JP2008248098A - 液状硬化性組成物、硬化膜及び帯電防止用積層体 - Google Patents

液状硬化性組成物、硬化膜及び帯電防止用積層体 Download PDF

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慎 羽鳥
Akihisa Inoue
明久 井上
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Abstract

【課題】硬化性に優れ、かつ、各種基材の表面に、帯電防止性、及び硬度に優れ、さらに耐久性にも優れた硬化膜を形成し得る液状硬化性組成物を提供する。
【解決手段】(A1)3,4−エチレンジオキシチオフェンを、過酸化水素水及びp−トルエンスルホン酸塩の存在下で重合させた重合体、(A2)イソプレンスルホン酸(共)重合体、(B)分子内に2以上の重合性不飽和基を有する化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)溶剤を含有する液状硬化性組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、液状硬化性組成物に関する。さらに詳しくは、帯電防止性を有する硬化膜を与える液状硬化性組成物、それを硬化させた硬化膜及び帯電防止用積層体に関する。
従来、情報通信機器の性能確保と安全対策の面から、機器の表面に、放射線硬化性組成物を用いて、耐擦傷性、密着性を有する塗膜(ハードコート)や帯電防止機能を有する塗膜(帯電防止膜)を形成することが行われている。
近年、情報通信機器の発達と汎用化は目覚しいものがあり、ハードコート、帯電防止膜等のさらなる性能向上及び生産性の向上が要請されるに至っている。
特に、光学物品、例えば、プラスチックレンズにおいては、静電気による塵埃の付着の防止と、反射による透過率の低下の改善が要求されており、また、表示パネルにおいても、静電気による塵埃の付着の防止と、画面での映り込みの防止が要求されるようになってきている。
これらの要求に対して、生産性が高く、常温で硬化できることに注目し、放射線硬化性の材料が種々提案されている。
このような技術としては、例えば、イオン伝導性の成分として、スルホン酸及びリン酸モノマーを含有する組成物(特許文献1)、連鎖状の金属粉を含有する組成物(特許文献2)、酸化錫粒子、多官能アクリレート、及びメチルメタクリレートとポリエーテルアクリレートとの共重合物を主成分とする組成物(特許文献3)、導電性複合体で被覆した顔料を含有する導電塗料組成物(特許文献4)、3官能アクリル酸エステル、単官能性エチレン性不飽和基含有化合物、光重合開始剤、及び導電性粉末を含有する光ディスク用材料(特許文献5)、シランカップラーで分散させたアンチモンドープされた酸化錫粒子とテトラアルコキシシランとの加水分解物、光増感剤、及び有機溶媒を含有する導電性塗料(特許文献6)、分子中に重合性不飽和基を含有するアルコキシシランと金属酸化物粒子との反応生成物、3官能性アクリル化合物、及び放射線重合開始剤を含有する液状硬化性樹脂組成物(特許文献7)、一次粒子径が100nm以下の導電性酸化物微粉末、該導電性酸化物微粉末の易分散性低沸点溶剤、該導電性酸化物微粉末の難分散性低沸点溶剤、及びバインダー樹脂を含有する透明導電性膜形成用塗料(特許文献8)等を挙げることができる。
特開昭47−34539号公報 特開昭55−78070号公報 特開昭60−60166号公報 特開平2−194071号公報 特開平4−172634号公報 特開平6−264009号公報 特開2000−143924号公報 特開2001−131485号公報
しかしながら、上記のような従来の技術は、それぞれ一定の効果を発揮するものの、近年における、ハードコート、帯電防止膜としての全ての機能を十全に具備することが要請される硬化膜としては、必ずしも十分に満足し得るものではなかった。
例えば、上述の先行技術文献にあるような従来の技術には、下記のような問題があった。特許文献1に記載された組成物は、イオン伝導性物質を用いているが帯電防止性能が十分ではなく、乾燥により性能が変動する。特許文献2に記載された組成物は、粒径の大きい連鎖状の金属粉体を分散させるため透明性が低下する。特許文献3に記載された組成物は、非硬化性の分散剤を多量に含むため、硬化膜の強度が低下する。特許文献5に記載された材料は、高濃度の帯電性無機粒子を配合するため、透明性が低下する。特許文献6に記載された塗料は、長期保存安定性が十分ではない。特許文献7には、帯電防止性能を有する組成物の製造方法について何らの開示がない。特許文献8に記載された塗料を塗布、乾燥して透明導電性膜を形成した場合、バインダーの配合物からなる有機マトリックスに架橋構造を設けていないため、有機溶剤耐性が十分とは言えない。
帯電防止性能を高めるために導電性粒子の配合量を多くすることは容易に想到し得るが、その場合、硬化膜による可視光吸収の増加により透明性が低下するとともに、紫外線透過性の低下により硬化性が低下したり、基材との密着性、塗布液のレベリング性が損なわれるという問題を避けることができなかった。一方、導電性粒子の配合量を少なくすると、充分な帯電防止性能が発現しない。
本発明は、上述の問題に鑑みなされたもので、導電剤として導電性粒子ではなく導電性ポリマーとドーパントからなる導電性複合体を用い、かつ導電性複合体の配合量が僅かであっても、充分な帯電防止性能を発現することができ、硬化性に優れ、かつ、各種基材の表面に、帯電防止性、及び硬度に優れ、さらに耐久性にも優れた硬化膜を形成し得る液状硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上述の課題を解決するべく鋭意研究した結果、特定の酸化剤を用いて重合させたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)と、特定のドーパントとを含む導電性複合体、特定の重合性不飽和基を有する化合物、光重合開始剤、及び溶剤を含有した組成物とすることにより、特に、導電性複合体の配合量が極少量であっても優れた初期導電性を発揮しかつ透明性に優れ、さらに各種条件下において表面抵抗値の上昇を抑制できる耐久性を付与し得ることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の液状硬化性組成物、硬化膜及び帯電防止用積層体を提供するものである。
1.下記成分(A1)、(A2)、(B)、(C)及び(D):
(A1)3,4−エチレンジオキシチオフェンを、過酸化水素水及びp−トルエンスルホン酸塩の存在下で重合させた重合体
(A2)イソプレンスルホン酸(共)重合体
(B)分子内に2以上の重合性不飽和基を有する化合物
(C)光重合開始剤
(D)溶剤
を含有する液状硬化性組成物。
2.前記3,4−エチレンジオキシチオフェン、過酸化水素水及びp−トルエンスルホン酸塩の配合割合(モル比)が、1:0.1〜2:0.1〜1である上記1に記載の液状硬化性組成物。
3.前記成分(A1)及び(A2)の合計の配合量が、溶剤を除く組成物中の全固形分量を100重量%としたときに、0.5〜5重量%の範囲内である上記1又は2に記載の液状硬化性組成物。
4.前記成分(B)の化合物が有する重合性不飽和基が(メタ)アクリロイル基である上記1〜3のいずれかに記載の液状硬化性組成物。
5.前記成分(D)の溶剤が、水及びアルコール系有機溶剤を含む上記1〜4のいずれかに記載の液状硬化性組成物。
6.上記1〜5のいずれかに記載の液状硬化性組成物を硬化して得られる、表面抵抗値が1×1012Ω/□以下である硬化膜。
7.上記1〜5のいずれかに記載の液状硬化性組成物に放射線を照射して、該組成物を硬化せしめる工程を有する硬化膜の製造方法。
8.上記1〜5のいずれかに記載の液状硬化性組成物を硬化してなる硬化膜層を有する帯電防止用積層体。
本発明によれば、導電性複合体の含有量が極少量であっても、充分な初期導電性を発現させることができ帯電防止性能に優れ、かつ透明性に優れた硬化膜を得ることができる。
本発明によれば、長時間の乾熱条件下、湿熱条件下及び光暴露条件下において、表面抵抗値の変動が小さく、優れた耐久性を有する硬化膜が得られる。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
I.液状硬化性組成物
本発明の液状硬化性組成物(以下、本発明の組成物という)は、下記成分(A)〜(E)を含み得る。成分(A)〜(D)は必須成分であり、成分(E)及び(F)は必要に応じて添加される任意成分である。
(A1)過酸化水素水及びp−トルエンスルホン酸塩を用いて重合させた3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合体
(A2)イソプレンスルホン酸(共)重合体
(B)分子内に2以上の重合性不飽和基を有する化合物
(C)光重合開始剤
(D)溶剤
(E)その他の重合性不飽和基を有する化合物
(F)添加剤
以下、各成分について具体的に説明する。
1.導電性複合体
本発明で用いる導電性複合体は、過酸化水素水及びp−トルエンスルホン酸塩を用いて重合させた3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合体(A1)(以下、導電性ポリマー(A1)ということがある)と、イソプレンスルホン酸(共)重合体(A2)とを含む。
本発明に用いられる導電性複合体は、得られる液状硬化性組成物の硬化被膜の導電性を発現させるのに必須な成分である。
導電性複合体は、その製造上、実質的に、3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合体(PEDOT)とドーパントとの複合体、酸化剤及び溶媒を含んだ溶液の形態で用いられる。ここで、酸化剤は、3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマーからその重合体(PEDOT)を製造する際に必要な重合触媒であり、得られる導電性複合体の溶液中に存在する成分であり、本発明においては、酸化剤として、過酸化水素水及びp−トルエンスルホン酸塩を用いることを特徴とする。本発明で、「導電性複合体」というときには、上記成分(A1)及び(A2)から構成される複合体を意味し、酸化剤は含まない。
(A1)過酸化水素水及びp−トルエンスルホン酸塩を用いて重合させた3,4−ジオキシチオフェンの重合体
3,4−ジオキシチオフェンの重合体は、一般に「PEDOT」と表示される導電性高分子であり、導電性高分子として広く用いられている。3,4−ジオキシチオフェンの重合体の形成に用いる酸化剤として、本発明においては、過酸化水素水及びp−トルエンスルホン酸塩を用いる。
p−トルエンスルホン酸の塩としては、鉄塩、銅塩等が挙げられ、鉄(III)塩であることが特に好ましい。
一般に用いられている過硫酸アンモニウムを用いた場合に比べ、過酸化水素水及びp−トルエンスルホン酸塩を用いることにより、後記する実施例及び参考例の結果から明らかなように、500時間にわたる乾熱試験、湿熱試験及び耐光性試験において、表面抵抗値の変動(上昇)が少なく、得られる硬化膜に優れた耐久性を付与できる。
3,4−ジオキシチオフェン(モノマー)の仕込み量に対する過酸化水素水及びp−トルエンスルホン酸塩の割合は、3,4−ジオキシチオフェン(モノマー)1モルに対し、過酸化水素水0.1〜2モルの範囲内、好ましくは0.2〜1.5モルの範囲内、特に好ましくは0.25〜0.5モルの範囲内であり、p−トルエンスルホン酸塩0.1〜1モルの範囲内、好ましくは0.15〜0.7モルの範囲内、特に好ましくは0.2〜0.5モルの範囲内である。
(A2)イソプレンスルホン酸(共)重合体
本発明で用いる導電性複合体は、ドーパントとして機能するイソプレンスルホン酸(共)重合体に特徴を有する。イソプレンスルホン酸(共)重合体を用いることにより、従来広く使用されているポリスチレンスルホン酸又はその塩に比べ、耐擦傷性(耐SW性)が向上するという効果を示す。
イソプレンスルホン酸(共)重合体は、スルホン酸基を有するイソプレン重合体のみからなっていてもよいし、共重合体であってもよい。他の重合体としては、例えば、スチレン重合体等が挙げられ、スチレン重合体が好ましい。
イソプレンスルホン酸(共)重合体は、三元ブロック共重合体、三元ランダム共重合体、二元ブロック共重合体、二元ランダム共重合体等の各種の構成をとり得る。
イソプレンスルホン酸(共)重合体中の、イソプレンスルホン酸及びイソプレンに由来する構造単位の割合は、共重合体中のモノマーに由来する構造単位全量を100モル%としたときに、40モル%以上であることが好ましく、60モル%以上であることがより好ましい。イソプレンスルホン酸及びイソプレン由来の構造単位の割合が40モル%未満であると、導電率低下のおそれがある。
イソプレンスルホン酸(共)重合体のスルホン化率は、15モル%以上であることが好ましく、50モル%以上であることがより好ましい。スルホン化率が15モル%未満であると、導電率低下のおそれがある。尚、イソプレンスルホン酸(共)重合体のスルホン化率とは、共重合体中に含まれるイソプレン由来の構造単位全量に対して、スルホン化されているイソプレン由来の構造単位の割合(モル%)を意味する。
本発明で用いるイソプレンスルホン酸(共)重合体の例としては、例えば、イソプレンスルホン酸−スチレン−イソプレンスルホン酸の三元ブロック共重合体、イソプレンスルホン酸−スチレンのランダムブロック共重合体等が挙げられる。
本発明で用いるイソプレンスルホン酸(共)重合体の市販品の例としては、例えば、JSR株式会社製、DK201、DK202A、DK106、DK114、TED等が挙げられる。
次に、本発明の組成物における導電性複合体の製造方法について説明する。
上記イソプレンスルホン酸(共)重合体(A2)の水溶液に、重合触媒である酸化剤(過酸化水素水及びp−トルエンスルホン酸塩)及び3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマーを加え、20〜80℃で、4〜24時間撹拌し、反応させて、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(A1;PEDOT)を製造することにより、導電性複合体が得られる。得られる導電性複合体に酸化剤が含まれることは上述した通りである。
本発明の組成物中における導電性複合体の配合量(成分(A1)と(A2)の合計量)は、溶剤を除く組成物全量を100重量%としたときに、0.5〜5重量%の範囲内であることが好ましく、0.8〜2.5重量%の範囲内であることがより好ましく、1.08〜1.99重量%の範囲内であることがさらに好ましい。導電性複合体の配合量が0.5重量%未満では、十分な帯電防止性が得られないおそれがあり、5重量%を超えると、硬化膜の硬度が低下するおそれがある。
尚、導電性複合体は、製造上、酸化剤及び水等の溶剤が含まれるが、導電性複合体の配合量にはこれらを含まない。
本発明の組成物中における、導電性複合体を構成する成分(A1)及び(A2)の配合量は、溶剤を除く組成物全量を100重量%としたときに、それぞれ0.1〜3重量%の範囲内であることが好ましく、0.2〜2重量%の範囲内であることがより好ましく、0.25〜1重量%の範囲内であることがさらに好ましい。成分(A1)及び/又は(A2)の配合量が0.1重量%未満では、十分な帯電防止性が得られないおそれがあり、3重量%を超えると、硬化膜の硬度が低下するおそれがある。
2.成分(B):分子内に2以上の重合性不飽和基を有する化合物
本発明に用いられる成分(B)は、得られる液状硬化性組成物の硬化被膜の成膜性、透明性の観点から、分子内に2以上の重合性不飽和基を有する化合物である。このような成分(B)を用いることにより、優れた耐擦傷性、有機溶剤耐性を有する硬化物が得られる。
成分(B)の化合物が有する重合性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基及びビニル基が好ましく、(メタ)アクリロイル基が特に好ましい。
成分(B)の具体例としては、例えば、(メタ)アクリルエステル類、ビニル化合物類を挙げることができる。
(メタ)アクリルエステル類としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(「トリシクロデカンジイルジメタノールジ(メタ)アクリレート」とも言う)、及びこれらの化合物を製造する際の出発アルコール類のエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物のポリ(メタ)アクリレート類、分子内に2以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴエステル(メタ)アクリレート類、オリゴエーテル(メタ)アクリレート類、オリゴウレタン(メタ)アクリレート類、及びオリゴエポキシ(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
ビニル化合物類としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル等を挙げることができる。中でも、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメタノールジ(メタ)アクリレートが好ましい。これら(B)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記(B)成分のうち、特に分子内に6個以上の重合性不飽和基を有する化合物が好ましい。
本発明の組成物中における成分(B)の配合量は、溶剤を除く組成物全量を100重量%としたときに、好ましくは74〜98重量%、より好ましくは80〜97重量%である。成分(B)の配合量が74重量%未満では、得られる硬化物の透明性が低下する場合があり、98重量%を超えると、帯電防止性が劣る場合がある。
3.成分(C):光重合開始剤
本発明に用いられる成分(C)として、放射線(光)照射により活性ラジカル種を発生させる化合物(放射線(光)重合開始剤)を挙げることができる。
放射線(光)重合開始剤としては、光照射により分解してラジカルを発生して重合を開始せしめるものであれば特に制限はなく、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)等を挙げることができる。
本発明の液状硬化性組成物は、放射線を照射することだけで硬化するが、成分(C)は、上記の機能の他、硬化速度をさらに高めることができる。
尚、本発明において、放射線とは、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等を意味する。
放射線(光)重合開始剤の市販品としては、例えば、チバスペシャルティケミカルズ(株)製イルガキュア 184、369、651、500、819、907、784、2959、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61、ダロキュア 1116、1173、BASF社製ルシリン TPO、8893UCB社製ユベクリル P36、フラテツリ・ランベルティ社製エザキュアーKIP150、KIP65LT、KIP100F、KT37、KT55、KTO46、KIP75/B等を挙げることができる。
本発明の組成物中における成分(C)の配合量は、溶剤を除く組成物全量を100重量%としたときに、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜8重量%である。成分(C)は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。成分(C)の配合量が0.1重量%未満であると、本組成物が硬化しないおそれがあり、10重量%を超えると、硬化膜の硬度が低下するおそれがある。
4.成分(D):溶剤
本発明に用いられる溶剤は、特に制限されるものではないが、通常、常圧での沸点が200℃以下の溶剤が好ましい。具体的には、水、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、炭化水素類、アミド類等が用いられる。これらは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブタノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、エトキシエタノール、ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等を挙げることができる。ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等を挙げることができる。エーテル類としては、例えば、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等を挙げることができる。エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等を挙げることができる。炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレン等を挙げることができる。アミド類としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
より具体的には、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール等が挙げられ、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンが好ましい。
尚、導電性複合体を溶剤に分散させた分散液を用いる場合には、この分散媒である溶剤が組成物中に混入するが、(D)成分としてこの分散体の溶剤を用いてもよいし、異なる溶剤を添加してもよい。
本発明の組成物中における成分(D)溶剤の配合量は、組成物中の溶剤を除く組成物全量100重量部に対して、50〜10,000重量部、好ましくは50〜3,000重量部である。
尚、本発明の組成物には、導電性複合体の製造時に反応溶媒として用いられた水が通常含まれる。導電性複合体の添加によって持ち込まれる水は、成分(D)の溶剤に含まれる。
5.成分(E):その他の重合性不飽和基を有する化合物
(1)その他の重合性不飽和基を有する化合物
本発明の組成物には、成分(A)〜成分(D)以外の成分として、その他の重合性不飽和基を有する化合物(成分(E))を必要に応じて配合することができる。ここで、成分(E)とは、分子内に重合性不飽和基を1つ有する化合物である。
成分(E)の具体例としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル基含有ラクタム、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式構造含有(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、下記式(5)で表される化合物等が挙げられる。
CH=C(R11)−COO(R12O)−Ph−R13 式(5)
(式中、R11は水素原子又はメチル基を示し、R12は炭素数2〜6、好ましくは2〜4のアルキレン基を示し、R13は水素原子又は炭素数1〜12、好ましくは1〜9のアルキル基を示し、Phはフェニレン基を示し、pは0〜12、好ましくは1〜8の数を示す。)
成分(E)の市販品としては、アロニックス M−101、M−102、M−111、M−113、M−114、M−117(以上、東亜合成(株)製);ビスコート LA、STA、IBXA、2−MTA、#192、#193(大阪有機化学(株)製);NK エステル AMP−10G、AMP−20G、AMP−60G(以上、新中村化学工業(株)製);ライトアクリレート L−A、S−A、IB−XA、PO−A、PO−200A、NP−4EA、NP−8EA(以上、共栄社化学(株)製);FA−511、FA−512A、FA−513A(以上、日立化成工業(株)製)等が挙げられる。
本発明の組成物中における成分(E)の配合量は、溶剤を除く組成物全量を100重量%としたときに、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは0〜10重量%である。成分(E)の配合量が30重量%を超えると、鉛筆硬度が劣る場合がある。
6.成分(F)添加剤
本発明の組成物には、その他の添加剤として、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、滑材、スケールコントロール剤等を必要に応じて配合することができる。酸化防止剤としては、チバスペシャルティケミカルズ(株)製 商品名:イルガノックス1010、1035、1076、1222等、紫外線吸収剤としては、チバスペシャルティケミカルズ(株)製 商品名:チヌビン P234、320、326、327、328、213、329、シプロ化成(株)製 商品名:シーソーブ102、103、501、202、712等、光安定剤としては、チバスペシャルティケミカルズ(株)製 商品名:チヌビン292、144、622LD、三共(株)製 商品名:サノ−ルLS770、LS440、住友化学工業(株)製 商品名:スミソーブ TM−061等、スケールコントロール剤としては東亜合成(株)製 商品名:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(ATBS)、旭化成ファインケム(株)製:ビニルアリルスルホン酸等を挙げることができる。
7.成分(G):非導電性粒子
本発明では、液状硬化性組成物が分離、ゲル化等の不具合を起こさない範囲で、非導電性粒子、又は非導電性粒子とアルコキシシラン化合物とを有機溶媒中で反応させて得られる粒子を併用してもよい。
非導電性粒子を導電性複合体と併用することにより、帯電防止機能、即ち、硬化膜としたときの表面抵抗として1012Ω/□以下の値を維持しながら、耐擦傷性をさらに向上させることができる。
このような非導電性粒子としては、特に制限はないが好ましくは、酸化物粒子又は金属粒子である。具体的には、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタニウム、酸化セリウム等の酸化物粒子、又はケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、及びセリウムよりなる群から選ばれる2種類以上の元素を含む酸化物粒子を挙げることができる。
非導電性粒子の一次粒子径は、透過型電子顕微鏡によって求めた値として、好ましくは、0.1μm以下であり、さらに好ましくは、0.001〜0.05μmである。0.1μmを超えると、組成物中で沈降が発生したり、塗膜の平滑性が低下することがある。
非導電性粒子を本発明の組成物に配合する場合、非導電性粒子とアルコキシシラン化合物とを有機溶媒中で加水分解した後混合してもよい。この処理により、非導電性粒子の分散安定性が良好になる。
非導電性粒子の市販品として、例えば、酸化ケイ素粒子(例えば、シリカ粒子)としては、コロイダルシリカとして、日産化学工業(株)製 商品名:メタノ−ルシリカゾル、IPA−ST、MEK−ST、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL等を挙げることができる。また粉体シリカとしては、日本アエロジル(株)製 商品名:アエロジル130、アエロジル300、アエロジル380、アエロジルTT600、アエロジルOX50、旭硝子(株)製 商品名:シルデックスH31、H32、H51、H52、H121、H122、日本シリカ工業(株)製 商品名:E220A、E220、富士シリシア(株)製 商品名:SYLYSIA470、日本板硝子(株)製 商品名:SGフレ−ク等を挙げることができる。
また、酸化アルミニウム(アルミナ)の水分散品としては、日産化学工業(株)製 商品名:アルミナゾル−100、−200、−520;酸化ジルコニウムの分散品としては、住友大阪セメント(株)製(トルエン、メチルエチルケトン分散のジルコニアゾル);酸化セリウム水分散液としては、多木化学(株)製 商品名:ニードラール;アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタニウム、等の粉末及び溶剤分散品としては、シーアイ化成(株)製 商品名:ナノテック等を挙げることができる。
8.組成物の調製方法
本発明の組成物は、上記(A1)導電性ポリマー及び(A2)イソプレンスルホン酸(共)重合体から構成された導電性複合体、(B)分子内に2以上の重合性不飽和基を有する化合物、(C)光重合開始剤、(D)溶剤、及び必要に応じて、(E)その他の重合性不飽和基を有する化合物、(F)添加剤、(G)非導電性粒子をそれぞれ添加して、室温又は加熱条件下で混合することにより調製することができる。具体的には、ミキサ、ニーダー、ボールミル、三本ロール等の混合機を用いて、調製することができる。
II.硬化膜・帯電防止用積層体
本発明の硬化膜は、上述の液状硬化性組成物を塗布、乾燥した後に、放射線を照射して、組成物を硬化させることにより得ることができる。
得られた硬化膜の表面抵抗は、1×1012Ω/□以下、好ましくは1×1011Ω/□以下、より好ましくは1×1010Ω/□以下である。表面抵抗が1×1012Ω/□を超えると、帯電防止性能が十分でなく、埃が付着し易くなったり、付着した埃を容易に除去できない場合がある。
組成物の塗布方法としては特に制限はないが、例えば、ロールコート、スプレーコート、フローコート、デイピング、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の公知の方法を適用することができる。
組成物の硬化に用いる放射線の線源としては、組成物を塗布後、短時間で硬化させ得るものである限り特に制限はない。
可視光線の線源としては、例えば、直射日光、ランプ、蛍光灯、レーザー等を、また、紫外線の線源としては、例えば、水銀ランプ、ハライドランプ、レーザー等を、また、電子線の線源としては、例えば、市販されているタングステンフィラメントから発生する熱電子を利用する方式、金属に高電圧パルスを通じて発生させる冷陰極方式及びイオン化したガス状分子と金属電極との衝突により発生する2次電子を利用する2次電子方式等を挙げることができる。
α線、β線及びγ線の線源としては、例えば、60Co等の核分裂物質を挙げることができ、γ線については、加速電子を陽極へ衝突させる真空管等を利用することができる。これら放射線は、1種単独で、又は2種以上を同時に照射してもよく、また、1種以上の放射線を、一定期間をおいて照射してもよい。
本発明の硬化膜は、優れた耐擦傷性、密着性を有するため、ハードコートとして有用である。また、優れた帯電防止機能を有するため、フィルム状、板状、又はレンズ等の各種形状の基材に配設されることにより帯電防止膜として有用である。
本発明の帯電防止用積層体は、基材と、イソプレンスルホン酸(共)重合体(A2)を含む3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合体(A1)である導電性複合体を含有する硬化樹脂層とを有する帯電防止用積層体である。ここで、硬化樹脂層とは、本発明の液状硬化性樹脂を硬化させて得られる硬化物を含有してなる層をいう。好ましくは、このような帯電防止用積層体は、本発明の硬化膜を基材上に形成することにより作製できる。この場合、硬化膜の膜厚は、0.1〜20μmであることが好ましい。タッチパネル、CRT等の最表面での耐擦傷性を重視する用途では比較的厚く、好ましくは2〜20μmである。一方、光学フィルムの帯電防止膜として用いる場合、好ましくは0.1〜10μmである。
本発明の帯電防止積層体の表面抵抗は、好ましくは1×1012Ω/□以下、より好ましくは1×1011Ω/□以下である。表面抵抗が1×1012Ω/□を超えると、帯電防止性能が十分でなく、埃が付着し易くなったり、付着した埃を容易に除去できない場合がある。
また、光学フィルムへ用いる場合、透明性が必要であり、全光線透過率が85%以上であることが好ましい。光学フィルムとして用いる場合には、上記硬化膜の上に低屈折率層を設けることが好ましい。
基材としては、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック、木材、スレート等、特に制限はないが、放射線硬化性という生産性の高い、工業的有用性を発揮できる材料として、例えば、フィルム、ファイバー状の基材に好ましく適用される。特に好ましい材料は、プラスチックフィルム、プラスチック板である。そのようなプラスチックとしては、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン/ポリメチルメタクリレート共重合体、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリオレフィン、トリアセチルセルロース樹脂、ジエチレングリコールのジアリルカーボネート(CR−39)、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、環化ポリオレフィン樹脂(例えば、ノルボルネン系樹脂)等を挙げることができる。
本発明の硬化膜や帯電防止用積層体の適用例としては、例えば、タッチパネル用保護膜、転写箔、光ディスク用ハードコート、自動車用ウインドフィルム、レンズ用の帯電防止保護膜、化粧品容器等の高意匠性の容器の表面保護膜等主として製品表面傷防止や静電気による塵埃の付着を防止する目的でなされるハードコートとしての利用等を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制限を受けるものではない。尚、以下において、部、%は、特に断らない限り、それぞれ重量部、重量%を示す。
実施例
イソプレンスルホン酸−スチレン−イソプレンスルホン酸の三元ブロック共重合体(モル比=40/20/40)(JSR(株)製、DK202A)0.793部を含む39.20部の水溶液中に、酸化剤として0.120部の過酸化水素水、0.119部のp−トルエンスルホン酸(III)鉄塩、モノマーとして0.500部の3,4−エチレンジオキシチオフェンを加え、60℃で6時間撹拌し反応させた。次いで、この反応混合物に95.47部のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、光ラジカル重合開始剤としてチバスペシャリティーケミカルズ製イルガキュア184 3.0部とをアルコール系溶剤であるプロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)161.72部に溶解させ、液状硬化性組成物を得た。
参考例
表1に記載の配合量で各成分を添加した以外は実施例1と同様にして液状硬化性組成物を得た。
<硬化膜の特性評価>
基材としてPETフィルムを用い、上記実施例及び参考例で得られた液状硬化性組成物をバーコート法により塗工し、オーブン中、80℃、2分間の条件で乾燥した。次いで、大気中、高圧水銀ランプを用いて、照射線量を300mJ/cmとして紫外線を照射することにより塗膜を硬化させて、導電性樹脂硬化膜(膜厚1〜2μm)を得た。ここで得られた導電性樹脂硬化膜を有する積層体(帯電防止用積層体)を図1に示す。
この導電性樹脂硬化膜のヘーズ、全光線透過率及び表面抵抗値を測定した。得られた結果を表1に示す。
(a)ヘーズ
上記のように作製した硬化膜のヘーズ(%)を、カラーヘーズメーター(スガ試験機(株)製)を用いて、JIS K7105に準拠して測定した。
(b)全光線透過率
上記のように作製した硬化膜の全光線透過率(%)を、カラーヘーズメーター(スガ試験機(株)製)を用いて、JIS K7105に準拠して測定した。
(c)表面抵抗
上記のように作製した硬化膜の表面抵抗(Ω/□)をハイ・レジスタンス・メーター(アジレント・テクノロジー(株)製 Agilent4339B)、及びレジスティビティ・セル16008B(アジレント・テクノロジー(株)製)を用い、印加電圧100Vの条件で測定した。
さらに、上記のように作製した硬化膜について、500時間の乾熱試験、湿熱試験及び耐光性試験に付し、表面抵抗値を測定した。得られた結果を表1に示す。
(d)乾熱試験
上記のように作製した硬化膜を、80℃のオーブンに入れ、500時間経過後に表面抵抗値を測定した。
(e)湿熱試験
上記のように作製した硬化膜を、60℃、90%RHのオーブンに入れ、500時間経過後に表面抵抗値を測定した。
(f)耐光性試験
上記のように作製した硬化膜を、照射装置としてQ−PANEL COMPANY製、Weathering Testerを、光源としてUVA−351を用いて紫外線照射し、500時間経過後に表面抵抗値を測定した。
Figure 2008248098
表1の結果から、酸化剤として過酸化水素水及びp−トルエンスルホン酸鉄塩を用いて重合したPEDOTを配合した実施例では、透明性(ヘーズ、全光線透過率)に優れ、初期表面抵抗値が低く、500時間の乾熱試験、湿熱試験及び耐光性試験のいずれにおいても表面抵抗値の変動が小さく、優れた耐久性を有することがわかる。
本発明によれば、硬化性に優れ、かつ、各種基材の表面に、帯電防止性、硬度透明性に優れ、さらに耐久性にも優れた塗膜(被膜)を形成し得る液状硬化性組成物を提供することができる。
本発明の硬化膜は、例えば、タッチパネル用保護膜、転写箔、光ディスク用ハードコート、自動車用ウインドフィルム、レンズ用の帯電防止保護膜、化粧品容器等の高意匠性の容器の表面保護膜等主として製品表面傷防止や静電気による塵埃の付着を防止する目的でなされるハードコートとして利用することができる。
本発明の帯電防止用積層体は、例えば、タッチパネル、転写箔、光ディスク用ハードコート、自動車用ウインドフィルム、化粧品容器等の高意匠性の容器等に使用できる。
本発明の帯電防止用積層体の一実施形態を示す模式図である。
符号の説明
1 帯電防止用積層体
2 基材
3 導電性樹脂硬化層

Claims (8)

  1. 下記成分(A1)、(A2)、(B)、(C)及び(D):
    (A1)3,4−エチレンジオキシチオフェンを、過酸化水素水及びp−トルエンスルホン酸塩の存在下で重合させた重合体
    (A2)イソプレンスルホン酸(共)重合体
    (B)分子内に2以上の重合性不飽和基を有する化合物
    (C)光重合開始剤
    (D)溶剤
    を含有する液状硬化性組成物。
  2. 前記3,4−エチレンジオキシチオフェン、過酸化水素水及びp−トルエンスルホン酸塩の配合割合(モル比)が、1:0.1〜2:0.1〜1である請求項1に記載の液状硬化性組成物。
  3. 前記成分(A1)及び(A2)の合計の配合量が、溶剤を除く組成物中の全固形分量を100重量%としたときに、0.5〜5重量%の範囲内である請求項1又は2に記載の液状硬化性組成物。
  4. 前記成分(B)の化合物が有する重合性不飽和基が(メタ)アクリロイル基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の液状硬化性組成物。
  5. 前記成分(D)の溶剤が、水及びアルコール系有機溶剤を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の液状硬化性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の液状硬化性組成物を硬化して得られる、表面抵抗値が1×1012Ω/□以下である硬化膜。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の液状硬化性組成物に放射線を照射して、該組成物を硬化せしめる工程を有する硬化膜の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の液状硬化性組成物を硬化してなる硬化膜層を有する帯電防止用積層体。

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