JP4657968B2 - 鉄骨造建物の床構造 - Google Patents

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Description

本発明は、床欠損領域を有する建物外周部の適宜箇所に、床コンクリート厚を上げたり、床組みに追加的に水平ブレースを増設したりすることなく、床補強領域を形成することが可能で、これにより床の水平剛性や水平方向のせん断耐力を適切に高めることができ、建物に作用する水平応力を、床を介して、建物外周部の適宜位置に配置したブレースに効果的に伝達して負担させることができる鉄骨造建物の床構造に関する。
鉄骨造建物において、床の一部に開口部や欠け込み床版を形成した場合であっても、建物に作用する水平応力を伝達することが可能な床を備える技術として、特許文献1が知られている。他方、鉄骨造建物において、地震力などの水平応力に対する剛性や耐力が不足する場合には、柱・梁架構にブレースを設けるようにしている。このブレースへの水平力の伝達は、床を介して行われる。
特開2001−254469号公報
建物外周部に階段室や吹き抜けなどを設置することに伴って、当該建物外周部に床欠損領域が生じる場合がある。床欠損領域があると、建物外周部に配設したブレースへの水平応力伝達が不十分になり、ブレースが配設されたフレーム部以外の剛性の低いフレーム部が負担する水平応力が増大して、結果として建物の水平剛性や耐力が低下してしまう。その対策として、建物内部にブレースを配置して建物の水平剛性や耐力を補うことが考えられる。しかし、当該ブレースの設置により、建物内部空間の自由度が制約されてしまう。これに対し、ブレースを建物外周部にのみ配置する場合には、建物外周部の床の適宜箇所に床補強領域を形成し、これにより床の水平剛性や水平方向のせん断耐力を高める措置がとられる。床に床補強領域を形成して床の水平剛性や水平方向のせん断耐力を高めれば、ブレースに水平応力が十分に伝達できないという不具合を解決することができる。
具体的には、床コンクリートを厚くしたり、大梁に架設されて床を支持する床組に追加して、水平ブレースを増設する方法がとられている。しかし、床コンクリートを厚くすると、建物重量が増加して地震時の水平応力も大きくなるとともに、コンクリートの厚さを厚くした床を支持する梁の上端位置が、コンクリート厚を厚くした分だけ、建物内方のその他の床を支持する梁の上端位置よりも下がってしまい、柱・梁仕口部における梁端部の接続構造が複雑化してしまうという課題がある。水平ブレースを追加する場合も、柱・梁仕口部におけるその納まりが煩雑化して、施工性が低下してしまうという課題がある。また、水平ブレースの増設により、コストアップも生じる。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、床欠損領域を有する建物外周部の適宜箇所に、床コンクリート厚を上げたり、床組みに追加的に水平ブレースを増設したりすることなく、床補強領域を形成することが可能で、これにより床の水平剛性や水平方向のせん断耐力を適切に高めることができ、建物に作用する水平応力を、床を介して、建物外周部の適宜位置に配置したブレースに効果的に伝達して負担させることができる鉄骨造建物の床構造を提供することを目的とする。
本発明にかかる鉄骨造建物の床構造は、建物外周部の適宜箇所に床欠損領域を有する建物に作用する水平応力を、床を介して、建物外周部の適宜位置に配置したブレースに負担させる鉄骨造建物の床構造であって、上記床の建物外周部に面した適宜箇所に、4つの鉄骨柱とこれらを連結する大梁で取り囲んで床補強領域が形成され、該床補強領域は、上記鉄骨柱、上記大梁、並びに互いに対角に位置する該鉄骨柱それぞれに端部が剛接合されたX字状梁で支持され、上記水平応力を、上記床補強領域を備えた上記床を介して上記ブレースに負担させることを特徴とする。
前記床が、前記床補強領域を2以上連設した連設領域を備えることを特徴とする。
前記床には、前記床補強領域や前記連設領域が適宜間隔を隔てて配設されることを特徴とする。
前記ブレースが接合される前記鉄骨柱に前記床補強領域が支持されることを特徴とする。
前記ブレースが接合される少なくとも1つの前記鉄骨柱に前記床補強領域が支持されることを特徴とする。
前記ブレースが接合される2つの前記鉄骨柱に前記床補強領域が支持されることを特徴とする。
本発明にかかる鉄骨造建物の床構造にあっては、床欠損領域を有する建物外周部の適宜箇所に、床コンクリート厚を上げたり、床組みに追加的に水平ブレースを増設したりすることなく、床補強領域を形成することができ、これにより床の水平剛性や水平方向のせん断耐力を適切に高めることができて、建物に作用する水平応力を、床を介して、建物外周部の適宜位置に配置したブレースに効果的に伝達して負担させることができる。
以下に、本発明にかかる鉄骨造建物の床構造の好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態にかかる鉄骨造建物の床構造は基本的には、図1から図6に示すように、建物1外周部の適宜箇所に床欠損領域Lを有する建物1に作用する水平応力を、床2を介して、建物1外周部の適宜位置に配置したブレース3に負担させる鉄骨造建物の床構造であって、床2の建物1外周部に面した適宜箇所に、4つの鉄骨柱4とこれらを連結する大梁5で取り囲んで床補強領域Rが形成され、床補強領域Rは、鉄骨柱4、大梁5、並びに互いに対角に位置する鉄骨柱4それぞれに端部が剛接合されたX字状梁6で支持され、水平応力を、床補強領域Rを備えた床2を介してブレース3に負担させるように構成される。
ラーメン構造の鉄骨造建物はよく知られているように、主要構造部材である鉄骨製の柱・梁によって構築される架構に、床材や壁材を取り付けることで構成される。鉄骨柱4は、建物1の平面外形輪郭に沿って適宜間隔を隔てて配設されるとともに、またその内方に碁盤の目状に配設される。鉄骨製の大梁5は、建物1の平面外形輪郭に沿って鉄骨柱4間に架設されるとともに、またその内方で鉄骨柱4間に、これらを連結すべく縦横に架設される。そして床2は、鉄骨柱4およびこれに接合された大梁5に支持されて、各階層に一面に施工される。床材7としては、例えばオムニア版などのプレキャスト部材が採用される。
本実施形態にかかる鉄骨造建物の床構造は、建物1外周部の適宜箇所に、階段室や吹き抜けを形成するために床欠損領域Lが設けられた建物1を対象とする。建物1外周部とは、建物1外方に面する位置をいい、床欠損領域Lはこのような建物1外方に面する位置に、床2に形成した開口部8として設けられている。また本実施形態にかかる鉄骨造建物の床構造にあっては、建物1外周部にのみ適宜にブレース3が配置され、このブレース3に、建物1に作用する水平応力を負担させる建物1を対象としている。ブレース3も、建物1外方に面する柱・梁架構内に設置され、床2を介して建物1全体に作用する地震などによる水平応力を負担するようになっている。
本実施形態にあっては、建物1外周部に面した床2の適宜箇所に、床補強領域Rが形成される。この床補強領域Rは、上記配列に従った4つの鉄骨柱4とこれらを連結する大梁5で取り囲まれて、平面外形輪郭が四角形状に形成される。床補強領域Rが建物1側面に位置する場合には、平面四角形状の四隅の4つの鉄骨柱4のうち、2つの鉄骨柱4は建物1外方に面して位置し、他の2つの鉄骨柱4が建物1内方に位置する。また、床補強領域Rが建物1隅角部に位置する場合には、3つの鉄骨柱4が建物1外方に面して位置し、残りの1つの鉄骨柱4が建物1内方に位置する。大梁5はこれら4つの鉄骨柱4を順次連結して、環状に配設される。床補強領域Rに位置する床材7は、これら4つの鉄骨製の大梁5上に載置される平面四角形状に形成されて、これら4つの大梁5および4つの鉄骨柱4に支持されるとともに、さらにX字状梁6によってその下方から支持される。
X字状梁6は、H型鋼製の梁材6a,6bを平面X字状に組んで形成され、その4つの梁端部がそれぞれ、平面四角形状の四隅に互いに対角に位置する4つの各鉄骨柱4に剛接合され、建物1に作用する水平方向の応力を、床面に沿って負担しつつ鉄骨柱4へ伝達するようになっている。X字状梁6は例えば、対角に位置する鉄骨柱4間に達する長さの長い1つの梁材6aに、長さの短い2つの梁材6bを接合して製作される。このX字状梁6は、工場で生産して現場へ搬入しても、現場で作製しても、いずれであってもよい。本実施形態にあっては、図2に示すように、建物1の縦横方向いずれかに沿って、大梁5とX字状梁6の梁材6a,6bとの間およびX字状梁6の梁材6a,6b間に、床材7を支持するための小梁9が配設されている。
他方、床補強領域Rおよび床欠損領域L以外の床2の一般部分では図2に示すように、床材7は、4つの鉄骨柱4とこれらを連結する大梁5で取り囲んだ平面四角形状の領域を単位として、これら鉄骨柱4、大梁5、さらに大梁5の中央部分にそれらの梁端部がそれぞれピン接合されて、これら大梁5を連結する十字形状の梁10、並びに建物1の縦横方向いずれかに沿ってこれら大梁5と十字形状の梁10との間に配設された小梁11によって支持される。
床には基本的に、建物1外周部に面した適宜箇所に床補強領域Rを設定すればよい。図4には、床補強領域Rの各種配置パターンの例が示されている。(a)は、床補強領域Rを、床欠損領域Lに隣接配置した場合である。(b)は、床補強領域Rを、床欠損領域Lから1スパン隔てて配置した場合である。(c)は、床欠損領域Lの両側に2つの床補強領域Rを設定し、これらをともに床欠損領域Lに隣接配置した場合である。(d)は、床欠損領域Lの両側に2つの床補強領域Rを設定し、一方を床欠損領域Lに隣接配置し、他方を床欠損領域Lから1スパン隔てて配置した場合である。(e)は、床欠損領域Lの両側に2つの床補強領域Rを設定し、これらをともに床欠損領域Lから1スパン隔てて配置した場合である。(f)は、床補強領域Rを2以上、図示例にあっては3つ連設して連設領域Sとし、これを床欠損領域Lのいずれか一方の側に配置した場合である。
(g)は、床欠損領域Lの両側に、2つの床補強領域Rからなる連設領域Sと、単一の床補強領域Rとを設定し、これらをともに床欠損領域Lから1スパン隔てて配置した場合である。(h)は、床欠損領域Lの両側に、2つの床補強領域Rからなる2つの連設領域Sを設定し、一方を床欠損領域Lに隣接配置し、他方を床欠損領域Lから1スパン隔てて配置した場合である。このように本実施形態にかかる鉄骨造建物の床構造にあっては、床2には、床補強領域Rを2以上連設した連設領域Sを備えたり、また床補強領域Rや連設領域Sが適宜間隔を隔てて配設される、さまざまなパターンの配置が適用される。
また、本実施形態にかかる鉄骨造建物の床構造にあっては基本的には、床補強領域Rは、ブレース3が接合される鉄骨柱4に支持される。図5には、ブレース3が接合された鉄骨柱4に対する床補強領域Rの各種配置パターンの例が示されている。(a)は、床補強領域Rを、ブレース3が接合された2つの鉄骨柱4双方で支持する場合である。(b)は、床補強領域Rを、ブレース3が接合された2つの鉄骨柱4のいずれか一方で支持する場合である。(c)は、単一の床補強領域Rを、ブレース3が2スパンにわたる3つの鉄骨柱4のうち、いずれか2つの鉄骨柱4で支持する場合である。(d)は、2つの床補強領域Rからなる連設領域Sと、1スパンのブレース3との配置関係であって、一方の床補強領域Rを、ブレース3が接合された2つの鉄骨柱4双方で支持し、他方の床補強領域Rを、ブレース3が接合された2つの鉄骨柱4のいずれか一方で支持する場合である。
(e)は、2つの床補強領域Rからなる連設領域Sおよびこれより1スパン隔てた単一の床補強領域Rと、ブレース3が2スパンにわたる3つの鉄骨柱4との配置関係であって、連設領域Sの一方の床補強領域Rを、ブレース3が接合された2つの鉄骨柱4双方で支持し、連設領域Sの他方の床補強領域Rおよび単一の床補強領域Rを、ブレース3が接合された3つの鉄骨柱4のいずれか一つで支持する場合である。(f)は、2つの床補強領域Rからなる2つの連設領域Sと、1スパンおき3箇所へのブレース3の配置によって、ブレース3が接合された連続6つの鉄骨柱4との配置関係であって、すべての床補強領域Rを、ブレース3が接合された2つの鉄骨柱4で支持する場合である。このように本実施形態にかかる鉄骨造建物の床構造にあっては、ブレース3が接合される少なくとも1つあるいは2つの鉄骨柱4に床補強領域Rを支持させて、水平応力を、床補強領域Rを備えた床2を介してブレース3に負担させるようになっている。
次に、X字状梁6の梁端部を鉄骨柱4へ剛接合するための構成について、図6(a),(b)に示した柱・梁仕口部12の平面断面図を用いて説明する。X字状梁6の梁端部を鉄骨柱4に剛接合できることにより、X字状梁6に作用する水平応力を適切に柱・梁架構、ひいてはブレース3に負担させることができる。
建物1外周部に沿うX方向および建物1内方へ向かうY方向から大梁5x,5y、X・Y方向に挟まれた斜め方向からX字状梁6がそれぞれ接合される本実施形態の柱・梁仕口部12は、下階の下柱上端部および上階の上柱下端部それぞれにダイヤフラム13を接合し、これらダイヤフラム13間に、上・下柱のウエブ位置およびフランジ位置にそれぞれ合わせて、ウエブスティフナー14およびフランジスティフナー15を設けて互いに接合し、ダイヤフラム13それぞれに、X・Y方向大梁5x,5yおよびX字状梁6のフランジ5xf,5yf,6fを接合し、ウエブスティフナー14に、X方向大梁5xのウエブ5xwを接合し、フランジスティフナー15に、Y方向大梁5yのウエブ5ywを接合し、フランジスティフナー15端部に、X字状梁6のウエブ6wを接合するとともに、当該X字状梁6のウエブ6wが接合されたフランジスティフナー15とウエブスティフナー14とを含むボックス形状を構成するために、フランジスティフナー15間に上・下柱のウエブ方向に沿って、言い換えればウエブスティフナー14に沿ってX方向大梁5xのウエブ5xwの表裏に接合した一対の分力スティフナー16を接合して構成される。
ダイヤフラム13は、鋼板製であって、上下2枚一組で設けられる。これらダイヤフラム13は、下側に配置されるダイヤフラム13の下面が下柱の上端部に、また上側に配置されるダイヤフラム13の上面が上柱の下端部に、それぞれ突き合わせ溶接により接合される。これにより、これらダイヤフラム13は、通しダイヤフラム形式とされる。
ウエブスティフナー14は鋼板製であって、上・下柱のウエブ位置に合わせて、ダイヤフラム13間に設けられる。フランジスティフナー15も鋼板製であって、上・下柱の各フランジ位置に合わせて、ダイヤフラム13間に一対設けられる。ウエブスティフナー14およびフランジスティフナー15は、ウエブスティフナー14の両端に一対のフランジスティフナー15の中央それぞれを一体的に溶接接合することで断面をH字状に組み立てられる組立体(ビルトH)17とされる。この組立体17の各鋼板の厚さは、上・下柱のフランジおよびウエブの厚さ以上に設定することが好ましい。このような組立体17に代えて、H型鋼を採用してもよい。
組立体17はダイヤフラム13間に立て向きで配置される。ウエブスティフナー14は、その上下端が各ダイヤフラム13に対し、それぞれ溶接により接合される。フランジスティフナー15も、それらの上下端が各ダイヤフラム13に対し、それぞれ溶接により接合される。溶接方法としては、隅肉溶接、部分溶け込み溶接、突き合わせ溶接があるが、上記の組立体17とダイヤフラム13を接合する場合は、突き合わせ溶接が最も好ましい。
また、フランジスティフナー15の幅寸法は、上柱や下柱のフランジ幅と同一幅でもよいが、X字状梁6のウエブ6wとの接合や、分力スティフナー16との接合に対する余裕を確保するために、上柱や下柱のフランジ幅よりも幾分幅広に設定することが好ましい。これにより、上柱と下柱とは、柱・梁仕口部12において、ダイヤフラム13間に挟まれたウエブスティフナー14およびフランジスティフナー15を介して、高さ方向に一連に接続される。
ダイヤフラム13には、大梁5x,5yおよびX字状梁6のフランジ5xf,5yf,6fが溶接により接合される。詳細には、大梁5x,5yおよびX字状梁6のフランジ5xf,5yf,6fは、それらのウエブ5xw,5yw,6wを、ウエブスティフナー14やフランジスティフナー15と接合すべくダイヤフラム13間に差し込むために、当該差し込み代に対応する長さでウエブ5xw,5yw,6wから切除され、切除によって形成されたこれらフランジ5xf,5yf,6fの切除端がダイヤフラム13に接合される。
X方向大梁5xのウエブ5xwそれぞれは、上下のダイヤフラム13、そしてまたウエブスティフナー14に溶接により接合される。これらX方向大梁5xのウエブ5xwのウエブスティフナー14に対する接合位置は、当該ウエブスティフナー14の両側に一直線に連続するように設定される。また、Y方向大梁5yのウエブ5ywは、上下のダイヤフラム13、そしてまたフランジスティフナー15の表面、すなわちウエブスティフナー14が接合される側とは反対側に溶接により接合される。Y方向大梁5yのウエブ5ywのフランジスティフナー15に対する接合位置は、ウエブスティフナー14と一直線に連続するように設定される。X字状梁6のウエブ6wは、フランジスティフナー15の表面に溶接により接合される。X字状梁6のウエブ6wは、上下のダイヤフラム13にも溶接により接合される。
分力スティフナー16は、一対のフランジスティフナー15間に、ウエブスティフナー14に接合されたX方向大梁5xのウエブ5xwを挟んで一対一組で、上・下柱のウエブ方向に沿って配設される。これら分力スティフナー16は鋼板製であって、その上・下端縁が上下のダイヤフラム13に溶接により接合される。また、右・左端縁の一方は、X字状梁6のウエブ6wが接合された側とは反対側のフランジスティフナー15の裏面に、また他方が、X方向大梁5xのウエブ5xwの表裏面に、いずれも溶接によって接合される。これら分力スティフナー16の接合位置は、X方向大梁5xのウエブ5xwを挟んで互いに一直線状に連続し、かつフランジスティフナー15におけるX字状梁6のウエブ6wの接合箇所に合致するように設定される。溶接方法としては、隅肉溶接、部分溶け込み溶接、突き合わせ溶接があるが、ダイヤフラム13と大梁5x,5yおよびX字状梁6のフランジ5xf,5yf,6fの接合の場合は、突き合わせ溶接もしくは隅肉溶接することが好ましい。
これにより、X字状梁6は、一対のフランジスティフナー15と、ウエブスティフナー14と、一対の分力スティフナー16とによって構成される平断面矩形のボックス形状を備えていて、かつウエブスティフナー14にX方向大梁5xおよびフランジスティフナー15にY方向大梁5yが接合された剛強部分18に接合される。
このように構成された柱・梁仕口部12における鉄骨柱4や大梁5x,5yおよびX字状梁6からのモーメント、せん断力および軸力による作用応力の伝達については、Y方向大梁5yについては、剛強部分18において、殊に、ウエブスティフナー14に接合したフランジスティフナー15によってモーメントを負担させることができる。また、X方向大梁5xについても、剛強部分18において、殊に、分力スティフナー16やウエブスティフナー14によってモーメントを負担させることができる。これにより、X・Y方向大梁5x,5yを鉄骨柱4の柱・梁仕口部12に剛接合することができる。さらに、X字状梁6については、図示したように、当該X字状梁6に作用するモーメントMによる反力モーメントM’を、フランジスティフナー15、ウエブスティフナー14および分力スティフナー16を介してX方向およびY方向のモーメントM’x,M’yとして分散させ、これらフランジスティフナー15、ウエブスティフナー14および分力スティフナー16によって分散させたモーメントM’x,M’yは、X方向大梁5xおよびY方向大梁5yそれぞれに作用するモーメントM’x1,M’y1として負担させることができ、これによりX字状梁6が接合される柱・梁仕口部12であっても、これらX字状梁6を剛接合することができる。
このように分力スティフナー16を利用してX・Y方向大梁5x,5yを柱・梁仕口部12に剛接合できるとともに、さらにX字状梁6についても、ウエブスティフナー14およびフランジスティフナー15に対する分力スティフナー16の作用によって、当該X字状梁6に作用する作用応力を合理的にX・Y方向大梁5x,5y等に分散させて負担させることができて、柱・梁仕口部12に剛接合することができる。この結果、床補強領域Rの各梁5,6の断面を低減することができるとともに、床2の水平剛性や水平方向のせん断耐力を適切に高めることができる。これにより、建物1に作用する水平応力を、X字状梁6を設けた床補強領域Rを備えた床2を介してブレース3に負担させることができる。
図6にあっては、建物1の側面に位置する鉄骨柱4に対してX字状梁6を剛接合する構造が例示されているが、建物1の隅角部に位置する鉄骨柱4に対してもほぼ同様にして、X字状梁6を剛接合することができる。
本実施形態にかかる鉄骨造建物の床構造の作用について説明すると、その構築については、鉄骨柱4および大梁5を建て込んでラーメン構造の柱・梁架構を構築しつつ、建物1外周部の適宜箇所に設定される床欠損領域Lについてはこれを開口部8などとして残し、床2の一般部分については、大梁5間に十字形状の梁10を架設する一方で、床2の建物1外周部に面した適宜箇所に設定される床補強領域Rについては、大梁5で取り囲んだ内方に、4つの鉄骨柱4の柱・梁仕口部12に剛接合してX字状梁6を設置する。その後、床欠損領域Lを除いて、大梁5や十字形状の梁10、X字状梁6の上にこれらに支持させて床材7を敷設して、床2を施工する。また、建物1外周部の柱・梁架構内に、ブレース3を配設する。床補強領域Rは、ブレース3を接合する鉄骨柱4に支持させるように設定する。あるいは、ブレース3を接合した鉄骨柱4で床補強領域Rを支持させるようにする。
本実施形態にかかる鉄骨造建物の床構造にあっては、X字状梁6を設けた床補強領域Rが、当該X字状梁6を鉄骨柱4に剛接合したこととも相俟って、鉛直荷重に対しても、また水平荷重に対しても高い構造性能を発揮する。これにより、建物1に作用する水平応力を負担し伝達する床2の当該床面に沿った水平剛性や水平方向のせん断耐力を効果的に高めることができる。そしてまたこの高い構造性能を有する床補強領域Rを、ブレース3が接合された鉄骨柱4に支持させるようにしたので、外周部に床欠損領域Lがあるために通常の床構造では建物1に作用する水平応力を建物1外周部に配置したブレース3に十分に伝達できない場合でも、床補強領域Rを備えた床2から鉄骨柱4を介して、ブレース3に効果的に伝達して負担させることができる。従って、大梁5の負担も軽減することができ、大梁5断面を小さく設定することができる。
また、床補強領域Rを、大梁5の梁上端にそろえて配設することが可能なX字状梁6によって構築するようにしたので、床コンクリート厚を厚くしたり、床組みに追加的に水平ブレースを増設する場合とは異なり、建物重量の増加や、梁端部および柱・梁仕口部の構造の煩雑化を招くことなく、施工性良く、低コストで、耐震性の高い鉄骨造建物を構築することができる。また、建物内部へのブレースの設置も避けることができる。上記実施形態にあっては、柱・梁仕口部12における各部材の接合をすべて溶接接合として説明したが、ボルト接合を採用してもよいことはもちろんである。
本発明にかかる鉄骨造建物の床構造の好適な一実施形態を示す平面図である。 図1中、床材を取り外した状態のB部拡大概略平面図である。 図1中、A−A線矢視断面図である。 本発明にかかる鉄骨造建物の床構造における、床欠損領域に対する床補強領域の配置パターンの各種例を説明する説明図である。 本発明にかかる鉄骨造建物の床構造における、ブレースに対する床補強領域の配置パターンの各種例を説明する説明図である。 本発明にかかる鉄骨造建物の床構造に適用可能な、X字状梁の鉄骨柱に対する剛接合構造の例を説明する説明図である。
符号の説明
1 建物
2 床
3 ブレース
4 鉄骨柱
5 大梁
6 X字状梁
L 床欠損領域
R 床補強領域
S 連設領域

Claims (6)

  1. 建物外周部の適宜箇所に床欠損領域を有する建物に作用する水平応力を、床を介して、建物外周部の適宜位置に配置したブレースに負担させる鉄骨造建物の床構造であって、
    上記床の建物外周部に面した適宜箇所に、4つの鉄骨柱とこれらを連結する大梁で取り囲んで床補強領域が形成され、該床補強領域は、上記鉄骨柱、上記大梁、並びに互いに対角に位置する該鉄骨柱それぞれに端部が剛接合されたX字状梁で支持され、上記水平応力を、上記床補強領域を備えた上記床を介して上記ブレースに負担させることを特徴とする鉄骨造建物の床構造。
  2. 前記床が、前記床補強領域を2以上連設した連設領域を備えることを特徴とする請求項1に記載の鉄骨造建物の床構造。
  3. 前記床には、前記床補強領域や前記連設領域が適宜間隔を隔てて配設されることを特徴とする請求項2に記載の鉄骨造建物の床構造。
  4. 前記ブレースが接合される前記鉄骨柱に前記床補強領域が支持されることを特徴とする請求項1〜3いずれかの項に記載の鉄骨造建物の床構造。
  5. 前記ブレースが接合される少なくとも1つの前記鉄骨柱に前記床補強領域が支持されることを特徴とする請求項1〜4いずれかの項に記載の鉄骨造建物の床構造。
  6. 前記ブレースが接合される2つの前記鉄骨柱に前記床補強領域が支持されることを特徴とする請求項1〜5いずれかの項に記載の鉄骨造建物の床構造。
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