JP2012066771A - サイドエアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアバッグに形成された排出孔からのガス排出を適正に行うことのできるサイドエアバッグ装置を提供する。
【解決手段】この装置は、一対の布部33,34により袋形状に形成されたエアバッグ30を備える。エアバッグ30は、内部へのインフレータ21からのガス供給によって車両のボディの側壁部と車室内に配置されたシート11との間で膨張展開する。エアバッグ30は、一対の布部33,34を互いに結合する区画結合部40により、車幅方向における膨張幅が大きい小膨張部38と同膨張幅が大きい大膨張部39とに区画される。小膨張部38はエアバッグ30の端部を含む形状に形成される。小膨張部38と大膨張部39とを連通する連通孔41,42が形成される。排出孔37が車外側布部34の小膨張部38を構成する部分に形成される。インフレータ21は大膨張部39の内部にガスを供給する。
【選択図】図6

Description

本発明は、車両のボディの側壁部と車室内に配置されたシートとの間で膨張展開するエアバッグを備えるサイドエアバッグ装置に関するものである。
サイドエアバッグ装置は、重ね合わされた一対の布部の周縁が縫合されるなどして袋形状のエアバッグと同エアバッグの内部に膨張用のガスを供給するインフレータとを備えている。このサイドエアバッグ装置は、車室内に設けられたシートの背もたれ部や座部、あるいは車両のドアトリムなどに取り付けられている。
そして、車両のボディに衝撃が加わると、インフレータが作動してエアバッグ内部に膨張用のガスが供給される。これに伴い、折り畳まれた状態で配設されたエアバッグがその固定部分によって一端を支持された状態で膨張展開を開始するとともに、同エアバッグがボディの側壁部とシートに着座した乗員との間隙において膨張展開するようになる。サイドエアバッグ装置が設けられた車両では、そのようにして膨張展開するエアバッグによって乗員が保護されるようになる。
またサイドエアバッグ装置において、そのエアバッグの布部に、インフレータから供給されたガスを同エアバッグの外部に排出するための排出孔(いわゆるベントホール)を形成することが多用されている。こうした装置では、排出孔を介してガスが排出されることにより、エアバッグ内部の圧力が調節されて同エアバッグが所望の態様で展開するようになっている。
ここで、単にエアバッグに排出孔を形成すると、車両のボディや乗員によってエアバッグが押圧された状態になったときに、排出孔がボディや乗員によって塞がれた状態になってしまうおそれがある。
この点をふまえて、特許文献1に記載のサイドエアバッグ装置には、エアバッグの一対の布部を互いに接続することによって同エアバッグにその車幅方向における膨張幅が周囲よりも小さい部分(小膨張部)を形成するとともに、この小膨張部に排出孔を形成することが提案されている。この装置では、車両のボディや乗員によってエアバッグが押圧された状態になった場合において車両のボディや乗員と上記排出孔とを離間させることが可能になるため、車両のボディや乗員によって排出孔が塞がれた状態になることが抑えられるようになる。
特開2010−137779号公報
上述した特許文献1に記載の装置によれば、車両のボディや乗員によってエアバッグの排出孔が直接塞がれることは抑えられるようになる。しかしながら、エアバッグにおける排出孔が形成された部分の周囲全体が車両のボディや乗員に接触した状態になると、その接触部分とエアバッグとによって区画された空間内に排出孔を介してガスが排出されるようになるものの、このとき同空間の外部にガスが排出されないために、結局は排出孔が塞がれた状態と同様の状態になってしまう。このように上記特許文献1に記載の装置にあっても、エアバッグの適正な展開を図る上では、なお改善の余地がある。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、エアバッグに形成された排出孔からのガス排出を適正に行うことのできるサイドエアバッグ装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、互いに重ね合わされた一対の布部により袋形状に形成されるとともに前記一対の布部の一方に排出孔が形成されるエアバッグと同エアバッグの内部に膨張用のガスを供給するインフレータとを備え、同インフレータからのガス供給によって前記エアバッグが車両のボディの側壁部と車室内に配置されたシートとの間で膨張展開するサイドエアバッグ装置であって、前記エアバッグは、車幅方向における膨張幅が大きい小膨張部と同膨張幅が大きい大膨張部とに該エアバッグの内部を区画する形状で前記一対の布部を互いに結合する結合部が延設され、且つ前記大膨張部と前記小膨張部とを連通する連通孔が形成され、且つ前記小膨張部が前記エアバッグの端部を含む形状に形成され、且つ前記排出孔が前記一対の布部における前記小膨張部を構成する部分に形成されて、前記インフレータは前記エアバッグの前記大膨張部の内部にガスを供給することをその要旨とする。
上記構成では、膨張展開の完了時におけるエアバッグの形状が、その大膨張部の車幅方向における幅が比較的大きい形状であって小膨張部の同幅が小さい形状になる。そのため、エアバッグの膨張展開に際して車両ボディの側壁部や乗員(接触物)によってエアバッグが押圧された場合には、同接触物が上記大膨張部に接触した状態になる一方で、上記小膨張部から離間した状態になる。そして上記構成では、小膨張部がエアバッグの端部を含む形状、すなわち同端部にまで延びる形状に形成されるとともに、同小膨張部に排出孔が形成されている。そのため、このとき上記接触物と小膨張部との間隙がエアバッグの端部まで延びる形状になるとともに、この間隙を介して排出孔と同間隙の外部とが連通された構造になる。
したがって上記構成によれば、接触物によってエアバッグ(詳しくは、その大膨張部)が押圧される場合であっても、インフレータから供給されて大膨張部、連通孔、小膨張部といった順に通過した後に排出孔からエアバッグの外部に排出されるガスを、上記間隙を介して同間隙の外部に排出させることができる。このように上記構成によれば、エアバッグに形成された排出孔からのガス排出を適正に行うことができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のサイドエアバッグ装置において、当該装置は、前記排出孔の開口断面積が前記連通孔の開口断面積より大きく設定されてなることをその要旨とする。
上記構成によれば、連通孔を介して小膨張部の内部に流入するガスの量が上記排出孔を介して小膨張部の外部に流出するガスの量より多い状態になることを抑えることができるため、大膨張部から流入するガスによる小膨張部の膨張を抑えることができる。これにより、前記接触物と小膨張部との間隙を大きくすることが可能になるため、ガス排出をより適正に行うことができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のサイドエアバッグ装置において、前記連通孔は、前記エアバッグにおける前記シートに着座した乗員の胴体に当接する部分から離間した位置に形成されてなることをその要旨とする。
上記構成では、仮に連通孔を介した大膨張部から小膨張部へのガス流出に伴って大膨張部における連通孔近傍の内部圧力が若干低下するような場合であっても、そうした部分が乗員の胴体に当接する部分から離間しているために、エアバッグによる保護機能の低下を招く可能性は低い。したがって、大膨張部から小膨張部にガスを流出させるための連通孔が形成されているとはいえ、エアバッグにおける乗員の胴体に当接する部分の内部圧力の低下を抑えることができ、同エアバッグによる保護機能を高く維持することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のサイドエアバッグ装置において、前記結合部は、前記一対の布部が一体に縫合されてなることをその要旨とする。
上記構成によれば、二枚の布を一体に縫合するといった簡素な手法を用いて結合部を形成することができる。しかも、結合部(すなわち小膨張部と大膨張部との境界)の車幅方向における膨張幅がごく小さくなるために、エアバッグの大膨張部と小膨張部との車幅方向における膨張幅の差が大きくなり易い構造にすることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のサイドエアバッグ装置において、前記小膨張部は、前記シートに着座した乗員の腕部に対応する位置に形成されてなることをその要旨とする。
上記構成では、車幅方向における膨張幅の小さい小膨張部が乗員の腕部近傍において展開するようになるため、大膨張部が乗員の腕部近傍で膨張展開するものと比較して、エアバッグの膨張展開に際して同エアバッグによって乗員の腕部が押圧されること、ひいては同腕部を介して乗員の胸部や腹部が圧迫されることが抑えられる。しかも、そうした小膨張部を利用して、排出孔からのガス排出を適正に行うことができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のサイドエアバッグ装置において、前記エアバッグは、一端が前記シートの背もたれ部に固定されるとともに車両前方に向けて膨張展開するものであり、前記インフレータは、前記エアバッグともども前記背もたれ部に固定されるものであり、前記小膨張部は、前記エアバッグの膨張展開時における車両前方側の部分に同車両前方側の端部を含む形状で形成されてなることをその要旨とする。
上記構成によれば、一端がシートの背もたれ部に固定されたエアバッグが車両前方に向けて膨張展開する構造のサイドエアバッグ装置において、インフレータから供給されるガスを、エアバッグの車両後方側の部分(大膨張部)を介して車両前方側の小膨張部に供給することが可能になる。そのため、インフレータからエアバッグの大膨張部に供給されるガスによって、同大膨張部を効率良く膨張展開させることができるようになる。
本発明のサイドエアバッグ装置によれば、エアバッグに形成された排出孔からのガス排出を適正に行うことができる。
本発明を具体化した一実施の形態にかかるサイドエアバッグ装置が装備されたシートを概略的に示す側面図。 同シートとボディサイド部との位置関係を概略的に示す平面断面図。 同シートとボディサイド部との位置関係を概略的に示す正面断面図。 インフレータアセンブリの側面図。 インフレータアセンブリを車両斜め後方上部側から見た状態をその周辺構造とともに示す平面図。 エアバッグを膨張させることなく単に展開させた状態のエアバッグモジュールを模式的に示す側面図。 製作途中のエアバッグを示す展開図。 図6のA−A線に沿った断面構造であって膨張展開時におけるエアバッグの断面構造を概略的に示す断面図。 図6のB−B線に沿った断面構造であって膨張展開時におけるエアバッグの断面構造を概略的に示す断面図。 (a)および(b)ボディサイド部によるエアバッグの押圧時における膨張用ガスの流れを模式的に示す略図。 (a)および(b)比較例の装置においてボディサイド部によってエアバッグが押圧されたときにおける膨張用ガスの流れを模式的に示す略図。
以下、本発明を具体化した一実施の形態にかかるサイドエアバッグ装置について説明する。なお、以下の記載においては、車両の進行方向(前進方向)を車両前方として説明する。
図1〜図3に示すように、車両10の内部(車室内)にはシート11が取り付けられている。このシート11は車両10のボディの側壁部(以下、ボディサイド部12)に隣接する位置に設けられている。なお、このボディサイド部12は車両10の側方に配置された部材を指している。具体的には、車両前方側のシートにおいてはフロントドアやセンターピラー(Bピラー)等がボディサイド部12に相当し、車両後方側のシートにおいてはサイドドア(リアドア)の後部やCピラー、タイヤハウスの前部、リアクォータ等がボディサイド部12に相当する。
上記シート11は、座部13と、同座部13の車両後方側の端部から起立した形状の背もたれ部14とを備えている。この背もたれ部14の上記ボディサイド部12側の部分には収納部15が設けられている。この収納部15にはサイドエアバッグ装置の主要部をなすエアバッグモジュールAMが収容されている。なお、この収納部15の配設位置は、シート11に着座した乗員Pの車両斜め後方側の位置に設定されている。
エアバッグモジュールAMは、インフレータアセンブリ20(図1)とエアバッグ30とを備えている。このエアバッグ30は、側突等による衝撃が車両10の外方からボディサイド部12に加わったときに、インフレータアセンブリ20(詳しくは、後述するインフレータ21)から供給される膨張用ガスGによって膨張展開する。そして、エアバッグ30は、その車両後方側の部分を収納部15(図2)内に残した状態で同収納部15からほぼ車両前方へ向けて飛び出すとともに上記シート11に着座した乗員Pとボディサイド部12との間で膨張展開することにより、乗員Pを拘束して上記衝撃から保護するようになっている。
サイドエアバッグ装置は、図1に示すように、エアバッグモジュールAMの他に、ボディサイド部12(図2および図3参照)等に設けられて同ボディサイド部12に車両外方から加えられる衝撃を検出するための衝撃センサ51や、同衝撃センサ51の検出信号に基づきインフレータアセンブリ20の作動を制御する制御装置52などを備えている。
以下、インフレータアセンブリ20およびエアバッグ30について具体的に説明する。なお以下の説明において「上下方向」、「前後方向」というときは、シート11の背もたれ部14を基準としている。詳しくは、背もたれ部14の起立する方向(延設方向)を「上下方向」とする一方、その方向に対して車両10の略前後方向において直交する方向を「前後方向」とする。通常、背もたれ部14は車両上下方向に対して傾斜した状態になっているために、「上下方向」は鉛直方向から多少傾斜した方向になる。同様に、「前後方向」は水平方向から多少傾斜した方向になる。
ここでは先ず、インフレータアセンブリ20について説明する。
図4および図5に示すように、インフレータアセンブリ20は、ガス発生源としてのインフレータ21と、同インフレータ21の外側に装着されたリテーナ22とを備えている。インフレータ21は略円柱形状に形成されるとともに、上下方向において延びるように配設されている。インフレータ21の内部には、制御装置52(図1参照)からの作動信号の入力により反応して膨張用ガスGを発生させるガス発生剤(図示略)が収容されている。インフレータ21の上部には、生成した膨張用ガスGを径方向外方へ噴出する複数のガス噴出孔23が設けられている。また、インフレータ21の下端部にはコネクタ部24(図4)が設けられており、このコネクタ部24にはインフレータ21への作動信号の入力配線となるハーネス25が接続されている。
なお、インフレータ21としては、上述したガス発生剤を用いるタイプのものに代えて、高圧ガスが充填された高圧ガスボンベの隔壁を火薬等によって破断して膨張用ガスGを噴出させるタイプのものを採用することもできる。
上記リテーナ22は、上記インフレータ21をエアバッグ30ともども背もたれ部14内のシートフレーム16(図5の二点鎖線)に固定するための部材である。リテーナ22の大部分は、金属板等の板材を曲げ加工等することによってほぼ筒形状に形成されている。リテーナ22の上部前側には、その内部に設けられたインフレータ21のガス噴出孔23をリテーナ22から露出させる窓部26が形成されている。この窓部26を通じてインフレータ21のガス噴出孔23から噴出した膨張用ガスGが車両前方へ向けて導出されるようになっている。
リテーナ22には、これを上記シートフレーム16に取り付けるための複数本(本実施の形態では二本)のボルト27が固定されている。言い換えれば、それらボルト27がリテーナ22を介してインフレータ21に間接的に固定されている。これらボルト27はインフレータ21の軸線に直交する方向へ向けて延びている。
次に、前記エアバッグ30について説明する。
図6は、内部に膨張用ガスGを充填することなくエアバッグ30を単に展開させた状態のエアバッグモジュールAMを模式的に示している。また図7は、エアバッグ30の製作途中の状態を示している。
図6および図7に示すように、エアバッグ30は、単一の布からなるパネル布(基布とも呼ばれる)31により形成されている。エアバッグ30は詳しくは、パネル布31の中央部分に設定した折り線32に沿って同パネル布31を二つ折り(図7では谷折り)して車幅方向において重ね合わせた状態にするとともに、その重ね合わせた部分の周縁を袋形状になるように結合させることにより形成されている。エアバッグ30の形状は、標準的な体格を有する乗員P(成人)がシート11に着座した状態で同エアバッグ30が膨張展開したときに、乗員Pの車両外方側において同乗員Pの腹部PBから肩部PSに対応する領域を占有し得る形状に設定されている。
なお以下では、エアバッグ30のパネル布31にあって上述のように重ね合わされた二つの部分を区別するために、それら部分のうちの車両内方側に位置するものを車内側布部33といい、車両外方側に位置するものを車外側布部34という。また、それら車内側布部33および車外側布部34を特に区別する必要がない場合には単に「布部33,34」と記載する。
パネル布31は、車内側布部33および車外側布部34の外形形状が上記折り線32(図7)を対称軸として互いに線対称の関係になっている。このパネル布31としては、強度が高く、かつ可撓性を有していて容易に折り畳むことのできる素材、例えばポリエステル糸やポリアミド糸等を用いて形成した織布などが適している。車内側布部33と車外側布部34とは、それらの周縁部に設けられた周縁結合部36において結合されている。この周縁結合部36は、具体的には、車内側布部33および車外側布部34の周縁部のうちの後方側の部分を除く殆どの部分を縫製(縫糸で縫合)することにより形成されている。図6においては上記周縁結合部36を太い破線で示している。また図6においては後述する区画結合部40についても同様に太い破線で示している。そして本実施の形態では、車内側布部33と車外側布部34との間において上記周縁結合部36によって囲まれた空間が衝撃から乗員Pを保護するための保護領域となる。
なお、エアバッグ30は、互いに独立した一対(二枚)のパネル布を車幅方向において重ね合わせるとともにそれらを袋形状になるように結合させることによって形成してもよい。また、周縁結合部36を、上記縫糸を用いた縫合とは異なる手段、例えば接着剤を用いた接着によって形成するようにしてもよい。
車内側布部33の上記折り線32の近傍には、その上下方向において互いに離間した2箇所に、ボルト孔35が形成されている。
次に、エアバッグ30の配設態様について説明する。
図6に示すように、インフレータアセンブリ20は、ほぼ上下方向へ延びる姿勢でエアバッグ30内に配置されている。そして、リテーナ22の二本のボルト27が、車内側布部33の対応するボルト孔35(図7参照)に挿通されている。こうした挿通により、インフレータアセンブリ20がエアバッグ30に対し位置決めされた状態で係止されている。また、エアバッグ30の後部側の下端部分は、インフレータアセンブリ20が挿入された状態で環状の締結具28によって締め付けられることにより、同インフレータアセンブリ20下部の外周面に押し付けられた状態になっている。これにより、インフレータアセンブリ20とエアバッグ30との間隙からの膨張用ガスGの漏れが抑えられる。
上記エアバッグモジュールAMでは、エアバッグ30が膨張展開していないときにおいて、同エアバッグ30が折り畳まれた状態(図5に示す状態)になっている。これは、エアバッグモジュールAMをシート11の背もたれ部14(図1および図2参照)における限られた大きさの収納部15(図2参照)に確実に収納するためである。
そして、このエアバッグモジュールAMは、リテーナ22のボルト27をシートフレーム16(図5)の取付穴(図示略)に挿通した状態で同ボルト27にナット17を締め付けることにより、同シートフレーム16に固定されている。なお、リテーナ22を上記ボルト27と異なる部材によって車両10(シートフレーム16)に固定するようにしてもよい。
本実施の形態のサイドエアバッグ装置では、エアバッグ30の両布部33,34のうちの乗員Pから遠い側に配置される車外側布部34に排出孔37が形成されている。この排出孔37を介して、エアバッグ30の内部に供給された膨張用ガスGが同エアバッグ30の外部に排出されるようになっている。本実施の形態では、排出孔37を介してエアバッグ30の外部に排出される膨張用ガスGがエアバッグ30を間に挟んで乗員Pと反対側(具体的には、ボディサイド部12側)に排出される。これにより、エアバッグ30の内部から排出される膨張用ガスGが乗員Pに直接吹き付けられる状態になることが回避される。そして、本実施の形態にかかるサイドエアバッグ装置では、そうした排出孔37を設けることを前提に、インフレータ21からの膨張用ガスGの発生量やエアバッグ30の形状が設定されている。この設定を通じて、エアバッグ30の内部圧力が調節されて同エアバッグ30が適正に膨張展開するようになっている。
ここで、エアバッグ30の車外側布部34に排出孔37を形成するべく同車外側布部34に単に貫通孔を形成すると、車両10の側突によってボディサイド部12が車室内側に変形する等して同ボディサイド部12によってエアバッグ30が押圧された状態になったときに、ボディサイド部12によって排出孔37が塞がれた状態になるおそれがある。その場合には、排出孔37からの膨張用ガスGの排出が妨げられてしまう可能性がある。
この点をふまえて、本実施の形態では、ボディサイド部12によってエアバッグ30が押圧された状態になった場合であっても、排出孔37からの膨張用ガスGの排出を適正に行うために、エアバッグ30に他の部分より車幅方向における膨張量が小さい小膨張部38を形成するとともに同小膨張部38に排出孔37を形成するようにしている。
以下、それら小膨張部38や排出孔37の形成態様について詳細に説明する。
エアバッグ30は、車幅方向における膨張幅が小さい小膨張部38と同膨張幅が大きい大膨張部39とを備えている。それら小膨張部38および大膨張部39は、車内側布部33と車外側布部34とを互いに結合する区画結合部40によって区画されている。この区画結合部40は、前記周縁結合部36と同様に、車内側布部33と車外側布部34とを一体に縫製(縫糸で縫合)することにより形成されている。
区画結合部40は、詳しくは、その両端部40a,40bが共に周縁結合部36の近傍を始点に同周縁結合部36から離間する方向に延びる形状であって、ほぼU字形状で延びる形状に形成されている。この区画結合部40と、周縁結合部36における同区画結合部40の両端部40a,40bが対向する部分により挟まれた部分とによって、エアバッグ30の内部に上記小膨張部38が区画されている。
小膨張部38は、エアバッグ30の膨張展開時において同エアバッグ30の前方側の下部にあたる部分に区画形成されるとともに、同エアバッグ30の前方側の端部を含む形状に形成されている。この小膨張部38は詳しくは、標準的な体格を有する乗員Pがシート11に着座した場合において同乗員Pの肘部付近からエアバッグ30の前方側の端部まで延びる形状、言い換えれば乗員Pの腕部PAに沿って延びる形状に形成される。なお、上記エアバッグ30においては小膨張部38以外の部分、すなわち後方側の上部や前方側の上部、ならびに後方側の下部が大膨張部39になる。
エアバッグ30の内部には、小膨張部38と大膨張部39とを連通する上部連通孔41および下部連通孔42が形成されている。それら連通孔41,42は、小膨張部38と大膨張部39とを区画する上記区画結合部40の延設形状をその一部が途切れた形状にすることによって形成されている。
本実施の形態では、具体的には、周縁結合部36と区画結合部40との間隙が上部連通孔41および下部連通孔42になっている。詳しくは、線状に延びる区画結合部40の一方(上方側)の端部40aと周縁結合部36との間が上部連通孔41になっており、同区画結合部40の他方(下方側)の端部40bと周縁結合部36との間が下部連通孔42になっている。このように本実施の形態では、上部連通孔41と下部連通孔42とが共に、エアバッグ30におけるシート11に着座した乗員Pの胴体に当接する部分から離間した位置(具体的には、前方側の端部に隣接する位置)に形成されている。
前記排出孔37は、車外側布部34における上記小膨張部38を構成する部分に形成されている。この排出孔37は、車外側布部34の一部が円形状で刳り抜かれた形状に形成されている。本実施の形態では、排出孔37の開口断面積S1が上部連通孔41の開口断面積S2と下部連通孔42の開口断面積S3との和より大きくなるように(S1>[S2+S3])、排出孔37、上部連通孔41、および下部連通孔42の形状が設定されている。なお、この設定に際して考慮する上部連通孔41の開口断面積S2や下部連通孔42の開口断面積S3としては、エアバッグ30の膨張展開時においてそれら開口断面積S2,S3が最も大きくなったときの値が用いられる。
以下、本実施の形態にかかるサイドエアバッグ装置の作動態様について説明する。
先ず、車両10のボディサイド部12(図2および図3)に所定値以上の衝撃が加わってこれが衝撃センサ51(図1)によって検出されると、その検出結果に基づいて制御装置52からインフレータ21に作動信号が出力される。この作動信号の入力によってインフレータ21が膨張用ガスGを発生するようになるとともに、その膨張用ガスGがエアバッグ30内部に向けて噴出されるようになる。
この噴出した膨張用ガスGは、先ずはエアバッグ30における後方側の部分(大膨張部39)に供給されるようになる。これによりエアバッグ30は、折り畳まれた状態を解消(展開)しながら膨張するようになるため、その後端部をインフレータアセンブリ20とともに収納部15(図2)内に残した状態で背もたれ部14から車両前方に向けて飛び出すようになる。
大膨張部39の膨張展開が開始された直後においては、エアバッグ30が折り畳まれた状態(図5に示す状態)になっており、車内側布部33(図6)と車外側布部34とが接触した状態になっているために、上部連通孔41および下部連通孔42はほぼ閉じられている。そのため、このとき大膨張部39内に供給された膨張用ガスGは同大膨張部39の外部に流出せず、大膨張部39が速やかに膨張展開するようになる。
本実施の形態では、小膨張部38が、エアバッグ30の膨張展開時における前方側の下部に、同エアバッグ30の車両前方側の端部を含む形状で形成されている。これにより、インフレータ21から供給される膨張用ガスGがエアバッグ30の車両後方側の部分(大膨張部39)を通過した後に車両前方側の小膨張部38に供給される構造になっている。そのため、膨張用ガスGがエアバッグ30の車両後方側の部分(大膨張部39)に導入される前に、小膨張部38の排出孔37から同エアバッグ30の外部に排出されることがないため、大膨張部39を効率よく膨張展開させることができる。
また本実施の形態では、上部連通孔41や下部連通孔42が、エアバッグ30の前方側の下部、言い換えればエアバッグ30におけるシート11に着座した乗員Pの胴体(腹部PBや胸部PT)に当接する部分から離間した位置に形成されている。
そのため、仮に上部連通孔41や下部連通孔42を介した大膨張部39から小膨張部38への膨張用ガスGの流出に伴って大膨張部39における上部連通孔41や下部連通孔42近傍の内部圧力が若干低下するような場合であっても、そうした部分が乗員Pの胴体に当接する部分から離間しているために、エアバッグ30による保護機能の低下を招く可能性は低い。
このように本実施の形態では、大膨張部39から小膨張部38に膨張用ガスGを流出させるための連通孔41,42が形成されているとはいえ、それら連通孔41,42が形成されていないエアバッグ30の後方側の部分、すなわちエアバッグ30における乗員Pの胴体に当接する部分の内部圧力の低下が抑えられて、同エアバッグ30による保護機能が高く維持される。
そして、シート11の背もたれ部14から車両前方に向けて飛び出したエアバッグ30は、車両10のボディサイド部12(図2)とシート11に着座した乗員Pとの間で車両前方へ向けて膨張展開する。これにより、エアバッグ30は乗員Pと車室内に侵入してくるボディサイド部12との間に介在するようになる。このエアバッグ30によって乗員Pが車幅方向内側へ押圧されて拘束されるようになるために、ボディサイド部12を通じて乗員Pへ伝わる側方からの衝撃がエアバッグ30によって緩和されるようになる。
図8に、膨張展開時におけるエアバッグ30の断面構造であって、図6のA−A線に沿った断面に対応する断面構造を示す。
エアバッグ30の大膨張部39が膨張すると、大膨張部39において車内側布部33と車外側布部34とが離間するようになるため、これに伴い上部連通孔41や下部連通孔42が開かれた状態(図8に示す状態)になる。そのため、そうした上部連通孔41や下部連通孔42を介して大膨張部39内の膨張用ガスGが小膨張部38に流出するようになる。
図9に、膨張展開時におけるエアバッグ30の断面構造であって、図6のB−B線に沿った断面に対応する断面構造を示す。
同図9に示すように、大膨張部39から小膨張部38内に流入した膨張用ガスGは、同小膨張部38に形成された排出孔37を介してエアバッグ30の外部に排出されるようになる。本実施の形態では、排出孔37の開口断面積S1が各連通孔41,42(図8参照)の開口断面積の和(S2+S3)より大きく設定されている。そのため、上部連通孔41および下部連通孔42を介して大膨張部39から小膨張部38の内部に流入する膨張用ガスGの量が、上記排出孔37を介して小膨張部38からエアバッグ30の外部に流出する膨張用ガスGの量より多い状態になることを抑えることができる。詳しくは、エアバッグ30が膨張展開する期間のほぼ全期間において、上部連通孔41および下部連通孔42を介して小膨張部38の内部に流入する膨張用ガスGの量と上記排出孔37を介して小膨張部38の外部に流出する膨張用ガスGの量とがほぼ等しくなる。これにより、小膨張部38が殆ど膨張しない構造にすることができ、小膨張部38の車幅方向における膨張幅と大膨張部39の車幅方法における膨張量との差を大きくすることができる。
また本実施の形態では、エアバッグ30の内部を小膨張部38と大膨張部39とに区画する区画結合部40が車内側布部33と車外側布部34とを一体に縫合することによって形成されている。そのため、二枚の布(詳しくは、車内側布部33および車外側布部34)を一体に縫合するといった簡素な手法を用いて区画結合部40を形成することができる。しかも、区画結合部40の車幅方向における膨張幅がごく小さくなるために、車幅方向に延びる布部によって車内側布部33と車外側布部34とを接続することによって区画結合部が形成されるものと比較して、エアバッグ30をその大膨張部39と小膨張部38との車幅方向における膨張幅の差が大きくなり易い構造にすることができる。
このように本実施の形態のサイドエアバッグ装置では、膨張展開の完了時におけるエアバッグ30の形状が、その大膨張部39の車幅方向における幅が比較的大きい形状であって小膨張部38の同幅が小さい形状になる。そのため、エアバッグ30の膨張展開に際してボディサイド部12(図2および図3)によって同エアバッグ30が押圧された場合には、同ボディサイド部12が上記大膨張部39に接触した状態になる一方で、上記小膨張部38から離間した状態になる。
図10に、ボディサイド部12によるエアバッグ30の押圧時における膨張用ガスGの流れを模式的に示す。なお図10において、(a)はエアバッグ30を車幅方向における車両外方側から見た構造を示しており、(b)は同図(a)におけるC−C線に沿ったエアバッグ30の断面構造をボディサイド部12ともども示している。
図10(a)および(b)に示すように、エアバッグ30の小膨張部38は同エアバッグ30の端部を含む形状、すなわち同端部にまで延びる形状に形成されている。また、この小膨張部38には排出孔37が形成されている。そのため、このときボディサイド部12と小膨張部38との間隙がエアバッグ30の端部まで延びる形状になるとともに、この間隙を介して排出孔37と同間隙の外部とが連通された構造になる。したがって、ボディサイド部12によってエアバッグ30(詳しくは、その大膨張部39)が押圧される場合であっても、排出孔37からエアバッグ30の外部に排出された膨張用ガスGを、上記間隙を介して同間隙の外部に排出させることができる(図10における白抜きの矢印参照)。
図11に、小膨張部61がエアバッグ60の端部を含まない形状に形成された比較例の装置において、ボディサイド部12によってエアバッグ60が押圧されたときにおける膨張用ガスGの流れを模式的に示す。なお図11において、(a)はエアバッグ60を車幅方向における車両外方側から見た構造を示しており、(b)は同図(a)におけるD−D線に沿ったエアバッグ60の断面構造をボディサイド部12ともども示している。
図11(a)および(b)に示すように、エアバッグ60の小膨張部61は、同エアバッグ60の端部を含まない形状、すなわち周囲を大膨張部62によって囲まれた形状に形成されている。そして、この小膨張部61に排出孔63が形成されている。
こうした構造のエアバッグ60では、ボディサイド部12によってエアバッグ60が押圧されたときに、小膨張部61の周囲全周にわたりボディサイド部12と大膨張部39とが当接した状態(同図(b)に示す状態)になるおそれがある。この場合、ボディサイド部12によってエアバッグ60の排出孔63が直接塞がれることがないとはいえ、同排出孔37から膨張用ガスが排出される部分にボディサイド部12とエアバッグ60とによって区画された空間64が形成されてしまう。そして、この場合には、上記空間64内に排出孔63を介してエアバッグ60の内部から膨張用ガスGが排出されるようになるものの、その膨張用ガスGを同空間64の外部に排出することができないために(図11における白抜きの矢印参照)、結局は排出孔63が塞がれた状態と同様の状態になってしまう。
こうした比較例の装置と異なり、本実施の形態にかかるサイドエアバッグ装置では、図10(a)および(b)に示すように、エアバッグ30の端部まで延びる小膨張部38とボディサイド部12との間隙を介して、排出孔37から排出された膨張用ガスGを同間隙の外部に排出することができる。したがって、エアバッグ30に形成された排出孔37からの膨張用ガスGの排出を適正に行うことができるようになる。
また本実施の形態では、小膨張部38(図6)が、シート11に着座した乗員Pの腕部PAに対応する位置、言い換えれば乗員Pの腕部PA近傍において展開する位置に形成されている。そのため、乗員Pの腕部PAにおいて車幅方向における膨張幅の大きい大膨張部が膨張展開するものと比較して、エアバッグ30の膨張展開に際して同エアバッグ30によって乗員Pの腕部PAが押圧されること、ひいては同腕部PAを介して乗員Pの腹部PBや胸部PTが圧迫されることが抑えられるようになる。しかも、そうした小膨張部38を利用して、排出孔37からの膨張用ガスGの排出を適正に行うことができるようになる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)エアバッグ30を車幅方向における膨張幅の小さい小膨張部38と同膨張幅の大きい大膨張部39とに区画し、それら大膨張部39および小膨張部38を連通する上部連通孔41と下部連通孔42とを設け、小膨張部38をエアバッグ30の端部を含む形状に形成し、排出孔37を車外側布部34における小膨張部38を構成する部分に形成した。また、インフレータ21によりエアバッグ30の大膨張部39の内部に膨張用ガスGを供給するようにした。これにより、ボディサイド部12によってエアバッグ30が押圧されたときに、ボディサイド部12と小膨張部38との間隙がエアバッグ30の端部まで延びる形状になるとともに、この間隙を介して排出孔37と同間隙の外部とが連通された構造になる。そのため、ボディサイド部12によってエアバッグ30が押圧される場合であっても、インフレータ21から供給されて大膨張部39、上部連通孔41または下部連通孔42、小膨張部38といった順に通過した後に排出孔37からエアバッグ30の外部に排出される膨張用ガスGを、上記間隙を介して同間隙の外部に排出させることができる。したがって、エアバッグ30に形成された排出孔37からの膨張用ガスGの排出を適正に行うことができる。
(2)排出孔37の開口断面積S1を上部連通孔41の開口断面積S2と下部連通孔42の開口断面積S3との和より大きく設定したために(S1>[S2+S3])、大膨張部39から流入する膨張用ガスGによる小膨張部38の膨張を抑えることができ、ボディサイド部12と小膨張部38との間隙を大きくすることができる。そのため、排出孔37からの膨張用ガスGの排出をより適正に行うことができる。
(3)上部連通孔41および下部連通孔42を、エアバッグ30におけるシート11に着座した乗員Pの胴体に当接する部分から離間した位置に形成するようにした。そのため、大膨張部39から小膨張部38に膨張用ガスGを流出させるための上部連通孔41と下部連通孔42とが形成されているとはいえ、エアバッグ30における乗員Pの体に当接する部分の内部圧力の低下を抑えることができ、同エアバッグ30による保護機能を高く維持することができる。
(4)区画結合部40を、車内側布部33と車外側布部34とを一体に縫合することにより形成するようにした。そのため、二枚の布を一体に縫合するといった簡素な手法を用いて区画結合部40を形成することができる。しかも、区画結合部40の車幅方向における膨張幅がごく小さくなるために、エアバッグ30の大膨張部39と小膨張部38との車幅方向における膨張幅の差が大きくなり易い構造にすることができる。
(5)小膨張部38を、シート11に着座した乗員Pの腕部PAに対応する位置に形成した。そのため、車幅方向における膨張幅の大きい大膨張部が乗員Pの腕部PA近傍で膨張展開するものと比較して、エアバッグ30の膨張展開に際して同エアバッグ30によって乗員Pの腕部PAが押圧されること、ひいては同腕部PAを介して乗員Pの胸部PTや腹部PBが圧迫されることが抑えられる。しかも、そうした小膨張部38を利用して、排出孔37からのガス排出を適正に行うことができる。
(6)エアバッグ30をその一端をシート11の背もたれ部14に固定するとともに車両前方に向けて膨張展開するようにし、インフレータ21をエアバッグ30ともども背もたれ部14に固定し、小膨張部38を、エアバッグ30の膨張展開時における車両前方側の部分に同車両前方側の端部を含む形状で形成した。これにより、インフレータ21から供給される膨張用ガスGが大膨張部39を介して車両前方側の小膨張部38に供給されるようになる。そのため、インフレータ21からエアバッグ30の大膨張部39に供給される膨張用ガスGによって同大膨張部39を効率良く膨張展開させることができるようになる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・排出孔37を一つ形成することに限らず、複数形成するようにしてもよい。
・排出孔37を、車外側布部34に形成することに代えて、車内側布部33に形成するようにしてもよい。こうした構成によれば、乗員Pによってエアバッグ30が押圧されたときに、乗員Pと小膨張部38との間隙をエアバッグ30の端部まで延びる形状にするとともに、この間隙を介して排出孔37と同間隙の外部とを連通させることができる。そのため、乗員Pによってエアバッグ30が押圧される場合であっても、排出孔からエアバッグ30の外部に排出される膨張用ガスGを、上記間隙を介して同間隙の外部に排出させることができる。したがって、エアバッグ30に形成された排出孔からの膨張用ガスGの排出を適正に行うことができる。
・エアバッグ30の小膨張部38と大膨張部39とを連通する上部連通孔41および下部連通孔42のうちの一方を省略してもよい。
・区画結合部40の延設形状を、その両端部40a,40bが周縁結合部36と交差(あるいは接合)する形状であって、且つ途中が途切れた形状に設定するようにしてもよい。こうした構成においても、区画結合部40の途中が途切れた部分を、大膨張部39と小膨張部38とを連通する連通孔として機能させることができる。
ここでエアバッグ30の内部においては、周縁結合部36に近い部分ほど、膨張展開過程や膨張展開完了時における車内側布部33と車外側布部34との距離が近くなり易い。そのため、そうした周縁結合部36に上記連通孔の形成位置が近づくほど、同連通孔の開口断面積を大きくすることが困難になると云える。したがって、エアバッグ30の膨張展開に際して比較的多量の膨張用ガスGを外部に排出する必要がある装置においては、周縁結合部36の近傍に上記連通孔を形成するようにすると、エアバッグ30の膨張過程や膨張完了時において同連通孔の開口断面積を十分に大きくすることができなくなるおそれがある。そして、そうした場合には膨張用ガスGの排出量を十分に確保することができなくなってしまう。
この点、上記構成によれば、そうした装置において、区画結合部40の延設形状をその途中が途切れた形状にすることによって周縁結合部36から離れた部分に連通孔を形成することができるため、同連通孔の開口断面積を容易に大きくすることができ、膨張用ガスGの排出量を容易に確保することができるようになる。
・エアバッグ30の小膨張部38と大膨張部39とを連通する連通孔を三個以上形成するなど、連通孔の形成数は任意に変更することができる。また連通孔の形成位置は、例えば標準的な体格を有する乗員Pの胴体に当接する部分に形成するなど、任意に変更することができる。
・区画結合部40を、車内側布部33と車外側布部34とを一体に縫合して形成することに限らず、それら車内側布部33および車外側布部34を車幅方向における幅を有する布によって接続することによって形成するようにしてもよい。
・小膨張部38は、エアバッグ30の前方側の下部に形成することに限らず、同エアバッグ30の端部を含む形状に形成されるのであれば、例えば乗員Pの体(腕部PAを含む)から離間した部分に形成したりするなど、任意の部分に形成することができる。
・エアバッグ30の小膨張部38の車幅方向における膨張幅が大膨張部39の同膨張幅より小さくなるのであれば、必ずしも排出孔37の開口面積(排出孔が複数形成される場合にはその開口面積の和)が連通孔の開口面積(連通孔が複数形成される場合にはその開口面積の和)より大きくなくてもよい。
・上記実施の形態にかかるエアバッグ装置は、エアバッグモジュールAMが背もたれ部14に内蔵されたものに限らず、座部13やドアトリムに内蔵されたもの、背もたれ部14や座部13、ドアトリムの車幅方向における車外側に向けて突出するように取り付けられたものなどにも適用することができる。
・本発明は、例えば乗員の腰部で膨張展開するエアバッグと腹部や胸部で膨張展開するエアバッグとが一体になったものなど、二つのエアバッグが一体になった形状のもの(いわゆる2チャンバー式のエアバッグ)にも、その構成を適宜変更した上で適用することができる。この場合には、小膨張部、大膨張部、連通孔、排出孔を、いずれかのエアバッグのみに形成したり、両方のエアバッグにそれぞれ形成したりするようにすればよい。
10…車両、11…シート、12…ボディサイド部、13…座部、14…背もたれ部、15…収納部、16…シートフレーム、17…ナット、20…インフレータアセンブリ、21…インフレータ、22…リテーナ、23…ガス噴出孔、24…コネクタ部、25…ハーネス、26…窓部、27…ボルト、28…締結具、30…エアバッグ、31…パネル布、32…折り線、33…車内側布部、34…車外側布部、35…ボルト孔、36…周縁結合部、37…排出孔、38…小膨張部、39…大膨張部、40…区画結合部、40a,40b…端部、41…上部連通孔、42…下部連通孔、51…衝撃センサ、52…制御装置、60…エアバッグ、61…小膨張部、62…大膨張部、63…排出孔、64…空間。

Claims (6)

  1. 互いに重ね合わされた一対の布部により袋形状に形成されるとともに前記一対の布部の一方に排出孔が形成されるエアバッグと同エアバッグの内部に膨張用のガスを供給するインフレータとを備え、同インフレータからのガス供給によって前記エアバッグが車両のボディの側壁部と車室内に配置されたシートとの間で膨張展開するサイドエアバッグ装置であって、
    前記エアバッグは、車幅方向における膨張幅が大きい小膨張部と同膨張幅が大きい大膨張部とに該エアバッグの内部を区画する形状で前記一対の布部を互いに結合する結合部が延設され、且つ前記大膨張部と前記小膨張部とを連通する連通孔が形成され、且つ前記小膨張部が前記エアバッグの端部を含む形状に形成され、且つ前記排出孔が前記一対の布部における前記小膨張部を構成する部分に形成されて、
    前記インフレータは前記エアバッグの前記大膨張部の内部にガスを供給する
    ことを特徴とするサイドエアバッグ装置。
  2. 請求項1に記載のサイドエアバッグ装置において、
    当該装置は、前記排出孔の開口断面積が前記連通孔の開口断面積より大きく設定されてなる
    ことを特徴とするサイドエアバッグ装置。
  3. 請求項2に記載のサイドエアバッグ装置において、
    前記連通孔は、前記エアバッグにおける前記シートに着座した乗員の胴体に当接する部分から離間した位置に形成されてなる
    ことを特徴とするサイドエアバッグ装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のサイドエアバッグ装置において、
    前記結合部は、前記一対の布部が一体に縫合されてなる
    ことを特徴とするサイドエアバッグ装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のサイドエアバッグ装置において、
    前記小膨張部は、前記シートに着座した乗員の腕部に対応する位置に形成されてなる
    ことを特徴とするサイドエアバッグ装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のサイドエアバッグ装置において、
    前記エアバッグは、一端が前記シートの背もたれ部に固定されるとともに車両前方に向けて膨張展開するものであり、
    前記インフレータは、前記エアバッグともども前記背もたれ部に固定されるものであり、
    前記小膨張部は、前記エアバッグの膨張展開時における車両前方側の部分に同車両前方側の端部を含む形状で形成されてなる
    ことを特徴とするサイドエアバッグ装置。
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