JP2008143860A - 多官能アクリル化合物とその製造方法、導電性高分子塗料及び導電性塗膜 - Google Patents

多官能アクリル化合物とその製造方法、導電性高分子塗料及び導電性塗膜 Download PDF

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Abstract

【課題】架橋可能で、かつ、親水性を有する多官能アクリル化合物及びその製造方法を提供する。導電性、耐熱水性及び耐高温高湿性のいずれもが優れた導電性塗膜を形成できる導電性高分子塗料を提供する。
【解決手段】本発明の多官能アクリル化合物は、少なくとも2つのビニル基とアミド結合とを有する特定の多官能アクリル化合物である。本発明の多官能アクリル化合物の製造方法は、触媒存在下、上記イソシアネート成分とグリセリン成分とを付加反応させる方法である。本発明の導電性高分子塗料は、上記多官能アクリル化合物とπ共役系導電性高分子とポリアニオンと溶媒とを含有するものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な多官能アクリル化合物に関する。また、本発明は、π共役系導電性高分子を含有する導電性高分子塗料、透明電極等に使用される導電性塗膜に関する。
透明タッチパネル等の入力装置や、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、液晶ディスプレイ等の画像表示装置には透明電極が使用されている。
透明電極としては、例えば、導電成分としてITO(インジウム−スズ酸化物)を基材に真空蒸着させて得た導電膜が使用されている。しかし、その導電膜を作成するための真空蒸着は煩雑である上、真空蒸着装置は高価なものであり、得られる導電膜も高価になるという問題があった。
そこで、導電性高分子塗料を基材に塗布して導電性塗膜を形成する方法が提案されている(非特許文献1参照)。導電性高分子塗料としては、π共役系導電性高分子を水又は水と親水性有機溶媒との混合溶媒に溶解させた導電性高分子水溶液が使用される。例えば、特許文献1には、ポリスチレンスルホン酸を介して水にポリチオフェンを溶解させたポリチオフェン溶液が提案されている。
特許第2636968号公報 高薄一弘、「脱ITOに向けた透明導電膜の低抵抗・低温・大面積製膜技術」、株式会社技術情報協会発行、2005年7月29日、p.3−11
特許文献1に記載のポリチオフェン溶液から得た導電性塗膜は、表面抵抗が小さく、可視光の透過性に優れるものの、水への親和性が高いため、耐熱水性及び耐高温高湿性が不充分であるという問題があった。
耐熱水性及び耐高温高湿性を向上させる方法としては、架橋したバインダ樹脂を含有させる方法が考えられる。しかし、バインダ樹脂を含有させた場合には、導電性が不足するため、透明電極として使用できなかった。
また、架橋したバインダ樹脂を形成するためには、導電性高分子水溶液中に多官能のアクリルモノマーを含有させておき、これを塗膜形成時に架橋する方法が採られる。しかし、従来知られた多官能アクリル化合物は親水性でないため、導電性高分子水溶液に溶解しにくく、均一に混ざらなかった。そのため、従来の多官能アクリル化合物を含有する導電性高分子水溶液から形成した塗膜は、架橋したアクリル樹脂からなるバインダ樹脂が偏在しがちで耐熱水性及び耐高温高湿性が高くならないことがあった。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、架橋可能で、かつ、親水性を有する多官能アクリル化合物を提供することを目的とする。また、本発明は、導電性、耐熱水性及び耐高温高湿性のいずれもが優れた導電性塗膜を形成できる導電性高分子塗料を提供することを目的とする。また、導電性、耐熱水性及び耐高温高湿性のいずれもが優れた導電性塗膜を提供することを目的とする。
[1] 下記一般式(1)で表される多官能アクリル化合物であって、
一般式(1)におけるA〜Aのうちの少なくとも2つが、各々独立して、一般式(2)で表される置換基、一般式(3)で表される置換基、一般式(4)で表される置換基のいずれかであることを特徴とする多官能アクリル化合物。
Figure 2008143860
(一般式(1)におけるA〜Aのうち、一般式(2)〜(4)のいずれかで表される置換基でないものは、水素原子である。一般式(1)におけるm、一般式(2)におけるa、一般式(3)におけるb及び一般式(4)におけるdは、各々独立して、1,2,3,4,6,10,20のいずれかである。)
[2] 下記一般式(5)で表される多官能アクリル化合物であって、
一般式(5)におけるA〜Aのうちのいずれか1つが、一般式(4)で表される置換基であり、残りの2つが水素原子であることを特徴とする多官能アクリル化合物。
Figure 2008143860
(一般式(4)におけるc,d及び一般式(5)におけるnは、各々独立して、1,2,3,4,6,10,20のいずれかである。)
[3] 触媒存在下、下記一般式(6)〜(8)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のイソシアネート成分(I)と、一般式(9)で表されるグリセリン成分(G)とを付加反応させることを特徴とする多官能アクリル化合物の製造方法。
Figure 2008143860
(一般式(6)におけるe、一般式(7)におけるf、一般式(8)におけるg,h及び一般式(9)におけるpは、各々独立して、1,2,3,4,6,10,20のいずれかである。)
[4] 触媒存在下、下記一般式(8)で表されるイソシアネート成分(I)と、一般式(9)で表されるグリセリン成分(G)とを付加反応させることを特徴とする多官能アクリル化合物の製造方法。
Figure 2008143860
(一般式(8)におけるg,h及び一般式(9)におけるpは、各々独立して、1,2,3,4,6,10,20のいずれかである。)
[5] [1]又は[2]に記載の多官能アクリル化合物とπ共役系導電性高分子とポリアニオンと溶媒とを含有することを特徴とする導電性高分子塗料。
[6] [5]に記載の導電性高分子塗料が塗布されて形成されたことを特徴とする導電性塗膜。
本発明の多官能アクリル化合物は、架橋可能で、かつ、親水性が高い。
本発明の導電性高分子塗料によれば、導電性、耐熱水性及び耐高温高湿性のいずれもが優れた導電性塗膜を形成できる。
本発明の導電性塗膜は、導電性、耐熱水性及び耐高温高湿性のいずれもが優れている。
(多官能アクリル化合物)
[第1の実施形態例]
本発明の多官能アクリル化合物の第1の実施形態例について説明する。
本実施形態例の多官能アクリル化合物は、前記一般式(1)で表されるものであって、一般式(1)におけるA〜Aのうちの少なくとも2つが、各々独立して、前記一般式(2)で表される置換基、前記一般式(3)で表される置換基、前記一般式(4)で表される置換基のいずれかのものである。すなわち、本実施形態例の多官能アクリル化合物は、ビニル基を2つ以上有し、かつ、アミド結合を有するものである。
該多官能アクリル化合物では、一般式(1)〜(4)におけるa〜d及びmの少なくとも1つが2以上であることが好ましく、各々が2以上であることがより好ましい。a〜d及びmが2以上であれば、得られる導電性塗膜の強靭性を高めることができる。
なお、一般式(1)におけるmは一般式(9)におけるpに、一般式(2)におけるaは一般式(6)におけるeに、一般式(3)におけるbは一般式(7)におけるfに、一般式(4)におけるc,dは一般式(8)におけるg,hに対応する。したがって、a〜c及びmを2以上とするためには、後述のように多官能アクリル化合物を製造する際に、原料となる一般式(7)〜(9)で表される化合物のe〜h及びpを2以上とすればよい。
第1の実施形態例の多官能アクリル化合物は、以下の方法で製造される。
すなわち、第1の実施形態例の多官能アクリル化合物の製造方法は、触媒存在下、前記一般式(6)〜(8)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のイソシアネート成分(I)と、前記一般式(9)で表されるグリセリン成分(G)とを付加反応させる方法である。
前記付加反応で使用する触媒としては、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等のモノアミン類、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパン−1,3−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン等のジアミン類、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレン−トリアミン、テトラメチルグアニジン等のトリアミン類、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、1−(2−ジメチルアミノエチル)−4−エチルピペラジン、N−メチルモルホリン、N(N’,N’−ジメチルアミノ)−モルホリン、1,2−ジメチルイミダゾール等の環状アミン類、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチル−エタノールアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)−ピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン等のアルコールアミン類、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコールビス(3−ジメチル)−アミノブロピルエーテル等のエーテルアミン類が挙げられる。
触媒は、その種類に応じて求核性や立体障害が異なり、その結果、反応活性が異なる。そのため、触媒の添加量については一概に特定できないが、イソシアネート成分(I)とグリセリン成分(G)の合計量に対して、10〜10000ppmが好ましく、50〜1000ppmがより好ましい。触媒の添加量が10ppm未満であると、反応活性が遅くなって反応時間が長くなる傾向にある。そのため、反応促進させるために加熱温度を高くする対策を採ることがあるが、その場合には、ビニル基が開裂したり、触媒とイソシアネート成分(I)との付加反応が生じたりすることがある。一方、触媒の添加量が10000ppmを超えると、触媒添加量に応じた反応速度上昇が期待できず、実益がない。
付加反応の際には、イソシアネート成分(I)とグリセリン成分(G)とのモル比(I/G)を2モル以上とすることが好ましい。イソシアネート成分(I)とグリセリン成分(G)とのモル比(I/G)を2モル以上とすれば、より容易に架橋可能な多官能アクリル化合物を得ることができる。
また、イソシアネート成分(I)のイソシアネート基(NCO)とグリセリン成分(G)の水酸基(OH)との割合(NCO/OH)が0.1〜1.2になる量でイソシアネート成分(I)とグリセリン成分(G)とを反応させることが好ましく、0.3〜1.0になる量で反応させることがより好ましい。NCO/OHが0.1以上になる量で反応させれば、より容易に架橋可能な多官能アクリル化合物を得ることができ、NCO/OHが1.2以下であれば、未反応物が減少する。その結果、該多官能アクリル化合物を含む導電性高分子塗料から形成した導電性塗膜の強度が高くなり、保存性が向上する。
イソシアネート成分(I)のイソシアネート基とグリセリン成分(G)の水酸基との反応は、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を経時的に測定することにより追跡できる。
具体的には、イソシアネート基(NCO基)の変化は、2280cm−1の吸光度をメチレン結合(CH結合)の吸光度を基準にとり、2930cm−1(NCO基)の吸光度比で追跡し、ウレタン結合(NHCOO)、及び水との反応による尿素結合(NHCONH)の生成、ないしそれらの結合の有無はそれぞれ1730cm−1、1650cm−1の吸光度で確認できる。
イソシアネート成分(I)とグリセリン成分(G)との付加反応は、上記のようにイソシアネート基の残存率を追跡し、所定の残存率に達した際に停止してもよい。
付加反応時には、反応溶媒を用いてもよいし、無溶媒でもよい。反応溶媒としては、不活性溶媒が好ましい。不活性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、酢酸ブチル、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、メトキシエチルアセテート、メチルイソブチルケトン、セロソルブアセテート、アセトニトリル、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これら溶媒は、1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、付加反応時には、室温(15〜30℃程度)下で、乾燥窒素を送り湿度調整を行うことが好ましい。
[第2の実施形態例]
次に、本発明の多官能アクリル化合物の第2の実施形態例について説明する。
本実施形態例の多官能アクリル化合物は、前記一般式(5)で表されるものであって、一般式(5)におけるA〜Aのうちのいずれか1つが、前記一般式(4)で表される置換基であり、残りの2つが水素原子のものである。すなわち、本実施形態例の多官能アクリル化合物も、ビニル基を2つ以上有し、かつ、アミド結合を有するものである。
該多官能アクリル化合物においても、一般式(6)〜(9)におけるe〜h及びnの少なくとも1つが2以上であることが好ましく、各々が2以上であることがより好ましい。a〜d及びmが2以上であれば、得られる導電性塗膜の強靭性を高めることができる。
第2の実施形態例の多官能アクリル化合物は、以下の方法で製造される。
すなわち、第2の実施形態例の多官能アクリル化合物の製造方法は、触媒存在下、前記一般式(8)で表されるイソシアネート成分(I)と、前記一般式(9)で表されるグリセリン成分(G)とを付加反応させる方法である。
本実施形態例における触媒、イソシアネート成分(I)とグリセリン成分(G)との割合、反応溶媒等は第1の実施形態例と同様である。
上述した第1の実施形態例及び第2の実施形態例の多官能アクリル化合物は、ビニル基を2つ以上有しているため、アクリル樹脂を形成でき、しかも容易に架橋可能である。また、前記多官能アクリル化合物は、アミド結合を有しているため、親水性が高く、導電性高分子水溶液中に均一に混ざる。
また、多官能アクリル化合物のアミド結合及び残存した水酸基はπ共役系導電性高分子に作用して導電性を高める効果を有している。
(導電性高分子塗料)
本発明の導電性高分子塗料は、上述した多官能アクリル化合物とπ共役系導電性高分子とポリアニオンと溶媒とを含有する。
[π共役系導電性高分子]
π共役系導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば特に制限されず、例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類、及びこれらの共重合体等が挙げられる。空気中での安定性の点からは、ポリピロール類、ポリチオフェン類及びポリアニリン類が好ましい。
π共役系導電性高分子は無置換のままでも、充分な導電性、バインダ樹脂への相溶性を得ることができるが、導電性及び相溶性をより高めるためには、アルキル基、カルボキシル基、スルホ基、アルコキシル基、ヒドロキシル基等の官能基をπ共役系導電性高分子に導入することが好ましい。
π共役系導電性高分子の具体例としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(チオフェン)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)等が挙げられる。
導電性高分子塗料中のπ共役系導電性高分子の含有量は、0.05〜15質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。π共役系導電性高分子の含有量が0.05質量%以上であれば、得られる導電性塗膜の導電性をより高くでき、15質量%以下であれば、導電性高分子塗料を容易に調製できる。
[ポリアニオン]
ポリアニオンとしては、例えば、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステルであって、アニオン基を有する構成単位のみからなるポリマー、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるポリマーが挙げられる。
ポリアルキレンとは、主鎖がメチレンの繰り返しで構成されているポリマーである。
ポリアルケニレンとは、主鎖に不飽和二重結合(ビニル基)が1個含まれる構成単位からなる高分子である。
ポリイミドとしては、ピロメリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−[4,4’−ジ(ジカルボキシフェニルオキシ)フェニル]プロパン二無水物等の酸無水物と、オキシジアミン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン等のジアミンとからのポリイミドを例示できる。
ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,10等を例示できる。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を例示できる。
上記ポリアニオンが置換基を有する場合、その置換基としては、アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、フェニル基、フェノール基、エステル基、アルコキシル基等が挙げられる。有機溶媒への溶解性、耐熱性及び樹脂への相溶性等を考慮すると、アルキル基、ヒドロキシル基、フェノール基、エステル基が好ましい。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、へキシル、オクチル、デシル、ドデシル等のアルキル基と、シクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル基が挙げられる。
ヒドロキシル基としては、ポリアニオンの主鎖に直接又は他の官能基を介在して結合したヒドロキシル基が挙げられ、他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基などが挙げられる。ヒドロキシル基は、これらの官能基の末端又は中に置換されている。
アミノ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接又は他の官能基を介在して結合したアミノ基が挙げられ、他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基などが挙げられる。アミノ基は、これらの官能基の末端又は中に置換されている。
フェノール基としては、ポリアニオンの主鎖に直接又は他の官能基を介在して結合したフェノール基が挙げられ、他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基などが挙げられる。フェノール基は、これらの官能基の末端又は中に置換されている。
置換基を有するポリアルキレンの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリヘキセン、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリ(3,3,3−トリフルオロプロピレン)、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリスチレン等を例示できる。
ポリアルケニレンの具体例としては、プロペニレン、1−メチルプロペニレン、1−ブチルプロペニレン、1−デシルプロペニレン、1−シアノプロペニレン、1−フェニルプロペニレン、1−ヒドロキシプロペニレン、1−ブテニレン、1−メチル−1−ブテニレン、1−エチル−1−ブテニレン、1−オクチル−1−ブテニレン、1−ペンタデシル−1−ブテニレン、2−メチル−1−ブテニレン、2−エチル−1−ブテニレン、2−ブチル−1−ブテニレン、2−ヘキシル−1−ブテニレン、2−オクチル−1−ブテニレン、2−デシル−1−ブテニレン、2−ドデシル−1−ブテニレン、2−フェニル−1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−メチル−2−ブテニレン、1−エチル−2−ブテニレン、1−オクチル−2−ブテニレン、1−ペンタデシル−2−ブテニレン、2−メチル−2−ブテニレン、2−エチル−2−ブテニレン、2−ブチル−2−ブテニレン、2−ヘキシル−2−ブテニレン、2−オクチル−2−ブテニレン、2−デシル−2−ブテニレン、2−ドデシル−2−ブテニレン、2−フェニル−2−ブテニレン、2−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、3−メチル−2−ブテニレン、3−エチル−2−ブテニレン、3−ブチル−2−ブテニレン、3−ヘキシル−2−ブテニレン、3−オクチル−2−ブテニレン、3−デシル−2−ブテニレン、3−ドデシル−2−ブテニレン、3−フェニル−2−ブテニレン、3−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、2−ペンテニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン、4−ブチル−2−ペンテニレン、4−ヘキシル−2−ペンテニレン、4−シアノ−2−ペンテニレン、3−メチル−2−ペンテニレン、4−エチル−2−ペンテニレン、3−フェニル−2−ペンテニレン、4−ヒドロキシ−2−ペンテニレン、ヘキセニレン等から選ばれる一種以上の構成単位を含む重合体を例示できる。
ポリアニオンのアニオン基としては、−O−SO 、−SO 、−COO(各式においてXは水素イオン、アルカリ金属イオンを表す。)が挙げられる。
すなわち、ポリアニオンは、スルホ基及び/又はカルボキシル基を含有する高分子酸である。これらの中でも、π共役系導電性高分子へのドーピング効果の点から、−SO 、−COOが好ましい。
また、このアニオン基は、隣接して又は一定間隔をあけてポリアニオンの主鎖に配置されていることが好ましい。
上記ポリアニオンの中でも、溶媒溶解性及び導電性の点から、ポリイソプレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸を含む共重合体、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリスルホエチルメタクリレートを含む共重合体、ポリ(4−スルホブチルメタクリレート)、ポリ(4−スルホブチルメタクリレート)を含む共重合体、ポリメタリルオキシベンゼンスルホン酸、ポリメタリルオキシベンゼンスルホン酸を含む共重合体、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸を含む共重合体等が好ましい。
ポリアニオンの重合度は、モノマー単位が10〜100,000個の範囲であることが好ましく、溶媒溶解性及び導電性の点からは、50〜10,000個の範囲がより好ましい。
ポリアニオンの含有量は、π共役系導電性高分子1モルに対して0.1〜10モルの範囲であることが好ましく、1〜7モルの範囲であることがより好ましい。ポリアニオンの含有量が0.1モルより少なくなると、π共役系導電性高分子へのドーピング効果が弱くなる傾向にあり、導電性が不足することがある。その上、溶媒への分散性及び溶解性が低くなり、均一な分散液を得ることが困難になる。また、ポリアニオンの含有量が10モルより多くなると、π共役系導電性高分子の含有量が少なくなり、やはり充分な導電性が得られにくい。
[多官能アクリル化合物]
多官能アクリル化合物の含有量は、0.05〜50質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜40質量%の範囲であることがより好ましい。多官能アクリルの含有量が、0.05質量%以上であれば、得られる導電性塗膜の耐水性、耐熱水性、耐高温高湿性をより高くできる。また、多官能アクリルの含有量が、50質量%以下であれば、導電性塗膜中のπ共役系導電性高分子の含有量が充分な量となるから、充分な導電性を確保できる。
[溶媒]
溶媒としては特に限定されず、例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等の極性溶媒、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、D−グルコース、D−グルシトール、イソプレングリコール、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価脂肪族アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類、ギ酸、酢酸等のカルボン酸、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類、3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物としてもよい。
[導電性向上剤]
導電性高分子塗料には、得られる導電性塗膜の導電性を向上させるために、導電性向上剤を添加することが好ましい。ここで、導電性向上剤は、π共役系導電性高分子又はπ共役系導電性高分子のドーパントと相互作用して、π共役系導電性高分子の導電性を向上させるものである。
導電性向上剤としては、例えば、窒素含有芳香族性環式化合物、2個以上のヒドロキシル基を有する化合物、2個以上のカルボキシル基を有する化合物、1個以上のヒドロキシル基及び1個以上のカルボキシル基を有する化合物、アミド基を有する化合物(アミド化合物)、イミド基を有する化合物(イミド化合物)、ラクタム化合物、グリシジル基を有する化合物などが挙げられる。
・窒素含有芳香族性環式化合物
窒素含有芳香族性環式化合物としては、ピリジン及びその誘導体、イミダゾール及びその誘導体、ピリミジン及びその誘導体、ピラジン及びその誘導体、トリアジン及びその誘導体等が挙げられる。
ピリジンの誘導体の具体例としては、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、4−エチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、3−シアノ−5−メチルピリジン、2−ピリジンカルボン酸、6−メチル−2−ピリジンカルボン酸、2,6−ピリジン−ジカルボン酸、4−ピリジンカルボキシアルデヒド、4−アミノピリジン、2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノ−4−メチルピリジン、4−ヒドロキシピリジン、2,6−ジヒドロキシピリジン、6−ヒドロキシニコチン酸メチル、2−ヒドロキシ−5−ピリジンメタノール、6−ヒドロキシニコチン酸エチル、4−ピリジンメタノール、4−ピリジンエタノール、2−フェニルピリジン、3−メチルキノリン、3−エチルキノリン、キノリノール、2,3−シクロペンテノピリジン、2,3−シクロヘキサノピリジン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)プロパン、2−ピリジンカルボキシアルデヒド、2−ピリジンカルボン酸、2−ピリジンカルボニトリル、2,3−ピリジンジカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、3−ピリジンスルホン酸等が挙げられる。
イミダゾールの誘導体の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、1−アセチルイミダゾール、4,5−イミダゾールジカルボン酸、4,5−イミダゾールジカルボン酸ジメチル、ベンズイミダゾール、2−アミノべンズイミダゾール、2−アミノべンズイミダゾール−2−スルホン酸、2−アミノ−1−メチルべンズイミダゾール、2−ヒドロキシべンズイミダゾール、2−(2−ピリジル)べンズイミダゾール等が挙げられる。
ピリミジンの誘導体の具体例としては、2−アミノ−4−クロロ−6−メチルピリミジン、2−アミノ−6−クロロ−4−メトキシピリミジン、2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン、2−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメチルピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメトキシピリミジン、2−アミノピリミジン、2−アミノ−4−メチルピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジヒドロキシピリミジン−5−カルボン酸、2,4,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジメトキシピリミジン、2,4,5−トリヒドロキシピリミジン、2,4−ピリミジンジオール等が挙げられる。
ピラジンの誘導体の具体例としては、2−メチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、ピラジンカルボン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸、5−メチルピラジンカルボン酸、ピラジンアミド、5−メチルピラジンアミド、2−シアノピラジン、アミノピラジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、2−エチル−3−メチルピラジン、2−エチル−3−メチルピラジン、2,3−ジメチルピラジン、2,3−ジエチルピラジン等が挙げられる。
トリアジンの誘導体の具体例としては、2−アミノ−1,3,5−トリアジン、3−アミノ−1,2,4−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリ−2−ピリジン−1,3,5−トリアジン、3−(2−ピリジン)−5,6−ビス(4−フェニルスルホン酸)−1,2,4―トリアジン二ナトリウム、3−(2−ピリジン)−5,6−ジフェニル−1,2,4−トリアジン、3−(2−ピリジン)−5,6−ジフェニル−1,2,4―トリアジン−ρ,ρ’−ジスルホン酸二ナトリウム、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
・2個以上のヒドロキシル基を有する化合物
2個以上のヒドロキシル基を有する化合物としては、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、D−グルコース、D−グルシトール、イソプレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、チオジエタノール、グルコース、酒石酸、D−グルカル酸、グルタコン酸等の多価脂肪族アルコール類;
ポリビニルアルコール、セルロース、多糖、糖アルコール等の高分子アルコール;
1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,3−ジヒドロキシ−1−ペンタデシルベンゼン、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、2,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,6−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、ヒドロキシキノンカルボン酸及びその塩類、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、1,4−ヒドロキノンスルホン酸及びその塩類、4,5−ヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸及びその塩類、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸、1,5−ジヒドロキシナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、4,5−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸及びその塩類、1,8−ジヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸及びその塩類、6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸及びその塩類、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン(ピロガロール)、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、5−メチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−エチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−プロピル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシ安息香酸、トリヒドロキシアセトフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾアルデヒド、トリヒドロキシアントラキノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゼン、テトラヒドロキシ−p−ベンゾキノン、テトラヒドロキシアントラキノン、ガーリック酸メチル(没食子酸メチル)、ガーリック酸エチル(没食子酸エチル)等の芳香族化合物、ヒドロキノンスルホン酸カリウム等が挙げられる。
・2個以上のカルボキシル基を有する化合物
2個以上のカルボキシル基を有する化合物としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マロン酸、1,4−ブタンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、アジピン酸、D−グルカル酸、グルタコン酸、クエン酸等の脂肪族カルボン酸類化合物;
フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、5−スルホイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4,4’−オキシジフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の、芳香族性環に少なくとも一つ以上のカルボキシル基が結合している芳香族カルボン酸類化合物;ジグリコール酸、オキシ二プロピオン酸、チオ二酢酸(チオジ酢酸)、チオ二酪酸、イミノ二酢酸、イミノ酪酸等が挙げられる。
・1個以上のヒドロキシル基及び1個以上のカルボキシル基を有する化合物
1個以上のヒドロキシル基及び1個以上のカルボキシル基を有する化合物としては、酒石酸、グリセリン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロパン酸、D−グルカル酸、グルタコン酸等が挙げられる。
・アミド化合物
アミド化合物は、−CO−NH−(COの部分は二重結合)で表されるアミド結合を分子中に有する単分子化合物である。
アミド化合物の具体例としては、アセトアミド、マロンアミド、スクシンアミド、マレアミド、フマルアミド、ベンズアミド、ナフトアミド、フタルアミド、イソフタルアミド、テレフタルアミド、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、2−フルアミド、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、プロピオンアミド、プロピオルアミド、ブチルアミド、イソブチルアミド、メタクリルアミド、パルミトアミド、ステアリルアミド、オレアミド、オキサミド、グルタルアミド、アジプアミド、シンナムアミド、グルコールアミド、ラクトアミド、グリセルアミド、タルタルアミド、シトルアミド、グリオキシルアミド、プルブアミド、アセトアセトアミド、ジメチルアセトアミド、ベンジルアミド、アントラニルアミド、エチレンジアミンテトラアセトアミド、ジアセトアミド、トリアセトアミド、ジベンズアミド、トリベンズアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシプロピルアクリルアミド、N−ヒドロキシブチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアセトアミド、N−ヒドロキシプロピルアセトアミド、N−ヒドロキシブチルアセトアミド、アセトアミド安息香酸及びこれらの誘導体、ローダニン、尿素、1−アセチル−2−チオ尿素、ビウレット、ブチル尿素、ジブチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素及びこれらの誘導体等が挙げられる。
アミド化合物の中でも、得られる導電性塗膜の架橋密度が向上し、耐水性、耐熱水性がより向上することから、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドおよびN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミドを用いることが好ましい。
N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド(N−メチロール(メタ)アクリルアミド)、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチルアクリルアミド等が挙げられる。
N−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アミド化合物の分子量は46〜10,000であることが好ましく、46〜5,000であることがより好ましく、46〜1,000であることが特に好ましい。
・イミド化合物
アミド化合物としては、導電性がより高くなることから、イミド結合を有する単分子化合物(以下、イミド化合物という。)が好ましい。イミド化合物としては、その骨格より、フタルイミド及びフタルイミド誘導体、スクシンイミド及びスクシンイミド誘導体、ベンズイミド及びベンズイミド誘導体、マレイミド及びマレイミド誘導体、ナフタルイミド及びナフタルイミド誘導体などが挙げられる。
また、イミド化合物は両末端の官能基の種類によって、脂肪族イミド、芳香族イミド等に分類されるが、溶解性の観点からは、脂肪族イミドが好ましい。
さらに、脂肪族イミド化合物は、分子内の炭素間に不飽和結合を有する飽和脂肪族イミド化合物と、分子内の炭素間に不飽和結合を有する不飽和脂肪族イミド化合物とに分類される。
飽和脂肪族イミド化合物は、R−CO−NH−CO−Rで表される化合物であり、R,Rの両方が飽和炭化水素である化合物である。具体的には、シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシイミド、アラントイン、ヒダントイン、バルビツル酸、アロキサン、グルタルイミド、スクシンイミド、5−ブチルヒダントイン酸、5,5−ジメチルヒダントイン、1−メチルヒダントイン、1,5,5−トリメチルヒダントイン、5−ヒダントイン酢酸、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、グルタルイミド、セミカルバジド、α,α−ジメチル−6−メチルスクシンイミド、ビス[2−(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン、α−メチル−α−プロピルスクシンイミド、シクロヘキシルイミドなどが挙げられる。
不飽和脂肪族イミド化合物は、R−CO−NH−CO−Rで表される化合物であり、R,Rの一方又は両方が1つ以上の不飽和結合である化合物である。具体例は、1,3−ジプロピレン尿素、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ヒドロキシマレイミド、1,4−ビスマレイミドブタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、1,8−ビスマレイミドオクタン、N−カルボキシヘプチルマレイミドなどが挙げられる。
イミド化合物の分子量は60〜5,000であることが好ましく、70〜1,000であることがより好ましく、80〜500であることが特に好ましい。
・ラクタム化合物
ラクタム化合物とは、アミノカルボン酸の分子内環状アミドであり、環の一部が−CO−NR−(Rは水素又は任意の置換基)である化合物である。ただし、環の一個以上の炭素原子が不飽和やヘテロ原子に置き換わっていてもよい。
ラクタム化合物としては、例えば、ペンタノ−4−ラクタム、4−ペンタンラクタム−5−メチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリジノン、ヘキサノ−6−ラクタム、6−ヘキサンラクタム等が挙げられる。
・グリシジル基を有する化合物
グリシジル基を有する化合物としては、例えば、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、グリシジルフェニルエーテル、ビスフェノールA、ジグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジルエーテル等のグリシジル化合物などが挙げられる。
導電性高分子塗料中の導電性向上剤の含有量は、0.05〜50質量%であることが好ましく、0.1〜40質量%であることがより好ましい。導電性向上剤の含有量が前記下限値未満であると、導電性向上剤の効果が低くなり、導電性が低くなる傾向にあり、前記上限値を超えると、π共役系導電性高分子濃度の低下に起因する導電性の低下が起こる傾向にある。
[ドーパント]
ドーパントとしては、π共役系導電性高分子へのドープ・脱ドープにおいてπ共役系導電性高分子中の共役電子の酸化還元電位を変化させることができれば、ドナー性のものでもよいし、アクセプタ性のものでもよい。ただし、ドーピング効果が高いことから、アクセプタ性の無機酸、有機酸が好ましい。
以下に、ドナー性ドーパント、アクセプタ性ドーパントンの具体例を示す。
・ドナー性ドーパント
ドナー性ドーパントとしては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム等の4級アミン塩化合物等が挙げられる。
・アクセプタ性ドーパント
アクセプタ性ドーパントとしては、例えば、ハロゲン化合物、ルイス酸、プロトン酸、有機シアノ化合物、有機金属化合物等を使用できる。
さらに、ハロゲン化合物としては、例えば、塩素(Cl)、臭素(Br2)、ヨウ素(I)、塩化ヨウ素(ICl)、臭化ヨウ素(IBr)、フッ化ヨウ素(IF)等が挙げられる。
ルイス酸としては、例えば、PF、AsF、SbF、BF、BCl、BBr、SO等が挙げられる。
有機シアノ化合物としては、共役結合に二つ以上のシアノ基を含む化合物が使用できる。例えば、テトラシアノエチレン、テトラシアノエチレンオキサイド、テトラシアノベンゼン、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノアザナフタレン等が挙げられる。
プロトン酸としては、無機酸、有機酸が挙げられる。さらに、無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸等が挙げられる。また、有機酸としては、有機カルボン酸、有機スルホン酸等が挙げられる。
有機カルボン酸としては、脂肪族、芳香族、環状脂肪族等にカルボキシル基を一つ又は二つ以上を含むものを使用できる。例えば、ギ酸、酢酸、シュウ酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ニトロ酢酸、トリフェニル酢酸等が挙げられる。
有機スルホン酸としては、脂肪族、芳香族、環状脂肪族等にスルホ基を一つ又は二つ以上含むものを使用できる。スルホ基を一つ含むものとしては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−ヘキサンスルホン酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカンスルホン酸、1−ドデカンスルホン酸、1−テトラデカンスルホン酸、1−ペンタデカンスルホン酸、2−ブロモエタンスルホン酸、3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、コリスチンメタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アミノメタンスルホン酸、1−アミノ−2−ナフト−ル−4−スルホン酸、2−アミノ−5−ナフトール−7−スルホン酸、3−アミノプロパンスルホン酸、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ペンチルベンゼンスルホン酸、ヘキシルベンゼンスルホン酸、ヘプチルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、へキサデシルベンゼンスルホン酸、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸、ジプロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸 、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノ−2−クロロトルエン−5−スルホン酸、4−アミノ−3−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−5−メトキシ−2−メチルベンゼンスルホン酸、2−アミノ−5−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−2−メチルベンゼン−1−スルホン酸、5−アミノ−2−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−3−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アセトアミド−3−クロロベンゼンスルホン酸、4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、ペンチルナフタレンスルホン酸、ジメチルナフタレンスルホン酸、4−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸、8−クロロナフタレン−1−スルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン重縮合物等のスルホ基を含むスルホン酸化合物等が挙げられる。
スルホ基を二つ以上含むものとしては、例えば、エタンジスルホン酸、ブタンジスルホン酸、ペンタンジスルホン酸、デカンジスルホン酸、m−ベンゼンジスルホン酸、o−ベンゼンジスルホン酸、p−ベンゼンジスルホン酸、トルエンジスルホン酸、キシレンジスルホン酸、クロロベンゼンジスルホン酸、フルオロベンゼンジスルホン酸、アニリン−2,4−ジスルホン酸、アニリン−2,5−ジスルホン酸、ジメチルベンゼンジスルホン酸、ジエチルベンゼンジスルホン酸、ジブチルベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、メチルナフタレンジスルホン酸、エチルナフタレンジスルホン酸、ドデシルナフタレンジスルホン酸、ペンタデシルナフタレンジスルホン酸、ブチルナフタレンジスルホン酸、2−アミノ−1,4−ベンゼンジスルホン酸、1−アミノ−3,8−ナフタレンジスルホン酸、3−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、4−アミノ−5−ナフトール−2,7−ジスルホン酸、アントラセンジスルホン酸、ブチルアントラセンジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−イソチオ−シアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−イソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−マレイミジルスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、1−アセトキシピレン−3,6,8−トリスルホン酸、7−アミノ−1,3,6−ナフタレントリスルホン酸、8−アミノナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸、3−アミノ−1,5,7−ナフタレントリスルホン酸等が挙げられる。
[添加剤]
添加剤としてはπ共役系導電性高分子及びドーパントと混合しうるものであれば特に制限されず、例えば、アルカリ性化合物、界面活性剤、消泡剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを使用できる。
アルカリ性化合物としては、公知の無機アルカリ化合物や有機アルカリ化合物を使用できる。無機アルカリ化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等が挙げられる。
有機アルカリ化合物としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、4級アミン、アミン以外の窒素含有化合物、金属アルコキシド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらの中でも、導電性がより高くなることから、脂肪族アミン、芳香族アミン、4級アミンよりなる群から選ばれる1種もしくは2種以上が好ましい。
界面活性剤としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤;アミン塩、4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤;カルボキシベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリウムベタイン等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド等の非イオン界面活性剤等が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、シリコーンレジン等が挙げられる。
カップリング剤としては、ビニル基、アミノ基、エポキシ基等を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、糖類、ビタミン類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オギザニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
酸化防止剤と紫外線吸収剤とは併用することが好ましい。
[重合開始剤]
また、導電性高分子塗料には、多官能アクリル化合物の反応を促進できることから、光重合開始剤やカチオン重合開始剤等の重合開始剤が含まれてもよい。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類などが挙げられる。さらに、光増感剤として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合できる。
また、カチオン重合開始剤としては、アリールジアゾニウム塩類、ジアリールハロニウム塩類、トリフェニルスルホニウム塩類、シラノール/アルミニウムキレート、α−スルホニルオキシケトン類等が挙げられる。
[導電性高分子塗料の製造方法]
導電性高分子塗料の製造方法としては、例えば、ポリアニオンの水溶液中でπ共役系導電性高分子の前駆体モノマーを化学酸化重合して導電性高分子水溶液を調製し、この水溶液に前記多官能アクリル化合物と必要に応じて任意成分とを添加する方法等が挙げられる。
以上のような導電性高分子塗料に含まれる多官能アクリル化合物はアミド結合を有しており、このアミド結合がπ共役系導電性高分子に作用することにより、導電性が向上するものと思われる。
また、多官能アクリル化合物は、親水性を示すアミド結合を有しているため、該導電性高分子塗料に均一に混ざっている。そのため、該導電性高分子塗料から得られる導電性塗膜では、多官能アクリル化合物から形成されたアクリル樹脂(バインダ樹脂)の分散性が高く、しかも該アクリル樹脂は架橋しているため、耐熱水性及び耐高温高湿性に優れる。
(導電性塗膜)
本発明の導電性塗膜は、上記導電性高分子塗料が塗布されて形成されたものである。
導電性高分子塗料の塗布方法としては、例えば、コンマコート、スプレーコート、ロールコート、キャストコート、ディップコート、グラビア印刷などが挙げられる。
塗布後、加熱により溶媒を除去し、又は熱や光によって硬化すればよい。加熱する場合の加熱方法としては、例えば、熱風加熱や赤外線加熱などの通常の方法を採用できる。また、光硬化により塗膜を形成する場合の光照射方法としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプなどの光源から紫外線を照射する方法を採用できる。
本発明の導電性塗膜は、上記導電性高分子塗料が塗布されて形成されたものであるため、導電性、耐熱水性及び耐高温高湿性のいずれもが優れる。このような導電性塗膜は、透明タッチパネル等の入力装置や、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、液晶ディスプレイ等の画像表示装置に備えられる透明電極として好適に利用できる。
以下、本発明の実施例を具体的に示すが、本発明は実施例により限定されるものではない。
(製造例1)
282g(2mol)の2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、89g(1mol)のグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、1.1g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置(日本分光(株)製FT/IR−300、以下の例も同様)を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が2%になったときに、反応を停止して、2官能アクリルモノマー(2−1)を得た。
(製造例2)
423g(3mol)の2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、89g(1mol)のグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、1.5g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が2%になったときに、反応を停止して、3官能アクリルモノマー(3−1)を得た。
(製造例3)
310g(2mol)の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、89g(1mol)のグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、1.0g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が3%になったときに、反応を停止して、2官能アクリルモノマー(2−2)を得た。
(製造例4)
465g(3mol)の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、89g(1mol)のグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、1.7g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が3%になったときに、反応を停止して、3官能アクリルモノマー(3−2)を得た。
(製造例5)
260g(1mol)の1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、89g(1mol)のグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、0.7g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が5%になったときに、反応を停止して、2官能アクリルモノマー(2−3)を得た。
(製造例6)
520g(2mol)の1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、89g(1mol)のグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、1.8g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が5%になったときに、反応を停止して、4官能アクリルモノマー(4−1)を得た.
(製造例7)
780g(3mol)の1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、89g(1mol)のグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、2.6g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が5%になったときに、反応を停止して、6官能アクリルモノマー(6−1)を得た。
(製造例8)
282g(2mo1)の2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、166g(1mol)のジグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、1.3g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が2%になったときに、反応を停止して、2官能アクリルモノマー(2−4)を得た。
(製造例9)
423g(3mol)の2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、166g(1mol)のジグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、1.8g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が2%になったときに、反応を停止して、3官能アクリルモノマー(3−3)を得た。
(製造例10)
564g(4mol)の2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、166g(1mol)のジグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、2.2g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が2%になったときに、反応を停止して、4官能アクリルモノマー(4−2)を得た。
(製造例11)
310g(2mol)の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、166g(1mol)のジグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、1.4g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が3%になったときに、反応を停止して、2官能アクリルモノマー(2−5)を得た。
(製造例12)
465g(3mol)の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、166g(1mol)のジグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、1.9g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が3%になったときに、反応を停止して、3官能アクリルモノマー(3−4)を得た。
(製造例13)
620g(4mol)の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、166g(1mol)のジグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、2.4g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が3%になったときに、反応を停止して、4官能アクリルモノマー(4−3)を得た。
(製造例14)
260g(1mol)の1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、166g(1mol)のジグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、1.3g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が5%になったときに、反応を停止して、2官能ビスアクリルモノマー(2−6)を得た。
(製造例15)
520g(2mol)の1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、166g(1mol)のジグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、2.1g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が5%になったときに、反応を停止して、4官能アクリルモノマー化合物(4−4)を得た。
(製造例16)
780g(3mol)の1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、166g(1mol)のジグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、2.6g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が5%になったときに、反応を停止して、6官能アクリルモノマー(6−2)を得た。
(製造例17)
1040g(4mol)の1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、166g(1mol)のジグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、3.6g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が6%になったときに、反応を停止して、8官能アクリルモノマー(8−1)を得た。
(製造例18)
282g(2mol)の2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、240g(1mol)のトリグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、2.3g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が3%になったときに、反応を停止して、2官能アクリルモノマー(2−7)を得た。
(製造例19)
423g(3mol)の2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、240g(lmol)のトリグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、2.0g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が3%になったときに、反応を停止して、3官能アクリルモノマー(3−5)を得た。
(製造例20)
564g(4mol)の2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、240g(1mol)のトリグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、2.4g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が3%になったときに、反応を停止して、4官能アクリルモノマー(4−5)を得た。
(製造例21)
705g(5mol)の2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、240g(1mol)のトリグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、2.8g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が3%になったときに、反応を停止して、5官能アクリルモノマー(5−1)を得た。
(製造例22)
310g(2mol)の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、240g(1mol)のトリグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、1.7g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が3%になったときに、反応を停止して、2官能アクリルモノマー(2−8)を得た。
(製造例23)
465g(3mol)の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、240g(1mol)のトリグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、2.1g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が3%になったときに、反応を停止して、3官能アクリルモノマー(3−6)を得た。
(製造例24)
620g(4mo1)の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、240g(1mo1)のトリグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、2.6g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が3%になったときに、反応を停止して、4官能アクリルモノマー(4−6)を得た。
(製造例25)
775g(5mol)の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、240g(1mol)のトリグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、3.0g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が4%になったときに、反応を停止して、5官能アクリルモノマー(5−2)を得た。
(製造例26)
260g(1mol)の1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、240g(1mol)のトリグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、1.5g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が5%になったときに、反応を停止して、2官能アクリルモノマーを(2−9)得た。
(製造例27)
520g(2mol)の1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、240g(1mol)のトリグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、2.3g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が5%になったときに、反応を停止して、4官能アクリルモノマー(4−7)を得た。
(製造例28)
780g(3mol)の1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、240g(1mol)のトリグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、3.1g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が5%になったときに、反応を停止して、6官能アクリルモノマー(6−3)を得た。
(製造例29)
1040g(4mol)の1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、240g(1mol)のトリグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、3.8g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が5%になったときに、反応を停止して、8官能アクリルモノマー(8−2)を得た。
(製造例30)
1300g(5mol)の1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、240g(1mol)のトリグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、4.6g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が6%になったときに、反応を停止して、10官能アクリルモノマー(10−1)を得た。
(製造例31)
700mlの脱水THFに、423g(3mol)の2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、310g(1mol)のポリグリセリン(4量体)を四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、2.2g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が2%になったときに、反応を停止して、3官能アクリルモノマー(3−7)の溶液を得た。
(製造例32)
1000mlの脱水THFに、564g(4mol)の2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、460g(1mol)のポリグリセリン(6量体)を四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、3.1g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が2%になったときに、反応を停止して、4官能アクリルモノマー(4−8)の溶液を得た。
(製造例33)
1500mlの脱水THFに、846g(6mol)の2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、770g(1mol)のポリグリセリン(10量体)を四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、4.8g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が2%になったときに、反応を停止して、6官能アクリルモノマー(6−4)の溶液を得た。
(製造例34)
3000mlの脱水THFに、1551g(11mol)の2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1520g(1mol)のポリグリセリン(10量体)を四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、9.2g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が2%になったときに、反応を停止して、11官能アクリルモノマー(11−1)の溶液を得た。
(製造例35)ポリスチレンスルホン酸の調製
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、この溶液を2時間攪拌した。
これにより得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に10質量%に希釈した硫酸を1000mlと10000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いてポリスチレンスルホン酸含有溶液の約10000ml溶液を除去し、残液に10000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約10000ml溶液を除去した。上記の限外ろ過操作を3回繰り返した。
さらに、得られたろ液に約10000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約10000ml溶液を除去した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。
限外ろ過条件は下記の通りとした(他の例でも同様)。
限外ろ過膜の分画分子量:30K
クロスフロー式
供給液流量:3000ml/分
膜分圧:0.12Pa
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形状のポリスチレンスルホン酸を得た。
(製造例36)ポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)水溶液の調製
14.2gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、36.7gの製造例35で得たポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合した。
これにより得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、上記ろ過処理が行われた処理液に200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの処理液を除去し、これに2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた処理液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの処理液を除去した。この操作を5回繰り返し、約1.5質量%の青色のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT−PSS)水溶液を得た。
(比較製造例1)
141g(1mol)の2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、89g(1mol)のグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、0.7g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が2%になったときに、反応を停止して、1官能アクリルモノマー(1−1)を得た。
(比較製造例2)
155g(1mol)の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、89g(1mol)のグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、0.7g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が2%になったときに、反応を停止して、1官能アクリルモノマー(1−2)を得た。
(比較製造例3)
141g(1mol)の2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、166g(1mol)のジグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、0.9g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が2%になったときに、反応を停止して、1官能アクリルモノマー(1−3)を得た。
(比較製造例4)
155g(1mol)の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、166g(1mol)のジグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、1.0g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が3%になったときに、反応を停止して、1官能アクリルモノマー(1−4)を得た。
(比較製造例5)
141g(1mol)の2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、240g(1mol)のトリグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、1.1g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が2%になったときに、反応を停止して、1官能アクリルモノマー(1−5)を得た。
(比較製造例6)
155g(1mol)の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、240g(1mol)のトリグリセリンを四口セパラブルフラスコに入れて攪拌し、これらを溶解した。そのセパラブルフラスコ中に、1.2g(イソシアネート成分とグリセリン成分の合計量に対して300ppm)のトリエチルアミンを添加し、窒素気流下2時間攪拌して、反応させた。その反応の際、赤外線吸収スペクトル装置を用い、イソシアネート基の残存率(NCO%)を追跡した。そして、イソシアネート基の残存率が2%になったときに、反応を停止して、1官能アクリルモノマー(1−6)を得た。
(実施例1)
製造例36で得たPEDOT−PSS水溶液100gに、8.7gの製造例1で得た2官能アクリルモノマー(2−1)と、0.1gのイルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)と、50gのエタノールとを添加し、均一に混合して導電性高分子塗料を得た。
その導電性高分子塗料を、易接着性ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ポリエステルフィルム(株)製ダイヤポイルT680E100、全光線透過率93%、ヘイズ1.8%)上に、ワイヤーコータ#8により塗布し、100℃のオーブン中で2分間加熱乾燥後、紫外線照射(高圧水銀灯100W、200mJ/cm)した。
これにより得た導電性塗膜を下記の評価法で評価した。その結果を表1に示す。
・初期表面抵抗率の測定(導電性の評価)
導電性塗膜の初期表面抵抗率をローレスタ(三菱化学製)により測定した。
・全光線透過率の評価
JIS K 7361−1に基づいて全光線透過率を測定した。
・ヘイズの評価
JIS K 7136に基づいてヘイズを測定した。
・熱水浸漬後の表面抵抗率測定(耐熱水性の評価)
80℃熱水に導電性塗膜を18時間浸漬した後、表面抵抗率を測定した。その表面抵抗率の初期表面抵抗率に対する変動率が小さいほど、耐熱水性に優れる。
・高温高湿環境下放置後の表面抵抗率測定(耐高温高湿性の評価)
温度60℃、相対湿度95%の環境下に250時間放置した後、表面抵抗率を測定した。その表面抵抗率の初期表面抵抗率に対する変動率が小さいほど、耐高温高湿性に優れる。
Figure 2008143860
(実施例2〜34)
2官能アクリルモノマー(2−1)8.7gの代わりに、表1に示す多官能アクリル化合物を用いたこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子塗料を得た。そして、この導電性高分子塗料を用いて実施例1と同様にして導電性塗膜を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
製造例36で得たPEDOT−PSS水溶液100gに、3.0g(ポリスチレンスルホン酸に対して5.0モル当量)のN−ヒドロキシエチルアクリルアミドと、0.1gのイルガキュア127と、50gのエタノールとを添加し、均一に混合して導電性高分子塗料を得た。そして、この導電性高分子塗料を用いて実施例1と同様にして導電性塗膜を形成し、評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2008143860
(比較例2)
製造例36で得たPEDOT−PSS水溶液100gに、3.0g(ポリスチレンスルホン酸に対して5.0モル当量)のN−ヒドロキシエチルアクリルアミドと、1.5g(ポリスチレンスルホン酸に対して2.0モル当量)のメタクリル酸グリシジルと、0.1gのイルガキュア127と、50gのエタノールとを添加し、均一に混合して導電性高分子塗料を得た。そして、この導電性高分子塗料を用いて実施例1と同様にして導電性塗膜を形成し、評価した。評価結果を表2に示す。
(比較例3)
製造例36で得たPEDOT−PSS水溶液100gに、1.2g(ポリスチレンスルホン酸に対して0.8モル当量)のペンタエリスリトールトリアクリレートと、0.3g(ポリスチレンスルホン酸に対して0.2モル当量)の2,3,3’,4,4’,5−ヘキサヒドロキシベンゾフェノンと、0.1gのイルガキュア127と、50gのエタノールとを添加し、均一に混合して導電性高分子塗料を得た。そして、この導電性高分子塗料を用いて実施例1と同様にして導電性塗膜を形成し、評価した。評価結果を表2に示す。
(比較例4〜9)
2官能アクリルモノマー(2−1)8.7gの代わりに、表2に示す1官能アクリルモノマーを用いたこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子塗料を得た。そして、この導電性高分子塗料を用いて実施例1と同様にして導電性塗膜を形成し、評価した。評価結果を表2に示す。
π共役系導電性高分子とポリアニオンと本願請求項1又は2の多官能アクリル化合物と溶媒とを含有する導電性高分子塗料から形成した実施例1〜34の導電性塗膜は、初期表面抵抗率が低く、導電性に優れていた。しかも、初期表面抵抗率に対する熱水浸漬後の表面抵抗率、高温高湿環境下放置後の表面抵抗率は共に1.3倍以内であり、耐熱水性及び耐高温高湿性にも優れていた。また、透明性も損なわれていなかった。
これに対し、π共役系導電性高分子とポリアニオンとアクリルアミド化合物と溶媒とを含有し、本願請求項1又は2の多官能アクリル化合物を含有しない導電性高分子塗料から形成した比較例1,2の導電性塗膜は、架橋密度が低く、熱水浸漬後には導電性塗膜が剥がれてしまい、評価できなかった。また、高温高湿環境下放置後の表面抵抗率は、比較例1では、初期表面抵抗率に対して4.3倍、比較例2では、3倍と高かった。すなわち、比較例1,2の導電性塗膜は、耐熱水性及び耐高温高湿性が低かった。
π共役系導電性高分子とポリアニオンとアミド結合を有さない多官能アクリル化合物とを含有し、本願請求項1又は2の多官能アクリル化合物を含有しない導電性高分子塗料から形成した比較例3の導電性塗膜は、初期表面抵抗率が高く、導電性が低かった。
π共役系導電性高分子とポリアニオンとアミド結合を有する1官能アクリルモノマーと溶媒とを含有し、本願請求項1又は2の多官能アクリル化合物を含有しない導電性高分子塗料から形成した比較例4〜9の導電性塗膜は、架橋密度が低く、熱水浸漬後には導電性塗膜が剥がれてしまい、評価できなかった。また、高温高湿環境下放置後の表面抵抗率は、初期表面抵抗率に対して5.0〜6.0倍に上昇した。すなわち、比較例4〜9の導電性塗膜は、耐熱水性及び耐高温高湿性が低かった。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される多官能アクリル化合物であって、
    一般式(1)におけるA〜Aのうちの少なくとも2つが、各々独立して、一般式(2)で表される置換基、一般式(3)で表される置換基、一般式(4)で表される置換基のいずれかであることを特徴とする多官能アクリル化合物。
    Figure 2008143860
    (一般式(1)におけるA〜Aのうち、一般式(2)〜(4)のいずれかで表される置換基でないものは、水素原子である。一般式(1)におけるm、一般式(2)におけるa、一般式(3)におけるb及び一般式(4)におけるc,dは、各々独立して、1,2,3,4,6,10,20のいずれかである。)
  2. 下記一般式(5)で表される多官能アクリル化合物であって、
    一般式(5)におけるA〜Aのうちのいずれか1つが、一般式(4)で表される置換基であり、残りの2つが水素原子であることを特徴とする多官能アクリル化合物。
    Figure 2008143860
    (一般式(4)におけるc,d及び一般式(5)におけるnは、各々独立して、1,2,3,4,6,10,20のいずれかである。)
  3. 触媒存在下、下記一般式(6)〜(8)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のイソシアネート成分(I)と、一般式(9)で表されるグリセリン成分(G)とを付加反応させることを特徴とする多官能アクリル化合物の製造方法。
    Figure 2008143860
    (一般式(6)におけるe、一般式(7)におけるf、一般式(8)におけるg,h及び一般式(9)におけるpは、各々独立して、1,2,3,4,6,10,20のいずれかである。)
  4. 触媒存在下、下記一般式(8)で表されるイソシアネート成分(I)と、一般式(9)で表されるグリセリン成分(G)とを付加反応させることを特徴とする多官能アクリル化合物の製造方法。
    Figure 2008143860
    (一般式(8)におけるg,h及び一般式(9)におけるpは、各々独立して、1,2,3,4,6,10,20のいずれかである。)
  5. 請求項1又は2に記載の多官能アクリル化合物とπ共役系導電性高分子とポリアニオンと溶媒とを含有することを特徴とする導電性高分子塗料。
  6. 請求項5に記載の導電性高分子塗料が塗布されて形成されたことを特徴とする導電性塗膜。
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