JP3221507U - 枠付きパネル連結式建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】施工が容易な枠付きパネル連結式建物を提供する。【解決手段】パネル連結式住宅の床構造体、外壁構造体、天井構造体を構成している枠付きパネル連結体は、いずれも、規格品の細長い標準枠付きパネル1を短辺方向に連結した構造となっている。工場生産される枠付きパネル1の各端面は位置合わせ用の段差状の端面となっており、一方の面にのみ第1木質パネル4を張ってある。現場において必要枚数が連結固定された後に、2枚の枠付きパネル毎に、広幅の第2木質パネルが張り付けられている。現場での枠付きパネル相互の位置合わせ、連結作業が容易であり、広幅の第2木質パネルによってパネル間の結合強度も高めることができる。【選択図】図2

Description

本考案は、枠付きパネルを連結して構築される床構造体、壁構造体、天井構造体を備えた枠付きパネル連結式建物に関する。
住宅工法としては、ツーバイフォー工法などの木造枠組壁工法が知られており、規格断面の角材から構成される枠組の両面に合板を張り付けて壁などが構築される。また、規格品のパネルを工場で予め製作しておき、パネルを工事現場に搬入して組み立て、住宅の床、壁、天井等の構造体を構築するパネル工法が知られている。特許文献1においては、パネル工法において、積層板を用いてパネル強度を高めて、強度の高い建物を構築できるようにしている。パネル工法では、建物の構造体が、工場生産された規格品であるパネルを用いて構築できるので、ツーバイフォー工法等に比べて施工がより簡単になる。
特開2002−4410号公報
本考案の課題は、パネル工法によって構築される枠付きパネル連結式住宅において、十分な強度を備え、かつ、現場における連結作業も簡単に行うことができる枠付きパネルを用いて構築された枠付きパネル連結式建物を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本考案は、長方形輪郭の枠付きパネルを連結して構成される枠付きパネル連結体によって、床構造体、壁構造体および天井構造体が構築される枠付きパネル連結式建物において、枠付きパネルは、矩形断面の木質の枠材が長方形に組まれた構成の枠体と、前記枠体の一方の面である第1面を封鎖するように、当該枠体に張り付けられている長方形の第1木質パネルとを備えている。
枠付きパネルの四周縁のうち、第1短辺縁部および第1長辺縁部においては、第1木質パネルにおける第1短辺縁パネル端面および第1長辺縁パネル端面に対して、枠体における第1短辺縁枠体端面および第1長辺縁枠体端面が一定寸法だけ突出しており、枠付きパネルの残りの第2短辺縁部および第2長辺縁部においては、第1木質パネルの第2短辺縁パネル端面および第2長辺縁パネル端面に対して、木質枠体の第2短辺縁枠体端面および第2長辺縁枠体端面が前記一定寸法と同一寸法だけ後退している。
枠体の第1短辺縁枠体端面および第1長辺縁枠体端面を規定している第1短辺縁枠材および第1長辺縁枠材は、第1幅寸法および第1厚さ寸法の矩形断面の枠材であり、第2短辺縁枠体端面および第2長辺縁枠体端面を規定している第2短辺縁枠材および第2長辺縁枠材は、第1幅寸法および第1厚さ寸法の1/2の第2厚さ寸法の矩形断面の枠材である。
枠付きパネル連結体は、複数枚の枠付きパネルが、少なくとも、その短辺の方向に連結されている。隣接する枠付きパネルを第1、第2枠付きパネルとすると、第1枠付きパネルの第1長辺縁部の第1長辺縁枠体端面に、第2枠付きパネルの第2長辺縁部の第2長辺縁枠体端面を突き合わせた状態で、これらの第1、第2長辺縁枠材が釘などの締結金具によって相互に連結固定されている。
また、枠付きパネル連結体において、第1木質パネルが張り付けられていない他方の面には、隣接する2枚の木質パネルを覆う状態に、短辺が枠付きパネルの2倍の寸法、長辺が枠付きパネルと同一寸法の第2木質パネルが張り付けられる。
長方形に組まれた枠体の一方の面に第1木質パネルが張り付けられた構成の枠付きパネルは工場生産により製作できる。例えば、建物の壁構造体を構築する場合には、設置されている土台に沿って、枠付きパネルを上下方向が長辺方向となるように立設して横方向に並べる。隣接する枠付きパネルの間では、各パネル端面が位置決め用の段差面となっているので、一方の第1長辺縁部と他方の第2長辺縁部とを位置決めして突き合せる作業が容易である。各枠付きパネルは、一方の面、例えば、室内側の面が開口状態であり、枠体が露出している。これにより、隣接する枠付きパネルを相互に位置決めする作業、これらを突き合わせて、釘、ネジ等の締結金具によって連結固定する作業の双方を簡単に行うことができる。枠付きパネルを連結した後は、現場において、広幅の第2木質パネルを枠付きパネル連結体の開口側の面に張り付ける。隣接する2枚の枠付きパネル毎に、広幅の第2木質パネルが張り付けられるので、パネル連結体を構成する各枠付きパネルを確実に連結固定できる。
(a)は枠付きパネル連結式建物を示す斜視図、(b)および(c)はそれぞれ概略断面図である。 (a)は枠付きパネルを示す正面図、(b)はその断面図、(c)は(b)に直交する方向の断面図、(d)は枠付きパネルを連結した構成のパネル連結体を示す説明図である。
以下に、図面を参照して、本考案を適用した枠付きパネル連結式建物、および、枠付きパネルの実施の形態を説明する。
(枠付きパネル連結式建物)
図1(a)は枠付きパネル連結式建物の一例を示す斜視図であり、壁仕上げなどの仕上げを施工する前の状態を示し、窓などの開口部を省略してある。図1(b)はその梁間方向の概略断面図であり、図1(c)はその桁行き方向の概略断面図である。
枠付きパネル連結式建物100(以下、単に「建物100」と呼ぶ場合もある。)は、床構造体110、外壁構造体120および天井構造体130からなる直方体形状の建物本体部を備えている。床構造体110、外壁構造体120、天井構造体130は、基本的に、長方形輪郭の枠付きパネル1を連結して構成される枠付きパネル連結体によって構築されている。本例では、枠付きパネル1として、工場生産された枠付きパネル1および土台用枠付きパネル1Aが使用されている。土台用枠付きパネル1Aは使用されない場合もある。また、現場で張り付ける規格品の第2木質パネル5、現場合わせ用の木質パネル6A、6B等も用いている。建物本体部は、基礎部分140の上に架け渡した鉄骨製の土台受け142の上に設置されている。建物本体部の天井構造体130の上には、例えば、片流れ屋根150が設置されている。
基礎部分140では、例えばRC独立基礎141が、建物100の外壁設置位置およびその内側に、所定の間隔で設置される。H型鋼などの鉄骨製の土台受け142が、外壁設置位置に沿って配置され独立基礎141によって支持されている。桁行き方向である長辺方向に架け渡されている土台受け142の間には、所定の間隔で、梁間方向である短辺方向にスチール角パイプなどの横架材143を架け渡してある。また、必要に応じて、基礎部分140と土台受け142の間には、免震用のゴムなどの弾性部材144を装着する。基礎構造は各種の構造を採用でき、本例の構成に限定されるものではない。
外壁構造体120における下端部分は、土台用枠付きパネル1Aが横方向に連結されており、これらの上側に、標準枠付きパネル1が横方向に連結されている。土台用枠付きパネル1Aの下端側の長辺縁枠材が、土台受け142に溶接した連結用のボルトによって土台受け142に固定される。また、床構造体110との取り合い部分には、床構造体110の枠付きパネル1の端面に、例えば連結材を取り付け、これを介して、双方が釘打ちによって連結固定される。
天井構造体130のパネル割付は、基本的に床構造体110と同様である。天井構造体130は、外壁構造体120の上端部の間に短辺方向に架け渡した合板梁131によって支持されている。天井構造体130の四周部分は、例えば連結材を介して、外壁構造体120の上端部に釘打ちにより連結固定される。
(枠付きパネル)
枠付きパネル連結式建物100の床構造体110、外壁構造体120および天井構造体130の施工に用いられる枠付きパネルを説明する。枠付きパネルとして、本例では、標準枠付きパネル1および土台用枠付きパネル1Aを用いている。
(枠付きパネルの例)
図2(a)は標準枠付きパネル1の一例を示す正面図であり、図2(b)はその横断面図であり、図2(c)は縦断面図であり、図2(d)は標準枠付きパネル1を連結して構成される枠付きパネル連結体10の施工手順を示す説明図である。
標準枠付きパネル1は、床構造体110、外壁構造体120および天井構造体130を構築するために用いられる。標準枠付きパネル1は、本例では、幅450mm、長さ2700mmの矩形輪郭のパネルである。これらの寸法に、幅および長さが限定されるものではない。例えば、長さ寸法は、900mm、1800mmなどとすることができる。標準枠付きパネル1は、矩形輪郭の木質の枠体2と、枠体2内の矩形開口に充填した断熱材3と、枠体2の一方の面である第1面に張り付けて枠体2の矩形開口を覆い隠している1枚の長方形輪郭の第1木質パネル4から構成されている。
標準枠付きパネル1の四周縁のうち、一方の第1短辺縁部11および一方の第1長辺縁部12は段差付き端面であり、第1木質パネル4における第1短辺縁パネル端面41aおよび第1長辺縁パネル端面42aに対して、枠体2における第1短辺縁枠体端面21aおよび第1長辺縁枠体端面22aが一定寸法だけ突出している。これに対して、標準枠付きパネル1の残りの第2短辺縁部13および第2長辺縁部14も段差付き端面であるが、第1木質パネル4の第2短辺縁パネル端面43aおよび第2長辺縁パネル端面44aに対して、枠体2の第2短辺縁枠体端面23aおよび第2長辺縁枠体端面24aが一定寸法だけ後退している。したがって、第1短辺縁部11と第2短辺縁部13とは相補的な形状をした段差付き端面となっており、第1長辺縁部12と第2長辺縁部14も、相補的な形状をした段差付き端面となっている。
第1木質パネル4は、構造用合板などからなり、例えば、短辺が450mm、長辺が2700mmの細長い長方形のパネルである。枠体2の第1短辺縁枠材21および第1長辺縁枠材22は、第1幅寸法および第1厚さ寸法の矩形断面の枠材である。第1短辺縁枠材21の外側の端面が、第1短辺縁枠体端面21aであり、第1長辺縁枠材22の外側の端面が、第1長辺縁枠体端面22aである。枠体2の残りの第2短辺縁枠材23および第2長辺縁枠材24は、第1幅寸法および第1厚さ寸法の半分の第2厚さ寸法の矩形断面をした細い枠材である。第2短辺縁枠材23の外側の端面が、第2短辺縁枠体端面23aであり、第2長辺縁枠材24の外側の端面が、第2長辺縁枠体端面24aである。
ここで、標準枠付きパネル1の枠体2において、第1長辺縁枠材22と第2長辺縁枠材24との間には、補強用枠材25が架け渡されている。補強用枠材25は、第2短辺縁枠材23、第2長辺縁枠材24と同一断面をした細い枠材である。また、断熱材3は、補強用枠材25によって2つに仕切られている枠体2の矩形開口に装着されている。
図2(d)に示すように、標準枠付きパネル1を、その短辺の方向に連結することで枠付きパネル連結体10が構成される。短辺の方向に隣接する標準枠付きパネル1を第1、第2枠付きパネル1(1)、1(2)として説明する。建築現場において、第1枠付きパネル1(1)の第1長辺縁部12の第1長辺縁枠体端面22aに、第2枠付きパネル1(2)の第2長辺縁部14の第2長辺縁枠体端面24aを突き合わせ、この突き合わせ状態で、第1、第2長辺縁枠材22、24が釘、ねじ等の締結金具によって相互に連結固定される。同様にして、短辺方向に必要枚数の標準枠付きパネル1が連結固定される。
必要枚数の標準枠付きパネル1を連結固定して枠付きパネル連結体10が構築される。この後に、枠付きパネル連結体10の各標準枠付きパネル1における開口側の側面である第2側面に、第2木質パネル5が順次、張り付けられる。
第2木質パネル5は、幅寸法が標準枠付きパネル1の2倍であり、長さ寸法が標準枠付きパネル1と同一である。例えば、第2木質パネル5は、短辺が900mm、長辺が2700mmである。第2木質パネル5のそれぞれは、隣接する2枚の枠付きパネル1(1)、1(2)の他方の面である第2面を覆う状態に張り付けられる。第2木質パネル5を張り付けることで、各枠付きパネルの第2側面が封鎖され、断熱材3が覆い隠される。
床構造体110、外壁構造体120、天井構造体130の施工においては、上記のように、標準枠付きパネル1を短辺方向に必要枚数連結固定して、枠付きパネル連結体10を構築し、次に、枠付きパネル連結体10に第2木質パネル5が張り付けられる。各部の施工を、規格品を用いて同様な手順で効率良く行うことができる。
1 パネル
1A パネル
2 枠体
3 断熱材
4 第1木質パネル
5 第2木質パネル
6A、6B 木質パネル
10 枠付きパネル連結体
11 第1短辺縁部
12 第1長辺縁部
13 第2短辺縁部
14 第2長辺縁部
21 第1短辺縁枠材
21a 第1短辺縁枠体端面
22 第1長辺縁枠材
22a 第1長辺縁枠体端面
23 第2短辺縁枠材
23a 第2短辺縁枠体端面
24 第2長辺縁枠材
24a 第2長辺縁枠体端面
25 補強用枠材
41a 第1短辺縁パネル端面
42a 第1長辺縁パネル端面
43a 第2短辺縁パネル端面
44a 第2長辺縁パネル端面
100 パネル連結式建物
110 床構造体
120 外壁構造体
130 天井構造体
131 合板梁
140 基礎部分
141 独立基礎
143 横架材
144 弾性部材
150 屋根

Claims (4)

  1. 長方形輪郭の枠付きパネルを連結して構成される枠付きパネル連結体によって、床構造体、壁構造体および天井構造体が構築されている枠付きパネル連結式住宅であって、
    前記枠付きパネルは、
    矩形断面の木質の枠材が長方形に組まれた構成の枠体と、
    前記枠体の一方の面を封鎖するように、当該枠体に張り付けられている長方形の第1木質パネルと、
    を備えており、
    前記枠付きパネルの四周縁のうち、第1短辺縁部および第1長辺縁部においては、前記第1木質パネルにおける第1短辺縁パネル端面および第1長辺縁パネル端面に対して、前記枠体における第1短辺縁枠体端面および第1長辺縁枠体端面が一定寸法だけ突出しており、
    前記枠付きパネルの残りの第2短辺縁部および第2長辺縁部においては、前記第1木質パネルの第2短辺縁パネル端面および第2長辺縁パネル端面に対して、前記枠体の第2短辺縁枠体端面および第2長辺縁枠体端面が前記一定寸法と同一寸法だけ後退しており、
    前記枠体の前記第1短辺縁枠体端面および前記第1長辺縁枠体端面を規定している第1短辺縁枠材および第1長辺縁枠材は、第1幅寸法および第1厚さ寸法の矩形断面の枠材であり、
    前記第2短辺縁枠体端面および前記第2長辺縁枠体端面を規定している第2短辺縁枠材および第2長辺縁枠材は、前記第1幅寸法および前記第1厚さ寸法の2倍の第2厚さ寸法の矩形断面の枠材であり、
    前記枠付きパネル連結体は、複数枚の前記枠付きパネルが、少なくとも、その短辺の方向に連結されており、
    隣接する前記枠付きパネルを第1、第2枠付きパネルとすると、前記第1枠付きパネルの前記第1長辺縁部の前記第1長辺縁枠体端面に、前記第2枠付きパネルの前記第2長辺縁部の前記第2長辺縁枠体端面を突き合わせた状態で、前記第1、第2長辺縁枠材が締結金具によって相互に連結固定されており、
    前記枠付きパネル連結体において、前記第1木質パネルが張り付けられていない他方の面には、隣接する2枚の前記枠付きパネルを覆う状態に、短辺が前記枠付きパネルの2倍の寸法、長辺が前記枠付きパネルと同一寸法の第2木質パネルが張り付けられていることを特徴とする枠付きパネル連結式建物。
  2. 前記枠付きパネルの前記枠体は、
    前記第1長辺縁枠体端面を備えた第1長辺縁枠材と、前記第2長辺縁枠体端面を備えた第2長辺縁枠材との間に架け渡した補強用枠材を備えている
    請求項1に記載の枠付きパネル連結式建物。
  3. 前記枠付きパネルは、前記枠体の内側に配置した断熱材を備えている請求項1または2に記載の枠付きパネル連結式建物。
  4. 前記枠体は、短辺が450mm、長辺が2700mmであり、
    前記第1木質パネルは、短辺が450mm、長辺が2700mmのパネルであり、
    前記第2木質パネルは、短辺が900mm、長辺が2700mmのパネルである
    請求項1ないし3のうちのいずれか一つの項に記載の枠付きパネル連結式建物。
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