JP2000317804A - ワイヤソー加工用ワイヤ及びワイヤ処理装置 - Google Patents

ワイヤソー加工用ワイヤ及びワイヤ処理装置

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JP2000317804A
JP2000317804A JP11129794A JP12979499A JP2000317804A JP 2000317804 A JP2000317804 A JP 2000317804A JP 11129794 A JP11129794 A JP 11129794A JP 12979499 A JP12979499 A JP 12979499A JP 2000317804 A JP2000317804 A JP 2000317804A
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wire
surface treatment
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grinding
sawing
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JP11129794A
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Michio Kameyama
美知夫 亀山
Toshiyuki Yokoi
利幸 横井
Seiji Yamazaki
誠治 山崎
Harunobu Kuriyama
春宣 栗山
Hiromitsu Morita
森田  浩充
Tetsuaki Kamiya
哲章 神谷
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Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ワイヤ強度の低下を抑えつつワイヤ表面の砥粒
溜めの形成効率が高いワイヤソー加工用ワイヤ及びワイ
ヤ処理装置を提供する。 【解決手段】 ワイヤソー加工機においてモータ9によ
ってローラ1,2,3,5,6,7,8を用いてワイヤ
4が案内されつつ所定負荷が掛かった状態で移動する。
加工テーブル10の上動により被加工材11がワイヤ4
にて加工される。上下に配置されたプーリ7,8の間に
はワイヤの処理装置12が設けられている。この処理装
置12において、放電電極をワイヤ4が通過するとき、
ワイヤ4と放電電極との間に電流を流すことで、ワイヤ
表面を粗し、ワイヤ4の一部が除去され、微小な窪みが
形成される。このように表面加工されたワイヤが加工に
供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シリコン、水晶
等の半導体材料、脆性材料、炭化珪素、サファイア等の
高硬度材料等の切断・溝入れに用いるワイヤソー加工用
ワイヤ及びワイヤ処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来技術として、シリコンインゴット、
水晶等の脆性材、炭化珪素、サファイア等の高硬度材の
切断及び溝入れにワイヤソー加工機が用いられている。
【0003】ワイヤソー加工機は、ダイヤモンド等の砥
粒を電着したワイヤを用いる固定砥粒方式と、ピアノ線
等のワイヤにスラリ(砥粒を混ぜた加工液)をかけなが
ら加工する遊離砥粒方式がある。どちらも細いワイヤを
一方向又は往復走行させながら被削材に押しつけて切断
するもので、外周刃切断、内周刃切断等のブレードを用
いる加工に比べ、小さな切り代で切断できるという特長
がある。
【0004】しかし、欠点として固定砥粒方式では、ワ
イヤのコストが高いという問題があり、現在は遊離砥粒
方式が多く用いられている。また、遊離方式において
も、切断メカニズムがラップ加工の原理に近いので加工
時間が非常に長いという欠点があり、特に、炭化珪素、
サファイア等の高硬度材料の切断ではシリコンに比べ数
倍から10倍以上の時間を要するという問題がある。
【0005】このために、特開平6−155277号公
報においては、図10に示すように、ワイヤ80の周面
に砥粒溜めとなる溝81を形成して切断速度を向上させ
る技術が開示されている。
【0006】しかし、この場合、次の(i),(ii) の問
題がある。(i)ワイヤ80に溝81を形成するのに時間
を要する。つまり、ワイヤ80に研削円盤を押しあて溝
81を形成するためには、ワイヤ80の送り速度を相当
低速にする必要がある。通常マルチワイヤソー加工機に
は、10もしくは20Kg巻きのボビンを用いるが、仮
に10Kg巻きのボビンには、径が0.2mm(φ0.
2)程度のワイヤの場合、60000m以上の長さのワ
イヤが巻かれている。このワイヤに溝81を形成しよう
とした場合、膨大な時間を要することとなる。
【0007】また、(ii) ワイヤ外周に溝を形成するこ
とで、ワイヤ強度が低下してしまう。このワイヤ強度の
低下を補おうとすると、ワイヤ径を大きくする必要性が
生じ、これにより切り代が増大しワイヤソー加工機の利
点を損なうことになる。
【0008】特に、高硬度材料切断ではワイヤにかかる
負担も非常に大きく、ワイヤ強度の低下はマイナス要因
であり、かつ、炭化珪素、サファイアなど半導体に用い
られる素材は非常に高額なため、ワイヤの細線化が強く
求められている。
【0009】この点を考慮して、ワイヤ強度が低下する
のを抑えるべく、ワイヤに形成する溝の深さを浅くする
と、ワイヤ表面が被加工材の加工中に摩耗して溝がなく
なってしまう、という問題が生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明の目
的は、ワイヤ強度の低下を抑えつつワイヤ表面の砥粒溜
めの形成効率が高いワイヤソー加工用ワイヤ及びワイヤ
処理装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】伸線したワイヤの表面
は、非常に表面粗さが良好である。この平滑な面では、
砥粒を引っかけるための砥粒溜めの効果は無い。しか
し、ワイヤソー加工機に用いる砥粒の大きさは、数10
μm程度である。この微細な砥粒を引っかけるために必
要な窪みの大きさは、数μmから数10μmあればよ
い。
【0012】であれば、請求項1,11に記載のよう
に、表面の粗さを粗らして微小な窪みを設けることで、
砥粒溜めの効果が発揮される。このようにして、ワイヤ
ソー加工用のワイヤ表面の表面粗さを粗くすることでワ
イヤ表面の砥粒溜めの形成効率を高めることができる。
また、表面を粗す程度であれば、ワイヤの強度低下が無
いか、極わずかに抑えることが可能である。
【0013】この窪みが形成されたワイヤ及びそのため
の処理装置は、請求項2,12に記載の放電作用による
ものや請求項3,4,13,14に記載のエネルギービ
ーム加工によるものや請求項5,6,7,15,16,
17に記載の研削加工によるものや請求項8,18に記
載の薬液によるものや請求項9,19に記載のように工
具を押し当てるものを用いることで可能になる。
【0014】また、請求項10に記載のように、ワイヤ
放電加工機による放電作用によりワイヤ表面を粗くした
後、ワイヤソー加工用として用いることで、ワイヤ放電
加工後は廃棄していたワイヤの有効活用が可能となる。
【0015】しかし、この粗れた表面は、加工している
うちに摩耗して無くなってしまう。この効果を持続する
ためには、新たに表面を処理する必要があるが、ワイヤ
をワイヤソー加工機から外して機外で形成するのは、非
常に効率が悪い。
【0016】このため、請求項20に記載のように、張
設したワイヤを移動させつつ被加工材を加工するための
ワイヤソー加工機における、ワイヤの走行路途中に配置
すると、ワイヤソー加工機の機上で、しかも加工をしな
がら表面の処理をすることで、効率は圧倒的に良くな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、この
発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明
する。
【0018】図1には、本実施形態におけるマルチワイ
ヤソー加工機の加工部の概要図を示す。本加工機は、ワ
イヤにスラリをかけながら加工する遊離砥粒方式が採用
されている。
【0019】棒状のローラ1,2,3が回転可能に支持
され、このローラ1,2,3の間には1本のワイヤ4が
多数平行に張設されている。また、ワイヤ4の両端側が
ガイドプーリ5,6,7,8にて案内されながら移動す
ることができるようになっている。ローラ1はモータ9
の出力軸と連結され、モータ9の駆動によりワイヤ4が
移動する。詳しくは、ワイヤ4はその移動方向が反転し
ながら往復走行するようになっている。また、図示はし
ていないがワイヤ走行路の途中にワイヤ4にスラリ(砥
粒を混ぜた加工液)をかける箇所が設けられている。
【0020】なお、図1ではワイヤ4を往復走行させた
が、一方向にのみワイヤ4を移動させるワイヤソー加工
機に適用してもよい。一方、加工テーブル10には被加
工材(被削材)11がセットされ、加工テーブル10が
ワイヤ4に対し接近・離間する上下方向に移動できるよ
うになっている。よって、加工テーブル10の上動によ
り被加工材11がワイヤ4に押しつけられ切断等の加工
が行われる。
【0021】また、上下に配置されたガイドプーリ7,
8の間にはワイヤソー加工用ワイヤの処理装置12が設
けられている。この処理装置12により、ワイヤに対し
表面処理が施されてワイヤ表面の粗さが粗くされる。こ
のように表面加工されたワイヤ4が加工に供される。
【0022】処理装置12の詳細を図2に示す。図2に
おいて、ワイヤガイド13,14が上下に所定の間隔を
おいて配置され、ワイヤガイド13,14によりワイヤ
4が案内されつつ上下に移動する。ワイヤガイド13,
14の間には、円筒状の放電電極15が配置され、この
放電電極15において上下に貫通するワイヤ通過孔16
をワイヤ4が通過する。放電電極15とワイヤ4との間
には電圧が印加される。
【0023】ワイヤ4の走行路における放電電極15を
挟んだ部位に、ブローノズル17,18が配置されてい
る。ブローノズル17,18からワイヤ4に向けて空気
が噴射され、ワイヤ表面の付着物を除去する。ブローノ
ズル17,18にて付着物除去手段が構成されている。
【0024】次に、このように構成した処理装置12の
作用を説明する。放電電極15とワイヤ4との間に電圧
が印加された状態でワイヤ通過孔16をワイヤ4が通過
するときに、ワイヤ4と放電電極15との間に電流が流
れる。これにより、ワイヤ表面が粗され、ワイヤ4の一
部が除去され、図3(b)に示すような微小な窪み21
が多数形成される。つまり、図3(a)に示すごとく、
伸線したワイヤ20に対し、図3(b)に示すように、
表面の粗さが粗くされて多数の微小な窪み21が形成さ
れる。窪み21のサイズ(径および深さ)は、数μm〜
数10μmであり、この窪み21にワイヤ加工に用いる
砥粒を溜めることができる。
【0025】また、図2の放電電極15の通過孔16を
ワイヤ4が通過する際に、ワイヤガイド13,14によ
りワイヤ4の揺れが防止され、確実に処理を行うことが
できる。
【0026】一方、図2においてワイヤ4の走行路にお
ける放電電極15を挟んだ部位に配置したブローノズル
17,18により、ワイヤ4に付着したスラリ、オイ
ル、ごみなどが除去される。このように、ワイヤ4の走
行路におけるワイヤ移動の際の表面処理部(ワイヤ連通
孔16)の下流側に、ワイヤ表面の付着物を除去する付
着物除去手段としてのブローノズル17,18を配置し
たので、実用上好ましいものとなっている。
【0027】このワイヤ表面の付着物を除去する付着物
除去手段としてのブローノズル17,18に関し、ワイ
ヤが一方向にのみ移動するワイヤソー加工機の場合に
は、ワイヤの走行路におけるワイヤ移動の際の表面処理
部(16)の下流側に、ブローノズル17,18を配置
し、また、ワイヤが往復動するワイヤソー加工機の場合
には、ワイヤの走行路における表面処理部(16)を挟
んだ部位に、ブローノズル17,18を配置すればよ
い。
【0028】このように表面に多数の微小な窪み21が
形成されたワイヤ4を用いてワイヤソー加工が行われ
る。つまり、ワイヤソー加工機において、ワイヤ4を往
復走行させながら被加工材11が押しつけられ切断や溝
入れ加工が行われる。このワイヤソー加工の際に、窪み
21に、ワイヤー加工に用いる砥粒(スラリに含まれる
砥粒)が引っ掛かり、加工の効率を向上させることがで
きる。つまり、伸線したワイヤ20はその表面が平滑で
あり、ワイヤ加工に用いる砥粒を引っかけることができ
ないが、図3(b)のワイヤでは砥粒の大きさは数10
μm程度であり、数μm〜数10μmの窪み21には砥
粒を引っかけることができる。
【0029】このワイヤ表面の砥粒溜めの形成効率は従
来方式に比べ高く、かつ、この時の処理はワイヤ表面を
粗らす程度なので、ワイヤの強度低下が無いか、あるい
は極めてわずかに抑えることができる。
【0030】ここで、ワイヤ表面の微小な窪み21に関
し、窪み21はワイヤ表面の全周にあることが望ましい
が、部分的に形成してもよい。この場合には、微小な窪
み21を形成した側に、被加工材の加工部がくるように
調整する。
【0031】また、ワイヤ表面処理条件を最適化すべ
く、ワイヤの送り速度や加工負荷に合わせて自動的にワ
イヤ表面処理条件をコントロールすることで、さらに安
定した加工条件が得られ、加工品質を向上することが可
能となる。これは、以下に述べる各実施形態においても
同様のことが言える。
【0032】なお、図2のワイヤガイド13,14及び
ブローノズル17,18は必ずしも必要ではないが、備
えた方が好ましい。このように、本実施の形態は下記の
特徴を有する。 (イ)ワイヤソー加工に用いるワイヤとして、伸線した
ワイヤ20に対し放電作用により表面の粗さを粗くした
ものを用い、微小な窪み21によって砥粒溜めの効果を
発揮させるようにした。これにより、ワイヤ強度の低下
を抑えつつワイヤ表面の砥粒溜めの形成効率を高めるこ
とができる。
【0033】詳しくは、図10に示すように、ワイヤ8
0の外周に砥粒溜めとなる溝81を形成して切断速度を
向上させようとすると、ワイヤ80に溝81を形成する
のに時間を要したり、ワイヤ外周に溝81を形成するこ
とでワイヤ強度が低下してしまうことになるが、本実施
形態においては、ワイヤ表面での砥粒溜め形成は放電作
用による表面処理にて浅い窪み21を形成していること
から、砥粒溜め形成を容易に行うことができ形成時間は
短く、かつ、ワイヤ強度を極力抑えることができる。 (ロ)特に、図1に示すように、ワイヤソー加工用ワイ
ヤの処理装置12を、張設したワイヤを移動させつつ被
加工材を加工するためのワイヤソー加工機における、ワ
イヤ4の走行路途中に配置したので、機上でワイヤ表面
に窪み21を付けるための加工を行うことができ、実用
上好ましいものである。つまり、粗れたワイヤ表面は、
加工しているうちに摩耗して無くなってしまうので、効
果を持続するために新たにワイヤ表面を処理する必要が
あるが、ワイヤをワイヤソー加工機から外して機外で形
成するのは非常に効率が悪いが、ワイヤソー加工機の機
上で、しかも加工をしながら表面の処理をすることで、
効率は圧倒的に良くなる。
【0034】以上のように、ワイヤの強度低下を抑えな
がら、砥粒の引っ掛かりを良くし、その効果を持続すべ
く機上で形成することが可能になり、切り代を小さく維
持しながらの効率的な加工(切断・溝入れ)が達成でき
る。 (第2の実施の形態)次に、第2の実施の形態を、第1
の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0035】図4には、図2に代わる本実施形態の処理
装置12を示す。本例では、ワイヤ表面処理として放電
の代わりに、図4に示すように、エネルギービーム30
を照射している。エネルギービーム30としてレーザビ
ームを挙げることができる。
【0036】詳しくは、レンズ31によりエネルギービ
ーム30を集光してワイヤ4に照射している。これによ
っても、ワイヤ表面に微小な窪み21を形成することが
できる。
【0037】ここで、ワイヤ4に対する熱影響を最小限
にするという観点から、エネルギービームとしてレーザ
ビームを用いる場合、YAGレーザ、第二高調波YA
G、第三高調波YAGなどを用いるのが望ましい。 (第3の実施の形態)次に、第3の実施の形態を、第1
の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0038】図5には、図2に代わる本実施形態の処理
装置12を示す。本例では、ワイヤ表面処理として、研
削加工により表面処理を行っている。この研削加工によ
り、微小な窪み21が形成される。詳しくは、図5に示
すように、円筒状の砥石40が配置され、この砥石40
は図5に示すように軸線40aに沿った方向42に移動
できるとともに、図6に示すように軸線40aを中心に
して符号43で示すごとく回転できるようになってい
る。そして、張設したワイヤ4を図5の符号41に示す
方向に移動させながら、砥石40をワイヤ4の移動方向
41とは異なる図5の方向42に移動、もしくは、図6
の方向43に回転させつつ、ワイヤ4に接触させる。こ
れにより、ワイヤ表面に微小な窪み21が形成される。
【0039】つまり、砥石40の回転・移動方向がワイ
ヤ4の送り方向と同じ場合、窪み21の方向がワイヤ4
の延設方向に連続して形成されるため、砥粒を引っかけ
る効果が薄い。このため、砥石40をワイヤ4の送り方
向とは異なる方向に回転もしくは移動させている。 (第4の実施の形態)次に、第4の実施の形態を、第3
の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0040】図7には、図5に代わる本実施形態の処理
装置12を示す。本例では、第3の実施の形態とは別の
研削手法を採用している。図7に示すように、ショット
ブラストのように砥粒を噴射ノズル(ブラスト噴射ノズ
ル)50からワイヤ4に向かって噴射し、砥粒をワイヤ
4に吹き付けてワイヤ表面での研削加工を行っている。
ブラストの種類としては乾式でも湿式でもよい。また、
ブラストに用いる砥粒が、切断に用いる砥粒と混じらな
いようにブローノズル17,18を用いて分離してい
る。 (第5の実施の形態)次に、第5の実施の形態を、第1
の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0041】図8には、図1に代わる本実施形態の処理
装置を示す。本例では、薬液タンク60が設けられ、こ
の薬液タンク60の内部には薬液61が満たされてい
る。薬液61としては強度の酸を挙げることができる。
そして、タンク60内の薬液61にワイヤ4を浸すこと
によりワイヤ表面が粗される。このように、薬液を用い
ることでも、微小な窪み21を形成することができる。
【0042】なお、切断に用いるスラリと薬液が混じら
ないように、ワイヤ走行路の途中に洗浄エリア(図示
略)が設けられている。 (第6の実施の形態)次に、第6の実施の形態を、第1
の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0043】図9には、図2に代わる本実施形態の処理
装置12を示す。本例では、ワイヤ表面処理として、押
し当て工具70,71を用いている。詳しくは、一対の
工具70,71は円盤状をなし、その外周面が接近して
いる。工具70,71は比較的硬い材料よりなり、その
外周面には微小な突起もしくは溝が形成されている。こ
の工具70,71の間をワイヤ4が通過していく。この
際、工具70,71がワイヤ4に押し当てられ、ローレ
ットを形成する時のように、ワイヤ表面に工具70,7
1に形成した突起もしくは溝の形状が転写され、ワイヤ
表面に多数の微小な窪み21が形成される。
【0044】これまで説明してきたものの他にも、下記
のようにしてもよい。ワイヤソー加工機の機上にワイヤ
表面処理装置を備えた場合を説明したが、ワイヤソー加
工機に表面処理装置を備えずとも、短時間で切断可能な
試料については、放電作用、エネルギービーム加工、研
削加工、薬液処理、微小な突起を形成した工具を押し当
てる装置のいずれかを用いて機外で表面処理を施し、こ
のワイヤをワイヤソー加工機に用いてもよい。こうする
ことで、充分な効果を得ることが可能である。また、摩
耗する前に新しいワイヤを供給する方式を採用してもよ
い。
【0045】機外で表面処理を施したワイヤを得るため
に、ワイヤ伸線(ワイヤ製作)時に同時に微小な窪み2
1を形成してもよい。あるいは、ワイヤ伸線(ワイヤ製
作)のための装置に、図2等で示した装置12を表面処
理専用機として組み付けて微小な窪み21を形成しても
よい。
【0046】このように、短時間で切断可能な試料につ
いては、ワイヤソー加工機の機外で表面処理を施したワ
イヤを得ることで充分な効果を得ることが可能であり、
また、摩耗する前に新しいワイヤを供給することでもよ
く、この時は機上で表面処理を施す装置は不要となる。
【0047】また、ワイヤ放電加工機において製品切断
等に用いたワイヤを、ワイヤソー加工用ワイヤとして用
いてもよい。つまり、放電作用により表面の粗さを粗く
したワイヤとして、ワイヤ放電加工機による放電作用に
よりワイヤ表面を粗くしたものを用いてもよい。これに
より、廃材として処理されるワイヤの有効活用が可能で
ある。このように、ワイヤ放電加工機による放電作用に
よりワイヤ表面を粗くした後、ワイヤソー加工用として
用いることで、ワイヤ放電加工後は廃棄していたワイヤ
の有効活用が図られる。
【0048】尚、以上説明した各実施形態における被加
工材はシリコンインゴットなどの半導体材料が好まし
く、さらには、より高硬度なSiCやサファイアなどの
材料が好ましい。つまり、より高硬度な材料を加工する
上でワイヤの表面を粗くしたことで砥粒の溜めを形成で
き、加工性を向上させることができるためである。ま
た、硬度材料の基準としては、シリコンがビッカース硬
点が1000(Hv)であり、SiCが2500(H
v)、サファイアが2300(Hv)である。従って、
本ワイヤにて加工する材料としては、ビッカース硬度が
1000(Hv)以上のものが好ましいと言え、さらに
は、ビッカース硬度が2000(Hv)以上の高硬度材
料が好ましいと言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態のワイヤソー加工機の概略図。
【図2】 ワイヤ処理装置の概略図。
【図3】 実施形態におけるワイヤの概略図。
【図4】 第2の実施形態のワイヤ処理装置の概略図。
【図5】 第3の実施形態のワイヤ処理装置の概略図。
【図6】 第3の実施形態のワイヤ処理装置の概略図。
【図7】 第4の実施形態のワイヤ処理装置の概略図。
【図8】 第5の実施形態のワイヤ処理装置の概略図。
【図9】 第6の実施形態のワイヤ処理装置の概略図。
【図10】 従来技術によるワイヤソー用ワイヤの概略
図。
【符号の説明】
4…ワイヤ、11…被加工材、12…処理装置、15…
放電電極、16…ワイヤ通過孔、17,18…ブローノ
ズル、20…ワイヤ、21…窪み、30…エネルギービ
ーム、40…砥石、50…噴射ノズル、60…薬液タン
ク、61…薬液、70,71…押し当て工具。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23F 4/00 C23F 4/00 C // B23K 101:32 (72)発明者 山崎 誠治 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 栗山 春宣 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 森田 浩充 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 神谷 哲章 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3C058 AA05 AA09 AC01 CA01 CA04 CA05 DA03 3C059 AA01 AB05 HA04 3C069 AA01 BA06 BB01 BB03 BC02 CA02 CA04 DA04 EA01 EA03 4E068 AF00 AH00 DA16 4K057 DA11 DB06 DD02 DD06 DN01 WA11 WB06 WE01 WG07 WK02 WM06 WN01

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤソー加工に用いるワイヤであっ
    て、伸線したワイヤに対し表面処理により表面の粗さを
    粗くしたことを特徴とするワイヤソー加工用ワイヤ。
  2. 【請求項2】 前記表面処理は、放電作用によるもので
    ある請求項1に記載のワイヤソー加工用ワイヤ。
  3. 【請求項3】 前記表面処理は、エネルギービームの照
    射により行ったものである請求項1に記載のワイヤソー
    加工用ワイヤ。
  4. 【請求項4】 前記エネルギービームとはレーザビーム
    である請求項3に記載のワイヤソー加工用ワイヤ。
  5. 【請求項5】 前記表面処理は、研削加工により行った
    ものである請求項1に記載のワイヤソー加工用ワイヤ。
  6. 【請求項6】 前記研削加工は、張設したワイヤを移動
    させながら、砥石をワイヤの移動方向とは異なる方向に
    回転もしくは移動させつつワイヤに接触させることによ
    り行ったものである請求項5に記載のワイヤソー加工用
    ワイヤ。
  7. 【請求項7】 前記研削加工は、砥粒をワイヤに吹き付
    けることにより行ったものである請求項5に記載のワイ
    ヤソー加工用ワイヤ。
  8. 【請求項8】 前記表面処理は、薬液処理である請求項
    1に記載のワイヤソー加工用ワイヤ。
  9. 【請求項9】 前記表面処理は、ワイヤに工具を押し当
    てることにより行ったものである請求項1に記載のワイ
    ヤソー加工用ワイヤ。
  10. 【請求項10】 前記放電作用により表面の粗さを粗く
    したワイヤとは、ワイヤ放電加工機による放電作用によ
    りワイヤ表面を粗くしたものである請求項2に記載のワ
    イヤソー加工用ワイヤ。
  11. 【請求項11】 ワイヤソー加工に用いるワイヤの処理
    装置であって、ワイヤに対し表面処理を施してワイヤ表
    面の粗さを粗くするようにしたことを特徴とするワイヤ
    ソー加工用ワイヤの処理装置。
  12. 【請求項12】 前記表面処理は、放電作用によるもの
    である請求項11に記載のワイヤソー加工用ワイヤの処
    理装置。
  13. 【請求項13】 前記表面処理は、エネルギービームの
    照射により行うものである請求項11に記載のワイヤソ
    ー加工用ワイヤの処理装置。
  14. 【請求項14】 前記エネルギービームとはレーザビー
    ムである請求項13に記載のワイヤソー加工用ワイヤの
    処理装置。
  15. 【請求項15】 前記表面処理は、研削加工により行う
    ものである請求項11に記載のワイヤソー加工用ワイヤ
    の処理装置。
  16. 【請求項16】 前記研削加工は、張設したワイヤを移
    動させながら、砥石をワイヤの移動方向とは異なる方向
    に回転もしくは移動させつつワイヤに接触させることに
    より行うものである請求項15に記載のワイヤソー加工
    用ワイヤの処理装置。
  17. 【請求項17】 前記研削加工は、砥粒をワイヤに吹き
    付けることにより行うものである請求項15に記載のワ
    イヤソー加工用ワイヤの処理装置。
  18. 【請求項18】 前記表面処理は、薬液処理である請求
    項11に記載のワイヤソー加工用ワイヤの処理装置。
  19. 【請求項19】 前記表面処理は、ワイヤに工具を押し
    当てることにより行うものである請求項11に記載のワ
    イヤソー加工用ワイヤの処理装置。
  20. 【請求項20】 張設したワイヤを移動させつつ被加工
    材を加工するためのワイヤソー加工機における、ワイヤ
    の走行路途中に配置したことを特徴とする請求項11に
    記載のワイヤソー加工用ワイヤの処理装置。
  21. 【請求項21】 ワイヤの走行路におけるワイヤ移動の
    際の前記表面処理部の下流側に、ワイヤ表面の付着物を
    除去する付着物除去手段を配置したことを特徴とする請
    求項20に記載のワイヤソー加工用ワイヤの処理装置。
  22. 【請求項22】 ワイヤが一方向にのみ移動するワイヤ
    ソー加工機での、ワイヤの走行路におけるワイヤ移動の
    際の前記表面処理部の下流側に、ワイヤ表面の付着物を
    除去する付着物除去手段を配置したことを特徴とする請
    求項20に記載のワイヤソー加工用ワイヤの処理装置。
  23. 【請求項23】 ワイヤが往復動するワイヤソー加工機
    での、ワイヤの走行路における前記表面処理部を挟んだ
    部位に、ワイヤ表面の付着物を除去する付着物除去手段
    を配置したことを特徴とする請求項20に記載のワイヤ
    ソー加工用ワイヤの処理装置。
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