JP2012061679A - 帯電防止用積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材フィルムと、前記基材フィルム上に直接又は他の層を介して形成された硬化層と、を備え、前記硬化層は、少なくとも、π共役構造を有する導電性ポリマーと、π共役構造を有する(メタ)アクリレートと、を含有する液状硬化性組成物から形成され、かつ、表面抵抗値が1×1010Ω/□以下である帯電防止用積層体。
【選択図】なし
Description
帯電防止用積層体を製造する際に、帯電防止剤として導電性粒子、例えば、金属粉、アンチモンがドープされた酸化スズや、リンがドープされた酸化スズの他、酸化アンチモン、アンチモン酸亜鉛、酸化チタン、ITO(インジウムチンオキサイド)などの無機粒子等を使用する方法がある。
この積層体の表面に帯電防止剤を塗布する方法は、確実に目的とする帯電防止性能が付与できるだけでなく、その性能レベルのコントロールが容易であるため、有効な方法として広く採用されている。
例えば、特許文献1には、イオン導電性の成分として、スルホン酸及びリン酸モノマーを含有する組成物が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載の発明は、イオン伝導性物質を用いているが帯電防止性能が十分ではなく、また乾燥により性能が変動するという問題があった。
本発明の実施の形態に係る帯電防止用積層体は、基材フィルムに直接もしくは他の層を介して硬化層を形成した帯電防止用積層体であって、前記硬化層は、少なくともπ共役構造を有する導電性ポリマー、π共役構造を有する(メタ)アクリレート、及び液屈折率1.49以下である(メタ)アクリレートを含有する液状硬化性組成物から形成され、前記硬化層の表面抵抗値が1×1010Ω/□以下である帯電防止用積層体に関するものである。すなわち、本発明の実施の形態に係る帯電防止用積層体は、基材フィルム、硬化層(ハードコート層)、もしくは、硬化層上にさらに低屈折率層(反射防止膜)を形成した構成を有する。なお、本発明において、屈折率とは、25℃における波長589nmの屈折率をいう。
本発明の実施の形態に係る帯電防止用積層体における硬化層について説明する。
本発明の実施の形態に係る硬化層は、後述する液状硬化性組成物を塗布、乾燥した後に、放射線を照射して、組成物を硬化させることにより得ることができる。硬化層は、優れた耐擦傷性、密着性を有するため、ハードコートとして有用である。また、硬化層は、基材フィルム上に直接又は他の層を介して形成される。
本発明の実施の形態に係る帯電防止用積層体における基材フィルムと、硬化層との波長589nmにおける屈折率差は0.1以下である。屈折率差が0.1を超えると、基材フィルムと硬化層の界面で反射が発生し、虹色の干渉ムラの原因となるため好ましくない。
液状硬化性組成物は、(A)導電性ポリマー、(B)π共役構造を有する(メタ)アクリレート、(C)液屈折率が1.49以下の(メタ)アクリレート、(D)光重合開始剤、(E)溶剤、及び必要に応じて、非導電性粒子、添加剤等をそれぞれ添加し、室温又は加熱条件下で混合することにより調製することができる。具体的には、ミキサ、ニーダー、ボールミル、三本ロール等の混合機を用いて、調製することができる。
このような成分を有する液状硬化性組成物は、π共役構造を有さないアクリレート等を配合することにより得られる液状硬化性組成物と比較して導電性に優れる。さらに、硬化層(ハードコート)の屈折率を調節することで基材フィルム上での干渉ムラを低減することができる。
以下、各成分について詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係る導電性ポリマーは、π共役構造を有する。具体的には、ポリチオフェン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリアセチレン、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリアニリン、ポリピロール、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン、ポリ(2−メトキシ−5−(2'−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレン)、ポリ(1−ブチ−2−フェニルアセチレン)、ポリ(1−フェニル−2−(4'−tert−ブチルフェニル)アセチレン等が用いられるが、好ましくは、ポリチオフェンである。導電性ポリマーは1種単独で配合してもよいし、2種以上を併用して配合してもよい。
本発明の実施の形態に係る液状硬化性組成物に含有される導電性ポリマー:成分(A)の配合量は、組成物中の溶剤を除く成分全量100重量部に対して、0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部である。成分(A)が0.1〜30重量%であると、十分な帯電防止性能が得られる。
π共役構造には、例えば、ベンゼン環、フルオレン骨格が挙げられる。ここで、π共役とは、二重結合が1本の単結合を隔てて隣接した関係をいう。電子は二重結合上に局在するのではなく、隣の単結合上に広がって非局在化しており、これにより、共役二重結合は安定化する。
液屈折率が1.49以下の(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−ビニルホルムアミド、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、PEG200ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、シリコーンウレタンアクリレート等が挙げられる。この中でも2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−ビニルホルムアミド、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、PEG200ジアクリレート、シリコーンウレタンアクリレート等が好ましい。これらは、1種単独で配合してもよいし、2種以上を併用して配合してもよい。
本発明の実施の形態に係る重合開始剤として、放射線(光)照射により活性ラジカル種を発生させる化合物(放射線(光)重合開始剤)を挙げることができる。
尚、本明細書において、放射線とは、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等を意味する。
本発明の実施の形態に用いられる溶剤は、特に制限されるものではないが、通常、常圧での沸点が200℃以下の溶剤が好ましい。具体的には、水、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、炭化水素類、アミド類等が用いられる。これらは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の実施の形態に係る溶剤は、液状硬化性組成物の希釈剤として機能する。
本発明の実施の形態では、液状硬化性組成物が分離、ゲル化等の不具合を起こさない範囲で、非導電性粒子、又は非導電性粒子とアルコキシシラン化合物とを有機溶媒中で反応させて得られる粒子を併用してもよい。
液状硬化性組成物には、その他の添加剤として、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、滑材、スケールコントロール剤等を必要に応じて配合することができる。酸化防止剤としては、チバスペシャルティケミカルズ(株)製 商品名:イルガノックス1010、1035、1076、1222等を挙げることができる。また、紫外線吸収剤としては、チバスペシャルティケミカルズ(株)製 商品名:チヌビン P234、320、326、327、328、213、329、シプロ化成(株)製 商品名:シーソーブ102、103、501、202、712等を挙げることができる。さらに、光安定剤としては、チバスペシャルティケミカルズ(株)製 商品名:チヌビン292、144、622LD、三共(株)製 商品名:サノ−ルLS770、LS440、住友化学工業(株)製 商品名:スミソーブ TM−061等、スケールコントロール剤としては東亜合成(株)製 商品名:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(ATBS)、旭化成ファインケム(株)製:ビニルアリルスルホン酸等を挙げることができる。
本発明の実施の形態に係る帯電防止用積層体を光学フィルム等として用いる場合には、上記硬化層の上に低屈折率層を設けることが好ましい。すなわち、屈折率1.47以下、好ましくは、屈折率1.45以下の低屈折率層を形成することが好ましい。具体的には、中空シリカ粒子、(メタ)アクリロイル基を含有する含フッ素化合物等を配合した硬化性組成物等が用いられる。
本発明の実施の形態に係る基材フィルムとしては、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック、金属、セラミックス、ガラス、木材、スレート等、特に制限はないが、この中でも、ポリビニルアルコールから製造される偏光子との接着が容易な点で、トリアセチルセルロース(TAC)が好ましく適用される。ここで、TACの屈折率は1.49〜1.50である。
本発明の実施の形態に係る基材フィルムに、硬化層を形成する場合、他の層を介してもかまわない。具体的には、高屈折率層を積層することも可能である。
(エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体の合成)
内容積1.0リットルの電磁攪拌機付きステンレス製オートクレーブを窒素ガスで十分置換した後、酢酸エチル600g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)138.5g、エチルビニルエーテル37.5g、ヒドロキシエチルビニルエーテル45.9g、過酸化ラウロイル1.5g、アゾ基含有ポリジメチルシロキサン(VPS1001(商品名)、和光純薬工業(株)製)9.0g及びノニオン性反応性乳化剤(ER−30(商品名)、旭電化工業(株)製)45gを仕込み、ドライアイス−メタノールで−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。
この溶液をアルミ皿に2g秤量後、150℃のホットプレート上で5分間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、15.0質量%であった。
(ベンゼン環含有ウレタンアクリレートの合成)
撹拌機を取り付けた3つ口フラスコに2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(吉富ファインケミカル、ヨシノックスBHT)0.072g、テトラメチロールメタントリアクリレート(新中村化学株式会社製、NKエステル A−TMM−3LM−N)を67.16g、2,4−トリレンジイソシアナート(三井化学ポリウレタン社製、TOLDY−100)22.74gを仕込み、氷浴にて冷却した。そこに、ジラウリル酸ジオクチル錫(共同薬品社製、KS−1200−A)0.206gを添加した後、30℃以下で2時間撹拌した。次いで3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジオール(和光純薬工業株式会社製、和光一級試薬)9.81gを添加した。その後、60℃まで昇温し、2時間加熱した。このようにして下記の化学構造式で示されるベンゼン環含有ウレタンアクリレート(PETA−TDI−TEG−TDI−PETA)を得た。
(ベンゼン環を含有しないウレタンアクリレートの合成)
攪拌機付きの容器内のイソホロンジイソシアネート 18.8部と、ジブチル錫ジラウレート 0.2部とからなる溶液に対し、新中村化学製NKエステルA−TMM−3LM−N 93部を、10℃、1時間の条件で滴下した後、60℃、6時間の条件で攪拌し、ベンゼン環を含有しないウレタンアクリレート(PETA−IPDI−PETA)を得た。
<硬化層の製造>
(液状硬化性組成物の調製)
紫外線を遮蔽した容器中において、ウレタンアクリレートオリゴマー(PETA−TDI−PETA)(サートマー・ジャパン株式会社製:CN997)69.44重量部、テトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製:ビスコート#150)23.15重量部、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン株式会社製:イルガキュア184)4.63重量部、導電性ポリマー溶液(信越ポリマー株式会社製:セプルジーダSAS−PE−S03)55.56重量部(固形分として2.78重量部)、エチレングリコール(和光純薬工業株式会社製、和光一級試薬)2.50重量部及び酢酸n−ブチル(協和発酵ケミカル株式会社製:酢酸ブチル−S)130.44重量部を室温にて1時間撹拌することで均一な液状硬化性組成物を得た。
この組成物をアルミ皿に2g秤量後、80℃のホットプレート上で5分間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、35.0重量%であった。
上記で調製した硬化性組成物を、ワイヤーバーコーター(12ミル)を用いて、厚さ80μmのTACフィルム基材上に膜厚4μmとなるように塗工した。80℃で2分間乾燥した後、高圧水銀灯を用いて空気下、照射量0.3J/cm2で紫外線を照射して硬化層を作製した。
(反射防止膜材料の製造方法)
合成例1で作製したエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体のMIBK溶液を56.0重量部(固形分として8.4重量部)、中空シリカ粒子のMIBKゾル(日揮触媒化成株式会社製:ELCOM JX1009SIV)226.24重量部(固形分として50.0重量部)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬株式会社製:PET−30)21.0重量部、アクリロイルモルホリン(株式会社興人製:ACMO)5.6重量部、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(チバ・ジャパン株式会社製:イルガキュア127)3.0重量部、ポリジメチルシロキサン(和光純薬工業株式会社製:VPS1001)3.0重量部、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物(大日本インキ化学工業株式会社製:F−444)0.5重量部及びMIBK2082.67重量部を、攪拌機をつけたガラス製セパラブルフラスコに仕込み、室温にて1時間攪拌し均一な硬化性樹脂組成物を得た。この溶液をアルミ皿に2g秤量後、150℃のホットプレート上で5分間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、4.0重量%であった。
上記で得られた各硬化性組成物を、ワイヤーバーコータを用いて上記で得られた硬化性組成物塗工用基材フィルムの硬化層(ハードコート)上に膜厚0.1μmとなるように塗工し、80℃で1分間乾燥し、塗膜を形成した。次いで、窒素気流下、高圧水銀ランプを用いて、600mJ/cm2の光照射条件で紫外線を照射し、反射防止膜を作製した。反射防止膜の屈折率は1.37であった。
実施例1におけるウレタンアクリレートオリゴマー(サートマー・ジャパン株式会社製:CN997)69.44重量部を、合成例2で得られたベンゼン環含有ウレタンアクリレート69.44重量部に変更した以外は、実施例1と同様に液状硬化性組成物を製造した。
上記で製造した液状硬化性組成物を用いて、実施例1と同様にして積層体を作製した。
実施例1におけるテトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製:ビスコート#150)23.15重量部を、シリコーンウレタンアクリレート(Miwon Specialty Chemical Co., Ltd.:MIRAMER SIU2400)23.15重量部に変更した以外は、実施例1と同様に液状硬化性組成物を製造した。
上記で製造した液状硬化性組成物を用いて、実施例1と同様にして積層体を作製した。
実施例1におけるウレタンアクリレートオリゴマー(サートマー・ジャパン株式会社製:CN997)69.44重量部を、合成例3で得られたPETA−IPDI−PETA69.44重量部に変更した以外は実施例1と同様に液状硬化性組成物を製造した。
上記で製造した液状硬化性組成物を用いて、実施例1と同様にして積層体を作製した。
実施例1におけるウレタンアクリレートオリゴマー(サートマー・ジャパン株式会社製:CN997)69.44重量部を、ビスフェノール系ビニルエステル(昭和電工株式会社:リポキシ VR−77)69.44重量部に変更した以外は、実施例1と同様に液状硬化性組成物を製造した。
上記で製造した液状硬化性組成物を用いて、実施例1と同様にして積層体を作製した。
実施例1におけるウレタンアクリレートオリゴマー(サートマー・ジャパン株式会社製:CN997)69.44重量部を、9.9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(新中村化学工業株式会社:NKエステル A−BPEF)69.44重量部に変更した以外は、実施例1と同様に液状硬化性組成物を製造した。
上記で製造した液状硬化性組成物を用いて、実施例1と同様にして積層体を作製した。
実施例1におけるウレタンアクリレートオリゴマー(サートマー・ジャパン株式会社製:CN997)69.44重量部を、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社:KAYARAD DPHA)69.44重量部に変更した以外は、実施例1と同様に液状硬化性組成物を製造した。
上記で製造した液状硬化性組成物を用いて、実施例1と同様にして積層体を作製した。
実施例1におけるウレタンアクリレートオリゴマー(サートマー・ジャパン株式会社製:CN997)69.44重量部を92.59重量部とし、テトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製:ビスコート#150)23.15重量部を削除した以外は、実施例1と同様に液状硬化性組成物を製造した。
上記で製造した液状硬化性組成物を用いて、実施例1と同様にして積層体を作製した。
実施例1におけるπ共役系導電性ポリマー信越ポリマー株式会社製セプルジーダSAS−PE−S03 2.78重量部を、信越ポリマー株式会社製:セプルジーダSAS−PE−J01 2.78重量部に変更した以外は、実施例1と同様に液状硬化性組成物を製造した。
上記で製造した液状硬化性組成物を用いて、実施例1と同様にして積層体を作製した。
基材フィルム(TAC)上に、後述する実施例及び比較例で得られた液状硬化性組成物を用いた硬化層(ハードコート層)を備える帯電防止用積層体を得た。また、必要に応じて、硬化層上に低屈折率層(反射防止膜)を形成した。
この帯電防止用積層体の表面抵抗、ヘーズ、全光線透過率、干渉ムラ、耐擦傷性、及び温熱耐性を測定した。得られた結果を表1に示す。
帯電防止用積層体(ハードコート層/TAC積層体、及び低屈折率層/ハードコート層/TAC積層体)をハイ・レジスタンス・メーター(アジレント・テクノロジー(株)製 Agilent4339B)、及びレジスティビティ・セル16008B(アジレント・テクノロジー(株)製)を用い、印加電圧100Vの条件で測定した。得られた結果を表1に示す。
帯電防止用積層体(ハードコート層/TAC積層体、及び低屈折率層/ハードコート層/TAC積層体)のヘーズ(%)を、カラーヘーズメーター(スガ試験機(株)製)を用いて、JIS K7105に準拠して測定した。得られた結果を表1に示す。
帯電防止用積層体(ハードコート層/TAC積層体、及び低屈折率層/ハードコート層/TAC積層体)の全光線透過率(%)を、カラーヘーズメーター(スガ試験機(株)製)を用いて、JIS K7105に準拠して測定した。得られた結果を表1に示す。
帯電防止用積層体(屈折率層/ハードコート層/TAC積層体)の裏面(TACのハードコート層/低屈折率層の逆側)に黒色テープを貼り付け、蛍光灯下にて目視で確認し、下記評価基準に従って評価した。得られた結果を表1に示す。
○;干渉ムラなし ×;干渉ムラあり
帯電防止用積層体(低屈折率層/ハードコート層/TAC積層体)を、スチールウール(ボンスターNo.0000、日本スチールウール(株)製)を学振型摩擦堅牢度試験機(AB−301、テスター産業(株)製)に取りつけ、帯電防止用積層体の表面を荷重500gの条件で10回繰り返し擦過し、当該帯電防止用積層体の表面における傷の発生の有無を、目視で確認し、下記評価基準に従って評価した。得られた結果を表1に示す。
○;無傷 ×;傷あり
帯電防止用積層体(低屈折率層/ハードコート層/TAC積層体)を、60℃/90%RH環境下で500時間保管し、24時間状態調整した後のヘーズ、表面抵抗を測定した。得られた結果を表1に示す。
○;ヘーズ、表面抵抗ともに初期物性に変化なし
×;ヘーズ、表面抵抗のどちらか、もしくは両方が上昇(悪化)する
SAS−PE−S03:信越ポリマー株式会社製セプルジーダSAS−PE−S03
SAS−PE−J01:信越ポリマー株式会社製セプルジーダSAS−PE−J01
PETA−TDI−PETA:サートマー・ジャパン株式会社製CN997(トリレンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの反応物)
PETA−TDI−TEG−TDI−PETA:合成例2で製造したウレタンアクリレート
PETA−IPDI−PETA:合成例3で製造したウレタンアクリレート
ビスフェノール系ビニルエステル:昭和高分子株式会社製リポキシ VR−77(ビスフェノールAエポキシジアクリレート)
シリコーンウレタンアクリレート:Miwon社製MIRAMER SIU2400
Irg.184:BASF社製Irgacure184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)
Claims (12)
- 基材フィルムと、
前記基材フィルム上に直接又は他の層を介して形成された硬化層と、を備え、
前記硬化層は、
少なくとも、π共役構造を有する導電性ポリマーと、π共役構造を有する(メタ)アクリレートと、を含有する液状硬化性組成物から形成され、かつ、
表面抵抗値が1×1010Ω/□以下である帯電防止用積層体。 - 前記π共役構造を有する(メタ)アクリレートのπ共役構造に、ウレタン結合が直結することを特徴とする請求項1に記載の帯電防止用積層体。
- 波長589nmにおける前記基材フィルムと前記硬化層との屈折率差が、0.1以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の帯電防止用積層体。
- 前記液状硬化性組成物が、液屈折率1.49以下である(メタ)アクリレートを、さらに含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の帯電防止用積層体。
- 前記液状硬化性組成物が、液屈折率1.47以下である(メタ)アクリレートを、さらに含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の帯電防止用積層体。
- 前記硬化層上に、屈折率1.47以下の低屈折率層を、さらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の帯電防止用積層体。
- 前記低屈折率層の膜厚が70〜150nmであることを特徴とする請求項6に記載の帯電防止用積層体。
- 前記基材フィルムが、トリアセチルセルロース(TAC)基材であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の帯電防止用積層体。
- π共役構造を有する導電性ポリマーと、
π共役構造を有する(メタ)アクリレートと、を含有する液状硬化性組成物。 - 前記π共役構造を有する(メタ)アクリレートのπ共役構造に、ウレタン結合が直結することを特徴とする請求項9に記載の液状硬化性組成物。
- 液屈折率1.49以下の(メタ)アクリレートを、さらに含有することを特徴とする請求項9又は10に記載の液状硬化性組成物。
- 液屈折率1.47以下の(メタ)アクリレートを、さらに含有することを特徴とする請求項9又は10に記載の液状硬化性組成物。
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