのがよい。押込み具22は、先端に立上り管部9の内面のネジに螺合するネジ部を形成した先端部26と、先端部26の中央に連結された棒体24とを有している。仮栓部材2を立上り管部9に挿入した後、押込み具22を回転させながら押込むことで容易に仮栓部材2を押込むことができる。
仮栓部材2を設置すると、図2(d)の破線で囲んだA部の詳細を示す図3(b)に示すように、導管1内のガスが弁部材12の第2受圧部に作用して、弁部材12を押し上げるように作用する。このガス圧力による押上げ力がバネ14の押下げ力に打ち勝つように設定されているので、弁部材12は上方に動いて、弁体10が弁座8に当接してガスの通流を遮断する。
このように、仮栓部材2を挿入することによって、導管1からのガス漏れを防止できるので、図2(d)に示すように、この状態でノーブローガスバック15を取り外し。図2(e)に示すように、立上り管部9から直交方向に延出する分岐管部13を根元付近から切断する。この分岐管の切断を行わず、立上り管部9と同時に切削してもよい。
次に図2(f)に示すように、立上り管部9を切断する。切断する位置は分岐管部13の基部の下面位置き近傍である。本実施の形態では、蓋部材23を立上り管部9の内部に挿入するので、挿入代を残すように切断する。
切断方法は特に限定されないが、例えば鋸切りのような一般工具を使用してもよいし、あるいは押切りのような特殊な工具により一気にスパッと切断してもよい。また、立上り管部9と分岐管部13を除去する方法は、立上り管部9を切断することに限定されず、立上り管部9の上端側から下方に向かって順次切削できるようなものでもよい。
切削工具21としては、例えば図2(f)に示すように、立上り管部9を覆うような筒体の中に回転可能な回転刃を設け、この回転刃を回転させることによって、あたかも鰹節を削るように立上り管部9を切削できるものでもよい。回転刃の回転は、ラチェットなどの工具を用いて手作業で行ってもよいし、モーターを使用してもよい。
また、鋸切りのような一般工具あるいは押切りのような特殊な工具でおおまかな切断後、立上り管部9の上端側から下方に向かって順次切削できる回転可能な回転刃などを用いて最終的な切削切断を行ってもよい。
上下方向の切削に加えて、融着に備えて立上り管部9の内面を切削して、その内径が挿入される蓋部材23の外径に合うようにするのが望ましい。
次に、切断によって現われた立上り管部9に蓋部材23を、図3(c)に示すように押し込む。
蓋部材23の押し込みは、蓋部材23の内周面と蓋部材23の外周面の両方を加熱して溶融させた状態で行うことで、両者を融着させることができる。立上り管部9の内面と円盤状の蓋部材23の外周面を同時に加熱し、両面を溶融させて融着を行うことにより、強固で確実な融着となる。
蓋部材23を立上り管部9内に押込むことで、立上り管部9内の空気が圧縮され、この空圧が弁体10の上面である第1受圧部に作用して、図3(c)に示すように、弁部材12を押下げる。弁部材12が押下げられることで、弁体10が弁座8から離れ、導管1内のガスが蓋部材23側に流入して導管1側と蓋部材23側とが同圧になる。
同圧になることで、弁部材12は何らの外力が作用しない当初の状態と同様にバネ14の作用によって図3(d)に示すように、弁体10が弁座8から離れた状態を保持する。
したがって、蓋部材23が設置された状態では、導管1内のガスが蓋部材23に作用する状態を保持できる。
以上のように、本実施の形態の仮栓部材2を用いることで、導管1内のガスが蓋部材23に作用する状態を保持できるので、この状態で蓋部材23の融着状態の確認試験を行えば、導管1内のガス圧力が作用した状態での確認試験となり、好ましい態様での試験を実現できる。
また、蓋部材23を立上り管部9に押込む際に、蓋部材23、仮栓部材2及び立上り管部9内面とで囲まれた空間が閉鎖空間となるが、弁部材12の作用により、この閉鎖空間が導管1側と連通するため、蓋部材23を押戻すような力が作用しないので、融着に対する悪影響もない。
なお、上記の実施の形態においては、配管分岐部材3の撤去の場合を例に挙げて説明したが、本発明の仮栓部材2は、サドルの融着あるいはキャップの融着等のように本栓を設置する際にその前段階として仮栓を設置場合に使用することができ、上記と同様の効果が得られる。
[実施の形態2]
実施の形態1においては、仮栓部材2における弁部材12の作動を、弁部材12に設けたバネ14、導管1側ガス圧力及び、蓋部材23を押込む際の空圧を利用して行うようにした。
しかし、本発明の仮栓部材は弁部材12の作動を行うのにバネ等を用いないでさらに単純化した構造であってもよい。
この単純化した仮栓部材19について、図4に基づいて説明する。
本実施の形態2の仮栓部材19は、図4(a)の拡大図に示すように、中央に芯棒97(芯棒97の上端面が本発明の受圧部に相当)が設置されると共に芯棒97の先端部に弁体98が設置されている。そして、図4(b)に示すように、芯棒97の上部を下方に押すことで芯棒97が下方に移動し、芯棒97が移動することで弁体98も下方に移動して弁座96から離れる。弁体98が弁座96から離れると、仮栓部材19を介して導管1と立上り管部9とが連通するようになっている。
本実施の形態の仮栓部材19も実施の形態1の仮栓部材2と同様に、例えば配管分岐部材3の撤去の際に本栓となる蓋部材23を設置する前段階の仮栓として使用し、芯棒97を本栓設置時に下方に押圧するようにすれば、本栓設置後には導管1側のガス圧力が本栓側に作用するので、本栓の確認を適切な態様で行うことができる。
本実施の形態2の仮栓部材19を用いた配管分岐部材3の撤去方法について説明する。
なお、以下の説明では、まず撤去方法に使用する撤去装置について、図5〜図12に基づいて説明する。
[配管分岐部材の撤去装置]
配管分岐部材3の撤去装置は、導管1に設置されて後述の各器具を保持する本体部25と、本体部25(図5参照)を導管1の所定位置にセットする際の芯出し具として機能すると共に融着の際に蓋部材23を保持する蓋部材保持具として機能する芯出し具兼蓋部材保持具51(図6、4参照)と、立上り管部9の上端面及び内周面を切削する切削具61(図8〜図10参照)と、蓋部材23の外周面及び立上り管部9の内周面を溶融して融着する融着具79(図11、9参照)とを備えている。
以下、各部及び各具を詳細に説明する。
<本体部>
本体部25は、図5に示すように、左右一対のベース部27と、左右のベース部27を所定の間隔を離して連結する連結バー29と、ベース部27を導管1に装着するための装着部材31と、各ベース部27の上面に立設されたガイド支柱33とを備えている。
ベース部27は、略直方体形状をしており、下面には導管1の上面にベース部27を安定的に載置するための凹部35が形成されている。ベース部27の長手方向の両端には溝部37が形成されており、該溝部37には装着部材31を構成する後述のチェーン39の端部が挿入されている。
ベース部27の外縁中央部には、後述する切削具61、ヒータ具81の係止爪77が係止する係止部38が形成されている。
連結バー29は、一対のベース部27を連結するものであり、本体部25を導管1に装着した状態で立上り管部9を挟むように所定間隔離した位置に各2段設置されている。連結バー29は断面が六角形になっており、上面が平面になるように設置されている。連結バー29の上面は後述する鋸99で立上り管部9を切断するときのガイドとして機能する。そのため、連結バー29の上面位置が立上り管部9の切断面の位置を決めることになる。換言すれば、立上り管部9の切断面の位置は、連結バー29の上面位置によって決めることができる。それ故、導管1の外径に応じてベース部27の形状(厚みや大きさ)大きさを変えることによって、立上り管部9の切断面の位置を常に同じ位置にすることも可能である。
装着部材31は、図5に示されるように、導管1に巻きつくように設置されるチェーン39と、該チェーン39の一端側に設置されて本体部25に係止する端部材41と、チェーン39の他端に設けられてチェーン39を張設するクランプ部材43とを備えている。クランプ部材43は、クランプバー44を操作することでチェーン39を張設して、本体部25を導管1にしっかりと固定する。
ガイド支柱33は、各ベース部27の中央部に立設されている。ガイド支柱33の上端部には、ガイド支柱33の周面を一周するように細い周溝45が形成されている。この周溝45は後述する芯出し具兼蓋部材保持具51のアーム部55に設けられたプランジャー軸66(図6、図7参照)に係止して、芯出し具兼蓋部材保持具51を所定位置に保持する機能を有する。
<芯出し具兼蓋部材保持具>
芯出し具兼蓋部材保持具51は、図6、図7に示されるように、矩形板部53と、矩形板部53の両側に延出して設けられたアーム部55と、アーム部55の先端に設けられたハンドル部57を備えている。矩形板部53の中央には挿入孔59が設けられると共に挿入孔59を拡縮するクランプレバー60が設けられている。挿入孔59は、芯出し具兼蓋部材保持具51が蓋部材保持具83として機能する際に、蓋部材23を先端に保持した保持棒62が挿入される。挿入孔59に挿入された保持棒62はクランプレバー60を操作することで挿入孔59にクランプされて芯出し具兼蓋部材保持具51に保持される。
矩形板部53の下面側は、図7に示すように、ドーナツ状の凹陥部63が形成されると共に凹陥部63の中央部にはドーナツ状の凸部64が形成されている。凸部64の外周面は、下方に向かって縮径するテーパ面になっている。凸部64をテーパ面にしたのは、芯出し具兼蓋部材保持具51が芯出し具として機能する際に、凸部64が立上り管部9に容易に挿入されようにするためである。
アーム部55には、ガイド支柱33に挿入するための貫通孔65及びガイド支柱33に形成された周溝45に係止するプランジャー軸66が設けられている。
<切削具>
切削具61は、図8〜図10に示されるように、円筒状の切削ハウジング67と、切削ハウジング67の両側に延出して設けられたアーム部55と、アーム部55の先端に設けられたハンドル部57を備えている。アーム部55には、ガイド支柱33に挿入するための貫通孔65が設けられている。なお、アーム部55、ハンドル部57、貫通孔65は芯出し具兼蓋部材保持具51に設けられたものと同じなので同一の符号を付してある。この点は後述の融着具79においても同様である。
切削ハウジング67には、下方に向けて付勢された刃物ベース68が設置され、刃物ベース68には切削刃69が形成された切削台座70が固定されている。刃物ベース68はバネ71によって下方(切削対象となる立上り管部方向)に付勢されており、刃物ベース68を例えば立上り管部9に押し付けることで内部にバネ71を収容したガイド筒73にガイドされて上方(図10中の矢印の方向)に移動可能になっている。したがって、刃物ベース68を例えば立上り管部9に押し付けた状態で保持することで、刃物ベース68をバネ力によって立上り管部9に所定の力で押し付けることができ、切削具61による切削作業時に刃物ベース68を被切削部材に人力で押し付ける必要がない。よって、例えば切削具61を立上り管部9に対して横向きに配置したり、上向き配置したりして作業をするような場合には極めて便利である。
刃物ベース68は、切削ハウジング67の上部に延出したラチェット軸75を回転することで、回転するように構成されている。
切削刃69は立上り管部9の上端面及び上端内周面を切削できるようになっている。
アーム部55の先端部には本体部25の係止部38に係止する係止爪77が形成されている。
<融着具>
融着具79は、蓋部材23の外周面及び立上り管部9の内周面を溶融して立上り管部9の端部に接着するものである。融着具79は、図11及び図12に示されるように、立上り管部9の内周面、蓋部材23の外周面を加熱して溶融させるヒータ具81と、蓋部材23を保持する蓋部材保持具83とを備えて構成される。
蓋部材保持具83は、前述した芯出し具兼蓋部材保持具51と保持棒62とによって構成され、図11に示されるように、蓋部材23を保持した保持棒62を挿入孔59に挿入してクランプレバー60を操作して挿入孔59でクランプして保持する。保持棒62の先端には雄ネジが設けられると共に蓋部材23には該雄ネジが螺合する雌ネジが形成されており、保持棒62の先端の雄ネジを蓋部材23の雌ネジに螺合することで蓋部材23を保持する。
なお、保持棒62の端部には金属製のカバー部材85が取り付けられており、保持棒62に保持された蓋部材23の一部を覆うようになっている。カバー部材85は保持棒62に保持された蓋部材23を立上り管部9に挿入するときに立上り管部9の上端面に当接して蓋部材23の挿入深さを規定する機能を有する。
ヒータ具81は、図11及び図12に示すように、矩形状のヒータユニット87と、ヒータユニット87の両側に延出して設けられたアーム部55と、アーム部55の先端に設けられたハンドル部57を備えている。アーム部55には、ガイド支柱33に側方から挿入可能な矩形状の切欠部89が形成されている。また、アーム部55の先端部には、切削具61と同様に、本体部25の係止部38に係止する係止爪77が形成されている。
ヒータユニット87の上面側には、蓋部材23の外径と略同一の径を有する円形の円形凹陥部91が形成されており、この円形凹陥部91に蓋部材23が挿入され、蓋部材23の外側面を加熱して溶融する。また、ヒータユニット87の下面側には、図12に示すように、立上り管部9の内径とほぼ同一の外径を有する筒形凸部93が形成されており、この筒形凸部93が立上り管部9に挿入されてその内周面を溶融する。
ヒータユニット87には図示しない電線が接続され、通電されることで加熱される。
[配管分岐部材の撤去方法]
次に、上記のように構成された配管分岐部材3の撤去装置を用いて配管分岐部材3を撤去する方法を、図13〜図29に基づいて説明する。
撤去の対象となる配管分岐部材3を覆うようにノーブローガスバック15を取り付け、ノーブローガスバック15内においてチーキャップ11を取り外し、立上り管部9内のカッター17を取り外す。
次に、図13に示すように、円盤状の仮栓部材19を、仮栓保持部材95に保持させ、図14に示すように、立上り管部9の下方に挿入する。
仮栓部材19は、前述した図4に示した構造のものであり、中央に芯棒97が設置されると共に芯棒97の先端部に弁体98が設置されており、芯棒97は上部を押すことで下方に移動し、芯棒97が移動することで弁体98も下方に移動し、仮栓部材19を介して導管1と立上り管部9とが連通するようになっている。
仮栓部材19の設置時においては弁体98が弁座96に着座しており、導管1側からのガスは遮断される。
仮栓部材19を挿入することによって、導管1からのガス漏れを防止できるので、この状態でノーブローガスバック15を取り外す。ノーブローガスパックを取り外した状態が図15に示され、その断面が図16に示されている。
仮栓部材19が設置されると、図17に示すように、分岐管部13を根元付近から鋸99で切断する。分岐管部13を切断すると、図18に示すように、本体部25のガイド支柱33に芯出し具兼蓋部材保持具51を設置して、本体部25を導管1に装着する。この状態で、芯出し具兼蓋部材保持具51の凸部64を立上り管部9に挿入する。これによって、ガイド支柱33の位置が立上り管部9を基準にして芯出しされることになる。この状態で、クランプレバーを倒すことで、本体部25が導管1に対して正しい位置にしっかりと固定される。
芯出しが完了すると、芯出し具兼蓋部材保持具51を取り外す(図19参照)。次に、図20に示すように、連結バー29の上面をガイドとして鋸99によって立上り管部9を切断する。このとき、連結バー29の上面位置が所定の位置になっているので、立上り管部9は所定の高さを残して切断される。
立上り管部9が切断されると、図21に示すように切削具61をセットする。セットは、切削具61のアーム部55に設けられた貫通孔65をガイド支柱33に挿入することによって行う。なお、貫通孔65とガイド支柱33との間には若干の隙間(遊び)が設けられており、図21に示すように、若干斜めになった状態で保持可能になっている。
次に、図22に示すように、切削具61をガイド支柱33に沿って下方に移動し、図23に示すように、係止爪77を本体部25の係止部38に係止させる。このとき、切削具61の切削台座70が立上り管部9の上端面に押されて切削ハウジング67内に収納された状態になる。このとき、切削台座70はバネ71によって立上り管部上端面に押し付けられた状態になっている。この状態で、図22に示すように、ラチェット軸75にラチェットレバー101を装着して回転させることで、切削台座70が回転し、切削台座70に形成された刃物によって、立上り管部9の上端面と内周面が切削される。
次に、図24に示すように、芯出し具兼蓋部材保持具51に蓋部材23を保持した蓋部材保持具83を設置して、ガイド支柱33に設置する。さらに、図25に示すように、ヒータ具81をガイド支柱33の側方から設置して、ヒータ具81の係止爪77を本体部25の係止部38に係止させる。そして、蓋部材保持具83をガイド支柱33に沿って下降させて蓋部材23をヒータ具81の円形凹陥部91に挿入する。この状態で、ヒータ具81に通電して、立上り管部9の内周面及び蓋部材23の外周面を約20秒間加熱して溶融させる。
溶融が完了すると、図26に示すように、蓋部材保持具83を上方に移動し、さらにヒータ具81を側方に取り外す。そして、蓋部材保持具83をガイド支柱33に沿って下降させて、蓋部材23を立上り管部9の上部に挿入する。このとき、蓋部材23と仮栓部材19との間の空気が圧縮されることになるが、図27に示すように、芯棒97が蓋部材23に押されて弁体98が移動して弁開状態になって空気が導管1側に抜けるので、空気が圧縮されることなく蓋部材23を立上り管部9に容易に押し付けることができる。この状態で、蓋部材23が立上り管部9に融着する。その後、図28に示すように、芯出し具兼蓋部材保持具51を取り外す。
その後は、図29に示すように保持棒62を取り外し、さらに本体部25を取り外して完了となる。
以上のように、本実施の形態によれば、配管分岐部材3の撤去作業を容易に行うことができる。
しかも、切削作業や融着作業は立上り管部9に対して位置決めされたガイド支柱33を基準にして行なうようにしているので、切削位置や融着位置がずれることがなく、確実に行なうことができる。
また、蓋部材23を立上り管部9に挿入して融着する際に仮栓部材19を介して蓋部材側と導管1側が連通するようにしているので、蓋部材23の挿入に際して空気が圧縮されることなくスムーズな蓋部材23の挿入ができ、この点においても蓋部材23の確実な融着を可能にしている。
また、蓋部材23を融着した後の状態で、仮栓部材19を介して蓋部材23側と導管1側が連通することになるので、導管1に流れるガスが仮栓部材19の連通孔を通じて蓋部材23側に充満することになり、それ故、蓋部材23の融着状態を導管1を流れるガス圧力によって検査できる。
なお、上記の実施の形態では、仮栓部材19として、図4に示した単純化した構造のものを例に挙げて撤去装置を用いた配管分岐部材の撤去方法を説明したが、図1に示した仮栓部材2を用いても同様の撤去方法が実現できることはいうまでもない。
1 導管
2 仮栓部材
3 配管分岐部材
4 本体部
4a フランジ部
5 供給管
6 貫通孔
7 サドル部
8 弁座
9 立上り管部
10 弁体
11 チーキャップ
12 弁部材
13 分岐管部
14 バネ(付勢手段)
15 ノーブローガスバック
16 保持部材
17 カッター
18 軸部
19 仮栓部材
20 拡径部
21 切削工具
23 蓋部材
24 棒体
25 本体部
26 先端部
27 ベース部
29 連結バー
31 装着部材
33 ガイド支柱
35 凹部
37 溝部
38 係止部
39 チェーン
41 端部材
43 クランプ部材
44 クランプバー
45 周溝
51 芯出し具兼蓋部材保持具
53 矩形板部
55 アーム部
57 ハンドル部
59 挿入孔
60 クランプレバー
61 切削具
62 保持棒
63 凹陥部
64 凸部
65 貫通孔
66 プランジャー軸
67 切削ハウジング
68 刃物ベース
69 切削刃
70 切削台座
71 バネ
73 ガイド筒
75 ラチェット軸
77 係止爪
79 融着具
81 ヒータ具
83 蓋部材保持具
85 カバー部材
87 ヒータユニット
89 切欠部
91 円形凹陥部
93 筒形凸部
95 仮栓保持部材
96 弁座
97 芯棒
98 弁体
99 鋸
101 ラチェットレバー

Claims (4)

  1. ガス導管から分岐する分岐管に本栓が施工される前に設置される仮栓部材であって、
    前記分岐管部に挿入される本体部と、該本体部に設けられて前記ガス導管側と本栓側とを貫通する貫通孔と、該貫通孔に設けられた弁座と、該弁座に着座する弁体を有すると共に本栓側から作用する力を受ける受圧部を有する弁部材とを有し、
    前記弁体は仮栓部材を前記ガス導管の分岐管に設置した状態で弁体が前記弁座に着座しており、前記本栓側からの力を前記受圧部が受けることで前記弁体が前記弁座から離れて前記ガス導管側と前記本栓側とが連通するようになっていることを特徴とする仮栓部材。
  2. 前記弁部材は、前記ガス導管側のガス圧力を受圧する第1受圧部を有し、前記弁部材における前記受圧部は、本栓側から作用する空圧を受圧する第2受圧部であり、
    前記弁体を前記弁座から離す方向の力を前記弁部材に付与する付勢手段を有し
    該付勢手段の付勢力は、常時は前記弁体を前記弁座から離す作用をし、仮栓部材をガス導管の分岐管に設置した状態で前記第1受圧部に前記ガス導管のガス圧力が作用したときにはガス圧力によって弁体が前記弁座に着座するように作用し、前記第2受圧部に前記本栓設置時の空圧が作用したときには前記弁体が前記弁座から離れるように作用するように設定されていることを特徴とする請求項1記載の仮栓部材。
  3. ガス導管に固定されたサドル部から立ち上がる立上り管部と該立上り管部から分岐して設けられた分岐管部とを備えてなる樹脂製の配管分岐部材を、請求項1又は2記載の仮栓部材を用いて撤去する配管分岐部材の撤去方法であって、
    前記仮栓部材を前記立上り管部内に挿入する仮栓設置工程と、前記立上り管部を前記サドル部近傍にて除去する立上り管部除去工程と、円盤状で樹脂製の蓋部材の外周面及び前記除去によって現れた立上り管部の内周面とを加熱して溶融する溶融工程と、前記蓋部材を前記立上り管部に挿入して両者を接着する接着工程とを備えたことを特徴とする配管分岐部材の撤去方法。
  4. 前記立上り管部除去工程は、立上り管部の上端面と内周面の両方を切削する工程を含むことを特徴とする請求項3記載の配管分岐部材の撤去方法。
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