JP2012067286A - ケイ素含有硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ケイ素含有硬化性組成物、及びそれを硬化させた硬化物に関する。
シリコーン樹脂は、シロキサン結合(Si−O−Si結合)の主鎖を有するポリシロキサン化合物を硬化させた樹脂であり、ポリシロキサン化合物の硬化には、ビニル基とSi−H基とを反応させるヒドロシリル化反応を用いる場合が多い。シリコーン樹脂は、耐熱性や透明性に優れ種々の用途に使用されている。
しかしながら、シリコーン樹脂は靭性が十分とは言えず、他の材料への密着性が不十分であるという欠点があった。これに対して、シリコーン樹脂の靭性や他の材料への密着性を向上させる方法としては、ビニル基を有する化合物としてトリアリルイソシアヌレートを使用する方法(特許文献1を参照)があるが、この方法は、イソシアヌレート環により着色しやすいという欠点があった。
一方、主鎖にSi−O−C基を有するポリマーとしては、ビスフェノール化合物がジアルキルシリレン基で連結されたポリアリーレンシロキサンが知られており(特許文献2、3を参照)、ジアルキルシリレン基の一部又は全部をアルキルビニルシリレン基に置換してラジカル重合させることも知られている(特許文献4、5を参照)。しかしながら、ビニルシリル基(Si−CH=CH2)はラジカル重合性が不十分であるため、十分な強度等の硬化物が得られず、多量に残存するビニルシリル基により耐熱性も不十分であった。また、1,2−ビス(ジメチルビニルシロキシ)−1,1,2,2−テトラアリールエタン化合物とSi−H基を有するポリシロキサン化合物とを白金触媒で反応させたポリマーも知られている(特許文献6、7を参照)が、ラジカル重合性モノマーと共重合するための中間体としての利用に留まり、このようなポリマーを硬化物とすることは知られていなかった。
従って、本発明の目的は、耐熱性、靭性、密着性に優れた硬化性組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、Si−O−C結合を有する化合物から得られる硬化物に着目し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、(A)分子中に少なくとも2つのビニル基を有する化合物、(B)分子中に少なくとも2つのSi―H基を有する化合物、および(C)ヒドロシリル化触媒とを含有する硬化性組成物であって、
(A)成分の化合物および/又は(B)成分の化合物が、下記一般式(1)で表わされる基を有する化合物であることを特徴とする硬化性組成物を提供するものである。
(A)成分の化合物および/又は(B)成分の化合物が、下記一般式(1)で表わされる基を有する化合物であることを特徴とする硬化性組成物を提供するものである。
本発明によれば、耐熱性、靭性、密着性に優れたケイ素含有硬化性組成物を提供できる。
本発明では、(A)成分である分子中に少なくとも2つのビニル基を有する化合物と、(B)成分である分子中に少なくとも2つのSi―H基を有する化合物との少なくとも一方の化合物が上記の一般式(1)で表わされる基を有する化合物であることにより、靭性や他の材料への密着性を向上した硬化物が得られる。(A)成分の化合物と(B)成分の化合物の、どちらか一方の化合物のみが、一般式(1)で表わされる基を有し、他方が一般式(1)で表わされる基を有しない化合物であってもよいが、(A)成分と(B)成分の両方が一般式(1)で表わされる基を有することが好ましい。
一般式(1)において、X1は、炭素数2〜25のジヒドロキシル化合物から2つのヒドロキシル基を除いた残基を表わす。炭素数2〜25のジヒドロキシル化合物としては炭素数2〜25の脂肪族ジオール化合物、炭素数5〜25の脂環族ジオール化合物、エーテル基を有する炭素数4〜10の脂肪族ジオール化合物、炭素数6〜25の芳香族ジヒドロキシ化合物等が挙げられる。
炭素数2〜25の脂肪族ジオール化合物としては、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、1,2−オクタデカンジオール、1,2−エイコサンジオール等が挙げられる。
炭素数5〜25の脂環族ジオール化合物としては、1,2−シクロペンテンジオール、1,3−シクロペンテンジオール、1,2−シクロヘキセンジオール、1,3−シクロヘキセンジオール、1,4−シクロヘキセンジオール、4,4’−ビシクロヘキサンジオール、オクタヒドロペンタレン−1,2−ジオール、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2、3−ジオール、1,1’−イソプロピリデンジシクロヘキサン−4,4’−ジオール、アダマンタン−1,3−ジオール等が挙げられる。
エーテル基を有する炭素数4〜10の脂肪族ジオール化合物としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられる。
炭素数6〜25の芳香族ジヒドロキシ化合物としては、一般式(6)で表わされるジヒドロキシ化合物、多核芳香族ジヒドロキシ化合物等が挙げられる。
一般式(7)において、R19、R20は、それぞれ同一でも異なっていてもよい、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜2のフッ化アルキル基又はR19とR20とが架橋した炭化水素基を表わす。炭素数1〜10の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、2級ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2級ペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、2級ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基等が挙げられる。炭素数1〜2のフッ化アルキル基としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、パーフルオロエチル基等が挙げられる。R19とR20とが架橋した炭化水素基としては、X2が、シクロヘキシリデン基[下記式(7a)]、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン基[下記式(7b)]、オクタヒドロ−4,7−メタノ−5H−インデン−5−イリデン基[下記式(7c)]、9H―フルオレン−9−イリデン基[下記式(7d)]となるような炭化水素基が挙げられる。
一般式(6)において、X2としては、酸素原子、一般式(7)で表わされる基が好ましく、一般式(7)で表わされる基が更に好ましい。一般式(7)で表わされる基の中では、R19、R20は水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が更に好ましく、メチル基が最も好ましい。
一般式(6)のベンゼン核の置換基の位置は、オルト置換、メタ置換、パラ置換のいずれでもよいが、靭性の高い硬化物が得られることから、オルト置換、パラ置換が好ましく、パラ置換が更に好ましい。
一般式(6)において、mは0又は1の数を表わし、nは0又は1〜3の数を表わす。mが0の場合は、nは0又は1が好ましく、0が更に好ましい。mが1の場合は、nは1又は2が好ましく、1が更に好ましい。mとしては1が好ましい。
一般式(6)において、mは0又は1の数を表わし、nは0又は1〜3の数を表わす。mが0の場合は、nは0又は1が好ましく、0が更に好ましい。mが1の場合は、nは1又は2が好ましく、1が更に好ましい。mとしては1が好ましい。
多核芳香族ジヒドロキシ化合物としては、1,2−ナフタレンジオール、1,3−ナフタレンジオール、1,4−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール、2,6−ナフタレンジオール、1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオール等が挙げられる。
一般式(1)において、耐熱性が向上することから、X1としては、一般式(6)で表わされるジヒドロキシ化合物から2つのヒドロキシを除いた残基が好ましい。
<一般式(1)で表わされる基を有する(A)成分>
(A)成分が、一般式(1)で表わされる基を有する化合物である場合、(A)成分の化合物は、直線状、分岐状、環状の化合物いずれでもよいが、硬化物の靭性が向上することから、直線状の化合物であることが好ましく、下記一般式(2)で表わされる化合物又は下記一般式(3)で表わされる化合物であることが更に好ましい。
(A)成分が、一般式(1)で表わされる基を有する化合物である場合、(A)成分の化合物は、直線状、分岐状、環状の化合物いずれでもよいが、硬化物の靭性が向上することから、直線状の化合物であることが好ましく、下記一般式(2)で表わされる化合物又は下記一般式(3)で表わされる化合物であることが更に好ましい。
一般式(2)において、R1〜R3は、それぞれ同一でも異なっていてもよい、炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表わし、R4およびZ1は、それぞれ同一でも異なっていてもよい、ビニル基、炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表わす。但し、R4のうち、ビニル基であるものの数が2未満の場合、Z1はビニル基を表わす。炭素原子数1〜6のアルキルとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、2級ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2級ペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、2級ヘキシル基等が挙げられる。R1、R2としては、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、原料の入手の容易さからはメチル基が更に好ましく、熱安定性が高く高屈折の硬化物が得られるという点からはフェニル基が更に好ましい。R4としては、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、硬化物の可撓性の点からはメチル基が更に好ましく、熱安定性が高く高屈折の硬化物が得られるという点からはフェニル基が更に好ましい。R4はすべて同一の基でもよいし、2種以上の異なる基の組合せでもよい。R4が炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基の場合、R3は、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、硬化物の可撓性の点からはメチル基が更に好ましく、熱安定性が高く高屈折の硬化物が得られるという点からはフェニル基が更に好ましく;R4がビニル基の場合、R3は、原料の入手の容易さから、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、メチル基が更に好ましい。
R4のうち、ビニル基であるものの数が少なくとも2である場合、Z1は、ビニル基、炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基の何れでもよいが、本発明の硬化性組成物の靭性が向上することから、ビニル基、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、ビニル基、メチル基が更に好ましく、ビニル基が最も好ましい。
X1は、炭素数2〜25のジヒドロキシル化合物から2つのヒドロキシル基を除いた残基を表わす。X1については、先に説明したのでここでは繰り返さない。
一般式(2)において、aは0〜200の数を表わすが、あまりに大きい数の場合には高粘度となり本発明の硬化性組成物のハンドリング性が低下することから、aは1〜50の数が好ましく、1〜20の数が更に好ましく、1〜5の数が最も好ましい。bおよびcは、その合計の数が0〜50となる数を表わし、本発明の硬化性組成物の靭性や他の材料への密着性への悪影響があることから、aに対するbおよびcの合計の数の比は0.5以下であることが好ましく、0.3以下であることが更に好ましく、0.2以下であることが最も好ましい。なお一般式(2)において、繰り返し数がaであるユニットおよび繰り返し数がbであるユニットの結合順はブロックでもランダムでもよい。
R4の少なくとも2つがビニル基である場合、分子中のビニル基の含量があまりに多いと、本発明の硬化性組成物から得られる硬化物の可撓性が低下することから、一般式(2)中の一般式(1)で表わされる基の数(即ち、a+1)に対するビニル基となるR4の数の比は0.3以下であることが好ましく、0.1以下であることが更に好ましく、0.05以下であることが最も好ましい。
一般式(2)で表わされる化合物は、一般式(2a)で表わされるジヒドロキシ化合物と下記一般式(2b)で表わされるクロロシラン化合物とを、ピリジン、ピコリン等のピリジン化合物又はトリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン等の第三級アミン化合物の存在下で反応させることにより得ることができる。
一般式(2a)において、a、bおよびcがいずれも0である場合、一般式(2a)で表わされるジヒドロキシ化合物は、下記一般式(2c)で表わされるジヒドロキシ化合物である。
一般式(2a)において、a、bおよびcがいずれも0でない場合は、一般式(2a)で表される化合物は、ピリジン、ピコリン等のピリジン化合物又はトリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン等の第三級アミン化合物の存在下で、一般式(2c)で表わされるジヒドロキシ化合物と、下記一般式(2d)で表わされるジクロロシラン化合物とを反応させることにより得ることができる。
一般式(2d)で表わされるジクロロシラン化合物のうちR4がビニル基でないものとしては、例えば、ジメチルジクロロシラン、エチルメチルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、エチルフェニルジクロロシラン、ジプロピルジクロロシラン、ジイソプロピルジクロロシラン、ジブチルジクロロシラン、ジイソブチルジクロロシラン、ビス(2級ブチル)ジクロロシラン、ジ−t−ブチルジクロロシラン、ジペンチルジクロロシラン、ジイソペンチルジクロロシラン、ビス(2級ペンチル)ジクロロシラン、ジ−t−ペンチルジクロロシラン、ジヘキシルジクロロシラン、ビス(2級ヘキシル)ジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン等が挙げられる。
一般式(2d)で表わされるジクロロシラン化合物のうちR4がビニル基であるものとしては、例えば、メチルビニルジクロロシラン、エチルビニルジクロロシラン、プロピルビニルジクロロシラン、イソプロピルビニルジクロロシラン、ブチルビニルジクロロシラン、イソブチルビニルジクロロシラン、2級ブチルビニルジクロロシラン、t−ブチルビニルジクロロシラン、ペンチルビニルジクロロシラン、イソペンチルビニルジクロロシラン、2級ペンチルビニルジクロロシラン、t−ペンチルビニルジクロロシラン、ヘキシルビニルジクロロシラン、2級ヘキシルビニルジクロロシラン、フェニルビニルジクロロシラン等が挙げられる。
一般式(2c)で表わされるジヒドロキシ化合物と、一般式(2d)で表わされるジクロロシラン化合物とを反応させる場合には、ジヒドロキシ化合物1モルに対して、ジクロロシラン化合物を0.5〜50モル、好ましくは、0.5〜2モル、更に好ましくは0.5〜1.2モル使用し、ジクロロシラン化合物1モルに対してピリジン化合物又は第三級アミン化合物を2〜10モル、好ましくは、2.1〜3モル使用し、反応温度25〜100℃、好ましくは、40〜70℃で反応させることが好ましい。なお、ジヒドロキシ化合物とジクロロシラン化合物とを反応させる場合には、未反応のジクロロシラン化合物を反応させたり、クロロシラン基(Si−Cl基)をヒドロキシシリル基(Si−OH基)に変換するために、反応終了後に、水を添加することが好ましい。添加する水の量は、使用したジクロロシラン化合物1モルに対して2モル以上であることが好ましい。
一般式(2b)で表わされるクロロシラン化合物のうち、Z1がビニル基である化合物としては、例えば、ジメチルビニルクロロシラン、エチルメチルビニルクロロシラン、メチルフェニルビニルクロロシラン、ジエチルビニルクロロシラン、エチルフェニルビニルクロロシラン、ジプロピルビニルクロロシラン、ジイソプロピルビニルクロロシラン、ジブチルビニルクロロシラン、ジイソブチルビニルクロロシラン、ビス(2級ブチル)ビニルクロロシラン、ジ−t−ブチルビニルクロロシラン、ジペンチルビニルクロロシラン、ジイソペンチルビニルクロロシラン、ビス(2級ペンチル)ビニルクロロシラン、ジ−t−ペンチルビニルクロロシラン、ジヘキシルビニルクロロシラン、ビス(2級ヘキシル)ビニルクロロシラン、ジフェニルビニルクロロシラン等が挙げられる。
一般式(2b)で表わされるクロロシラン化合物のうち、Z1が炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基である化合物としては、例えば、トリメチルクロロシラン、エチルジメチルクロロシラン、ジエチルメチルクロロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、ジエチルフェニルクロロシラン、エチルジフェニルクロロシラン、トリプロピルクロロシラン、トリイソプロピルクロロシラン、トリブチルクロロシラン、トリイソブチルクロロシラン、トリス(2級ブチル)クロロシラン、トリ−t−ブチルクロロシラン、トリペンチルクロロシラン、トリイソペンチルクロロシラン、トリス(2級ペンチル)クロロシラン、トリ−t−ペンチルクロロシラン、トリヘキシルクロロシラン、トリス(2級ヘキシル)クロロシラン、トリフェニルクロロシラン等が挙げられる。
また、一般式(2a)で表わされるジヒドロキシ化合物と一般式(2b)で表わされるクロロシラン化合物とを反応させる場合には、ジヒドロキシ化合物1モルに対して、クロロシラン化合物を2〜10モル、好ましくは、3〜5モル使用し、クロロシラン化合物1モルに対して、ピリジン化合物又は第三級アミン化合物を1〜10モル、好ましくは、1.05〜2モル使用し、反応温度25〜100℃、好ましは、40〜70℃で反応させることが好ましい。
次に、一般式(3)について説明する。一般式(3)において、R5〜R9は、それぞれ同一でも異なっていてもよい、炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表わす。炭素原子数1〜6のアルキル基としては、一般式(2)のR1〜R3で例示したアルキル基等が挙げられる。R5、R6としては、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、原料の入手の容易さからはメチル基が更に好ましく、熱安定性が高く高屈折の硬化物が得られるという点からはフェニル基が更に好ましい。R7〜R8としては、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、硬化物の可撓性の点からはメチル基が更に好ましく、熱安定性が高く高屈折の硬化物が得られるという点からはフェニル基が更に好ましい。R9としては、原料の入手の容易さから、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、メチル基が更に好ましい。
X1は、炭素数2〜25のジヒドロキシル化合物から2つのヒドロキシル基を除いた残基を表わす。X1については、先に説明したのでここでは繰り返さない。
一般式(3)において、dは0〜200の数を表わすが、あまりに大きい数の場合には高粘度となり本発明の硬化性組成物のハンドリング性が低下することから、dは1〜50の数が好ましく、1〜20の数が更に好ましく、1〜5の数が最も好ましい。eおよびfは、その合計の数が0〜50となる数を表わし、本発明の硬化性組成物の靭性や他の材料への密着性への悪影響があることから、dに対するeおよびfの合計の数の比は、0.5以下であることが好ましく、0.3以下であることが更に好ましく、0.2以下であることが最も好ましい。なお一般式(3)において、繰り返し数がdであるユニットおよび繰り返し数がeであるユニットの結合順はブロックでもランダムでもよい。
gは2〜5の数を表わし、原料の入手が容易であることから2〜4の数が好ましく、3〜4の数が更に好ましく、3が最も好ましい。
一般式(3)で表わされる化合物は、一般式(3a)で表わされるジヒドロキシ化合物と下記一般式(3b)で表わされるクロロシラン化合物とを反応させて一般式(3e)で表わされる化合物を得、得られた一般式(3e)で表わされる化合物と一般式(3f)で表わされる環状シロキサン化合物とを反応させることにより得ることができる。
一般式(3a)において、d、eおよびfが何れも0である場合は、一般式(3a)で表わされるジヒドロキシ化合物は、下記一般式(3c)で表わされるジヒドロキシ化合物である。
一般式(3a)において、d、eおよびfが何れも0でない場合は、一般式(3a)で表わされる化合物は、ピリジン、ピコリン等のピリジン化合物又はトリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン等の第三級アミン化合物の存在下で、一般式(3c)で表わされるジヒドロキシ化合物と、下記一般式(3d)で表わされるジクロロシラン化合物とを反応させることにより得ることができる。
一般式(3d)で表わされるジクロロシラン化合物としては、一般式(2d)で例示したジクロロシラン化合物のうち、R4がビニル基でないジクロロシラン化合物等が挙げられる。
一般式(3c)で表わされるジヒドロキシ化合物と、一般式(3d)で表わされるジクロロシラン化合物とを反応させる場合には、ジヒドロキシ化合物1モルに対して、ジクロロシラン化合物を0.5〜50モル、好ましくは、0.5〜2モル、更に好ましくは0.5〜1.2モル使用し、ジクロロシラン化合物1モルに対してピリジン化合物又は第三級アミン化合物を2〜10モル、好ましくは、2.1〜3モル使用し、反応温度25〜100℃、好ましくは、40〜70℃で反応させることが好ましい。なお、ジヒドロキシ化合物とジクロロシラン化合物とを反応させる場合には、未反応のジクロロシラン化合物を反応させたり、クロロシラン基(Si−Cl基)をヒドロキシシリル基(Si−OH基)に変換するために、反応終了後に、水を添加することが好ましい。添加する水の量は、使用したジクロロシラン化合物1モルに対して2モル以上であることが好ましい。
一般式(3b)で表わされるクロロシラン化合物としては、例えば、ジメチルクロロシラン、エチルメチルクロロシラン、メチルフェニルクロロシラン、ジエチルクロロシラン、エチルフェニルクロロシラン、ジプロピルクロロシラン、ジイソプロピルクロロシラン、ジブチルクロロシラン、ジイソブチルクロロシラン、ビス(2級ブチル)クロロシラン、ジ−t−ブチルクロロシラン、ジペンチルクロロシラン、ジイソペンチルクロロシラン、ビス(2級ペンチル)クロロシラン、ジ−t−ペンチルクロロシラン、ジヘキシルクロロシラン、ビス(2級ヘキシル)クロロシラン、ジフェニルクロロシラン等が挙げられる。
また、一般式(3a)で表わされるジヒドロキシ化合物と一般式(3b)で表わされるクロロシラン化合物とを反応させて一般式(3e)で表わされる化合物を得る場合には、ジヒドロキシ化合物1モルに対して、クロロシラン化合物を2〜10モル、好ましくは、3〜5モル使用し、クロロシラン化合物1モルに対して、ピリジン化合物又は第三級アミン化合物を1〜10モル、好ましくは、1.05〜2モル使用し、反応温度25〜100℃、好ましくは、40〜70℃で反応させることが好ましい。
一般式(3e)で表わされる化合物と一般式(3f)で表わされる環状シロキサン化合物とを反応させる場合には、一般式(3e)で表わされる化合物のSi−H基と一般式(3f)で表わされる環状シロキサン化合物のビニル基とをヒドロシリル化触媒を用いてヒドロシリル化反応させればよい。
一般式(3f)で表わされる環状シロキサン化合物としては、好ましい化合物としては、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリビニルシクロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラエチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラフェニル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタメチル−2,4,6,8,10−ペンタビニルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10,12−ヘキサメチル−2,4,6,8,10,12−ヘキサビニルシクロヘキサシロキサン等が挙げられる。
ヒドロシリル化触媒としては、例えば、白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等が挙げられる。白金系触媒としては、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体、白金−カルボニルビニルメチル錯体(Ossko触媒)、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(KaRstedt触媒)、白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体、白金−オクチルアルデヒド錯体、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt[P(C6H5)3]4、PtCl[P(C6H5)3]3、Pt[P(C4H9)3)4])、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OC6H5)3]4)、Pt[P(OC4H9)3]4)、ジカルボニルジクロロ白金等が挙げられる。パラジウム系触媒又はロジウム系触媒としては、例えば、上記白金系触媒の白金原子の代わりにパラジウム原子又はロジウム原子を含有する化合物が挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ヒドロシリル化触媒としては、反応性の点から、白金系触媒が好ましく、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体及び白金−カルボニルビニルメチル錯体が更に好ましく、白金−カルボニルビニルメチル錯体が最も好ましい。また、触媒の使用量は反応性の点から、一般式(3e)で表わされる化合物と一般式(3f)で表わされる環状シロキサン化合物との合計量の5質量%以下が好ましく、0.0001〜1.0質量%が更に好ましく、0.001〜0.1質量%が最も好ましい。ヒドロシリル化の反応条件は特に限定されず、上記触媒を使用して従来公知の条件で行なえばよいが、反応速度の点から、室温(25℃)〜130℃で行なうのが好ましく、反応時にトルエン、ヘキサン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の従来公知の溶媒を使用してもよい。
<一般式(1)で表わされる基を有する(B)成分>
(B)成分が、一般式(1)で表わされる基を有する化合物である場合、(B)成分の化合物は、直線状、分岐状、環状の化合物いずれでもよいが、硬化物の靭性が向上することから、直線状の化合物であることが好ましく、下記一般式(3)で表わされる化合物又は一般式(4)で表わされる化合物が更に好ましい。
(B)成分が、一般式(1)で表わされる基を有する化合物である場合、(B)成分の化合物は、直線状、分岐状、環状の化合物いずれでもよいが、硬化物の靭性が向上することから、直線状の化合物であることが好ましく、下記一般式(3)で表わされる化合物又は一般式(4)で表わされる化合物が更に好ましい。
一般式(4)において、R10〜R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよい、炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表わし、R13およびZ2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表わす。但し、R13のうち、水素原子であるものの数が2未満の数の場合、Z2は水素原子を表わす。炭素原子数1〜6のアルキルとしては、一般式(2)のR1〜R3で例示した炭素原子数1〜6のアルキル等が挙げられる。R10、R11としては、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、原料の入手の容易さからはメチル基が更に好ましく、熱安定性が高く高屈折の硬化物が得られるという点からはフェニル基が更に好ましい。R13としては、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、硬化物の可撓性の点からはメチル基が更に好ましく、熱安定性が高く高屈折の硬化物が得られるという点からはフェニル基が更に好ましい。R13はすべて同一の基でもよいし、2種以上の異なる基の組合せでもよい。R13が炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基の場合、R12は、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、硬化物の可撓性の点からはメチル基が更に好ましく、熱安定性が高く高屈折の硬化物が得られるという点からはフェニル基が更に好ましく;R13が水素原子の場合、R12は、原料の入手の容易さから、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、メチル基が更に好ましい。
一般式(4)のR13のうち、水素原子であるものの数が2未満の数の場合、Z2は水素原子を表わすが、R13のうち、水素原子であるものの数が少なくとも2である場合、Z2は、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、水素原子、メチル基が更に好ましく、水素原子が最も好ましい。
X1は、炭素数2〜25のジヒドロキシル化合物から2つのヒドロキシル基を除いた残基を表わす。X1については、先に説明したのでここでは繰り返さない。
一般式(4)において、hは0〜200の数を表わすが、あまりに大きい数の場合には高粘度となり本発明の硬化性組成物のハンドリング性が低下することから、hは1〜50の数が好ましく、1〜20の数が更に好ましく、1〜5の数が最も好ましい。jおよびkは、その合計の数が0〜50となる数を表わし、本発明の硬化性組成物の靭性や他の材料への密着性への悪影響があることから、hに対するjおよびkの合計の数の比は、0.5以下であることが好ましく、0.3以下であることが更に好ましく、0.2以下であることが最も好ましい。なお一般式(4)において、繰り返し数がhであるユニットおよび繰り返し数がjであるユニットの結合順はブロックでもランダムでもよい。
R13の少なくとも2つが水素原子である場合、分子中の水素原子の含量があまりに多いと本発明の硬化性組成物から得られる硬化物の可撓性が低下することから、一般式(4)中の一般式(1)で表わされる基の数(即ち、h+1)に対する水素原子となるR13の数の比は、0.3以下であることが好ましく、0.1以下であることが更に好ましく、0.05以下であることが最も好ましい。
一般式(4)表わされる化合物は、一般式(4a)で表わされるジヒドロキシ化合物と下記一般式(4b)で表わされるクロロシラン化合物とを、ピリジン、ピコリン等のピリジン化合物又はトリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン等の第三級アミン化合物の存在下で反応させることにより得ることができる。
一般式(4a)において、h、jおよびkが何れも0である場合、一般式(4a)で表わされるジヒドロキシ化合物は、下記一般式(4c)で表わされるジヒドロキシ化合物である。
一般式(4a)において、h、jおよびkが何れも0でない場合は、一般式(4a)の化合物は、ピリジン、ピコリン等のピリジン化合物又はトリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン等の第三級アミン化合物の存在下で、一般式(4c)で表わされるジヒドロキシ化合物に、下記一般式(4d)で表わされるジクロロシラン化合物を反応させることにより得ることができる。
一般式(4d)で表わされるジクロロシラン化合物のうち、R13が水素原子でないものとしては、例えば、一般式(2d)で表わされるジクロロシラン化合物のうち、R4がビニル基でないジクロロシラン化合物等が挙げられる。
一般式(4d)で表わされるジクロロシラン化合物のうち、R13が水素原子であるものとしては、例えば、メチルジクロロシラン、エチルジクロロシラン、プロピルジクロロシラン、イソプロピルジクロロシラン、ブチルジクロロシラン、イソブチルジクロロシラン、2級ブチルジクロロシラン、t−ブチルジクロロシラン、ペンチルジクロロシラン、イソペンチルジクロロシラン、2級ペンチルジクロロシラン、t−ペンチルジクロロシラン、ヘキシルジクロロシラン、2級ヘキシルジクロロシラン、フェニルジクロロシラン等が挙げられる。
一般式(4c)で表わされるジヒドロキシ化合物に、一般式(4d)で表わされるジクロロシラン化合物を反応させる場合には、ジヒドロキシ化合物1モルに対して、ジクロロシラン化合物を0.5〜50モル、好ましくは0.5〜2モル、更に好ましくは0.5〜1.2モル使用し、ジクロロシラン化合物1モルに対してピリジン化合物又は第三級アミン化合物を2〜10モル、好ましくは、2.1〜3モル使用し、反応温度25〜100℃、好ましくは、40〜70℃で反応させることが好ましい。なお、ジヒドロキシ化合物とジクロロシラン化合物とを反応させる場合には、未反応のジクロロシラン化合物を反応させたり、クロロシラン基(Si−Cl基)をヒドロキシシリル基(Si−OH基)に変換するために、反応終了後に、水を添加することが好ましい。添加する水の量は、使用したジクロロシラン化合物1モルに対して2モル以上であることが好ましい。
一般式(4b)で表わされるクロロシラン化合物のうち、Z2が水素原子である化合物としては、例えば、ジメチルクロロシラン、エチルメチルクロロシラン、メチルフェニルクロロシラン、ジエチルクロロシラン、エチルフェニルクロロシラン、ジプロピルクロロシラン、ジイソプロピルクロロシラン、ジブチルクロロシラン、ジイソブチルクロロシラン、ビス(2級ブチル)クロロシラン、ジ−t−ブチルクロロシラン、ジペンチルクロロシラン、ジイソペンチルクロロシラン、ビス(2級ペンチル)クロロシラン、ジ−t−ペンチルクロロシラン、ジヘキシルクロロシラン、ビス(2級ヘキシル)クロロシラン、ジフェニルクロロシラン等が挙げられる。
一般式(4b)で表わされるクロロシラン化合物のうち、Z2が炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基である化合物としては、例えば、トリメチルクロロシラン、エチルジメチルクロロシラン、ジエチルメチルクロロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、ジエチルフェニルクロロシラン、エチルジフェニルクロロシラン、トリプロピルクロロシラン、トリイソプロピルクロロシラン、トリブチルクロロシラン、トリイソブチルクロロシラン、トリス(2級ブチル)クロロシラン、トリ−t−ブチルクロロシラン、トリペンチルクロロシラン、トリイソペンチルクロロシラン、トリス(2級ペンチル)クロロシラン、トリ−t−ペンチルクロロシラン、トリヘキシルクロロシラン、トリス(2級ヘキシル)クロロシラン、トリフェニルクロロシラン等が挙げられる。
また、一般式(4a)で表わされるジヒドロキシ化合物と一般式(4b)で表わされるクロロシラン化合物とを反応させる場合には、一般式(2a)で表わされるジヒドロキシ化合物と一般式(2b)で表わされるクロロシラン化合物とを反応させる場合と同様の条件で反応させることができる。
次に、一般式(5)について説明する。一般式(5)において、R14〜R18は、それぞれ同一でも異なっていてもよい、炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表わす。炭素原子数1〜6のアルキル基としては、一般式(2)のR1〜R3で例示したアルキル基等が挙げられる。R14〜R15としては、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、原料の入手の容易さからはメチル基が更に好ましく、熱安定性が高く高屈折の硬化物が得られるという点からはフェニル基が更に好ましい。R16〜R17としては、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、硬化物の可撓性の点からはメチル基が更に好ましく、熱安定性が高く高屈折の硬化物が得られるという点からはフェニル基が更に好ましい。R18としては、原料の入手の容易さから、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、メチル基が更に好ましい。
X1は、炭素数2〜25のジヒドロキシル化合物から2つのヒドロキシル基を除いた残基を表わす。X1については、先に説明したのでここでは繰り返さない。
一般式(5)において、mは0〜200の数を表わすが、あまりに大きい数の場合には高粘度となり本発明の硬化性組成物のハンドリング性が低下することから、mは1〜50の数が好ましく、1〜20の数が更に好ましく、1〜5の数が最も好ましい。nおよびpは、その合計の数が0〜50となる数を表わし、本発明の硬化性組成物の靭性や他の材料への密着性への悪影響があることから、mに対するnおよびpの合計の数の比は、0.5以下であることが好ましく、0.3以下であることが更に好ましく、0.2以下であることが最も好ましい。なお一般式(5)において、繰り返し数がmであるユニットおよび繰り返し数がnであるユニットの結合順はブロックでもランダムでもよい。
qは2〜5の数を表わし、原料の入手が容易であることから2〜4の数が好ましく、3〜4の数が更に好ましく、3が最も好ましい。
一般式(5)で表わされる化合物は、一般式(5a)で表わされるジヒドロキシ化合物と下記一般式(5b)で表わされるクロロシラン化合物とを反応させて一般式(5e)で表わされる化合物を得、得られた一般式(5e)で表わされる化合物と一般式(5f)で表わされる環状シロキサン化合物とを反応させることにより得ることができる。
一般式(5a)において、m、nおよびpがいずれも0の数である場合は、一般式(5a)で表わされるジヒドロキシ化合物は、下記一般式(5c)で表わされるジヒドロキシ化合物である。
一般式(5a)において、m、nおよびpがいずれも0の数でない場合は、一般式(5a)で表わされる化合物は、ピリジン、ピコリン等のピリジン化合物又はトリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン等の第三級アミン化合物の存在下で、一般式(5c)で表わされるジヒドロキシ化合物に、下記一般式(5d)で表わされるジクロロシラン化合物を反応させることにより得ることができる。
一般式(5d)で表わされるジクロロシラン化合物としては、一般式(2d)で例示したジクロロシラン化合物のうち、R4がビニル基でないジクロロシラン化合物等が挙げられる。
一般式(5c)で表わされるジヒドロキシ化合物と、一般式(5d)で表わされるジクロロシラン化合物とを反応させる場合には、ジヒドロキシ化合物1モルに対して、ジクロロシラン化合物を0.5〜50モル、好ましくは0.5〜2モル、更に好ましくは0.5〜1.2モル使用し、ジクロロシラン化合物1モルに対してピリジン化合物又は第三級アミン化合物を2〜10モル、好ましくは、2.1〜3モル使用し、反応温度25〜100℃、好ましくは、40〜70℃で反応させることが好ましい。なお、ジヒドロキシ化合物とジクロロシラン化合物とを反応させる場合には、未反応のジクロロシラン化合物を反応させたり、クロロシラン基(Si−Cl基)をヒドロキシシリル基(Si−OH基)に変換するために、反応終了後に、水を添加することが好ましい。添加する水の量は、使用したジクロロシラン化合物1モルに対して2モル以上であることが好ましい。
一般式(5b)で表わされるクロロシラン化合物としては、一般式(2b)で表わされるクロロシラン化合物のうち、Z1がビニル基である化合物で例示したクロロシラン化合物等が挙げられる。
また、一般式(5a)で表わされるジヒドロキシ化合物と一般式(5b)で表わされるクロロシラン化合物とを反応させて一般式(5e)で表わされる化合物を得る場合には、ジヒドロキシ化合物1モルに対して、クロロシラン化合物を2〜10モル、好ましくは、3〜5モル使用し、クロロシラン化合物1モルに対して、ピリジン化合物又は第三級アミン化合物を1〜10モル、好ましくは、1.05〜2モル使用し、反応温度25〜100℃、好ましは、40〜70℃で反応させることが好ましい。
一般式(5e)で表わされる化合物と一般式(5f)で表わされる環状シロキサン化合物とを反応させる場合には、一般式(5e)で表わされる化合物のビニル基と一般式(5f)で表わされる環状シロキサン化合物のSi−H基とをヒドロシリル化触媒を用いてヒドロシリル化反応させればよい。
一般式(5f)で表わされる環状シロキサン化合物としては、好ましい化合物としては、2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラエチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10,12−ヘキサメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられる。
一般式(5e)で表わされる化合物と一般式(5f)で表わされる環状シロキサン化合物とを反応させる場合は、一般式(3e)で表わされる化合物に一般式(3f)で表わされる環状シロキサン化合物を反応させる場合と同様の条件で反応させればよい。
硬化物の靭性が向上することから、(A)成分が一般式(2)で表わされる化合物の場合、(B)成分は一般式(5)で表わされる化合物が好ましく、(A)成分が一般式(3)で表わされる化合物の場合は、(B)成分は一般式(4)で表わされる化合物が好ましい。
(A)成分と(B)成分の両方が一般式(1)で表わされる基を有する化合物である場合、本発明の硬化性組成物において、(A)成分と(B)成分の含有量は、ビニル基とSi−H基との比を考慮して適宜決めればよいが、ビニル基にたいするSi−H基の当量比が、0.5〜10が好ましく、0.9〜3.0が更に好ましく、1.0〜1.5が最も好ましい。
<一般式(1)で表わされる基を有しない(A)成分>
本発明では、(A)成分である分子中に少なくとも2つのビニル基を有する化合物と(B)成分である分子中に少なくとも2つのSi―H基を有する化合物の両方が一般式(1)で表わされる基を有する化合物であることが好ましいが、(A)成分の化合物と(B)成分の化合物の、どちらか一方の化合物が、一般式(1)で表わされる基を有する化合物で、他方の化合物は一般式(1)で表わされる基を有しない化合物でもよい。
本発明では、(A)成分である分子中に少なくとも2つのビニル基を有する化合物と(B)成分である分子中に少なくとも2つのSi―H基を有する化合物の両方が一般式(1)で表わされる基を有する化合物であることが好ましいが、(A)成分の化合物と(B)成分の化合物の、どちらか一方の化合物が、一般式(1)で表わされる基を有する化合物で、他方の化合物は一般式(1)で表わされる基を有しない化合物でもよい。
分子中に少なくとも2つのビニル基を有し、一般式(1)で表わされる基を有しない化合物としては、下記の一般式(10)〜(14)で表わされる化合物等が挙げられる。
一般式(10)において、R19〜R23は、それぞれ同一でも異なっていてもよい炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表わし、Z3は、ビニル基、炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表わす。炭素原子数1〜6のアルキル基としては、一般式(2)のR1〜R3で例示したアルキル基等が挙げられる。R19〜R23としては、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、メチル基、フェニル基が更に好ましく、メチル基が最も好ましい。Z3は、ビニル基、炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表わし、ビニル基が好ましい。rは0〜1000の数を表わし、sは0〜1000の数を表わす。但し、rが2未満の場合には、Z3はビニル基を表わす。また、繰り返し数がsであるユニットおよび繰り返し数がrであるユニットの結合順はブロックでもランダムでもよい。
一般式(11)において、R24は同一でも異なっていてもよい炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表わす。炭素原子数1〜6のアルキル基としては、一般式(2)のR1〜R3で例示したアルキル基等が挙げられ、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、メチル基、フェニル基が更に好ましく、メチル基が最も好ましい。tは3〜6の数を表わし、工業的な入手が容易であることから、4〜5の数が好ましく、4が更に好ましい。一般式(11)で表わされる化合物の中で、好ましい化合物としては、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリビニルシクロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラエチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラフェニル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタメチル−2,4,6,8,10−ペンタビニルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10,12−ヘキサメチル−2,4,6,8,10,12−ヘキサビニルシクロヘキサシロキサン等が挙げられる。
一般式(12)において、uは1〜2の数を表わす。一般式(12)で表わされる化合物としては、1,2−ジビニルベンゼン、1,3−ジビニルベンゼン、1,4−ジビニルベンゼン、1,2,4−トリビニルベンゼン等が挙げられる。
一般式(13)において、vは1〜2の数を表わす。一般式(13)で表わされる化合物としては、1,2−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロヘキサン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
一般式(14)で表わされる化合物において、R25はアリル基又は炭素数1〜6のアルキル基を表わす。炭素原子数1〜6のアルキル基としては、一般式(2)のR1〜R3で例示したアルキル基等が挙げられる。R25としては、耐熱性が良好であることからアリル基、メチル基、エチル基が好ましく、アリル基が更に好ましい。一般式(14)で表わされる化合物の中で、好ましい化合物としては、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルメチルイソシアヌレート、ジアリルエチルイソシアヌレート等が挙げられる。
<一般式(1)で表わされる基を有しない(B)成分>
分子中に少なくとも2つのSi−H基を有し、一般式(1)で表わされる基を有しない化合物としては、下記の一般式(15)〜(17)で表わされる化合物等が挙げられる。
分子中に少なくとも2つのSi−H基を有し、一般式(1)で表わされる基を有しない化合物としては、下記の一般式(15)〜(17)で表わされる化合物等が挙げられる。
一般式(15)において、R26〜R30は、それぞれ同一でも異なっていてもよい炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表わす。炭素原子数1〜6のアルキル基としては、一般式(2)のR1〜R3で例示したアルキル基等が挙げられる。R26〜R30としては、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、メチル基、フェニル基が更に好ましく、メチル基が最も好ましい。Z4は、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表わし、水素原子が好ましい。wは0〜1000の数を表わし、xは0〜1000の数を表わす。但し、wが2未満の場合には、Z4は水素原子を表わす。また、繰り返し数がwであるユニットおよび繰り返し数がxであるユニットの結合順はブロックでもランダムでもよい。
一般式(16)において、R31は同一でも異なっていてもよい炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表わす。炭素原子数1〜6のアルキル基としては、一般式(2)のR1〜R3で例示したアルキル基等が挙げられ、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、メチル基、フェニル基が更に好ましく、メチル基が最も好ましい。yは3〜6の数を表わし、工業的な入手が容易であることから、4〜5の数が好ましく、4が更に好ましい。一般式(16)で表わされる化合物の中で、好ましい化合物としては、2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラエチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10,12−ヘキサメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられる。
一般式(17)において、R32、R33は、それぞれ同一でも異なっていてもよい、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表わす。炭素原子数1〜6のアルキル基としては、一般式(2)のR1〜R3で例示したアルキル基等が挙げられ、耐熱性が良好であることからメチル、エチルが好ましく、メチルが更に好ましい。一般式(17)で表される化合物の中で、好ましい化合物としては、1,2−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、1,3−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、1,2−ビス(ジエチルシリル)ベンゼン、1,3−ビス(ジエチルシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジエチルシリル)ベンゼン等が挙げられ、1,2−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンが好ましく、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンが更に好ましい。
(A)成分と(B)成分のいずれか一方のみ一般式(1)で表わされる基を有する化合物である場合についても、本発明の硬化性組成物において、(A)成分と(B)成分の含有量は、ビニル基とSi−H基との比を考慮して適宜決めればよいが、ビニル基に対するSi−H基の当量比が、0.5〜10が好ましく、0.9〜3.0が更に好ましく、1.0〜1.5が最も好ましい。
また、本発明の硬化性組成物では、一般式(1)で表わされる基の含有量が、(A)成分と(B)成分との合計に対して、0.1〜3mmol/gであることが好ましく、0.5〜2.8mmol/gであることが更に好ましく、1.5〜2.7mmol/gであることが最も好ましい。
<(C)成分:ヒドロシリル化触媒>
本発明の(C)成分は、(A)成分のビニル基と(B)成分のSi−H基とをヒドロシリル化反応させる、ヒドロシリル化触媒である。ヒドロシリル化触媒としては、例えば、白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等が挙げられる。白金系触媒としては、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体、白金−カルボニルビニルメチル錯体(Ossko触媒)、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(KaRstedt触媒)、白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体、白金−オクチルアルデヒド錯体、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt[P(C6H5)3]4、PtCl[P(C6H5)3]3、Pt[P(C4H9)3)4])、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OC6H5)3]4)、Pt[P(OC4H9)3]4)、ジカルボニルジクロロ白金等が挙げられる。パラジウム系触媒又はロジウム系触媒としては、例えば、上記白金系触媒の白金原子の代わりにパラジウム原子又はロジウム原子を含有する化合物が挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ヒドロシリル化触媒としては、反応性の点から、白金系触媒が好ましく、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体及び白金−カルボニルビニルメチル錯体が更に好ましく、白金−カルボニルビニルメチル錯体が最も好ましい。
本発明の(C)成分は、(A)成分のビニル基と(B)成分のSi−H基とをヒドロシリル化反応させる、ヒドロシリル化触媒である。ヒドロシリル化触媒としては、例えば、白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等が挙げられる。白金系触媒としては、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体、白金−カルボニルビニルメチル錯体(Ossko触媒)、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(KaRstedt触媒)、白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体、白金−オクチルアルデヒド錯体、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt[P(C6H5)3]4、PtCl[P(C6H5)3]3、Pt[P(C4H9)3)4])、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OC6H5)3]4)、Pt[P(OC4H9)3]4)、ジカルボニルジクロロ白金等が挙げられる。パラジウム系触媒又はロジウム系触媒としては、例えば、上記白金系触媒の白金原子の代わりにパラジウム原子又はロジウム原子を含有する化合物が挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ヒドロシリル化触媒としては、反応性の点から、白金系触媒が好ましく、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体及び白金−カルボニルビニルメチル錯体が更に好ましく、白金−カルボニルビニルメチル錯体が最も好ましい。
また、触媒の使用量は反応性の点から、(A)成分と(B)成分との合計量の5質量%以下が好ましく、0.0001〜1.0質量%が更に好ましく、0.001〜0.1質量%が最も好ましい。ヒドロシリル化の反応条件は特に限定されず、上記触媒を使用して従来公知の条件で行なえばよいが、反応速度の点から、室温(25℃)〜130℃で行なうのが好ましく、反応時にトルエン、ヘキサン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の従来公知の溶媒を使用してもよい。
本発明のケイ素含有硬化性組成物は、上記の(A)〜(C)成分以外に、必要に応じて、耐候性付与剤、無機性フィラー、帯電防止剤等の任意成分を含有してもよい。
耐候性付与剤としては、光安定剤、紫外線吸収剤、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。光安定剤としては、ヒンダードアミン類が挙げられ、紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、2−(2−ヒドロキシフェニル)トリアジン類、ベンゾエート類、シアノアクリレート類等が挙げられ、フェノール系酸化防止剤としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,6−ジ−t−ブチル−メチルフェノール(BHT又はDBPC)等が挙げられ、硫黄系酸化防止剤としては、ジアルキルチオジプロピオネート類、β―アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類等が挙げられ、リン系酸化防止剤としては、有機ホスファイト類が挙げられる。本発明のケイ素含有硬化性組成物における耐候性付与剤の含有量は、透明性、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性及びハンドリングの点から、0.0001〜10質量%が好ましく、0.005〜5質量%が更に好ましく、0.05〜1質量%が最も好ましい。
無機性フィラーは、いわゆる充填剤、鉱物等の無機材料及びそれを有機変性処理等により改質したものを指す。具体的には、例えば、コロイダルシリカ、シリカフィラー、シリカゲル等の二酸化ケイ素類;酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ベリリウム等の金属酸化物;マイカ、モンモリロナイト、けい石、珪藻土、セリサイト、カオリナイト、フリント、長石粉、蛭石、アタパルジャイト、タルク、ミネソタイト、パイロフィライト等の鉱物類;窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素等のセラミックス類;これらを有機変性処理等によって改質したものが挙げられる。これらの無機性フィラーの粒径は、耐熱性の点から100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。本発明のケイ素含有硬化性組成物における無機性フィラー含有量は、透明性を重視する場合には使用しない又はできる限り少ない使用が好ましいので0〜10質量%が好ましく、耐熱性向上、増粘、チクソ性付与を目的として使用する場合には10〜90質量%が好ましい。
本発明のケイ素含有硬化性組成物において、例えば透明性を重視し無機性フィラーを使用しない又は少量で使用する場合には、任意成分の含有量は合計で20質量%以下とすることが好ましく、例えば耐熱性向上、増粘、チクソ性付与を目的として無機性フィラーを使用する場合には、任意成分の含有量は合計で90質量%以下とすることが好ましい。
次に本発明の硬化物について述べる。本発明のケイ素含有硬化性組成物は、加熱することにより硬化させることができ、硬化物とすることができる。この硬化反応は、本発明のケイ素含有硬化性組成物の配合成分を使用直前に混合する方法、あらかじめ全部を混合しておき硬化反応を行うときに加熱等により硬化する方法等、いずれの方法で行ってもよい。硬化させる場合の温度は35〜350℃が好ましく、50〜250℃が更に好ましく、100〜230℃が最も好ましい。硬化反応は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。硬化時間は0.01〜10時間が好ましく、0.05〜6時間がより好ましい。
硬化物の形状は、用途に応じて種々とりうるので特に限定されないが、例えば、フィルム状、シート状、チューブ状、ロッド状、塗膜状、バルク状などの形状とすることができる。成形する方法も従来の熱硬化性樹脂の成形方法をはじめとして種々の方法をとることができる。例えば、キャスト法、プレス法、注型法、トランスファー成形法、コーティング法、RIM法などの成形方法を適用することができる。成形型は研磨ガラス、硬質ステンレス研磨板、ポリカーボネート板、ポリエチレンテレフタレート板、ポリメチルメタクリレート板等を適用することができる。また、成形型との離型性を向上させるためポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム等を適用することができる。成形時に必要に応じ各種処理を施すこともできる。例えば、成形時に発生するボイドの抑制のために組成物あるいは一部反応させた組成物を遠心、減圧などにより脱泡する処理、プレス時に一旦圧力を開放する処理などを適用することもできる。
本発明の硬化物は、従来のシリコーン樹脂と同様に、耐熱性、光透過性に優れており、従来のシリコーン樹脂が使用されている種々の用途に使用できる。本発明の硬化物は、従来のシリコーン樹脂に比べ、更に、靭性、他の材料との密着性に優れていることから、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、電子ペーパーなどの透明フレキシブルディスプレイ用基板や、太陽電池保護膜、カラーフィルター用保護膜、光ディスク基板、タッチパネル、光学用耐熱耐衝撃レンズ等に好適に用いることができる。
前述の一般式(3)で表わされる化合物及び一般式(5)で表わされる化合物は、新規化合物である。これらの新規化合物は、本発明の硬化性組成物等のシリコーン樹脂系の硬化性組成物の構成成分として有用なものである。
以下、製造例及び実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらの製造例及び実施例によって限定されるものではない。
下記製造例1〜13のうち、製造例1〜6、12及び13は、本発明の硬化性組成物に用いられる(A)成分の製造例であり、製造例7〜11は、本発明の硬化性組成物に用いられる(B)成分の製造例であり、製造例7、8、12及び13は、本発明の新規化合物の製造例である。また、下記実施例1〜16が、本発明の硬化性組成物の実施例である。
尚、製造例及び実施例中の「部」や「%」は質量基準によるものである。また、製造例中の1H−NMR分析においては、測定溶媒として重クロロホルムを用いた。
下記製造例1〜13のうち、製造例1〜6、12及び13は、本発明の硬化性組成物に用いられる(A)成分の製造例であり、製造例7〜11は、本発明の硬化性組成物に用いられる(B)成分の製造例であり、製造例7、8、12及び13は、本発明の新規化合物の製造例である。また、下記実施例1〜16が、本発明の硬化性組成物の実施例である。
尚、製造例及び実施例中の「部」や「%」は質量基準によるものである。また、製造例中の1H−NMR分析においては、測定溶媒として重クロロホルムを用いた。
<製造例1:化合物A−1>
ガラス製反応容器に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン228g(1モル)、ピリジン237g(3モル)、溶剤としてジオキサン500gを仕込んだ後、25〜50℃でジメチルビニルクロロシラン290g(2.4モル)を1時間かけて滴下し、更に、30℃で1時間撹拌した。反応物に、トルエン500g及び蒸留水500g加えて2層に分離させ、水層(下層)を除去した後、100℃で減圧して溶媒及び水を留去し、濾過して、一般式(1)で表わされる基を有する(A)成分である化合物A−1を得た。化合物A−1は、一般式(2)において、R1、R2がメチル基、Z1がビニル基、a、bおよびcが0の数であって、X1が下記式(18)で表わされる基である化合物であり、ビニル基含量は5.05mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は2.53mmol/gである。なお、ビニル基含量および一般式(1)で表わされる基の含量は、構造式より求めた。化合物A−1の化学構造は、1H−NMR分析により確認した。分析結果を以下に示す。
(分析結果)
1H−NMR:0.33ppm(12H:CH2=CH−Si−CH 3)、1.62ppm(6H:(Φ−)2C−CH 3)、5.8〜6.3ppm(6H:ビニル基)、6.7〜7.3ppm(8H:パラ置換ベンゼン環)
ガラス製反応容器に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン228g(1モル)、ピリジン237g(3モル)、溶剤としてジオキサン500gを仕込んだ後、25〜50℃でジメチルビニルクロロシラン290g(2.4モル)を1時間かけて滴下し、更に、30℃で1時間撹拌した。反応物に、トルエン500g及び蒸留水500g加えて2層に分離させ、水層(下層)を除去した後、100℃で減圧して溶媒及び水を留去し、濾過して、一般式(1)で表わされる基を有する(A)成分である化合物A−1を得た。化合物A−1は、一般式(2)において、R1、R2がメチル基、Z1がビニル基、a、bおよびcが0の数であって、X1が下記式(18)で表わされる基である化合物であり、ビニル基含量は5.05mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は2.53mmol/gである。なお、ビニル基含量および一般式(1)で表わされる基の含量は、構造式より求めた。化合物A−1の化学構造は、1H−NMR分析により確認した。分析結果を以下に示す。
(分析結果)
1H−NMR:0.33ppm(12H:CH2=CH−Si−CH 3)、1.62ppm(6H:(Φ−)2C−CH 3)、5.8〜6.3ppm(6H:ビニル基)、6.7〜7.3ppm(8H:パラ置換ベンゼン環)
<製造例2:化合物A−2>
ガラス製反応容器に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン45.6g(0.2モル)、ピリジン79g(1モル)、溶剤としてジオキサン100gを仕込んだ後、20〜30℃でジフェニルジクロロシラン45.6g(0.18モル)を2時間かけて滴下し、更に20〜30℃で2時間撹拌した。反応物に、トルエン100g及び蒸留水100g加えて2層に分離させ、水層(下層)を除去した後、100℃で減圧して溶媒及び水を留去した[一般式(2a)に相当する化合物が生成]。この反応物が入ったガラス製反応容器に、ピリジン10.3g(0.13モル)、溶剤としてジオキサン100gを加えて溶解した後、ジメチルビニルクロロシラン12.1g(0.1モル)を加えて30℃で3時間撹拌し反応させた。この後、トルエン100g及び蒸留水100g加えて2層に分離させ、水層(下層)を除去した後、100℃で減圧して溶媒及び水を留去し、溶媒及び水を留去し、濾過して、一般式(1)で表わされる基を有する(A)成分である化合物A−2を得た。化合物A−2は、一般式(2)において、R1、R2がメチル基、R3、R4がフェニル基、Z1がビニル基、aが8.8の数、bとcとの合計の数が0.3の数であって、X1が式(18)で表わされる基である化合物であり、ビニル基含量は0.494mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は2.42mmol/gである。なお、ビニル基含量、一般式(1)で表わされる基の含量、a、cおよびbは、1H−NMR分析により求めた。化合物A−2の化学構造については、1H−NMR分析により確認した。分析結果を以下に示す。
(分析結果)
1H−NMR:0.33ppm(12H:CH2=CH−Si−CH 3)、1.62ppm(58.8H:(Φ−)2C−CH 3)、5.8〜6.3ppm(6H:ビニル基)、6.7〜7.3ppm(169.4H:ベンゼン環)
ガラス製反応容器に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン45.6g(0.2モル)、ピリジン79g(1モル)、溶剤としてジオキサン100gを仕込んだ後、20〜30℃でジフェニルジクロロシラン45.6g(0.18モル)を2時間かけて滴下し、更に20〜30℃で2時間撹拌した。反応物に、トルエン100g及び蒸留水100g加えて2層に分離させ、水層(下層)を除去した後、100℃で減圧して溶媒及び水を留去した[一般式(2a)に相当する化合物が生成]。この反応物が入ったガラス製反応容器に、ピリジン10.3g(0.13モル)、溶剤としてジオキサン100gを加えて溶解した後、ジメチルビニルクロロシラン12.1g(0.1モル)を加えて30℃で3時間撹拌し反応させた。この後、トルエン100g及び蒸留水100g加えて2層に分離させ、水層(下層)を除去した後、100℃で減圧して溶媒及び水を留去し、溶媒及び水を留去し、濾過して、一般式(1)で表わされる基を有する(A)成分である化合物A−2を得た。化合物A−2は、一般式(2)において、R1、R2がメチル基、R3、R4がフェニル基、Z1がビニル基、aが8.8の数、bとcとの合計の数が0.3の数であって、X1が式(18)で表わされる基である化合物であり、ビニル基含量は0.494mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は2.42mmol/gである。なお、ビニル基含量、一般式(1)で表わされる基の含量、a、cおよびbは、1H−NMR分析により求めた。化合物A−2の化学構造については、1H−NMR分析により確認した。分析結果を以下に示す。
(分析結果)
1H−NMR:0.33ppm(12H:CH2=CH−Si−CH 3)、1.62ppm(58.8H:(Φ−)2C−CH 3)、5.8〜6.3ppm(6H:ビニル基)、6.7〜7.3ppm(169.4H:ベンゼン環)
<製造例3:化合物A−3>
ガラス製反応容器に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン45.6g(0.2モル)、ピリジン79g(1モル)、溶剤としてジオキサン100gを仕込んだ後、20〜30℃でジメチルジクロロシラン14.2g(0.11モル)とジフェニルジクロロシラン27.8g(0.11モル)との混合物を2時間かけて滴下し、更に20〜30℃で2時間撹拌した。以下、反応物に、トルエン100g及び蒸留水100g加え、製造例2と同様の操作を行い、一般式(1)で表わされる基を有する(A)成分である化合物A−3を得た。化合物A−3は、一般式(2)において、R1、R2がメチル基、R3、R4がメチル基/フェニル基=1/1(モル比)、Z1がビニル基、aが25.1の数、bとcの合計が3.2の数であって、X1が式(18)で表わされる基である化合物であり、ビニル基含量は0.210mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は2.74mmol/gである。なお、R3、R4のメチル基とフェニル基の比、ビニル基含量、一般式(1)で表わされる基の含量、a、bおよびcの数は、1H−NMR分析により求めた。化合物A−3の化学構造については、1H−NMR分析により確認した。分析結果を以下に示す。
(分析結果)
1H−NMR:0.33〜0.34ppm(96.9H:CH2=CH−Si−CH 3、Φ−Si−CH 3)、1.62ppm(156.6H:(Φ−)2C−CH 3)、5.8〜6.3ppm(6H:ビニル基)、6.7〜7.3ppm(245.9H:ベンゼン環)
ガラス製反応容器に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン45.6g(0.2モル)、ピリジン79g(1モル)、溶剤としてジオキサン100gを仕込んだ後、20〜30℃でジメチルジクロロシラン14.2g(0.11モル)とジフェニルジクロロシラン27.8g(0.11モル)との混合物を2時間かけて滴下し、更に20〜30℃で2時間撹拌した。以下、反応物に、トルエン100g及び蒸留水100g加え、製造例2と同様の操作を行い、一般式(1)で表わされる基を有する(A)成分である化合物A−3を得た。化合物A−3は、一般式(2)において、R1、R2がメチル基、R3、R4がメチル基/フェニル基=1/1(モル比)、Z1がビニル基、aが25.1の数、bとcの合計が3.2の数であって、X1が式(18)で表わされる基である化合物であり、ビニル基含量は0.210mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は2.74mmol/gである。なお、R3、R4のメチル基とフェニル基の比、ビニル基含量、一般式(1)で表わされる基の含量、a、bおよびcの数は、1H−NMR分析により求めた。化合物A−3の化学構造については、1H−NMR分析により確認した。分析結果を以下に示す。
(分析結果)
1H−NMR:0.33〜0.34ppm(96.9H:CH2=CH−Si−CH 3、Φ−Si−CH 3)、1.62ppm(156.6H:(Φ−)2C−CH 3)、5.8〜6.3ppm(6H:ビニル基)、6.7〜7.3ppm(245.9H:ベンゼン環)
<製造例4:化合物A−4>
ガラス製反応容器に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン45.6g(0.2モル)、ピリジン79g(1モル)、溶剤としてジオキサン100gを仕込んだ後、30℃でメチルビニルジクロロシラン0.28g(0.02モル)を添加した。次いで、20〜30℃でメチルフェニルジクロロシラン57.3g(0.3モル)を2時間かけて滴下し、更に20〜30℃で2時間撹拌した。この後、更に、トリメチルメトキシシラン5.2g(0.05モル)を添加し、20〜30℃で2時間撹拌した。以下、反応物に、トルエン100g及び蒸留水100g加え、製造例2と同様の操作を行い、一般式(1)で表わされる基を有する(A)成分である化合物A−4を得た。化合物A−4は、一般式(2)において、R1、R2がメチル基、R3がメチル基またはフェニル基、R4がメチル基またはビニル基、Z1がメチル基、aが37.2の数、bとcとの合計が22.9の数であって、X1が式(18)で表わされる基である化合物であり、ビニル基含量は0.361mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は2.36mmol/gである。なお、ビニル基含量、一般式(1)で表わされる基の含量、a、bおよびcは、H−NMR分析により求めた。
ガラス製反応容器に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン45.6g(0.2モル)、ピリジン79g(1モル)、溶剤としてジオキサン100gを仕込んだ後、30℃でメチルビニルジクロロシラン0.28g(0.02モル)を添加した。次いで、20〜30℃でメチルフェニルジクロロシラン57.3g(0.3モル)を2時間かけて滴下し、更に20〜30℃で2時間撹拌した。この後、更に、トリメチルメトキシシラン5.2g(0.05モル)を添加し、20〜30℃で2時間撹拌した。以下、反応物に、トルエン100g及び蒸留水100g加え、製造例2と同様の操作を行い、一般式(1)で表わされる基を有する(A)成分である化合物A−4を得た。化合物A−4は、一般式(2)において、R1、R2がメチル基、R3がメチル基またはフェニル基、R4がメチル基またはビニル基、Z1がメチル基、aが37.2の数、bとcとの合計が22.9の数であって、X1が式(18)で表わされる基である化合物であり、ビニル基含量は0.361mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は2.36mmol/gである。なお、ビニル基含量、一般式(1)で表わされる基の含量、a、bおよびcは、H−NMR分析により求めた。
<製造例5:化合物A−5>
ガラス製反応容器に、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル202g(1モル)、ピリジン286g(3.6モル)、溶剤としてジオキサン500gを仕込んだ後、20〜30℃でジフェニルジクロロシラン45.6g(0.5モル)を2時間かけて滴下し、更に20〜30℃で2時間撹拌した。次いで、20〜30℃でジメチルビニルクロロシラン290g(2.4モル)を1時間かけて滴下し、更に、30℃で1時間撹拌した。以下、反応物に、トルエン100g及び蒸留水100g加え、製造例2と同様の操作を行い、一般式(1)で表わされる基を有する(A)成分である化合物A−5を得た。化合物A−5は、一般式(2)において、R1、R2がメチル基、R3、R4がフェニル基、Z1がビニル基、aが1の数、bとcとの合計が0の数であって、X1が下記式(19)で表わされる基である化合物であり、ビニル基含量は3.52mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は3.52mmol/gである。なお、ビニル基含量および一般式(1)で表わされる基の含量は、構造式より求めた。
ガラス製反応容器に、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル202g(1モル)、ピリジン286g(3.6モル)、溶剤としてジオキサン500gを仕込んだ後、20〜30℃でジフェニルジクロロシラン45.6g(0.5モル)を2時間かけて滴下し、更に20〜30℃で2時間撹拌した。次いで、20〜30℃でジメチルビニルクロロシラン290g(2.4モル)を1時間かけて滴下し、更に、30℃で1時間撹拌した。以下、反応物に、トルエン100g及び蒸留水100g加え、製造例2と同様の操作を行い、一般式(1)で表わされる基を有する(A)成分である化合物A−5を得た。化合物A−5は、一般式(2)において、R1、R2がメチル基、R3、R4がフェニル基、Z1がビニル基、aが1の数、bとcとの合計が0の数であって、X1が下記式(19)で表わされる基である化合物であり、ビニル基含量は3.52mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は3.52mmol/gである。なお、ビニル基含量および一般式(1)で表わされる基の含量は、構造式より求めた。
<製造例6:化合物A−6>
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル202g(1モル)の代わりに、1,4−ベンゼンジオールを用いた他は、製造例1と同様の操作を行い、一般式(1)で表わされる基を有する(A)成分である化合物A−6を得た。化合物A−6は、一般式(2)において、R1、R2がメチル基、Z1がビニル基、a、bおよびcが0の数であって、X1がp−フェニレン基である化合物であり、ビニル基含量は7.29mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は3.60mmol/gである。なお、ビニル基含量および一般式(1)で表わされる基の含量は、構造式より求めた。
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル202g(1モル)の代わりに、1,4−ベンゼンジオールを用いた他は、製造例1と同様の操作を行い、一般式(1)で表わされる基を有する(A)成分である化合物A−6を得た。化合物A−6は、一般式(2)において、R1、R2がメチル基、Z1がビニル基、a、bおよびcが0の数であって、X1がp−フェニレン基である化合物であり、ビニル基含量は7.29mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は3.60mmol/gである。なお、ビニル基含量および一般式(1)で表わされる基の含量は、構造式より求めた。
<製造例7:化合物B−1>
ガラス製反応容器に、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン120g(0.5モル)、触媒として白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(Karstedt触媒)11mg、および溶媒としてトルエン400gを仕込んだ後、60〜70℃で化合物A−1の50質量%トルエン溶液を79.2g(化合物A−1として0.1モル)を1時間かけて滴下し、更に、60℃で1時間撹拌した。この後、60℃以下で減圧して溶媒および未反応の2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンを留去し、一般式(1)で表わされる基を有する(B)成分である化合物B−1を得た。化合物B−1は、一般式(5)において、R14、R15およびR18がメチル基、m、n及びpが0の数、qが3の数であって、X1が式(18)で表わされる基である化合物であり、Si−H基含量は6.84mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は1.14mmol/gである。なお、Si−H基含量および一般式(1)で表わされる基の含量は、構造式より求めた。化合物B−1の化学構造については、1H−NMR分析により確認した。分析結果を以下に示す。
(分析結果)
1H−NMR:0.0〜0.1ppm(18H:CH2−Si−CH 3)、0.19ppm(18H:H−Si−CH 3)、0.5〜0.7ppm(8H:Si−CH 2−CH 2−Si)、1.62ppm(6H:(Φ−)2C−CH3)、4.5ppm(6H:O−Si−H)、6.7〜7.3ppm(8H:パラ置換ベンゼン環)
ガラス製反応容器に、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン120g(0.5モル)、触媒として白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(Karstedt触媒)11mg、および溶媒としてトルエン400gを仕込んだ後、60〜70℃で化合物A−1の50質量%トルエン溶液を79.2g(化合物A−1として0.1モル)を1時間かけて滴下し、更に、60℃で1時間撹拌した。この後、60℃以下で減圧して溶媒および未反応の2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンを留去し、一般式(1)で表わされる基を有する(B)成分である化合物B−1を得た。化合物B−1は、一般式(5)において、R14、R15およびR18がメチル基、m、n及びpが0の数、qが3の数であって、X1が式(18)で表わされる基である化合物であり、Si−H基含量は6.84mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は1.14mmol/gである。なお、Si−H基含量および一般式(1)で表わされる基の含量は、構造式より求めた。化合物B−1の化学構造については、1H−NMR分析により確認した。分析結果を以下に示す。
(分析結果)
1H−NMR:0.0〜0.1ppm(18H:CH2−Si−CH 3)、0.19ppm(18H:H−Si−CH 3)、0.5〜0.7ppm(8H:Si−CH 2−CH 2−Si)、1.62ppm(6H:(Φ−)2C−CH3)、4.5ppm(6H:O−Si−H)、6.7〜7.3ppm(8H:パラ置換ベンゼン環)
<製造例8:化合物B−2>
化合物A−1の代わりに、化合物A−2を用いた以外は製造例7と同様の操作を行い、一般式(1)で表わされる基を有する(B)成分である化合物B−2を得た。化合物B−2は、一般式(5)において、R14、R15およびR18がメチル基、R16およびR17がフェニル基、mが8.8の数、nとpとの合計が0.3の数、qが3の数であって、X1が式(18)で表わされる基である化合物であり、Si−H基含量は1.33mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は2.16mmol/gである。なお、Si−H基含量及び一般式(1)で表わされる基の含量は、化合物A−2の2つのビニル基に2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンが1分子づつ反応したとして、計算により求めた。化合物B−2の化学構造については、1H−NMR分析により確認した。分析結果を以下に示す。
(分析結果)
1H−NMR:0.0〜0.1ppm(18H:CH2−Si−CH 3)、0.19ppm(18H:H−Si−CH 3)、0.5〜0.7ppm(8H:Si−CH 2−CH 2−Si)、1.62ppm(58.8H:(Φ−)2C−CH 3)、4.5ppm(6H:O−Si−H)、6.7〜7.3ppm(169.4H:ベンゼン環)
化合物A−1の代わりに、化合物A−2を用いた以外は製造例7と同様の操作を行い、一般式(1)で表わされる基を有する(B)成分である化合物B−2を得た。化合物B−2は、一般式(5)において、R14、R15およびR18がメチル基、R16およびR17がフェニル基、mが8.8の数、nとpとの合計が0.3の数、qが3の数であって、X1が式(18)で表わされる基である化合物であり、Si−H基含量は1.33mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は2.16mmol/gである。なお、Si−H基含量及び一般式(1)で表わされる基の含量は、化合物A−2の2つのビニル基に2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンが1分子づつ反応したとして、計算により求めた。化合物B−2の化学構造については、1H−NMR分析により確認した。分析結果を以下に示す。
(分析結果)
1H−NMR:0.0〜0.1ppm(18H:CH2−Si−CH 3)、0.19ppm(18H:H−Si−CH 3)、0.5〜0.7ppm(8H:Si−CH 2−CH 2−Si)、1.62ppm(58.8H:(Φ−)2C−CH 3)、4.5ppm(6H:O−Si−H)、6.7〜7.3ppm(169.4H:ベンゼン環)
<製造例9:化合物B−3>
ジメチルビニルクロロシランの代わりに、ジメチルクロロシランを使用した以外は、製造例1と同様の操作を行い、一般式(1)で表わされる基を有する(B)成分である化合物B−3を得た。化合物B−3は、一般式(4)において、R10、R11がメチル基、Z2が水素原子、h、jおよびkが0の数であって、X1が式(18)で表わされる基である化合物であり、Si−H基含量は5.81mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は2.91mmol/gである。Si−H基含量および一般式(1)で表わされる基の含量は、化合物B−3の構造式より計算により求めた。化合物B−3の化学構造については、1H−NMR分析により確認した。分析結果を以下に示す。
(分析結果)
1H−NMR:0.18ppm(12H:H−Si−CH 3)、1.62ppm(6H:(Φ−)2C−CH 3)、4.7ppm(2H:O−Si−H)、6.7〜7.3ppm(8H:パラ置換ベンゼン環)
ジメチルビニルクロロシランの代わりに、ジメチルクロロシランを使用した以外は、製造例1と同様の操作を行い、一般式(1)で表わされる基を有する(B)成分である化合物B−3を得た。化合物B−3は、一般式(4)において、R10、R11がメチル基、Z2が水素原子、h、jおよびkが0の数であって、X1が式(18)で表わされる基である化合物であり、Si−H基含量は5.81mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は2.91mmol/gである。Si−H基含量および一般式(1)で表わされる基の含量は、化合物B−3の構造式より計算により求めた。化合物B−3の化学構造については、1H−NMR分析により確認した。分析結果を以下に示す。
(分析結果)
1H−NMR:0.18ppm(12H:H−Si−CH 3)、1.62ppm(6H:(Φ−)2C−CH 3)、4.7ppm(2H:O−Si−H)、6.7〜7.3ppm(8H:パラ置換ベンゼン環)
<製造例10:化合物B−4>
ジフェニルジクロロシランを45.6g(0.18モル)から38.0g(0.15モル)にし、ジメチルビニルクロロシランの代わりに、ジメチルクロロシランを使用した以外は、製造例2と同様の操作を行い、一般式(1)で表わされる基を有する(B)成分である化合物B−4を得た。化合物B−4は、一般式(4)において、R10、R11がメチル基、R12、R13がフェニル基、Z2が水素原子、hが2.9の数、jおよびkの合計が0.2の数であって、X1が式(18)で表わされる基である化合物であり、Si−H基含量は1.28mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は2.49mmol/gである。なお、Si−H基含量、一般式(1)で表わされる基の含量、h、jおよびkは、1H−NMR分析により求めた。化合物B−4の化学構造については、1H−NMR分析により確認した。分析結果を以下に示す。
(分析結果)
1H−NMR:0.18ppm(12H:H−Si−CH 3)、1.62ppm(23.4H:(Φ−)2C−CH 3)、4.7ppm(2H:O−Si−H)、6.7〜7.3ppm(46.6H:ベンゼン環)
ジフェニルジクロロシランを45.6g(0.18モル)から38.0g(0.15モル)にし、ジメチルビニルクロロシランの代わりに、ジメチルクロロシランを使用した以外は、製造例2と同様の操作を行い、一般式(1)で表わされる基を有する(B)成分である化合物B−4を得た。化合物B−4は、一般式(4)において、R10、R11がメチル基、R12、R13がフェニル基、Z2が水素原子、hが2.9の数、jおよびkの合計が0.2の数であって、X1が式(18)で表わされる基である化合物であり、Si−H基含量は1.28mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は2.49mmol/gである。なお、Si−H基含量、一般式(1)で表わされる基の含量、h、jおよびkは、1H−NMR分析により求めた。化合物B−4の化学構造については、1H−NMR分析により確認した。分析結果を以下に示す。
(分析結果)
1H−NMR:0.18ppm(12H:H−Si−CH 3)、1.62ppm(23.4H:(Φ−)2C−CH 3)、4.7ppm(2H:O−Si−H)、6.7〜7.3ppm(46.6H:ベンゼン環)
<製造例11:化合物B−5>
メチルビニルジクロロシランの代わりにメチルジクロロシラン、ジメチルビニルクロロシランの代わりにジメチルクロロシランを使用した以外は、製造例4と同様の操作を行い、一般式(1)で表わされる基を有する(B)成分である化合物B−5を得た。化合物B−5は、一般式(4)において、R10、R11がメチル基、R12がメチル基又はフェニル基、R13がメチル基又は水素原子、Z2が水素原子、hが38.4の数、jとkとの合計が20.5の数であって、X1が式(18)で表わされる基である化合物であり、Si−H基含量は0.347mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は2.44mmol/gである。なお、Si−H基含量、一般式(1)で表わされる基の含量、g、hおよびiは、H−NMR分析により求めた。
メチルビニルジクロロシランの代わりにメチルジクロロシラン、ジメチルビニルクロロシランの代わりにジメチルクロロシランを使用した以外は、製造例4と同様の操作を行い、一般式(1)で表わされる基を有する(B)成分である化合物B−5を得た。化合物B−5は、一般式(4)において、R10、R11がメチル基、R12がメチル基又はフェニル基、R13がメチル基又は水素原子、Z2が水素原子、hが38.4の数、jとkとの合計が20.5の数であって、X1が式(18)で表わされる基である化合物であり、Si−H基含量は0.347mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は2.44mmol/gである。なお、Si−H基含量、一般式(1)で表わされる基の含量、g、hおよびiは、H−NMR分析により求めた。
<製造例12:化合物A−7>
化合物A−1の代わりに化合物B−3を用い、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンの代わりに2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサンを用いた以外は製造例7と同様の操作を行い、一般式(1)で表わされる基を有する(A)成分である化合物A−7を得た。化合物A−7は、一般式(3)において、R5、R6およびR9がメチル基、d、e、fが0の数、gが3の数であって、X1が式(18)で表わされる基である化合物であり、ビニル基含量は5.81mol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は0.968mmol/gである。なお、ビニル基含量および一般式(1)で表わされる基の含量は、化合物A−7の構造式より計算により求めた。化合物A−7の化学構造については、1H−NMR分析により確認した。分析結果を以下に示す。
(分析結果)
1H−NMR:0.0〜0.1ppm(18H:CH2−Si−CH 3)、0.23ppm(18H:CH2=CH−Si−CH 3)、0.5〜0.7ppm(8H:Si−CH 2−CH 2−Si)、1.62ppm(6H:(Φ−)2C−CH3)、5.8〜6.3ppm(18H:ビニル基)、6.7〜7.3ppm(8H:パラ置換ベンゼン環)
化合物A−1の代わりに化合物B−3を用い、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンの代わりに2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサンを用いた以外は製造例7と同様の操作を行い、一般式(1)で表わされる基を有する(A)成分である化合物A−7を得た。化合物A−7は、一般式(3)において、R5、R6およびR9がメチル基、d、e、fが0の数、gが3の数であって、X1が式(18)で表わされる基である化合物であり、ビニル基含量は5.81mol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は0.968mmol/gである。なお、ビニル基含量および一般式(1)で表わされる基の含量は、化合物A−7の構造式より計算により求めた。化合物A−7の化学構造については、1H−NMR分析により確認した。分析結果を以下に示す。
(分析結果)
1H−NMR:0.0〜0.1ppm(18H:CH2−Si−CH 3)、0.23ppm(18H:CH2=CH−Si−CH 3)、0.5〜0.7ppm(8H:Si−CH 2−CH 2−Si)、1.62ppm(6H:(Φ−)2C−CH3)、5.8〜6.3ppm(18H:ビニル基)、6.7〜7.3ppm(8H:パラ置換ベンゼン環)
<製造例13:化合物A−8>
化合物A−1の代わりに化合物B−4を用い、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンの代わりに2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサンを用いた以外は製造例7と同様の操作を行い、一般式(1)で表わされる基を有する(A)成分である化合物A−8を得た。化合物A−8は、一般式(3)において、R5、R6およびR9がメチル基、R7およびR8がフェニル基、dが2.9の数、eとfの合計が0.2の数、fが3の数であって、X1が式(18)で表わされる基である化合物であり、ビニル基含量は2.66mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は1.73mmol/gである。ビニル基含量および一般式(1)で表わされる基の含量は、化合物A−8の構造式より計算により求めた。化合物A−8の化学構造については、1H−NMR分析により確認した。分析結果を以下に示す。
(分析結果)
1H−NMR:0.0〜0.1ppm(18H:CH2−Si−CH 3)、0.23ppm(18H:CH2=CH−Si−CH 3)、0.5〜0.7ppm(8H:Si−CH 2−CH 2−Si)、1.62ppm(23.4H:(Φ−)2C−CH 3)、5.8〜6.3ppm(18H:ビニル基)、6.7〜7.3ppm(46.6H:ベンゼン環)
化合物A−1の代わりに化合物B−4を用い、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンの代わりに2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサンを用いた以外は製造例7と同様の操作を行い、一般式(1)で表わされる基を有する(A)成分である化合物A−8を得た。化合物A−8は、一般式(3)において、R5、R6およびR9がメチル基、R7およびR8がフェニル基、dが2.9の数、eとfの合計が0.2の数、fが3の数であって、X1が式(18)で表わされる基である化合物であり、ビニル基含量は2.66mmol/g、一般式(1)で表わされる基の含量は1.73mmol/gである。ビニル基含量および一般式(1)で表わされる基の含量は、化合物A−8の構造式より計算により求めた。化合物A−8の化学構造については、1H−NMR分析により確認した。分析結果を以下に示す。
(分析結果)
1H−NMR:0.0〜0.1ppm(18H:CH2−Si−CH 3)、0.23ppm(18H:CH2=CH−Si−CH 3)、0.5〜0.7ppm(8H:Si−CH 2−CH 2−Si)、1.62ppm(23.4H:(Φ−)2C−CH 3)、5.8〜6.3ppm(18H:ビニル基)、6.7〜7.3ppm(46.6H:ベンゼン環)
<実施例1〜16、比較例1〜6>
以上の製造例で得られた化合物A−1〜A−8、B−1〜B−5、並びに以下に示す化合物A’−1〜A’−5、B’−1〜B’−5およびC−1を用いて、表1に示す組成にて、実施例1〜16、比較例1〜6の硬化性組成物を調製した。尚、化合物A’−1〜A’−5は一般式(1)で表わされる基を有しない(A)成分であり、化合物B’−1〜B’−5は一般式(1)で表わされる基を有しない(B)成分であり、化合物C−1はヒドロシリル化触媒である。
以上の製造例で得られた化合物A−1〜A−8、B−1〜B−5、並びに以下に示す化合物A’−1〜A’−5、B’−1〜B’−5およびC−1を用いて、表1に示す組成にて、実施例1〜16、比較例1〜6の硬化性組成物を調製した。尚、化合物A’−1〜A’−5は一般式(1)で表わされる基を有しない(A)成分であり、化合物B’−1〜B’−5は一般式(1)で表わされる基を有しない(B)成分であり、化合物C−1はヒドロシリル化触媒である。
化合物A’−3
2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン
2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン
化合物B’−3
2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン
2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン
化合物C−1
白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(Karstedt触媒)
白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(Karstedt触媒)
実施例1〜16、比較例1〜6の硬化性組成物について、下記に示す方法にて破断強度および接着性を評価した。結果を表1に示す。
〔破断強度〕
硬化性組成物を150℃で硬化させて、JIS K6251(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方)に定めるダンベル状6号形の試験片を作成した。この試験片を用いてJIS K6251の方法により、引張り試験を行い、切断時引張り応力又は降伏点引張り応力のどちらか大きい方を、破断強度とした。破断強度が大きいほど靭性が高いことを示す。
硬化性組成物を150℃で硬化させて、JIS K6251(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方)に定めるダンベル状6号形の試験片を作成した。この試験片を用いてJIS K6251の方法により、引張り試験を行い、切断時引張り応力又は降伏点引張り応力のどちらか大きい方を、破断強度とした。破断強度が大きいほど靭性が高いことを示す。
[接着性]
ポリフタルアミド樹脂の試験片を用いて、JIS K6850(接着剤−剛性被着材の引張せん断接着強さ試験方法)の方法により、接着強度を測定し硬化性組成物の接着性を評価した。接着強度が高いほど、ポリフタルアミド樹脂への接着性が高いことを示す。なお、試験片に塗布した硬化性組成物は150℃の恒温槽で1時間加熱して硬化させた。
ポリフタルアミド樹脂の試験片を用いて、JIS K6850(接着剤−剛性被着材の引張せん断接着強さ試験方法)の方法により、接着強度を測定し硬化性組成物の接着性を評価した。接着強度が高いほど、ポリフタルアミド樹脂への接着性が高いことを示す。なお、試験片に塗布した硬化性組成物は150℃の恒温槽で1時間加熱して硬化させた。
Claims (8)
- 上記一般式(1)で表わされる基の含有量が、(A)成分と(B)成分との合計に対して0.1〜3mmol/gである請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性組成物から得られる硬化物。
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