JP2012061982A - エアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベントホール36bを閉塞可能とするとともに、エアバッグ32の内部にて第1基布36及び第2基布37に縫製されたベントホールカバー50を備え、ベントホールカバー50は、乗員Jの第2基布37への衝突により移動し、ベントホール36bを開放することを特徴とする。
【選択図】図8
Description
また、エアバッグの内圧が過剰に上昇するのを防止するために、ガス排出用のベントホールをエアバッグに設ける構成も知られている。
また、特許文献3には、ベントホールカバーを覆うガイド部材を備え、破断接合部が破断されたときにガイド部材によってベントホールカバーの移動を案内する構成が記載されている。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明するエアバッグ装置は、車両の運転者用にハンドル内に格納されたエアバッグ装置の態様であり、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ車両における向きと同一とする。また、図中において、矢印UPは車両の上下方向における上方を示している。
図1に示すように、運転席のシート11の前方に配置されたステアリングホイール12の内部に、エアバッグ装置13が収納されている。
図2に示すように、ステアリングホイール12はステアリングシャフト14の後端にナット15によりボス部16が固定され、ボス部16にカップ状のフロントカバー17が固定されている。フロントカバー17の周縁には、フロントカバー17を閉塞するように複数のボルト18によりリヤカバー19が固定されている。フロントカバー17の外周面には放射状に延びる複数のスポーク部20が取り付けられ、このスポーク部20にステアリングホイール本体21が支持されている。
リヤカバー19の内面には破断を促進するためのティアライン19aが形成されている。リヤカバー19を正面から見たときにティアライン19aは略H字状に形成されており、リヤカバー19はこのティアライン19aに沿って破断し、図2中上側及び下側に分かれて展開するようになる。
図3はエアバッグの分解斜視図であり、図4はエアバッグを前方から見た平面図である。また、図5は図4のB−B線に沿う断面図である。
図3〜図5に示すように、円形のエアバッグ32は前側(ステアリングホイール12側)に配置された第1基布36と、その前面側(乗員側)に配置された第2基布37とを備え、これら第1基布36と第2基布37の外周部が縫製部38で一体に縫製されたものである。また、重ね合わされた第1基布36及び第2基布37は、縫製部38の内側で、渦巻き状の複数の縫製部39で縫製されている。なお、本実施形態では渦巻き状の縫製部39を3個としているが、2個あるいは4個以上であってもよい。また、外周の縫製部38はエアバッグ32の膨張時に破断しないように太めの糸で強固に縫製されているが、その内側の渦巻き状の3つの縫製部39はエアバッグ32の膨張時に破断できるように細目の糸で脆弱に縫製されている。
渦巻き状の縫製部39の径方向内端39aはエアバッグ32の中心を指向しており、エアバッグ32の展開時に径方向内端39aに応力を集中させて縫製部39の破断開始を促進している。
開口36aは第1基布36の中心に配置され、インフレータ31の先端部をエアバッグ32内に挿入するようになっている(図5参照)。そして、インフレータ31の先端をエアバッグ32内に挿入した後、上述したように固定リング33の後面とリテーナ22の前面との間に、第1基布36を挟み込んだ状態で固定リング33とリテーナ22とが複数のボルト34で締め付けられている。そのため、インフレータ31が発生するガスは第1基布36の中心の開口36aからエアバッグ32の内部に供給される。
図6に示すように、閉塞部53とガイド部材61とは、縫製部58によって第1基布36に共縫いされている。縫製部58は、ガイド部材61の上部及び左右の周縁部を囲むコ字状とされ、そのうち上縫製部58aにより閉塞部53が第1基布36に共縫いされている。すなわち、閉塞部53は、左右縫製部58bの内側に配置されるとともに、長手方向一端側(上端側)のみが上縫製部58aによって第1基布36に縫製されている。これにより、閉塞部53は、第1基布36、ガイド部材61、及び左右縫製部58bに囲まれた案内路62内を、左右縫製部58bの延在方向(上下方向)に沿って移動可能に構成されている。
次に、上述したエアバッグ装置の作用について説明する。
本実施形態のエアバッグ装置13では、車両衝突時に所定以上の重力加速度が検出されるとインフレータ31が点火し、折り畳まれたエアバッグ32がインフレータ31から発生するガスで膨張を開始する。エアバッグ32が膨張するとこの圧力を受けてリヤカバー19はティアライン19aで破断し、そこに形成された開口からエアバッグ32が車室内に展開する。
図7に示すように、エアバッグ32が膨張するときに3つの渦巻き状の縫製部39が第1基布36、第2基布37を一体に接合しているので、エアバッグ32が一気に膨張するのを防止して、まずは小容量のエアバッグ32を早期に形成する(図7中第1展開状態A)。この際、第1基布36及び第2基布37同士がベントホールカバー50によって連結されているので、エアバッグ32の展開幅Hは、ベントホールカバー50の規制部54,55の長さと同等になる。すなわち、エアバッグ32は、前後方向に扁平な形状に展開する。
ここで、図8に示すように、エアバッグ32の最終展開状態Dにおいて、乗員Jがエアバッグ32に衝突した場合、衝突によりエアバッグ32が変形することで、エアバッグ32の中央部において展開幅Hが減少する。このとき、展開幅Hを規制しているベントホールカバー50の規制部54,55は第1基布36及び第2基布37の間で前後方向に緩む(規制部54,55による規制が解除される)。また、衝突によるエアバッグ32の内圧の上昇により、ガイド部材61の貫通孔61aを通じて閉塞部53が前方(外方)に向けて押し出される。このとき、閉塞部53に連結された第2規制部55は、閉塞部53の移動に引っ張られるように案内路62内(第1基布36とガイド部材61との間)を上方に向かって移動する。これにより、閉塞部53がベントホール36bから外部に向けて飛び出し、ベントホール36bが開放する。
この構成によれば、乗員の衝突によりエアバッグ32の形状が変化して、エアバッグ32の展開幅Hが減少することで、ベントホール36bを閉塞している閉塞部53がベントホール36bから外方に押し出され、エアバッグ32が開放する。これにより、エアバッグ32内のガスがベントホール36bから排出され、エアバッグ32の内圧の上昇を防止することができる。すなわち、乗員が第2基布37に衝突した時点でエアバッグ32を開放して、エアバッグ32の内圧を緩和できるので、乗員の接触時期に応じた理想のエネルギー吸収量で乗員を拘束できる。
また、ガイド部材61にベントホール36bと重なるように貫通孔61aを形成することで、エアバッグ32の内圧が貫通孔61aを通じて閉塞部53に作用することになる。これにより、エアバッグ32の内圧上昇時に速やかにベントホール36bを開放できる。
また、本実施形態のベントホールカバー50は、各ベース部51,52、閉塞部53及び各規制部54,55が一体的に形成されているので、それぞれを別々に形成する場合に比べて縫製工程を削減できる。
例えば、ベントホールカバー50の形状は、上述した実施形態に限るものではなく、エアバッグ32の展開幅Hを規制しつつ、閉塞部53を閉塞するものであれば、適宜設計変更が可能である。
また、上述した実施形態ではハンドル内に格納されたエアバッグ装置の態様で説明したが、この発明はハンドル内格納式以外のエアバッグ装置にも適用可能である。
Claims (6)
- ステアリング側に配置される第1基布と、乗員側に配置される第2基布との外周部同士が接合されることによって構成されるエアバッグ袋体を備えたエアバッグ装置であって、
前記第1基布には、インフレータに接続されるインフレータ開口と、前記インフレータ開口の側方に設けられたベントホールと、が形成され、
前記ベントホールを閉塞可能とするとともに、前記エアバッグ袋体の内部にて前記第1基布及び前記第2基布に縫製されたベントホールカバーを備え、
前記ベントホールカバーは、前記乗員の前記第2基布への衝突により移動し、前記ベントホールを開放することを特徴とするエアバッグ装置。 - 前記ベントホールカバーは、前記第1基布及び前記第2基布の中央部に縫製されて前記エアバッグ袋体の展開時における展開幅を規制する展開幅規制基布を備え、前記乗員の前記第2基布への衝突による前記展開幅の減少に伴い移動して、前記ベントホールを開放することを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。
- 前記第1基布には、前記ベントホールカバーを間に挟んで前記ベントホールを覆うとともに、前記ベントホールカバーの移動を案内するガイド部材が設けられ、
前記ベントホールカバーは、前記乗員の前記第2基布への衝突により前記ガイド部材内を移動して、前記ベントホールを開放することを特徴とする請求項1または請求項2記載のエアバッグ装置。 - 前記ベントホールカバーは、一部が前記ガイド部材と共縫いされることで、前記第1基布に固定されていることを特徴とする請求項3記載のエアバッグ装置。
- 前記ガイド部材には、前記ベントホールと重なる位置に貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4記載のエアバッグ装置。
- 前記ベントホールカバーは、前記エアバッグ袋体の展開時における展開幅を規制する展開幅規制基布と、前記ベントホールを閉塞可能な閉塞部と、を備え、
前記展開幅規制基布は、前記第1基布に縫製された第1ベース部と、前記第2基布に縫製された第2ベース部と、前記第1ベース部及び前記第2ベース部を連結する第1規制部と、前記第2基布及び前記閉塞部を連結する第2規制部と、を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載のエアバッグ装置。
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