JP2012065627A - 蒲焼用ウナギ及び蒲焼用ウナギの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウナギの蒲焼きは、原料となるウナギの餌や養殖の環境により泥臭さ、生臭さや酸化臭といった淡水魚独特のいわゆる「くさみ」を生ずる。また食感に関する問題としては、ウナギに含まれるゼラチン質が固まることにより、ゴムを噛んでいるような食感を生じることもある。
【解決手段】本発明によれば、ウナギを焼く前にウナギの皮側から貫通していない複数の刺し孔を開けてから焼くため、刺し孔に溜まった余分な脂分が重力による落下で除去され、あるいはウナギの皮層と身層の間のコラーゲン層に多く含まれる余分な脂分が刺し穴を通して容易に浮き上がってくる。このタイミングで皮側のみに水を散布することで、くさみ成分を多く含む脂分を洗い流すことができる。刺し孔により、ウナギを焼いている間、ウナギの脂分が容易に孔から流出して皮表面を覆って、こんがりと揚げられた状態となってパリパリとした食感を与えることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、蒲焼用ウナギ及び蒲焼用ウナギの製造方法に関し、更に詳細には、淡水魚独特のいわゆる「くさみ」を無くし、うなぎの表面である皮部はパリパリした食感を有し、内部である身は柔らかい食感を有し、ウナギ特有のいわゆる「くどさ」が無いことで、毎日でも食することが出来るような、風味に優れた蒲焼用ウナギ及び蒲焼用ウナギの製造方法に関する。
蒲焼とは、魚を開いて骨を取り除き、濃口醤油、みりん、砂糖、酒などを混ぜ合わせたタレをつけて焼く魚料理の総称のことであり、使用される食材としては、ウナギ、サンマ、イワシ、アナゴ、ハモ、ドジョウ、ムツゴロウ、カワヤツメ、ヘビなどがあるが、一般に「蒲焼」といえば「ウナギの蒲焼」を指すことが多い。また、蒲焼にすることが多いウナギやアナゴなどを、タレをつけないで焼いた料理を白焼という。
関東地方ではウナギを焼く前に蒸している。関東ローム層の火山性土壌において生育するウナギは、淡水魚独特のいわゆる「くさみ」があり、この「くさみ」を落とす必要があるためである。蒸すことにより仕上がりが柔らかくなり、脂分が抜けるので成長した太目のウナギを用いることができる。一方、関西地方では、裂きやすい腹から裂き、焼く前後に蒸さない事が特徴となっている。蒸さないのは、関東のウナギと比較して土壌や水質の関係上いわゆる「くさみ」が少ないために、蒸して脂分の泥臭さを抜く必要性が少なかったためである。蒸さないために身の柔らかい小ぶりのウナギを使う必要があるが、脂の乗った香ばしい味に仕上がる。
近年、蒲焼きの原料となるウナギは養殖されたものが多い。養殖ウナギを用いて製造したウナギの蒲焼きは、原料となるウナギの餌や養殖の環境により泥臭さ、生臭さや酸化臭といった淡水魚独特のいわゆる「くさみ」を生じやすい。また食感に関する問題としては、ウナギに含まれるコラーゲン質がウナギを焼いている間にゼラチンに変化するのであるが、このゼラチンが固まることにより、ゴムを噛んでいるような食感を生じることもある。
蒲焼用ウナギの原料となるウナギの餌や養殖の環境により、泥臭さ、生臭さや酸化臭といった淡水魚独特のいわゆる「くさみ」を生ずる問題を解決するために、ウナギの蒲焼を清酒等で処理する方法等(特許文献1)が知られているが、これは、ウナギの蒲焼を冷凍保存する際の処理であり、「くさみ」を減少させることができるかも知れないが、清酒等の味が混在するため、ウナギ自体の味を味わうことが出来ないという不都合は避けられないものであった。
また、タレをつけて焼く前に刺し孔を開け、さらに焼いている最中に別の箇所に刺し孔を開け、さらに、これらの刺し孔を広げる作業をしつつ、ウナギを焼くことにより、食材の皮と身の間の余分な脂分を除去する方法(特許文献2)が開示されているが、この方法は、焼く前のみならず、焼いている途中にも孔を開ける作業、及び、穴を広げる作業を必要とするため作業が煩雑であり、しかも作業のタイミングや処理する際の技量のバラツキにより品質のバラツキが生じやすいものである。
さらに、ウナギに含まれるゼラチン質が固まることにより、ゴムを噛んでいるような食感を生じるという食感に関する問題を解決するために、過熱凝固性蛋白質溶液を魚の表面に付着してから焼く方法(特許文献3)が開示されているが、コラーゲンパウダー、小麦粉、澱粉等の過熱凝固性蛋白質溶液を魚の表面に付着することから、ウナギ本来の味とは異なったものとなるので好ましくない。
特開2008−245574号公報 特開2007−028990号公報 特許第3793642号
本発明の目的は、蒲焼用ウナギにおいて、ウナギ焼き職人の熟練を必要としない蒲焼用ウナギ及び蒲焼用ウナギの製造方法であり、従来には無い簡単な工程であっても、不快臭並びに酸化が抑えられ、ウナギの表面である皮部はパリパリした食感を有し、内部は柔らかい食感を有する風味に優れたウナギの蒲焼とウナギの蒲焼の製造方法を提供することにある。
ウナギ焼き職人の世界には「串打ち三年焼き一生」という言葉がある。ウナギの調理で最も重要なのが「焼き」である。この焼き方次第で、良質のウナギが美味しく食べられるかどうか決まると言っても過言ではない。ウナギの脂の乗り具合はさまざまであり、脂がよく乗っているウナギもいれば、そうでないウナギもいる。脂のよく乗ったものは脂が弾けて、まるで油で揚げたような状態になるが、逆に脂の乗っていないものは干からびたようになってしまうため、同じように焼いても焼き具合がかなり異なることからこのように言われている。
通常の魚とウナギとの違いについて説明する。通常の魚とは異なり、ウナギの皮層と身層の間には、コラーゲン質の繊維が規則正しく並んだコラーゲン層を有し、3層構造になっている。この構造がウナギの力強さ、身の硬さの要因となっている。通常の魚は加熱するとすんなり中まで火が通るが、ウナギの場合には、このコラーゲン層が障害となり、なかなかうまく火が通らないという不具合があった。本願発明によれば、コラーゲン層を有し、かつ、脂の乗り具合の異なったウナギであっても、熟練を必要とせず、ほぼ同等な焼き品質を達成することを目的にしている。
ウナギは図1に示すように、皮層と脂分を多く含むコラーゲン層と身層との3層構造になっている。本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ウナギのいわゆる「くさみ」成分の大部分が、ウナギの皮と身の間にあるコラーゲン層に含まれる脂分に溶け込んでいることを考慮に入れて、不快臭並びに酸化が抑えられ、火の通りを良くし、ウナギの表面である皮部はパリパリした食感を有し、内部は柔らかい食感を有する風味に優れたウナギの蒲焼の製造方法を発明した。
本発明は、生きたウナギを切開し、内臓と骨を取り除いた蒲焼用ウナギであって、
前記蒲焼用ウナギの皮面側に貫通しない直径0.5mm〜2.0mmの複数の刺し孔を有することを特徴とする蒲焼用ウナギとした。
本発明は、前記貫通していない直径0.5mm〜2.0mmの複数の刺し孔はウナギの皮層及びコラーゲン層を貫通するが、身層は貫通しないことを特徴とする蒲焼用ウナギとした。
本発明は、前記貫通しない直径0.5mm〜2.0mmの複数の刺し孔数は、1〜4個/cmであることを特徴とする蒲焼用ウナギとした。
本発明は、生きたウナギを切開し、内臓と骨を取り除いた蒲焼用ウナギの製造方法であって、
前記蒲焼用ウナギの皮面側に貫通しない直径0.5mm〜2.0mmの複数の刺し孔を形成する工程と、
皮面側と身面側とを交互に焼きながら、皮面側にのみ水を複数回散布して余分な脂分を流し落とすとともに、刺し孔を通じて身層側に水蒸気を注入する工程とからなることを特徴とする蒲焼用ウナギの製造方法とした。
本発明は、前記貫通していない直径0.5mm〜2.0mmの複数の刺し孔はウナギの皮層及びコラーゲン層を貫通するが、身層は貫通しないことを特徴とする蒲焼用ウナギの製造方法とした。
本発明は、前記貫通していない直径0.5mm〜2.0mmの複数の刺し孔数は、1平方センチ当たりにつき1〜4個/cmであることを特徴とする蒲焼用ウナギの製造方法とした。
本発明によれば、ウナギを焼く前にウナギの皮層側からウナギを貫通しない刺し孔を開け、まず図2に示すように、身側を上にして焼き始めるため、ウナギの皮層と身層の間のコラーゲン層に含まれる余分な脂分が刺し孔に溜まり始め、やがて溜まった余分な脂分は重力により落下する。この時に余分な「くさみ」成分を含んだ脂分が除去される。その後ウナギを「返し」反転させて、皮層を上にしてウナギを焼くと、ウナギの皮層と身層の間のコラーゲン層に含まれる余分な脂分が刺し孔に溜まり、刺し孔を通じて容易に浮き上がってくる。皮層側にのみ水を霧吹きにて散布し、余分な脂分を流し落とすため、皮層側にたまった余分な脂分が洗い流され、「くさみ」成分も洗い流される。この結果、ウナギ内部への火の通りが良くなり身層の内部まで良く焼ける。又、後のタレに浸漬させる工程において、刺し孔を通してタレをウナギの内部まで浸透させることができる。
さらに、皮層側と身層側とを交互に繰り返し焼きながら、皮層側にのみ水を霧吹きにて散布し、余分な脂分を流し落とす工程を複数回繰り返すため、皮層側にたまった余分な脂分が洗い流され、「くさみ」成分も洗い流される。水を散布することによるさらなる効果として、散布した水は刺し孔を通じて身層側へと侵入する。高温下で水は水蒸気となり、体積が膨張するため、身層側は侵入した水蒸気によりふっくらと、かつ、ジューシーに焼き上げることができる。
皮層側は適度に残存する脂分が広がり、この脂分によりウナギの皮を揚げることになる。従って、ウナギの蒲焼の皮は油でこんがりと揚げたようになっており、一方、身はふっくらとしており、余分な「くさみ」成分を含んだ脂分が除去されるため、うなぎ特有の「くさみ」は全くなく、淡白な白身の魚という感じに焼き上がるのである。それに加えて、皮層側のみに散水することで、焼き過ぎてウナギの皮が「カチカチ」になるのを防ぐことができる。
また食感に関する問題としては、必要以上に存在するコラーゲン質を除去することにより、結果的にゼラチンを残留させないため、ゴムを噛んだような食感は残らない。さらに付け加えると、高温下にて水を散布するので、水は水蒸気となり、蒸したことによる「くさみ」の除去という効果も得られるため、従来から「くさみ」を軽減するために行われていた蒲焼用ウナギを蒸す工程を省略することができるようになった。
蒲焼用ウナギの断面拡大図である(皮層が上になっている)。 蒲焼用ウナギの断面拡大図である(皮層が下になっている)。
以下、本発明を更に詳細に説明する。本発明におけるうなぎとは、食用とすることができるうなぎであれば特に限定はなく、例えば、うなぎ属に含まれるうなぎ、いわゆるニホンウナギ、ヨーロッパウナギ、アメリカウナギ等が挙げられる。
本発明の製造方法を実施するにあたり、その準備として、ウナギを切開して内臓や骨を除去し、洗浄等の加工を行う。ウナギを焼く前に必須の工程として、ウナギの皮側からウナギを貫通しない複数の刺し孔を穿設する。
前記工程において、複数穿設される刺し孔は、ウナギを貫通しない刺し孔で、皮層とコラーゲン層を貫通し身層に達するものである。この刺し孔は、皮側を上にしてウナギを焼いている間、コラーゲン層から浸出したウナギの脂分が溜まり易く、かつ、脂分が刺し孔から流出して皮表面を覆って、皮層が焼かれることにより油でこんがりと揚げた状態となってパリパリとした食感を与えられるのみならず、ウナギを「返し」て皮側が下になった際には、重力による落下により、余分な脂分を除去することができる。
さらに、この刺し孔は水を散布することにより、水が刺し孔を通じてウナギの身層に達し、この水が高温下では水蒸気となることにより膨張して体積が増えるために、身層はふっくらとした焼き上がりを実現することが出来るのである。
刺し孔径は、作業性と実効性を鑑みて、直径0.5mm〜2.0mm程度が適当である。刺し孔の間隔についても、同様に、各刺し孔の間隔が5〜10mm程度が適当である。
また、貫通しない直径0.5mm〜2.0mmの複数の刺し孔は、1平方センチ当たりにつき1〜4個/cm程度が適当である。なお、刺し孔の穿設は、魚の皮側全体に均一に行うことが望ましい。
前記刺し孔の穿設は、例えば、所望の径及び長さを有するステンレス鋼等のある程度の強度を有する金属材料で形成された針を複数所望間隔に有する道具により行うのが通常であるが、これに限定されるものではない。
ウナギを焼き始めると、ウナギの皮層と身層との間のコラーゲン層に存在する脂分が熱により溶けて少しずつウナギの表面に染み出てくる。さらに焼き続けると、少しずつ表面の色がキツネ色に変化する。これは、表面に染み出た脂分によってウナギの表面を揚げている状態である。
ウナギの皮層と身層との間のコラーゲン層には脂分が多く存在している。いわゆる「くさみ」成分の多くはこの脂分に溶け込んでいる。この脂分は焼くことにより、揮発されるため、「くさみ」成分も一緒に揮発される。ところが、焼く工程においてウナギに含まれる脂分の浮き出る速度は、揮発される速度よりも大きいため、焼き進めるにつれて、ウナギ全体から脂分が染み出てくるような状態になってくる。
このような状態になると、ウナギの皮層は、ウナギ自身の脂でパリパリに揚がってくる。本発明によるウナギは刺し孔が設けられているため、余分な脂分はウナギに空けられた刺し孔に溜まり、刺し孔を通じて上面に浮き上がって出てくる。焼いている最中にウナギを「返す」ため、ウナギの上面に浮き上がってきた余分な脂分に含まれる「くさみ」成分は、重力による落下によりウナギから除去することができる。一方、ウナギの身層は、高温の中で水を皮側から散布するので、刺し孔を通じて身層側に達した水は水蒸気となり、膨張により体積が増えるため、ふっくらとした焼き上がり感が得られ、蒸したことによる「くさみ」の除去と同等な効果が得られる。それに加えて、皮側に散水することで、焼き過ぎてウナギの皮が「カチカチ」になるのを防ぐことができる。
ほぼ、焼きあがった所で、タレの中にウナギを浸漬するのであるが、ウナギの皮側には刺し孔があいているので、かかる刺し孔を通じてタレを十分内部までしみこませることが出来る。ここで、刺し孔がウナギを貫通しているとタレがウナギ内部まで染み込み過ぎるため、ウナギの味が濃くなり過ぎて良くない。
ウナギの脂の乗り具合はさまざまであり、脂がよく乗っているウナギもあれば、そうでないウナギもある。脂の乗り具合は、直接的にウナギの味や、焼け方に影響する。脂のよく乗ったものは脂が弾けて、まるで油で揚げたような状態になるが、逆に脂の乗っていないものは干からびたようになってしまうため、同じように焼いても焼き具合がかなり異なることになる。本願発明によれば、散水により流したり、重力による落下による除去により、浮かび出た余分な脂分を除去することを考慮に入れた製造方法なので、ウナギの脂分の乗り具合の異なったウナギであっても、ウナギに残存する脂分はほぼ一定にすることができるので、ほぼ同等な焼き品質を達成することが出来る。
本願発明の実施例を図面に沿って説明する。まず準備として、ウナギを切開して内臓や骨を除去し、洗浄等の加工を行う。ウナギを焼く前の通常の工程として、ウナギの皮側からウナギを焼く前に串を打つ。串を打つことにより、いわゆる「返し」がしやすくなりウナギの身がふっくらと仕上がる。また、打つ串の本数は多い方が焼きやすく、5cm間隔くらいで打つのが好ましい。特に脂の乗った大きなウナギの場合、串の本数が少ないと、返しやタレ付けの際にウナギが崩れたりすることがある。本明細書で言う「返し」とは、ウナギを焼きながら、皮面側から身面側に、及び、身面側から皮面側にウナギを180度ひっくり返すことである。
ウナギ100を焼く前に本願発明における必須の工程として、ウナギ100の皮層10側から身層30側に向かってほぼ垂直にウナギ100を貫通しない複数の刺し孔40を穿設する。前記工程において、複数穿設される刺し孔40は、ウナギ100を貫通しない孔で、皮層10とコラーゲン層20とを貫通し、身層30に達するものである。
刺し孔40の直径は、作業性と実効性を鑑みて、直径0.5mm〜3.0mm程度が必要であり、好ましくは直径0.5mm〜2.0mmが望ましい。刺し孔40の間隔についても、同様に、各刺し孔の間隔は20mm以下であることが必要であり、好ましくは5mm〜10mmが望ましい。なお、穿設は、ウナギの皮層10側の全体に均一に行うことが望ましい。
本実施例では刺し孔40の直径は、微細なバラツキはあるものの1.5mm程度で、刺し孔の間隔については、各刺し孔40の間隔は5mm程度で、1平方センチあたりの刺し孔40数は2個/cm程度とした。なお、刺し孔40の穿設は、魚の皮側全体に均一になるように行なった。
前記穿設は、例えば、所望の径及び長さを有するステンレス鋼等のある程度の強度を有する金属材料で形成された針を複数所望の間隔に有する道具により行なった。
上記の処理をした後、最初は皮層10側を下にして焼き始める。身層30側がほんのり透明感がある状態から、透明感が無くなるくらいまで焼けたらウナギをひっくり返し、皮層10表面のヌメリ成分が白くなるくらいまで焼く。
さらに、2分〜3分ごとに串を打ったウナギ100を返しながら焼き続ける。焼いていくとだんだん身の色が変わる。焼き始めは、ほんのり透明感があるが、少し焼いただけで透明感が無くなり、白っぽくなる。そして、次第に脂が少しずつ染み出てくる。白くなってからも2分〜3分間隔でウナギ100を返しながら焼き続けると、少しずつ表面の色がキツネ色に変化してくる。
皮層10と身層30の間にはコラーゲン層20が発達しており、ウナギ100のいわゆる「くさみ」成分はコラーゲン層20に含まれる脂分に溶け込んでいる。図1のように
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皮側が上になった状態においては、ウナギ100を焼くと皮層10側では、皮層10と身層30の間にあるコラーゲン層20から脂分が出て、あらかじめ脂分が溜まりやすいように開けておいた刺し孔40に溜まり始める。この刺し孔40に溜まった脂分は、ウナギ100を焼いている間、ウナギ100の脂分が容易に刺し孔40から流出して皮表面を覆って、ウナギ100を油でこんがりと揚げた状態となってパリパリとした食感を与えられるものである。さらに、溜まった脂分は「返し」を行うと、重力により落下するため、ウナギ100から除去される。
再度「返し」を行い、図1にように皮層10側を上にして焼き続けると、再び、皮層10と身層30の間にあるコラーゲン層20から脂分が全面に染み出てくるような状態になってくるので、このタイミングで皮層側10のみに霧吹きにて水を散布し浮き出てきた脂分を流し落とす。さらに、ウナギ100の身層30は高温の中で水を皮層10側から散布するので、刺し孔40を通じて身層30側に達した水は水蒸気となり、ふっくらとした焼き上がり感が得られ、蒸したことによる「くさみ」の除去と同等な効果が得られる。水を散布する作業は4回行った。ここまでの工程に要した時間は、約25分であった。また12回「返し」を行った。
ウナギの内部は筋タンパクの間にコラーゲン質の繊維が規則正しく並んだ層を含んだ構造になっている。ウナギは他の魚に比べコラーゲン含有量が多く、それがウナギの力強さ、身の硬さの要因となっている。通常の魚は加熱するとすんなり中まで火が通るが、ウナギの場合には、このコラーゲン繊維の層が障害となり、なかなかうまく内部まで火が通らない。本願発明による蒲焼用ウナギの製造方法によれば、加熱によってコラーゲンが十分に融解して、はじめて内部まで火が通るため、内部までしっかり焼けた状態にするために、長時間をかけることが必要であるため、25分〜30分の時間をかけることにもその特徴がある。
尚、本実施例は、本願発明の一部を記載したものであり、本願発明は本実施例に限定されるものでは無いことは言うまでも無い。
本願発明は蒲焼用ウナギの製造業及びウナギ等の飲食業に関するものである。
10 ウナギの皮層
20 ウナギのコラーゲン層
30 ウナギの身層
40 刺し孔
100 本発明に係る蒲焼用ウナギ

Claims (6)

  1. 生きたウナギを切開し、内臓と骨を取り除いた蒲焼用ウナギであって、
    前記蒲焼用ウナギの皮面側に貫通しない直径0.5mm〜2.0mmの複数の刺し孔を有することを特徴とする蒲焼用ウナギ。
  2. 前記貫通していない直径0.5mm〜2.0mmの複数の刺し孔はウナギの皮層及びコラーゲン層を貫通するが、身層は貫通しないことを特徴とする請求項1に記載の蒲焼用ウナギ。
  3. 前記貫通しない直径0.5mm〜2.0mmの複数の刺し孔数は、1平方センチ当たりにつき1〜4個/cmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蒲焼用ウナギ。
  4. 生きたウナギを切開し、内臓と骨を取り除いた蒲焼用ウナギの製造方法であって、
    前記蒲焼用ウナギの皮面側に貫通しない直径0.5mm〜2.0mmの複数の刺し孔を形成する工程と、
    皮面側と身面側とを交互に焼きながら、皮面側にのみ水を複数回散布して余分な脂分を流し落とすとともに、刺し孔を通じて身層側に水蒸気を注入する工程とからなることを特徴とする蒲焼用ウナギの製造方法。
  5. 前記貫通していない直径0.5mm〜2.0mmの複数の刺し孔はウナギの皮層及びコラーゲン層を貫通するが、身層は貫通しないことを特徴とする請求項4に記載の蒲焼用ウナギの製造方法。
  6. 前記貫通していない直径0.5mm〜2.0mmの複数の刺し孔数は、1〜4個/cmであることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の蒲焼用ウナギの製造方法。
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