JP2012060022A - 半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子およびその製造方法 Download PDF

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暁 大前
Yuuki Maeda
勇樹 前田
Katsunori Yanashima
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Abstract

【課題】エッチングによる光取り出し効率の低下を抑制することの可能なGaN系の半導体発光素子の製造方法およびその方法により製造された半導体発光素子を提供する。
【解決手段】第1上部クラッド層14Aの上面に複数の島状のマスク層150を形成する。次に、第1上部クラッド層14Aの上面のうち複数の島状のマスク層150の未形成領域に、第2上部クラッド層14Bを結晶成長により選択的に形成する。さらに、第2上部クラッド層14Bを厚く形成することにより、各マスク層150を埋め込む。
【選択図】図3

Description

本発明は、光取り出し効率の改善されたGaN系の半導体発光素子およびその製造方法に関する。
従来から、半導体発光素子の光取り出し効率を改善するために様々な手法が提案されている。例えば、特許文献1には、光取り出し面に凹凸を設けることが開示されている。
特開2008−282966号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、光取り出し面の凹凸がエッチングにより形成される。そのため、凹凸を構成する半導体材料が劣化し、特性劣化が生じ易いので、光取り出し効率が低下し易いという問題がある。また、特許文献1に記載の方法では、デバイス作成後にエッチングを行うことが必要となるので、プロセス制御が非常に難しいという問題もある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、光取り出し効率を改善することの可能なGaN系の半導体発光素子の製造方法を提供することにある。また、第2の目的は、光取り出し効率が改善された半導体発光素子を提供することにある。
本発明の半導体発光素子の製造方法は、以下の2つの工程を含むものである。
(A)基板の一主面側に、第1導電型層、活性層、および第1の第2導電型層を基板側からこの順に含むIII−V族窒化物半導体層を結晶成長により形成する第1工程
(B)III−V族窒化物半導体層の上面に、複数の島状のマスク層を形成したのち、III−V族窒化物半導体層の上面のうち前記マスク層の未形成領域に、第2の第2導電型層を結晶成長により選択的に形成する第2工程
本発明の半導体発光素子の製造方法において、基板がIII−V族窒化物半導体層側の表面に凹凸を有していてもよいし、基板の、III−V族窒化物半導体層側の表面が平坦となっていてもよい。基板表面に凹凸が形成されている場合に、基板をそのまま残してもよいし、所定の方法でIII−V族窒化物半導体層から剥離してもよい。基板は、例えば、サファイア基板、SiC基板、Si基板、またはGaN基板である。
本発明の半導体発光素子の製造方法において、マスク層を除去せずに、さらに、第2の第2導電型層を厚く形成することによりマスク層を埋め込むようにしてもよい。このとき、マスク層は、III−V族窒化物半導体層のうち少なくとも貫通転位の形成されている箇所を覆っていることが好ましい。また、本発明の半導体発光素子の製造方法において、マスク層を除去してもよい。この場合に、III−V族窒化物半導体層の凹凸面に電極層を形成するようにしてもよい。
本発明の半導体発光素子の製造方法では、III−V族窒化物半導体層の上面のうち開口内に露出している部分に、第2の第2導電型層が結晶成長により選択的に形成される。このように、本発明では、エッチングを用いる代わりに選択的な結晶成長を用いて、第2の第2導電型層に対して構造が付与される。
本発明の半導体発光素子は、第1導電型層、活性層、および第2導電型層をこの順に含むIII−V族窒化物半導体層を備えるとともに、第2導電型層内、または第2導電型層の、活性層とは反対側の表面に光散乱層を備えたものである。ここで、光散乱層は、複数の島状のマスク層を形成したのち、第2導電型層を結晶成長により選択的に形成することにより形成されたものである。
本発明の半導体発光素子では、複数の島状のマスク層を形成したのち第2導電型層を結晶成長により選択的に形成することにより光散乱層が形成されている。このように、本発明では、エッチングを用いる代わりに選択的な結晶成長を用いて光散乱層が形成されている。
本発明の半導体発光素子の製造方法によれば、マスク層を利用した選択的な結晶成長により第2導電型層に対して構造を付与するようにしたので、例えば、エッチングを用いずに、第2導電型層の表面に凹凸を形成したり、第2導電型層内にマスク層を埋め込んだりすることができる。その結果、凹凸を構成する半導体材料が劣化し、特性劣化が生じるのを抑制することができるので、光取り出し効率を改善することができる。
本発明の半導体発光素子によれば、マスク層を利用した選択的な結晶成長により形成された光散乱層を用いるようにしたので、凹凸を構成する半導体材料が劣化し、特性劣化が生じるのを抑制することができるので、光取り出し効率を改善することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光素子の一例の断面図である。 図1の散乱層の面内レイアウトの一例を表す図である。 図1の半導体発光素子の製造過程の一例を示す断面図である。 図1の散乱層の、貫通転位との位置関係の一例を表す図である。 図1の半導体発光素子の一変形例の断面図である。 図1の半導体発光素子の他の変形例の断面図である。 図6の半導体発光素子の製造過程の一例を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る半導体発光素子の断面図である。 図8の凹部の面内レイアウトの一例を表す図である。 図8の半導体発光素子の第1変形例の断面図である。 図8の半導体発光素子の第2変形例の断面図である。 図11の半導体発光素子の製造過程の一例を示す断面図である。 図8の半導体発光素子の第3変形例の断面図である。 図1,図8の半導体発光素子の一変形例の断面図である。 図1,図8の半導体発光素子の一変形例の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。

1.第1の実施の形態(図1〜図7)
上部クラッド層内に散乱層が設けられている例
2.第2の実施の形態(図8〜図13)
III−V族窒化物半導体層20の上面に凹凸部(凸部)が設けられている例
3.変形例(図14、図15)
下地層の下面にだけ光散乱機能が付与されている例
<1.第1の実施の形態>
[半導体発光素子1の構造]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光素子1の断面構成の一例を表したものである。図2は、図1の光散乱層15の面内レイアウトの一例を表したものである。なお、図1、図2は、模式的に表したものであり、実際の寸法,形状とは異なっている。
半導体発光素子1は、上面(主面)に凹凸部10Aを有する基板10上に、III−V族窒化物半導体層20を備えたものである。ここで、「III−V族窒化物半導体」とは、短周期型周期率表における3B族元素群のうちの少なくとも1種と、短周期型周期率表における5B族元素のうちの少なくともNとを含むものを指している。III−V族窒化物半導体としては、例えば、GaとNとを含んだ窒化ガリウム系化合物が挙げられる。窒化ガリウム系化合物には、例えば、GaN、Alx1Ga1-x1N(0<x1<0.5)、Alx2Inx3Ga1-x2-x3N(0<x2<0.5、0<x3<0.2)、Inx4Ga1-x4N(0<x4<0.5)などが含まれる。III−V族窒化物半導体には、必要に応じてSi、Ge、O、SeなどのIV族またはVI族元素のn型不純物、または、Mg、Zn、CなどのII族またはIV族元素のp型不純物がドープされている。
基板10は、例えば、六方晶系の基板、GaN基板、またはSi基板である。ここで、六方晶系の基板としては、例えば、サファイア、SiCなどが挙げられる。基板10の主面は、基板10が六方晶系の基板である場合には例えば(0001)面(C面)であり、基板10がGaN基板である場合には例えば(11−20)面(A面)である。また、基板10の主面は、基板10がSi基板である場合には例えば(111)面である。なお、基板10の主面が、上記とは異なる特異な面方位を有していてもよい。
基板10は、主面に凹凸部10Aを備えた構造基板である。凹凸部10Aは、所定の方向に延在するストライプ状の凹凸からなる。凹凸部10Aに含まれる凹凸は、(0001)面(C面)を有している。
基板10上のIII−V族窒化物半導体層20は、例えば、図1に示したように、下地層11、下部クラッド層12、活性層13および上部クラッド層14を基板10側からこの順に含んで構成されている。なお、基板10上のIII−V族窒化物半導体層20は、上記以外の半導体層を含んでいてもよく、例えば、上部クラッド層14の上に、上部クラッド層14と同一導電型のコンタクト層を含んでいてもよい。なお、下地層11および下部クラッド層12が本発明の「第1導電型層」の一具体例に相当し、上部クラッド層14が本発明の「第2導電型層」の一具体例に相当する。
下地層11は、下部クラッド層12、活性層13および上部クラッド層14などを平坦面上に形成させるためのものであり、基板10の凹凸部10Aを埋め込むとともに、上面に平坦面を有している。下地層11は、例えば、n型のGaNにより構成されている。下地層11の、基板10側の面には、基板10の凹凸部10Aの形状の反転形状となっている凹凸部11Aが形成されている。凹凸部11Aに含まれる凹凸は、(0001)面(C面)を有している。
下部クラッド層12は、例えばn型のAlGaNにより構成されている。下部クラッド層12の屈折率は、活性層13の屈折率よりも小さく、下部クラッド層12の禁制帯幅は、活性層13の禁制帯幅よりも小さくなっている。活性層13は、例えば、組成比の互いに異なるGaInNによりそれぞれ形成された井戸層およびバリア層を交互に積層してなる多重量子井戸構造となっている。上部クラッド層14は、例えばp型のAlGaNにより構成されている。上部クラッド層14の屈折率は、活性層13の屈折率よりも小さく、上部クラッド層14の禁制帯幅は、活性層13の禁制帯幅よりも小さくなっている。
なお、各半導体層の導電型は、上で例示した導電型に限られるものではなく、上で例示した導電型が全て、反対となっていてもよい。例えば、下地層11および下部クラッド層12がp型となっており上部クラッド層14がn型となっていてもよい。
上部クラッド層14の上面(上部クラッド層14の上面にコンタクト層が存在する場合にはコンタクト層の上面)には、上部電極16が設けられている。この上部電極16は、例えばTi、Pt、Auをこの順に積層して構成されており、上部クラッド層14と電気的に接続されている。一方、下部クラッド層12の上面のうち活性層13の非形成領域には、下部電極17が設けられている。この下部電極17は、例えばAuとGeとの合金,NiおよびAuを基板10側から順に積層して構成されており、下部クラッド層12と電気的に接続されている。なお、基板10が低抵抗基板である場合には、例えば、基板10の裏面に下部電極17が設けられていてもよい。
ところで、本実施の形態では、上部クラッド層14の内部に、光散乱層15が設けられている。光散乱層15は、例えば、SiO2、SiN、TiO2などの絶縁性材料によって構成されている。光散乱層15は、面内に部分的に設けられており、例えば、図2(A),(B)に示したように、複数の島状の光散乱部15Aを面内に2次元配置して構成されている。光散乱部15Aの配列は、例えば、図2(A)に示したような行列状となっていてもよいし、例えば、図2(B)に示したような千鳥足状となっていてもよい。光散乱部15Aの配列ピッチは、例えば、下地層11の凹凸部11Aに含まれる凹凸の配列ピッチと等しくなっていてもよいし、それよりも狭くなっていてもよい。複数の島状の光散乱部15Aは、後述するように、第1上部クラッド層14Aの上面のうち複数の島状のマスク層150の未形成領域に、第2上部クラッド層14Bを結晶成長により選択的に形成することにより形成されたものである。
[半導体発光素子1の製造方法]
本実施の形態の半導体発光素子1は、例えば次のようにして製造することができる。
図3(A)〜(C)は、製造過程における素子の断面構成の一例を表したものである。まず、基板10として、例えば、主面が(0001)面(C面)となっているサファイア基板もしくはSiC基板、主面が(11−20)面(A面)となっているGaN基板、または主面が(111)面となっているSi基板を用意する。この基板10の主面には、上述した凹凸部10Aが形成されている。
次に、例えば、下地層11、下部クラッド層12、活性層13および第1上部クラッド層14Aを基板10側からこの順に含むIII−V族窒化物半導体層を結晶成長により形成する(図3(A))。ここで、第1上部クラッド層14Aは、上部クラッド層14の一部であり、後述の第2上部クラッド層14Bとともに、上部クラッド層14を構成するものである。本実施の形態では、上部クラッド層14を一度の結晶成長プロセスで作成せず、2度に分けている。なお、第1上部クラッド層14Aが本発明の「第1の第2導電型層」の一具体例に相当する。
上記の結晶成長には、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition ;有機金属化学気相成長)法などのエピタキシャル結晶成長法を用いる。また、上記の結晶成長の際に用いられるIII−V族窒化物半導体材料の原料としては、例えば、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMG(トリメチルガリウム)、TMIn(トリメチルインジウム)、NH3(アンモニア)などを用いる。p型ドーパントとして、例えば、DMZn(ジメチル亜鉛)を用い、n型ドーパントとして、例えば、H2Se(セレン化水素)を用いる。
次に、第1上部クラッド層14Aの上面に、複数の島状のマスク層150を形成する。マスク層150は、上述の光散乱層15に相当するものである。続いて、第1上部クラッド層14Aの上面のうち複数の島状のマスク層150の未形成領域に、第2上部クラッド層14Bを結晶成長により選択的に形成する(図3(B))。本実施の形態では、さらに、第2上部クラッド層14Bを厚く形成することにより、各マスク層150を埋め込む(図3(C))。このようにして、各マスク層150の周囲に、第1上部クラッド層14Aおよび第2上部クラッド層14Bからなる上部クラッド層14が形成される。言い換えると、各マスク層150は、上部クラッド層14内に埋め込まれている。なお、第2上部クラッド層14Bが本発明の「第2の第2導電型層」の一具体例に相当する。
なお、上部クラッド層14上にコンタクト層を形成する場合には、上記のプロセスの後に、コンタクト層の形成プロセスを追加してもよいし、例えば、図示しないが、第2上部クラッド層14Bの代わりにコンタクト層を形成してもよい。前者の場合には、コンタクト層にも凹凸が形成され、後者の場合には、第1上部クラッド層14Aが上部クラッド層14そのものとなる。
次に、下部クラッド層12、活性層13および上部クラッド層14を含むIII−V族窒化物半導体層20を選択的にエッチングすることにより、下部クラッド層12に電極形成面12Aを形成する(図1参照)。続いて、上部クラッド層14の上面に上部電極16を、電極形成面12Aに下部電極17をそれぞれ形成する(図1参照)。このようにして、本実施の形態の半導体発光素子1が製造される。
[半導体発光素子1の作用・効果]
次に、本実施の形態の半導体発光素子1の作用および効果について説明する。
本実施の形態の半導体発光素子1では、上部電極16および下部電極17に所定の電流が供給されると、電流が活性層13に注入され、これにより電子と正孔の再結合による発光が生じる。その結果、活性層13での発光光が外部に射出される。
ところで、本実施の形態では、第1上部クラッド層14Aの上面のうち複数の島状のマスク層150の未形成領域に、第2上部クラッド層14Bが結晶成長により選択的に形成される。このように、本実施の形態では、エッチングを用いる代わりに選択的な結晶成長を用いて、第2上部クラッド層14Bに対して構造が付与される。これにより、エッチングを用いずに、上部クラッド層14内にマスク層150(光散乱層15)を埋め込むことができる。その結果、凹凸を構成する半導体材料が劣化し、特性劣化が生じるのを抑制することができるので、光取り出し効率を改善することができる。
また、本実施の形態では、基板10の上面(主面)に凹凸部10Aが設けられているので、この凹凸部10Aによる光散乱効果によって、光取り出し効率をさらに改善することができる。
[変形例]
上記実施の形態において、例えば図4に示したように基板10から積層方向に延在する貫通転位18が存在する場合には、例えば、第1上部クラッド層14Aの上面のうち少なくとも貫通転位18の形成されている箇所を覆うようにマスク層150(光散乱層15)を形成することが好ましい。このようにした場合には、マスク層150(光散乱層15)によって貫通転位18を終端することができ、上部電極16を形成する表面に貫通転位18が露出するのを防止することができる。これにより、上部電極16とIII−V族窒化物半導体層20との密着性が良くなり、オーミック抵抗を低減することができる(特性劣化を低減することができる)。その結果、上部電極16からIII−V族窒化物半導体層20への電流注入を効率良く行うことができ、光取り出し効率をさらに改善することができる。
また、上記実施の形態において、例えば、図5に示したように、基板10の上面(主面)の凹凸部10Aと、下地層11とをなくし、基板10の上面(主面)を平坦面にしてもよい。
また、上記実施の形態において、例えば、図6に示したように、基板10をなくしてもよい。ただし、基板10をなくするためには、製造過程において基板10をIII−V族窒化物半導体層20から剥離することが必要となる。そのためには、例えば、図7に示したように、基板10の凹凸部10Aの表面に剥離層19を形成したのち、剥離層19の表面にIII−V族窒化物半導体層20を形成することが好ましい。このようにすることにより、例えば、図示しないレーザ光を基板10の裏面側から照射することにより、剥離層19をIII−V族窒化物半導体層20から剥離することができる。このとき、レーザ光の波長は、基板10のバンドギャップエネルギーに相当する波長(基板10がサファイアの場合には142nm)よりも大きくなっており、かつ剥離層19のバンドギャップエネルギーに相当する波長以下となっていることが好ましい。また、剥離層19の剥離には、レーザ光のエネルギー密度が所望の大きさにまで高くなっていることが必要である。
なお、レーザ光を用いる代わりに、ウエットエッチングを用いることによっても、剥離層19をIII−V族窒化物半導体層20から剥離することは可能である。この場合に、剥離層19は、例えば、SiO2などの絶縁材料、Cr,Cu,Hfなどの金属によって構成されていることが好ましい。このとき、エッチャントとして、例えば、硫酸、硝酸、フッ酸、セリウム系溶液などを用いることができる。
<2.第2の実施の形態>
[半導体発光素子2の構造]
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体発光素子2の断面構成の一例を表したものである。図9(A),(B)は、図8の凹部14Dの面内レイアウトの一例を表したものである。なお、図8、図9(A),(B)は、模式的に表したものであり、実際の寸法,形状とは異なっている。
半導体発光素子2は、半導体発光素子1と同様、上面(主面)に凹凸部10Aを有する基板10上に、III−V族窒化物半導体層20を備えたものであり、その点で半導体発光素子1の構成と共通している。しかし、半導体発光素子2には、上部クラッド層14内に光散乱層15が設けられておらず、その代わりに、III−V族窒化物半導体層20の上面(または、上部クラッド層14の上面もしくはコンタクト層の上面)に凹凸が設けられている。従って、半導体発光素子2は、その点で、半導体発光素子1の構成と相違している。以下では、半導体発光素子1の構成と相違する点について主に説明し、半導体発光素子1と同一の構成についての説明を適宜省略するものとする。
例えば、図8に示したように、III−V族窒化物半導体層20の上面(上部電極16と接する面)に、凹凸部14Cが設けられている。なお、図8には、上部クラッド層14の上面に凹凸部14Cが設けられている場合が例示されているが、上部クラッド層14の上面にコンタクト層(図示せず)が設けられている場合には、コンタクト層の上面に凹凸部14Cが設けられている。
凹凸部14Cは、例えば、図9(A),(B)に示したように、複数の窪み状の凹部14Dを面内に2次元配置して構成されている。凹部14Dの配列は、例えば、図9(A)に示したような行列状となっていてもよいし、例えば、図9(B)に示したような千鳥足状となっていてもよい。凹部14Dの配列ピッチは、例えば、下地層11の凹凸部11Aに含まれる凹凸の配列ピッチと等しくなっていてもよいし、それよりも狭くなっていてもよい。
複数の窪み状の凹部14Dは、例えば、以下のようにして形成することが可能である。例えば、まず、図3(A)に示したように、第1上部クラッド層14Aの上面に、複数の島状のマスク層150を形成する。次に、図3(B)に示したように、第1上部クラッド層14Aの上面のうち複数の島状のマスク層150の未形成領域に、第2上部クラッド層14Bを結晶成長により選択的に形成する。その後、図示しないが、マスク層150を除去する。
本実施の形態では、上部電極16は、凹凸部14Cの表面上に形成されており、例えば、図8に示したように、各凹部14Dを埋め込んだ形状となっている。なお、上部電極16は、図示しないが、各凹部14Dの表面に倣って(沿って)形成されていてもよい。
[半導体発光素子2の効果]
次に、本実施の形態の半導体発光素子2の効果について説明する。本実施の形態では、第1上部クラッド層14Aの上面のうち複数の島状のマスク層150の未形成領域に、第2上部クラッド層14Bが結晶成長により選択的に形成される。このように、本実施の形態では、エッチングを用いる代わりに選択的な結晶成長を用いて、第2上部クラッド層14Bに対して構造が付与される。これにより、エッチングを用いずに、III−V族窒化物半導体層20の上面に凹凸部14Cを形成することができる。その結果、凹凸を構成する半導体材料が劣化し、特性劣化が生じるのを抑制することができるので、光取り出し効率を改善することができる。なお、マスク層150の除去にエッチングを用いているが、このエッチングでは、エッチャントはIII−V族窒化物半導体層20の上面と反応しないので、III−V族窒化物半導体層20の上面が劣化する虞はない。
また、本実施の形態でも、基板10の上面(主面)に凹凸部10Aが設けられているので、この凹凸部10Aによる光散乱効果によって、光取り出し効率を改善することができる。
[変形例]
第2の実施の形態において、例えば、図10に示したように、基板10の上面(主面)の凹凸部10Aと、下地層11とをなくし、基板10の上面(主面)を平坦面にしてもよい。
また、第2の実施の形態において、例えば、図11に示したように、基板10をなくしてもよい。ただし、基板10をなくするためには、製造過程において基板10をIII−V族窒化物半導体層20から剥離することが必要となる。そのためには、例えば、図12に示したように、基板10の凹凸部10Aの表面に剥離層19を形成したのち、剥離層19の表面にIII−V族窒化物半導体層20を形成することが好ましい。このようにすることにより、例えば、図示しないレーザ光を基板10の裏面側から照射することにより、剥離層19をIII−V族窒化物半導体層20から剥離することができる。このときのレーザ光の波長やエネルギー密度は、上記第1の実施の形態の変形例の説明で既に述べた通りである。また、本変形例においても、レーザ光を用いる代わりに、ウエットエッチングを用いることによっても、剥離層19をIII−V族窒化物半導体層20から剥離することは可能である。
また、第2の実施の形態において、例えば、図13に示したように、凹凸部14Cを無くし、その代わりに、III−V族窒化物半導体層20上に複数の島状の凸部21を設け、その上に上部電極16を設けるようにしてもよい。各凸部21は、例えば、例えば、SiO2などの絶縁材料によって構成されている。各凸部21の上面は、例えば、図13に示したように球状になっていることが好ましい。このようにした場合には、各凸部21の上面に入射した光が拡散反射されるので、光取り出し効率を改善することができる。
以上、複数の実施の形態およびそれらの変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形可能である。
<3.変形例>
例えば、上記の実施の形態等では、下地層11の下面と、上部クラッド層14の内部またはIII−V族窒化物半導体層20の上面とに、光散乱機能が設けられていたが、下地層11の下面にだけ光散乱機能が設けられていてもよい。例えば、図14、図15に示したように、下地層11の下面にだけ凹凸部11Aが設けられていてもよい。
1,2…半導体発光素子、10…基板、10A,11A,14C…凹凸部、11…下地層、12…下部クラッド層、12A…電極形成面、13…活性層、14…上部クラッド層、14A…第1上部クラッド層、14B…第2上部クラッド層、14D…凹部、15…光散乱層、15A…光散乱部、16…上部電極、17…下部電極、18…貫通転位、19…剥離層、20…III−V族窒化物半導体層、21…凸部、150…マスク層。

Claims (11)

  1. 基板の一主面側に、第1導電型層、活性層、および第1の第2導電型層を前記基板側からこの順に含むIII−V族窒化物半導体層を結晶成長により形成する第1工程と、
    前記III−V族窒化物半導体層の上面に、複数の島状のマスク層を形成したのち、前記III−V族窒化物半導体層の上面のうち前記マスク層の未形成領域に、第2の第2導電型層を結晶成長により選択的に形成する第2工程と
    を含む
    半導体発光素子の製造方法。
  2. 前記基板は、前記III−V族窒化物半導体層側の表面に凹凸を有する
    請求項1に記載の半導体発光素子の製造方法。
  3. 前記第1工程において、前記基板の凹凸の表面に剥離層を形成したのち、前記剥離層の表面に前記III−V族窒化物半導体層を形成し、
    前記第2工程終了後、前記基板を、前記剥離層を利用して前記III−V族窒化物半導体層から剥離する第3工程を含む
    請求項2に記載の半導体発光素子の製造方法。
  4. 前記基板の、前記III−V族窒化物半導体層側の表面が平坦になっている
    請求項1に記載の半導体発光素子の製造方法。
  5. 前記第2工程において、さらに、前記第2の第2導電型層を厚く形成することにより、前記マスク層を埋め込む
    請求項1ないし請求項4に記載の半導体発光素子の製造方法。
  6. 前記マスク層は、前記III−V族窒化物半導体層のうち少なくとも貫通転位の形成されている箇所を覆っており、
    前記第2工程において、さらに、前記第2の第2導電型層を厚く形成することにより、前記マスク層を埋め込む
    請求項2ないし請求項4に記載の半導体発光素子の製造方法。
  7. 前記マスク層を除去したのち、前記III−V族窒化物半導体層の上面に電極層を形成する第3工程を含む
    請求項1ないし請求項4に記載の半導体発光素子の製造方法。
  8. 前記基板は、サファイア基板、SiC基板、Si基板、またはGaN基板である
    請求項1ないし請求項4に記載の半導体発光素子の製造方法。
  9. 第1導電型層、活性層、および第2導電型層をこの順に含むIII−V族窒化物半導体層を備えるとともに、前記第2導電型層内、または前記第2導電型層の、前記活性層とは反対側の表面に光散乱層を備え、
    前記光散乱層は、複数の島状のマスク層を形成したのち、前記第2導電型層を結晶成長により選択的に形成することにより形成されたものである
    半導体発光素子。
  10. 前記III−V族窒化物半導体層は、前記第1導電型層側の表面に凹凸を有する
    請求項9に記載の半導体発光素子。
  11. 前記III−V族窒化物半導体層のうち前記第1導電型層側の表面に接する基板を備え、
    前記基板は、前記III−V族窒化物半導体層側の表面に、前記III−V族窒化物半導体層の、前記第1導電型層側の表面に形成された凹凸の反転形状の凹凸を有する
    請求項10に記載の半導体発光素子。
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