JP2012061550A - マルチワイヤ放電加工装置及びマルチワイヤ放電加工方法並びに炭化ケイ素板の製造方法 - Google Patents

マルチワイヤ放電加工装置及びマルチワイヤ放電加工方法並びに炭化ケイ素板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マルチワイヤ放電加工装置において、切断ワイヤ部分の共振を抑制し、効率よく炭化ケイ素の薄板を切り出す。
【解決手段】放電加工中に放電発生が停止した際に、高周波パルス電力の通電再開からの放電が検知されていた時間と放電が検知されない時間の合計時間である積算時間STが切断ワイヤ部分の振動の周期を固有周期tsより第一の離調時間Δts1だけ短くなった際に通電を停止し、その後一時停止時間Δtpだけ通電停止を継続し、高周波パルス電力の通電再開からの経過時間が切断ワイヤ部分の振動の周期を固有周期tsより第二の離調時間Δts2だけ長くなった際に高周波パルス電力の通電を再開する。
【選択図】図7

Description

本発明は、マルチワイヤ放電加工装置の構造及びそのマルチワイヤ放電加工装置を用いたマルチワイヤ放電加工方法並びにそのマルチワイヤ放電加工装置、マルチワイヤ放電加工方法によって炭化ケイ素板を製造する方法に関する。
シリコン等の円柱状インゴットからウェハを切り出す場合における切断手段として、砥粒を用いたワイヤソーが知られている。このワイヤソーは、複数のガイドローラ間に巻回された切断用ワイヤをその長手方向に高速駆動しながら、ワイヤに対してワークを切断送りすることにより、ワークから多数枚の薄片を同時に切り出すものである。
しかし、このようなワイヤソーでは、ガイドローラ間に形成された複数本の切断ワイヤ部分に対し、加工用砥粒が混合された加工液(スラリー)を同時供給する必要があり、その取扱いは容易でない。また、ワイヤがワークに直接接触することによる断線を抑制するために比較的太いワイヤを使用する必要があり、切断加工代が大きくなってしまうという問題があった。さらに、従来のワイヤソーは、インゴットからウェハを切り出すのに長時間を要する場合もあり、加工時間短縮のニーズが高まっている。
一方、近年、炭化ケイ素(シリコンカーバイド、SiC)が半導体の材料として注目されている。しかし、この炭化ケイ素(シリコンカーバイド,SiC)は硬質材料であるため、従来のワイヤソーでは、シリコンのインゴットを切断する以上の時間がかかってしまうという問題があった。
そこで、炭化ケイ素のインゴットと切断用ワイヤとの間に電圧を断続的に印加し、各切断ワイヤ部分によってインゴットを放電加工の原理で切断する放電式ワイヤソーの開発が進められている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載された従来技術の放電式ワイヤソーは、ガイドローラにワイヤを複数回巻回して複数本の切断ワイヤ部分を形成し、これらの切断ワイヤ部分とワークとの間に電圧を印加しながら当該切断ワイヤ部分に対してワークを切断送りすることにより当該ワークを複数個所で同時切断するマルチワイヤ放電加工装置である。
特開2000−107941号公報
ところで、ワイヤ放電加工は、液中で電極となるワイヤとワークとの間に直接放電を発生させて放電に伴う熱的作用(蒸発、溶融)と力学的作用(放電衝撃圧力)によって切断などの加工を行うものである。液中でワイヤとワークとの間で放電が発生すると、電子、もしくは陽イオンの衝突エネルギーによってワークが加熱され、ワークの蒸発、溶融現象が発生する。また、この加熱によってワイヤとワークとの間の液体が急激に気化、膨張する。そして、液体の気化、膨張によって発生する衝撃的な圧力によってワークの溶融部分が飛散し、除去され、ワークが加工される。このように、加熱によるワークの溶融と衝撃的な圧力による溶融部分の除去を繰り返し行うことによってワークを連続的に加工するのがワイヤ放電加工である。このため、放電の際にはこの圧力によって切断ワイヤ部分はワークの送り方向に向う横方向の力を受ける。
切断ワイヤ部分は、特許文献1に記載されているように複数のガイドローラに所定の張力で複数回巻きつけられたワイヤの一部であり、各切断ワイヤ部分にはそれぞれ張力が掛っている。放電によってこの切断ワイヤ部分に加わった横力は、各切断ワイヤ部分をワークの送り方向に横移動させる。切断ワイヤ部分が横移動すると、張力により切断ワイヤ部分を元の位置に戻す方向の復帰横力が発生する。そして、放電が停止すると切断ワイヤ部分に加わっていた横力がなくなり、切断ワイヤ部分は張力による元の位置に向かう復帰横力によってガイドローラ間の接線に沿った元の位置に復帰しようとする。
通常、マルチワイヤ放電加工機ではワイヤには数十kHz以上の高周波のパルス電力が供給されているので、パルスごとに放電が発生する場合には、切断ワイヤ部分のワークの送り方向に加わる横力は高周波のパルス電力と同じ数十kHz以上の周波数を持つこととなる。一方、張力による切断ワイヤ部分の横方向、或いはワークの送り方向と直角方向の固有振動数を計算すると数kHz程度以下であり、放電による切断ワイヤ部分の振動周期は固有振動周期の1/10倍程度以下となる。このため、放電が停止して切断ワイヤ部分に加わっていた横力がなくなっても切断ワイヤ部分がガイドローラ間の接線に沿った位置に復帰する前に放電による次の横力が加わるので、放電加工中、切断ワイヤ部分は高周波の横力によりガイドローラ間の接線に沿った元の位置からワークの送り方向に若干移動した位置に留まってほとんど振動せず、放電加工していない状態よりも少しだけ大きな張力が加わった状態となっている。
ところが、例えば放電加工の進行によって加工液の抵抗値が大きくなったような場合には、高周波のパルス電力を供給中に放電が停止する場合がある。この場合、放電による高周波の横力が加わらなくなるので、張力による復帰横力により切断ワイヤ部分がガイドローラ間の接線に沿った元の位置に復帰してくる。高周波のパルス電力は供給され続けているので、ワークと切断ワイヤ部分との距離が小さくなってくると元の位置近傍のある所で放電が再発生する。すると、切断ワイヤ部分はワークの送り方向に向う横方向の力を受け、再びワークの送り方向に横移動し始める。そして、何回か連続して放電が発生して切断ワイヤ部分とワークとの距離がある程度大きくなると再び放電が停止し、張力による復帰横力により切断ワイヤ部分がガイドローラ間の接線に沿った元の位置に復帰してくる。このため、切断ワイヤ部分はガイドローラ間の接線に沿った元の位置近傍と放電による横力によってワークの送り方向に移動した位置との間で振動を起こすこととなる。そして、この振動の振動数が切断ワイヤ部分の横方向の固有振動数または固有振動数の整数倍に近くなると、切断ワイヤ部分が横方向に共振を起こして大きく振動し、ワイヤの断線が発生して放電加工装置が停止してしまう場合があるという問題があった。
本発明は、マルチワイヤ放電加工装置でワイヤの断線を抑制し、ワークから複数の薄板を効率よく切り出すことを目的とする。
本発明のマルチワイヤ放電加工装置は、間隔をおいて配設された複数のガイドローラを含むガイドローラ組と、前記各ガイドローラの長手方向に間隔をあけて前記ガイドローラ組に複数回巻き掛けられ、一対の隣接するガイドローラ間で前記ガイドローラの長手方向に所定の離間ピッチで配置されると共に所定の張力が印加され、複数の切断ワイヤ部分を構成するワイヤと、前記各切断ワイヤ部分に高周波パルス電力を供給する高周波パルス電源と、前記各切断ワイヤ部分とワークとの間の放電状態を検知する放電状態検知手段と、前記高周波パルス電源から前記各切断ワイヤ部分に供給される前記高周波パルス電力を間欠的に入り切りする制御部とを備え、前記各切断ワイヤ部分と前記ワークとの間で放電を行って前記ワークを加工するマルチワイヤ放電加工装置であって、制御部は、前記各切断ワイヤ部分に前記高周波パルス電力を供給しても前記放電状態検知手段によって前記各切断ワイヤ部分と前記ワークとの間の放電が検知されない場合、放電が検知されない時間が所定の継続時間となった際に、前記高周波パルス電力の供給を一時的に停止する高周波パルス電力供給一時停止手段を有すること、を特徴とする。
本発明のマルチワイヤ放電加工装置において、前記高周波パルス電力供給一時停止手段の前記所定の継続時間は、前記切断ワイヤ部分の横振動の固有周期または前記固有周期の整数分の1よりも第一の離調時間だけ短く、前記所定の継続時間と一時的に前記パルス電力の供給を停止している一時停止時間との合計は、前記固有周期または前記固有周期の整数分の1よりも第二の離調時間だけ長いこと、としても好適であるし、前記制御部の前記高周波パルス電力供給一時停止手段は、放電が検知されない時間と放電が検知されなくなった直前の放電が検知されていた時間との合計時間が前記所定の継続時間となった場合、前記高周波パルス電力の供給を一時的に停止すること、としても好適であるし、前記ワイヤの張力を検出する張力検出手段を備え、前記制御部は、前記張力検出手段によって検出した張力に基づいて切断ワイヤ部分の横振動の前記固有周期を計算する固有周期計算手段を有すること、としても好適である。
本発明のマルチワイヤ放電加工装置において、前記制御部は、前記張力検出手段によって検出した前記ワイヤの張力が前記所定の張力より増大した場合には、前記第一の離調時間と前記一時停止時間とを減少させ、前記張力検出手段によって検出した前記ワイヤの張力が前記所定の張力より減少した場合には、前記第一の離調時間と前記一時停止時間とを増大させる時間変化手段を有すること、としても好適である。
本発明のマルチワイヤ放電加工装置において、前記切断ワイヤ部分と前記ワークとの間の電圧を検出する電圧センサを備え、前記放電状態検出手段は、前記電圧センサによって検出した前記高周波パルス電力の各パルスの立ち下がり直前の電圧が閾電圧以下の場合に放電発生を検知し、前記各パルスの立ち下がり直前の電圧が前記閾電圧より大きい場合に放電が発生していないことを検知すること、としても好適である。
本発明のマルチワイヤ放電加工方法は、間隔をおいて配設された複数のガイドローラを含むガイドローラ組と、前記各ガイドローラの長手方向に間隔をあけて前記ガイドローラ組に複数回巻き掛けられ、一対の隣接するガイドローラ間で前記ガイドローラの長手方向に所定の離間ピッチで配置されると共に所定の張力が印加され、複数の切断ワイヤ部分を構成するワイヤと、前記各切断ワイヤ部分に高周波パルス電力を供給する高周波パルス電源と、前記各切断ワイヤ部分とワークとの間の放電状態を検知する放電状態検知手段とを備え、前記各切断ワイヤ部分と前記ワークとの間で放電を行って前記ワークを加工するマルチワイヤ放電加工装置を準備し、前記各切断ワイヤ部分に前記高周波パルス電力を供給しても、前記放電状態検知手段によって前記各切断ワイヤ部分と前記ワークとの間の放電が検知されない場合、放電が検知されない時間が所定の継続時間となった際に、前記高周波パルス電力の供給を一時的に停止して、前記高周波パルス電源から前記各切断ワイヤ部分に供給される前記高周波パルス電力を間欠的に入り切りすることを特徴とする。
本発明のマルチワイヤ放電加工方法において、前記所定の継続時間は、前記切断ワイヤ部分の横振動の固有周期または前記固有周期の整数分の1よりも第一の離調時間だけ短く、前記所定の継続時間と一時的に高周波パルス電力の供給を停止している一時停止時間との合計は、前記固有周期または前記固有周期の整数分の1よりも第二の離調時間だけ長いこと、としても好適である。
本発明の炭化ケイ素板の製造方法は、間隔をおいて配設された複数のガイドローラを含むガイドローラ組と、前記各ガイドローラの長手方向に間隔をあけて前記ガイドローラ組に複数回巻き掛けられ、一対の隣接するガイドローラ間で前記ガイドローラの長手方向に所定の離間ピッチで配置されると共に所定の張力が印加され、複数の切断ワイヤ部分を構成するワイヤと、前記各切断ワイヤ部分に高周波パルス電力を供給する高周波パルス電源と、前記各切断ワイヤ部分と炭化ケイ素のインゴットとの間の放電状態を検知する放電状態検知手段とを備えるマルチワイヤ放電加工装置によって前記各切断ワイヤ部分と前記炭化ケイ素のインゴットとの間で放電を行って前記炭化ケイ素のインゴットから複数の炭化ケイ素板を切り出す炭化ケイ素板の製造方法であって、前記各切断ワイヤ部分に前記高周波パルス電力を供給しても前記放電状態検知手段によって前記各切断ワイヤ部分と前記炭化ケイ素のインゴットとの間の放電が検知されない場合、放電が検知されない時間が所定の継続時間となった際に、前記高周波パルス電力の供給を一時的に停止して前記高周波パルス電源から前記各切断ワイヤ部分に供給される前記高周波パルス電力を間欠的に入り切りし、前記各切断ワイヤ部分と前記炭化ケイ素のインゴットとの間で放電を行って前記炭化ケイ素のインゴットから複数の前記炭化ケイ素板を切り出すことを特徴とする。
本発明の炭化ケイ素板の製造方法において、前記所定の継続時間は、前記切断ワイヤ部分の横振動の固有周期または前記固有周期の整数分の1よりも第一の離調時間だけ短く、前記所定の継続時間と一時的に前記高周波パルス電力の供給を停止している一時停止時間との合計は、前記固有周期または前記固有周期の整数分の1よりも第二の離調時間だけ長いこと、としても好適である。
本発明は、マルチワイヤ放電加工装置でワイヤの断線を抑制し、ワークから複数の薄板を効率よく切り出すことができるという効果を奏する。
本発明のマルチワイヤ放電加工装置の構成を示す系統図である。 本発明の実施形態における放電加工の際の給電子とインゴットとの間の電圧と放電電流と切断ワイヤ部分の横方向変位を示すグラフである。 本発明の実施形態における放電加工方法でワークを加工する状態を模式的に示す説明図である。 本発明のマルチワイヤ放電加工装置でワークを切断する状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態における放電加工方法で炭化ケイ素板を切り出した状態を模式的に示す説明図である。 本発明の実施形態における放電加工方法の工程を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における放電加工の際の給電子とインゴットとの間の電圧と放電電流と切断ワイヤ部分の横方向変位を示すグラフである。 本発明の他の実施形態における放電加工方法の工程を示すフローチャートである。 従来技術における放電加工の際の給電子とインゴットとの間の電圧と放電電流と切断ワイヤ部分の横方向変位を示すグラフである。
図1に示すように、本実施形態のマルチワイヤ放電加工装置100は、ワイヤ15の方向を変更するプーリ11,12と、複数回ワイヤ15が巻き掛けられ、図示しない駆動機構によって回転駆動されるガイドローラ24A〜24Dと、高周波パルス電源29と、ワイヤ15に放電加工用の数十kHzの高周波パルス電力を供給する給電子41と、ワークである炭化ケイ素のインゴット28をY方向に移動させるワーク送りユニット27と、制御部80とを備えている。炭化ケイ素のインゴット28は円筒形で一部が平面となっており、この平面部分に例えば銅などで構成された取り付け部材28bが接着などで取り付けられ、取り付け部材28bがワーク送りユニット27のステッピングモータ25によってガイドローラ24A,24Bの長手方向と直角方向で、切断ワイヤ部分26に接離する方向であるY方向に駆動されるよう構成されている。
ワイヤ15は、図示しない繰り出しボビンから繰り出された後、プーリ11で方向が変更され、各ガイドローラ24A〜24Dの軸方向にピッチPの間隔で複数回巻き掛けられる。そして、ガイドローラ24Bを出たワイヤ15はプーリ12によって方向を変更された後、図示しない巻き取りボビンに巻き取られる。ガイドローラ24A、24Bは隣接する一対のガイドローラであり、その間はワークである炭化ケイ素のインゴット28との間で放電を行う切断ワイヤ部分26となっている。ガイドローラ24A、24Bの図1に示すZ方向の中心間距離はLであり、ガイドローラ24A、24B間の接線の距離はLである。従って、切断ワイヤ部分26の長手方向の長さはLとなる。ワイヤ15には切断ワイヤ部分に掛かるワイヤの張力が所定の張力Tとなるように、図示しない駆動装置によって張力が印加されている。また、ワイヤ15には印加されている張力を検出する第1、第2の張力センサ13a,13bが設けられている。第1の張力センサ13aは、ワイヤ15の繰り出しボビン側に設けられ、第2の張力センサ13bはワイヤ15の巻き取りボビン側に設けられている。放電加工を行っていない場合には、切断ワイヤ部分26は図1の実線で示すように、ガイドローラ24A、24B間の接線方向に延びる元位置にあり、後で説明するように、放電加工中には切断ワイヤ部分26の横方向である図1に示すY方向に向かって加わる横力Fによって、図1に点線で示すY方向に横方向変位Dだけ移動した移動位置に移動する。
高周波パルス電源29は、直流電源29aと、直流電源29aからの直流電力をスイッチングして矩形の高周波パルス電力とするスイッチングトランジスタ29bと、スイッチングトランジスタ29bをスイッチング動作させるトランジスタ駆動回路29cとを含んでする。スイッチングトランジスタ29bが閉の場合、給電子41にはプラスの直流電圧が印加され、インゴット28はグランドあるいはマイナス側となる。そして、給電子41のプラス側とインゴット28のグランド側との間には電圧センサ31が接続されている。
制御部80は内部に信号処理を行うCPUと動作プログラムやデータ等を格納するメモリとを備えるコンピュータである。電圧センサ31と、ステッピングモータ25と、高周波パルス電源29のトランジスタ駆動回路29cと、張力センサ13a,13bは制御部80に接続され、制御部80の指令によって動作あるいは、制御部80に信号を入力するよう構成されている。また、ステッピングモータ25は、内部の回転子の回転角度を検出することができ、回転子の回転角度からインゴット28のY方向の位置を検出することができるよう構成されている。
以上説明したマルチワイヤ放電加工装置100によってインゴット28を切断して炭化ケイ素の薄板を切り出す基本的な動作について説明する。図1に示す制御部80は、インゴット28をY方向に所定の長さだけ送る指令を出力する。この指令によって、インゴット送りユニット27のステッピングモータ25が回転を開始し、インゴット28がY方向に送られる。また、制御部80は、高周波パルス電源29に高周波パルス電力を供給する指令を出力する。この指令によって高周波パルス電源29のトランジスタ駆動回路はスイッチングトランジスタ29bを高周波でオンオフする信号を出力する。この信号によってスイッチングトランジスタ29bが高周波でオンオフし、図2に示すように、電圧Vp1、周期tpの高周波パルス電力が給電子41とインゴット28との間に供給される。
Y方向にインゴット28が送られ、インゴット28と切断ワイヤ部分26との距離が近接してくると、インゴット28と複数の切断ワイヤ部分26との間で放電が発生する。図2に示すように、放電が発生すると、切断ワイヤ部分26にはパルス状の放電電流Asが流れ、給電子41とインゴット28との間の電圧Vpは、立ち上がりの際の電圧Vp1からVp2に低下する。そして、スイッチングトランジスタ29bがオフとなると給電子41とインゴット28との間の電圧Vpはゼロとなり、放電電流Asもゼロとなる。
図3に示すようにインゴット28と切断ワイヤ部分26との間で放電が発生すると、電子、もしくは陽イオンの衝突エネルギーによってインゴット28が加熱され、切断ワイヤ部分26と近接する部分のインゴット28の蒸発、溶融現象が発生する。また、この加熱によって切断ワイヤ部分26とインゴット28との間の液体が急激に気化、膨張して気泡200となり、衝撃的な圧力がインゴット28の溶融部分を飛散させ、インゴット28と切断ワイヤ部分26との間から除去する。これによってインゴット28にスリット28sが加工されていく。また、気泡200の発生による衝撃的な圧力によって切断ワイヤ部分26は送り方向と同様のY方向に向かって横力Fが加わる。この横力Fによって、切断ワイヤ部分26は、図1に示すようにY方向に移動し、図2に示すように切断ワイヤ部分26の横方向変位Dはd1となる。そして、切断ワイヤ部分26に印加される張力は所定の張力Tより少し大きいT1となる。
図2に示すように、スイッチングトランジスタ29bがオフとなり、放電しなくなると、図3に示した横力Fはゼロとなる。一方、図1に示すように、切断ワイヤ部分26には張力T1が掛かっていることから、この張力T1により切断ワイヤ部分26をガイドローラ24A、24B間の接線方向に延びる元位置に復帰させようとする復帰横力G1が加わり、切断ワイヤ部分26は元位置に向ってY方向マイナス側に向かって移動しようとする。しかし、切断ワイヤ部分26の固有振動数は数kHz以下であることから、復帰移動の速度が遅く、図2に示す様に元位置に復帰移動を開始する前に、スイッチングトランジスタ29bが再びオンとなって次のパルス電力が給電子41とインゴット28との間に供給され、次の放電が発生する。そして、次の放電の発生によって切断ワイヤ部分26には再び横力Fが加わり、図2に示すように、切断ワイヤ部分26は横方向変位Dがd2となるまでY方向に移動する。切断ワイヤ部分26の横方向変位Dがd2に達すると、切断ワイヤ部分26に印加される張力は先の張力T1よりも大きいT2となり、復帰横力もG1がよりも大きいG2となる。そして、切断ワイヤ部分26の横方向変位Dがd2に達すると、切断ワイヤ部分26に加わる横力Fと切断ワイヤ部分26の増加した張力T2による元位置への復帰横力G2とがつりあって、切断ワイヤ部分26の横方向変位Dはd2で略一定となる。図2に示すように、この状態で高周波パルス電力の各パルス電力が供給されるたびに放電が発生し、インゴット28は所定の送りで送られ、図4に示すように、放電によってインゴット28にスリット28sを切り込んで行く。スリット28sの間隔は、切断ワイヤ部分26のX方向のピッチPと同様、Pとなる。
そして、図5に示すように、スリット28sが取り付け部材28bまで達すると、制御部80は、高周波パルス電力の供給を終了する指令を出力する。この指令によって、トランジスタ駆動回路29cはスイッチングトランジスタ29bのオンオフ動作を停止させ、放電が終了する。図2の時間t2に示すように、放電が終了すると、切断ワイヤ部分26は張力T2による復帰横力G2によって図1に示すY方向マイナス側に移動し、横方向変位Dはd2からしだいに小さくなり、やがて、元位置まで復帰して横方向変位Dはゼロとなる。
このように、スリット28sの放電加工が終了したら、取り付け部材28bに固定されたインゴット28をワーク送りユニット27から取り外し、取り付け部材28bを取り外して切り出した炭化ケイ素の薄板28aを取り出す。
次に図9を参照しながら、従来技術のマルチワイヤ放電加工装置で放電加工中に放電が停止した場合について説明する。図9の時間t4に示すように、放電加工中に加工液の抵抗値が大きくなってくると、高周波パルス電力が供給されているにもかかわらずインゴット28と切断ワイヤ部分26との間に放電が発生しない場合がある。この場合には放電電流Asが流れないので、給電子41とインゴット28との間の電圧Vpは、スイッチングトランジスタ29bがオンとなっている間、電圧Vp1で一定となる。そして、放電が発生しないので、図3を参照して説明したような横力Fの発生がないことから、切断ワイヤ部分26は張力T2による復帰横力G2によって図1に示すY方向マイナス側に移動し、横方向変位Dはd2からしだいに小さくなる。この間切断ワイヤ部分26とインゴット28との距離が縮まってくるが一旦放電が停止すると次の放電が起こりにくくなるので、図9の時間t4から時間t5の間はスイッチングトランジスタ29bがオンとなって給電子41とインゴット28との間の電圧がVp1まで上昇しても放電は発生しない。そして、切断ワイヤ部分26は、図9に示す時間t5に元位置まで復帰してその横方向変位Dはゼロとなる。
切断ワイヤ部分26が元位置まで復帰するとインゴット28との距離が放電可能な距離まで縮まってくるので、図9に示す時間t5にスイッチングトランジスタ29bがオンとなって給電子41とインゴット28との間の電圧がVp1まで上昇した際に放電が再開する。一旦、放電が再開すると放電によって切断ワイヤ部分26とインゴット28との間で放電が起こりやすくなり、図9に示すように、各パルス電力が供給されるたびに何回が続けて放電が発生し、切断ワイヤ部分26の横方向変位Dがd2に達すると、切断ワイヤ部分26に加わる横力Fと切断ワイヤ部分26の増加した張力T2による元位置への復帰横力G2とがつりあって、切断ワイヤ部分26の横方向変位Dはd2で略一定の状態となる。しかし、放電加工によって加工液の抵抗値が大きくなってきているので、図9に示す時間t6に再び放電が停止し、切断ワイヤ部分26の横方向変位Dはゼロまで低下する。そして、図9に示す時間t7にスイッチングトランジスタ29bがオンとなって給電子41とインゴット28との間の電圧がVp1まで上昇した際に放電が再開する。
以上説明したように、従来技術のマルチワイヤ放電加工装置では、切断ワイヤ部分26は、図9に示す放電再開の間の時間Δt1の周期で振幅ゼロとd2との間で振動する。この時間Δt1が、切断ワイヤ部分26の横方向の振動の固有周期tsあるいはその整数分の1に近くなってくると、切断ワイヤ部分26に横方向の共振が発生し、ワイヤ15の切断が発生してしまう。
次に図6、図7を参照して本発明の実施形態のマルチワイヤ放電加工装置100の動作について説明する。図1から図5を参照して説明した部分には同様の符号を付して説明は省略する。
図6のステップS101に示すように、制御部80は、張力センサ13a,13bからワイヤ15に印加されている張力T10を取得する。そして、制御部80は、放電加工の際に切断ワイヤ部分26に掛かる張力T11をT11=T10+ΔTとして計算する。ΔTは、放電加工によって切断ワイヤ部分26の横方向変位Dによって増加する張力であり、試験などで定めた数値であってもよいし、放電加工の状態や加工対象によっていろいろな数値を選択することができるテーブルを制御部80のメモリに格納しておき、そのテーブルから選択するようにしてもよい。そして、図6のステップS102に示すように、制御部80は、切断ワイヤ部分26の固有周期tsを計算する。固有周期tsは、例えば、式1に示すような一般的な糸の横振動の計算式を用いて計算してもよい。
s=2×L×(ρ/T111/2 ----------------- (式1)
ここで、Lは図1に示す切断ワイヤ部分26の長さ、ρはワイヤ15の単位長さ当たりの質量、T11は切断ワイヤ部分26に掛かる張力である。
そして、制御部80は計算した固有周期tsをメモリに格納する。
図6のステップS103に示すように、制御部80は積算時間STをゼロにリセットし、図6のステップS104に示すように高周波パルス電源29から高周波パルス電力を給電子41とインゴット28との間に供給し、高周波パルス電力の通電を開始する。制御部80は、図6のステップS105に示すように、高周波パルス電力が通電停止状態となっている場合には、高周波パルス電源の通電を再開し、放電加工を開始する。すると図7の時間t11に示すように、給電子41とインゴット28との間の電圧VpがVp1まで上昇し、切断ワイヤ部分26とインゴット28との間で放電が発生する。放電が発生すると放電電流Asが流れ、給電子41とインゴット28との間の電圧VpはVp2まで低下する。そして、スイッチングトランジスタ29bがオフとなると電圧Vpはゼロまで立ち下がる。
図6のステップS106に示すように、制御部80は、電圧センサ31によって給電子41とインゴット28との間の電圧Vpを取得し、図6のステップS107に示すように、立ち下がり直前の給電子41とインゴット28との間の電圧Vpを閾値電圧、例えば、図7に示す電圧Vp1とVp2との間の閾値電圧Vpsと比較する。そして、立ち下がり直前の給電子41とインゴット28との間の電圧Vpが閾値電圧Vps以下の場合には、各パルス電力が供給される毎に放電が発生していると判断し、図6のステップS108に示すように、積算時間STに高周波パルス電源の周期tpを加える。そして制御部80は、図6のステップS109に示すように、ステッピングモータ25の信号から、インゴット28のY方向に位置を検出し、所定の位置まで送ったかどうかを判断する。そして、所定の位置まで送っていない場合には、まだ放電加工が終了していないと判断して、高周波パルス電力の通電を継続し、図6のステップS106に戻って、電圧センサ31によって給電子41とインゴット28との間の電圧Vpを取得する。単一パルス電力の供給毎に放電が発生する状態が継続している間、積算時間STは放電が検知されている時間となる。そして、図7に示すように、単一パルス電力の供給毎に放電が発生する状態が継続して発生している間は、切断ワイヤ部分26の横方向変位Dはしだいに増加し、d2で略一定となる。
図7の時間t12に示すように、単一のパルス電力が供給されても放電が発生しない場合には、放電電流Asが流れないので、時間t12の後の単一パルスの立ち下り直前の電圧Vpは立ち上がりの際の電圧Vp1と同様Vp1のままとなり、閾値電圧Vpsを越える。このように、電圧センサ31によって取得した単一パルスの立ち下り直前の給電子41とインゴット28との間の電圧Vpが閾値電圧Vpsを越える場合には、制御部80は高周波パルス電力が供給されているにもかかわらず放電が発生していないと判断し、図6のステップS110に示すように、積算時間STに高周波パルス電源の周期tpを加える。すると、積算時間STは、図7に示す放電再開の時間t11からの経過時間となる。つまり制御部80は高周波パルス電力が供給されているにもかかわらず放電が発生していないと判断した場合には、それまでの放電が検知されていた時間の積算時間STに放電が検知されない時間を積算していくので、積算時間STは、放電が検知されていた時間と放電が検知されない時間の合計時間となる。
図6のステップS111に示すように、制御部80は、積算時間STが先に計算した切断ワイヤ部分26の固有周期tsの近傍であるかどうか判断する。これは、図7に示すように、積算時間STと固有周期tsとの差が第一の離調時間Δts1以下の場合としてもよい。切断ワイヤ部分26の固有周期tsから第一の離調時間Δts1を引いた時間が請求項に記載の所定の継続時間となる。そして、制御部80は、積算時間STが固有周期tsの近傍であると判断した場合には、制御部80は、つぎの単一パルス電力が供給された際に放電が再開した場合、切断ワイヤ部分26の固有周期tsに近い周期で切断ワイヤ部分26が振動して、切断ワイヤ部分26に共振が発生する可能性があると判断し、図6のステップS112、図7の時間t13に示すように、高周波パルス電力の通電を一時停止する。
また、積算時間STが先に計算した切断ワイヤ部分26の固有周期tsの近傍でない場合には、高周波パルス電力の通電を継続し、図6のステップS106に戻って電圧センサ31によって取得した単一パルスの立ち下り直前の給電子41とインゴット28との間の電圧Vpを取得し、図6のステップS107に示すように、その電圧Vpが閾値電圧Vpsを越えるかどうかを判断し、Vpが閾値電圧Vpsを越える場合には、図6のステップS110に示すように、積算時間STに高周波パルス電源の周期tpを加え、積算時間STのカウントを継続する。
図6のステップS113に示すように、制御部80は、高周期パルス電源の通電を一時停止した後、タイマー等によって通電を停止している時間をカウントする。図7に示すように、通電を停止している一時停止時間Δtpは、第一の離調時間Δts1と第二の離調時間Δts2の合計時間でもよい。この場合、この場合の第二の離調時間Δts1は、切断ワイヤ部分26に共振が発生しないように、切断ワイヤ部分26の振動の周期を固有周期tsから長いほうに離調させる時間である。また、図7に示すように第一の離調時間Δts1、第二の離調時間Δts2は、高周波パルス電力の周期tpの整数倍の時間としてもよし、高周波パルス電力の周期tpの整数倍以外の時間としてもよい。
そして、図6のステップS113に示すように、制御部80は、一時停止時間Δtpが経過するまで待機し、一時停止時間Δtpが経過したら、図6のステップS114に示すように、積算時間STをリセットし、図6のステップS105に戻って高周波パルス電力の通電を再開する。図7に示すように、この一時停止時間Δtpの間の時間t14に切断ワイヤ部分26の横方向変位Dはゼロとなり、その後高周波パルス電源の通電を再開する時間t15までの間、切断ワイヤ部分26の横方向変位Dはゼロを保つ。高周波パルス電力の通電が再開されると、図7の時間t15に示すように、単一パルス電力が供給される毎に放電が発生し、切断ワイヤ部分26の横方向変位Dはd2まで上昇する。
そして、制御部80は、ステッピングモータ25からの信号により、所定の距離だけ送ったと判断した場合には、図6のステップS115に示すように高周波パルス電力の通電を終了する。このとき、図5に示すように、放電加工によって加工されたスリット28sはインゴット28から取り付け部材28bまで及んでいるので、固定されたインゴット28をワーク送りユニット27から取り外し、取り付け部材28bを取り外して切り出した炭化ケイ素の薄板28aを取り出す。
以上説明したように、本実施形態のマルチワイヤ放電加工装置100では、放電加工中に放電発生が停止した際に、高周波パルス電力の通電再開から放電が検知されていた時間と放電が検知されない時間の合計時間である積算時間STが切断ワイヤ部分26の振動の周期を固有周期tsより第一の離調時間Δts1だけ短くなった際に通電を停止し、その後一時停止時間Δtpだけ通電停止を継続し、高周波パルス電力の通電再開からの経過時間が切断ワイヤ部分26の振動の周期を固有周期tsより第二の離調時間Δts2だけ長くなった際に高周波パルス電力の通電を再開することとした。このことにより、図7に示すように、切断ワイヤ部分26の振動の周期は、切断ワイヤ部分26の振動の周期を固有周期tsより第二の離調時間Δts2だけ長くなり、切断ワイヤ部分26に発生する振動の周期が切断ワイヤ部分26の固有周期近傍とならないようにして切断ワイヤ部分26の共振を抑制し、効率よく炭化ケイ素の薄板28aを切り出すことができる。
以上説明した実施形態では、積算時間STが切断ワイヤ部分26の振動の周期を固有周期tsより第一の離調時間Δts1だけ短くなった際に通電を停止し、その後一時停止時間Δtpだけ通電を停止し、高周波パルス電力の通電再開からの経過時間が切断ワイヤ部分26の振動の周期を固有周期tsより第二の離調時間Δts2だけ長くなった際に高周波パルス電力の通電を再開することとして説明したが、切断ワイヤ部分26の振動の周期が固有周期tsの1/2倍に近くなった場合には、切断ワイヤ部分26は二次振動モードでの共振が発生する場合がある。マルチワイヤ放電加工装置100の特性によってはこのように高次モードの共振を避けるために、積算時間STが切断ワイヤ部分26の振動の周期を固有周期tsの整数分の1(例えば、1/2、1/3)より第一の離調時間Δts1だけ短くなった際に通電を停止し、その後一時停止時間Δtpだけ通電を停止し、高周波パルス電力の通電再開からの経過時間が切断ワイヤ部分26の振動の周期を固有周期tsの整数分の1(例えば、1/2、1/3)より第二の離調時間Δts2だけ長くなった際に高周波パルス電力の通電を再開することとしてもよい。また、この際、第一の離調時間Δts1、一時停止時間Δtp、第二の離調時間Δts2もそれぞれ固有周期tsに対する場合の整数分の1(例えば、1/2、1/3)の時間としてもよい。
また、切断ワイヤ部分26の固有周期tsは、式1によって計算することができるが、マルチワイヤ放電加工装置100のワイヤ15の張力Tが放電加工条件などによって変化した場合には、切断ワイヤ部分26の固有周期tsが変化する。例えば、張力Tが大きくなった場合には周期tsは短くなり、張力Tが小さくなった場合には周期tsは長くなる。このため、張力センサ13a,13bによって検出したワイヤ15の張力Tが増大した場合には、第一の離調時間Δts1、一時停止時間Δtp、第二の離調時間Δts2をそれぞれ固有周期tsが短くなることに対応して短くし、張力センサ13a,13bによって検出したワイヤ15の張力Tが減少した場合には、第一の離調時間Δts1、一時停止時間Δtp、第二の離調時間Δts2をそれぞれ固有周期tsが長くなることに対応して長くしてもよい。
次に図8を参照して本発明の他の実施形態について説明する。図1から図7を参照して説明した実施形態と同様の部分には同様の符号を付して説明は省略する。図1から図7を参照して説明した実施形態では、放電が検知されていた時間と放電が検知されない時間の合計時間を積算時間STとしてカウントするようにしたが、パルス放電が連続するのは数パルスで、その後しばらく放電しない状態が続く場合がある。この場合には、放電が検知されていた時間は放電が検知されていた時間と放電が検知されない時間の合計時間に対して非常に短く、切断ワイヤ部分26の共振を抑制するために、放電が検知されない時間の合計時間のみを積算して積算時間STとし、切断ワイヤ部分26の共振周期の近傍となっているかどうかを判断してもよい。
本実施形態では、図8のステップS207,S209に示すように、立ち下がり直前の給電子41とインゴット28との間の電圧Vpが閾値電圧Vps以下の場合には、各パルス電力が供給される毎に放電が発生していると判断するが、積算時間STに高周波パルス電源の周期tpを加えずにステップS206に戻る。そして、図8のステップS207,S210に示すように、電圧センサ31によって取得した単一パルスの立ち下り直前の給電子41とインゴット28との間の電圧Vpが閾値電圧Vpsを越える場合には、制御部80は高周波パルス電力が供給されているにもかかわらず放電が発生していないと判断し、積算時間STに高周波パルス電源の周期tpを加える。そして、制御部80は放電が検知されない時間の合計時間のみを積算して積算時間STとし、図8のステップS211に示すように積算時間STが切断ワイヤ部分26の共振周期の近傍となっているかどうかを判断する。
本実施形態は、先に図1から図7を参照して説明した実施形態よりも簡便な方法で先に説明した実施形態と同様の効果を奏することができる。
11,12 プーリ、13a,13b 張力センサ、15 ワイヤ、24A〜24D ガイドローラ、25 ステッピングモータ、26 切断ワイヤ部分、27 ユニット、28 インゴット、28a 薄板、28b 取り付け部材、28s スリット、29 高周波パルス電源、29a 直流電源、29b スイッチングトランジスタ、29c トランジスタ駆動回路、31 電圧センサ、41 給電子、80 制御部、100 マルチワイヤ放電加工装置、200 気泡。

Claims (10)

  1. 間隔をおいて配設された複数のガイドローラを含むガイドローラ組と、
    前記各ガイドローラの長手方向に間隔をあけて前記ガイドローラ組に複数回巻き掛けられ、一対の隣接するガイドローラ間で前記ガイドローラの長手方向に所定の離間ピッチで配置されると共に所定の張力が印加され、複数の切断ワイヤ部分を構成するワイヤと、
    前記各切断ワイヤ部分に高周波パルス電力を供給する高周波パルス電源と、
    前記各切断ワイヤ部分とワークとの間の放電状態を検知する放電状態検知手段と、
    前記高周波パルス電源から前記各切断ワイヤ部分に供給される前記高周波パルス電力を間欠的に入り切りする制御部とを備え、前記各切断ワイヤ部分と前記ワークとの間で放電を行って前記ワークを加工するマルチワイヤ放電加工装置であって、
    制御部は、前記各切断ワイヤ部分に前記高周波パルス電力を供給しても前記放電状態検知手段によって前記各切断ワイヤ部分と前記ワークとの間の放電が検知されない場合、放電が検知されない時間が所定の継続時間となった際に、前記高周波パルス電力の供給を一時的に停止する高周波パルス電力供給一時停止手段を有すること、
    を特徴とするマルチワイヤ放電加工装置。
  2. 請求項1に記載のマルチワイヤ放電加工装置において、
    前記高周波パルス電力供給一時停止手段の前記所定の継続時間は、前記切断ワイヤ部分の横振動の固有周期または前記固有周期の整数分の1よりも第一の離調時間だけ短く、前記所定の継続時間と一時的に前記パルス電力の供給を停止している一時停止時間との合計は、前記固有周期または前記固有周期の整数分の1よりも第二の離調時間だけ長いこと、
    を特徴とするマルチワイヤ放電加工装置。
  3. 請求項1または2に記載のマルチワイヤ放電加工装置において、
    前記制御部の前記高周波パルス電力供給一時停止手段は、放電が検知されない時間と放電が検知されなくなった直前の放電が検知されていた時間との合計時間が前記所定の継続時間となった場合、前記高周波パルス電力の供給を一時的に停止すること、
    を特徴とするマルチワイヤ放電加工装置。
  4. 請求項2または3に記載のマルチワイヤ放電加工装置において、
    前記ワイヤの張力を検出する張力検出手段を備え、
    前記制御部は、前記張力検出手段によって検出した張力に基づいて切断ワイヤ部分の横振動の前記固有周期を計算する固有周期計算手段を有すること、
    を特徴とするマルチワイヤ放電加工装置。
  5. 請求項4に記載のマルチワイヤ放電加工装置において、
    前記制御部は、前記張力検出手段によって検出した前記ワイヤの張力が前記所定の張力より増大した場合には、前記第一の離調時間と前記一時停止時間とを減少させ、前記張力検出手段によって検出した前記ワイヤの張力が前記所定の張力より減少した場合には、前記第一の離調時間と前記一時停止時間とを増大させる時間変化手段を有すること、
    を特徴とするマルチワイヤ放電加工装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のマルチワイヤ放電加工装置において、
    前記切断ワイヤ部分と前記ワークとの間の電圧を検出する電圧センサを備え、
    前記放電状態検出手段は、前記電圧センサによって検出した前記高周波パルス電力の各パルスの立ち下がり直前の電圧が閾電圧以下の場合に放電発生を検知し、前記各パルスの立ち下がり直前の電圧が前記閾電圧より大きい場合に放電が発生していないことを検知すること、
    を特徴とするマルチワイヤ放電加工装置。
  7. 間隔をおいて配設された複数のガイドローラを含むガイドローラ組と、前記各ガイドローラの長手方向に間隔をあけて前記ガイドローラ組に複数回巻き掛けられ、一対の隣接するガイドローラ間で前記ガイドローラの長手方向に所定の離間ピッチで配置されると共に所定の張力が印加され、複数の切断ワイヤ部分を構成するワイヤと、前記各切断ワイヤ部分に高周波パルス電力を供給する高周波パルス電源と、前記各切断ワイヤ部分とワークとの間の放電状態を検知する放電状態検知手段とを備え、前記各切断ワイヤ部分と前記ワークとの間で放電を行って前記ワークを加工するマルチワイヤ放電加工装置を準備し、
    前記各切断ワイヤ部分に前記高周波パルス電力を供給しても前記放電状態検知手段によって前記各切断ワイヤ部分と前記ワークとの間の放電が検知されない場合、放電が検知されない時間が所定の継続時間となった際に、前記高周波パルス電力の供給を一時的に停止して、前記高周波パルス電源から前記各切断ワイヤ部分に供給される前記高周波パルス電力を間欠的に入り切りするマルチワイヤ放電加工方法。
  8. 請求項7に記載のマルチワイヤ放電加工方法において、
    前記所定の継続時間は、前記切断ワイヤ部分の横振動の固有周期または前記固有周期の整数分の1よりも第一の離調時間だけ短く、前記所定の継続時間と一時的に高周波パルス電力の供給を停止している一時停止時間との合計は、前記固有周期または前記固有周期の整数分の1よりも第二の離調時間だけ長いこと、
    を特徴とするマルチワイヤ放電加工方法。
  9. 間隔をおいて配設された複数のガイドローラを含むガイドローラ組と、前記各ガイドローラの長手方向に間隔をあけて前記ガイドローラ組に複数回巻き掛けられ、一対の隣接するガイドローラ間で前記ガイドローラの長手方向に所定の離間ピッチで配置されると共に所定の張力が印加され、複数の切断ワイヤ部分を構成するワイヤと、前記各切断ワイヤ部分に高周波パルス電力を供給する高周波パルス電源と、前記各切断ワイヤ部分と炭化ケイ素のインゴットとの間の放電状態を検知する放電状態検知手段とを備えるマルチワイヤ放電加工装置によって前記各切断ワイヤ部分と前記炭化ケイ素のインゴットとの間で放電を行って前記炭化ケイ素のインゴットから複数の炭化ケイ素板を切り出す炭化ケイ素板の製造方法であって、
    前記各切断ワイヤ部分に前記高周波パルス電力を供給しても前記放電状態検知手段によって前記各切断ワイヤ部分と前記炭化ケイ素のインゴットとの間の放電が検知されない場合、放電が検知されない時間が所定の継続時間となった際に、前記高周波パルス電力の供給を一時的に停止して前記高周波パルス電源から前記各切断ワイヤ部分に供給される前記高周波パルス電力を間欠的に入り切りし、前記各切断ワイヤ部分と前記炭化ケイ素のインゴットとの間で放電を行って前記炭化ケイ素のインゴットから複数の前記炭化ケイ素板を切り出す炭化ケイ素板の製造方法。
  10. 請求項9に記載の炭化ケイ素板の製造方法において、
    前記所定の継続時間は、前記切断ワイヤ部分の横振動の固有周期または前記固有周期の整数分の1よりも第一の離調時間だけ短く、前記所定の継続時間と一時的に前記高周波パルス電力の供給を停止している一時停止時間との合計は、前記固有周期または前記固有周期の整数分の1よりも第二の離調時間だけ長いこと、
    を特徴とする炭化ケイ素板の製造方法。
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