JP2012062715A - 木造住宅上層階用床構造 - Google Patents

木造住宅上層階用床構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2012062715A
JP2012062715A JP2010208966A JP2010208966A JP2012062715A JP 2012062715 A JP2012062715 A JP 2012062715A JP 2010208966 A JP2010208966 A JP 2010208966A JP 2010208966 A JP2010208966 A JP 2010208966A JP 2012062715 A JP2012062715 A JP 2012062715A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
floor
connecting plate
floor panel
panel
plate material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010208966A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5546401B2 (ja
Inventor
Yoshiaki Harigai
義昭 針谷
Terufusa Oshima
輝興 大島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Misawa Homes Co Ltd
Tsuka Kanamono KK
Original Assignee
Misawa Homes Co Ltd
Tsuka Kanamono KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Misawa Homes Co Ltd, Tsuka Kanamono KK filed Critical Misawa Homes Co Ltd
Priority to JP2010208966A priority Critical patent/JP5546401B2/ja
Publication of JP2012062715A publication Critical patent/JP2012062715A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5546401B2 publication Critical patent/JP5546401B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Floor Finish (AREA)

Abstract

【課題】木造住宅上層階の床構造の施工の容易化、省力化、施工時間の短縮化、そしてそのクッション性能の向上を図る。
【解決手段】胴差60及び床梁61の上に床パネル10, 20を敷設し、その周縁部を接着剤及び/又は釘等の固定手段により固定して形成する木造住宅上層階用床構造である。床パネル10として四辺形の構造用合板を用い、その一側辺の裏面に連結板材12を接合する。この連結板材12は所定幅の帯板状のものからなり、この連結板材12の長手方向の一側縁を床パネル10の一側辺の外方に延長するように接合固定して延長載置部を設ける。この延長載置部に隣接する床パネル10の一側縁を載置して接着材及び/又は釘等の固定手段によって相互に固定する。これにより略平行に配設された胴差60と床梁61間及び床梁61間に交差状に配設される受け材を架設する必要が無くなる。
【選択図】図3

Description

本発明は、木造住宅の2階等の上層階用の床構造の改良に関するものである。
従来より長年に渡り、木造住宅の2階床構造は、胴差と床梁の上に根太を格子状に配設し、その上に床下地合板を接合し、接着材や釘等により固定され、施工されて来た。
その後、良質の根太材等の確保が困難となり、この質の劣化と共に施工上の手間も掛かり、更には床鳴り等の問題も生じて来た。
また、近年の対地震、及び構造上の必要性から、2階の水平構面耐力強化の観点から針葉樹構造用合板(24mm厚及び28mm厚)の出現があり、この針葉樹構造用合板を床梁等に直接敷設する工法が主流となり、根太を使用する必要がなくなった。
図5は、根太を使用しない上記針葉樹構造用合板を用いた工法による従来の木造住宅2階床構造(以下「根太無し直貼り床構造」という。)の説明図である。
この工法では先ず、胴差60と床梁61間及び床梁61間に受け材62を配設して、平面視格子状に組み付け、その後に針葉樹構造用合板からなる床パネル65を敷き詰め、この床パネル65の周縁部を所定長さ及び太さの釘によって所定ピッチで打ち込み、相互に固定するのである。
ここで、受け材62は、例えば胴差60に留め金具63、63によってその端部が固定され、他方床梁61とは、床梁61に切欠を設けて、その端部を嵌合させる方法等々が採用されている。
この受け材62を胴差60や床梁61に固定する方法は自由に選択することができるが、この受け材62を胴差60と床梁61間及び床梁61間に架設する手間が省略できるとすると、この手間が省かれ、省力化と施工時間の短縮化に大いに寄与することとなるのである。
そこで、本発明においては、木造住宅の2階以上の上層階の床構造の省力化と施工時間の短縮化をその第1の課題とするものである。
また、2階床構造は現在上記構造用合板の根太無し直貼り工法が採用されているが、この構造用合板の直貼り工法においては、その床の撓みが極めて小さく、非常に硬いという難点があった。
この問題は、木造住宅の1階床構造がこれまで、その剛性と柔軟性(弾力性又は居住性)を追求し、堅牢であると共に床の固さを極力抑えて柔軟性を保持させ、その居住性の良さを追及して来たものであり、この木造住宅の1階床構造との関係において生まれて来たものであり、従って、2階床構造がその1階床構造よりも固くて居住性の面でも改良の余地があり、この観点から本発明では、2階床構造においても、1階床構造に少しでも近付くような柔軟性のある床構造を提供することがその第2の課題となるのである。
更に、上記課題を解決すると共に、本発明においては従来の工法によって得られる強度においても劣るものであっては成らず、否、従来の工法における強度よりも更に良好な水平構面耐力を有するものを提供することも必要となる。
より具体的には、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(「品確法」)に規定される床倍率3.0(24mm厚以上の構造用合板を用いて、4周をN75の釘でピッチ150mmでジョイントする。)以上の耐力を有するものを提供することもその課題となる。
上記課題を解決するために、本発明の第1のものは、胴差及び床梁の上に床パネルを敷設し、その周縁部を接着剤及び/又は釘等の固定手段により固定して形成する木造住宅上層階用床構造であって、前記床パネルとして四辺形の構造用合板を用い、その一側辺の裏面に連結板材を接合し、この連結板材は所定幅の帯板状のものからなり、この連結板材の長手方向の一側縁を床パネルの一側辺の外方に延長するように接合固定して延長載置部を設け、この延長載置部に隣接する床パネルの一側縁を載置して、接着剤及び/又は釘等の固定手段によって相互に固定することができ、これにより、略平行に配設された胴差と床梁間及び床梁間に交差状に配設される受け材を架設する必要を無くしたことを特徴とする木造住宅上層階用床構造である。
本発明の第2のものは、上記第1の発明において、四辺形の床パネルが、その縦横の辺の長さの比率を約1対1とした略正方形のものから成り、連結板材が、前記床パネルの一側辺に1つ設けられ、且つ連結板材の長手方向長さを胴差と床梁間又は床梁間の間隔距離よりも短く形成して、胴差又は床梁にその両端部が当接しないことを特徴とする木造住宅上層階用床構造である。
本発明の第3のものは、上記第1の発明において、四辺形の床パネルが、その縦横の辺の長さの比率を約2対1とした略長方形のものから成り、連結板材が、前記床パネルの長辺の一側辺に所定間隔を空けて2つ設けられ、且つそれぞれの連結板材の長手方向長さが、胴差と床梁間又は床梁間の間隔距離よりも短く形成して、胴差又は床梁にその両端部が当接しないことを特徴とする木造住宅上層階用床構造である。
本発明の第4のものは、上記第1の発明において、四辺形の床パネルが、その縦横の辺の長さの比率を約1対2とした略長方形のものから成り、連結板材が、前記床パネルの短辺の一側辺とこれと略平行の中央部裏面に2つ設け、且つそれぞれの連結板材の長手方向長さが、胴差と床梁間又は床梁間の間隔距離よりも短く形成して、胴差又は床梁にその両端部が当接しないことを特徴とする木造住宅上層階用床構造である。
本発明の第5のものは、上記第1乃至第4のそれぞれの発明において、床パネルを敷設したときに、各床パネルに設けた連結板材と、胴差及び床梁とが、それぞれ格子状に組み付けられることを特徴とする木造住宅上層階用床構造である。
本発明の第6のものは、上記第1乃至第5のそれぞれの発明において、連結板材として床パネルと同種の合板製のものを使用し、その板厚を床パネルと同等とし、且つ連結板材を構造用合板からなる床パネルの木目又は繊維方向と並行に配置したことを特徴とする木造住宅上層階用床構造である。
本発明の第1のものにおいては、まず一番大きな効果は、胴差と床梁間、及び床梁間に架設される受け材を省略することができるということである。
この受け材を設けずに施工できるために、作業者による労力は省かれ、施工手間が省略され、施工時間の大幅な短縮に繋がることとなるのである。
更に受け材を省略できるということは、その留め金具の使用も不要となり、省資源にもつながり、受け材を係合するための床梁等のプレカットも不要となり、省力化と施工時間の短縮化に大いに寄与するものとなる。
次に、床パネルが敷設されると、その周縁部を釘や接着材により固定して行くのであるが、各床パネルの一側辺の裏面に接合されている連結板材は、胴差や床梁と連結固定されていない状態にある。
つまり、この連結板材は、従来の受け材と異なって床梁等に連結固定されておらず、床パネルにいわばぶら下がり状態で接合されているものである。
これにより、床パネルの弾力性、柔軟性、更には居住性が向上するのである。
というのも、従来の工法においては、胴差、床梁及び受け材によって、床パネルを支持する支持部材が格子状に配設されており、例えば略正方形の床パネルであれば、その4つの側辺で前記支持部材によって支持され、その床の固さは非常に硬いものとなるが、本発明においては、この従来の受け材に対応する連結板材は、構造材の機能を果たしておらず、単に床パネルの一側辺の裏面に接合されているだけで、隣接する床パネルとの連結固定の機能を有するものであるため、実質的には床パネルは対向する2側辺で胴差や床梁によって支持されるのである。
そのため、本発明の床構造による床の硬さが従来のものよりも柔らかいものとなり、それ故、その弾力性、柔軟性或いはクッション性が向上し、良好な居住性を得ることができるのである。
このように、床パネルの一側辺への連結板材の接合という構造の採用により、2階床構造の硬さが和らげられ、より快適な床環境を1階と同様に実現したことが本発明の第2の大きな効果である。
更に、連結板材が床パネルに予め固定されているために、その敷設施工が極めて容易なものとなるのである。
即ち、連結板材を胴差と床梁間及び床梁間に格子状に配設すればよく、その敷設方向も容易に把握でき、施工の迅速化と容易化に寄与する。
更に説明すると、コーナー部に最初の床パネルを敷設すれば、それに隣接する床バネルを最初の床パネルの連結板材の上及び床梁等に順次載置して行けばよく、その位置決めも容易となる。つまり、床パネルに設けた連結板材が床梁間に嵌まり込み、その位置決めを容易にしているのである。
また、床梁には受け材を係合するための断面欠損が全く無いので、構造の見直しも容易に可能となる。
上記の敷設手順と同様のことであるが、連結板材の存在により、これが床梁間等に嵌まり込むために、工事途中での床パネルの「横ズレ」を極小に押さえることもできるという効果も発揮するのである。
本発明の第2のものにおいては、木造住宅上層階用床構造において使用される床パネルの形態をより具体化したものであり、床パネルとして縦横の長さの比率が約1対1の略正方形のものを使用し、連結板材がその一側辺の裏面に設けられ、しかもその連結板材の長手方向長さを胴差と床梁間又は床梁間の間隔距離よりも短く形成して、連結板材の両端部が胴差や床梁に当接しないようにしたものである。
これにより、縦横の短い床パネルとして、例えば約910mm四方のものとして2階床部に容易にこれを敷設することができ、連結板材は、胴差や床梁と当接しないため、敷設する際には、これら胴差と床梁間に、或いは床梁間に簡単に嵌め込み、施工することができることと成るのである。
本発明の第3のものにおいても、上記第2の発明と同様の効果を有し、使用する床パネルの形状として縦横の長さ比率が約2対1の略長方形のものを使用し、その長辺の一側辺に所定間隔を空けて2つの連結板材を接合したものであり、異なる形態の床パネルを具体化したものである。
本発明の第4のものにおいても、上記第2又は第3の発明と同様の効果を有し、使用する床パネスの形状として縦横の長さ比率が約1対2の略長方形のものを使用し、その短辺の一側辺と、これに略並行の中央部裏面に2つ設けたものを使用し、異なる形態の床パネルを具体化したものである。
本発明の第5のものにおいては、上記それぞれの発明において、床パネルを敷設した際に、各床パネルに設けた連結板材と、胴差及び床梁とが、それぞれ格子状に組み付けられることを明確にしたものであり、本発明に係る床構造において連結板材の配設方向を明確化したものである。その効果は、上記それぞれの発明と同様である。
本発明の第6のものにおいては、連結板材の材質を床パネルのものと同様のものとし、また、その板厚も同等とし、連結板材を床パネルに接合する方向を特定したものである。
即ち、床パネルである構造用合板は、針葉樹から形成されており、その木目又は繊維の方向を胴差及び床梁と直交する方向に配置されるものである。
従って、この床パネルに接合される連結板材もこの木目又は繊維と同じ方向に並行に配置することを特定したものである。
このような配置により、最も大きな強度を有する床構造として施工されるからであり、しかも弾力性・柔軟性をも兼ね備え、強く柔らかい1階床構造に近い2階床構造を提供できることとなるのである。
本発明に係る床構造において使用する床パネルの第1の実施形態を図示しており、その(A)が平面図、その(B)が正面図である。 本発明に係る床構造において使用する床パネルの第2の実施形態を図示しており、その(A)が平面図、その(B)が正面図である。 上記2種類の床パネルを床梁等に載置して、固定する状態を図示した説明図である。 本発明に係る床構造と、従来の図5に図示した床構造(根太無し直貼り床構造)との剪断曲げ試験による比較を示すグラフである。 根太を使用しない従来の木造住宅2階床構造(根太無し直貼り床構造)の説明図である。
以下、添付の図面と共に本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る床構造において使用する床パネルの第1の実施形態を図示しており、その(A)が平面図、その(B)が正面図である。
この床パネル10は、縦横の長さ比率が約1対1の略正方形のもので、針葉樹構造用合板から成り、その縦横の長さは、約910mm、厚みは24mmのものである。
この床パネル10の一側辺(図中右側の辺)の裏面に連結板材12が接合される。
この連結板材12は、横幅が約105mm、長さが約780mm、厚みは24mmで、床パネル10と同じ合板製であり、その略半分を床パネル10の側辺から外方に延長させ、延長載置部12sを形成するように接合し、固定する。
後に説明するが、この延長載置部12sには、隣接する床パネルの一側縁部が載置され、相互に固定されるのである。
固定は、胴部径3.0mm、長さ45mmの釘15を用いて一定のピッチで、即ちピッチ75mmで打ち込み、固定する。ここで接着材を併用してもよい。
連結板材12を床パネル10の一側辺に接合固定する際は、図示した通り、床パネル10の木目と並行となる側辺に接合固定する。このような位置関係とすることにより最も強度が高い床構造が形成されるからである。
床梁等への敷設については後述する。
図2は、本発明に係る床構造において使用する床パネルの第2の実施形態を図示しており、その(A)が平面図、その(B)が正面図である。
この床パネル20は、縦横の長さ比率が約2対1の縦長の略長方形のもので、針葉樹構造用合板から成り、その縦横の長さは、約1820mm×約910mm、厚みは24mmのものである。
この床パネル20の一側辺(図中右側の辺)の裏面に連結板材12が2本接合される。
この連結板材12は、横幅が約105mm、長さが約780mm、厚みは24mmで、床パネル20と同じ合板製であり、その略半分を床パネル20の側辺から外方に延長させ、延長載置部12sを形成するように接合し、固定する。この連結板材12は、上記第1の実施形態と同一である。
そして、これら連結板材12、12の間隔は、約130mmとする。
後述するが、この間隔に床梁が配置されるのである。
連結板材12を床パネルに固定する方法は、上記第1の実施形態と同一である。
即ち、その固定は、胴部径3.0mm、長さ45mmの釘15を用いて一定のピッチで、即ちピッチ75mmで打ち込み、固定する。ここで接着材を併用してもよい。
また、連結板材12を床パネル20の一側辺に接合固定する際は、図示した通り、床パネル20の木目と並行となる一方の側辺に接合固定する。このような位置関係とすることにより最も強度の高い床構造が形成されるからである。
図3は、上記2種類の床パネル10、20を床梁等に載置して、固定する状態を図示した説明図である。
この図では、説明の都合上これら2種類の床パネルを同時に図示しているが、実際には床パネル20のみを使用して2階床構造を形成することもできるし、床パネル10と床パネル20の両者を共に使用して2階床構造を形成することもできる。
先ず、2階床構造の施工に際しては、コーナー部から敷設して行くが、コーナー部及び壁面部に敷設する床パネルでは、柱部材Pの部位に適合する箇所を予め切り欠いて置く。
そして、床パネル10及び床パネル20の何れにおいても、その木目又は繊維の方向が胴差60や床梁61と直角になる方向に配列して行くのである。
本発明においては、連結板材12がそれぞれの床パネル10、20の一側辺の裏面に接合固定されているために、この配列に際して目安となるため極めて便利なものとなるのである。
即ち、この連結板材12が胴差60と床梁61間、或いは床梁61間に格子状に配置されるように順次敷設して行けばよいのである。
各床パネル10、20は、その4つの側縁部に沿って、所定の釘によって、所定のピッチで胴差、床張り、そして隣接する床パネル10、20の一側縁と相互に固定されることとなる。この固定に際して接着材を併用することもできる。
ここで連結板材12の延長載置部12sに隣接する床パネルの一側縁部が載置されて釘等により相互に固定されるのであるが、この隣接する床パネルの敷設に際して、この延長載置部12sの存在と、これから敷設される床パネル10の側に接合された連結板材12の存在が非常に役に立つのである。
即ち、敷設完了した床パネル20の連結板材12と、胴差60及び床梁61のそれぞれの上面部が略正方形の3辺を構成し、残りの一辺はこれから配設される床パネル10の裏面に接合された連結板材12がこれを構成し、これにより略正方形の4辺(格子状態)が完成して、嵌め込まれるのである。
換言すれば、配設されるべき床パネル10裏面の連結板材12を、略正方形の格子状態の一辺を完成するように嵌め込み、組み付けて行くことができるため、本発明の連結板材12の存在は敷設に際して極めて便利な案内手段となるということである。
更に、図3には、明瞭に現れていないが、床パネル10、20が敷設され、固定された状態で、連結板材12は、その両端部において、胴差60や床梁61と当接していない。
即ち、連結板材12の両端部は、胴差60や床梁61の側面部と間隔を保持して配置され、固定されるのである。
この間隔は、例えば約10mm前後程度とすればよい。
この間隔が存在していることにより床パネル10、20を敷設する際には、容易に床梁間等に配置することができることとなるのである。
また、この間隔が存在しているということは、この連結板材12が胴差や床梁と連結固定されていないというこであり、つまり、この連結板材12は隣接する床パネル同士を連結し、その連結部位の裏面にぶら下がり状態で配設されており、それ故、床パネルの柔軟性、弾力性或いはクッション性を高める効果を発揮するのである。
更には、この連結板材12は、隣接する床パネル10、20を連結固定する際に、通常は所定の釘打ちによって行うが、この連結固定に際して接着材を共に併用することで、その接合強度を向上させると共に、そのクッション性をも調整することができることとなるのである。
というのも、釘打ちのみよる場合には、その釘打ちのピッチを変えることによりその強度が異なる。即ち、ピッチを小さくすれば強度は高まり、クッション性は少し劣り、そのピッチを大きくすれば逆に強度は弱まり、クッション性が向上する。
同様に接着材をも併用すれば、クッション性は弱まるが強度が向上する。
このように、連結部材12の部位での隣接する床パネル同士の固定方法を適宜変更することのより、床構造のクッション性を調整することができるのである。
尚、このクッション性を少なく調整したとしても、従来工法である図5に図示した根太無し直貼り床構造と比較すれば、当然本発明の床構造の方がその弾力性、柔軟性又はクッション性が高いことは言うまでもないことである。
図4は、本発明に係る床構造と、従来の図5に図示した床構造(根太無し直貼り床構造)との剪断曲げ試験による比較を示すグラフである。
試験体の仕様は、何れも針葉樹構造用合板24mm厚のもの(縦横600mm×1100mm)を使用し、本発明のものでは、上記実施形態と同様で、連結板材として24mm厚、横幅105mmのものを使用し、構造用合板と連結板材との接合固定は、胴部径3.0mmで長さが45mmの釘を75mmのピッチで固定したものを使用し、他方、比較例である根太なし直貼り構造では、上記同じ板厚24mmの構造用合板(縦横600mm×1100mm)を105mm角の大引で連結固定し、固定は胴部径3.4mmで長さが75mmの釘(N−75)を150mmのピッチで固定したものを使用した。
試験体は、それぞれ2体ずつ用いて試験を行い、図示した結果を得た。
グラフ中、N1及びN2が示す実線と破線が根太無し直貼り床構造の値を示し、S1及びS2が示す実線及び破線が本発明に係る床構造の数値を示している。
このグラフから明瞭に見て取れるように、本発明に係る床構造S1、S2の方が変位量が小さく、その強度或いは堅牢度が根太無し直貼り床構造よりも高いことを示している。
従って、本発明に係る床構造は、弾力性、柔軟性を有しつつ、強度に関しても従来の床構造よりも強いことが判明した。
尚、本発明においては、上記した通り、床梁間の受け材を無くして、床パネルの側に連結板材を接合して、2階床構造の弾力性、クッション性を向上させているが、この連結板材は、胴差と床梁間及び床梁間に配置されているが、この連結板材の両端部は、胴差及び床梁と当接しておらず、所定の間隔(10mm前後)を保持している。
このため、一見水平構面における剪断力に対する耐力が弱くなると思われたのであるが、実際の試験によると、この剪断力方向に対する耐力が、従来の根太無し直貼り床構造よりも高いという結果が出ているのである。
これに関する根拠は未だ明確にはなっていないが、この水平構面における剪断力方向に対する耐力は、接合される床パネルの釘打ち固定にその理由があると考えられ、従って、固定に使用する釘の種類と、その釘打ち間隔ピッチに拠るらしいことが判って来た。
即ち、固定に使用される釘の胴部径と釘打ちピッチ(釘の固定位置の間隔)の長さに拠るのであり、即ち、胴部径を大きくし、ピッチを狭くして固定することによりこの剪断力方向に対する耐力が向上することが判って来たのである。
そのために、本発明のように、連結板材が胴差や床梁と当接していなくとも、その水平構面耐力が弱まることがなく、否、連結板材を介した床パネル同士の連結固定によって、その水平構面耐力が従来のものよりも向上し、しかも、連結板材がぶら下がり状態に接合されているために弾力性、クッション性も向上し、それ故、強度があって柔らかいという居住性豊かな本発明に係る木造2階床構造が完成されたのである。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明においては以下の通り種々その形態を変更することができる。
本発明に係る床構造において使用する床パネルは、構造用合板を用いているが、その平面視形状は、上記した通り、略正方形又は略長方形のものを使用している。
そして、その木目又は繊維方向を、平行に並んだ胴差及び床梁と直交する方向に配置される。
また、短辺と長辺の比率が1対2の略長方形のものにおいては、上記実施形態では長辺の一方の辺に2本間隔を置いて連結板材を配置し、接合したが、この床パネルの短辺側の一方の辺に連結板材を1本接合し、この連結板材と平行にその裏面中央部にもう1本接合固定してもよい。
この場合においても、合板の木目は、連結板材と同じ方向に向くように床パネルを裁断する必要がある。
上記実施形態では、床パネルとして厚さ24mmの針葉樹構造用合板を用いたが、この種の構造用合板においては28mm厚のものもあるが、その強度試験を行った結果、24mm厚のもので十分な強度を有していることが判明した。
また連結板材も特に28mm厚のものを使用せずに、床パネルと同じ24mm厚で十分であることも判明した。
連結板材は、その横幅が上記実施形態では105mmのものを使用しているが、その横幅も適宜必要に応じて設計変更することができる。
要するに隣接する床パネルが適切に釘等を利用して固定することができる横幅を有していればよいのものである。
その長手方向の長さも、床梁等の間隔に適合させて適宜設計することができる。
この際に、この連結板材の長手方向長さを、この床梁間の間隔長さよりも少し短く設計し、胴差や床梁の側面部と当接することなく、一定の間隔を保持するようにこの連結板材を配設し、床パネルに固定することが極めて重要なこととなる。
これにより、床パネルの敷設施工が容易となり、しかも、床構造の弾力性とクッション性並びにその強度及び水平構面耐力も向上するからである。
尚勿論のこととして、この連結板材の長手方向長さを床梁間の長さに合致させて実施することも可能なことである。
連結板材は、また床パネルと同一の針葉樹構造用合板を使用しているが、この連結板材の材質等も自由に選択して使用することができるが、床パネル同士の連結固定に使用するものであるため、その強度或いはクッション性能の調整ということ等を考慮すれば、同じ素材を使用する方が極めて好ましい。
最後に、本発明に係る床構造においては、既に述べた通り、従来の根太無し直張り床構造と比較してもその強度において優っており、水平構面耐力の点でも従来のものよりも格段の強度を備えたものであることが各種実験により確認されている。
そして、「品確法」に基づく床倍率3.0の耐力を十分にクリアしたものである。
以上、本発明は、極めて簡易な構成からなる床構造であり、その構成は、この種の木造住宅の2階床構造として非常に長い間気付かれないままに今日まで来たものであるが、本発明者は、発想の転換により、連結板材を床パネル側に接合固定することにより床梁間に設けられていた受け材を無くすることに想到し、即ち、略正方形の床パネルであれば、その一側辺の裏面に接合して、外方に延長させ、この延長部に隣接する同種の構成の床パネルを連結固定することにより受け材を無くしてクッション性を高め、しかも、クッション性能の調整という効果をも併せ持つ、全く新規で独創的な床構造を創作し、これを市場に提供することができたものである。
10、20 床パネル
12 連結板材
12s 延長載置部
15 釘
60 胴差
61 床梁
62 受け材
G 木目
P 柱部材

Claims (6)

  1. 胴差(60)及び床梁(61)の上に床パネル(10, 20)を敷設し、その周縁部を接着剤及び/又は釘等の固定手段により固定して形成する木造住宅上層階用床構造であって、
    前記床パネル(10, 20)として四辺形の構造用合板を用い、その一側辺の裏面に連結板材(12)を接合し、
    この連結板材(12)は所定幅の帯板状のものからなり、この連結板材(12)の長手方向の一側縁を床パネル(10, 20)の一側辺の外方に延長するように接合固定して延長載置部(12s) を設け、この延長載置部(12s)に隣接する床パネル(10, 20)の一側縁を載置して、接着剤及び/又は釘等の固定手段によって相互に固定することができ、
    これにより、略平行に配設された胴差(60)と床梁(61)間及び床梁(61)間に交差状に配設される受け材(62)を架設する必要を無くしたことを特徴とする木造住宅上層階用床構造。
  2. 四辺形の床パネル(10)が、その縦横の辺の長さの比率を約1対1とした略正方形のものから成り、
    連結板材(12)が、前記床パネル(10)の一側辺に1つ設けられ、且つ連結板材(12)の長手方向長さを胴差(60)と床梁(61)間又は床梁(61)間の間隔距離よりも短く形成して、胴差(60)又は床梁(61)にその両端部が当接しないことを特徴とする請求項1に記載の木造住宅上層階用床構造。
  3. 四辺形の床パネル(20)が、その縦横の辺の長さの比率を約2対1とした略長方形のものから成り、
    連結板材(12)が、前記床パネル(20)の長辺の一側辺に所定間隔を空けて2つ設けられ、且つそれぞれの連結板材(12)の長手方向長さが、胴差(60)と床梁(61)間又は床梁(61)間の間隔距離よりも短く形成して、胴差(60)又は床梁(61)にその両端部が当接しないことを特徴とする請求項1に記載の木造住宅上層階用床構造。
  4. 四辺形の床パネルが、その縦横の辺の長さの比率を約1対2とした略長方形のものから成り、
    連結板材が、前記床パネルの短辺の一側辺とこれと略平行の中央部裏面に2つ設け、且つそれぞれの連結板材の長手方向長さが、胴差と床梁間又は床梁間の間隔距離よりも短く形成して、胴差又は床梁にその両端部が当接しないことを特徴とする請求項1に記載の木造住宅上層階用床構造。
  5. 床パネル(10, 20)を敷設したときに、各床パネル(10, 20)に設けた連結板材(12)と、胴差(60)及び床梁(61)とが、それぞれ格子状に組み付けられることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の木造住宅上層階用床構造。
  6. 連結板材(12)として床パネル(10, 20)と同種の合板製のものを使用し、その板厚を床パネル(10, 20)と同等とし、且つ連結板材(12)を構造用合板からなる床パネル(10, 20)の木目又は繊維方向と並行に配置したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の木造住宅上層階用床構造。
JP2010208966A 2010-09-17 2010-09-17 木造住宅上層階用床構造 Expired - Fee Related JP5546401B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010208966A JP5546401B2 (ja) 2010-09-17 2010-09-17 木造住宅上層階用床構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010208966A JP5546401B2 (ja) 2010-09-17 2010-09-17 木造住宅上層階用床構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012062715A true JP2012062715A (ja) 2012-03-29
JP5546401B2 JP5546401B2 (ja) 2014-07-09

Family

ID=46058692

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010208966A Expired - Fee Related JP5546401B2 (ja) 2010-09-17 2010-09-17 木造住宅上層階用床構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5546401B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104295125A (zh) * 2014-09-22 2015-01-21 苏州金螳螂园林绿化景观有限公司 一种仿古建筑及其建造方法
JP2019027234A (ja) * 2017-08-03 2019-02-21 セメダイン株式会社 接着式水平構面、接着式水平構面の構築方法、及び仕様決定プログラム
JP2019137976A (ja) * 2018-02-06 2019-08-22 帝人株式会社 木造床構造
JP7496580B2 (ja) 2022-03-25 2024-06-07 ツカ・カナモノ株式会社 床構造及び該床構造に用いる床パネル

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63192532U (ja) * 1987-05-30 1988-12-12
JPH11182001A (ja) * 1997-12-17 1999-07-06 Toli Corp バリアフリー床材
JPH11303203A (ja) * 1998-04-23 1999-11-02 Sekisui House Ltd 木造2階建て建物の建方工法
JP2001107500A (ja) * 1999-10-08 2001-04-17 Hayakawa Rubber Co Ltd 防音床構造
JP2005256276A (ja) * 2004-03-09 2005-09-22 Tsuka Kanamono Kk 床支持具およびその製造方法
JP2006233638A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Panahome Corp 木質床材及びその敷設方法
JP2007132159A (ja) * 2005-11-14 2007-05-31 Sekisui House Ltd 床パネルおよび床の施工方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63192532U (ja) * 1987-05-30 1988-12-12
JPH11182001A (ja) * 1997-12-17 1999-07-06 Toli Corp バリアフリー床材
JPH11303203A (ja) * 1998-04-23 1999-11-02 Sekisui House Ltd 木造2階建て建物の建方工法
JP2001107500A (ja) * 1999-10-08 2001-04-17 Hayakawa Rubber Co Ltd 防音床構造
JP2005256276A (ja) * 2004-03-09 2005-09-22 Tsuka Kanamono Kk 床支持具およびその製造方法
JP2006233638A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Panahome Corp 木質床材及びその敷設方法
JP2007132159A (ja) * 2005-11-14 2007-05-31 Sekisui House Ltd 床パネルおよび床の施工方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104295125A (zh) * 2014-09-22 2015-01-21 苏州金螳螂园林绿化景观有限公司 一种仿古建筑及其建造方法
JP2019027234A (ja) * 2017-08-03 2019-02-21 セメダイン株式会社 接着式水平構面、接着式水平構面の構築方法、及び仕様決定プログラム
JP6990817B2 (ja) 2017-08-03 2022-01-12 セメダイン株式会社 接着式水平構面、接着式水平構面の構築方法、及び仕様決定プログラム
JP2019137976A (ja) * 2018-02-06 2019-08-22 帝人株式会社 木造床構造
JP7496580B2 (ja) 2022-03-25 2024-06-07 ツカ・カナモノ株式会社 床構造及び該床構造に用いる床パネル

Also Published As

Publication number Publication date
JP5546401B2 (ja) 2014-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5546401B2 (ja) 木造住宅上層階用床構造
JP2015506428A (ja) モジュラ間柱ブレース
AU2020280509B2 (en) Rebar-equipped lumber form and construction method using rebar-equipped lumber form
JP6595146B1 (ja) 建築物およびその建築工法
JP6645193B2 (ja) 横架材、横架材を用いた面材の取り付け構造、及び横架材を用いた面材と枠材との取り付け構造
KR101525175B1 (ko) 목심 결합장치
JP5447116B2 (ja) 鋼構造用床パネル、鋼構造用床パネルの接合構造および鋼構造の床組
JP6050209B2 (ja) 天井構造
JP4093491B2 (ja) 耐力壁配置構造及びそれに用いる耐力壁
JP2019157604A (ja) 連結具
JP6532144B2 (ja) 柱の接合構造
JP2020097877A (ja) 床下地材、床形成部材、床構造及び床構造の施工方法
JP2012225134A (ja) パネルの接続方法
JP4417743B2 (ja) 木造建築物における柱梁架構
JP3221507U (ja) 枠付きパネル連結式建物
JP7056828B2 (ja) ユニット建物
JP2005232937A (ja) 木造建築物の梁補強構造及び方法
JP3207573U (ja) 建材連結金物
JP6564606B2 (ja) 木・鋼重ね梁構造
JP4234292B2 (ja) 建物ユニット
JP2023149237A (ja) 天井下地構造
JP2024035048A (ja) 建物
JP2005155027A (ja) 床支持部材及びこれを用いた床支持構造
JP2019094680A (ja) 床構造及び当該床構造に用いる床部材
JP4879857B2 (ja) 床構造及び床施工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130812

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140305

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140403

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140513

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5546401

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees