JP2004291789A - サイドエアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エアバッグの展開膨張後のガス排出期間を延長させることにより、搭乗者を有効に保護することができるサイドエアバッグ装置を提供すること。
【解決手段】エアバッグ25の上部(搭乗者Pの肩部付近)に、エアバッグ25を構成する両基布を互いに縫着接合した螺旋形状をなすシーム26を形成することにより、螺旋状通路を構成する。すなわち、螺旋状通路を、シーム26の螺旋中心部に向かって延びるようにするとともに、シーム26の螺旋中心部とその上側に位置する開口部とが繋がるように構成する。そして、シーム26の螺旋中心部に、シーム26に囲まれるように複数の排気口27を形成する。このとき、エアバッグ25は、その膨張展開時において、排気口27がフロントシート21に着座している搭乗者Pの肩部付近に位置するように構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】エアバッグ25の上部(搭乗者Pの肩部付近)に、エアバッグ25を構成する両基布を互いに縫着接合した螺旋形状をなすシーム26を形成することにより、螺旋状通路を構成する。すなわち、螺旋状通路を、シーム26の螺旋中心部に向かって延びるようにするとともに、シーム26の螺旋中心部とその上側に位置する開口部とが繋がるように構成する。そして、シーム26の螺旋中心部に、シーム26に囲まれるように複数の排気口27を形成する。このとき、エアバッグ25は、その膨張展開時において、排気口27がフロントシート21に着座している搭乗者Pの肩部付近に位置するように構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両に対する側方からの衝突により、車両のボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わったとき、エアバッグが搭乗者の側方で展開膨張されるようにしたサイドエアバッグ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種のサイドエアバッグ装置は、車両のボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わったときに、エアバッグ内部に備えられたインフレータで発生されたガスを、エアバッグ内に噴出供給してエアバッグを展開膨張させるようにしている。そして、エアバッグ内のガスは、通常エアバッグに設けられたハーネスを引き出すための開口を利用して排出される(例えば、特許文献1参照)。なお、この特許文献1には、エアバッグからのガスの排出について詳述されていないが、その開示内容から前記のようにハーネス引き出し用の開口から排出されると考えられる。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−53081号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のサイドエアバッグ装置では、前記開口がエアバッグのほぼ中央部に位置しているため、インフレータからエアバッグ内に噴出供給されたガスが直接的に排出される。この結果、エアバッグ内の内圧を長時間保つには不向きであるという問題があった。
【0005】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、エアバッグの展開膨張後のガス排出期間を延長させることにより、搭乗者を有効に保護することができるサイドエアバッグ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明においては、ガス発生源からのガスにより車両のボディサイド部と搭乗者との間にて展開膨張するようにしたエアバッグを備えるサイドエアバッグ装置において、前記エアバッグには搭乗者の腰部に対応する部位以外のところに排気口を設け、その排気口のガス流上流側に、排気口からのガス流出量を規制するための規制手段を設けたことを要旨とするものである。
【0007】
エアバッグが展開膨張する際には、搭乗者の腰部に対応する部位にガスが噴射される。この部位には、排気口が設けられておらず、噴射されたガスにより確実にエアバッグが展開膨張する。加えて、前記排気口のガス流上流側に設けられた排気口からのガス流出量を規制するための規制手段により、単位時間当たりのガスの排出量がコントロールされる。従って、エアバッグ内のガス圧を長時間保つことが可能となり、搭乗者に対する拘束機能が維持できて、搭乗者を有効に保護することができる。
【0008】
請求項2の発明においては、請求項1において、前記規制手段は、ガスの排出期間を延長するための絞り部であることを要旨とするものである。
従って、絞り部により、単位時間当たりのエアバッグ内のガスの排出量を減少させることができ、適切にガスの排出期間を延長することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明においては、請求項1または2において、前記排気口は、搭乗者と接触しないところに位置することを要旨とするものである。
従って、排気口が搭乗者によって塞がれるのを防止できるので、円滑にガスの排出を行うことができる。よって、エアバッグが必要以上に長く膨張され続けるのを防止でき、搭乗者に対する保護性能を高めることができる。
【0010】
請求項4に記載の発明においては、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記排気口は、搭乗者の肩部付近に位置することを要旨とするものである。
従って、前記排気口が搭乗者の腰部に対応する部位から遠い場所である搭乗者の肩部付近に位置することで、排気口が塞がれにくい。よって、排気口の開口面積や絞り部による絞り量に従ったガス排出を行うことができ、エアバッグを適当な期間膨張させ、その後、適当なタイミングでしぼませることができるので、搭乗者を有効に保護することができる。
【0011】
請求項5に記載の発明においては、請求項2〜4のいずれかにおいて、前記絞り部は、エアバッグの表裏の基布間に設けられたシームによって構成されていることを要旨とするものである。
【0012】
従って、エアバッグ内のガスの単位時間当たりの所定の排出量を、簡単な構成で確実に実現することができる。
請求項6に記載の発明においては、請求項2〜5のいずれかにおいて、前記絞り部は、螺旋状通路よりなり、前記排気口が螺旋の中心部に位置することを要旨とするものである。
【0013】
従って、絞り部の距離を長く確保することができ、エアバッグ内のガスの排出期間を延長させることができる。
請求項7に記載の発明においては、請求項2〜6のいずれかにおいて、前記絞り部は、屈折通路よりなることを要旨とするものである。
【0014】
従って、絞り部の距離を長く確保することができるとともに、排出ガス流に対する抵抗が大きくなって、エアバッグ内のガスの単位時間当たりの所定の排出量を効果的に実現することができ、ガスの排出期間を有効に延長することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1には、車室内に配置された左側のフロントシート21が示され、このフロントシート21は腰掛け部21aと背もたれ部21bとを備えている。そして、車両のボディサイド部の一部を構成する図示しないドアと対応するように、フロントシート21の背もたれ部21bの左側内部にはサイドエアバッグ装置22がケース23内に収容した状態で埋設配置されている。なお、図面においては、左側のフロントシート21のみが示されているが、右側のフロントシートの右側内部にも同様なサイドエアバッグ装置22が内装されている。
【0016】
前記サイドエアバッグ装置22は、ケース23に固定されたガス発生源としてのインフレータ24と、そのインフレータ24を被覆するように装着された袋状のエアバッグ25とを備えている。インフレータ24の内部にはエアバッグ25を展開膨張させるための図示しないガス発生剤が収容され、インフレータ24の下部にはガスを噴出させるためのガス噴出口24aが形成されている。インフレータ24には、車両のボディサイド部に対する衝撃を検出するための図示しないセンサが電気的に接続されている。
【0017】
図1〜図3に示すように、前記エアバッグ25は、織布等からなる一対の基布25a,25bを、それらの周縁において縫着することにより、全体として袋状をなすように形成され、通常は折り畳み状態でケース23内に収容されている。また、エアバッグ25の上部には、両基布25a,25bを互いに縫着接合した螺旋形状をなすシーム26が形成され、シーム26により規制手段である絞り部としての螺旋状通路29が構成されている。従って、この螺旋状通路29は、シーム26の螺旋中心部に向かって延びている。シーム26の螺旋中心部と螺旋状通路29とは、シーム26の螺旋中心部の上側に位置する開口部40において繋がるように構成されている。
【0018】
シーム26の螺旋中心部には、シーム26に囲まれるように複数のベントホールよりなる排気口27が形成されている。排気口27は、エアバッグ25の展開膨張時において、フロントシート21に着座している搭乗者Pに接触しない位置で、かつその搭乗者Pの肩部付近に位置する。さらに、エアバッグ25の上下方向のほぼ中央部には、両基布25a,25bを互いに楕円形状をなすように縫着接合したシーム28が形成されている。
【0019】
なお、エアバッグ25には、インフレータ24と外部電気機構との間のハーネス(図示しない)を通すための開口(図示しない)が設けられているが、この開口はハーネスを通すだけの大きさで、ガスはほとんど通過しない。
【0020】
次に、前記のように構成されたサイドエアバッグ装置22についてその動作を図1〜図3に基づいて説明する。
さて、車両のボディサイド部に対する他の車両による衝突により、ボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わると、前記センサからの検出信号に基づいて図示しない制御回路を介してインフレータ24に対して駆動電流が出力される。そして、この駆動電流に基づく加熱により、インフレータ24内のガス発生剤からガスが発生され、このガスが、ガス噴出口24aからエアバッグ25内に噴出供給される。このとき、ガス噴出口24aから噴出したガス流は、図1の矢印で示すように、中央部のシーム28の規制を受けてエアバッグ25の下部(搭乗者Pの腰部に対応する部位)へ向かって誘導供給される。引き続きガス流は、中央部のシーム28を回り込むようにして、エアバッグ25の下部から上部(搭乗者Pの肩部付近に対応する部位)に向かって供給される。
【0021】
この結果、エアバッグ25がドアとフロントシート21に着座している搭乗者Pとの間に向かって展開膨張されて、搭乗者Pの腰部付近から肩部付近にかけての広い範囲の部位が、衝突の衝撃から保護される。
【0022】
そして、エアバッグ25が搭乗者Pとボディサイド部との間において展開膨張した後、図2に示すように、エアバッグ25内のガスは、螺旋状通路29を通って排気口27から排出される。このとき、排出されるガス流は、螺旋状通路29によって絞り込まれて、単位時間当たりの排出量が抑えられるため、エアバッグ25内のガスの排出期間が延長される。
【0023】
従って、以上詳述した実施形態によれば次のような効果が発揮される。
(1) エアバッグ25が展開膨張する際には、最初に搭乗者Pの腰部に対応する部位にガスが噴射される。この部位においては、排気口27が設けられておらず、噴射されたガスにより確実にエアバッグ25が展開膨張する。エアバッグ25内のガスは排気口27から排出されるが、排気口27のガス流上流側に設けられた螺旋状通路29により、単位時間当たりのガスの排出量が抑えられ、エアバッグ25内のガスの排出期間を延長することができる。従って、エアバッグ25内のガスが短時間で抜けるのを防止でき、搭乗者Pに対する拘束機能を維持できて、搭乗者を有効に保護することができる。
【0024】
(2) 螺旋状通路29は、エアバッグ25の表裏の両基布25a,25b間に設けられたシーム26によって構成されているので、エアバッグ25内のガスの単位時間当たりの所定の排出量を、部品点数が増えることなく、簡単な構成で確実に実現することができる。
【0025】
(3) 排気口27が搭乗者Pの腰部に対応する部位から遠い場所である搭乗者の肩部付近に位置することで、排気口27が塞がれにくい。よって、エアバッグ25を適当な期間膨張させ、その後、適当なタイミングでしぼませることができて、搭乗者Pを有効に保護することができる。
【0026】
(4) 螺旋状通路29は、その形状特性によりその距離を長く確保することができ、エアバッグ25内のガスの排出期間を延長させることができる。
(変更例)
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
【0027】
・ 図4に示すように、前記シーム26を、上部がほぼ円形で、下部が屈折形状をなすシーム31に変更すること。すなわち、前記シーム31は、前記円形部分31aの下側に位置する開口部41において、前記円形部分31aと前記屈折形状部分31bの一端とが繋がるように形成され、前記屈折形状部分31bの他端は、下向きに開口するように構成されている。そして、前記円形部分31aに囲まれるように排気口27が形成されているとともに、前記屈折形状部分31bにより、絞り部としての屈折通路30が構成されている。
【0028】
このようにすれば、屈折通路30の距離を長く確保できるとともに、排出ガスに対する屈折通路30の抵抗が大きくなる。このため、エアバッグ25内のガスの単位時間当たりの所定の排出量を確保でき、ガスの排出期間が延長される。
【0029】
・ 図5に示すように、排気口27のガス流上流側の螺旋状通路29におけるエアバッグ25の周縁に、予備排気口32を設けること。この予備排気口32は、小さいほうが都合がよい。
【0030】
このようにすれば、例えば車両内の障害物等によってエアバッグ25に過剰な負荷がかかった場合、速やかにガスが排出される。
・ 前記シーム26を、図6に示すような上側に開口部42を有する略ハート形のシーム33に変更すること。すなわち、エアバッグ25の周縁縫製部50とシーム33の上側とで一対の排出通路43a,43bがそれぞれ前記開口部42の両側に構成されている。そしてこの一対の排出通路43a,43bは、前記開口部42において合流し、シーム33に囲まれるように形成された排気口27へ延びるように構成されている。
【0031】
このようにすれば、エアバッグ25内のガスは、前記一対の排出通路43a,43bの両方を介して排気口27から排出される。
【0032】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明は、エアバッグの展開膨張後のガス排出期間を延長させることにより、搭乗者を有効に保護することができるサイドエアバッグ装置を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】車室内の側面図
【図2】実施形態のエアバッグの断面図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】変更例のエアバッグの断面図
【図5】変更例のエアバッグの断面図
【図6】変更例のエアバッグの断面図
【符号の説明】
22…サイドエアバッグ装置、24…ガス発生源としてのインフレータ、25…エアバッグ、25a,25b…基布、26,28,31,33…シーム、27…排気口、29…規制手段である絞り部としての螺旋状通路、30…規制手段である絞り部としての屈折通路、43a,43b…規制手段である絞り部としての排出通路、32…予備排気口、P…搭乗者
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両に対する側方からの衝突により、車両のボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わったとき、エアバッグが搭乗者の側方で展開膨張されるようにしたサイドエアバッグ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種のサイドエアバッグ装置は、車両のボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わったときに、エアバッグ内部に備えられたインフレータで発生されたガスを、エアバッグ内に噴出供給してエアバッグを展開膨張させるようにしている。そして、エアバッグ内のガスは、通常エアバッグに設けられたハーネスを引き出すための開口を利用して排出される(例えば、特許文献1参照)。なお、この特許文献1には、エアバッグからのガスの排出について詳述されていないが、その開示内容から前記のようにハーネス引き出し用の開口から排出されると考えられる。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−53081号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のサイドエアバッグ装置では、前記開口がエアバッグのほぼ中央部に位置しているため、インフレータからエアバッグ内に噴出供給されたガスが直接的に排出される。この結果、エアバッグ内の内圧を長時間保つには不向きであるという問題があった。
【0005】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、エアバッグの展開膨張後のガス排出期間を延長させることにより、搭乗者を有効に保護することができるサイドエアバッグ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明においては、ガス発生源からのガスにより車両のボディサイド部と搭乗者との間にて展開膨張するようにしたエアバッグを備えるサイドエアバッグ装置において、前記エアバッグには搭乗者の腰部に対応する部位以外のところに排気口を設け、その排気口のガス流上流側に、排気口からのガス流出量を規制するための規制手段を設けたことを要旨とするものである。
【0007】
エアバッグが展開膨張する際には、搭乗者の腰部に対応する部位にガスが噴射される。この部位には、排気口が設けられておらず、噴射されたガスにより確実にエアバッグが展開膨張する。加えて、前記排気口のガス流上流側に設けられた排気口からのガス流出量を規制するための規制手段により、単位時間当たりのガスの排出量がコントロールされる。従って、エアバッグ内のガス圧を長時間保つことが可能となり、搭乗者に対する拘束機能が維持できて、搭乗者を有効に保護することができる。
【0008】
請求項2の発明においては、請求項1において、前記規制手段は、ガスの排出期間を延長するための絞り部であることを要旨とするものである。
従って、絞り部により、単位時間当たりのエアバッグ内のガスの排出量を減少させることができ、適切にガスの排出期間を延長することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明においては、請求項1または2において、前記排気口は、搭乗者と接触しないところに位置することを要旨とするものである。
従って、排気口が搭乗者によって塞がれるのを防止できるので、円滑にガスの排出を行うことができる。よって、エアバッグが必要以上に長く膨張され続けるのを防止でき、搭乗者に対する保護性能を高めることができる。
【0010】
請求項4に記載の発明においては、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記排気口は、搭乗者の肩部付近に位置することを要旨とするものである。
従って、前記排気口が搭乗者の腰部に対応する部位から遠い場所である搭乗者の肩部付近に位置することで、排気口が塞がれにくい。よって、排気口の開口面積や絞り部による絞り量に従ったガス排出を行うことができ、エアバッグを適当な期間膨張させ、その後、適当なタイミングでしぼませることができるので、搭乗者を有効に保護することができる。
【0011】
請求項5に記載の発明においては、請求項2〜4のいずれかにおいて、前記絞り部は、エアバッグの表裏の基布間に設けられたシームによって構成されていることを要旨とするものである。
【0012】
従って、エアバッグ内のガスの単位時間当たりの所定の排出量を、簡単な構成で確実に実現することができる。
請求項6に記載の発明においては、請求項2〜5のいずれかにおいて、前記絞り部は、螺旋状通路よりなり、前記排気口が螺旋の中心部に位置することを要旨とするものである。
【0013】
従って、絞り部の距離を長く確保することができ、エアバッグ内のガスの排出期間を延長させることができる。
請求項7に記載の発明においては、請求項2〜6のいずれかにおいて、前記絞り部は、屈折通路よりなることを要旨とするものである。
【0014】
従って、絞り部の距離を長く確保することができるとともに、排出ガス流に対する抵抗が大きくなって、エアバッグ内のガスの単位時間当たりの所定の排出量を効果的に実現することができ、ガスの排出期間を有効に延長することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1には、車室内に配置された左側のフロントシート21が示され、このフロントシート21は腰掛け部21aと背もたれ部21bとを備えている。そして、車両のボディサイド部の一部を構成する図示しないドアと対応するように、フロントシート21の背もたれ部21bの左側内部にはサイドエアバッグ装置22がケース23内に収容した状態で埋設配置されている。なお、図面においては、左側のフロントシート21のみが示されているが、右側のフロントシートの右側内部にも同様なサイドエアバッグ装置22が内装されている。
【0016】
前記サイドエアバッグ装置22は、ケース23に固定されたガス発生源としてのインフレータ24と、そのインフレータ24を被覆するように装着された袋状のエアバッグ25とを備えている。インフレータ24の内部にはエアバッグ25を展開膨張させるための図示しないガス発生剤が収容され、インフレータ24の下部にはガスを噴出させるためのガス噴出口24aが形成されている。インフレータ24には、車両のボディサイド部に対する衝撃を検出するための図示しないセンサが電気的に接続されている。
【0017】
図1〜図3に示すように、前記エアバッグ25は、織布等からなる一対の基布25a,25bを、それらの周縁において縫着することにより、全体として袋状をなすように形成され、通常は折り畳み状態でケース23内に収容されている。また、エアバッグ25の上部には、両基布25a,25bを互いに縫着接合した螺旋形状をなすシーム26が形成され、シーム26により規制手段である絞り部としての螺旋状通路29が構成されている。従って、この螺旋状通路29は、シーム26の螺旋中心部に向かって延びている。シーム26の螺旋中心部と螺旋状通路29とは、シーム26の螺旋中心部の上側に位置する開口部40において繋がるように構成されている。
【0018】
シーム26の螺旋中心部には、シーム26に囲まれるように複数のベントホールよりなる排気口27が形成されている。排気口27は、エアバッグ25の展開膨張時において、フロントシート21に着座している搭乗者Pに接触しない位置で、かつその搭乗者Pの肩部付近に位置する。さらに、エアバッグ25の上下方向のほぼ中央部には、両基布25a,25bを互いに楕円形状をなすように縫着接合したシーム28が形成されている。
【0019】
なお、エアバッグ25には、インフレータ24と外部電気機構との間のハーネス(図示しない)を通すための開口(図示しない)が設けられているが、この開口はハーネスを通すだけの大きさで、ガスはほとんど通過しない。
【0020】
次に、前記のように構成されたサイドエアバッグ装置22についてその動作を図1〜図3に基づいて説明する。
さて、車両のボディサイド部に対する他の車両による衝突により、ボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わると、前記センサからの検出信号に基づいて図示しない制御回路を介してインフレータ24に対して駆動電流が出力される。そして、この駆動電流に基づく加熱により、インフレータ24内のガス発生剤からガスが発生され、このガスが、ガス噴出口24aからエアバッグ25内に噴出供給される。このとき、ガス噴出口24aから噴出したガス流は、図1の矢印で示すように、中央部のシーム28の規制を受けてエアバッグ25の下部(搭乗者Pの腰部に対応する部位)へ向かって誘導供給される。引き続きガス流は、中央部のシーム28を回り込むようにして、エアバッグ25の下部から上部(搭乗者Pの肩部付近に対応する部位)に向かって供給される。
【0021】
この結果、エアバッグ25がドアとフロントシート21に着座している搭乗者Pとの間に向かって展開膨張されて、搭乗者Pの腰部付近から肩部付近にかけての広い範囲の部位が、衝突の衝撃から保護される。
【0022】
そして、エアバッグ25が搭乗者Pとボディサイド部との間において展開膨張した後、図2に示すように、エアバッグ25内のガスは、螺旋状通路29を通って排気口27から排出される。このとき、排出されるガス流は、螺旋状通路29によって絞り込まれて、単位時間当たりの排出量が抑えられるため、エアバッグ25内のガスの排出期間が延長される。
【0023】
従って、以上詳述した実施形態によれば次のような効果が発揮される。
(1) エアバッグ25が展開膨張する際には、最初に搭乗者Pの腰部に対応する部位にガスが噴射される。この部位においては、排気口27が設けられておらず、噴射されたガスにより確実にエアバッグ25が展開膨張する。エアバッグ25内のガスは排気口27から排出されるが、排気口27のガス流上流側に設けられた螺旋状通路29により、単位時間当たりのガスの排出量が抑えられ、エアバッグ25内のガスの排出期間を延長することができる。従って、エアバッグ25内のガスが短時間で抜けるのを防止でき、搭乗者Pに対する拘束機能を維持できて、搭乗者を有効に保護することができる。
【0024】
(2) 螺旋状通路29は、エアバッグ25の表裏の両基布25a,25b間に設けられたシーム26によって構成されているので、エアバッグ25内のガスの単位時間当たりの所定の排出量を、部品点数が増えることなく、簡単な構成で確実に実現することができる。
【0025】
(3) 排気口27が搭乗者Pの腰部に対応する部位から遠い場所である搭乗者の肩部付近に位置することで、排気口27が塞がれにくい。よって、エアバッグ25を適当な期間膨張させ、その後、適当なタイミングでしぼませることができて、搭乗者Pを有効に保護することができる。
【0026】
(4) 螺旋状通路29は、その形状特性によりその距離を長く確保することができ、エアバッグ25内のガスの排出期間を延長させることができる。
(変更例)
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
【0027】
・ 図4に示すように、前記シーム26を、上部がほぼ円形で、下部が屈折形状をなすシーム31に変更すること。すなわち、前記シーム31は、前記円形部分31aの下側に位置する開口部41において、前記円形部分31aと前記屈折形状部分31bの一端とが繋がるように形成され、前記屈折形状部分31bの他端は、下向きに開口するように構成されている。そして、前記円形部分31aに囲まれるように排気口27が形成されているとともに、前記屈折形状部分31bにより、絞り部としての屈折通路30が構成されている。
【0028】
このようにすれば、屈折通路30の距離を長く確保できるとともに、排出ガスに対する屈折通路30の抵抗が大きくなる。このため、エアバッグ25内のガスの単位時間当たりの所定の排出量を確保でき、ガスの排出期間が延長される。
【0029】
・ 図5に示すように、排気口27のガス流上流側の螺旋状通路29におけるエアバッグ25の周縁に、予備排気口32を設けること。この予備排気口32は、小さいほうが都合がよい。
【0030】
このようにすれば、例えば車両内の障害物等によってエアバッグ25に過剰な負荷がかかった場合、速やかにガスが排出される。
・ 前記シーム26を、図6に示すような上側に開口部42を有する略ハート形のシーム33に変更すること。すなわち、エアバッグ25の周縁縫製部50とシーム33の上側とで一対の排出通路43a,43bがそれぞれ前記開口部42の両側に構成されている。そしてこの一対の排出通路43a,43bは、前記開口部42において合流し、シーム33に囲まれるように形成された排気口27へ延びるように構成されている。
【0031】
このようにすれば、エアバッグ25内のガスは、前記一対の排出通路43a,43bの両方を介して排気口27から排出される。
【0032】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明は、エアバッグの展開膨張後のガス排出期間を延長させることにより、搭乗者を有効に保護することができるサイドエアバッグ装置を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】車室内の側面図
【図2】実施形態のエアバッグの断面図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】変更例のエアバッグの断面図
【図5】変更例のエアバッグの断面図
【図6】変更例のエアバッグの断面図
【符号の説明】
22…サイドエアバッグ装置、24…ガス発生源としてのインフレータ、25…エアバッグ、25a,25b…基布、26,28,31,33…シーム、27…排気口、29…規制手段である絞り部としての螺旋状通路、30…規制手段である絞り部としての屈折通路、43a,43b…規制手段である絞り部としての排出通路、32…予備排気口、P…搭乗者
Claims (7)
- ガス発生源からのガスにより車両のボディサイド部と搭乗者との間にて展開膨張するようにしたエアバッグを備えるサイドエアバッグ装置において、
前記エアバッグには搭乗者の腰部に対応する部位以外のところに排気口を設け、その排気口のガス流上流側に、排気口からのガス流出量を規制するための規制手段を設けたことを特徴とするサイドエアバッグ装置。 - 前記規制手段は、ガスの排出期間を延長するための絞り部であることを特徴とする請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
- 前記排気口は、搭乗者と接触しないところに位置することを特徴とする請求項1または2に記載のサイドエアバッグ装置。
- 前記排気口は、搭乗者の肩部付近に位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のサイドエアバッグ装置。
- 前記絞り部は、エアバッグの表裏の基布間に設けられたシームによって構成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のサイドエアバッグ装置。
- 前記絞り部は、螺旋状通路よりなり、前記排気口が螺旋の中心部に位置することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のサイドエアバッグ装置。
- 前記絞り部は、屈折通路よりなることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載のサイドエアバッグ装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7871104B2 (en) | 2006-09-28 | 2011-01-18 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle side airbag apparatus |
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2003
- 2003-03-26 JP JP2003086040A patent/JP2004291789A/ja active Pending
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